JPH08243380A - レーザー蒸着法による薄膜製造方法及び薄膜製造装置 - Google Patents

レーザー蒸着法による薄膜製造方法及び薄膜製造装置

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JPH08243380A
JPH08243380A JP7074424A JP7442495A JPH08243380A JP H08243380 A JPH08243380 A JP H08243380A JP 7074424 A JP7074424 A JP 7074424A JP 7442495 A JP7442495 A JP 7442495A JP H08243380 A JPH08243380 A JP H08243380A
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JP
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thin film
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laser
film manufacturing
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JP7074424A
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Hideo Itozaki
秀夫 糸崎
Ryuki Nagaishi
竜起 永石
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物高温超伝導体を用いて信頼性の高いマ
イクロ波・ミリ波デバイス用部材を製造する方法を提供
することを目的とする。 【構成】 チャンバ内において、第1の表面と、第1の
表面の裏側である第2の表面とを有する平板状の基板に
対して、堆積物質から成るターゲットにレーザーを照射
し堆積物質を昇華させて、基板の第1の表面上と第2の
表面上とに堆積物質の膜を形成する製造方法であって、
(a)ターゲットをチャンバ内に配置するステップと
(b)ターゲットの近傍に、第1の表面がターゲットと
対面するように、基板を配置するステップと、(c)基
板を加熱して所定の温度に維持するステップと、(d)
ターゲットにレーザーを照射し、且つ、基板を所定の周
期で反転させて、第1の表面上と第2の表面上に堆積物
質を堆積させるステップとを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー蒸着法による
デバイスの製造方法に関する。本発明は特に、酸化物高
温超伝導体を用いたマイクロ波・ミリ波デバイス用部材
の製造方法に適する。
【0002】
【従来の技術】酸化物高温超伝導体のマイクロ波・ミリ
波分野への応用に関して、低損失化、高速化、小型化及
び低消費電力化の観点から、産業上の期待が高まってい
る。
【0003】酸化物高温超伝導体を用いた各種デバイス
の開発と共に、これを製造する方法としてレーザー蒸着
法が注目されている。レーザー蒸着法では、基板及び堆
積させる物質のターゲットを加熱し、レーザーのパルス
をターゲットに照射することにより、ターゲットの物質
を昇華させて、基板上に堆積させる。
【0004】桧垣らの報告(電子情報通信学会予稿集、
1991年4月26日、文献1)によれば、酸化物高温
超伝導体であるYBa2 Cu3 7-x (以下、YBCO
と略記する)薄膜をスパッタリングにより堆積させて作
製されたプレーナー型の円盤共振器は、表面抵抗の温度
特性の面で、マイクロ波・ミリ波分野への応用に対して
有望な特性を有することが述べられている。
【0005】上記文献1にも述べられているように、こ
のような酸化物高温超伝導体の応用には、酸化物高温超
伝導体薄膜の結晶性等の膜質が特に重要である。
【0006】図5は、上記文献1に記載された共振器の
分解斜視図である。図5に示されるように、上記文献に
よる共振器100は、円形薄膜106及び矩形薄膜10
7a、107bが表面に形成された誘電体108に対し
て、Au薄膜から成る下部グランドプレーン102を表
面に有する下部誘電体104が下方から、Au薄膜から
成る上部グランドプレーン110を表面に有する上部誘
電体112が上方からそれぞれ、挟む構造を有する。
【0007】一方、Holzapfel らによれば、c軸配向の
(c-axis oriented )エピタキシャルYBa2 Cu3
7-x 薄膜を、オフ軸(off-axis ) の配置によるレーザー
蒸着法によってLaAlO3 とSrTiO3 との(10
0)面を有する基板の表裏両面に形成したことが報告さ
れている(Holzapfel, B. et.al.,Applied Physics Lett
ers,61(26),pp.3178-3180,28 Dec 1992 、文献2) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1の共振器で
は、1枚の酸化物高温超伝導体薄膜を有する誘電体に対
してグランドプレーン用導体膜を形成した2枚の誘電体
で挟む構造であるため、これら誘電体同士の密着度が多
少たりとも変化すれば、高周波特性に敏感に影響する。
そのため、高周波特性に関する信頼性の点で、実用的な
共振器の構造とは必ずしも言えない。
【0009】また、上記文献2では、1枚の誘電体基板
に対して表裏両面に酸化物高温超伝導体薄膜を形成する
可能性を示唆することにより、1枚の誘電体基板内に共
振器とグランドプレーンとを包含させて、文献1に代表
される問題点を解決しようとしている。しかし、文献2
では、上記の可能性を示唆するのみにとどまっており、
具体的に表裏両面に品質の高い膜を形成する方法に関し
ては何等言及されていない。
【0010】本発明は、上記の状況に鑑みてなされたも
のであり、酸化物高温超伝導体を用いて信頼性の高いマ
イクロ波・ミリ波デバイス用部材を製造する方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜製造方法
は、(a)ターゲットをチャンバ内に配置するステップ
と(b)ターゲットの近傍に、第1の表面がターゲット
と対面するように、基板を配置するステップと、(c)
基板を加熱して所定の温度に維持するステップと、
(d)ターゲットにレーザーを照射し、且つ、基板を所
定の周期で反転させて、第1の表面上と第2の表面上に
堆積物質を堆積させるステップとを備えることを特徴と
する。
【0012】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
を堆積させるステップにおいて、(i) ターゲットとが回
転し、且つ、(ii)ターゲット上へのレーザーが入射する
位置が所定の周期性をもって運動することを特徴として
もよい。
【0013】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
が、酸化物であることを特徴としてもよい。
【0014】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
が、酸化物高温超伝導体であることを特徴としてもよ
い。
【0015】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
が、85K以上の超伝導臨界温度を有し且つ0tesl
aにおいて77Kでの臨界電流密度が105 A/cm2
以上である物質であることを特徴としてもよい。
【0016】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
が、YBa2 Cu3 7-x であることを特徴としてもよ
い。
【0017】また、本発明の薄膜製造方法は、堆積物質
が、Tl酸化物と、Bi酸化物とから成る群より選択さ
れることを特徴としてもよい。
【0018】また、本発明の薄膜製造方法は、基板が誘
電体であることを特徴としてもよい。
【0019】また、本発明の薄膜製造方法は、基板が、
MgOと、LaAlO3 と、Al23 と、SrTiO
3 から成る群より選択される物質を備えることを特徴と
してもよい。
【0020】本発明の薄膜製造装置は、(1)200℃
の耐熱性を有し内部の減圧が可能なチャンバであって、
(a)ターゲットホルダーに支持された、堆積物質から
成るターゲットと、(b)ターゲットに基板の表面が対
面するように、基板を保持する基板ホルダーと、(c)
基板を所定の周期で反転させる反転手段と、(d)基板
を加熱する加熱手段と、(e)ターゲットに所定の角度
でレーザーを入射させるための入射窓と、を内部に備え
るチャンバと、(2)レーザーを発生させるレーザー発
生手段と、レーザー発生手段により発生させたレーザー
をチャンバの入射窓を介してターゲットに所定の角度で
入射させるためのミラーを含む光路系とを備えるレーザ
ー光学系とを備えることを特徴とする。
【0021】また、本発明の薄膜製造装置は、基板ホル
ダーに接続されて、基板に所定の周期性をもつ運動を与
える基板可動手段を更に備えることを特徴としてもよ
い。
【0022】また、本発明の薄膜製造装置は、レーザー
光学系のミラーが可動であり、ターゲットへ入射するレ
ーザーの所定の角度が、所定の周期性をもって変化する
ことを特徴としてもよい。
【0023】また、本発明の薄膜製造装置は、ターゲッ
トホルダーに接続されて、ターゲットに所定の周期性を
もつ運動を与えるターゲット可動手段を更に有すること
を特徴としてもよい。
【0024】また、本発明の薄膜製造装置は、ターゲッ
ト可動手段の運動が回転運動であることを特徴としても
よい。
【0025】また、本発明の薄膜製造装置は、レーザー
発生手段が、波長248nmのKrFエキシマレーザー
と、波長193nmのArFエキシマレーザーと、波長
308nmのXeClエキシマレーザーとから成る群よ
り選択されることを特徴としてもよい。
【0026】また、本発明の薄膜製造装置は、基板ホル
ダーが、基板を少なくとも1ヵ所の基板の端部で固定す
ることを特徴としてもよい。
【0027】
【作用】本発明の薄膜形成方法は、周期的に反転する基
板の近傍に、ターゲットを1つ配置し、ターゲットにレ
ーザーを照射する。従って、基板の両面に厚み分布の無
い良質且つ均質な薄膜を1つのプロセスで形成すること
ができる。反転の周期を調節することにより、表面裏面
の両面に同じ堆積速度で薄膜を形成することが可能とな
る。
【0028】また、本発明の薄膜製造方法によれば、1
つの基板の上下に導電体又は高温超伝導体層を形成する
ことが可能となるため、高周波特性が良好で且つ信頼性
の高い高周波デバイスを製造することが可能となる。
【0029】
【実施例】以下、添付した図面を参照して、本発明に従
った実施例を詳細に説明する。尚、これら図面において
は、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略した。尚、各図面においては図示による説明の容易
さを優先させ、縮尺及びディメンジョンを誇張して描か
れている部分が含まれる。
【0030】(実施例1)本実施例では、酸化物高温超
伝導体にYBCO、部材の基板にMgO単結晶板を用
い、本発明に従った方法によりマイクロ波共振器用の部
材を作製した。図1は、本実施例において作製されたマ
イクロ波共振器用部材の斜視図である。尚、図1は、図
示のし易さのため誇張して描かれており、以下の説明の
数値とは必ずしも一致しない。図1に示されるように、
マイクロ波共振器用部材10は、誘電体であるMgO単
結晶板12の上に、酸化物高温超伝導体であるYBCO
から成る円形膜14と、略矩形膜16a及び16bを有
し、且つ、MgO単結晶板12の下に、同じくYBCO
から成るグラウンドプレーン膜18を有する。誘電体で
あるMgO単結晶板12は、長さ20mm、幅10m
m、厚さ0.5mmのサイズを有する。円形膜14は、
直径5mm、厚さ0.5μmのサイズを有する。略矩形
膜16a及び16bはいずれも、長さ7mm、幅1m
m、厚さ0.5μmのサイズを有し、それぞれの円形薄
膜との距離(両矢印17a及び17bで示される)は、
共に0.5mmである。グラウンドプレーン膜18は、
MgO単結晶板12の下面全面に均一な厚さで形成され
ており、その厚さは0.5μmである。
【0031】図2は、マイクロ波共振器の断面図であ
り、(a)〜(f)の順番で、本実施例でのマイクロ波
共振器の作製の手順を示す。図2を参照して、本実施例
におけるマイクロ波共振器の作製方法の概略を説明して
おく。まず、図2(a)に示される誘電体12の上下に
YBCO膜141及び181を、同時に形成した(図2
(b)参照)。次に、片方のYBCO膜141の上面全
面に、フォトレジストを塗布してフォトレジスト層を形
成した(図2(c))。そして、マスクを用いて光露光
を行った後、全体を現像液に浸漬し、YBCO膜の表面
にフォトレジストパターン201を形成した(図2
(d))。次いで、YBCOをエッチングにより除去
し、パターン201に保護されているYBCO膜のみを
残した(図2(e)参照、尚、図2(e)〜(f)にお
いては、図1に示される円形膜14の断面のみが示さ
れ、矩形膜の断面は示されない)。最後に、フォトレジ
ストパターン201を除去して、所望のマイクロ波用共
振器が完成した。
【0032】次に、YBCO膜を誘電体基板の両面に同
時に形成するための装置について、詳細に説明する。本
実施例では、レーザー蒸着法によりYBCO膜を、Mg
O単結晶から成る基板の表裏両面に同時に形成した。図
3は、本実施例で用いたレーザー蒸着装置の断面図であ
る。以下、図3を参照して、本実施例に用いられたレー
ザー蒸着装置を説明する。
【0033】図3に示されるように、レーザー蒸着装置
200は、円筒形のチャンバ202を備える。このチャ
ンバ202内部で、MgO基板へのYBCO膜のレーザ
ー蒸着が行われる。チャンバ202は、ステンレス(S
US304)製の本体204と、SUS304製のリッ
ド206とにより、外部から画成される。チャンバ20
2内部には、MgO単結晶から成る誘電体基板208を
保持する基板ホルダー210と、YBCOから成るター
ゲット212を保持するターゲットホルダー214が包
含される。以下、基板ホルダー210の詳細を説明す
る。
【0034】図6は、本実施例の基板ホルダーを表し、
(a)は正面図、(b)は側面図である。図6に示され
るように、基板ホルダー210は、基板208が入る程
度の大きさの溝を有する一方の枠と他方の枠とから成
り、ビス209を用いて基板208を端面ではさみ込む
構造を有する。
【0035】図3では、基板208はその端面が図示さ
れており、基板208の片方の表面は、ターゲット21
2と対向している。ターゲット212と基板208との
距離は、5〜10cmである。
【0036】図3に示されるように、チャンバ202の
内部には、ヒーター216が包含され、基板208を効
率良く且つ基板温度が均一になるように加熱する。チャ
ンバ202は、過熱されないように冷却水により冷却さ
れる。
【0037】レーザー蒸着装置200のレーザー光学系
に関して説明する。この装置200では、レーザーの発
生装置系はチャンバの外部に設けられる。図3に示され
るように、チャンバ202には、外部からのレーザーを
チャンバ202内に入射させるための、入射窓220が
具備される。チャンバ202の外部には、レーザー発振
装置222と、固定ミラー224a,224bと、集光
レンズ229と、入射窓220への可動式ミラー228
とが備えられる。入射窓220aは、厚さ10mmの合
成石英から成る。レーザー発振装置222は、波長24
8nmのレーザーを発するKrFエキシマレーザー源を
備える。このレーザー源は、波長193nmのArFエ
キシマレーザーであってもよく、波長308nmのXe
Clエキシマレーザーであってもよい。
【0038】レーザー発振装置222から発せられたレ
ーザー(点線230で図示)は、固定ミラー224a,
224b及び集光レンズ229を介して、可動式ミラー
228に入射する。ターゲット212の表面に存在する
YBCOの各原子は、入射したレーザーのエネルギーを
受けて昇華して、点線234に模式的に示されるプルー
ムを形成し、ターゲットを構成する原子は、原子又はイ
オンの状態で移動し、基板208へと到達して基板20
8の表面に堆積される。
【0039】本発明では、レーザーの進入方向を定める
ミラー228が可動であり、ターゲット全面に均一にレ
ーザーが当たるようにした。可動式ミラー228は、タ
ーゲットへのレーザーの入射角を周期的に変化させるた
めに、周期性をもつ2軸方向の運動が与えられるよう
に、モーター(図示されず)に接続されている。可動ミ
ラー228により反射されたレーザー光は、入射窓22
0に入射する。従って、ターゲット表面でレーザーの入
射する位置も、2軸方向(垂直方向と水平方向)に変化
する。
【0040】更にターゲットは、回転機構を備えてお
り、ミラー228が1軸方向のみにしか可動ではない場
合にも、ターゲットの全面にわたってレーザーが入射で
きるようになっている。
【0041】図3に示されるように、レーザー蒸着装置
220におけるターゲット回転の機構としては、モータ
ー236と、シャフト238と、シャフトを保持するチ
ューブ240と、カップリング部242とが具備され
る。シャフト238のチャンバ側末端と、ターゲットホ
ルダー214のチャンバ壁側末端とは、それぞれ磁石が
備えられ(図示されず)、モーター236により与えら
れた、シャフト238aの回転運動が、磁石による結合
によってターゲットホルダー214aへと伝達される。
このような、磁気カップリング回転導入端子を用いて、
ターゲット212は回転される。
【0042】基板は、ターゲットに対して平行な位置に
配置されるが、基板の表裏両面に薄膜を堆積させるため
に、基板は所定の周期で反転される。チャンバ202の
上方には、基板反転のためのモーター256が具備され
る。モーター256は、基板ホルダー210に接続さ
れ、基板を所定の周期で180゜反転させる。モーター
256はプログラム可能なモーターであり、反転の周期
を自由に調節できる。本実施例では、約17.5秒間隔
で基板の反転を行った。反転の周期に関しては、基板の
両面に均一な薄膜を形成することができる周期であれば
特に限定されないが、片面全面を成膜する周期での反転
が好ましい。
【0043】また、可動式ミラー228が1軸にのみ可
動である場合でも基板へのYBCOの堆積が均一に行わ
れるように、基板を垂直方向の一定の軸の方向に往復運
動をさせるモーター254もまた、レーザー蒸着装置に
具備されている。
【0044】以下、本実施例の製造工程を、各工程毎に
説明する。
【0045】(1:MgO単結晶基板両面へのYBCO
薄膜の形成(図2(b)参照))この工程では、図3に
示されるレーザー蒸着装置を用い、誘電体であるMgO
単結晶基板の表裏両面へ、酸化物高温超伝導体であるY
BCOの薄膜を形成した。
【0046】本実施例では、YBCOとして、化学量論
比がYBa2 Cu3 7-x のものを用いた。誘電体基板
には、両面鏡面研磨が施された(100)面を有するM
gO単結晶板を用いた。このMgO単結晶基板のサイズ
は、40mmx40mmx0.5mmであった。
【0047】レーザー蒸着法の条件は、以下の通りであ
る。まず、チャンバ内を10-5トールまで減圧した後、
2 ガスを流下して、チャンバ内圧力を400mTor
rに維持した。ヒーターに電力を供給し、基板温度が6
50〜700℃に安定するまでその状態を維持する。基
板温度は、予めチャンバ内の基板近傍に熱電対を設置し
て様々なチャンバ内圧力や電力等の条件で温度測定を行
っておき、各条件に対する電力v.s.基板温度の検量
線を求めておくことにより、電力の操作のみで再現性良
く温度の制御が可能となる。次に、20rpmでタ−ゲ
ットの回転を開始し、基板野運動を開始した。レーザー
源(KrFレーザー、波長248nm)に電力を供給
し、約5Wのレーザー出力でレーザーを発生させた。こ
の時のレーザーのパルスの周波数は、5Hzであり、各
パルスのレーザーエネルギーは、0.25J/pulse で
あった。
【0048】発せられたレーザーは、全反射ミラー及び
表面に無反射コーティングが施された入射窓を介してチ
ャンバ内に設置されたターゲットに入射する。本実施例
では、ターゲットは一辺が60mm、厚みが5mmの直
方体形状であり、ターゲット表面上のレーザーの照射面
積は、10mm2 (照射領域は2mmx5mm)であっ
た。また、レーザーのレーザーエネルギー密度は、1.
5〜2.0J/cm2であり、従って、レーザーエネル
ギーは150〜200mJであった。
【0049】本実施例では、基板の表面に対して、それ
ぞれターゲットが平行な位置に配置され、入射の角度を
変化させた。図3に示されるように、レーザー照射を受
けたターゲット212の表面では、ターゲット表面を構
成するYBCOが昇華し、点線234で示されるような
プルームを形成する。基板への蒸着量は、プルームの中
心部分で最も多く、プルームの中心から外側に向かって
少なくなる。このため、基板及びプルームを固定してい
れば、基板に堆積される薄膜の厚さに分布が生じてしま
う。このような問題を防止するため、本実施例では、ミ
ラー228を2軸方向に回転させることにより、ターゲ
ット上でレーザーを2次元走査し、プルームの中心位置
を変化させて、膜圧分布の少い薄膜を形成した。レーザ
ーの走査方法としては、速度2cm/sec.で60m
m角のターゲット上を水平方向に50mm、垂直方向に
10mm、水平方向反対向きに50mm、垂直方向に1
0mmといった櫛形の走査を繰り返し行った。
【0050】また、本発明における装置では、基板を垂
直方向に運動できるので、レーザーを水平方向の一方向
にのみ2cm/sec.の速度で50mm走査し、走査
端にレーザーが到達したときに同期させて、基板を2c
m/sec.の速度で垂直方向に10mm移動させるこ
とにより、前述のレーザー2次元走査と同様の効果が得
られる。このとき、ターゲットの全面で堆積物質の昇華
が行われるように、20rpmで回転させた。
【0051】形成された膜の厚み分布を最小にすること
が可能であれば、可動ミラーの運動の態様は特に限定さ
れない。
【0052】また、基板208は、表裏両面に薄膜を形
成させるために、片面走査が完了する約17.5秒間隔
で180゜反転される。
【0053】このような基板の運動を実現するため、図
3に示されるチャンバのリッド206上に配置され基板
ホルダーを運動させるモーター254及び256にはリ
ニアモーターを用いるが好ましく、プログラミングが可
能なコントローラで制御されることが好ましい。
【0054】レーザーが入射されたターゲット表面で
は、Y、Ba、Cu、Oの各原子が昇華し、それぞれが
原子の状態で基板へと到達し、基板上に堆積されてい
く。このように、堆積操作を約34分行い、約0.5μ
mのYBCO薄膜が堆積された。本実施例では、得られ
たYBCO膜の厚さと操作時間とから、堆積速度は平均
で約1オングストローム/pulse であった。
【0055】このように、MgO基板上に形成された薄
膜の導電性を、以下のように測定した。薄膜を形成した
基板の1つを薄膜の導電性測定用に取り出し、片面の薄
膜に、フォトリソグラフィー及びエッチングにより20
μmx20μmのブリッジを形成した。そして、温度条
件を変えて、一般的な四端子法によってブリッジの両側
の発生電圧を測定して抵抗値を得た。発生電圧が1μV
以下になる温度を超伝導臨界温度(Tc)と定めた。本
実施例の薄膜のTcは90Kであった。次に、77Kに
おいてブリッジに供給する電流を徐々に増加させ、抵抗
が発生した電流を臨界電流(Ic)とし、Icをブリッ
ジの電流通過断面積で除して、臨界電流密度(Jc)を
得た。本実施例で作製されたYBCO薄膜の臨界電流密
度は、500万A/cm2 であった。
【0056】また、得られたYBCO薄膜の厚み分布に
関し、膜の一部を取り除き、膜と基板との境にできる段
差を、接触式の表面あらさ計を用いて測定し、これによ
り、膜全面にわたって同様の測定を行った。本実施例で
形成された薄膜の厚みのばらつきは、表裏両面とも、+
/−5%以下の範囲内であった。
【0057】(2:フォトレジストパターンの形成(図
2(c),(d)参照))以上のように形成されたYB
CO膜の片方の表面上に、周知のフォトレジスト技術に
よりフォトレジストパターンを形成した。
【0058】フォトレジスト材には、市販されているシ
リコン半導体用レジスト材を特に制限なく用いることが
可能である。例えば、ポジ型レジスト材としては、OF
PR−2(東京応化工業社製)、AZ111(ヘキスト
社製)等、一般的なポジレジスト材を例示することがで
きる。また、ネガ型レジスト材としては、JSR CI
R−712(日本合成ゴム社製)等を例示することがで
きる。
【0059】半導体製造プロセスの量産工程において多
用されている方法によって、ポジ型レジスト材の塗布の
後マスクを用いて光露光を行い、YBCO薄膜の表面上
に、図1に示される円板薄膜14及び略矩形薄膜16
a,16bのパターンをもったレジスト材が形成され
た。
【0060】(3:YBCOのエッチング(図2(e)
参照))以上のように形成されたフォトレジストに保護
された部分以外のYBCO膜をエッチングした。エッチ
ングには、半導体製造プロセスの量産工程で広く用いら
れているイオンミリング法が用いられた。
【0061】(4:レジスト材の除去(図2(f)参
照))最後に、残留レジスト材をアセトンにより除去
し、図1に示されるようなマイクロ波共振器用の部材が
完成した。
【0062】(マイクロ波共振器用部材の高周波特性の
測定)このように作製されたマイクロ波用共振器用部材
の高周波特性に関して評価を行った。まず、このマイク
ロ波用共振器は、誘電体の表面(円板薄膜が形成されて
いる方の面)及び裏面に、酸化物高温超伝導体が形成さ
れている構造を有する。従って、この共振器に入力され
たマイクロ波は、水平方向で且つ矩形薄膜から円板薄膜
を経て他方の矩形薄膜へと至る方向にマイクロ波を共振
させて導波する。
【0063】高周波特性の評価は、次の通りであった。
共振器をクライオスタット内で77Kの温度に平衡させ
た後、5GHzのマイクロ波を入力し、その際のQ値を
測定した。Q値の測定には、ネットワークアナライザを
用いて行った。
【0064】図4は、本実施例で作製されたマイクロ波
共振器の高周波特性の評価に用いられた装置のシステム
線図である。図4に示されるように、高周波特性測定装
置300は、試験体(マイクロ波共振器)302を内部
に包含して所定の温度に平衡させるクライオスタット3
04と、ネットワークアナライザ306とを備える。ク
ライオスタットには、冷却器308と、温度制御装置3
10が備えられている。温度制御装置310が制御可能
な温度範囲は、30〜300Kである。ネットワークア
ナライザ306は、信号ソース312と接続され、これ
を制御する。そして、ネトワークアナライザ306と温
度制御装置310とは、システムコントローラ314に
よって統轄的に制御される。本実施例で用いられたネッ
トワークアナライザ306は、HP8515B型(ヒュ
ーレットパッカード社製)であった。
【0065】図4に示されるように本実施例で作製した
共振器302は、クライオスタット304内部に設置さ
れて、77Kの温度に冷却された。その後、信号ソース
312に5GHzの高周波シグナルを発生させて、ネッ
トワークアナライザ306に導入した。ネットワークア
ナライザ306により、この5GHzの高周波シグナル
がクライオスタット304内の試験体302内に入力さ
れ、その応答はネットワークアナライザ306にフィー
ドバックされた。
【0066】本実施例により作製されたマイクロ波共振
器のQ値は、77Kにおいて40,000であった。従
って、本実施例により作製された酸化物高温超伝導体を
用いたマイクロ波共振器は、良好な周波数特性を有する
ことが確認された。 (実施例2)本実施例では、ターゲットの堆積物質にT
lBa2 CaCu2 x を用いて、MgO基板上にTl
Ba2 CaCu2 x を堆積させた。
【0067】まず、図3に示される装置を用い、実施例
1と全く同様の方法でTlBa2 CaCu2 x 薄膜を
形成した。次に、Tlの蒸気圧が高く薄膜中からTlが
消失され易いことを考慮し、薄膜形成後に基板を、O2
+Tl雰囲気中で800℃、10時間の熱処理を行っ
た。熱処理の後、薄膜高周波特性を、実施例1と同じ方
法で評価した。フォトリソグラフィー〜エッチングの工
程を実施例1と同様に行い、実施例1と同じ構造のマイ
クロ波共振器を作製した。そして、実施例1と同じ方法
でQ値を評価した。
【0068】得られたTlBa2 CaCu2 x 薄膜の
Tcは95K、77KにおけるJcは1,000,00
0A/cm2 であった。また、作製された共振器のQ値
は、42,000であった。
【0069】(実施例3)本実施例では、ターゲットの
堆積物質にTl2 Ba2 CaCu2 x を用いて、Mg
O基板上にTl2 Ba2 CaCu2 x を堆積させた。
【0070】まず、図3に示される装置を用い、基板温
度を300〜350℃の範囲で設定した以外は実施例1
と全く同様の方法でTl2 Ba2 CaCu2 x 薄膜を
形成した。次に、Tlの蒸気圧が高く薄膜中からTlが
消失され易いことを考慮し、薄膜形成後に基板を、O2
+Tl雰囲気中で900℃、10時間の熱処理を行っ
た。熱処理の後、薄膜高周波特性を、実施例1と同じ方
法で評価した。フォトリソグラフィー〜エッチングの工
程を実施例1と同様に行い、実施例1と同じ構造のマイ
クロ波共振器を作製した。そして、実施例1と同じ方法
でQ値を評価した。
【0071】得られたTl2 Ba2 CaCu2 x 薄膜
のTcは100K、77KにおけるJcは1,200,
000A/cm2 であった。また、作製された共振器の
Q値は、50,000であった。
【0072】(実施例4)本実施例では、ターゲットの
堆積物質にTl2 Ba2 Ca2 Cu3 x を用いて、M
gO基板上にTl2 Ba2 Ca2 Cu3 x を堆積させ
た。
【0073】まず、図3に示される装置を用い、基板温
度を300〜350℃の範囲で設定した以外は実施例1
と全く同様の方法でTl2 Ba2 Ca2 Cu3 x 薄膜
を形成した。次に、Tlの蒸気圧が高く薄膜中からTl
が消失され易いことを考慮し、薄膜形成後に基板に対
し、O2 +Tl雰囲気中で850℃、12時間の熱処理
を行った。熱処理の後、薄膜高周波特性を、実施例1と
同じ方法で評価した。フォトリソグラフィー〜エッチン
グの工程を実施例1と同様に行い、実施例1と同じ構造
のマイクロ波共振器を作製した。そして、実施例1と同
じ方法でQ値を評価した。
【0074】得られたTl2 Ba2 Ca2 Cu3 x
膜のTcは115K、77KにおけるJcは3,00
0,000A/cm2 であった。また、作製された共振
器のQ値は、55,000であった。
【0075】(実施例5)本実施例では、ターゲットの
堆積物質にBi2 Sr2 CaCu2 x を用いて、Mg
O基板上にBi2 Sr2 CaCu2 x を堆積させた。
【0076】まず、図3に示される装置を用い、基板温
度を700〜750℃の範囲で設定した以外は実施例1
と全く同様の方法でBi2 Sr2 CaCu2 x 薄膜を
形成した。次に、薄膜の高周波特性を、実施例1と同じ
方法で評価した。そして、フォトリソグラフィー〜エッ
チングの工程を実施例1と同様に行い、実施例1と同じ
構造のマイクロ波共振器を作製した。そして、実施例1
と同じ方法でQ値を評価した。
【0077】得られたBi2 Sr2 CaCu2 x 薄膜
のTcは85K、77KにおけるJcは800,000
A/cm2 であった。また、作製された共振器のQ値
は、35,000であった。
【0078】(実施例6)本実施例では、ターゲットの
堆積物質にBi2 Sr2 Ca2 Cu3 x を用いて、M
gO基板上にBi2 Sr2 Ca2 Cu3 x を堆積させ
た。
【0079】まず、図3に示される装置を用い、基板温
度を625〜675℃の範囲で設定した以外は実施例1
と全く同様の方法でBi2 Sr2 Ca2 Cu3 x 薄膜
を形成した。次に、薄膜の高周波特性を、実施例1と同
じ方法で評価した。そして、フォトリソグラフィー〜エ
ッチングの工程を実施例1と同様に行い、実施例1と同
じ構造のマイクロ波共振器を作製した。そして、実施例
1と同じ方法でQ値を評価した。
【0080】得られたBi2 Sr2 Ca2 Cu3 x
膜のTcは90K、77KにおけるJcは900,00
0A/cm2 であった。また、作製された共振器のQ値
は、40,000であった。
【0081】尚、実施例1〜6に関し、成膜条件と、得
られた膜及び共振器の特性は、表1に示される。
【0082】
【表1】 尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様
々な変形が可能である。例えば、誘電体基板には、Mg
Oの他にも(100)面を有するLaAlO3、R面を
有するサファイア(Al2 3 )、SrTiO3 等を用
いることができる。
【0083】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の薄
膜製造方法及び薄膜製造装置によれば、良質且つ均質な
薄膜を基板の両面に形成することが可能となる。
【0084】従って、酸化物高温超伝導体を用いた信頼
性の高いマイクロ波・ミリ波デバイス用部材を簡便に製
造する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って作製されたマイクロ波共振器の
概念的な斜視図である。
【図2】本発明に従って作製されたマイクロ波共振器の
断面図であり、本発明に従った製造方法の各工程におけ
る状態を表す。
【図3】本発明に従った製造方法の実施に好適な酸化物
高温超伝導体のレーザー蒸着装置の断面図である。
【図4】デバイスの高周波特性測定装置のシステム線図
である。
【図5】従来技術によるマイクロ波共振器の分解斜視図
である。
【図6】本発明の実施例の基板ホルダーの正面図及び側
面図である。
【符号の説明】
10…マイクロ波共振器用部材、12…誘電体基板、1
4…円形膜、16a,16b…略矩形膜、18…グラウ
ンドプレーン、20…フォトレジスト層、100…共振
器、102…下部グラウンドプレーン、104…下部誘
電体、106…円形薄膜、107a,107b…矩形薄
膜、108…誘電体基板、110…上部グラウンドプレ
ーン、112…上部誘電体、200…レーザー蒸着装
置、202…チャンバ、204…本体、206…リッ
ド、208…基板、210…基板ホルダー、212…タ
ーゲット、214…ターゲットホルダー、216…ヒー
ター、220…入射窓、222…レーザー発振装置、2
24…ミラー、226…プリズム、228a,b…ミラ
ー、229…集光レンズ、230,232a,232
b,234a,234b…点線、236…モーター、2
38…シャフト、240…チューブ、242…カップリ
ング部、244…タブ、246…リング、248…支持
体、250…ワイヤー、300…高周波測定測定装置、
302…試験体、304…クリオスタット、306…ネ
ットワークアナライザ、308…冷却器、310…温度
制御装置、312…信号ソース、314…システムコン
トローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/22 501 7202−4G C30B 29/22 501M H01L 39/24 ZAA H01L 39/24 ZAAD H01P 7/10 H01P 7/10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内において、第1の表面と、前
    記第1の表面の裏側である第2の表面とを有する平板状
    の基板に対して、堆積物質から成るターゲットにレーザ
    ーを照射し前記堆積物質を昇華させて、前記基板の前記
    第1の表面上と前記第2の表面上とに前記堆積物質の膜
    を形成する製造方法であって、 (a)前記ターゲットを前記チャンバ内に配置するステ
    ップと (b)前記ターゲットの近傍に、前記第1の表面が前記
    ターゲットと対面するように、前記基板を配置するステ
    ップと、 (c)前記基板を加熱して所定の温度に維持するステッ
    プと、 (d)前記ターゲットにレーザーを照射し、且つ、前記
    基板を所定の周期で反転させて、前記第1の表面上と前
    記第2の表面上に前記堆積物質を堆積させるステップと
    を備えることを特徴とする薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】 前記堆積物質を堆積させる前記ステップ
    において、(i) 前記ターゲットとが回転し、且つ、(ii)
    前記ターゲット上への前記レーザーが入射する位置が所
    定の周期性をもって運動することを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】 前記堆積物質が、酸化物であることを特
    徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】 前記堆積物質が、酸化物高温超伝導体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の薄膜製造方法。
  5. 【請求項5】 前記堆積物質が、85K以上の超伝導臨
    界温度を有し且つ0teslaにおいて77Kでの臨界
    電流密度が105 A/cm2 以上である物質であること
    を特徴とする請求項4に記載の薄膜製造方法。
  6. 【請求項6】 前記堆積物質が、YBa2 Cu3 7-x
    であることを特徴とする請求項4に記載の薄膜製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記堆積物質が、Tl酸化物と、Bi酸
    化物とから成る群より選択されることを特徴とする請求
    項4に記載の薄膜製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基板が誘電体であることを特徴とす
    る請求項1、4又は5のいずれかに記載の薄膜製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記基板が、MgOと、LaAlO
    3 と、Al2 3 と、SrTiO3 から成る群より選択
    される物質を備えることを特徴とする請求項1、6又は
    7のいずかに記載の薄膜製造方法。
  10. 【請求項10】 互いに表裏の関係にある第1の表面と
    第2の表面とを有する平板状の基板に薄膜を形成するた
    めの製造装置であって、 (1)200℃の耐熱性を有し内部の減圧が可能なチャ
    ンバであって、(a)ターゲットホルダーに支持され
    た、堆積物質から成るターゲットと、(b)前記ターゲ
    ットに前記基板の表面が対面するように、前記基板を保
    持する基板ホルダーと、(c)前記基板を所定の周期で
    反転させる反転手段と、(d)前記基板を加熱する加熱
    手段と、(e)前記ターゲットに所定の角度でレーザー
    を入射させるための入射窓と、 を内部に備えるチャンバと、 (2)レーザーを発生させるレーザー発生手段と、前記
    レーザー発生手段により発生させたレーザーを前記チャ
    ンバの前記入射窓を介して前記ターゲットに所定の角度
    で入射させるためのミラーを含む光路系とを備えるレー
    ザー光学系とを備えることを特徴とする薄膜製造装置。
  11. 【請求項11】 前記基板ホルダーに接続されて、前記
    基板に所定の周期性をもつ運動を与える基板可動手段を
    更に備えることを特徴とする請求項10に記載の薄膜製
    造装置。
  12. 【請求項12】 前記レーザー光学系の前記ミラーが可
    動であり、前記ターゲットへ入射するレーザーの前記所
    定の角度が、所定の周期性をもって変化することを特徴
    とする請求項10に記載の薄膜製造装置。
  13. 【請求項13】 前記ターゲットホルダーに接続され
    て、前記ターゲットに所定の周期性をもつ運動を与える
    ターゲット可動手段を更に有することを特徴とする請求
    項10に記載の薄膜製造装置。
  14. 【請求項14】 前記ターゲット可動手段の前記運動が
    回転運動であることを特徴とする請求項10に記載の薄
    膜製造装置。
  15. 【請求項15】 前記レーザー発生手段が、波長248
    nmのKrFエキシマレーザーと、波長193nmのA
    rFエキシマレーザーと、波長308nmのXeClエ
    キシマレーザーとから成る群より選択されることを特徴
    とする請求項10に記載の薄膜製造装置。
  16. 【請求項16】 前記基板ホルダーが、前記基板を少な
    くとも1ヵ所の前記基板の端部で固定することを特徴と
    する請求項10に記載の薄膜製造装置。
JP7074424A 1995-03-07 1995-03-07 レーザー蒸着法による薄膜製造方法及び薄膜製造装置 Pending JPH08243380A (ja)

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US08/609,248 US5624722A (en) 1995-03-07 1996-03-01 Apparatus and method for depositing films on substrate via on-axis laser ablation
CA002171125A CA2171125A1 (en) 1995-03-07 1996-03-06 Apparatus and method for depositing films on substrate via on-axis laser ablation
DE69609435T DE69609435T2 (de) 1995-03-07 1996-03-07 Vorrichtung und Verfahren zum Aufdampfen von Filmen auf ein Substrat mittels "on-axis" Laserablation
EP96103568A EP0731189B1 (en) 1995-03-07 1996-03-07 Apparatus and method for depositing films on substrate via on-axis laser ablation

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016147787A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 国立大学法人山口大学 半導体基板及びその製造方法、並びにそれに用いる気相成長装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016147787A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 国立大学法人山口大学 半導体基板及びその製造方法、並びにそれに用いる気相成長装置

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