JPH08242862A - Rna切断方法、rna制限酵素及び新規化合物 - Google Patents

Rna切断方法、rna制限酵素及び新規化合物

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JPH08242862A
JPH08242862A JP7051297A JP5129795A JPH08242862A JP H08242862 A JPH08242862 A JP H08242862A JP 7051297 A JP7051297 A JP 7051297A JP 5129795 A JP5129795 A JP 5129795A JP H08242862 A JPH08242862 A JP H08242862A
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JP
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rna
compound
restriction enzyme
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odn
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JP7051297A
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Kazuo Shinozuka
和夫 篠塚
Hiroaki Sawai
宏明 沢井
Kazuhiro Shimizu
計宏 清水
Yoshimitsu Nakajima
義充 中嶋
Akira Umeda
彰 梅田
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウリジン又はチミジンと結合した多価アミン
を、RNAの一重鎖部分の塩基配列に相補的な核酸塩基
鎖を介して該RNAに結合させ、その近傍を切断するこ
とを特徴とするRNAの切断方法、並びに切断するRN
Aの一重鎖部分と実質的に相補的な核酸塩基鎖の付加さ
れたウリジン又はチミジンと結合した多価アミンからな
ることを特徴とするRNA制限酵素。 【効果】 金属を必要とすることなく、かつ塩基のアル
キル化型を経由することなく、RNAの特異的な構造及
び塩基配列を認識して、その部位を含む近傍を切断する
人工RNA制限酵素が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種病気の治療や、各
種試薬、医薬等の合成に有用なRNA切断方法及びRN
A制限酵素、並びにそのRNA制限酵素に用いることの
できる新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】RNAの特異的な構造を認識してその近
傍を切断する酵素としては、一重鎖部分を認識し切断す
るS1ヌクレアーゼなどが知られている(Methods in E
nzymology 180, 192-212 (1989))。また、特定の塩基
を認識しその部位を特異的に切断する、又は2つの塩基
の配列に依存して切断するRNA分解酵素も知られてい
る(Methods in Enzymology 180, 192-212 (1989) ; T.
A. Brown編 MolecularBiology LABFAX, βIOS Scienti
fic publishers (1991))。一方、一重鎖でかつ特定の
塩基配列を有する部位を認識し、そこへ結合してその近
傍を切断する酵素は知られていないが、酵素以外の天然
物でこのような作用を持つものとして、リボザイムがあ
る(J. A. B. Murray編, Antisence RNA and DNA, 353-
372及び373-381頁 Wiley-Liss (1993))。
【0003】人工的に合成した化合物で、RNAの一重
鎖部分の特定塩基配列を認識して該部位へ結合し、その
近傍を特異的に切断するものとして、銅などの金属の作
用を利用するもの(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 4
206-4210 (1993) ; J. Am. Chem. Soc. 116, 5981-5982
(1994) ; J. Am. Chem. Soc. 116, 7439-7440 (199
4))、塩基のアルキル化を経由して切断が進行するもの
(S. T. Crookeと B. Lebleu編, Antisense Research a
nd Applications, 235-250 頁 (1993) )、及びRNA
分解酵素を化学結合により結合したもの(Nucleic Acid
s Research 15, 4403-4415 (1987) ; J. Am. Chem. So
c. 110, 1514-1515 (1988) ; J. Biol. Chem.267, 8492
-8498 (1992))がある。しかし、これらの方法はアンチ
センス核酸法、リボザイム法、及び三重鎖法へ応用する
には問題がある。即ち、金属の作用を利用するものやア
ルキル化を経由するものは、毒性や副作用が現れる可能
性が大きい。また酵素を結合したものは、細胞膜透過性
に問題があることが当然に予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、RN
Aの特異的な構造及び塩基配列を認識し、その部位を含
む近傍を切断し、該切断活性が非天然型に由来し、かつ
該活性発現に金属を必要とせず、さらに塩基のアルキル
化型を経由することなく進行させることのできる化合物
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、特定の構造を有するウリジン又
はチミジン誘導体を含む合成化合物が、金属を必要とす
ることなく、かつ塩基のアルキル化型を経由することな
く、RNAの特異的な構造及び塩基配列を認識して、そ
の部位を含む近傍を切断することを見出し、本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は、ウリジン又はチミジ
ンと結合した多価アミンを、RNAの一重鎖部分の塩基
配列に相補的な核酸塩基鎖を介してRNAに結合させ、
その近傍を切断することを特徴とするRNAの切断方法
である。また、本発明は、切断するRNAの一重鎖部分
と実質的に相補的な核酸塩基鎖の付加されたウリジン又
はチミジンと結合した多価アミンからなることを特徴と
するRNA制限酵素である。さらに、本発明は、下記の
構造式(1)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1、R2、R3及びR4は水素又は
保護基を表す。)で表される新規ウリジン誘導体であ
る。さらに、本発明は、下記の構造式(2)
【0009】
【化7】
【0010】で表される化合物と、トリス(2-アミノエ
チル)アミンとを反応させて、下記の構造式(3)
【0011】
【化8】
【0012】で表される化合物を合成する方法である。
さらに、本発明は、下記の構造式(1)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R1、R3及びR4は保護基を表
し、R2は水素を表す。)で表される化合物を、β−シ
アノエトキシジクロロホスフィンとジイソプロピルアミ
ンとの反応混合物と反応させ、得られた下記の構造式
(4)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R1、R3及びR4は保護基を表
す。)で表される化合物に核酸塩基鎖を結合させて、請
求項2又は3記載のRNA制限酵素を合成する方法であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。本発明のRNA制
限酵素は、切断するRNAの一重鎖部分と実質的に相補
的な核酸塩基鎖の付加されたウリジン又はチミジンと結
合した多価アミンからなる。例えばウリジンと結合した
多価アミンとしては、下記の構造式(1)
【0017】
【化11】
【0018】(式中、R1、R2、R3及びR4は水素又は
保護基を表す。)で表される新規ウリジン誘導体(これ
をウリジン誘導体(1) という。)が挙げられる。このウ
リジン誘導体(1) が有する保護基としては、公知のもの
が種々利用できる。具体的に例示すれば、保護基R1
2、R3、R4としては、トリチル基、メトキシトリチ
ル基、ジメトキシトリチル基、アセチル基、ベンゾイル
基、p-アニソイル基、トリブチリル基等が挙げられ、特
に保護基R3、R4としては、ベンジルオキシカルボニル
基、t-ブトキシカルボニル基、9-フルオレニルメトキシ
カルボニル基、トリフロロメチルカルボニル基等も挙げ
られる。このウリジン誘導体(1) の一例である下記の構
造式(3)
【0019】
【化12】
【0020】で表される化合物(これをウリジン誘導体
(3) という。)は、例えば以下のようにして合成するこ
とができる。出発物質としては、下記の構造式(2)
【0021】
【化13】
【0022】で表される化合物(これを化合物(2) とい
う。)を使用することができる。この化合物(2) は、J.
C. S. Chem. Commun., 1997頁, (1994年)に記載の化
合物8であり、該文献に記載の合成方法によって製造す
ることができる。具体的には、アラビノースとシアンア
ミドより得られるアラビノアミノオキサゾリンとα-ブ
ロモメチルフマル酸ジメチルをトリエチルアミン存在下
で反応させ、2,2'-アンヒドロウリジン誘導体を合成す
る。次いでこのアンヒドロウリジン誘導体を臭化アセチ
ルと反応させた後、トリ-n-ブチルスズヒドリドで還元
することにより化合物(2) を合成する。
【0023】上記のようにして得られた化合物(2) を、
アルキルアミン、例えばトリス(2-アミノエチル)アミ
ンと反応させる。それには、化合物(2) 、トリス(2-ア
ミノエチル)アミン及び4-ジメチルアミドピリジン(DM
AP)を混合し、この混合物にメタノールを加える。トリ
ス(2-アミノエチル)アミンの使用量は、化合物(2)と
同モル量あるいは若干の過剰量程度であればよく、DMAP
は10%モル量以下の触媒であるのが好ましい。
【0024】得られた混合物を、50〜70℃程度で約2〜
8時間還流する。反応液をエバポレーターでメタノール
を留去した後、残渣を少量のメタノールに溶かし、エー
テル又はベンゼンに滴下することによって、構造式(1)
で表される新規ウリジン誘導体化合物が得られる。本発
明のRNA制限酵素では、多価アミンと結合したウリジ
ン又はチミジンに、切断するRNAの一重鎖部分と実質
的に相補的な核酸塩基鎖が付加されている。この核酸塩
基鎖は、例えばオリゴデオキシリボヌクレオチドからな
る。そこで、ウリジン誘導体(3) とオリゴデオキシリボ
ヌクレオチドを結合させて本発明のRNA制限酵素を合
成する方法の一例を、以下説明する。
【0025】a)まず、ウリジン誘導体(3) の末端のア
ミノ基に保護基を導入する。それには、例えばウリジン
誘導体(3) とトリフロロ酢酸エチルとを反応させればよ
い。具体的には、ウリジン誘導体(3) を乾燥させた後メ
タノールに溶かし、これにDMAPを加え、次いでトリフロ
ロ酢酸エチルを大過剰量(ウリジン誘導体(3) に対して
10〜100 倍モル量)滴下して室温下で1日程度攪拌す
る。 b)下記の構造式(5)
【0026】
【化14】
【0027】で表される化合物(これを化合物(5) とい
う。)が得られたら、今度はその5'位の水酸基に保護基
を導入する。それには、例えば化合物(5) とジメトキシ
トリチルクロライド(DMTr-Cl)とを反応させればよ
い。具体的には、DMAPを含むピリジン中で化合物(5) と
ジメトキシトリチルクロライドとを常温で8〜20時間反
応させる。 c)下記の構造式(6)
【0028】
【化15】
【0029】で表される化合物(これを化合物(6) とい
う。)が得られたら、3'位の水酸基ににリン酸基を導入
する。それには、例えばβ−シアノエトキシジクロロホ
スフィン及びジイソプロピルエチルアミンの反応物と化
合物(6) とを、ジイソプロピルエチルアミン−ジクロロ
メタン中で反応させればよい。具体的には、まず、β−
シアノエトキシジクロロホスフィンをドライのジクロロ
メタンに溶かして、窒素雰囲気下、0℃前後でジイソプ
ロピルアミンを滴下し、その後室温で約1時間攪拌す
る。得られた反応液を、化合物(6) 、ジクロロメタン及
びジイソプロピルエチルアミンの混合物に、窒素雰囲
気、室温下で滴下して1時間程度攪拌する。 d)下記の構造式(7)
【0030】
【化16】
【0031】で表される化合物(これを化合物(7) とい
う。)が得られたら、この化合物(7)を、通常のDNA
合成機を用いて所望の核酸塩基鎖に結合させる。即ち、
市販のデオキシヌクレオシドフォスフォロアミダイト及
び合成した化合物(7) を用い、DNA合成機で所望の配
列を持つオリゴデオキシリボヌクレオチドを合成する。
この際、オリゴデオキシリボヌクレオチド中のチミジン
部には、所望の位置で1箇所又は複数箇所チミジンフォ
スフォロアミダイトの代わりに化合物(7) を導入する。
それにより、核酸塩基鎖中のチミジンをウリジン誘導体
(3) で置換したものを合成することができる。
【0032】本合成例では、フォスフォロアミダイトを
使用しているため、フォスフォロアミダイト法を用いる
ことができる。フォスフォロアミダイト法とは、修飾デ
オキシリボヌクレオチド又は修飾リボヌクレオチドの3'
末端にシアノエチル基などで保護したフォスフォロアミ
ダイトを結合した試薬を用いて、別の修飾デオキシリボ
ヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、オリゴ修飾デオ
キシリボヌクレオチド、オリゴ修飾リボヌクレオチド等
の5'末端に縮合させることを基本とするオリゴデオキシ
リボヌクレオチドやオリゴリボヌクレオチドなどの核酸
関連化合物の合成法である。
【0033】フォスフォロアミダイト法は、例えばアプ
ライドバイオシステム社製の381A DNA合成機又は394 DN
A/RNA 合成機を用いて、同社の手順書又はF.Eckstein
編、Oligonucleotides and Analogues: A Practical Ap
proach、IRL Press 、1991年を参照して行うことができ
る。ウリジン誘導体を結合させる核酸塩基鎖としては、
切断するRNA鎖の一重鎖部分に実質的に相補的である
ものを選択すればよい。例えば切断するRNA鎖の一重
鎖部分が 5'-CCCAUGCCGAA-3'からなる配列を有していれ
ば、3'-GGGTACGGCT-5'からなる配列を有する核酸塩基鎖
の5'末端側にウリジン誘導体を結合させればよい。
【0034】以上のようにして得られる本発明のRNA
制限酵素は、3塩基以上からなるRNAの特定塩基配列
の一重鎖部分に特異的に結合してその近傍を切断する活
性を有する。また、その活性の発現には金属を必要とせ
ず、切断の際に塩基のアルキル化型を経由しない。従っ
て、本発明のRNA制限酵素を用いることにより、所望
のRNAを切断することができる。即ち、切断するRN
Aの一重鎖部分の塩基配列に相補的な核酸塩基鎖を有す
る本発明のRNA制限酵素を作製し、その核酸塩基鎖を
RNAに結合させることにより、その近傍を切断するこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1)ウリジン誘導体(3) の合成 J. C. S. Chem. Commun., 1997頁, (1994年)に記載の
方法により、アラビノースとシアンアミドよりアラビノ
アミノオキサゾリンを合成し、このアラビノアミノオキ
サゾリンとα-ブロモメチルフマル酸ジメチルとをトリ
エチルアミン存在下で反応させ、2,2'-アンヒドロウリ
ジン誘導体を合成した。次いでこのアンヒドロウリジン
誘導体を臭化アセチルと反応させた後、トリ-n-ブチル
スズヒドリドで還元することにより化合物(2) (3',5'-
o-ジアセチル-5-メトキシカルボニルメチル-2'-デオキ
シウリジン)を合成した。
【0036】得られた化合物(2) 0.652 g(1.70mmo
l)、トリス(2-アミノエチル)アミン2.555 g(1.75m
mol)及び4-ジメチルアミドピリジン(DMAP)0.0020g
(0.163mmol)を混合し、この混合物にメタノール6ml
を加え、50℃で5時間還流した。反応液をエバポレータ
ーで留去し、メタノールを除去した後、残渣を少量のメ
タノールに溶かし、エーテルに滴下することによって、
ウリジン誘導体(3) がオイル状となって沈殿した。
【0037】(実施例2)A.ウリジン誘導体(3) を含有するRNA制限酵素の合
a)実施例1で得られたウリジン誘導体(3) を乾燥させ
た後、メタノール2mlに溶かし、これにDMAP0.026 g
(0.211 mmol)を加え、次いでトリフロロ酢酸エチル2.
5 ml(21.0mmol)を滴下して室温で1日攪拌した。濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%メタノ
ール−ジクロロメタン)で精製し、化合物(5) 0.682 g
(1.20mmol)を得た。化合物(2) からの化合物(5) の収
率は、70%であった。
【0038】化合物(5) をNMR及びマススペクトルに
よって分析した結果を以下に示す。1H NMR(CD3OD)δ 7.
78(s,1H,H6),6.28(t,1H,J-6.7,H1'),4.39(m,1H,H3'),3.
99(m,H1,H4'),3.76(m,2H,H5'),3.39-3.21(m,8H,C5-CH2
・and NHCH2-x3),2.73-2.61(m,6H,N(CH2-)3),2.34(m,2
H,H2') Mass m/s 607(M+H)
【0039】b)得られた化合物(5) 0.100 g(0.165
mmol)を、DMAP11mg(0.09mmol)を含むピリジン1ml中
でジメトキシトリチルクロライド(DMTr-Cl)0.093 g
(0.27mmol)と反応させた。反応液を冷水に注ぎジクロ
ロメタン40mlで5回抽出した。有機相を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を濃縮してトルエンで共沸し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(10%メタノール−ジク
ロロメタン、0.2 %トリエチルアミン)により精製し
た。フラクションを集めて濃縮した後、少量のジクロロ
メタンに溶かしてヘキサンに滴下し、化合物(6) の白色
結晶を67%の収率(0.101 g、0.111 mmol)で得た。
【0040】化合物(6) をNMRによって分析した結果
を以下に示す。1H NMR(CDCl3)δ 7.80(s,1H,H6),7.39-
6.82(m,13H,Ar),6.25(t,1H,H1'),4.57(m,1H,H3'),4.06
(m,1H,H4'),3.78(s,6H,CH3O-),3.45-3.16(m,8H,H5',-NH
CH2-x2,andC5-CH2-),2.35(m,2H,H2'),2.72-2.49(m,5H,N
(CH2)3)
【0041】c)β−シアノエトキシジクロロホスフィ
ン95μl (0.75mmol)をドライのジクロロメタン4.5 ml
に溶かして、窒素雰囲気下、0℃でジイソプロピルアミ
ン200 μl (1.43mmol)を滴下し、その後室温で1時間
攪拌する。得られた反応液を、化合物(6) 0.193 g(0.
216 mmol)、ジクロロメタン5.5 ml及びジイソプロピル
エチルアミン240 μl (1.37mmol)の混合物に、窒素雰
囲気下、室温で滴下して1時間攪拌した。その後反応液
にドライメタノールを40μl 加え、これを冷酢酸エチル
30ml(事前に5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
た)に注いだ。この溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
この残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8/
1/1、酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン)
により精製し、化合物(7) を収率76%(0.182 g、0.15
5 mmol)で得た。
【0042】化合物(7) をNMRによって分析した結果
を以下に示す。31 P NMR(CDCl3)δ 149.46 and 149.51 ppm (H3PO4 80%水溶液を標準物質として測定)
【0043】d)得られた化合物(7) を、DNA合成機
(アプライドバイオシステム社製、381A)を用いてフォ
スフォロアミダイト法により、オリゴデオキシリボヌク
レオチドと結合させた。化合物(7) のDNA中への導入
反応は、ABI社推奨の標準的1μmol スケール合成プロ
トコールを用い、縮合段階の反応時間(coupling perio
d )のみオリジナルプロトコールの30秒を5分に延長し
て行った。得られた化合物ODN−1及びODN−2を
図1の中に示す。DNA合成機による合成後、濃アンモ
ニア水処理により脱保護し、CPGサポートから切り出し
た。次いで、ODN−1及びODN−2を逆相HPLC(和
光社製 Wakosil 5C18 、10mmφ×250 mm、100 mM酢酸ト
リエチルアンモニウムpH7.0 緩衝液、アセトニトリル1
5.0→40.0%)で分取した。
【0044】分取後、80%酢酸水溶液で処理することに
よりDMTr基を除去し、ゲル濾過カラム、Sephadex G
-25 )による脱塩を行った。さらに逆相HPLCを行い、精
製した。精製後のODN−1及びODN−2の収率は、
それぞれ12%及び20%であった。なお、ODN−1の逆
相HPLC(和光社製 Wakosil 5C18 、10mmφ×250 mm、10
0 mM酢酸トリエチルアンモニウムpH7.0 緩衝液、アセト
ニトリル20%→30%(10min )→30%(30min ))での
保持時間は17分であった。
【0045】B.ウリジン誘導体(3) を含有するRNA
制限酵素の構造確認 ODN−1及びODN−2(それぞれ約0.5 OD260
を、10mM MgCl2を含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0
)中、ヘビ毒フォスフォジエステラーゼ(0.5 ユニッ
ト)及びアルカリフォスファターゼ(1ユニット)で37
℃下、2時間反応させ、酵素分解を行った。総液量40μ
l の反応液を、逆相HPLCで分析した。次いで上記反応液
に1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.75)を5μl 、及びヌ
クレアーゼP1(約4ユニット)を加え、37℃で1昼夜
さらに酵素分解反応を行った。この反応液を逆相HPLCで
分析した。その結果、ODN−1及びODN−2におい
て、それぞれデオキシアデノシン(dA)、デオキシグア
ノシン(dG)、デオキシシチジン(dC)、チミジン(d'
T)及び5位置換デオキシウリジン(dUTAEA)が所定の
塩基組成を持っていることを確認した。
【0046】C.ODN−1及びODN−2による5S
rRNAの切断反応 ODN−1及びODN−2を用いて、5Sリボゾーマル
RNA(5SrRNA)の切断反応を行った。図1に示
したように、ODN−1及びODN−2はそれぞれ5S
rRNAの一本鎖部分及び二重鎖部分に相補的な塩基配
列を有している。反応は、基質であるRNAに対し、10
倍量のODN−1及びODN−2を混合し、10mMのTris
-HCl緩衝液(pH7.4 )中、NaCl(100 mM)及びジチオス
レイトール(DTT 1mM )の存在下、24℃で加温すること
により行った。反応の解析は、変成ポリアクリルアミド
ゲルを用いたゲル電気泳動により行った。泳動後のRN
A又はそのフラグメントは、エチジウムブロマイドを用
いた染色により確認した。結果を図2A及びBに示す。
【0047】rRNAの一本鎖部分に相補的な塩基配列
を有しているODN−1による反応では(図2A)、反
応24時間後に新たな2本のバンドの出現が認められ、さ
らに反応48時間後にはこれらのバンドがさらに明確に出
現していることが確認された。一方、これに対してrR
NAの二重鎖部分に相補的な配列を有しているODN−
2による反応では、図2Bから明らかなように、反応48
時間後においてもゲルのパターンがコントロールと比較
して変わらず、ODN−2によるrRNAの切断は認め
られなかった。
【0048】ここで、ODN−1がターゲットであるR
NAの相補的塩基配列に結合し、導入されたRNA切断
活性を持つピリミジンヌクレオシドの近傍でRNAを切
断すると考えると、2本の新たなRNAフラグメントが
生成し、その長さはそれぞれ73(±1)及び47(±1)
になると考えられる。同時に泳動したDNAサイズマー
カー(pBR322 Msp1 digest)との比較により、反応で生
成した2本のバンドにおける鎖長が、それぞれ上記の長
さとほぼ一致することが確認された。
【0049】ODN−2が殆ど切断活性を示さず、OD
N−1のみがほぼ予想どおりの鎖長を持つ新たなRNA
を生成した理由は以下のとおりであると考えられる。即
ち、ODN−2のターゲット部位は既に安定な二重鎖を
形成しており、このためODN−2はこのターゲット部
位と結合することができず、切断活性を発揮することが
できなかった。これに対し、ODN−1のターゲット部
位は一本鎖として存在するため、ODN−1がこれを認
識し、この部分と安定な二重鎖を形成した。二重鎖形成
後ODN−1に導入されたRNA切断活性部位は、RN
Aのりん酸基及び2'-水酸基の近傍に位置し、酸−塩基
触媒作用を発揮してRNA鎖を切断した。その際RNA
切断活性部位を持つピリミジンヌクレオシドは、その相
補的ヌクレオシドであるアデニンヌクレオシドと水素結
合により結合していると考えられるので、切断はこのア
デニンヌクレオシド近傍で起こり、上記のように予想し
た鎖長を持つ2本の新たなRNAフラグメントを生じ
た。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、金属を必要とすること
なく、かつ塩基のアルキル化型を経由することなく、R
NAの特異的な構造及び塩基配列を認識して、その部位
を含む近傍を切断する人工RNA制限酵素が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5SリボゾーマルRNAの構造、並びにその一
本鎖部分に相補的な塩基配列を有するODN−1及び二
重鎖部分に相補的な塩基配列を有するODN−2を示す
図である。
【図2】A:5SリボゾーマルRNAとODN−1との
反応結果を示すゲル電気泳動図である。 B:5SリボゾーマルRNAとODN−2との反応結果
を示すゲル電気泳動図である。 レーン1…DNAサイズマーカー(pBR322 Msp1 diges
t) レーン2…ネガティブコントロール 0時間 レーン3…ネガティブコントロール 24時間後 レーン4…ネガティブコントロール 48時間後 レーン5…ODN−1又は2との反応 24時間後 レーン6…ODN−1又は2との反応 48時間後
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 彰 群馬県桐生市菱町5−1065−1 フレンド ハウス中野2−H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウリジン又はチミジンと結合した多価ア
    ミンを、RNAの一重鎖部分の塩基配列に相補的な核酸
    塩基鎖を介して該RNAに結合させ、その近傍を切断す
    ることを特徴とするRNAの切断方法。
  2. 【請求項2】 切断するRNAの一重鎖部分と実質的に
    相補的な核酸塩基鎖の付加されたウリジン又はチミジン
    と結合した多価アミンからなることを特徴とするRNA
    制限酵素。
  3. 【請求項3】 前記核酸塩基鎖が、オリゴデオキシリボ
    ヌクレオチドであることを特徴とする、請求項2記載の
    RNA制限酵素。
  4. 【請求項4】 下記の構造式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は水素又は保護基を表
    す。)で表される新規ウリジン誘導体。
  5. 【請求項5】 下記の構造式(2) 【化2】 で表される化合物と、トリス(2-アミノエチル)アミン
    とを反応させて、下記の構造式(3) 【化3】 で表される化合物を合成する方法。
  6. 【請求項6】 下記の構造式(1) 【化4】 (式中、R1、R3及びR4は保護基を表し、R2は水素を
    表す。)で表される化合物を、β−シアノエトキシジク
    ロロホスフィンとジイソプロピルアミンとの反応混合物
    と反応させ、得られた下記の構造式(4) 【化5】 (式中、R1、R3及びR4は保護基を表す。)で表され
    る化合物に核酸塩基鎖を結合させて、請求項2又は3記
    載のRNA制限酵素を合成する方法。
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