JPH08242681A - 農産物選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 個々の農産物の内部を迅速に観察して確実に
その品質の良否判断を行うとともに、効率的に所望の等
級ごとに農産物を選別し得る農産物選別装置を提供す
る。 【構成】 農産物２を一定の速度で搬送する搬送機構３
と、この搬送機構３上において前記農産物２にＸ線を透
過して農産物２の内部の状態を検出するＸ線検出機構６
と、このＸ線検出機構６により検出した情報に基づいて
前記農産物２を規格品と格外品とに選別するとともに規
格品と判断された前記農産物２の大きさや重さを検出し
て各等級ごとに選別する機械選別機構７と、この機械選
別機構７の選別結果に基づいて前記農産物２を同級ごと
に各収納箱９へ箱詰めをする複数の箱詰機構８と、この
複数の箱詰機構８へ前記収納箱９を供給する収納箱供給
機構１０とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、農産物を品質に応じて
選別する農産物選別装置に係り、特に、農産物の内部を
観察することにより品質の良否を判断して所望の品質ご
とに選別する農産物選別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、畑などから収穫した農産物、例え
ば、大根の品質の良否判断は、数本の大根を畑から任意
に選択し、この数本の大根をその場で切断などして、中
味を直接見たうえでその良否を判断し、この数本の大根
の良否によりこの畑全体から収穫される大根の良否を推
測し、その品質が決定されていた。

【０００３】そして、このように良否判断を終えた畑か
ら収穫された大根は、工場に搬入されてベルトコンベア
にのせられ、人の目により外観の傷の有無や形状の良
否、あるいは大きさ等について個々に判断されて、所定
の等級に選別されて箱詰めされていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来の選別においては、たとえばある畑から選択
した大根が不良品であると判断された場合には、もし良
質の大根がその畑にいくつか混在していたとしても、そ
の畑から収穫される大根は全体として不良品であると判
断され、食料対象品から除外されていた。また、逆に良
質の大根畑であると判断されたとしても、中には不良品
の大根が含まれていることもあり、従来の選別方法は、
直接畑において手間をかけて選別するにもかかわらず、
予想した品質にばらつきが生じてしまう場合も多く、ト
ラブルが生じてしまうこともあった。

【０００５】また、畑から収穫された大根は、箱詰めさ
れる前に工場でベルトコンベアにのせられて人の目によ
り傷の有無や形状の良否、あるいは大きさ等の等級を個
々に判断されるが、このような人の目だけによる選別で
は、大根の内部の状態、例えば空洞があるかないかなど
を外部から観察することは不可能であった。したがっ
て、大根や西瓜等の農産物の品質判断には欠くことので
きない本質的な中味に関する選別が十分に行われていな
かった。

【０００６】さらに、多数の作業者による選別作業にお
いては、そのための人材と作業スペースが確保されねば
ならず効率性に欠けていた。

【０００７】そこで、本発明は前述した従来のものにお
ける問題点を克服し、個々の農産物の内部を迅速に観察
して確実にその品質の良否判断を行うとともに、効率的
に所望の等級ごとに農産物を選別し得る農産物選別装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の農産物選別装置は、農産物を品質に応
じて選別する農産物選別装置において、農産物を一定の
速度で搬送する搬送機構と、この搬送機構上において前
記農産物にＸ線を透過して農産物の内部の状態を検出す
るＸ線検出機構と、このＸ線検出機構により検出した情
報に基づいて前記農産物を規格品と格外品とに選別する
とともに規格品と判断された前記農産物の大きさや重さ
を検出して各等級ごとに選別する機械選別機構と、この
機械選別機構の選別結果に基づいて前記農産物を同級ご
とに各収納箱へ箱詰めをする複数の箱詰機構と、この複
数の箱詰機構へ前記収納箱を供給する収納箱供給機構と
からなることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明の農産物選別装置は、搬送機構により農
産物を一定の速度で順次搬送させながら、Ｘ線検出機構
により前記農産物の内部状態を検出し、この検出結果に
基づいて前記機械選別機構が前記農産物を規格品と格外
品とに選別し、格外品と判断した農産物を排除するとと
もに規格品と判断した前記農産物の大きさや重さを検出
して各等級ごとに選別を行い、この選別結果に基づいて
複数の箱詰機構が同級ごとに前記農産物を収納箱供給機
構により供給される収納箱に箱詰めする。このため、個
々の農産物の内部に関する良否を迅速かつ確実に判断で
きるとともに、農産物を最終的な等級ごとに選別する工
程においても人手を要せず効率的に選別を行うことがで
きる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により説明
する。

【００１１】図１は本発明の１実施例としての農産物選
別装置１の平面図を示している。

【００１２】図１に示すように、本実施例の農産物選別
装置１は、畑等で収穫した農産物２、本実施例では大根
２を図において矢印Ａに示すように左方から右方へ一定
の走行速度をもって一列状にかつ所定の間隔をもって搬
送させる搬送機構３が配設されている。そして、この搬
送機構３は人の目により選別を行うための手選別搬送路
４とバケットコンベア等の機械選別搬送路５とから構成
されている。このうち前記手選別搬送路４は搬送方向の
上流側に配設され、また、前記機械選別搬送路５は搬送
方向の下流側に配設されており、それぞれ無端状のベル
トにより形成されている。そして、前記手選別搬送路４
には、人の目により大根２の傷の有無や曲り具合などの
外観により良品か屑品かが判断されて、人の手により屑
品を屑品排除部４１へと排除するための屑品搬送路４２
が、前記手選別搬送路４と直交するようにその下側に延
在している。

【００１３】そして、前記機械選別搬送路５において
は、より正確で効率的な大根２の選別が行われるように
種々の機構が設けられている。まず、前記手選別搬送路
４における選別工程において外観を良好と判断されて通
過した大根２を、その内部の状況、例えば空洞の有無な
どを観察するために、Ｘ線を透過させて内部状態を検出
するＸ線センサ等の箱型のＸ線検出機構６が、前記機械
選別搬送路５の一部を覆うようにして橋設されている。
そして、このＸ線検出機構６の下流側には、前記Ｘ線検
出機構６の検出した内部情報に基づいて内部の良否を判
断し前記大根２を規格品と格外品とに選別し、たとえば
空洞等の存在する大根２を格外品として排除するととも
に、所望の大根２の大きさや重さに応じた等級ごとに選
別するために高精度カメラや高精度の重量測定器等（と
もに図示せず）により大根２の大きさや重さを検知する
機械選別機構７が、前記機械選別搬送路５の一部を覆う
ようにして橋設されている。そして、この機械選別機構
７は、図示しない制御部により、高精度カメラや高精度
重量測定機により検知した大根２の大きさに関する情報
やその大根２の機械選別搬送路５上における位置、ある
いは前記機械選別搬送路５の走行速度等から、所望の大
きさの大根２の搬送位置を演算するようになっている。
また、この機械選別機構７には、内部観察により格外品
と判断された大根２を格外品排除部７１へ排除するため
の格外品搬送路７２が、前記機械選別搬送路５と直交す
るようにして前記機械選別機構７から分岐されて延在さ
れている。

【００１４】そして、前記機械選別機構７の下流側に
は、前記Ｘ線検出機構６および前記機械選別機構７によ
り規格品と判断されて通過した大根２を、前記機械選別
機構７の高精度カメラや高精度重量測定器により検出さ
れた大きさや重さごと、本実施例では大、中、小の大き
さや重さごとに選別された大根２を箱詰めするためのロ
ボット等による複数の箱詰機構８が、前記機械選別搬送
路５の側部に沿うようにして所定の距離を隔てて配設さ
れている。この箱詰機構８は、把持部８１を有するロボ
ットの腕８２が水平面内および鉛直面内で自在に動くと
ともに、前記ロボットと前記高精度カメラや前記高精度
重量測定器等の視覚システムや重量システムとが一体と
して接続されており、制御速度が速く、複雑な動作も高
速処理できる機構とされている。したがって、前記箱詰
機構８は所望の大根２が搬送されてきたか否かを前記機
械選別機構７の制御部における演算情報に基づいて知得
し、所望の大根２が搬送されてきたときには前記把持部
８１により走行中の大根２を停止することなく把持し、
所定の収納箱９に箱詰めすることとなっている。

【００１５】また、前記搬送機構３の長手方向の端部に
は、前記箱詰機構８の箱詰め作業から洩れた大根２を再
び箱詰めする機会を与えるために前記搬送機構３の各搬
送路上に戻す回送搬送路３１が、前記機械選別搬送路５
と前記手選別搬送路４とをつなぐように略コの字状に配
設されている。

【００１６】一方、前記収納箱９を前記箱詰機構８へ順
次供給するために前記機械選別搬送路５に対して直交あ
るいは平行に走行するコンベア等の搬送路を有する収納
箱供給機構１０が配設されている。この収納箱供給機構
１０は、前記機械選別搬送路５と所定の距離を隔ててこ
れと直交する方向に延在する収納箱供給路１１と、この
収納箱供給路１１の終端部の側部において接続し前記機
械選別搬送路５と平行する方向に延在する主収納箱搬送
路１２と、この主収納箱搬送路１２の前記機械選別搬送
路５側の一側部において接続し前記機械選別搬送路５と
直交する方向に前記回送搬送路３１および前記機械選別
搬送路５の下側を通りそれぞれ所定の間隔をもって平行
に延在する複数の分岐収納箱搬送路１３と、前記複数の
分岐収納箱搬送路１３の各々に対向する前記主収納箱搬
送路１２の一側部および前記主収納箱搬送路１２に対向
する前記収納箱供給路１１の一側部に配設され空気圧力
や油圧力等により往復可能な略Ｔ字状の収納箱供給棒１
４とから構成されている。

【００１７】そして、前記収納箱供給路１１上には、多
数の収納箱９が近接して並べられており、前記主収納箱
搬送路１２の収納箱９が不足すると前記収納箱供給棒１
４が前記収納箱９の側面を押して、前記収納箱供給路１
１の終端部から前記主収納箱搬送路１２へ順次収納箱９
が供給されるようになっている。

【００１８】また、前記主収納箱搬送路１２には、前記
収納箱９が所定の距離を隔てて待機しており、前記分岐
収納箱搬送路１３の収納箱９が不足すると、前記分岐収
納箱搬送路１３に対向する位置に配設されている前記収
納箱供給棒１４により前記収納箱９の側面が押され、順
次収納箱９が供給されるようになっている。

【００１９】そして、分岐収納箱搬送路１３に供給され
た前記収納箱９は、前記箱詰機構８の箱詰め位置に搬送
され、そこで所望の大根２を箱詰めされるようになって
いる。

【００２０】その後、大根２の箱詰めを終えた収納箱９
は、前記複数の分岐収納箱搬送路１３の終端部に接続し
これと直交方向に延在する出荷用搬送路１５に移送され
るようになている。

【００２１】つぎに、本実施例の作用を説明する。

【００２２】本実施例の農産物選別装置１において、前
記搬送機構３の前記手選別搬送路４は、畑から収穫した
大根２を一定の走行速度で順次作業者のもとへ搬送し、
この作業者は搬送されてくる大根２の外観の状態を判断
して大根２に傷があったり、曲った形状となっている大
根を分岐して設けられた屑品搬送路４２にのせて屑品排
除部４１へ排除する。そして、この作業者による手選別
工程おいて良品と判断されて通過した大根２は、そのま
ま前記搬送機構３の前記機械選別搬送路５上に移送され
る。

【００２３】つぎに、前記機械選別搬送路５上におい
て、前記Ｘ線検出機構６は、前記機械選別搬送路５によ
って搬送される大根２をＸ線により内部を透過して観察
し、大根２の空洞の有無等を検知する。

【００２４】そして、このＸ線検出機構６の下流側に配
設されている前記機械選別機構７は、前記Ｘ線検出機構
６の検知した大根２の内部情報に基づいて、当該大根２
が規格品か格外品かの判断をし、格外品と判断したもの
を分岐して設けられた格外品搬送路７２へ載置して格外
品排除部７１へと排除する。さらに、前記機械選別機構
７は、図示しない高精度カメラや高精度重量測定器等に
より大根２の大きさや重さを検出し、この大根の等級に
関する情報と前記機械選別搬送路５の搬送速度等をもと
に、図示しない前記制御部が所望の等級の大根２の搬送
位置を演算して前記箱詰機構８に伝達する。つまり、前
記機械選別機構７が、所望の等級の大根２とその等級を
担当する各箱詰機構８の位置、さらに前記機械選別搬送
路５の搬送速度等から同級の大根２がどの時点で前記箱
詰機構８の箱詰め位置に到達するかを正確に演算し、そ
れを前記箱詰機構８に伝達することとなる。したがっ
て、例えば、大根２が大きさや重さにより大、中、小の
等級に区分されて箱詰めされるものとすると、前記箱詰
機構８は、大きさや重さが「大］の大根２を専門に箱詰
めするもの、大きさや重さが「中」の大根２を専門に箱
詰めするものという具合に、それぞれの担当が定められ
ており、各箱詰機構８は前記機械選別機構７からの情報
に従って、所望の大根２の箱詰め作業を進めることとな
る。

【００２５】一方、前記箱詰機構８により大根２を収納
する収納箱９は、前記収納箱供給機構１０の前記収納箱
供給路１１の終端部から、前記収納箱供給棒１４の押込
みにより前記主収納箱搬送路１２に移送され、さらに、
この主収納箱搬送路１２からこの一側部に配設されてい
る収納箱供給棒１４の押込みにより、前記分岐収納箱搬
送路１３へと移送され、この分岐収納箱搬送路１３の搬
送により、前記箱詰機構８の箱詰め位置に供給される。

【００２６】そして、前記箱詰機構８は、このようにし
て供給される収納箱９の中に、前記機械選別搬送路５に
より順次搬送されてくる大根２を前記機械選別機構７の
情報に基づいて自在に動作する腕８２や把持部８１によ
り大根２の走行中に把持して収納する。そして、１箱分
の箱詰めが終了すると、前記分岐収納箱搬送路１３がこ
の収納箱９を出荷用搬送路１５へと移送して図示しない
梱包工程へ搬送するとともに、つぎの収納を進行すべく
空の収納箱９を前記箱詰機構８の箱詰め位置に搬送す
る。

【００２７】また、前述した大根２の選別工程を経たに
もかかわらず前記箱詰機構８による箱詰めの段階から洩
れてしまった大根２は、前記機械選別搬送路５から前記
回送搬送路３１へと移送されて再度前記手選別搬送路４
または前記機械選別搬送路５に移送されて、選別および
箱詰め工程を経ることとなる。

【００２８】このような本実施例の農産物選別装置１に
よれば、大根２等の農産物２の内部をＸ線により透過し
て個々に観察することができるので、迅速かつ確実に農
産物の品質の良否判断を行える。また、人の目による選
別は農産物２の傷や曲りなどの外観のみに限っており、
それ以外の品質判断は機械により行うため、手間もかか
らず、作業スペースや時間を効率的に利用することがで
きる。

【００２９】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更することができる。

【００３０】例えば、本実施例は農産物２の例として、
大根２を用いて説明したが、西瓜やトマトなどの内部の
状態が品質の良否に影響する他の農産物２であってもよ
い。

【００３１】また、前記機械選別機構７は、前記Ｘ線検
出機構６の農産物２に関する内部状態の情報に基づいて
農産物２を規格品と格外品とに選別し格外品を排除する
とともに、さらに、高精度カメラや高精度重量測定器等
により前記農産物２の大きさや重さを検出して各等級ご
とに選別し、これらの農産物２を同級のものごとに箱詰
めできるように前記農産物２の搬送位置に関する演算情
報を前記箱詰機構８に伝達する機能を有しているが、こ
れらの各機能を１つの機構で行わずに各機能ごとに別個
の機構を設ける構成とし複数の機構により機能が発揮さ
れるようにしてもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の農産物選別
装置によれば、農産物の内部をＸ線により透過して個々
にその内部を観察することができるので、より迅速かつ
確実に農産物の品質の良否判断を行える。農産物を最終
的な等級ごとに選別する工程においても人手を要しない
ため手間もかからず、作業スペースや時間を効率的に利
用することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の農産物選別装置の平面図

【符号の説明】

１ 農産物選別装置 ２ 農産物、大根 ３ 搬送機構 ４ 手選別搬送路 ５ 機械選別搬送路 ６ Ｘ線検出機構 ７ 機械選別機構 ８ 箱詰機構 ９ 収納箱 １０ 収納箱供給機構 １１ 収納箱供給路 １２ 主収納箱搬送路 １３ 分岐収納箱搬送路 １４ 収納箱供給棒 １５ 出荷用搬送路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 農産物を品質に応じて選別する農産物選
   別装置において、農産物を一定の速度で搬送する搬送機
   構と、この搬送機構上において前記農産物にＸ線を透過
   して農産物の内部の状態を検出するＸ線検出機構と、こ
   のＸ線検出機構により検出した情報に基づいて前記農産
   物を規格品と格外品とに選別するとともに規格品と判断
   された前記農産物の大きさや重さを検出して各等級ごと
   に選別する機械選別機構と、この機械選別機構の選別結
   果に基づいて前記農産物を同級ごとに各収納箱へ箱詰め
   をする複数の箱詰機構と、この複数の箱詰機構へ前記収
   納箱を供給する収納箱供給機構とからなることを特徴と
   する農産物選別装置。