JPH08241409A - パターン認識装置及びその方法 - Google Patents

パターン認識装置及びその方法

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JPH08241409A
JPH08241409A JP7044162A JP4416295A JPH08241409A JP H08241409 A JPH08241409 A JP H08241409A JP 7044162 A JP7044162 A JP 7044162A JP 4416295 A JP4416295 A JP 4416295A JP H08241409 A JPH08241409 A JP H08241409A
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直久 向坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 参照像と測定像とに対する照合判定に生じる
誤認識を低減させることにより、良好な認識率を有する
パターン認識装置及びその方法を提供する。 【構成】 パターン認識装置10では、入力手段20が
第1のパターンを二次元画像として撮像すると、照合手
段50は、入力面54において第2の入力領域の両側で
それぞれ隣接した第1及び第3の領域に第1のパターン
の像と当該第1のパターンの像に対して比較する少なく
とも一つの第2のパターンの像とをそれぞれ配置し、J
TC演算の実行によって出力面58において相互に隣接
した第1及び第2の出力領域に第1次及び0次空間周波
数成分をそれぞれ配置する。ここで、第2の入力領域の
領域幅は第1の入力領域の領域幅以上に設定され、第2
の出力領域の領域幅は第2の入力領域の領域幅と入力面
に対する出力面の倍率との積に一致した距離を0次空間
周波数成分の両側に保持して設定されている。そこで、
判定手段60は、第1及び第2の出力領域にそれぞれ配
置された相関像の強度分布に基づいて、第1及び第2の
パターンの像を照合判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的または電子的に
二次元画像を取り扱う情報処理の技術分野において、合
同フーリエ変換型相関法に基づいて複数の画像に対して
相関演算を実行することにより、当該複数の画像を照合
判定するパターン認識装置及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二次元画像に対して相関演算を実
行する方法の一つとして、並列的に配置された複数の画
像に2回のフーリエ変換を実行する合同フーリエ変換型
相関(JTC; Joint Transform Correlation)法が知られ
ている。このJTC法を高速に実行するために、光学レ
ンズの結像作用をフーリエ変換として適用することによ
り、複数の画像を照合判定する光相関システムが提案さ
れている。以下、このJTC法の原理について、指紋像
を認識対象に設定して簡単に説明する。
【0003】まず、図12(a)に示すように、2個の
指紋像、すなわち予め撮像済みの参照像と新たに撮像さ
れた測定像とを、入力像として並列的な配置で表示する
(図12(a)参照)。続いて、図12(b)に示すよ
うに、この入力像を照明したコヒーレント光を結像レン
ズに入射させることにより、入力像に対して1回のフー
リエ変換を実行した変換像を生成する。続いて、図12
(c)に示すように、この変換像を照明したコヒーレン
ト光を結像レンズに入射させることにより、入力像に対
して2回のフーリエ変換を実行した相関像を生成する
(図12(c)参照)。
【0004】このようにして得られた相関像は、中心部
に出現した0次空間周波数成分と、この0次空間周波数
成分を挟む両側の周辺領域にそれぞれ現れた1次空間周
波数成分とから構成されている。この1次空間周波数成
分の強度分布は、参照像と測定像との間の相関値に対応
している。そのため、この1次空間周波数成分のピーク
強度や半値幅などを検出することにより、参照像に対し
て測定像を照合判定することができる。
【0005】なお、このようなJTC法の原理に関して
は、文献「光学、第21巻第6号第392頁〜第399
頁、1992年6月」などに詳細に記載されている。ま
た、JTC法を利用した光相関システムの構成に関して
は、文献「光学、第23巻第5号第315号〜第320
号、1994年5月」などに詳細に記載されている。さ
らに、人体を構成するパターンを認識対象とするJTC
法に基づいて個人を識別するパターン認識装置に関して
は、公報「特開平6−76128号公報」及び「特開平
6−176155号公報」などに詳細に記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のJTC法を利用したパターン認識装置では、同一の
パターンである参照像と測定像とが不一致であると照合
判定したり、異なるパターンである参照像と測定像とが
一致していると照合判定したりするという誤った認識が
避けられない場合がある。以下、この誤認識の要因につ
いて、相関演算における入力像と相関像とに注目して簡
単に説明する。
【0007】図13(a)に示すように、並列的に配置
された参照像領域及び測定像領域に入力像として参照像
R 及び測定像IM をそれぞれ通常通り表示した場合で
も、測定像IM の撮像状況に対応して測定像IM の入力
位置が測定像領域中で変動することがある。このとき、
図13(b)に示すように、入力像に対する2回のフー
リエ変換に基づいて生成された相関像には、参照像IR
と測定像IM との間の相関値に対応した1次空間周波数
成分P1 (T)が、参照像IR と測定像IM との間で変
動した距離DMRに対応した間隔D01T で0次空間周波数
成分P0 の両側に出現する。そのため、参照像IR と測
定像IM との間の照合判定は真である1次空間周波数成
分P1 (T)の強度分布に基づいて行われるので、誤認
識が起こることはない。
【0008】しかしながら、図14(a)に示すよう
に、入力像の一方として参照像IR を通常通り参照像領
域に表示した場合でも、入力像の他方として同一パター
ンである2個の測定像IM1,IM2を測定像領域に表示す
ると、支障が生じることがある。このとき、図14
(b)に示すように、入力像に対する2回のフーリエ変
換に基づいて生成された相関像には、2個の測定像
M1,IM2の間の相関値に対応した1次空間周波数成分
1 (F)が、2個の測定像IM1,IM2の間の距離DMM
に対応した間隔D01F で0次空間周波数成分P0 の両側
に出現してしまう。そのため、参照像IR と測定像IM
との間の照合判定は偽である1次空間周波数成分P1
(F)の光強度分布に基づいて行われるので、誤認識が
起こり得る。
【0009】また、図15(a)に示すように、入力像
の一方として参照像IR を通常通り参照像領域に表示し
た場合でも、入力像の他方として第1の測定像IM0と同
一パターンである2個の第2の測定像IM1,IM2とを測
定像領域に表示すると、やはり支障が生じることがあ
る。このとき、図15(b)に示すように、入力像に対
する2回のフーリエ変換に基づいて生成された相関像に
は、参照像IR と第1の測定像IM0との間の相関値に対
応した第1の1次空間周波数成分P1 (T)が、参照像
R と第1の測定像IM0との間の距離DMRに対応した間
隔D01T で0次空間周波数成分P0 の両側に出現する。
また、2個の第2の測定像IM1,IM2の間の相関値に対
応した第2の1次光P1 (F)が、2個の第2の測定像
M1,IM2の間の距離DMMに対応した間隔D01F で0次
空間周波数成分P0 の両側に出現してしまう。そのた
め、参照像IR と第1の測定像IM0との間の照合判定は
真である第1の1次空間周波数成分P1 (T)ではなく
偽である第2の1次空間周波数成分P1 (F)の光強度
分布に基づいて行われると、誤認識が起こり得る。
【0010】さらに、図16(a)に示すように、入力
像の一方としてはいかなる画像も参照像領域に表示しな
いで、入力像の他方として同一パターンの2個の測定像
M1,IM2を測定像領域に表示する場合、次の現象が起
こることがある。このとき、図16(b)に示すよう
に、入力像に対する2回のフーリエ変換に基づいて生成
された相関像には、入力像を構成した2個の測定像
M1,IM2の間の相関値に対応した1次空間周波数成分
1 が2個の測定像IM1,IM2の間の距離DMMに対応し
た間隔D01で0次空間周波数成分P0 の両側に出現す
る。その他に、2次光P2 ,…,N次光PN を含む高次
空間周波数成分が、2個の測定像IM1,IM2の間の距離
MMに対応した間隔2D01,…,N・D01で0次光P0
の両側に出現してしまう。このような高次空間周波数成
分は、変換像として生成される2個の測定像IM1,IM2
の干渉縞の変調度に、いわゆるサイン波に対するズレが
生じた場合に発生する。
【0011】そのため、入力像としては参照像IR 及び
測定像IM を参照像領域及び測定像領域にそれぞれ表示
する場合でも、入力像の他方として同一または類似の像
成分を測定像領域に表示すると、支障が生じることがあ
る。つまり、変換像として生成される参照像IR 自体ま
たは測定像IM 自体の干渉縞の変調度にサイン波に対す
るズレが生じた場合に、上述した高次空間周波数成分が
相関像に出現してしまう。そのため、参照像IR と測定
像IM との間の照合判定は1次空間周波数成分P1 の他
に高次空間周波数成分を含む強度分布に基づいて行われ
るので、誤認識が起こり得る。
【0012】そこで、本発明は、以上の問題点を鑑みて
なされたものであり、参照像と測定像とに対する照合判
定に生じる誤認識を低減させることにより、良好な認識
率を有するパターン認識装置及びその方法を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のパターン認識装
置は、上記の目的を達成するために、(A)第1のパタ
ーンを二次元画像として撮像する入力手段と、(B−
1)この入力手段によって撮像された第1のパターンの
像と当該第1のパターンの像に対して比較する少なくと
も一つの第2のパターンの像とを入力像として並列的に
配置する入力面と、(B−2)入力像に対して合同フー
リエ変換型相関演算を実行する演算手段と、(B−3)
この演算手段によって入力像に対応して生成された相関
像を配置する出力面とを含んで構成されている照合手段
と、(C)この照合手段によって生成された相関像の強
度分布に基づいて第1及び第2のパターンの像を照合判
定する判定手段とを備えている。
【0014】ここで、入力面は、(B−1−a)第1の
パターンの像を配置する第1の入力領域と、(B−1−
b)この第1の入力領域に隣接する第2の入力領域と、
(B−1−c)第1の入力領域に対向して第2の入力領
域に隣接し、第2のパターンの像を配置する第3の入力
領域とを有し、第1ないし第3の入力領域の配列方向に
沿った第2の入力領域の領域幅を、当該配列方向に沿っ
た第1の入力領域の領域幅以上に設定している。
【0015】また、出力面は、(B−2−a)相関像を
構成する二つの1次空間周波数成分の一方を配置する第
1の出力領域と、(B−2−b)この第1の出力領域に
隣接し、相関像を構成した0次空間周波数成分を配置す
る第2の出力領域とを有し、第1及び第2の出力領域の
配列方向に沿った第2の出力領域の領域幅として、第2
の入力領域の領域幅と入力像に対する相関像の倍率との
積に一致した距離を0次空間周波数成分の両側に保持し
ている。
【0016】さらに、判定手段は、第1及び第2の出力
領域にそれぞれ配置された相関像の強度分布を分別した
上で、第1及び第2のパターンの像を照合判定すること
を特徴とする。
【0017】なお、第1ないし第3の入力領域の配列方
向に沿った第2の入力領域の領域幅は、当該配列方向に
沿った第1及び第3の入力領域の領域幅以上に設定され
ていることを特徴としてもよい。また、出力面は、第1
の出力領域に対向して第2の出力領域に隣接し、二つの
1次空間周波数成分の他方を配置する第3の出力領域と
をさらに有しており、照合手段は、第1ないし第3の出
力領域にそれぞれ配置された相関像の強度分布を分別し
た上で、第1及び第2のパターンの像を照合判定するこ
とを特徴としてもよい。
【0018】また、演算手段は、入力像に対してフーリ
エ変換を光学的に2度実行するレンズを含んでいるこ
と、あるいは入力像に対してフーリエ変換を電子工学的
に2度実行するコンピュータを含んでいることを特徴と
してもよい。さらに、パターンは、人間の指の腹に形成
された指紋であることを特徴としてもよい。
【0019】本発明のパターン認識方法は、上記の目的
を達成するために、(A)第1のパターンを二次元画像
として撮像する第1のステップと、(B)この第1のス
テップで撮像された第1のパターンの像と当該第1のパ
ターンの像に対して比較する少なくとも一つの第2のパ
ターンの像とを入力像として入力面に並列的に配置する
第2のステップと、(C)この第2のステップで配置さ
れた入力像に対して合同フーリエ変換型相関演算を実行
することにより、当該入力像に対応して生成された相関
像を出力面に配置する第3のステップと、(D)この第
3のステップで生成された相関像の強度分布に基づいて
第1及び第2のパターンの像を照合判定する第4のステ
ップとを備えている。
【0020】ここで、第2のステップにおいては、入力
面に第1の入力領域、第2の入力領域及び第3の入力領
域を順次隣接して設定する際に、第1ないし第3の入力
領域の配列方向に沿った第2の入力領域の領域幅を、当
該配列方向に沿った第1の入力領域の領域幅以上に設定
した上で、第1及び第2のパターンの像を第1及び第3
の入力領域にそれぞれ配置する。
【0021】また、第3のステップにおいては、出力面
に第1の出力領域及び第2の出力領域を隣接して設定す
る際に、第1及び第2の出力領域の配列方向に沿った第
2の出力領域の領域幅を、第2の入力領域の領域幅と入
力像に対する相関像の倍率との積の2倍に一致した距離
に設定した上で、相関像を構成する二つの1次空間周波
数成分の一方及び0次空間周波数成分を第1の出力領域
の内部及び第2の出力領域の中央部にそれぞれ配置す
る。
【0022】さらに、第4のステップにおいては、第1
及び第2の出力領域に配置された相関像の強度分布を分
別した上で、第1及び第2のパターンの像を照合判定す
ることを特徴とする。
【0023】なお、第2のステップにおいては、第1な
いし第3の入力領域の配列方向に沿った第2の入力領域
の領域幅を、当該配列方向に沿った第1及び第3の入力
領域の領域幅以上に設定することを特徴としてもよい。
また、第3のステップにおいては、第1の出力領域に対
向した上で第2の出力領域に隣接して設定した第3の出
力領域に、二つの1次空間周波数成分の他方を第3の出
力領域に配置し、第4のステップにおいては、第1及び
第3の出力領域にそれぞれ配置された相関像の強度分布
を分別した上で、第1及び第2のパターンの像を照合判
定することを特徴としてもよい。
【0024】また、第4のステップにおいては、第2の
出力領域に配置された相関像の強度分布が所定の閾値未
満である場合、第1の出力領域に配置された相関像の強
度分布に基づいて第1及び第2のパターンの像を照合判
定することを特徴としてもよい。さらに、第4のステッ
プにおいては、第1のパターンの像のみからなる入力像
に対応して生成された相関像の強度分布と、第2のパタ
ーンの像のみからなる入力像に対応して生成された相関
像の強度分布とを、第1及び第2のパターンの像からな
る入力像に対応して生成された相関像の強度分布から除
去した上で、当該相関像の強度分布に基づいて第1及び
第2のパターンの像を照合判定することを特徴としても
よい。
【0025】
【作用】本発明のパターン認識装置及びその方法におい
ては、入力手段が第1のパターンを二次元画像としてそ
れぞれ撮像すると、照合手段は第1のパターンの像と当
該第1のパターンの像に対して比較する少なくとも一つ
の第2のパターンの像とを入力像として入力面上で並列
的に配置する。このとき、入力面において第2の入力領
域の両側でそれぞれ隣接した第1及び第3の領域には、
第1及び第2のパターンの像がそれぞれ配置されてい
る。
【0026】そして、照合手段は、入力面に配置された
入力像に対して合同フーリエ変換型相関演算を実行する
ことにより、その入力像に対応して生成された相関像を
出力面に配置する。このとき、出力面において相互に隣
接した第1及び第2の出力領域には、相関像を構成する
1次空間周波数成分及び0次空間周波数成分がそれぞれ
配置される。
【0027】ここで、第1ないし第3の入力領域の配列
方向に沿った第2の入力領域の領域幅は、その配列方向
に沿った第1の入力領域の領域幅以上に設定されてい
る。また、第1及び第2の出力領域の配列方向に沿った
第2の出力領域の領域幅は、第2の入力領域の領域幅と
前記入力面に対する前記出力面の倍率との積に一致した
距離を0次空間周波数成分の両側に保持して設定されて
いる。
【0028】これにより、第1及び第3の入力領域にそ
れぞれ配置された第1及び第2のパターンの像の間隔
は、第2の入力領域の領域幅以上であることから、第1
の入力領域の領域幅以上となる。そのため、これら第1
及び第2のパターンの像に対応する二つの1次空間周波
数成分の一方は、当該第1及び第2のパターンの像の間
隔と前記入力面に対する前記出力面の倍率との積に一致
した距離を0次空間周波数成分に対して保持し、第1及
び第2の出力領域の配列方向に生成されるので、第1の
出力領域に配置される。
【0029】一方、第1の入力領域に配置された第1の
パターンの像が複数個の同一または類似の像成分を含ん
でいる場合、これら同一または類似の像成分の間隔は、
当該第1の入力領域の領域幅未満であることから、第2
の入力領域の領域幅未満となる。そのため、これら同一
または類似の像成分に対応する二つの1次空間周波数成
分の一方は、当該同一または類似の像成分の間隔と前記
入力面に対する前記出力面の倍率との積に一致した距離
を0次空間周波数成分に対して保持し、第1及び第2の
出力領域の配列方向に生成されるので、第2の出力領域
に配置される。
【0030】この後、照合手段は、第1及び第2の出力
領域にそれぞれ配置された相関像の強度分布を分別した
上で、第1の出力領域に配置された相関像の強度分布に
基づいて、第1及び第3の入力領域にそれぞれ配置され
た第1及び第2のパターンの像の照合を判定する。した
がって、これら第1及び第2のパターンの像の照合は、
第1の入力領域に配置されたパターンの像が含む複数個
の同一または類似の像成分による相関ノイズを除去した
上で決定される。
【0031】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例の構成及び作用
について、図1ないし図11を参照して詳細に説明す
る。なお、図面の説明においては同一の要素には同一の
符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸
法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0032】本実施例のパターン認識装置は、認識対象
として指紋を設定した上で、JTC法に基づいて複数の
指紋像の間で相関演算を実行することにより、当該複数
の指紋像を照合判定して個人を識別する指紋認識装置と
して機能するものである。例えば、このパターン認識装
置は、貴重品や重要情報を保管する機密室に通じるドア
の開閉を制御する管理システムとして利用される。
【0033】図1に示すように、パターン認識装置10
は、操作者が識別コードや選択コードを入力するコード
入力手段20と、操作者が提示した指紋を撮像するパタ
ーン入力手段30と、管理者が許可した操作者の指紋像
を格納する記憶手段40と、予め登録済みの参照像と新
規に撮像された測定像とからなる2個の指紋像に対して
光学的相関演算を実行する照合手段50と、これら2個
の指紋像の照合判定を相関値に基づいて決定する判定手
段60と、これら各種機器の動作を集中的に制御する制
御手段70とを備えている。
【0034】ここで、コード入力手段20は、指紋の登
録または照合を要望する操作者の入力操作に基づいて動
作するキーボードである。このキーボードは、操作者が
入力した識別コードや選択コードなどを測定信号として
制御手段70に出力する。ただし、識別コードは、パタ
ーン認識装置10を全体的に監督する管理者が特定の操
作者に予め割り当てて設定したものである。選択コード
は、制御手段70から入力した制御信号に基づいてディ
スプレイ(図示しない)に表示されたメッセージに対応
して、操作者が選択した処理を指定するものである。
【0035】また、パターン入力手段30は、第1の照
明光を投光するLED(Light Emitted Diode)31と、
操作者の指が設置された斜面で第1の照明光を反射する
プリズム32と、操作者の指紋に対応して散乱した第1
の照明光を集束する集光レンズ33と、第1の照明光を
受光して光電変換するCCD(Charge Coupled Device
)カメラ34とから構成されている。
【0036】なお、LED31は、制御手段70から入
力した制御信号に基づいて第1の照明光を発光する光源
である。この光源は、所定の拡がりを有する光線束とし
て第1の照明光を投光する。プリズム32は、三角柱状
に形成されて斜面を外部に露出して設置された基本プリ
ズムである。この基本プリズムは、第1のLED31か
ら入射した第1の照明光を斜面の内側で反射させる。た
だし、プリズム32の斜面は、操作者の指の腹が接触し
て設置され、その指紋の隆線に対応して第1の照明光を
散乱させるものである。
【0037】集光レンズ33は、プリズム32から入射
した第1の照明光をCCDカメラ34の受光面上に結像
する両凸レンズである。CCDカメラ34は、集光レン
ズ33の結像面上にその受光面が配置されることによ
り、集光レンズ33から入射した第1の照明光を受光す
る光検出器である。この光検出器は、第1の照明光を光
電変換して検出した操作者の指紋像を測定信号として制
御手段70に出力する。
【0038】また、記憶手段40は、操作者の識別コー
ド及び指紋像に対する登録や検索などを管理するメモリ
である。このメモリは、制御手段70から入力したデー
タ信号に基づいて識別コード及び指紋像を登録像として
格納するとともに、制御手段70から入力した制御信号
に基づいて識別コードをキーとして検索した登録済みの
指紋像をデータ信号として制御手段70に出力する。ま
た、このメモリは、予め設定された閾値に達するまで、
順次撮像された操作者の複数の指紋像を登録候補像とし
て保持する。ただし、指紋像の撮像回数に対する閾値
は、登録候補像に対する相互相関演算を有効にする観点
から、3以上であることがより望ましい。
【0039】また、照合手段50は、第2の照明光を投
光するLD(Laser Diode) 51と、第2の照明光を2方
向に分岐する第1のハーフミラー52aと、第2の照明
光の一方である第3の照明光を反射する第1の平面ミラ
ー53aと、参照像と測定像とからなる2個の指紋像を
入力像として表示するLCD(Liquid Crystal Displa
y)54と、入力像に対応して回折した第3の照明光を
フーリエ変換する第1のフーリエ変換レンズ55aと、
入力像に対応して回折した第3の照明光の光軸付近を除
去するフィルタ56と、第3の照明光を受光して入力像
の変換像の強度画像を表示するSLM(Spatial Light
Modulator )57とを含んで構成されている。
【0040】この照合手段50は、第2の照明光の他方
である第4の照明光を反射する第2の平面ミラー53b
と、第4の照明光を反射した後に変換像に対応して回折
した第4の照明光を透過する第2のハーフミラー52b
と、変換像に対応して回折した第4の照明光をフーリエ
変換する第2のフーリエ変換レンズ55bと、第4の照
明光を受光して光電変換するPD(Photo Detector)5
8とをさらに含んで構成されている。
【0041】すなわち、照合手段50は、入力像を配置
する入力面であるLCD54と、この入力像に対応して
生成された相関像を配置する出力面であるPD58と、
入力像に対するJTC演算によって相関像を生成する演
算手段であるその他の全ての光学系とから構成されてい
る。
【0042】なお、LD51は、制御手段70から入力
した制御信号に基づいて第2の照明光を発光する光源で
ある。この光源は、所定の拡がりを有する光線束として
第2の照明光を投光する。第1のハーフミラー52a
は、LD51から入射した第2の照明光を2方向に分岐
するビームスプリッタである。このビームスプリッタ
は、第2の照明光の一方を反射して第3の照明光として
出射するとともに、第2の照明光の他方を透過して第4
の照明光として出射する。第1の平面ミラー53aは、
第1のハーフミラー52aから入射した第3の照明光を
反射する反射鏡である。この反射鏡は、第3の照明光の
光路を折り曲げることによって照合手段50自体の小型
化に寄与している。
【0043】LCD54は、制御手段70から入力した
第3のデータ信号T3 に基づいて2個の指紋像を並列的
な配置で表示するディスプレイである。このディスプレ
イは、記憶手段40に格納された登録済みの指紋像を参
照像として参照像領域に表示するとともに、パターン入
力手段30で新たに撮像された操作者の指紋像を測定像
として間隙領域を挟んで参照像領域に隣接した測定像領
域に表示する。また、このディスプレイは、第1の平面
ミラー53aから入射した第3の照明光を、参照像と測
定像とからなる入力像に対応して回折させつつ透過させ
る。
【0044】第1のフーリエ変換レンズ55aは、LC
D54から入射した第3の照明光を収斂して出射し、第
3の照明光の振幅分布に対して焦平面上でフーリエ変換
を成立させる両凸レンズである。この両凸レンズは、所
定の拡がりを有する光線束として入力像に対応して回折
した第3の照明光を集光する。フィルタ56は、光軸を
中心とする円板状のマスクを有する遮蔽板である。この
遮蔽板は、第1のフーリエ変換レンズ55aから入射し
た第3の照明光の光軸付近に位置する低次空間周波数成
分である0次空間周波数成分を除去することにより、第
3の照明光の周辺に位置する高次空間周波数成分である
1次空間周波数成分を抽出する。ただし、0次空間周波
数成分は、入力像に対応して回折した第3の照明光で最
大強度を有する成分であり、入力像を構成する参照像と
測定像との間の相関値の指標となる1次空間周波数成分
に対してノイズとして大きく影響するものである。
【0045】一方、第2の平面ミラー53bは、第1の
ハーフミラー52aから入射した第4の照明光を反射す
る反射鏡である。この反射鏡は、第4の照明光の光路を
折り曲げることによって照合手段50自体の小型化に寄
与している。第2のハーフミラー52bは、第2の平面
ミラー53bから入射した第4の照明光を反射してSL
M57に出射するとともに、SLM57で反射されるこ
とによって入射した第4の照明光を透過して第2のフー
リエ変換レンズ55bに出射するビームスプリッタであ
る。このビームスプリッタは、SLM57に保持された
変換像を照明する第4の照明光を反射するとともに、S
LM57の変換像に対応して回折した第4の照明光を透
過する。
【0046】SLM57は、ガラスからなる第1の基板
と、透明導電材からなる第1の電極層と、α(amorphou
s )−Siからなる光アドレス層と、誘電体多層膜から
なるミラー層と、ネマティック液晶からなる光変調層
と、透明導電材からなる第2の電極層と、ガラスからな
る第2の基板とを順次積層して形成され、実時間空間フ
ィルタとして機能する位相変調器である。光変調層を構
成するネマティック液晶は同一方向に対して平行に配向
され、第1及び第2の電極層は所定の駆動電圧が印加さ
れている。
【0047】この位相変調器では、フィルタ56から入
射した第3の照明光が第1の基板及び第1の電極層を介
して光アドレス層で集光することにより、第3の照明光
の強度分布に対応して光アドレス層の抵抗分布が変化す
る。そのため、この抵抗分布に基づいた電圧が光変調層
に印加されるので、第3の照明光の強度分布に対応して
光変調層を構成するネマティック液晶の分子軸の配向が
変化する。したがって、入力像の振幅分布にフーリエ変
換を施して生成された変換像は、光変調層の屈折率分布
として書き込まれる。
【0048】また、この位相変調器では、ハーフミラー
52bから入射した第4の照明光が第2の基板及び第2
の電極層を介して光変調層で回折した後、ミラー層で反
射されて光変調層で再び回折して第2の電極層及び第2
の基板を介して出射される。そのため、第4の照明光
は、光変調層を往復して通過する際に、光変調層の屈折
率分布に対応して位相変調を受けるので、光変調層に保
持された変換像に対応して回折する。
【0049】第2のフーリエ変換レンズ55bは、第2
のハーフミラー52bから入射した第4の照明光を収斂
して出射し、第4の照明光の振幅分布に対して焦平面上
でフーリエ変換を成立させる両凸レンズである。この両
凸レンズは、所定の拡がりを有する光線束として変換像
に対応して回折した第4の照明光を集光する。PD58
は、第2のフーリエ変換レンズ55bの焦平面上に受光
面を配置し、第2のフーリエ変換レンズ55bから入射
した第4の照明光を受光する光検出器である。この光検
出器は、第4の照明光を光電変換することにより、変換
像の振幅分布にフーリエ変換を施して生成された相関像
を検出し、この相関像をデータ信号として制御手段70
に出力する。ただし、相関像は、入力像の振幅分布に2
回のフーリエ変換を施して生成されたものであり、0次
空間周波数成分を除いて主に1次空間周波数成分からな
る高次空間周波数成分として検出される。
【0050】また、判定手段60は、入力像を構成した
参照像と測定像との間の相関値を予め設定された閾値と
比較することにより、これら2個の指紋像の照合判定を
決定する演算ユニットである。この演算ユニットは、制
御手段から入力したデータ信号に基づいて相関像で最大
輝度を有する強度分布を1次空間周波数成分の強度分布
として分別した後、この1次空間周波数成分の強度分布
特性を参照像と測定像との間の相関値として所定の閾値
に対してそれぞれ比較し、その照合判定の結果をデータ
信号として制御手段70に出力する。なお、この演算ユ
ニットは、相関値が閾値以上である場合に、参照像と測
定像とが一致していることを照合判定し、相関値が閾値
未満である場合に、参照像と測定像とが不一致であるこ
とを照合判定する。
【0051】ただし、参照像と測定像との間の相関値に
対する閾値は、異なる個人の指紋像の間の相関値の統計
分布を分析することにより、セキュリティの度合、例え
ば99.9%以上の他人排他率に基づいて適切に決定す
ることがより望ましい。
【0052】さらに、制御手段70は、パターン認識装
置10全体に対する電力供給を制御するとともに、コー
ド入力手段20、パターン入力手段30、記憶手段4
0、照合手段50及び判定手段60に対する各種の信号
入出力を制御するマイクロコンピュータである。このマ
イクロコンピュータの動作については、パターン認識装
置10における主な作用として詳細な説明を後述する。
【0053】このように構成されたパターン認識装置1
0には、後述する3種類の特徴的構成(A)〜(C)の
少なくとも一つが施されている。
【0054】(A)プリズム32の斜面における設置領
域の限定 図2(a)に示すように、プリズム32の斜面32a上
には、平板状の第1のマスク35が設置されている。図
2(b)に示すように、第1のマスク35は斜面32a
の周辺部を被覆し、斜面32aの中央部上に位置する開
口35aを有している。この開口35aには、斜面32
aが領域幅WE を有する設置領域として露出されてい
る。そのため、操作者が指を設置する位置は、第1のマ
スク35の開口35aによって形成された設置領域に限
定されることになる。ただし、この領域幅WE は、LC
D54で入力像を構成する測定像領域、間隙領域及び参
照像領域を順次配列した方向に沿った当該測定像領域の
領域幅WM を、集光レンズ33の結像倍率で除算して決
定されている(図5(c)参照)。なお、第1のマスク
35としては、LED31から出射された第1の照明光
に対して不透明なプラスチックなどで形成されているこ
とが必要である。
【0055】(B)CCDカメラ34の受光面における
検出領域の限定 図3(a)に示すように、CCDカメラ34の受光面3
4a上には、平板状の第2のマスク36が設置されてい
る。図3(b)に示すように、第2のマスク36は、受
光面34aの一方の半面のみを被覆している。この受光
面34aの他方の半面は、領域幅WD を有する検出領域
として露出されている。そのため、操作者の指紋に対応
して回折した第1の照明光を受光する位置は、第2のマ
スク36によって形成された検出領域に限定されること
になる。ただし、この領域幅WD は、LCD54で入力
像を構成する測定像領域、間隙領域及び参照像領域を順
次配列した方向に沿った当該測定像領域の領域幅WM
基づいて決定されている(図5(c)参照)。なお、第
2のマスク36としては、LED31から出射された第
1の照明光に対して不透明なプラスチックなどで形成さ
れていることが必要である。
【0056】(C)CCDカメラ34または制御手段7
0によるビデオ信号の変調処理 図4(a)に示すように、CCDカメラ34は、受光し
た第1の照明光を光電変換して検出した指紋像を、水平
ライン毎に分割して第1のビデオ信号を生成する。この
第1のビデオ信号は、1水平ラインの画像データ成分C
V を水平同期成分CH で順次区分して構成されている。
図4(b)に示すように、CCDカメラ34または第1
のビデオ信号がCCDカメラ34から入力した制御手段
70は、第1のビデオ信号の水平同期成分CH に同期し
てフィルタ制御信号を生成する。このフィルタ制御信号
は、第1のビデオ信号の隣接した2個の水平同期成分C
H に挟まれた区間に対応する区間で、領域幅WF を有す
る信号抽出成分CE を順次配列して構成されている。
【0057】ここで、図4(c)に示すように、CCD
カメラ34または制御手段70は、第1のビデオ信号の
水平同期成分CH に同期した状態で、第1のビデオ信号
の画像データ成分CV とフィルタ制御信号の信号抽出成
分CE とに対するAND演算を実行して第2のビデオ信
号を生成する。この第2のビデオ信号は、信号抽出成分
E の領域幅WF に対応して第1のビデオ信号の画像デ
ータ成分CV が抽出された画像データ成分CEVを、1水
平ラインの画像データとして水平同期成分CH で順次区
分して構成されている。そのため、操作者の指紋像を検
出したCCDカメラ34が制御手段70に出力する第2
のビデオ信号、あるいはCCDカメラ34から第1のビ
デオ信号を入力された制御手段70が生成する第2のビ
デオ信号の画像データは、フィルタ制御信号が含む信号
抽出成分CE の区間に限定されることになる。ただし、
この領域幅WF は、LCD54で入力像を構成する測定
像領域、間隙領域及び参照像領域を順次配列した方向に
沿った当該測定像領域の領域幅WM に基づいて決定され
ている(図5(c)参照)。
【0058】これら3種類の特徴的構成によれば、図5
(a)に示すように、操作者の指紋像を検出したCCD
カメラ34から制御手段70に入力したビデオ信号が表
す測定像IM は、画像全体の一方の端部側で領域幅WM
を有する測定像領域に配置されている。一方、図5
(b)に示すように、操作者が入力した識別コードに基
づいて登録像を検索した記憶手段40から制御手段70
に入力したビデオ信号が表す参照像IR は、画像全体の
他方の端部側で領域幅WR を有する参照像領域に配置さ
れている。そこで、図5(c)に示すように、制御手段
70は、測定像IMを表すビデオ信号と参照像IR を表
すビデオ信号とに対して画像ボード上でスーパーインポ
ーズを実行することにより、測定像IM が配置された測
定像領域と、いかなる画像も配置されない間隙領域と、
参照像IR が配置された参照像領域とを順次配列した入
力像を表すビデオ信号を生成してLCD54に出力す
る。
【0059】この測定像領域は、画像全体の一方の端部
側で各領域の配列方向に沿って領域幅WM を有し、操作
者の指紋を新たに撮像して生成された測定像IM が配置
される。また、参照像領域は、画像全体の他方の端部側
で各領域の配列方向に沿って領域幅WR を有し、予め登
録済みの指紋像を検索して生成された参照像IR が配置
される。なお、参照像領域の領域幅WR は、測定像領域
の領域幅WM にほぼ同一であって匹敵するように設定さ
れている。さらに、これら測定像領域及び参照像領域に
挟まれた間隙領域は、画像全体の中央部で各領域の配列
方向に沿って領域幅WI を有し、いかなる画像も配置さ
れることはない。なお、間隙領域の領域幅WI は、測定
像領域の領域幅WM 以上になるように設定されている。
【0060】このように生成されたビデオ信号が入力し
たLCD54は、図6(a)に示すように、間隙を保持
して並列的に配置された参照像IR と測定像IM とから
なる入力像を表示する。このLCD54の表示画面に
は、領域幅WM を有する測定系領域(第1の入力領域)
と、領域幅WI を有する間隙領域(第2の入力領域)
と、領域幅WR を有する参照領域(第3の入力領域)と
が、すなわち第1ないし第3の入力領域が、領域幅
M ,WI ,WR の方向に順次配列されている。この測
定像領域に測定像IM が配置されるとともに、参照像領
域に参照像IR が配置される。また、間隙領域にはいか
なる画像も配置されない。特に、間隙領域の領域幅WI
は、測定像領域の領域幅WM 以上になるように設定され
ている。
【0061】ここで、通常の指紋像のみから構成されて
いる参照像IR を参照像領域に表示するとともに、通常
の指紋像である第1の測定像IM0と同一パターンの2個
の偽詐像である第2の測定像IM1,IM2とを測定像領域
に表示する場合、参照像IRと第1の測定像IM0との間
の距離DMRは、間隙領域の領域幅WI 以上であり、すな
わち測定像領域の領域幅WM 以上となる。一方、2個の
第2の測定像IM1,IM2の間の距離DMMは、測定像領域
の領域幅WM 未満となる。
【0062】このような入力像に対する相関演算の実行
によって生成した相関像を検出するPD58は、図6
(b)に示すように、入力像を構成した参照像IR と測
定像IM との間に相関値に対応した1次空間周波数成分
を受光する。この相関像の中心部には、0次空間周波数
成分P0 が配置されている。PD58の受光面は、画像
全体の一方の端部側で領域幅WT1を有する第1の基本検
出領域(第1の出力領域)と、画像の中心部に位置する
0次空間周波数成分P0 の両側にそれぞれ領域幅WF
有する補助検出領域(第2の出力領域)と、画像全体の
他方の端部側で領域幅WT2を有する第2の基本検出領域
(第3の出力領域)とから構成されている。このPD5
8は、第1及び第2の基本検出領域で受光した1次空間
周波数成分と、補助検出領域で受光した1次空間周波数
成分とを分割して光電変換する。なお、補助検出領域の
領域幅WF は、第1及び第2のフーリエ変換レンズ55
a,55bによる結像倍率Mと、入力像における測定像
領域の領域幅WM とに対して、式(1)を満足するよう
に設定されている。
【0063】 WF =M・WM (1) ただし、第1及び第2の結像レンズ55a,55bによ
る結像倍率Mは、第1及び第2のフーリエ変換レンズ5
5a,55bの各焦点距離f1 ,f2 に対して式(2)
を満足する。
【0064】 M=f2 /f1 (2) ここで、入力像を構成した参照像IR と第1の測定像I
M0との間の相関値に対応した第1の1次空間周波数成分
1 (T)は、間隔D01T で0次空間周波数成分P0
両側に出現する。この間隔D01T は、第1及び第2のフ
ーリエ変換レンズ55a,55bによる結像倍率Mと、
入力像における参照像IR と第1の測定像IM0との間の
距離DMRとに対して式(3)を満足する。
【0065】 D01T =M・DMR (3) また、入力像を構成した2個の第2の測定像IM1,IM2
の間の相関値に対応した第2の1次空間周波数成分P1
(F)は、間隔D01F で0次空間周波数成分P0 の両側
に出現する。この間隔D01F は、第1及び第2のフーリ
エ変換レンズ55a,55bによる結像倍率Mと、入力
像における2個の第2の測定像IM1,IM2の間の距離D
MMとに対して式(4)を満足する。
【0066】 D01F =M・DMM (4) ところで、入力像においては式(5)が成立しているこ
とから、3式(1),(3),(4)の間で式(5)を
考慮すると、式(6)が成立する。
【0067】 DMR≧WM >DMM (5) D01T ≧WF >D01F (6) この式(6)によれば、真である第1の1次空間周波数
成分P1 (T)は第1及び第2の基本検出領域でそれぞ
れ受光される一方、偽である第2の1次空間周波数成分
1 (F)は補助検出領域で受光されることになる。こ
れにより、PD58は、真である第1の1次空間周波数
成分P1 (T)と偽である第2の1次空間周波数成分P
1 (F)とを分割した光電変換によって生成した検出信
号を制御信号70に出力する。そのため、判定手段60
は、同一パターンである2個の第2の測定像IM1,IM2
が入力像に含まれているか否かを、偽である第2の1次
空間周波数成分P1 (F)の強度分布特性に基づいて判
定する。また、照合手段60は、参照像IR と第1の測
定像IM0との照合判定を、真である第1の1次空間周波
数成分P1 (T)の強度分布特性のみに基づいて実行す
る。したがって、制御手段70は、同一のパターンであ
る参照像IR と第1の測定像IM0とが不一致であると照
合判定したり、異なるパターンである参照像IR と第1
の測定像IM0とが一致していると照合判定したりすると
いう誤認識を起こさない。
【0068】また、このように構成されたパターン認識
装置10には、後述するバックグラウンド処理の機能が
設定されている。
【0069】まず、制御手段70は、CCDカメラ34
から入力したビデオ信号、すなわち測定像領域に配置さ
れた測定像IM のみからなる入力像を表すビデオ信号を
生成してLCD54に出力する。図7(a)に示すよう
に、このように生成されたビデオ信号が入力したLCD
54は、測定像領域のみに測定像IM を表示する。
【0070】一方、制御手段70は、記憶手段40から
入力したビデオ信号、すなわち参照像領域に配置された
参照像IR のみからなる入力像を表すビデオ信号を生成
してLCD54に出力する。図7(b)に示すように、
このように生成されたビデオ信号が入力したLCD54
は、参照像領域のみに参照像IR を表示する。
【0071】これらの場合のいずれにおいても、入力像
に対する相関演算の実行によって生成した相関像を検出
するPD58は、図16(b)を参照すると、入力像を
構成した測定像IM 自体または参照像IR 自体の同一ま
たは類似の像成分の相関値に対応した1次空間周波数成
分を含む高次空間周波数成分を受光する。この相関値の
中心部には、0次空間周波数成分P0 が配置されてい
る。
【0072】この相関像は、0次空間周波数成分P0
両側に中央部から周辺部に向かって順次配置された1次
空間周波数成分P1 、2次空間周波数成分P2 、…、N
次空間周波数成分PN から構成されている。なお、SL
M57に記録された変換像が、LCD54に表示された
入力像を構成した測定像IM 自体または参照像IR 自体
の干渉縞として生成されることから、1次光を除外した
高次光は、この干渉縞の変調度にいわゆるサイン波に対
するズレが生じた場合に発生する。ただし、Nは2以上
の自然数である。
【0073】ここで、1次空間周波数成分P1 は、間隔
01で0次空間周波数成分P0 の両側に出現する。この
間隔D01は、第1及び第2のフーリエ変換レンズ55
a,55bによる結像倍率Mと、入力像における測定像
M 自体または参照像IR 自体に含まれる同一または類
似の像成分の間の距離DMMまたはDRRに対して式(7)
または (8)を満足する。
【0074】 D01=M・DMM (7) D01=M・DRR (8) また、1次空間周波数成分を除外したN次空間周波数成
分PN は、間隔D0Nで0次空間周波数成分P0 の両側に
出現する。この間隔D0Nは式(9)を満足する。
【0075】 D0N=N・D01 (9) そのため、0次空間周波数成分P0 に対するN次空間周
波数成分PN の間隔D0Nの中には、非検出領域の非検出
幅WF 以上に達するものがある。なお、N次空間周波数
成分PN の各強度KN として2次空間周波数成分ないし
4次空間周波数成分の強度K2 〜K4 を例示すると、1
次空間周波数成分P1 の強度を1とする規格化に基づい
て、次のように理論的に算出される。
【0076】K1 =1.00, K2 =0.20, K3 =0.09, K4 =0.04 ただし、このような高次空間周波数成分の強度は、実際
に光学的相関演算を実行した場合や、理論計算中にフィ
ルタリング効果や非線形効果などを考慮した場合には、
上記の値に対して増減することがある。例えば、2次空
間周波数成分P2 の強度が1次空間周波数成分P1 の強
度よりも大きくなる場合もある。一方、第1及び第2の
フーリエ変換レンズ55a,55bによるフーリエ変換
作用の条件である規格化の基準や周波数フィルタリング
などに基づいて、高次空間周波数成分の強度が無視でき
るほど小さくなることもある。しかしながら、フーリエ
変換作用の条件設定によっては、全体的処理の複雑化の
ために全体的処理の低速化が発生するので、バックグラ
ウンド処理が必要となる。
【0077】ここで、PD58は、第1及び第2の基本
検出領域及び補助検出領域を含む受光面全体で1次空間
周波数成分P1 を含む全てのN次空間周波数成分PN
光電変換することにより、N次空間周波数成分PN の強
度分布を表す検出信号を制御手段70に出力する。その
ため、判定手段60は、入力像を構成する参照像IR
測定像IM とを照合判定する際に、参照像IR と測定像
M との間の相関値に対応した1次空間周波数成分P1
の強度分布特性から、参照像IR 自体の相関値に対応し
た高次空間周波数成分の強度分布特性、あるいは測定像
M 自体の相関値に対応した高次空間周波数成分の強度
分布特性を除去する。したがって、判定手段60は、高
次空間周波数成分の寄与を減じた、すなわちバックグラ
ウンド処理を施した正味の1次空間周波数成分P1 の強
度分布特性に基づいて、参照像IR と測定像IM とに対
する照合判定を実行する。
【0078】次に、本実施例の作用について説明する。
【0079】パターン認識装置10は、管理者が許可し
た操作者の指紋を予め撮像し、その指紋像を登録像とし
て格納するパターン登録処理と、指紋の照合を要望する
操作者の指紋を新たに撮像し、その指紋像を登録像に対
して照合するパターン照合処理との中で、操作者が選択
した処理を実行するものである。
【0080】図8に示すように、まず、管理者が電源ス
イッチ(図示しない)をON状態に設定した場合、電源
(図示しない)はコード入力手段20、パターン入力手
段30、記憶手段40、照合手段50、判定手段60及
び制御手段70に電力をそれぞれ供給するので、これら
各種機器の稼働が開始する。このとき、制御手段70が
各種機器の動作を制御するので、制御手段70の動作は
ステップ100に移行する。
【0081】続いて、ステップ100では、制御手段7
0は、登録モード、すなわち操作者の指紋像を登録する
パターン登録処理を実行するか否かという操作者の意向
を尋ねるメッセージをディスプレイ(図示しない)に表
示させる。ここで、操作者がコード入力手段20を操作
することによって登録モードを選択する選択コードを入
力した場合、コード入力手段20は登録モードを設定す
る選択コードを表す測定信号を制御手段70に入力する
ので、制御手段70の動作はステップ110に移行す
る。一方、操作者がコード入力手段20を操作すること
によって登録モードを選択しない選択コードを入力した
場合、コード入力手段20は登録モードを拒否する選択
コードを表す測定信号を制御手段70に入力するので、
制御手段70の動作はステップ130に移行する。
【0082】続いて、ステップ140では、制御手段7
0は、照合モード、すなわち操作者の指紋像を照合する
パターン照合処理を実行するか否かという操作者の意向
を尋ねるメッセージをディスプレイ(図示しない)に表
示させる。ここで、操作者がコード入力手段20を操作
することによって照合モードを選択する選択コードを入
力した場合、コード入力手段20は照合モードを設定す
る選択コードを表す測定信号を制御手段70に入力する
ので、制御手段70の動作はステップ140に移行す
る。一方、操作者がコード入力手段20を操作すること
によって照合モードを選択しない選択コードを入力した
場合、コード入力手段20は照合モードを拒否する選択
コードを表す測定信号を制御手段70に入力するので、
制御手段70の動作は全て終了する。
【0083】なお、以下、制御手段70の動作が全て終
了した際に、管理者が電源スイッチ(図示しない)をO
FF状態に設定した場合、電源(図示しない)はコード
入力手段20、パターン入力手段30、記憶手段40、
照合手段50、判定手段60及び制御手段70に対して
電力をそれぞれ遮断するので、これら各種機器の稼働が
停止する。
【0084】図9に示すように、ステップ110では、
制御手段70はステップ120〜132を順次実行す
る。
【0085】まず、ステップ120では、制御手段70
は、識別コードを入力することを操作者に要求するメッ
セージをディスプレイ(図示しない)に表示させる。こ
のとき、操作者がコード入力手段20を操作することに
よって識別コードを入力すると、コード入力手段20は
操作者の識別コードを表す測定信号が制御手段70に出
力するので、制御手段70の動作はステップ122に移
行する。
【0086】続いて、ステップ122では、制御手段7
0は、操作者が入力した識別コードを表すデータ信号を
記憶手段40に出力する。このとき、記憶手段40は、
管理者が許可した個人に割り当てた識別コードを予め格
納しており、そのデータの中に操作者が入力した識別コ
ードに一致するものを検索する。ここで、記憶手段40
が操作者の識別コードを予め格納していた場合、記憶手
段40は操作者の識別コードが真であることを表すデー
タ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70の
動作はステップ124に移行する。一方、記憶手段40
が操作者の識別コードを予め格納していない場合、記憶
手段40は操作者の識別コードが偽であることを表すデ
ータ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70
の動作は全て終了する。
【0087】続いて、ステップ124では、制御手段7
0は、プリズム32の斜面の外側に指を設置することを
要求するメッセージをディスプレイ(図示しない)に表
示させた後、LED31の駆動を指示する第1の制御信
号C1 をパターン入力手段30に出力する。このとき、
パターン入力手段30では、LED31から出射された
第1の照明光は、操作者の指の腹が設置されたプリズム
32の斜面の内側で反射することにより、操作者の指紋
の隆線に対応して散乱される。このプリズム32から出
射した第1の照明光は、集光レンズ33によって集束さ
れることにより、CCDカメラ34の受光面上に結像さ
れる。そのため、CCDカメラ34は、第1の照明光の
光電変換によって検出した操作者の指紋像を表す測定信
号を制御手段70に出力する。
【0088】この後、制御手段70は、操作者が入力し
た識別コードと操作者の指紋を撮像した指紋像とを表す
データ信号を記憶手段40に出力する。このとき、記憶
手段40は、操作者の識別コードに対応して割り当てた
所定のメモリ領域に操作者の指紋像を登録候補像として
格納する。そして、記憶手段40は操作者の指紋像を保
持したことを表すデータ信号を制御手段70に出力する
ので、制御手段70の動作はステップ126に移行す
る。
【0089】続いて、ステップ126では、制御手段7
0は、操作者の指紋像の撮像回数を予め設定された閾値
と比較する。ここで、指紋像の撮像回数が閾値以上であ
る場合、必要な個数の指紋像が既に撮像済みであるの
で、制御手段70の動作はステップ128に移行する。
一方、指紋像の撮像回数が閾値未満である場合、必要な
個数の指紋像が撮像されていないので、制御手段70の
動作はステップ124に移行する。
【0090】続いて、ステップ128では、制御手段7
0は、新規に撮像した複数個の指紋像の中で選択した異
なる2個の指紋像を並列的に配置したビデオ信号をLC
D54に出力する。このとき、LCD54は、新規に撮
像した2個の指紋像の一方を参照像として参照像領域に
表示するとともに、新規に撮像した2個の指紋像の他方
を測定像として測定像領域に表示することにより、これ
ら2個の指紋像を入力像として並列的な配置で表示す
る。
【0091】この後、制御手段70は、LD51の駆動
を指示する第2の制御信号C2 を照合手段50に出力す
る。このとき、照合手段50では、LD51から出射さ
れた第2の照明光は、第1のハーフミラー52aで反射
されることによって第3の照明光として出射されるとと
もに、第1のハーフミラー52aを透過することによっ
て第4の照明光として出射される。
【0092】この第3の照明光は、第1の平面ミラー5
3aでその光路を折り曲げられた後、LCD54の参照
像領域及び測定像領域を通過することにより、参照像と
測定像とからなる入力像に対応して回折される。そし
て、第3の照明光は、第1のフーリエ変換レンズ55a
によって収斂されることにより、フィルタ56を透過
し、SLM57の光アドレス層中に結像される。このと
き、第3の照明光は、フィルタ56によって光軸付近に
位置する低次空間周波数成分である0次空間周波数成分
を除去された後、第1のフーリエ変換レンズ55aによ
って振幅分布のフーリエ変換をSLM57の光アドレス
層で成立させる。そのため、SLM57は、光アドレス
層の抵抗分布に対応して変化した光変調層の屈折率分布
として、LCD54に表示された入力像にフーリエ変換
を施した変換像を保持する。ただし、この変換像は、第
3の照明光の周辺に位置する高次空間周波数成分である
1次空間周波数成分から構成されている。
【0093】一方、第4の照明光は、第2の平面ミラー
53bでその光路を折り曲げられた後、第2のハーフミ
ラー52bで反射されることによってSLM57の光変
調層を透過し、SLM57の光半透層で反射されること
によってSLM57の光変調層を再び透過する。このと
き、第4の照明光は、SLM57の光変調層を往復して
通過する際に、光変調層の屈折率分布に対応して位相変
調を受けるので、光変調層に保持された変換層に対応し
て回折される。
【0094】この後、第4の照明光は、第2のハーフミ
ラー52bを透過し、第2のフーリエ変換レンズ55b
によって収斂されることにより、PD58の受光面上で
結像される。このとき、第4の照明光は、第2のフーリ
エ変換レンズ55bによって振幅分布のフーリエ変換を
PD58の受光面で成立させる。そのため、PD58
は、変換像の振幅分布にフーリエ変換を施して生成した
相関像、すなわち入力像の振幅分布に2回のフーリエ変
換を施して生成した相関像を検出し、この相関像を表す
データ信号を制御手段70に出力する。ただし、この相
関像は、第4の照明光の周辺に位置する1次空間周波数
成分を含む高空間周波数成分のみから構成されている。
【0095】さらに、制御手段70は、入力像に対応す
る相関像の強度分布を表すデータ信号を判定手段60に
出力する。このとき、判定手段60は、相関像中で最大
輝度を有する強度分布を1次空間周波数成分の強度分布
として分別し、この1次空間周波数成分の強度分布特性
としてピーク強度や半値幅などを検出する。そして、判
定手段60は、入力像を構成した各指紋像の相関値とし
て相関像における1次空間周波数成分の強度分布特性を
追加して保持し、新規に撮像した指紋像の相関値を保持
したことを表すデータ信号を制御手段70に出力するの
で、制御手段70の動作はステップ130に移行する。
【0096】続いて、ステップ130では、制御手段7
0は、記憶手段40に登録候補像として格納された複数
の指紋像から選択した2個の指紋像で構成される全ての
組み合わせについて、相互相関演算を実行したか否かを
確認する。ここで、相互相関演算が全ての登録候補像の
組み合わせについて実行されている場合、各登録候補像
が必要な相関値の総和を既に有しているので、制御手段
70の動作はステップ132に移行する。一方、相互相
関演算が全ての登録候補像の組み合わせについて実行さ
れていない場合、各登録候補像が必要な相関値の総和を
有していないので、制御手段70の動作はステップ12
8に移行する。
【0097】続いて、ステップ132では、制御手段7
0は、記憶手段40に登録候補像として格納された複数
の指紋像から唯一の指紋像を選択することを要求する制
御信号を判定手段60に出力する。このとき、判定手段
60は、相互相関演算による相関値の総和として最大値
を有する登録候補像を選択し、この登録候補像を登録像
として指定することを表すデータ信号を制御手段70に
出力する。
【0098】この後、制御手段70は、登録像として指
定する登録候補像を表すデータ信号を記憶手段40に出
力する。このとき、記憶手段40は、登録像として指定
を受けていない登録候補像を消去し、操作者の識別コー
ドに対応して割り当てた所定のメモリ領域に指定を受け
た登録候補像のみを登録像として格納する。この後、記
憶手段40は操作者の指紋像を登録したことを表すデー
タ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70の
動作は全て終了する。
【0099】図10及び図11に示すように、ステップ
150では、制御手段70はステップ160〜182を
順次実行する。
【0100】まず、ステップ160では、制御手段70
は、識別コードを入力することを操作者に要求するメッ
セージをディスプレイ(図示しない)に表示させる。こ
のとき、操作者がコード入力手段20を操作することに
よって識別コードを入力すると、コード入力手段20は
操作者の識別コードを表す測定信号を制御手段70に出
力するので、制御手段70の動作はステップ162に移
行する。
【0101】続いて、ステップ162では、制御手段7
0は、操作者が入力した識別コードを表すデータ信号を
記憶手段40に出力する。このとき、記憶手段40は、
管理者が許可した個人に割り当てた識別コードを予め格
納しており、そのデータの中に操作者が入力した識別コ
ードに一致するものを検索する。ここで、記憶手段40
が操作者の識別コードを予め格納していた場合、記憶手
段40は操作者の識別コードが真であることを表すデー
タ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70の
動作はステップ144に移行する。一方、記憶手段40
が操作者の識別コードを予め格納していない場合、記憶
手段40は操作者の識別コードが偽であることを表すデ
ータ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70
の動作は全て終了する。
【0102】続いて、ステップ164では、制御手段7
0は、操作者の識別コードに対応した登録像の呼出を指
示する制御信号を記憶手段40に出力する。このとき、
記憶手段40は、操作者の識別コードに対応して割り当
てたメモリ領域を検索する。この後、記憶手段40は該
当するメモリ領域に予め格納されている登録像を表すデ
ータ信号を制御手段70に出力するので、制御手段70
の動作はステップ166に移行する。なお、登録像は、
複数の指紋像からなる登録候補像の中で最も共通点を多
く含むので、最も歪みが小さくで最も明瞭な指紋像とな
る。
【0103】続いて、ステップ166では、制御手段7
0は、プリズム32の斜面の外側に指を設置することを
要求するメッセージをディスプレイ(図示しない)に表
示させた後、LED31の駆動を指示する制御信号をパ
ターン入力手段30に出力する。このとき、パターン入
力手段30では、前述したステップ124とほぼ同様な
動作に基づいて、CCDカメラ34が第1の照明光の光
電変換によって検出した操作者の指紋像を表す第2の測
定信号S2 を制御手段70に出力するので、制御手段7
0の動作はステップ168に移行する。
【0104】続いて、ステップ168では、制御手段7
0は、予め登録済みの指紋像と新規に撮像した指紋像と
を並列的に配置したビデオ信号をLCD54に出力す
る。このとき、LCD54は、予め登録済みの指紋像を
参照像として参照像領域に表示するとともに、新規に撮
像した指紋像を測定像として測定像領域に表示し、さら
にいかなる画像をも間隙領域に表示しないことにより、
これら参照像及び測定像を入力像として並列的な配置で
表示する。
【0105】この後、制御手段70は、LD51の駆動
を指示する第2の制御信号C2 を照合手段50に出力す
る。このとき、照合手段50では、前述したステップ1
28とほぼ同様な動作に基づいて、Pd58が第4の照
明光の光電変換によって基本検出領域及び補助検出領域
で分割して検出した相関像の強度分布を表す測定信号を
制御手段70に出力するので、制御手段70の動作はス
テップ170に移行する。
【0106】続いて、ステップ170では、制御手段7
0は、参照像と測定像とに対する相互相関演算に基づい
て補助検出領域で検出された相関像の強度分布を表すデ
ータ信号を判定手段60に出力する。このとき、判定手
段60は、補助検出領域で検出された相関像の強度分布
特性としてピーク強度や半値幅などを検出し、この強度
分布特性を予め設定された閾値に対して比較する。ここ
で、補助検出領域の強度分布特性が所定の閾値未満であ
る場合、判定手段60は測定像自体が適切に撮像されて
いることを表すデータ信号を制御手段70に出力するの
で、制御手段70の動作はステップ172に移行する。
一方、補助検出領域の強度分布特性が所定の閾値以上で
ある場合、判定手段60は測定像自体が不適切に撮像さ
れていることを表すデータ信号を制御手段70に出力す
るので、制御手段70の動作は全て終了する。
【0107】続いて、ステップ170では、制御手段7
0は、予め登録済みである同一パターンの2個の指紋像
を並列的に配置したビデオ信号である第3のデータ信号
3をLCD54に出力する。このとき、LCD54
は、予め登録済みである同一パターンの2個の指紋像を
参照像として参照像領域に表示し、いかなる画像をも測
定像領域及び間隙領域に表示しないことにより、入力像
として2個の指紋像を並列的に配置した参照像を表示す
る。
【0108】この後、制御手段70は、LD51の駆動
を指示する第2の制御信号C2 を照合手段50に出力す
る。このとき、照合手段50では、前述したステップ1
28とほぼ同様な動作に基づいて、PD58が第4の照
明光の光電変換によって基本検出領域及び補助検出領域
で一体として検出した相関像の強度分布を表すデータ信
号を制御手段70に出力するので、制御手段70の動作
はステップ172に移行する。
【0109】続いて、ステップ172では、制御手段7
0は、新規に撮像した同一パターンの2個の指紋像を並
列的に配置したビデオ信号をLCD54に出力する。こ
のとき、LCD54は、新規に撮像した同一パターンの
2個の指紋像を測定像として測定像領域に表示し、いか
なる画像をも参照像領域及び間隙領域に表示しないこと
により、入力像として2個の指紋像を並列的に配置した
測定像を表示する。
【0110】この後、制御手段70は、LD51の駆動
を指示する第2の制御信号C2 を照合手段50に出力す
る。このとき、照合手段50では、前述したステップ1
28とほぼ同様な動作に基づいて、PD58が第4の照
明光の光電変換によって基本検出領域及び補助検出領域
で一体として検出した相関像の強度分布を表す第4の測
定信号S4 を制御手段70に出力するので、制御手段7
0の動作はステップ174に移行する。
【0111】続いて、ステップ174では、制御手段7
0は、参照像と測定像とに対する相互相関演算に基づい
て基本検出領域で検出された相関像の強度分布と、参照
像に対する自己相関演算に基づいて基本検出領域及び補
助検出領域で検出された相関像の強度分布と、測定像に
対する自己相関演算に基づいて基本検出領域及び補助検
出領域で検出された相関像の強度分布とを表すデータ信
号を判定手段60に出力する。このとき、判定手段60
は、3種類の相関像の強度分布特性としてピーク強度や
半値幅などをそれぞれ検出し、参照像と測定像とに対す
る相互相関演算に基づいた強度分布特性から、参照像ま
たは測定像に対する自己相関演算に基づいた強度分布特
性を除去する。
【0112】この後、判定手段60は、参照像と測定像
とに対する相互相関演算に基づいて検出した後にバック
グラウンド処理を施した強度分布特性を、入力像を構成
した参照像と測定像との間の相関値として設定し、この
相関値を予め設定された閾値に対して比較する。ここ
で、参照像と測定像との間の相関値が所定の閾値以上で
ある場合、判定手段60は参照像と測定像とが一致して
いることを表すデータ信号を制御手段70に出力するの
で、制御手段70の動作はステップ180に移行する。
一方、参照像と測定像との間の相関値が所定の閾値以下
である場合、参照像と測定像とが不一致であることを表
すデータ信号を制御手段70に出力するので、制御手段
70の動作はステップ182に移行する。
【0113】続いて、ステップ180では、制御手段7
0は、操作者の指紋像に対する照合が成功した場合の処
理を実行する。例えば、パターン認識装置10が前述し
た管理システムとして機能している場合、制御手段70
は、操作者が管理者によって予め許可を受けている個人
であると認識するので、管理対象である機密室に通じる
ドアのオートロックを解錠する。この後、制御手段70
の動作は全て終了する。
【0114】続いて、ステップ160では、制御手段7
0は、操作者の指紋像に対する照合が不成功になった場
合の処理を実行する。例えば、パターン認識装置10が
前述した管理システムとして機能している場合、制御手
段70は、操作者が管理者によって予め許可を受けてい
る個人ではないと認識するので、管理対象である機密室
に通じるドアのオートロックを閉錠状態で保持する。こ
の後、制御手段70の動作は全て終了する。
【0115】なお、本発明は上記実施例に限られるもの
ではなく、種々の変形を行うことが可能である。
【0116】例えば、上記実施例においては、JTC法
に基づいて並列的に配置した参照像と測定像とに対する
相関演算として、光学的手段を利用する光学的相関演算
を適用している。そのため、相関演算の速度はパターン
の像の階調や画素数などに依存しないので、多値情報と
してパターンの像を扱うことができる。しかしながら、
JTC法に基づいて相関演算としては、コンピュータ等
の電子計算機を利用する電子的相関演算を適用しても、
相関演算の速度が多値情報や画素数などによって制約を
受ける問題を補償することにより、上記実施例とほぼ同
様な作用効果を得ることができる。
【0117】また、上記実施例においては、個人を識別
するパターンとして指紋を設定している。しかしなが
ら、このようなパターンとしては、個人的特徴を有する
ものであれば、網膜像などの他のパターンを設定するこ
とも好適である。なお、個人の識別などの二次的な機能
を必要としないで、単にパターン自体を比較して照合す
る場合には、二次元画像である限り、いかなるパターン
を設定することも可能である。
【0118】また、上記実施例においては、LCDの表
示画面に設定した測定像領域及び参照像領域に、それぞ
れ単数の測定像及び参照像を配置している。しかしなが
ら、例えば測定像領域、間隙領域及び参照像領域を順次
配列した方向に直交した方向に沿って参照像領域を分割
して設定し、この分割した各参照像領域に異なる複数の
参照像を配置すれば、これら複数の参照像に対して測定
像を同時に照合判定することができる。
【0119】さらに、上記実施例においては、CCDカ
メラで撮像してメモリに格納した参照像に基づいて、測
定像の照合判定を行っている。しかしながら、コンピュ
ータを利用した画像処理技術によって作製した仮想像
や、所定の特徴のみを抽出して作製した修整像などを参
照象としても用いても、上記実施例とほぼ同様な作用効
果を得ることができる。
【0120】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
パターン認識装置及びその方法においては、第1のパタ
ーンを二次元画像として撮像することにより、入力面に
おいて第2の入力領域の両側でそれぞれ隣接した第1及
び第3の領域に、入力像を構成する二つのパターンの像
をそれぞれ配置する。そして、入力面に配置された入力
像として第1のパターンの像と当該第1のパターンの像
に対して比較する少なくとも一つの第2のパターンの像
とをそれぞれ配置する。そして、入力面に配置された入
力像に対して合同フーリエ変換型相関演算を実行するこ
とにより、出力面において相互に隣接した第1及び第2
の出力領域に、相関像を構成する1次空間周波数成分及
び0次空間周波数成分をそれぞれ配置する。
【0121】ここで、第1ないし第3の入力領域の配列
方向に沿った第2の入力領域の領域幅は、その配列方向
に沿った第1の入力領域の領域幅以上に設定されてい
る。また、第1及び第2の出力領域の配列方向に沿った
第2の出力領域の領域幅は、第2の入力領域の領域幅と
入力面に対する前記出力面の倍率との積に一致した距離
を0次空間周波数成分の両側に保持して設定されてい
る。
【0122】これにより、第1及び第3の入力領域にそ
れぞれ配置された第1及び第2のパターンの像の間隔は
第1の入力領域の領域幅以上となる。一方、第1の入力
領域に配置された第1のパターンの像が複数個の同一ま
たは類似の像成分を含んでいる場合、これら同一または
類似の像成分の間隔は第2の入力領域の領域幅未満とな
る。そのため、第1及び第3の入力領域にそれぞれ配置
された第1及び第2のパターンの像に対応する二つの1
次空間周波数成分の一方は第1の出力領域に配置され、
第1の入力領域に配置された同一または類似の像成分に
対応する二つの1次空間周波数成分は第2の出力領域に
配置される。
【0123】この結果、照合手段は、第1の入力領域に
配置された第1のパターンの像が含む複数個の同一また
は類似の像成分による相関ノイズを除去した上で、第1
の出力領域に配置された相関像の強度分布に基づいて、
第1及び第3の入力領域にそれぞれ配置された第1及び
第2のパターンの像を照合判定する。したがって、これ
ら第1及び第2のパターンの像に対する照合判定に生じ
る誤認識が低減するので、良好な認識率を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターン認識装置に係る一実施例の全
体構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は図1のプリズムの斜面に第1のマスク
を設置した状態を示す側面図であり、(b)は(a)の
第1のマスクの形状を示す上面図である。
【図3】(a)は図1のCCDカメラの受光面に第2の
マスクを設置した状態を示す側面図であり、(b)は
(a)の第2のマスクの形状を示す上面図である。
【図4】(a)は図1のCCDカメラで生成した第1の
ビデオ信号を示すタイムチャートであり、(b)は図1
のCCDカメラまたは制御手段で(a)の第1のビデオ
信号に同期して生成したフィルタ制御信号を示すタイム
チャートであり、(c)は図1のCCDカメラまたは制
御手段で(a)の第1のビデオ信号を(b)のフィルタ
制御信号に対応して抽出した第2のビデオ信号を示すタ
イムチャートである。
【図5】(a)は図1のパターン入力手段で撮像した測
定像を示す図であり、(b)は図1の記憶手段から検索
した参照像を示す図であり、(c)は図1のLCDに表
示する入力像として並列的に配置した(a)の測定像と
(b)の参照像とを示す図である。
【図6】(a)は図1のLCDに表示した入力像として
並列的に配置した真のパターンと偽のパターンとからな
る測定像と真のパターンのみからなる参照像とを示す図
であり、(b)は図1のPDで受光した相関像として真
の1次光と偽の1次光とを示す図である。
【図7】(a)は図1のLCDに表示した入力像として
配置した参照像のみを示す図であり、(b)は図1のL
CDに表示した入力像として配置した測定像のみを示す
図である。
【図8】図1のパターン認識装置における全般的動作を
示すフローチャートである。
【図9】図1のパターン認識装置におけるパターン登録
処理を示すフローチャートである。
【図10】図1のパターン認識装置におけるパターン照
合処理を示すフローチャートである。
【図11】図1のパターン認識装置におけるパターン照
合処理を示すフローチャートである。
【図12】(a)は従来のパターン認識装置において測
定像と参照像とを並列的な配置で表示した入力像として
指紋像を示す写真であり、(b)は(a)の入力像に対
する二次元フーリエ変換によって生成した変換像として
処理した指紋像を示す写真であり、(c)は(b)の変
換像に対する二次元フーリエ変換によって生成した相関
像として処理した指紋像を示す写真である。
【図13】(a)は従来のパターン認識装置において通
常の測定像と参照像とを並列的な配置で表示した入力像
を示す図であり、(b)は(a)の入力像に対する相関
像を示す図である。
【図14】(a)は従来のパターン認識装置において2
個の同一パターンからなる測定像と参照像とを並列的な
配置で表示した入力像を示す図であり、(b)は(a)
の入力像に対する相関像を示す図である。
【図15】(a)は従来のパターン認識装置において真
のパターンと偽のパターンとからなる測定像と参照像と
を並列的な配置で表示した入力像を示す図であり、
(b)は(a)の入力像に対する相関像を示す図であ
る。
【図16】(a)は従来のパターン認識装置において2
個の同一パターンからなる測定像のみを表示した入力像
を示す図であり、(b)は(a)の入力像に対する相関
像を示す図である。
【符号の説明】
10…パターン認識装置、30…入力手段、50…照合
手段、54…入力面、58…出力面、51〜53,55
〜57…演算手段、60…判定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 嘉久 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のパターンを二次元画像として撮像
    する入力手段と、 この入力手段によって撮像された前記第1のパターンの
    像と当該第1のパターンの像に対して比較する少なくと
    も一つの第2のパターンの像とを入力像として並列的に
    配置する入力面と、前記入力像に対して合同フーリエ変
    換型相関演算を実行する演算手段と、この演算手段によ
    って前記入力像に対応して生成された相関像を配置する
    出力面とを含んで構成されている照合手段と、 この照合手段によって生成された前記相関像の強度分布
    に基づいて前記第1及び第2のパターンの像を照合判定
    する判定手段とを備え、 前記入力面は、 前記第1のパターンの像を配置する第1の入力領域と、 この第1の入力領域に隣接する第2の入力領域と、 前記第1の入力領域に対向して前記第2の入力領域に隣
    接し、前記第2のパターンの像を配置する第3の入力領
    域とを有し、 前記第1ないし第3の入力領域の配列方向に沿った前記
    第2の入力領域の領域幅を、当該配列方向に沿った前記
    第1の入力領域の領域幅以上に設定しており、 前記出力面は、 前記相関像を構成する二つの1次空間周波数成分の一方
    を配置する第1の出力領域と、 この第1の出力領域に隣接し、前記相関像を構成した0
    次空間周波数成分を配置する第2の出力領域とを有し、 前記第1及び第2の出力領域の配列方向に沿った前記第
    2の出力領域の領域幅として、前記第2の入力領域の領
    域幅と前記入力像に対する前記相関像の倍率との積に一
    致した距離を前記0次空間周波数成分の両側に保持して
    おり、 前記判定手段は、前記第1及び第2の出力領域にそれぞ
    れ配置された前記相関像の強度分布を分別した上で、前
    記第1及び第2のパターンの像を照合判定することを特
    徴とするパターン認識装置。
  2. 【請求項2】 前記第1ないし第3の入力領域の配列方
    向に沿った前記第2の入力領域の領域幅は、当該配列方
    向に沿った前記第1及び第3の入力領域の領域幅以上に
    設定されていることを特徴とする請求項1のパターン認
    識装置。
  3. 【請求項3】 前記出力面は、前記第1の出力領域に対
    向して前記第2の出力領域に隣接し、前記二つの1次空
    間周波数成分の他方を配置する第3の出力領域とをさら
    に有しており、前記照合手段は、前記第1ないし第3の
    出力領域にそれぞれ配置された前記相関像の強度分布を
    分別した上で、前記第1及び第2のパターンの像を照合
    判定することを特徴とする請求項1のパターン照合装
    置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は、前記入力像に対してフ
    ーリエ変換を光学的に2度実行するレンズを含んでいる
    ことを特徴とする請求項1記載のパターン認識装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段は、前記入力像に対してフ
    ーリエ変換を電子工学的に2度実行するコンピュータを
    含んでいることを特徴とする請求項1記載のパターン認
    識装置。
  6. 【請求項6】 前記パターンは、人間の指の腹に形成さ
    れた指紋であることを特徴とする請求項1記載のパター
    ン認識装置。
  7. 【請求項7】 第1のパターンを二次元画像として撮像
    する第1のステップと、 この第1のステップで撮像された前記第1のパターンの
    像と当該第1のパターンの像に対して比較する少なくと
    も一つの第2のパターンの像とを入力像として入力面に
    並列的に配置する第2のステップと、 この第2のステップで配置された前記入力像に対して合
    同フーリエ変換型相関演算を実行することにより、当該
    入力像に対応して生成された相関像を出力面に配置する
    第3のステップと、 この第3のステップで生成された前記相関像の強度分布
    に基づいて前記第1及び第2のパターンの像を照合判定
    する第4のステップとを備え、 前記第2のステップにおいては、前記入力面に第1の入
    力領域、第2の入力領域及び第3の入力領域を順次隣接
    して設定する際に、前記第1ないし第3の入力領域の配
    列方向に沿った前記第2の入力領域の領域幅を、当該配
    列方向に沿った前記第1の入力領域の領域幅以上に設定
    した上で、前記第1及び第2のパターンの像を前記第1
    及び第3の入力領域にそれぞれ配置し、 前記第3のステップにおいては、前記出力面に第1の出
    力領域及び第2の出力領域を隣接して設定する際に、前
    記第1及び第2の出力領域の配列方向に沿った前記第2
    の出力領域の領域幅を、前記第2の入力領域の領域幅と
    前記入力像に対する前記相関像の倍率との積の2倍に一
    致した距離に設定した上で、前記相関像を構成する二つ
    の1次空間周波数成分の一方及び0次空間周波数成分を
    前記第1の出力領域の内部及び前記第2の出力領域の中
    央部にそれぞれ配置し、 前記第4のステップにおいては、前記第1及び第2の出
    力領域に配置された前記相関像の強度分布を分別した上
    で、前記第1及び第2のパターンの像を照合判定するこ
    とを特徴とするパターン認識方法。
  8. 【請求項8】 前記第2のステップにおいては、前記第
    1ないし第3の入力領域の配列方向に沿った前記第2の
    入力領域の領域幅を、当該配列方向に沿った前記第1及
    び第3の入力領域の領域幅以上に設定することを特徴と
    する請求項7のパターン認識方法。
  9. 【請求項9】 前記第3のステップにおいては、前記第
    1の出力領域に対向した上で前記第2の出力領域に隣接
    して設定した第3の出力領域に、前記二つの1次空間周
    波数成分の他方を前記第3の出力領域に配置し、前記第
    4のステップにおいては、前記第1及び第3の出力領域
    にそれぞれ配置された前記相関像の強度分布を分別した
    上で、前記第1及び第2のパターンの像を照合判定する
    ことを特徴とする請求項7のパターン認識方法。
  10. 【請求項10】 前記第4のステップにおいては、前記
    第2の出力領域に配置された前記相関像の強度分布が所
    定の閾値未満である場合、前記第1の出力領域に配置さ
    れた前記相関像の強度分布に基づいて前記第1及び第2
    のパターンの像を照合判定することを特徴とする請求項
    7記載のパターン認識方法。
  11. 【請求項11】 前記第4のステップにおいては、前記
    第1のパターンの像のみからなる前記入力像に対応して
    生成された前記相関像の強度分布と、前記第2のパター
    ンの像のみからなる前記入力像に対応して生成された前
    記相関像の強度分布とを、前記第1及び第2のパターン
    の像からなる前記入力像に対応して生成された前記相関
    像の強度分布から除去した上で、当該相関像の強度分布
    に基づいて前記第1及び第2のパターンの像を照合判定
    することを特徴とする請求項7記載のパターン認識方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014017061A1 (ja) * 2012-07-25 2014-01-30 株式会社デンソー 状態監視装置
JP2014026047A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Denso Corp 状態監視装置,及び光学部材

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