JP3964220B2 - 顔画像認識システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔画像認識システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顔画像を用いた個人認識は、非接触で個人同定が可能であるため、IDカードや暗証番号に変わるセキュリティ技術として関心が高まっている。そのため、デジタル処理を中心に多くの研究が行われているが、顔画像は3次元の物体で表情変化や照明などの周囲の条件で変動が生じるため、まだ最適な認識方法は確立されていない。
【0003】
一方、現在電気アドレス型の液晶空間光変調器は、400μsでの高速表示が可能であるものなどが販売され、今後も更に高速応答なデバイスが開発されると予想できる。しかし、通常のCCDカメラなどのデバイスはその速度に追いついておらず、実用的高速相関システムはいまだ提供されてはいない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したマッチトフィルタは様々なフィルタ設計が可能で、回転や大きさなどのロバスト性を高めることができる。この技術をエッジ抽出、2値化、ハーフ処理を行った顔認識に応用した結果、高い認識率と排他率を得ることができる。よって、高速なフーリエ変換(FFTチップ、光相関演算)などを用いて高速に演算を行うことにより、実用的な高速認識システムができる。
【0005】
一方、データベースの書き換え(例えば400μs)の速度と同様に二次元画像の相関演算ができる技術を提案する。高速表示SLM(Spatial Light Modulator)とマッチトフィルタリングとを組み合わせ、更に時間積分ディテクト法を合わせた光演算システムである。ここで高速な表示を精密にディテクトすることが可能なディテクトデバイスがある場合はその他のディテクタでもよい。
【0006】
この方式ではデータベースの書き換えと同速度演算を実現できる。また、ロバスト性を高めるために、いくつかのフィルタと同時にフィルタリングできる技術が求められるが、シングルベアチップを並べてアレイ光源とし、光の速度で複製を行えば、光速度での複数のフィルタとの演算が可能である。これは、超大量なデータベースが存在した場合などに特に有効なシステムとなる。
【0007】
本願発明者は、既に、並列相関演算用バイナリ光画像素子を用いた顔画像認識システム(特願2000−307055)、フーリエ変換素子を用いた空間並列に光学的結合変換相関演算を行い検索するパターン検索法(特願2000−307058)を提案している。
【0008】
しかしながら、その場合は、CCDカメラやその他の光電子デバイスにより顔認識処理速度が抑えられ、一度に識別するデータ数を増やし処理速度を上げようとしても処理速度を上げられないといった問題があった。
【0009】
従来の光相関システムでは入力画像が実空間面であり、マッチトフィルタをフーリエ面において高速に表示していた。しかし、高速表示デバイスの主流は2値デバイスであり、2値デバイスのマッチトフィルタしか表示できず、回折効率と精度に課題があった。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みて、高速な顔画像処理ができる顔画像認識システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕顔画像認識システムにおいて、コンピュータ(23)に接続されたデジタルカメラ(24)から入力画像を取得する手段と、前記コンピュータ(23)でマッチトフィルタを計算し、液晶空間光変調器(19)上に計算したマッチトフィルタを表示する手段と、液晶空間光変調器(15)上にデータべース(25)を表示する手段と、VCSELアレイ光源(11)をBZPA1(12)でコリメートし、BZPA2(13)とレンズL1(14)を挟み、前記液晶空間光変調器(15)に照射する手段と、前記液晶空間光変調器(15)からの照射により反射型で読み出し、レンズL2(17)によりデュプリケートを行う手段と、次いで、BZPA4(18)でフーリエ変換を行い、前記液晶空間光変調器(19)に表示したマッチトフィルタを通過させた後、更にBZPA5(21)を通過させて逆フーリエ変換の後に、ディテクトデバイス(22)により相関信号を取得する手段とを具備し、相関処理された入力枚数分の出力データは出力面で前記ディテクトデバイス(22)の応答速度間間の間、重ね合わされて一つの画像として出力され、かつ前記ディテクトデバイス(22)の1回の取込み時間内に複数の入力を行う処理を施すことを特徴とする。
【0012】
〔2〕上記〔1〕記載の顔画像認識システムにおいて、前記相関信号を取得する過程をあらかじめ前処理が施されかつRAMに保存されている画像である前記データベース(25)の数だけ繰り返す手段を具備することを特徴とする。
【0013】
〔3〕上記〔1〕記載の顔画像認識システムにおいて、空間周波数でのマッチトフィルタリングを、高速相関光学系で行うことを特徴とする。
【0014】
〔4〕上記〔3〕記載の顔画像認識システムにおいて、前記高速相関光学系は高速FFTプロセッサを用いる系であることを特徴とする。
【0015】
〔5〕上記〔〕記載の顔画像認識システムにおいて、前記空間周波数でのマッチトフィルタリングを、入力画像に特定の前処理を施した画像をコンピュータ上でコンピュータグラフィックもしくはキノフォームとして、マッチトフィルタを計算し、書き換え可能な液晶空間光変調器に表示させ、膨大なデータベースを高速な液晶空間光変調器に実空間上で書き換えて相関を行うことを特徴とする。
【0016】
〔6〕上記〔〕記載の顔画像認識システムにおいて、前記高速相関光学系は、複数光源を用いたデュプリケート光学系により、複数のマッチトフィルタとの照合を並列に行う光相関器であることを特徴とする。
【0017】
上記のように構成したので、本発明によれば、データベースの書き換えと同程度の速度で二次元画像の相関演算ができる。具体的には高速表示SLM(空間光変調器)と光速度で演算できるマッチトフィルタリングとを組み合わせ、更に時間積分ディテクト法を組み合わせた光演算システムを構築する。ディテクトデバイスとしては、高速な表示を精密にディテクトできる時間積分機能を有するものであれば、いかなるディテクトデバイスであってもよい。
【0018】
また、ロバスト性を高めるために、各種フィルタで同時にフィルタリングできる技術も採用しており、シングルベアチップを並べてアレイ光源とし、光の速度で複製を行えば、光速度での複数のフィルタリングの演算が可能となる。これは超大量なデータベースの処理が必要となる場合には、特に有効なシステムとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
まず、マッチトフィルタリングを用いた顔画像認識システムの動作について説明する。
【0021】
図1は本発明の実施例を示すマッチトフィルタリングを用いた顔画像認識システムの動作フローチャート、図2はその光学的マッチトフィルタリングの原理図である。
【0022】
(1)実時間演算の場合、まず取り込んだ画像にエッジ抽出・2値化等の前処理を施す(ステップS1)。
【0023】
(2)次に、被検出画像Aは、基本的にはフーリエ変換の複素共役であるフィルタを作成する。このフィルタを用いて周波数空間上で掛け算を行い、逆フーリエ変換を行う(ステップS2)。
【0024】
(3)その後、相関信号を取得し認識結果とする(ステップS3)。ここでのフーリエ変換は、高速FFTプロセッサを用いても、光学系を用いてもよい。
【0025】
図2に光学的マッチトフィルタリングの原理を示す。
【0026】
この図に示すように、P1面に入力f(x,y)をおき、これをコヒーレントな平行光Bで照明する。レンズ1でこの信号のフーリエ変換を得て、そこにHのフィルタを置いて、レンズ2で再びフーリエ変換し、結果を出力面P3で観測する。このとき出力面P3で得られる信号は、式(1)のg′式のように表され、gとhのコンボリューションが得られる。ただし、h(x,y)はH(vx ,vy )の逆フーリエ変換であり、フィルタの点応答関数と呼ばれるものである。パターン検出のためのフィルタは図1に示すように、フーリエ変換の複素共役となる。相関信号の検出位置はフィルタの設計、検出画像の位置により変えることができる。
【0027】
【数1】
Figure 0003964220
(前処理)
演算顔画像の前処理方法について述べる。演算に用いる全ての顔画像(入力画像と参照画像)に対して同じ処理を施す。
【0028】
顔画像の前処理工程を図3に示す。
【0029】
まず、デジタルカメラからコンピュータに取り込まれた人物画像から顔の情報のみを得るために眉の上から顎の下までを目安に正方形で切り取る〔図3(a)参照〕。次に、それを認識に必要な画像サイズである128ピクセル×128ピクセルの大きさに正規化する〔図3(b)参照〕。その後、エッジ抽出・2値化の前処理を施し、必要に応じてハーフ処理も施す〔図3(c)参照〕。
【0030】
(後処理の一例)
図4は登録者の識別方法を示す図、図5は未登録者の識別方法を示す図である。
【0031】
これらの図は、登録者と未登録者の識別方法について、それぞれが入力画像となった場合の例を示しており、以下、これについて説明する。
【0032】
入力画像のコード番号をi、データベースの参照画像のコード番号をjとし、参照画像の数をN(この場合N=10)とする。グラフの横軸は参照画像のコード番号1〜N、上段のグラフの縦軸は入力画像code#iに対する参照画像code#jとの相関信号強度の測定値Pijとする。
【0033】
登録者(code#1)が入力された場合、自己相関値であるPi1は他に比べて高い値をとる。一方、未登録者が入力された場合は本人がそこに存在しないため、どのPijも同じような低い値をとることになる。ここで、Pi1〜PiNの最大値PimaxでPijを正規化したのが下段のグラフであり、Correlation mappingと呼んでいる。Correlation mappingにおいて、登録者の場合は最大値(=1)を除いた他の平均値は高く、未登録者の場合、その値が低くなることがわかる。これを入力画像code#iに対する比較値Ci として式(2)のように表す。
【0034】
【数2】
Figure 0003964220
i がはじめに設定された閾値よりも高ければ、入力画像code#iは未登録者、低ければ入力画像code#iは登録者と識別され、もし登録者と認められた場合には、Pimaxを示した参照画像が本人であると個人を同定することもできる。
【0035】
(光学系による高速相関演算)
図6は本発明にかかる高速光相関顔画像認識システムの構成図、図7はその高速光相関顔画像認識システムの動作フローチャートである。
【0036】
図6において、11はVCSELアレイ(シングルベアチップを並べたアレイ光源)、12はBZPA1(バイナリアレイ光学素子)、13はBZPA2、14はレンズL1、15はFLC(強誘電性液晶:Ferroelectric Liquid Crystal)−SLM、16はビームスプリッタ、17はレンズL2、18はBZPA4、19はLC−SLM MFアレイ(マッチトフィルタ)、21はBZPA5、22は時間積分機能を有するディテクトデバイス、23はPC(パーソナルコンピュータ)、24はPCに接続されるデジタルカメラ、25はPCのデータベースである。
【0037】
図6に示すような光学系により、高速相関演算を行うことができる。
【0038】
この光学系の動作の概略について説明する。
【0039】
(1) 入力画像はPC(パーソナルコンピュータ)23に接続されたデジタルカメラ24から画像を取得する。
【0040】
(2) PC23でマッチトフィルタを計算する。LC−SLM(液晶空間光変調器)19上に計算したマッチトフィルタを表示する。
【0041】
(3) FLC−SLM15上にデータベース25を表示する。
【0042】
(4) VCSELアレイ光源11をBZPA1(12)でコリメートし、BZPA2(13)とレンズL1(14)を挟みFLC−SLM15に照射する。反射型で読み出し、さらにレンズL2(17)によりデュプリケートを行う。BZPA4(18)でフーリエ変換を行い、LC−SLM19に表示したマッチトフィルタ(デジタルカメラ24からコンピュータ23に取り込まれた人物画像から顔の情報である入力画像フィルタ)を通過させる。再度BZPA5(21)を通過させ逆フーリエ変換の後、相関信号を取得する。
【0043】
(5) この相関過程をデータベース25の数だけ繰り返す。ここでデータベース25はあらかじめ前処理を施してある画像であり、RAMに保存されている。
【0044】
(6) 最後に信号をディテクトし、後処理を施し、結果出力が得られる。このときディテクト手法は時間積分を用いてもよい。
【0045】
(一連の相関の流れ)
そこで、VCSELアレイ(アレイ光源)11から出た光ビームは、BZPA1(12)、BZPA2(13)によりコリメートされ、2〜3mm程度の光束となり、レンズL1(14)によりFLC−SLM15上に結像する。この光が FLC−SLM15から反射され、ビームスプリッタ16を通り、画像情報をもったままレンズL2(17)によりコリメートされ(コヒーレント光源によるデュプリケート方法を参照)、VCSELアレイ11と同数の像が複製される。
【0046】
この複製像をBZPA4(18)でフーリエ変換し、LC−SLM19に表示されたマッチトフィルタを通過する。基本的なマッチトフィルタの周波数応答は被検出パターンのフーリエ変換と複素共役である(マッチトフィルタリングによる相関演算を参照)。デジタルカメラ24で撮影した画像にエッジ抽出・2値化等の前処理を施し、PC(コンピュータ)23で位相型マッチトフィルタを作製する。
【0047】
ここでロバスト性を高めるために、回転、大きさ等の不変を持たせたフィルタも作製し、複製像をそれぞれのフィルタに通過させる。再度BZPA5(21)でフーリエ変換を行うことにより相関信号を時間積分機能を有するディテクトデバイス22で得る。FLC−SLM15に画像を表示してから相関信号を得るまでは光速度で演算を行うことが可能であり、相関演算の超高速化が可能なシステムとなっている。
【0048】
その概略工程は、図7に示すように、入力画像を取得し(ステップS11)、マッチトフィルタの計算・表示を行い(ステップS12)、光相関演算(ステップS13)を行い、その結果を出力する(ステップS14)。
【0049】
なお、光相関演算(ステップS13)は、詳細に工程を述べると、(1)データベースの数ループを経て、(2)LC−SLM15にデータベースを表示し、(3)入力画像フィルタを通過させ、(4)時間積分機能を有するディテクトデバイス22により信号を取得する。
【0050】
(デュプリケート用VCSELアレイ光源の例)
図8にVCSELアレイ光源の一例を示す。これはVCSELシングルベアチップを1〜2mm程度に基板上に並べたアレイ光源となっており、シリコン基板上で二次元作製したものではない。構造としてはペルチェ素子31、VCSELアレイ32、マスク33、レンズアレイ(BZPA)34から構成され、レンズアレイ数のビームを生成することができる。なお、VCSELアレイ32とレンズアレイ(BZPA)34間の距離Rは5〜13mm程度である。
【0051】
(時間積分を用いたディテクト方法)
時間積分ディテクト方法は、複数の出力信号を受け取り側(ディテクトデバイス)が一定時間集積し、一つの画像として出力する手法である。
【0052】
特に、相関演算においては、高速で入力される複数の画像データを相関分布に変換し、その分布を一定時間集積し、一つの画像として出力する。
【0053】
図9は本発明にかかる時間的積分を用いたディテクト方法を示す概略図である。なお、ここでは、光検出器としてはチャージ機能(積分機能)を有する市販のCCD(Charge Coupled Device)を用いることができる。
【0054】
例えば、この図に示すように、入力はT0、T1、T2、…TnのときにI0,I1,I2,…Inの画像データに相関処理を施し、f(I0),f(I1),f(I2),…f(In)として出力する。相関処理された入力枚数分の出力データは出力面でディテクトデバイス応答速度間の間(T0〜Tn)、重ね合わされ、一つの画像として出力される。
【0055】
入力画像は局所的な相関分布の出力が重ならないように、入力画像の配置を行う。このようにある一定の時間(ディテクトの応答速度時間)の間それぞれの入力の相関分布を時間的に積分することになる。これは入力信号間隔が出力ディテクト応答速度よりも早い場合においても、高速画像処理が可能になることを意味する。
【0056】
例えば、入力信号が500μs(2000Hz)、ディテクトデバイスが5ms(200Hz)である場合、ディテクト素子の一回の取り込み時間5ms間に10回の入力がある。この時入力により異なる位置に信号が出るようにする。この方法を用いて10回の位置ずらしをすることにより、10の出力信号を得ることができる。
【0057】
(エッジ抽出処理)
エッジ抽出処理は2次元画像の輝度変化率を調べることに相当し、微分演算によって求められる。しかし、計算機上での処理のため離散的に考え、微分は差分として扱う。原画像f(i,j)の注目画素(i,j)の8つの近傍画素と式で表される3×3のマトリックス演算子
A B C
D E F
G H I
から新しい階調数g(i,j)は
g(i,j)=A・f(i−1,j−1)+B・f(i,j−1)
+C・f(i+1,j−1)+D・f(i−1,j)
+F・f(i+1,j)+G・f(i−1,j+1)
+H・f(i,j+1)+I・f(i+1,j+1)
と表せ、これがフィルタの役割を果たす。
輝度の勾配に注目するのであれば、1次微分で十分である。その中でも、Sobelフィルタは注目画像に近い4画素の重みが大きくなっているため、よりエッジが強調される。そこで、この顔画像認識システムの前処理におけるエッジ抽出としてはSobelフィルタを用いることにした。水平、垂直方向のSobelフィルタのマトリック演算子とフィルタ式を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 0003964220
H (i,j)とgV (i,j)を組み合わせることにより、2次元Sobelフィルタは次式で定義される。
【0059】
g(i,j)=|gH (i,j)|+|gV (i,j)|
(2値化処理)
2値化とは、濃淡画像の各画素を適当な基準値に対する大小関係に基づいて0,1(白黒)の2階調にすることをいい、f(i,j)をg(i,j)とすると、式(3)のように定義できる。
【0060】
【数3】
Figure 0003964220
2値化は余分なノイズを取り除き、形状を明らかにする効果があるため、前処理としては欠かせない要素となっている。手法としては、固定閾値法と領域指定法の2種類に大別することができる。前者はグレースケール階調のある値で閾値を決定する方法であり、後者はまず、画像全体の2値の割合を先に決めておき、濃度値のヒストグラムから、閾値を定める方法である。各画像の光量を一定にするため領域指定法を用いることにした。
【0061】
(光学的デュプリケート)
アレイレンズや拡散光源を使うことにより、画像を光学的に複製することができる。これは実質上ピクセル数を増大させることができる。光相関システムでは入力画像をデュプリケートすることにより、複数のマッチトフィルタを通過させ、ロバスト性を高めることができる。
【0062】
(コヒーレントデュプリケート光学系)
図10は本発明にかかる透過型入力素子によるコヒーレントデュプリケート光学系を示す図である。
【0063】
この図に示すように、VCSELアレイ41をBZPA(レンズアレイ)42によりコリメートし、多光束を作成する。これを再度BZPA(レンズアレイ)43、レンズ44、被複製像45を通過、再度レンズ46、BZPA(レンズアレイ)47と同数の複製像48が作成される。
【0064】
なお、VCSELとは、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting diode Laser)の略称であり、光の共振する方向が基板面に対して垂直であることからこの名前の由来がある。従来の端面発光型レーザダイオードは、GaAs基板等を劈開により切り出した端面を反射ミラーとする水平共振器により構成されていて、劈開端面より出射するというものであった。
【0065】
しかし、このような構造では、発光点の2次元配列化が難しいとされている一方、VCSELは、構造上、基板面内に自由に素子を作製できるというメリットがあり、複雑なデザインパターンのアレイも容易に作製可能である。したがって、2次元配列光源を必要とする光インターコネクションや、並列光論理素子用光源など、その他、数多くのアプリケーション用の光源としての用途があると注目を集めている。
【0066】
また、FLC−SLMは、仕様を表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0003964220
使用するFLC−SLMの駆動方法は、従来の画像表示パネルとは異なり、裏面から各画素へ直接画像情報を送ることが可能なLCOS(Liquid Crystal on Silicon:シリコン基板上に作り込んだ液晶ディスプレイを示す)アクティブマトリックス駆動方式を用いており、400μsでの高速表示が可能である。
【0068】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0070】
(A)高速な顔画像処理ができる顔画像認識システムを構築することができる。
【0071】
(B)マッチトフィルタリングを前処理を行った顔画像に適用し、高速相関プロセッサと組み合わせることにより、膨大な画像との高速のマッチングを可能にすることができる。
【0072】
(C)データベースの書き換え(例えば400μs)の速度と同様に二次元画像の相関演算ができる。高速表示SLMとマッチトフィルタリングとを組み合わせ、更に時間積分ディテクト法を合わせた光演算システムを構築することができる。
【0073】
この方式ではデータベースの書き換えと同速度演算を実現できる。また、ロバスト性を高めるために、いくつかのフィルタを同時にフィルタリングできる技術が求められるが、シングルベアチップを並べてアレイ光源とし、光の速度で複製を行えば、光速度での複数のフィルタとの演算が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマッチトフィルタリングを用いた認識システムの動作フローチャートである。
【図2】 本発明の光学的マッチトフィルタリングの原理図である。
【図3】 顔画像の前処理工程を示す図である。
【図4】 登録者の識別方法を示す図である。
【図5】 未登録者の識別方法を示す図である。
【図6】 本発明にかかる高速光相関顔画像認識システムの構成図である。
【図7】 本発明にかかる高速光相関顔画像認識システムの動作フローチャートである。
【図8】 本発明にかかるVCSELアレイ光源の一例を示す図である。
【図9】 本発明にかかる時間的積分を用いたディテクト方法を示す概略図である。
【図10】 本発明にかかる透過型入力素子によるコヒーレントデュプリケート光学系を示す図である。
【符号の説明】
1,2,44,46 レンズ
11,32,41 VCSELアレイ
12 BZPA1
13 BZPA2
14 レンズL1
15 FLC−SLM
16 ビームスプリッタ
17 レンズL2
18 BZPA4
19 LC−SLM MFアレイ
21 BZPA5
22 時間積分機能を有するディテクトデバイス
23 PC(パーソナルコンピュータ)
24 デジタルカメラ
25 データベース
31 ペルチェ素子
33 マスク
34,42,43,47 BZPA(レンズアレイ)
45 被複製像
48 複製像

Claims (6)

  1. (a)コンピュータ(23)に接続されたデジタルカメラ(24)から入力画像を取得する手段と、
    (b)前記コンピュータ(23)でマッチトフィルタを計算し、液晶空間光変調器(19)上に計算したマッチトフィルタを表示する手段と、
    (c)液晶空間光変調器(15)上にデータべース(25)を表示する手段と、
    (d)VCSELアレイ光源(11)をBZPA1(12)でコリメートし、BZPA2(13)とレンズL1(14)を挟み、前記液晶空間光変調器(15)に照射する手段と、
    (e)前記液晶空間光変調器(15)からの照射により反射型で読み出し、レンズL2(17)によりデュプリケートを行う手段と、
    (f)次いで、BZPA4(18)でフーリエ変換を行い、前記液晶空間光変調器(19)に表示したマッチトフィルタを通過させた後、更にBZPA5(21)を通過させて逆フーリエ変換の後に、ディテクトデバイス(22)により相関信号を取得する手段とを具備し、
    (g)相関処理された入力枚数分の出力データは出力面で前記ディテクトデバイス(22)の応答速度間の間、重ね合わされて一つの画像として出力され、かつ前記ディテクトデバイス(22)の1回の取込み時間内に複数の入力を行う処理を施すことを特徴とする顔画像認識システム。
  2. 請求項1記載の顔画像認識システムにおいて、前記相関信号を取得する過程をあらかじめ前処理が施されかつRAMに保存されている画像である前記データベース(25)の数だけ繰り返す手段を具備することを特徴とする顔画像認識システム。
  3. 請求項1記載の顔画像認識システムにおいて、空間周波数でのマッチトフィルタリングを、高速相関光学系で行うことを特徴とする顔画像認識システム。
  4. 請求項3記載の顔画像認識システムにおいて、前記高速相関光学系は高速FFTプロセッサを用いる系であることを特徴とする顔画像認識システム。
  5. 請求項記載の顔画像認識システムにおいて、前記空間周波数でのマッチトフィルタリングを、入力画像に特定の前処理を施した画像をコンピュータ上でコンピュータグラフィックもしくはキノフォームとして、マッチトフィルタを計算し、書き換え可能な液晶空間光変調器に表示させ、膨大なデータベースを高速な液晶空間光変調器に実空間上で書き換えて相関を行うことを特徴とする顔画像認識システム。
  6. 請求項記載の顔画像認識システムにおいて、前記高速相関光学系は、複数光源を用いたデュプリケート光学系により、複数のマッチトフィルタとの照合を並列に行う光相関器であることを特徴とする顔画像認識システム。
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