JPH08236945A - 多層基板の製造方法 - Google Patents

多層基板の製造方法

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Publication number
JPH08236945A
JPH08236945A JP32829895A JP32829895A JPH08236945A JP H08236945 A JPH08236945 A JP H08236945A JP 32829895 A JP32829895 A JP 32829895A JP 32829895 A JP32829895 A JP 32829895A JP H08236945 A JPH08236945 A JP H08236945A
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JP
Japan
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film
photosensitive composition
weight
copper plating
functional group
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Pending
Application number
JP32829895A
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English (en)
Inventor
Yoshiichi Yamagami
芳一 山上
Shinji Senoo
親治 妹尾
Akio Kashiwabara
章雄 柏原
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 導体パターンの接着性に優れ、長期にわたる
電気絶縁性が確保され、現像時の解像性に優れた絶縁層
を有する多層基板の製造。 【解決手段】 あらかじめ導体パターンを形成した絶縁
材上に、フィルム状に成形した感光性組成物を積層
し、露光し、光照射されなかった領域を溶解する。溶解
されなかった領域を熱硬化し、その上に無電解銅メッキ
を施し、更に、銅メッキ層を形成し、これにフォトマス
クを介して露光、現像、エッチングを施して導体パター
ンを形成する工程において、フィルム状感光性組成物
が、感光性官能基及び加熱硬化官能基を含有するビスフ
ェノール−エピクロルヒドリン型樹脂を少なくとも50
重量%含有してなる多層基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロニクス
用のプリント配線基板であって、できるだけ小さい基板
に高密度配線が必要とされる多層基板を、積み上げ方式
で製造する多層基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子技術の進歩に伴い、コンピューター
等の電子機器は高密度化、演算速度の高速化等が図られ
ている。これらに使用されるプリント配線基板は、この
ような目的を達成するために、高密度化を目的として配
線回路が多層に積層された多層基板が使用されている。
【0003】電子機器に使用される多層基板において
は、電子機器が利用されているときに導体層間の電気絶
縁性が低下すると信号の誤動作が起こり、誤った演算が
行なわれて正常に作動しないので、導体層間は極めて高
い電気絶縁性が要求される。近年、配線基板がますます
軽薄短小になるのに応じて、絶縁層の電気絶縁性は、初
期だけでなく連続使用時においてもますます重要な要件
となっている。また、絶縁耐久性の点から絶縁層と導体
層とは強固に接着していることが要求される。
【0004】このような多層基板においては、絶縁層で
隔てられた導体層同士がスルーホールにメッキされた金
属やビアホールに充填された導体によって接続されてい
る。しかし、これらのスルーホールやビアホールは、ド
リルを用いて孔開け加工されるので、これらの孔の口径
を小径化することには大きな限界があった。また、たと
え2層間であっても絶縁層で隔てられた導体層同士を接
続するためには、全回路にスルーホールを設ける必要が
あり、孔数が増えるために配線密度を高くすることが困
難であった。
【0005】このような難点を克服するために、積み上
げ方式で多層基板を製造することが試みられている。積
み上げ方式で多層基板を製造する技術としては、例え
ば、特公平4−55555号公報には、導体パターンを
形成した絶縁材上に、酸又は酸化剤に対して難溶性であ
る感光性樹脂中に、酸若しくは酸化剤に対して可溶性で
あって予め硬化処理された耐熱性樹脂微粉末及び無機微
粒子から選択された少なくとも1種の粒子状物質を分散
してなる混合液を、ローラーコート法、カーテンコート
法、スクリーン印刷法等で塗布して乾燥後、フォトマス
クを介して露光し、非露光部分を溶解して孔開けを行
い、その後絶縁層に無電解メッキを施すことを繰り返し
て多層基板を製造する技術が開示されている。特開平2
−143492号公報には上記技術に関連して、孔開け
をレーザー光を照射して行う技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術においては、プリント基板の配線密度が高くなれ
ばなるだけ液状の絶縁材料を塗布、乾燥したときに気泡
が生じやすくなるので、絶縁層中に存在する気泡のため
経時的な絶縁劣化が生じた。また、電気絶縁性を確保す
るために絶縁層膜厚を厚くするとかえって気泡が生じや
すくなり、その結果、経時的な絶縁性が低下する矛盾に
逢着した。
【0007】積み上げ方式による多層基板の製造方法に
おいて、気泡のない絶縁フィルムを使用する技術とし
て、特開平5−136575号公報には液状樹脂組成物
の代わりに特定組成の絶縁フィルムをラミネートする方
法が提案されている。しかし、この技術においては、絶
縁フィルムは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱可塑
性樹脂、光カチオン開始剤を必須成分とし、分子量の小
さいエポキシ樹脂をカチオン光開始剤で光硬化させるも
のであり、他の必須成分であるフェノール樹脂、熱可塑
性樹脂は本来的に樹脂中に感光性基を有するものではな
いので、長期にわたる電気絶縁性の確保は不充分であっ
た。また、この技術においては、光の照射によって硬化
反応するのはエポキシ樹脂のみであって、約30〜85
重量%を占める他の樹脂は光硬化反応には関与しないの
で、現像時のパターンの解像性はきわめて不充分であっ
た。更に、エポキシ樹脂のカチオン重合体はエーテル結
合で鎖延長されるので、上記絶縁フィルムは、銅メッキ
による導体パターンとの接着性が必ずしも良くなく、耐
久信頼性は不充分であった。
【0008】絶縁層と導体層との接着性を確保する方法
としては、例えば、絶縁層、導体層等を粗化処理等する
ことにより凹凸部を形成して相互の密着性を高める方法
が知られていた。このようなものとして、特公平4−5
5555号公報には感光性樹脂中に含有させた粒子を溶
解することによる粗化処理により凹部を形成する技術が
開示されている。しかし、この方法は、インク中の有機
溶媒に溶解されることなく粗化液には溶解するという性
質が必要であり、極めて限定された組成であるととも
に、粗化液としては、強酸や強アルカリのような薬品を
用いる不利があった。
【0009】積層される下地への絶縁層の追従性を高め
て接着性を確保する方法として、特開平5−67881
号公報には導体パターンが形成された基板の表面に液状
の絶縁材を塗布、乾燥した後、フィルム状絶縁材料をラ
ミネートする方法が提案されている。しかし、この方法
は、絶縁層を積層する際に予め液状の絶縁材を塗布、乾
燥する必要があり、工程が煩雑となり生産性に劣るもの
であった。
【0010】本発明は、このような現状に鑑み、絶縁性
を低下させる気泡が存在せず、特別な粗化処理をしなく
ても導体パターンとの接着性に優れ、長期にわたる電気
絶縁性が確保され、現像時の解像性に優れた絶縁層を有
する多層基板の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、あらか
じめ導体パターンを形成した絶縁材上に、フィルム状
に成形した感光性組成物を積層する工程、積層した前
記フィルム状感光性組成物をネガ型フォトマスクを介し
て露光する工程、前記露光により光照射されなかった
領域を溶解する工程、前記の工程により溶解されな
かった領域を熱硬化する工程、前記の工程により熱
硬化されたフィルム状感光性組成物の上に無電解銅メッ
キを施し、更に、その上から電解銅メッキを施すか又は
施さずに銅メッキ層を形成する工程、前記の工程に
より形成された銅メッキ層の表面に、感光性のエッチン
グレジスト層を形成した後、回路パターンを描いたフォ
トマスクを介して露光、現像、エッチングを施して導体
パターンを形成する工程、の〜の工程を繰り返し行
うことよりなる多層基板の製造方法において、前記フィ
ルム状感光性組成物が、感光性官能基及び加熱硬化官能
基を含有するビスフェノール−エピクロルヒドリン型樹
脂を少なくとも50重量%含有するものにより積層する
ところにある。以下に本発明を詳述する。
【0012】本発明においては、絶縁層を感光性樹脂と
してビスフェノール−エピクロルヒドリン型樹脂を含有
するフィルム状感光性組成物により積層する。本明細書
中ビスフェノール−エピクロルヒドリン型樹脂とは、狭
義のものを指すのではなく、一般式(I)
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、同一
若しくは異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基又はハロゲン原子を表す。Aは、−O−、−CH
2 −、−C(CH3 2 −、−CO−、−C(CF3
2 −、−Si(CH3 2 −若しくは
【0015】
【化2】
【0016】を表すか、又は、フェニル基とフェニル基
とが直接結合していることを意味する。)で表されるビ
スフェノール系化合物とエピクロルヒドリンとを開環付
加反応して得られるユニットを有する樹脂を意味する。
上記フィルム状感光性組成物中において、上記ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂の含有量は、少なく
とも50重量%である。含有量が50重量%未満である
とフォトビアホールがきれいな形に成形できず、銅メッ
キによる上下の回路の導通信頼性が不充分となるので、
上記範囲内に限定される。
【0017】上記ビスフェノール−エピクロルヒドリン
型樹脂としては、分子量の大きいものであって、感光
性、熱反応性を有するものであればよい。このようなも
のとして、例えば、感光性官能基として(メタ)アクリ
ロイル基を含有し、加熱硬化官能基としてカルボキシル
基を含有するものを使用することができる。上記ビスフ
ェノール−エピクロルヒドリン型樹脂中における上記
(メタ)アクリロイル基の含有濃度は、0.5〜4モル
/kgである。(メタ)アクリロイル基の含有濃度が
0.5モル/kg未満であると光照射による現像液溶解
性の差が不足してコントラストが悪くなり、4モル/k
gを超えると硬化反応による架橋密度が大きくなりす
ぎ、架橋間分子量が小さくなるので、硬く脆いフィルム
となり、通電時と非通電時の発熱量変化によりクラック
が生じて耐久性が悪くなる。好ましくは0.6〜3モル
/kgであり、より好ましくは0.8〜2モル/kgで
ある。
【0018】上記(メタ)アクリロイル基含有ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂中における上記カル
ボキシル基の含有濃度は、0.5〜2モル/kgであ
る。カルボキシル基の含有濃度が0.5モル/kg未満
であると架橋密度が低くなりすぎて絶縁信頼性、メッキ
耐性が低下し、2モル/kgを超えると架橋密度が極度
に高くなり、多層基板の耐久性、銅メッキとの接着性が
悪くなる。好ましくは0.7〜1.5モル/kgであ
る。
【0019】上記(メタ)アクリロイル基含有ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂の重量平均分子量
は、3000〜20000である。重量平均分子量が3
000未満であるとフィルム化した際に形状の保持が困
難となり、20000を超えると未照射部分が現像液に
溶解せずコントラストが悪くなる。好ましくは4000
〜15000であり、より好ましくは5000〜100
00である。
【0020】上記(メタ)アクリロイル基含有ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂の含有量は、固形分
換算で50〜85重量%であることが好ましい。含有量
が50重量%未満であるとフォトビアホールがきれいな
形に成形できず、銅メッキにより形成した上下の回路の
導通信頼性が不充分となり、85重量%を超えると柔軟
性が不足する。
【0021】本発明においては、上記(メタ)アクリロ
イル基含有ビスフェノール−エピクロルヒドリン型樹脂
を使用する場合には、熱硬化反応性を付与するために硬
化反応剤を含有させる。上記硬化反応剤としては特に限
定されず、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル
型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の
エポキシ基を1個以上有するエポキシ樹脂やエポキシ化
合物;ヒドロキシアルキルアミド等を挙げることができ
る。上記硬化反応剤の添加量は5〜20重量%が好まし
い。添加量が5重量%未満であると耐熱性、絶縁性に劣
り、20重量%を超えると絶縁性が低下する。
【0022】上記(メタ)アクリロイル基含有ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂を使用する場合に
は、上記感光性組成物には、更に、感光性モノマー、光
重合開始剤が添加される。上記感光性モノマーは、コン
トラストの調整、感光感度の向上、架橋密度の調整、フ
ィルム化時の柔軟性の調整等の機能を有する。上記感光
性モノマーとしては1以上の(メタ)アクリロイル基を
有する化合物であれば特に限定されず、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のモノ(メ
タ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、アクリルオリゴマー
等の多官能(メタ)アクリレート類等を挙げることがで
きる。上記感光性モノマーの添加量は、5〜35重量%
が好ましい。添加量が5重量%未満であるとコントラス
ト不足、感度不良、柔軟性不足等が生じ、35重量%を
超えるとタックのあるフィルムとなって形状の保持が困
難となったり、硬くて脆いフィルムとなる。
【0023】上記光重合開始剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン類;アセト
フェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジクロ
ロアセトフェノン等のアセトフェノン類;メチルアント
ラキノン、アミルアントラキノン等のアントラキノン
類;チオキサントン類等の公知のもの等を挙げることが
できる。これらは安息香酸系又は三級アミン系等の公知
の光重合促進剤と併用することができる。上記光重合開
始剤の添加量は、1〜10重量%が好ましい。添加量が
1重量%未満であると効果がなく、10重量%を超える
と不経済となる。
【0024】上記(メタ)アクリロイル基含有ビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型樹脂を使用する場合に
は、感光性モノマーの多くが液状であるため、フィルム
特性を維持するための有機溶媒をとくに使用する必要は
ないが、所望により使用してもよい。
【0025】本発明においては、上記フィルム状感光性
組成物に無機フィラーを添加する。上記無機フィラー
は、耐熱性、接着性、可撓性、銅メッキのピール強度を
改善する機能を有する。上記無機フィラーとしては特に
限定されず、例えば、硫酸バリウム、シリカ、ジルコ
ン、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク等を挙げること
ができる。
【0026】上記無機フィラーの添加量は、3〜30重
量%であることが好ましい。添加量が3重量%未満であ
ると耐熱性及び銅メッキのピール強度が不充分となり、
30重量%を超えると耐熱性は向上するが、感光性組成
物中に粒子状の無機物が分散されるために感光感度が低
下し、フォトビアホールがきれいな円筒形にならず、ま
た、樹脂分が少なくなるために銅メッキのピール強度が
低くなったり、フィルムが極度に剛直になるためクラッ
クが入りやすくなる。
【0027】本発明においては、耐熱性、接着性、可撓
性を改善するために、上記無機フィラーに有機ゲルを併
用することができる。上記有機ゲルとしては、乳化重
合、懸濁重合、分散重合等の有機樹脂粒子合成反応にお
いて多官能の架橋性モノマーを共重合して重合反応を行
なった後に、乾燥するか又は適当な有機溶媒に溶媒置換
したアクリル系ゲル粒子やビニル系ゲル粒子等を挙げる
ことができる。
【0028】本発明においては、上記フィルム状感光性
組成物に、更に、界面調整剤が添加されていてもよい。
上記界面調整剤は、感光性組成物を塗布、乾燥してフィ
ルム状に成形する際に、泡かみ、レベリング不良等を回
避し、絶縁層の絶縁性及び寸法精度を確保する機能を有
する。上記界面調整剤としては特に限定されず、例え
ば、ふっ素系、シリコン系、アクリル系等の消泡剤やレ
ベリング剤等を挙げることができる。上記界面調整剤の
添加量は、フィルム状感光性組成物固形分中0.05〜
2重量%であることが好ましい。添加量が0.05重量
%未満であると効果を発揮できず、2重量%を超えると
ピンホールやワキが発生する。
【0029】本発明においては、多層基板を製造するに
際して、あらかじめ導体パターンを形成した絶縁材上
に、フィルム状に成形した感光性組成物を積層する工
程、積層した上記フィルム状感光性組成物をネガ型フ
ォトマスクを介して露光する工程、上記露光により光
照射されなかった領域を溶解する工程、上記の工程
により溶解されなかった領域を熱硬化する工程、上記
の工程により熱硬化されたフィルム状感光性組成物の
上に無電解銅メッキを施し、更にその上から電解銅メッ
キを施すか又は施さずに銅メッキ層を形成する工程、
上記の工程により形成された銅メッキ層の表面に、感
光性のエッチングレジスト層を形成した後、回路パター
ンを描いたフォトマスクを介して露光、現像、エッチン
グを施して導体パターンを形成する工程、の〜の工
程を繰り返し行うことにより複数層の回路層を積み上げ
て多層基板を製造することができる。
【0030】上記の工程においては、あらかじめ導体
パターンを形成した絶縁材上に、フィルム状に成形した
上記感光性組成物を積層する。上記絶縁材としては特に
限定されず、例えば、ガラスエポキシ板等の一般的に使
用されるものを好適に使用することができる。
【0031】上記フィルム状に成形した感光性組成物
は、上記感光性組成物をベース基材上に塗布、乾燥する
ことにより得られる。上記ベース基材としては特に限定
されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステルフィルムを強度、離型性の点から好適に使用す
ることができる。上記塗布は、このようなベース基材上
に有機溶剤で適度な粘度に調整した上記感光性組成物を
塗布することにより行うことができる。上記感光性組成
物は、常法により配合物を混合することにより調製する
ことができる。上記塗布は、常法によりロールコータ
ー、スプレーコーター、ナイフコーター、ダイコータ
ー、リップコーター等を用いて行うことができる。上記
乾燥は、熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉等により有機溶剤が
実質的に零又は所定量になるまで揮発させて行うことが
できる。上記乾燥の後、少し粘着性のある状態で膜厚調
整用ロールを通しながら巻き取る。この際、乾燥膜の上
から別の離型フィルムや離型紙をカバーすることが好ま
しい。離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルムを
好適に使用することができる。上記フィルム状に成形し
た感光性組成物の厚さは導体パターンの厚さ等により異
なるが、一般には乾燥厚み40〜100μmが好まし
い。40μm未満であると絶縁信頼性に劣り、100μ
mを超えると多層基板が厚くなりすぎる。
【0032】上記の工程においては、上記フィルム状
に成形した感光性組成物を上記絶縁材に積層する。上記
積層は、真空ラミネート機等の通常使用される装置によ
り行うことができる。この際、導体パターンの間隙に完
全にフィルムをラミネートするためには、加熱装置を併
用して、基材及び/又はフィルムを加熱して、フィルム
を少し軟化させることが好ましい。上記加熱装置として
は、熱ロール等を使用することができる。
【0033】本発明においては、上記の工程におい
て、導体パターンを形成した絶縁材との接着性を更に高
め、コーナー部分の空隙をなくすために、上記感光性組
成物を適当な溶剤に溶解してインク状にし、フィルム状
に成形した感光性組成物を積層する前に絶縁材の上に塗
布、乾燥し、その後上記積層を行うこともできる。上記
インク状の感光性組成物の粘度は、導体回路間をあらか
じめ感光性インクで埋めるために、10〜300ポイズ
であることが好ましい。
【0034】本発明においては、上記の工程の後、上
記の工程の前に、必要に応じて、積層した上記フィル
ム状感光性組成物を乾燥する工程を加えることもでき
る。
【0035】上記の工程においては、積層した上記フ
ィルム状感光性組成物をネガ型フォトマスクを介して露
光する。上記露光は、感光性組成物の光重合反応に充分
な光量により、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ等を使用して行うことができる。上記ネガ型
フォトマスクとしては通常使用されるものを使用するこ
とができ、例えば、ポリエステルフィルム上に感光性乳
剤を塗布したものの上に原稿の銀塩写真フィルムを投影
し、現像、硬化して作製したもの等を好適に使用するこ
とができる。
【0036】上記の工程においては、上記露光により
光照射されなかった領域を溶解して現像する。上記現像
に使用される現像液としては、露光部分を溶解せず、非
露光部分を溶解してフォトビアホールを形成するもので
あれば特に限定されないが、感光性組成物の熱硬化温度
以下で揮発して乾燥後に絶縁層中に残留することのない
ものが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基含有ビス
フェノール−エピクロルヒドリン型樹脂を使用する場合
には、上記の工程において使用することができる現像
液としては、例えば、炭酸ソーダ、メタけい酸ソーダ等
の弱アルカリ液等を挙げることができる。
【0037】上記の工程においては、上記の工程に
より溶解されなかった領域を熱硬化する。上記熱硬化
は、熱風循環式乾燥炉、赤外線乾燥炉、遠赤外線乾燥炉
等を使用して行うことができる。
【0038】上記の工程においては、上記の工程に
より熱硬化された感光性組成物の上に無電解銅メッキを
施し、必要に応じて更にその上から電解銅メッキを施し
て、銅メッキ層を形成する。上記無電解銅メッキ又は電
解銅メッキは、熱硬化された絶縁層の表面を研磨及び/
又は化学エッチングにより表面処理した後に、常法によ
り行うことができる。この場合において、上記研磨は、
バフ、サンダー、ジェットスクラブ等の物理的方法が好
ましく、上記化学エッチングは、過マンガン酸、クロム
酸等の酸化剤を好適に使用することができる。
【0039】上記の工程においては、上記の工程に
より形成された銅メッキ層の表面に導体パターンを形成
する。上記導体パターンの形成は、常法により行うこと
ができ、例えば、エッチングレジストを形成した後に、
酸によるエッチングで銅のパターンを形成し、その後、
エッチングレジストを剥離することにより行うことがで
きる。この場合において、上記エッチングレジストとし
ては、感光性のものを使用することが好ましく、感光性
のレジスト層を形成した後、回路パターンを描いたフォ
トマスクを介して露光、現像、エッチングを施して導体
パターンを形成し、その後、感光性のエッチングレジス
トを剥離する。本発明においては、上記〜の工程を
繰り返すことにより、所望の回路層数を有する多層基板
を製造することができる。
【0040】本発明の他の態様においては、上記ビスフ
ェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂として、
感光性官能基としてカルコンを含有し、加熱硬化官能基
としてエポキシ基を含有するビスフェノール−エピクロ
ルヒドリン型エポキシ樹脂が好ましい。上記カルコン
は、光ラジカル反応によって同じ種類の官能基同士が反
応して光重合する特性を有する。上記ビスフェノール−
エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂中における上記カル
コンの含有濃度は、0.1〜1モル/kgである。カル
コンの含有濃度が0.1モル/kg未満であると光架橋
反応が進まずコントラストが出ない。含有濃度が1モル
/kgを超えると分子間架橋しにくくなり、また、フィ
ルム状に成形した場合、剛直すぎて可撓性が低下し多層
基板の耐久性が悪くなる。好ましくは0.2〜0.8モ
ル/kgであり、より好ましくは0.3〜0.7モル/
kgである。
【0041】上記カルコン含有ビスフェノール−エピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂においては、感光性樹脂組
成物における常套手段であるアクリルモノマー又はアク
リルオリゴマーは、その反応スピードの大きな違いから
ブレンドして使用することができない。
【0042】上記カルコン含有ビスフェノール−エピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂中における上記エポキシ基
の含有濃度は、0.5〜1.5モル/kgである。エポ
キシ基の含有濃度が0.5モル/kg未満であると架橋
密度が低くなりすぎて絶縁信頼性、メッキ耐性が低下
し、1.5モル/kgを超えると架橋密度が極度に高く
なり、多層基板の耐久性、銅メッキとの接着性が悪くな
る。好ましくは0.6〜1.2モル/kgであり、より
好ましくは0.7〜1.0モル/kgである。
【0043】上記カルコン含有ビスフェノール−エピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、80
00〜40000である。重量平均分子量が8000未
満であると、光照射部分が重合反応することにより現像
液に不溶となり、未照射部分は可溶のままとなって画像
が形成される際に、画像のコントラストが悪くなる。重
量平均分子量が40000を超えると未照射部分が現像
液に溶解せずコントラストが悪くなる。好ましくは10
000〜30000であり、より好ましくは12000
〜20000である。
【0044】上記カルコン含有ビスフェノール−エピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂の含有量は、上記フィルム
状感光性組成物中において、50〜80重量%であるこ
とが好ましい。含有量が50重量%未満であるとフォト
ビアホールがきれいな形に成形できず、銅メッキにより
形成した上下の回路の導通信頼性が不充分となり、80
重量%を超えると無機フィラー、有機溶剤の含有量が低
下して柔軟性が不足する。より好ましくは55〜75重
量%である。
【0045】本発明においては、上記カルコン含有ビス
フェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂を使用
した場合には、上記フィルム状感光性組成物に有機溶媒
が添加されていてもよい。上記有機溶媒は、上記感光性
組成物によって成形されたフィルムの剛直性を緩和し、
適度な柔軟性を付与してフィルムにクラックが入る不都
合を回避する。また、導体パターンを有する基材にフィ
ルムをラミネートする際に、フィルムのパターン中への
入り込み性を良くし、基材との密着性を増す。上記有機
溶媒としては上記ビスフェノール−エピクロルヒドリン
型樹脂を溶解するものであれば特に限定されないが、フ
ィルム中から容易に揮発しない程度に揮発性が遅いけれ
ども、熱硬化反応中にはフィルムにほとんど残存するこ
となく揮発し、絶縁性を低下させないものが好ましく、
沸点が160〜270℃程度であるものが好ましい。こ
のような有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ガ
ンマブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールプロピルエーテル等を挙げ
ることができる。
【0046】上記有機溶媒の添加量は、10〜30重量
%が好ましい。添加量が10重量%未満であると軟化性
及びラミネート時の接着性を確保できず、30重量%を
超えるとフィルム形状を維持することが困難となり、ラ
ミネート時の引っ張り強度が低く途中で切断して欠陥を
生じる。
【0047】上記フィルム状感光性組成物には、更に、
エポキシ基と付加反応する熱硬化剤、熱硬化触媒、界面
調整剤等が添加されていてもよい。上記エポキシ基と付
加反応する熱硬化剤は、比較的高い温度での加熱により
はじめて反応が進む潜在性硬化剤が好ましい。エポキシ
基との硬化反応に通常使用される反応スピードの早い硬
化剤、架橋剤等は、エポキシ樹脂が2液型となるのでエ
ポキシ樹脂のフィルムを使用する本発明においては不適
当であり、また、貯蔵安定性の点からも好ましくない。
【0048】上記潜在性硬化剤としては、例えば、ジシ
アンジアミド、ルイス酸錯体、イミダゾール化合物、有
機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及
びその誘導体、ポリアミン塩、マイクロカプセル化硬化
剤等の公知のもの等を挙げることができる。上記エポキ
シ基と付加反応する熱硬化剤の添加量はエポキシ樹脂の
量及び反応当量に応じて定められるが、一般には2〜8
重量%が好ましい。添加量が2重量%未満であると熱硬
化反応が充分に進行せず、耐熱性、絶縁性に劣る。8重
量%を超えると、エポキシ基に対する硬化剤は一般的に
は極性化合物であるのでその残基が多くなることにより
絶縁性が低下する。
【0049】上記潜在性硬化剤は熱硬化触媒と併用され
てもよく、上記熱硬化触媒としては特に限定されず、例
えば、フェニルジメチルウレア等の尿素誘導体、三級ア
ミン塩、イミダゾール等を挙げることができる。上記熱
硬化触媒の添加量は、0.05〜2重量%であることが
好ましい。
【0050】本発明においては、上記カルコン含有ビス
フェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂を使用
した場合には、上記の工程の後、上記の工程の前
に、現像のスピードやフォトビアホールの形状を整える
ために、必要に応じて、積層した上記フィルム状感光性
組成物中の上記有機溶媒を揮発させて乾燥する工程を加
えることができる。この場合において、上記乾燥の条件
としては、上記フィルム状感光性組成物中の有機溶媒が
揮発する温度及び時間であって、かつ、上記フィルム状
感光性組成物が熱硬化しない温度であることが好まし
い。この温度及び時間は、上記フィルム状感光性組成物
及びその中の有機溶媒の種類によって異なるが、一般的
には、60〜100℃で15〜60分間程度である。温
度が低いと乾燥時間は長くなる。温度が高いと乾燥時間
は短くなるが、熱硬化反応が起こりやすくなり、熱被り
することがある。上記乾燥に際しては、感光性組成物の
ベース基材は剥離されていなければならない。
【0051】上記カルコン含有ビスフェノール−エピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂を使用した場合には、上記
の工程において使用することができる現像液として
は、例えば、エチレングリコールのメチルエーテル、エ
チルエーテル、エチルエーテルアセテート;ジエチレン
グリコールのメチルエーテル、ジメチルエーテル、エチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、ブチルエーテル、ジブ
チルエーテル;トリエチレングリコールのメチルエーテ
ル、ジメチルエーテル;プロピレングリコールのメチル
エーテル、ジメチルエーテル、エチルエーテル、エチル
エーテルアセテート等のエーテルアルコール類:ガンマ
ブチロラクトン、イプシロンカプロラクトン等のラクト
ン類:ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等
のアミド類等を挙げることができる。これらは2種以上
を併用することができる。
【0052】本発明においては、高分子量のビスフェノ
ール−エピクロルヒドリン型樹脂及び無機フィラーを含
有する上記組成の感光性組成物の使用により、特別な粗
化処理をしなくても導体パターンとの優れた接着性が経
時的に維持され、電気絶縁性に優れた絶縁層を積層する
ことができる。また、上記組成の感光性組成物は成形
性、離型性、転写性、貯蔵性に優れたフィルム状に成形
することができるので、気泡の存在しない絶縁層を積層
することができ、更に、積み上げ方式で多層基板を製造
する際に要求される感光性と耐薬品性、特に耐無電解銅
メッキ性を満足させることが可能となる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0054】実施例1 重量平均分子量15000、カルコン濃度約0.54モ
ル/kg、エポキシ濃度約0.8モル/kgのビスフェ
ノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂のトリエチ
レングリコールジメチルエーテル(A)とプロピレング
リコールメチルエーテルアセテート(B)の混合溶媒ワ
ニス(固形分55重量%、A/B=18/27)90重
量部に対してプロピレングリコールメチルエーテル10
重量部とR−972(超微粒シリカ、日本アエロジル社
製)4重量部、ファインシールT−32(微粒シリカ、
トクヤマ社製)6重量部及びBYK−070(シリコン
消泡剤、ビックケミー社製)0.1重量部を混合し、セ
ラミックコートした3本ロールで粒度が10μm以下に
なるまで分散した。一方、ジシアンジアミド1重量部を
ジメチルアセトアミド4重量部に溶解したものをこれに
混合し、更にプロピレングリコールメチルエーテル5重
量部を加えた。これらの混合液をリップリバースコータ
ーを用いて25μmのポリエステルフィルム上に約13
0μmの膜厚となるように塗布し、60〜100℃に調
整したトンネル炉にて約2分間乾燥した。この乾燥物の
固形分は79重量%であった。まだ温かいうちにこのフ
ィルム状物の上に厚さ30μmのポリエチレンフィルム
をラミネートし、間隙を調整したロールを通して、3イ
ンチのプラスチック管に巻取った。このようにして膜厚
約80μmの感光性組成物のフィルムを得た。
【0055】あらかじめ導体パターンを形成したガラス
エポキシ製の絶縁材を、150℃に設定した外部加熱ロ
ールの中を通して加熱し、一方、あらかじめポリエチレ
ンのカバーフィルムを剥離した上記で得られた感光性組
成物のフィルムを、50℃に設定したロールに接触させ
ながら真空ラミネーターにて上記絶縁材の両面からラミ
ネートした。このラミネートされた基板を冷却した後、
ポリエステルのベースフィルムの上からフォトビアホー
ルを開けるためのネガフォトマスクを置き、メタルハラ
イドランプの露光機にて感光性組成物上で3000mJ
/cm2 の光強度で露光した。ポリエステルのベースフ
ィルムを感光性組成物から剥離したのちに、この基板を
90℃に設定した乾燥炉に30分間放置して乾燥し、そ
の後、ガンマブチルラクトーンにて非露光部分を溶解し
た。水洗後、80℃の乾燥炉に20分間放置して、水分
を除去した。この基板を140℃の乾燥炉にて90分間
熱硬化したところ、上部が直径約150μm、下部が1
00μmのお椀形のフォトビアホールがきれいに開いて
いた。
【0056】熱硬化した感光性組成物の表面をバフにて
約7μm研磨して、表面を整面した後、常法のデスミア
処理にて、溶剤膨潤、化学エッチングを行い、無電解メ
ッキを施して、厚さ約0.3μmの銅箔を形成した。そ
の上から、電気銅メッキをして合計で約20μmの銅メ
ッキ層を得た。感光性のエッチングレジスト(フォトE
DシステムP−1000、日本ペイント社製)を銅メッ
キ上に形成した後、銅回路形成用のパターンマスクを使
用して露光、現像、エッチング、レジスト剥離して、感
光性組成物の上に第2層目の導体パターンを形成した。
感光性組成物をラミネートする工程以降、同様の工程を
繰り返して、第3層目の導体パターンを形成した。その
後、この上にソルダーレジストを施して合計6層の多層
基板を作製した。各回路間の導通は完全であった。
【0057】一方、上述の、感光性組成物の表面を整面
した後に銅メッキする工程で、銅メッキの膜厚を合計3
5μmとしたテスト板を作製し、銅メッキ箔を幅10m
mになるように切り目を入れた。銅メッキ箔と感光性組
成物との接合強度を測定するために、引っ張り試験機に
て90°剥離したところ1200g/cmであった。他
方、感光性組成物上に形成した銅メッキ箔をエッチング
することでIPC櫛形パターンを形成し、その上から感
光性組成物をラミネートする工程以降、同様の方法にて
感光性組成物を介してフォトビアホールを開けることな
く下の層と全く同じIPC櫛形パターンを、下の層に重
なるようにして上の層にも形成した。最上層のパターン
上にソルダーレジストを施したのちに、上下の櫛形パタ
ーンそれぞれに印加電圧30Vの直流電圧をかけながら
121℃、2気圧、85%RHに制御したプレッシャー
クッカーテスト機内にセットして、絶縁信頼性試験を実
施した。上下の層間抵抗値は初期には8×1013Ωであ
り、300時間経過後の抵抗値は3×108 Ωであっ
た。これは実用上まったく問題のない絶縁信頼性であっ
た。
【0058】実施例2 実施例1において、フィルム状の感光性組成物を調製す
る際にトンネル炉にて150秒間乾燥することにより、
固形分84重量%で、膜厚約75μmの感光性組成物の
フィルムを得た。このフィルムを用い、ポリエチレンの
カバーフィルムを剥離した感光性組成物のフィルムを加
温する加熱ロールの温度を100℃に設定する以外は、
実施例1と同様の方法を繰り返すことで、6層基板が得
られた。得られた多層基板の銅メッキ箔と感光性組成物
の剥離強度及び絶縁信頼性試験の結果は、実施例1と同
じであった。
【0059】実施例3 実施例1において、感光性組成物のフィルムをラミネー
トした基板をフォトビアホール形成のために露光、乾
燥、現像する段階で、露光前にポリエスチルのベースフ
ィルムを剥離して90℃にて30分間乾燥し、その後、
ネガフォトマスクを感光性組成物に直接接触させて露光
し、露光後すぐにガンマブチロラクトーンにて現像する
ように工程変更した以外は、実施例1と同様にして6層
基板が得られた。得られた多層基板の銅メッキ箔と感光
性組成物の剥離強度及び絶縁信頼性試験の結果は、実施
例1と同じであった。
【0060】実施例4 重量平均分子量6000、アクリロイル基濃度約2.5
モル/kg、カルボキシル基濃度約1.2モル/kgの
ビスフェノール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂の
プロピレングリコールプロピルエーテルワニス(固形分
75重量%)100重量部、プロピレングリコールメチ
ルエーテル25重量部、硫酸バリウム36重量部、R−
972(超微粒シリカ、日本アエロジル社製)5.5重
量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40
重量部、トリグリシジルイソシアヌレート15重量部、
ビス(N,N−ジヒドロキシエチル)アジポアミド10
重量部、イルガキュアー907(光重合開始剤、チバガ
イギー社製)2重量部及びBYK−070(シリコン消
泡剤、ビックケミー社製)0.5重量部を配合し、セラ
ミックコートしたサンドグラインドミルで粒度が10μ
m以下になるまで分散した。これらの分散液をダイコー
ターを用いて厚さ25μmのポリエステルフィルム上に
約110μmの膜厚になるように塗布し、50〜100
℃に調整したトンネル炉にて約1分間乾燥した。この乾
燥物の中には、有機溶媒がほとんど検出できなかった。
まだ少し温かいうちに、このフィルム状物の上から厚さ
30μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、間隙
を調整したロールを通して、3インチのプラスチック管
に巻取った。このようにして膜厚約70μmの感光性組
成物のフイルムを得た。
【0061】あらかじめ導体パターンを形成したガラス
エポキシ製の絶縁材を、150℃に設定した外部加熱ロ
ールの中を通して加熱し、一方、あらかじめポリエチレ
ンのカバーフィルムを剥離した上記で得られた感光性組
成物のフィルムを、70℃に設定したロールに接触させ
ながら真空ラミネーターにて上記絶縁材の両面からラミ
ネートした。このラミネートされた基板を冷却したの
ち、ポリエステルのベースフィルムの上からフォトビア
ホールを開けるためのネガフォトマスクを置き、超高圧
水銀灯ランプの露光機にて感光性組成物上で600mJ
/cm2 の光強度で露光した。ポリエステルのベースフ
ィルムを感光性組成物から剥離した後に、1%炭酸ソー
ダ水溶液で非露光部分を溶解して現像した。水洗後、8
0℃の乾燥炉にて10分間乾燥して水分を除去した。こ
の基板を150℃の乾燥炉にて90分間熱硬化したとこ
ろ、直径100μmの円筒形のフォトビアホールがきれ
いに開いていた。
【0062】熱硬化した感光性組成物の表面をバフにて
約5μm研磨して、表面を整面した後、常法のデスミア
処理にて、溶剤膨潤、化学エッチングを行い、無電解メ
ッキを施して、厚さ約0.2μmの銅箔を形成した。そ
の上から、電気銅メッキをして合計で約20μmの銅メ
ッキ層を得た。感光性のエッチングレジスト(フォトE
DシステムF−1000、日本ペイント社製)を銅メッ
キ上に形成した後、銅回路形成用のパターンマスクを使
用して露光、現像、エッチング、レジスト剥離して、感
光性組成物の上に第2層目の導体パターンを形成した。
感光性組成物をラミネートする工程以降、同様の工程を
繰り返して、第3層目の導体パターンを形成した。その
後、この上にソルダーレジストを施して合計6層の多層
基板を作製した。各回路間の導通は完全であった。
【0063】一方、上述の、感光性組成物の表面を整面
した後に銅メッキする工程で、銅メッキの膜厚を合計3
5μmとしたテスト板を作製し、銅メッキ箔を幅10m
mになるように切り目を入れた。銅メッキ箔と感光性組
成物との接着強度を測定するために、引っ張り試験機に
て90°剥離したところ1000g/cmであった。他
方、感光性組成物上に形成した銅メッキ箔をエッチング
することでIPC櫛形パターンを形成し、その上から感
光性組成物をラミネートする工程以降、同様の方法にて
感光性組成物を介してフォトビアホールを開けることな
く下の層と全く同じIPC櫛形パターンを、下の層に重
なるようにして上の層にも形成した。最上層のパターン
上にソルダーレジストを施した後に、上下の櫛形パター
ンそれぞれに印加電圧30Vの直流電圧をかけながら1
21℃、2気圧、85%RHに制御したプレッシャーク
ッカーテスト機内にセットして、絶縁信頼性試験を実施
した。上下の層間抵抗値は初期には3×1013Ωであ
り、250時間経過後の抵抗値は6×106 Ωであっ
た。これは実用上まったく問題のない絶縁信頼性であっ
た。
【0064】実施例5 実施例4において、フィルム状の感光性組成物を調製す
る際に乾燥時間を約50秒間として、感光性組成物中に
約10重量%の有機溶媒を残した感光性組成物を調製し
た。あらかじめ導体パターンを形成したガラスエポキシ
製の絶縁材を、150℃に設定した外部加熱ロ―ルの中
を通して加熱し、一方、あらかじめポリエチレンのカバ
ーフィルムを剥離した上記で得られた感光性組成物のフ
ィルムを、40℃に設定したロールに接触させながら真
空ラミネーターにて上記絶縁材の両面からラミネートし
た。このラミネートされた基板を冷却したのち、ポリエ
ステルのベースフィルムの上からフォトビアホールを開
けるためのネガフォトマスクを置き、超高圧水銀灯ラン
プの露光機にて感光性組成物上で600mJ/cm2
光強度で露光した。ポリエステルのベースフィルムを感
光性組成物から剥離した後に、80℃に設定した乾燥炉
にて30分間乾燥し、有機溶媒を除去した。これを1%
炭酸ソーダ水溶液で非露光部分を溶解して現像し、水洗
後、80℃の乾燥炉にて10分間乾燥して水分を除去し
た。この基板を150℃の乾燥炉にて90分間熱硬化し
たところ、直径100μmの円筒形のフォトビアホール
がきれいに開いていた。これ以降の工程は、実施例4と
同様にして、6層基板を得た。得られた多層基板の銅メ
ッキ箔と感光性組成物の剥離強度及び絶縁信頼性の結果
は、実施例4と同じであった。
【0065】
【発明の効果】本発明により、絶縁性を低下させる気泡
が存在せず、特別な粗化処理をしなくても導体パターン
との接着性に優れ、長期にわたる電気絶縁性が確保さ
れ、現像時の解像性に優れた絶縁層を有する多層基板を
高い生産性で提供することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ導体パターンを形成した絶縁
    材上に、フィルム状に成形した感光性組成物を積層す
    る工程、積層した前記フィルム状感光性組成物をネガ
    型フォトマスクを介して露光する工程、前記露光によ
    り光照射されなかった領域を溶解する工程、前記の
    工程により溶解されなかった領域を熱硬化する工程、
    前記の工程により熱硬化されたフィルム状感光性組成
    物の上に無電解銅メッキを施し、更にその上から電解銅
    メッキを施すか又は施さずに銅メッキ層を形成する工
    程、前記の工程により形成された銅メッキ層の表面
    に、感光性のエッチングレジスト層を形成した後、回路
    パターンを描いたフォトマスクを介して露光、現像、エ
    ッチングを施して導体パターンを形成する工程、の〜
    の工程を繰り返し行うことよりなる多層基板の製造方
    法であって、前記フィルム状感光性組成物が、感光性官
    能基及び加熱硬化官能基を含有するビスフェノール−エ
    ピクロルヒドリン型樹脂を少なくとも50重量%含有す
    るものであることを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 フィルム状感光性組成物が、無機フィラ
    ーを含有するものである請求項1記載の多層基板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ビスフェノール−エピクロルヒドリン型
    樹脂が、重量平均分子量3000〜20000であっ
    て、感光性官能基として(メタ)アクリロイル基を含有
    するものである請求項1又は2記載の多層基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ビスフェノール−エピクロルヒドリン型
    樹脂が、感光性官能基として(メタ)アクリロイル基を
    0.5〜4モル/kg含有し、加熱硬化官能基としてカ
    ルボキシル基を0.5〜2モル/kg含有するものであ
    る請求項3記載の多層基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビスフェノール−エピクロルヒドリン型
    樹脂が、重量平均分子量8000〜40000であっ
    て、感光性官能基としてカルコンを含有するものである
    請求項1記載の多層基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 ビスフェノール−エピクロルヒドリン型
    樹脂が、感光性官能基としてカルコンを0.1〜1モル
    /kg含有し、加熱硬化官能基としてエポキシ基を0.
    5〜1.5モル/kg含有するものである請求項5記載
    の多層基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 フィルム状感光性組成物が、10〜30
    重量%の有機溶媒を含有するものである請求項5又は6
    記載の多層基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 あらかじめ導体パターンを形成した絶縁
    材上に、フィルム状に成形した感光性組成物を積層す
    る工程、積層した前記フィルム状感光性組成物をネガ
    型フォトマスクを介して露光する工程、前記露光によ
    り光照射されなかった領域を溶解する工程、前記の
    工程により溶解されなかった領域を熱硬化する工程、
    前記の工程により熱硬化されたフィルム状感光性組成
    物の上に無電解銅メッキを施し、更に、その上から電解
    銅メッキを施すか又は施さずに銅メッキ層を形成する工
    程、前記の工程により形成された銅メッキ層の表面
    に、感光性のエッチングレジスト層を形成した後、回路
    パターンを描いたフォトマスクを介して露光、現像、エ
    ッチングを施して導体パターンを形成する工程、の〜
    の工程を繰り返し行うことよりなる多層基板の製造方
    法であって、前記フィルム状感光性組成物が、感光性官
    能基としてカルコンを含有し、加熱硬化官能基としてエ
    ポキシ基を含有するビスフェノール−エピクロルヒドリ
    ン型樹脂を少なくとも50重量%、並びに、有機溶媒を
    10〜30重量%含有するものであり、前記の工程の
    後、前記フィルム状感光性組成物の熱硬化温度よりも低
    い温度で前記有機溶媒を揮発させ、その後、前記の工
    程を実施することを特徴とする多層基板の製造方法。
JP32829895A 1994-12-02 1995-11-22 多層基板の製造方法 Pending JPH08236945A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6881293B2 (en) 1996-12-26 2005-04-19 Ajinomoto Co., Inc. Process for producing a multi-layer printer wiring board
US7097958B2 (en) 2000-11-15 2006-08-29 Huntsman Advanced Materials Americas Inc. Positive type photosensitive epoxy resin composition and printed circuit board using the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6881293B2 (en) 1996-12-26 2005-04-19 Ajinomoto Co., Inc. Process for producing a multi-layer printer wiring board
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