JPH0823563B2 - 半導体加速度センサの製造方法 - Google Patents

半導体加速度センサの製造方法

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JPH0823563B2
JPH0823563B2 JP22156693A JP22156693A JPH0823563B2 JP H0823563 B2 JPH0823563 B2 JP H0823563B2 JP 22156693 A JP22156693 A JP 22156693A JP 22156693 A JP22156693 A JP 22156693A JP H0823563 B2 JPH0823563 B2 JP H0823563B2
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semiconductor acceleration
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光弘 杉本
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Nippon Electric Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体加速度センサの
製造方法に関し、特に、半導体単結晶ウエーハに加工を
施して得た厚肉のおもり部の振動により加速度を検出す
るセンサチップと、おもり部の振動に対してエアダンピ
ング効果による制振作用を及ぼす上下の各ストッパチッ
プとを、シール材で固着した型の半導体加速度センサを
製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体加速度センサの構造につ
いて、特開平4ー274005号公報(特願平3ー34
95号公報)に開示された加速度センサ基づいて、その
製造方法と関連させて説明する。図7(a)は上記公報
記載のセンサの完成後の斜視図である。又、図7(b)
は、図7(a)に示すセンサのAーA断面を示す断面図
である。
【0003】図7(a)、(b)を参照すると、この加
速度センサは、加速度を検出するためのセンサチップ1
の上下に、上部ストッパチップ2aと下部ストッパチッ
プ2bとがシール材3a及び3bにより接着されてい
る。センサチップ1には、例えば単結晶シリコン基板に
アルカリ性溶液による異方性エッチングを施して得た厚
肉のおもり部4と薄肉のたわみ部5とが形成されてい
る。いま、このセンサチップ1に紙面上下方向に成分を
持つ加速度が加わると、おもり部4は上下に振動し力学
の法則F=mα(但し、Fは力、mはおもり部4の質
量、αは加速度)によって加速度を力に変換する。薄肉
のたわみ部5がこの力によってたわむので、たわみ部5
の上部ストッパチップ2a側の面にブリッジをなすよう
に造り込まれた抵抗体(図示せず)の抵抗値がピエゾ抵
抗効果により変化する。この抵抗値の変化をブリッジに
より検出することによって、加速度を電気的に検出する
ことができる。尚、図7において、上部ストッパチップ
2aの平面形状の方がセンサチップ1や下部ストッパチ
ップ2bの平面形状より小さいのは、センサチップ1の
帯状露出部6に、前述の抵抗ブリッジに外部から電圧を
与えるためのパッド7を設けるためである。
【0004】ここで、上部ストッパチップ2aとセンサ
チップ1とシール材3aとが作る空間及び、下部ストッ
パチップ2bとセンサチップ1とシール材3bとが作る
空間は、おもり部4の振動をエアダンピング効果により
制動するためのものである。そのエアダンピング特性
は、上記空間の容積によって左右されるので、その面積
(センサチップ1の平面形状でほぼ決まる)及び高さ
(上下各ストッパチップのそれぞれとセンサチップとの
間の間隔。以後、ダンピングギャップと称することとす
る)が加速度センサの特性に及ぼす影響は非常に大き
い。特に、センサチップ1の四辺形の平面形状の一辺が
数mmオーダであるのに対して、ダンピングギャップd
は、例えば20μm程度と桁違いに小さいので、安定し
た特性のセンサを得るには、このダンピングギャップの
ばらつきを極度に精密に制御しなればならない。上記公
報記載のセンサでは、このダンピングギャップがシール
材3a、3bによって決まるようにしてその精度を上げ
ている。
【0005】すなわち、シール材3a、3bは単なる接
着剤ではなく、内部に硬質プラスチック製の球状スペー
サ材(図示せず)を含むものである。上記ダンピングギ
ャップはこのスペーサ材の直径により決まるので、その
直径を所望のダンピングギャップの値dに等しくしてお
くことにより、目的とするエアダンピング特性をばらつ
きなく得ることができる。尚、下部ストッパチップ2b
に設けられた通気孔8は、製造工程中での加熱などによ
ってシール材を境界とする内外の圧力バランスが崩れ、
シール材が変形したり破断するのを防止するためのもの
である。
【0006】以下に、上記の加速度センサの製造方法に
ついて説明する。図8は、このセンサの製造工程を示す
工程図である。先ず、工程S1で、シリコンウエーハを
用いて、上部ストッパチップ2a(図7参照)がアレイ
状に配列された上部ストッパウエーハを作製する。上部
ストッパウエーハには、センサチップの露出部6(図7
参照)に相当する部分に、異方性エッチングにより形成
した貫通孔が開いている。この後、上部ストッパウエー
ハをチップに分割し上部ストッパチップ2aを得る(工
程S2)。同様にして、工程S3で、別のシリコンウエ
ーハを用いて、下部ストッパチップ2b(図7参照)が
アレイ状に配列された下部ストッパウエーハを作製す
る。下部ストッパウエーハには、通気孔8(図7参照)
相当部分に貫通孔が開いている。この後、下部ストッパ
ウエーハをチップ化して、下部ストッパチップ2bを得
る(工程S4)。
【0007】一方、工程S5で、単結晶シリコンウエー
ハに異方性エッチングを施し、厚肉のおもり部4(図7
参照)と薄肉のたわみ部5(同)とを備えるセンサチッ
プ1(図7参照)がアレイ状に配列されたセンサウエー
ハを作製し、これをチップに分割してセンサチップを得
る(工程S6)。
【0008】次いで、下部ストッパチップ2bの所定部
分にディスペンサーでシール材3b(図7参照)を塗布
する(工程S7)。シール材3bは、前述したとおり、
例えばシリコーン系接着剤に硬質プラスチック製球状ス
ペーサ材を混合したものである。その後、下部ストッパ
チップ2bとセンサチップ1とを重ね、両者が剥れない
ように仮接着する(工程S8)。
【0009】その後、上部ストッパチップ2aの所定部
分にディスペンサーでシール材3a(図7参照)を塗布
し、更にこの上部ストッパチップ2aと、既に工程S8
で得られているセンサチップ1と下部ストッパチップ2
bとの一体化物とを重ね、仮接着した(工程S10)
後、加熱して接着剤を硬化させ加速度センサを得る(工
程S11)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、この
種の半導体加速度センサでは、接着剤と球状硬質プラス
チック製スペーサ材との混合物を用いて上下各ストッパ
チップとセンサチップとを接着することにより、特性の
ばらつきが大きく改善された。
【0011】しかしながら、この種の加速度センサは近
年、例えば自動車などの加速度検出に用いられるように
なるなど、その用途が広まってきている。そしてそのよ
うな用途の拡大に応じて、特性のばらつきが更に小さ
く、しかも量産性を向上させたセンサが求められるよう
になってきている。
【0012】従って本発明の目的は、特性のばらつき、
特にエアダンピング特性のばらつきに伴なう特性のばら
つきが従来より小さく、しかも量産性に優れた半導体加
速度センサ及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体加速度セ
ンサの製造方法は、単結晶半導体ウエーハを加工して厚
肉のおもり部と薄肉のたわみ部とを含むセンサチップが
アレイ状に配列されたセンサウエーハを得る工程と、前
記センサチップの一方の面に固着されて前記おもり部の
振動に対するエアダンピング用空間を形成する上部スト
ッパチップがアレイ状に配列された上部ストッパウエー
ハ及び、前記センサチップの他方の面に固着されて前記
おもり部の振動に対するエアダンピング用空間を形成す
る下部ストッパチップがアレイ状に配列された下部スト
ッパウエーハを得る工程と、前記下部ストッパウエーハ
の所定部分に接着剤とスペーサ材とを均一に混合してな
るシール材をスクリーン印刷して得たウエーハと、前記
センサウエーハと、前記上部ストッパウエーハの所定部
分に前記シール材をスクリーン印刷して得たウエーハと
をこの順に位置合せして重ね、それぞれのシール材の粘
着力により仮接着する仮接着工程と、前記仮接着工程に
より仮接着された三つのウエーハに面内均一の圧力を加
え保持しながら、接着剤を硬化させる加圧・接着工程
と、前記加圧・接着工程で得られた三つのウエーハの一
体化物を、前記センサチップ単位に分割する工程とを含
んでいる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例の製造
工程を示す工程図であり、図2及び図3は、製造工程中
のウエーハの断面状態を、工程順に示す図である。尚、
図2及び図3は、簡潔化して理解を容易にするため、以
下の説明中で述べるとおり、センサ構成部分の一部を省
略して示してある。
【0015】本実施例では、先ず、工程S1で、シリコ
ンウエーハを用いて、上部ストッパチップ2a(図7参
照)がアレイ状に配列された上部ストッパウエーハを作
製する。上部ストッパウエーハには、センサチップの露
出部6(図7参照)に相当する部分と、後の工程でセン
サウエーハとの位置合せに用いる部分とに、異方性エッ
チングにより形成された貫通孔が開いている。同様に、
工程S3で、別のシリコンウエーハを用いて、下部スト
ッパチップ2b(図7参照)がアレイ状に配列された下
部ストッパウエーハを作製する。下部ストッパウエーハ
には、通気孔8(図7参照)とセンサウエーハとの位置
合せ用貫通孔とが、異方性エッチングにより開けられて
いる。
【0016】一方、工程S5で、単結晶シリコンウエー
ハに異方性エッチングを施して、厚肉のおもり部4(図
7参照)と薄肉のたわみ部5(同)とを備えたセンサチ
ップ1(図7参照)がアレイ状に配列されたセンサウエ
ーハを作製する。
【0017】次に、上部ストッパウエーハの所定部分に
シール材をスクリーン印刷する(工程S7A)。同様
に、下部ストッパウエーハの所定部分にシール材をスク
リーン印刷する(工程S9A)。このようにして得られ
た上下ストッパウエーハ9a、9bの断面図を図2
(a)に示す。尚、図2(a)は、各ウエーハに設けら
れた貫通孔のうちセンサウエーハとの位置合せに用いる
位置合せ孔10a、10bだけを示すように簡潔化され
ている(以下同じ)。
【0018】ここで、シール材3a、3bとしては、シ
リコーン接着剤(信越化学株式会社製、商品名:KEー
1830)と円柱状のファイバガラス製スペーサ材(日
本電気硝子株式会社製、商品名:μロッドPFー14
0)とを100対1の配合比で均一に混合したものを3
0分間真空脱泡して使用している。図4(a)、(b)
に、上下各ストッパウエーハ9a、9bにおけるシール
材3a、3bの印刷パターンを示す。図4(a)、
(b)において、斜線部はシール材が印刷された部分で
ある。一方、白い四辺形の部分は接着剤が塗布されない
部分であって、センサウエーハのおもり部4及びたわみ
部5が形成される領域(以後、センシング領域と称す
る)に相当する。図4(a)を参照すると、上部ストッ
パウエーハ9aのシール材3aの印刷パターンは、Y方
向(紙面上下方向)に関して、2つのセンシング領域が
幅Wのシール材3aを挾んで背中合せに配置されてい
る。そして、これた組み合された2つのセンシング領域
が繰返しの単位となって、貫通孔11を挾んで繰返し配
列されている。一方、X方向(紙面左右方向)には、各
センシング領域が幅Wのシール材3aを挾んで同じピッ
チで繰返し配列されている。
【0019】上記の印刷パターンにおいて、X方向に走
っている貫通孔11は、センサチップのパッド形成用露
出部6(図7参照)に相当する部分である。従って、こ
の後の工程で、接着した3つのウエーハ(上部ストッパ
ウエーハ、センサウエーハ及び下部ストッパウエーハ)
を、横分割ライン5x及び縦分割ライン5yに沿って分
割してチップ化した後では、上部ストッパチップにおけ
るシール材3aのパターンは、図5(a)に示すよう
に、貫通孔11に沿った辺の幅がWであるのに対して、
それ以外の3つの辺ではシール材幅がW/2であること
になる。
【0020】これに対して、図4(b)を参照すると、
下部ストッパウエーハ9bにおけるシール材3bの印刷
パターンは、X方向及びY方向共に、センシング領域が
幅Wのシール材を挾んで均等に配列された形状となって
いる。従って、接着されたウエーハを切断して加速度セ
ンサを完成した後のシール材3bの幅は、図5(b)に
示すように、4つの辺とも均等にW/2であることにな
る。
【0021】以上のことから、加速度センサが完成した
後では、上部ストッパチップのシール材3aのパターン
には2種類の線幅が混在することになる。しかし製造工
程中では、上下いずれのストッパウエーハとも、シール
材の印刷線幅はウエーハ面内全て同一でWである。この
ようにシール材のスクリーン印刷時の線幅をウエーハ面
内で一種類に統一するのは、シール材3a、3bの印刷
膜厚の均一性を良くするためである。すなわち、スクリ
ーン印刷は、印刷膜厚がパターンの線幅に依存するとい
う性質を持つので、シール材の厚さを均一にするには印
刷パターンの線幅をウエーハ面内で一種類だけにすると
良い。本実施例においてシール材3a、3bは、印刷線
幅W=400μm、印刷膜厚tp =26μmである。
【0022】本発明の加速度センサの製造方法では、後
述するように、上下各ストッパウエーハとセンサウエー
ハとを接着する際にウエーハ間に圧力を加えるので、シ
ール材の印刷膜厚の均一性が良いことは、以下に示すよ
うに、重要なことである。すなわち、前述の特開平4ー
274005号公報に開示されているように、この種の
加速度センサのダンピング特性は、シール材中のスペー
サ材(上記公報記載のセンサの場合は硬質プラスチック
製球状粒子、本実施例においてはファイバガラス製円柱
状粒子)の大きさでほぼ決まる。しかしながら、このシ
ール材の塗布量が少なすぎる場合は、シール不良が発生
しエアダンピング特性が所定のものにならない。はなは
だしいときは、製造工程中で、エアダンピング用空間
(センサチップとストッパチップとの間の空間)に異物
が侵入し動作不良の原因ともなる。一方、シール材の塗
布量が多すぎる場合は、この後の加圧・接着工程でシー
ル材の幅が広がりすぎて、エアダンピング用空間の面積
が所定値より狭くなる、換言すればエアダンピング用空
間の容積が小さくなりすぎて、やはり目的のダンピング
特性が得られない。更には、シール材がセンサチップの
たわみ部上にはみ出すなどして、動作不良を生じること
もある。これらのことから、シール材の印刷線幅及び印
刷膜厚は、目的とするダンピング特性に対して、ダンピ
ングギャップとシール不良発生率とを考慮して決めなく
てはならない。本実施例では、センサ完成後のダンピン
グギャップ14.5μmに対して、シール材の印刷膜厚
をtp =26μmとした。
【0023】次に、図2(b)に示すように、下部スト
ッパウエーハ9bと、センサウエーハ12と、上部スト
ッパウエーハ9aとを位置決めし、これら3つのウエー
ハが剥れないように仮接着する(図1、工程S8A、S
10A))。位置決めは、カメラ系13を用いてクロス
ラインモニタ上で行う。先ず、下部ストッパウエーハ9
bに設けた四辺形の位置合せ孔10bに、センサウエー
ハ12上に形成されているアルミニウム製十字型の位置
合せマーク14を位置合せし仮接着する(工程S8
A)。そのあと、センサウエーハ12上の位置合せマー
ク14に、上部ストッパウエーハ9aに設けた四辺形の
位置合せ孔10aを位置合せし、同様に仮接着する(工
程S10A)。図2(c)に、上記の仮接着工程後の断
面の様子を示す。
【0024】更に、図3(a)に示すように、これまで
の工程を経て仮接着された3つのウエーハを加圧プレー
ト15a、15bで挾み、上下から一定圧力を加えなが
ら、120℃で2時間、加圧・加熱して接着剤を硬化さ
せる(工程S11A)。この工程は、各ウエーハに発生
した反りを矯正すると共にシール材のウエーハ面内の厚
さを均一化させて、センサチップ1(図7参照)のおも
り部4と上下ストッパチップ2a、2b(同)間のダン
ピングギャップのウエーハ面内ばらつきを最小限に抑え
込むことにより、シール性を確実にすると共にセンサの
エアダンピング特性のばらつきを抑えるために重要な工
程である。
【0025】最後に、図3(b)に示すように、上記の
工程S11Aで得られた3つのウエーハの一体化物を、
横分割ライン5x(図4参照)及び縦分割ライン5y
(同)に沿って切断して(図1、工程S12A)、図3
(c)に示される加速度センサを得る。
【0026】本実施例において、3つのウエーハを接着
する加圧・接着工程S11Aでの加圧力を変え、ウエー
ハ毎に各チップのダンピングギャップの大きさを調査
し、それらのウエーハ面内での平均値を求めたところ、
加圧力が0.2kg/cm2 以上であればその平均値
は、ダンピグギャップの設計値14.5μmに対して、
14.5±0.5μmであった。一方、加圧力が上記圧
力値より低い場合、ダンピングギャップのばらつきは、
±1.5μm程度以上に広まる。
【0027】これは次のように考えられる。ダンピング
ギャップの加圧による均一化は、各ウエーハの反りが矯
正されることとシール材の膜厚が均一化されることとに
基づくものであるが、加圧力が小さい場合は、上記ウエ
ーハの反り矯正が十分でないものと思われる。又、シー
ル材中のスペーサ材どうしが重なり合ったまま、或い
は、スペーサ材とウエーハとの間に入りこんだ接着剤が
十分排除されないままに硬化することなどによってシー
ル材の厚さが不均一になり、結果としてダンピングギャ
ップの均一性が悪化するものと思われる。
【0028】以上の結果に基づき、別に得られている、
ダンピングギャップと不良率との関係(図6に示す不良
率曲線)から、本実施例において加圧力を上記圧力値以
上に設定した場合の不良率を推定すると、圧力値が0〜
0.2kg/cm2 の場合に比べて相対的に1/10〜
1/1000程度であると推定され、加圧の効果が確認
された。更に、本発明者は実験に基づき、この加圧の効
果は加圧力が大きい方が大きいことを確認した。
【0029】一方、ウエーハへの加圧力が1.2kg/
cm2 を越えて大きくなると、加速度センサ毎の感度の
ばらつきが急増することが見い出された。ウエーハへの
加圧力が大き過ぎる場合、ウエーハの反り矯正が過度に
行われるようになる結果、加圧によってセンサチップの
たわみ部5(図7参照)に生じる応力が無視できなくな
り、この部分に造り込まれた抵抗体のピエゾ抵抗効果の
大きさにばらつきが生じるようになるものと思われる。
【0030】以上のことから、本実施例においては、加
圧・接着工程でウエーハに加える加圧力は、0.2〜
1.2kg/cm2 の範囲とした。
【0031】上述した実施例では、シール材を構成する
接着剤に熱硬化タイプのシリコーン接着剤を用い、スペ
ーサ材に円柱状のファイバグラス製粒子を用いたが、別
の実施例では、接着剤に常温硬化タイプのシリコーン接
着剤(ダウコウニング社製、商品名:DOW CORN
ING 3140RTV)を用い、スペーサ材に球状の
硬質プラスチック製粒子(積水ファインケミカル社製、
商品名:ミクロパールSPー214)を用いて、先の実
施例と同じ製造工程で加速度センサを作製しほぼ同等の
結果を得た。
【0032】尚、以上の2つの実施例において、センサ
ウエーハは、これに形成された抵抗体のピエゾ抵抗効果
を利用することから単結晶シリコンウエーハでなければ
ならないが、上下のストッパウエーハはその目的からし
て必ずしも単結晶である必要はない。更には、シリコン
ウエーハではなく、パイレックスガラス板や石英板或い
は硬質プラスチック板などであってもよい。但し、製造
工程中に加熱する工程があることを考慮すると、熱膨張
率がセンサウエーハと同等のシリコンウエーハを用いる
のが好ましいといえる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体加
速度センサの製造方法は従来の製造方法に比べて、 (1)製造工程をウエーハ単位で行なっているので、量
産性が高い。 (2)シール材の塗布をスクリーン印刷で行なっている
ので、微細パターンに対するシール材塗布量の制御性に
優れ、しかも量産性に富んでいる。 (3)3つのウエーハを加圧して接着しているので、セ
ンサチップのおもり部とストッパチップとの間の間隔
(ダンピングギャップ)の制御性に優れている。
【0034】従って、本発明によれば、量産性が高くし
かもシール不良に起因する不良率が低い、特性ばらつき
の少ない安定した品質の半導体加速度センサを提供でき
る。
【0035】更に、シール材中のスペーサ材として、従
来の硬質プラスチック製球状粒子のみならずファイバガ
ラス製円柱状粒子も使用することができるので、材料の
選択範囲を広げることができる。
【0036】更にまた、ストッパウエーハへのシール材
のスクリーン印刷に際して、印刷パターン線幅をウエー
ハ面内で一種類に統一することにより、シール材の塗布
膜厚をより均一にでき、ひいては、エアダンピング特性
のばらつきを小さくして加速度センサの特性ばらつきを
より小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法による半導体加速度センサの
製造工程図である。
【図2】図1に示す工程図に従って半導体加速度センサ
を作製する場合の、センサの断面を工程順に示す図であ
る。
【図3】図1に示す工程図に従って半導体加速度センサ
を作製する場合のセンサの断面を工程順に示す図であっ
て、図2に示す工程以後の工程に関する図である。
【図4】上部ストッパウエーハ及び下部ストッパウエー
ハにおけるシール材の印刷パターンを示す図である。
【図5】加速度センサ完成後の上部ストッパチップ及び
下部ストッパチップにおける、シール材のパターンを示
す図である。
【図6】半導体加速度センサの製造工程における、ダン
ピングギャップと不良率との関係を示す図である。
【図7】分図(a)は、半導体加速度センサの一例の斜
視図である。分図(b)は、分図(a)に示すセンサの
AーA断面図である。
【図8】従来の製造方法による半導体加速度センサの製
造工程図である。
【符号の説明】
1 センサチップ 2a,2b ストッパチップ 3a,3b シール材 4 おもり部 5 たわみ部 6 露出部 7 パッド 8 通気孔 9a,9b ストッパウエーハ 10a,10b 位置合せ孔 11 貫通孔 12 センサウエーハ 13 カメラ系 14 位置合せマーク 15a,15b 加圧プレート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶半導体ウエーハを加工して厚肉の
    おもり部と薄肉のたわみ部とを含むセンサチップがアレ
    イ状に配列されたセンサウエーハを得る工程と、 前記センサチップの一方の面に固着されて前記おもり部
    の振動に対するエアダンピング用空間を形成する上部ス
    トッパチップがアレイ状に配列された上部ストッパウエ
    ーハ及び、前記センサチップの他方の面に固着されて前
    記おもり部の振動に対するエアダンピング用空間を形成
    する下部ストッパチップがアレイ状に配列された下部ス
    トッパウエーハを得る工程と、 前記下部ストッパウエーハの所定部分に接着剤とスペー
    サ材とを均一に混合してなるシール材をスクリーン印刷
    して得たウエーハと、前記センサウエーハと、前記上部
    ストッパウエーハの所定部分に前記シール材をスクリー
    ン印刷して得たウエーハとをこの順に位置合せして重
    ね、それぞれのシール材の粘着力により仮接着する仮接
    着工程と、 前記仮接着工程により仮接着された三つのウエーハに面
    内均一の圧力を加え保持しながら、接着剤を硬化させる
    加圧・接着工程と、 前記加圧・接着工程で得られた三つのウエーハの一体化
    物を、前記センサチップ単位に分割する工程とを含む半
    導体加速度センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体加速度センサの製
    造方法において、 前記上部ストッパウエーハにスクリーン印刷されるシー
    ル材及び前記下部ストッパウエーハにスクリーン印刷さ
    れるシール材はそれぞれ、印刷パターンの線幅が一種類
    であることを特徴とする半導体加速度センサの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の半導体加速
    度センサの製造方法において、 前記シール材は、前記接着剤がシリコーン系接着剤であ
    り、前記スペーサ材の形状が円柱状であることを特徴と
    する半導体加速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体加速度センサの製
    造方法において、 前記加圧・接着工程で加える前記圧力の範囲が、0.2
    〜1.2kg/cm2であることを特徴とする半導体加
    速度センサの製造方法。
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