JPH08233243A - 竪型溶融炉を用いた廃棄物の溶融処理方法 - Google Patents

竪型溶融炉を用いた廃棄物の溶融処理方法

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JPH08233243A
JPH08233243A JP6861395A JP6861395A JPH08233243A JP H08233243 A JPH08233243 A JP H08233243A JP 6861395 A JP6861395 A JP 6861395A JP 6861395 A JP6861395 A JP 6861395A JP H08233243 A JPH08233243 A JP H08233243A
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康男 兼子
Noriyuki Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物を無害化処理し、土木建築用材料とし
て使用可能にする。 【構成】 廃棄物を塊成化させ、塊コークス、造滓剤お
よびアルミニウムの精錬残灰とともに竪型溶融炉に装入
する。そして、塊コークスの燃焼熱および精錬残灰中の
アルミニウムの酸化熱によって塊成化した廃棄物を溶融
する。これによって、廃棄物の鉱滓を得る。この場合、
鉱滓中の酸化アルミニウムの含有量が20〜30%にな
るように、精錬残灰の装入量を調整する。得られた鉱滓
を冷却固化して土木建築材料として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、廃棄物を無害化する
とともに、土木建築材料として再利用を可能にする竪型
溶融炉を用いた廃棄物の溶融処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明が問題とする廃棄物とは、都市
ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等の焼却処理により発生す
る灰分含有物および石炭を燃料とする工業炉で発生する
飛灰等の焼却残渣、並びに汚泥等を含むものであり、従
来、これらの廃棄物の大半は埋め立て処理されていた。
【0003】ところが、廃棄物を埋め立て処理する場合
には、埋め立て地の確保が困難になりつつあるという問
題もさることながら、上記の廃棄物、特に焼却残渣には
鉛、亜鉛等の種々の重金属その他の有害物質(例えば、
塩素等)が含まれており、これらが溶出して二次公害を
発生するおそれがあった。
【0004】そこで、最近では、廃棄物をセメント中に
混入して固化させるセメント固化処理、廃棄物を粒状に
して焼き固める造粒焼成処理等が研究され、その一部は
実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セメン
ト固化処理等の従来の処理方法では、有害物質の溶出を
完全には防止することが困難であるという問題があっ
た。また、有害物質が溶出するため、従来の処理方法に
よって生成される処理生成物は土木建築材料として利用
することができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記問題を
解決するためになされたもので、請求項1に係る発明
は、廃棄物を塊成化し、この塊成化物を塊コークスおよ
び造滓剤とともに竪型溶融炉に装入し、塊コークスの燃
焼熱によって塊成化物を溶融し、この溶融物を鉱滓とし
て回収することを特徴としている。この場合、後述する
上記鉱滓中の酸化アルミニウム(Al23)を重量比で
20〜30%に調整することが望ましい。また、アルミ
ニウムの精錬残灰を塊成化し、上記廃棄物、上記塊コー
クスおよび上記造滓剤とともに上記竪型溶融炉に装入す
るのが望ましい。また、上記竪型溶融炉の炉頂部に燃焼
ガスが導入される二次燃焼室を設け、この二次燃焼室に
二次燃焼空気および有害ガス除去用の粉末剤を供給する
のが望ましい。さらに、上記廃棄物を乾燥させる乾燥機
を設置し、この乾燥機で発生する乾燥廃ガスを上記二次
燃焼室に戻すのが望ましい。
【0007】
【作用】請求項1に係る発明の処理方法によって廃棄物
を処理するに際しては、まず、廃棄物を塊成化する。こ
れは、竪型溶融炉内の目詰まりを防止して燃焼空気およ
び燃焼ガスの流通を良好にするためのものであり、その
ような観点から塊成化物の大きさは10〜100mm程
度とするのが望ましい。また、廃棄物を塊成化するに際
しては、廃棄物の塊成化を容易にするために、廃棄物の
種類に応じて乾燥、篩分け、解砕等の前処理を行う。例
えば、廃棄物汚泥等のように水分含有量が多い場合に
は、水分含有量が塊成化し易い程度になるまで乾燥す
る。さらに、塊成化物の強度を上げるために、必要に応
じて糖蜜、セメント等の粘結材を加えるようにする。
【0008】次に、上記のようにして塊成化した廃棄物
を、塊コークスおよび造滓剤とともに竪型溶融炉に装入
する。塊コークスとしては、炉内の目詰まりを防止する
ために、50〜100mm程度の大きさのものを用い
る。塊コークスは、炉の内部でコークス床を形成し、塊
成化物を加熱溶融する。この場合、塊成化物を確実に溶
融することができるよう、炉内は1400°〜1500
°C程度に、特に1500°C程度に維持するのが望ま
しい。また、塊コークスを良好に燃焼させるために、コ
ークス床には炉の送風羽口から空気または酸素富化空気
を送風する。
【0009】上記造滓剤は、廃棄物を溶融して得られる
鉱滓が所望の組成を有するようにするために用いられる
ものである。通常、廃棄物を溶融して得られる鉱滓は、
酸化カルシウム(CaO)、酸化珪素(SiO2)、酸
化アルミニウム(Al23)を主成分とし、少量の酸化
マグネシウム(MgO)、酸化鉄(Fe23)、酸化ナ
トリウム(Na20)を含有している。これらのうち、
酸化カルシウムおよび酸化珪素については、それらの比
(CaO/SiO2)を0.7〜1.2にするのが望まし
い。その範囲を超えると、鉱滓の溶融点および粘性が高
くなり、生産性が低下するからである。このような組成
を有するように造滓剤を適宜装入する。この場合、酸化
カルシウムの調整には、石灰石、ドロマイト、生石灰等
を用い、酸化珪素の調整には、珪石、珪砂等を用いる。
また、酸化アルミニウムについては、後述するように、
20〜30%に調整するのが望ましく、そのように調整
するには、アルミニウムの精錬残灰を用いればよい。
【0010】竪型溶融炉に装入された廃棄物の塊成化物
は、塊コークスの燃焼熱により、炉内を降下するにした
がって加熱される。そして、まず有機物や揮発性金属な
どが熱分解し、燃焼ガスとともに炉頂部より外部に排出
される。一方、炉内をさらに降下した塊成化物は、溶融
点以上に加熱されて溶融し、鉱滓となって炉床部に貯留
する。貯留した溶融鉱滓は、一定時間毎に鋳型に流し込
んで固化させる。この固化した鉱滓中には、鉛、亜鉛等
の有害物質が含まれているが、これらの有害物質は酸化
されて無害化している。したがって、有害物質が溶出す
ることがなく、土木建築材料として使用することができ
る。
【0011】上記のようにして鉱滓を得る場合には、請
求項2に係る発明のように、鉱滓中の酸化アルミニウム
の含有量が重量比で20〜30%になるように調整する
のが望ましい。すなわち、固化した鉱滓を土木建築材料
として用いる場合には、その強度を実用に供し得る程度
の高いもにする必要がある。しかるに、この発明の処理
対象たる廃棄物を単に溶融処理した場合には、鉱滓中の
酸化アルミニウムの含有量が、15%前後である。この
程度の酸化アルミニウムの含有量では、鉱滓が結晶化せ
ずにガラス状になってしまい、高い強度が得られない。
例えば、骨材の強度指数を表すすりへり減量値は35〜
45%と高く、骨材としては強度不足である。
【0012】そこで、鉱滓の強度を向上させる点につい
て鋭意研究した結果、鉱滓中の酸化アルミニウムの含有
量を重量比で20%以上にすることによって鉱滓の強度
を向上させることができるという知見を得た。鉱滓中の
アルミニウムの含有量を重量比で20%以上にすると、
鉱滓が結晶化し、これによって強度が向上するのであ
る。例えば、図2に示すように、すりへり減量値は、酸
化アルミニウムの含有量が20%以下になると、急激に
増大する。
【0013】このように、酸化アルミニウムの含有量を
20%以上にすると、鉱滓の強度を向上させることがで
きるが、図3に示すように、酸化アルミニウムの含有量
が30%を越すと、鉱滓の粘性が急増する。この結果、
竪型溶融炉内の鉱滓を炉外に排出することが困難にな
り、ひいては処理能率が低下する。そこで、酸化アルミ
ニウムの含有量を30%以下にしたものである。
【0014】廃棄物を溶融処理するに際しては、請求項
3に係る発明のように、アルミニウムの精錬残灰を用い
るのが望ましい。アルミニウム精錬残灰を用いると、そ
れに含有される金属アルミニウムの燃焼熱を廃棄物の溶
融に利用することができ、その分だけ燃料コークスの使
用量を減らすことができるからである。しかも、アルミ
ニウムの精錬残灰自体も産業廃棄物であり、その無害化
処理を同時に行うことができ、またアルミニウムの精錬
残灰を用いることにより、鉱滓中の酸化アルミニウムの
組成を上記のような組成に調整することができるからで
ある。
【0015】アルミニウムの精錬残灰を用いるに際して
は、竪型溶融炉の目詰まりを防止するために塊成化する
のが望ましい。この場合、精錬残灰だけを塊成化しても
よいが、廃棄物に混合して塊成化するのが望ましい。こ
のようにすれば、アルミニウムの燃焼熱によって廃棄物
を直接加熱することができ、加熱効率を向上させること
ができるからである。
【0016】縦型溶融炉に装入された廃棄物が燃焼・溶
融される過程において、揮発性金属、未燃炭素含有物等
の未燃物質および塩化水素やダイオキシン等の腐食性ま
たは有毒性物質が発生する。そこで、請求項4に係る発
明のように、竪型溶融炉の頂部に燃焼ガスが導入される
二次燃焼室を設け、この燃焼室に空気または酸素富化空
気等の二次燃焼空気および有害ガス除去用の粉末剤を供
給するのが望ましい。二次燃焼室に二次燃焼空気を供給
すると、排ガス中の一酸化炭素のような未燃物質を完全
燃焼させて無害化することができる。この場合、二次燃
焼室に助燃バーナを設置して加熱するようにすると、無
害化をより一層促進することができる。特に、二次燃焼
室を900〜1000°Cの酸化雰囲気に保つことによ
り、ダイオキシンの発生を完全に抑制することができ
る。をまた、二次燃焼室に粉末剤を供給することによ
り、有毒物質を除去することができる。このとき用いる
粉末剤は、除去すべき有毒物質に対応して適宜選択す
る。例えば、除去すべき物質が塩化水素、硫黄酸化物
(SOx)等である場合には、それぞれに対応して炭酸
カルシウム、消石灰を用いる。
【0017】請求項5に係る発明においては、竪型溶融
炉の排ガス通路中に設置された乾燥機によって汚泥等の
水分含有量が多い廃棄物を乾燥させることができる。こ
の場合、乾燥機は、廃棄物を燃焼させた排ガスの熱を利
用するものであるから、省エネルギを達成することがで
きる。また、汚泥等の廃棄物を乾燥させることによって
発生する廃ガスは、悪臭を有しているが、請求項5に係
る発明のように、乾燥廃ガスを二次燃焼室に戻すと、廃
ガスが二次燃焼室内において加熱され、臭気成分が熱分
解される。しかも、この熱分解を二次燃焼室の熱によっ
て行うものであるから、別途エネルギを必要とすること
がなく、より一層の省エネルギをなし得る。
【0018】なお、乾燥機を設置する場合には、間接加
熱タイプの乾燥機を用いるのが望ましい。間接加熱タイ
プの乾燥機では、排ガスの通路と、廃棄物を乾燥させる
ことによって発生する廃ガスの通路とが別々になってお
り、廃ガスだけを二次燃焼室に戻すことができ、これに
よって省エネルギ化をより一層高度に達成することがで
きるからである。
【0019】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図1を参
照して説明する。なお、図1はこの発明に係る廃棄物の
処理装置の概略構成を示す図である。
【0020】図1において符号1,2,3,4は、受入
タンクであり、それぞれ廃棄物、塊コークス、造滓剤お
よびアルミニウム精錬残灰の塊成化物が収容されてい
る。受入タンク1内の廃棄物は、ベルトコンベア5によ
って乾燥機6に搬送され、乾燥機6によって塊成化に適
する水分含有量を有するように乾燥される。乾燥機6と
しては間接加熱タイプの乾燥機が用いられている。乾燥
された廃棄物は、製団機7によって塊成化され、ベルト
コンベア8に排出される。
【0021】受入タンク2,3,4にそれぞれ収容され
た塊コークス、造滓剤およびアルミニウム精錬残灰の塊
成化物は、ベルトフィーダ9,10,11によってベル
トコンベア8に定量排出される。そして、ベルトコンベ
ア8に排出された廃棄物の塊成化物、塊コークス、造滓
剤、およびアルミニウム精錬残灰の塊成化物は、傾斜コ
ンベア12に搬送され、さらにこの傾斜コンベア12に
よって竪型溶融炉13の装入口13aに搬送され、そこ
から竪型溶融炉13に装入される。
【0022】竪型溶融炉13としてこの実施例では、炉
床径が1.8m、全炉高が15mで、外部注水式の炉壁
部を有するものが用いられている。竪型溶融炉13は、
炉下部に直径100mmの送風羽口13bを8本有して
おり、ここから燃焼用空気が炉内に供給されるようにな
っている。また、竪型溶融炉13の頂部には、二次燃焼
室13cが形成されるとともに、助燃バーナ(図示せ
ず)が設置されている。二次燃焼室13cには、送風機
14により送風管13dを介して二次燃焼空気が供給さ
れるとともに、有害ガス除去装置15から吹込口13e
を介して有害ガス除去用の粉末剤が吹き込まれるように
なっている。
【0023】竪型溶融炉13に装入された廃棄物の塊成
化物は、炉内を下降するにしたがって加熱溶融される。
溶融された鉱滓は、炉床に貯留された後、出湯口13f
から鋳型16に流し込まれる。そして、徐冷後、破砕、
整粒され、土木建築用の骨材として利用される。
【0024】廃棄物の加熱溶融によって発生する排ガス
は、竪型溶融炉13から排出され、乾燥機6、熱交換機
17、バックフィルタ18、排風機19、および湿式洗
浄器20を経て、煙突21から排出される。
【0025】乾燥機6は、前述したように、竪型溶融炉
13の排ガスの熱を利用して廃棄物の乾燥を行う。廃棄
物の乾燥によって生じる廃ガスは、送風管13dを介し
て二次燃焼室13cに送られる。そして、二次燃焼空気
として燃焼に供されるとともに、含有する臭気成分が二
次燃焼室13c内において加熱分解される。
【0026】熱交換機16は、竪型溶融炉13に供給す
る燃焼空気を排ガスの熱を利用して加熱するためのもの
であり、送風機22によって熱交換機16に送風され、
ここで加熱された燃焼空気は、送風羽口13bを介して
竪型溶融炉13に供給される。
【0027】
【実験例1】上記の溶融処理装置を用いて都市ごみの焼
却灰の溶融処理を行った。焼却灰の組成は、表1に示す
とおりであり、これを乾燥機6によって残留水分が5〜
7%になるように乾燥し、加圧製団機7によってブリケ
ットにした。このブリケットを3t/hで竪型溶融炉1
3に装入した。また、竪型溶融炉13には、塊コークス
を0.8t/h、アルミニウムの精錬残灰の塊成化物を
0.4t/h、石灰石を0.55t/hの割合でそれぞれ
装入した。さらに、300°Cに加熱した燃焼空気を送
風羽口13bから170Nm3/minの割合で送風し
た。
【0028】その結果、鉱滓を3t/hの割合で回収す
ることができた。この鉱滓の組成は表3に示すとおりで
あり、Al23は重量比で24.1%であった。この鉱
滓の特性値は、絶乾比重が2.6、吸水率が1.0、すり
へり減量が19.3%であった。また、鉱滓に含まれる
有害物質の溶出も定量下限以下であった。したがって、
コンクリート骨材や路盤用砕石として有効に利用するこ
とができるものである。
【0029】
【実験例2】表2に示す組成を有する下水汚泥の焼却灰
の溶融処理を行った。乾燥機6で乾燥した焼却灰を3t
/h、粘結剤としてセメントを0.3t/h、アルミニ
ウムの精錬残灰を0.6t/hの割合で切り出し、これ
らに水を10%添加したものをバイブロニーダーで混練
成形して塊成化した。この塊成化物と塊コークスを0.
3t/h、石灰石を1.8t/hの割合で竪型溶融炉1
3に装入した。このときの鉱滓の組成は。(CaO+M
gO)/SiO2=0.85、酸化アルミニウムの含有量
が22%になるように調整した。また、300°Cに加
熱した空気を送風羽口13bから170Nm3/min
の割合で送風した。
【0030】その結果、鉱滓を4.2t/hの割合で回
収することができた。この鉱滓の組成は表3に示すとお
りであり、酸化アルミニウムの含有量は重量比で22.
5%であった。この鉱滓の特性値は、絶乾比重が2.4
8、吸水率が1.5、すりへり減量が21.6%であっ
た。また、鉱滓に含まれる有害物質の溶出も定量下限以
下であった。したがって、コンクリート骨材や路盤用砕
石として有効に利用することができる。
【0031】
【比較例】実験例1で用いたものと同一の焼却灰を溶融
処理した。この場合、実験例1と大きく異なるのは、ア
ルミニウムの精錬残灰は用いず、酸化アルミニウムの含
有量については全く配慮しなかった点である。溶融処理
に際しては、焼却灰ブリケットを3t/h、塊コークス
を1.0t/hで装入した。また、鉱滓の(CaO+M
gO)/SiO2が0.7〜0.8になるよう、石灰石を
0.15t/hの割合で装入した。その他は、実験例1
と同様である。
【0032】その結果、鉱滓を2.5t/hの割合で回
収することができた。この鉱滓の組成は表3に示すとお
りであり、酸化アルミニウムの含有量は重量比で16.
7%であり、粘性が低くその流動性は良好であったが、
鉱滓の特性値は、絶乾比重が2.2と軽く、すりへり減
量も42.5%と大きく、強度不足である。したがっ
て、土木用骨材としては不適である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、廃棄物を無害化処理することができ、した
がって廃棄物を埋立て処理したとしても二次公害が生じ
るのを確実に防止することができる。また、土木建築材
料として使用することにより、埋立て地の確保の問題を
解決することができる 請求項2に係る発明によれば、強度の高い土木建築用材
料を得ることができるのみならず、その生産性を向上さ
せることができる。請求項3に係る発明によれば、塊コ
ークスの消費量を減らすことができ、これによって処理
費用を軽減することができる。しかも、一種の廃棄物で
あるアルミニウムの精錬残灰を同時に処理することがで
きる。請求項4に係る発明によれば、廃棄物の溶融処理
によって発生する排ガスをクリーンガスとして排出する
ことができる。請求項5に係る発明によれば、廃棄物の
乾燥に要する燃料を節約することができ、また廃棄物の
乾燥によって発生する臭気を加熱分解することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の処理方法を実施するための処理装置
の一例を示す概略構成図である。
【図2】酸化アルミニウムの含有量と鉱滓のすりへり減
量との関係を示すグラフである。
【図3】酸化アルミニウムの含有量と鉱滓の粘性との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
6 乾燥機 13 竪型溶融炉 13c 二次燃焼室
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を塊成化し、この塊成化物を塊コ
    ークスおよび造滓剤とともに竪型溶融炉に装入し、塊コ
    ークスの燃焼熱によって上記廃棄物の塊成化物を溶融
    し、この溶融物を鉱滓として回収することを特徴とする
    竪型溶融炉を用いた廃棄物の溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 上記鉱滓中の酸化アルミニウム(Al2
    3)を重量比で20〜30%に調整することを特徴と
    する請求項1に記載の竪縦型溶融炉を用いた廃棄物の溶
    融処理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウムの精錬残灰を塊成化し、上
    記廃棄物、上記塊コークスおよび上記造滓剤とともに上
    記竪型溶融炉に装入することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の竪型溶融炉を用いた廃棄物の溶融処理方
    法。
  4. 【請求項4】 上記竪型溶融炉の炉頂部に燃焼ガスが導
    入される二次燃焼室を設け、この二次燃焼室に二次燃焼
    空気および有害ガス除去用の粉末剤を供給することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の竪型溶融炉を
    用いた廃棄物の溶融処理方法。
  5. 【請求項5】 上記竪型溶融炉からの排ガスの通路中に
    廃棄物を乾燥させる乾燥機を設置し、この乾燥機で発生
    する乾燥廃ガスを上記二次燃焼室に戻すことを特徴とす
    る請求項4に記載の竪型溶融炉を用いた廃棄物の溶融処
    理方法。
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