JPH08232248A - 水位追従型フロート式魚道ゲート - Google Patents

水位追従型フロート式魚道ゲート

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JPH08232248A
JPH08232248A JP7059787A JP5978795A JPH08232248A JP H08232248 A JPH08232248 A JP H08232248A JP 7059787 A JP7059787 A JP 7059787A JP 5978795 A JP5978795 A JP 5978795A JP H08232248 A JPH08232248 A JP H08232248A
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俊六 中村
Masanobu Takao
正信 高尾
Toshiaki Yamagami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水位追従型フロート式魚道ゲートを提供す
る。 【構成】 上部に切欠き部28(水路中心線から左右の
何れかに偏っていてよい)が設けられた扉体27及び扉
体27の左右に各々連結された左右で一対となる浮体3
0,31からなるゲート本体26と、該浮体が水に浮遊
した状態で該浮体を収納する左右で一対となる浮力室と
が魚道水路に備えられてなり、該浮力室の水面下部分に
取水口が設けられ、左右の浮力室は連通管によって互い
に連通され、且つ該連通管の開口部は左右の浮力室の水
面下部分に設けられてなる。 【効果】 構造が簡単で流水量や流水圧の変動の影響を
受け難く、水位の変動に容易に自動的に追従し、水位の
変動にも係わらず、魚が遡上又は降下するための安定し
た水理の魚道を常に確保することができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水位追従型フロート式魚
道ゲート、更に詳しくは、構造が簡単で流水量や流水圧
の変動の影響を受け難く、水位の変動に容易に自動的に
追従し、その結果、魚道(ノルウェー式魚道)に適用し
た場合に、水位の変動にも係わらず、魚が遡上又は降下
するための安定した水理の魚道を常に確保することがで
きる水位追従型フロート式魚道ゲートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】昨今は、建設省、農林水産省の「魚の上
り易い川作り推進」という行政指導の下で、魚道設備
は、既設、新設を問わず魚の生態に一層合致し、水理的
にも良好で、しかも経済的である形式に改善されるか、
又は、この様な形式での新設が認められる方向に進みつ
つある。
【0003】前述の如き現状の中で、近年、浮力を利用
して上流側の水位変動に自動的に追従し、魚類の遡上や
降下を効率よく行うことができる無動力の魚道ゲートを
備えた種々の形式の魚道設備が提案され又は漸次実施さ
れている。前記魚道ゲートの代表的なものとして、以下
の二つの魚道ゲートが挙げられる。 イ)パワーシュート式魚道ゲート ロ)フロート昇降式魚道ゲート
【0004】図19にイ)のパワーシュート式魚道ゲー
トの一例の斜視図を示す。パワーシュート式魚道ゲート
1は、一端を回転可能に軸支されて、固定式魚道2の上
流側のフロート室3内に浮遊した形態で配置されてい
る。制水ゲート4及び予備ゲート5は水量を調節するた
めのものである。
【0005】図20は、図19のパワーシュート式魚道
ゲート1の上面図である。パワーシュート式魚道ゲート
1の内部は隔壁6によって区画されており、水流(全体
流は太矢印、部分流は細矢印で表わす)は、魚道用入水
堰7を越えてパワーシュート式魚道ゲート1内に流入
し、又、フロート室入水用越流堰8を越えてフロート室
3内に流入する。パワーシュート式魚道ゲート1は回転
軸9を軸芯として回転可能である。パワーシュート式魚
道ゲート1の前面には前面止水ゴム10が、又、後面に
は後面止水ゴム11が備えられている。
【0006】図21は、図19のパワーシュート式魚道
ゲート1を側方から見た説明図である。パワーシュート
式魚道ゲート1内部の魚道部12の水位は、複数の隔壁
6によって形成された堰により、ダム貯水位13から下
方水位14まで段階的に低減される。他方、フロート室
水位15は、前面止水ゴム10によって形成されたフロ
ート室入水用越流堰8及び後面止水ゴム11によって所
定水準に保持される。フロート室3の底部は、オリフィ
ス16によって下流側と接続されている。
【0007】以下、パワーシュート式魚道ゲートの特徴
及び機能の概要を説明する。セクタ式ゲートのシュート
を単純に水に浮かせただけでは、シュートの回転角度に
より浮力が変動し、浮きすぎ又は沈みすぎのため魚道の
通水量が大きく変化してしまうこと、及び、止水ゴムに
よる摩擦のため、平滑で精度のよいシュート(傾斜水
路)の動きが実現できないという欠点がある。この欠点
を解決するために、パワーシュート式魚道ゲートにおい
ては、貯水池水位とシュートの喫水線を分離したことに
特徴がある。
【0008】パワーシュート式魚道ゲートの構造は、図
20,21に示す様に、パワーシュート式魚道ゲート1
(ゲート本体)が上流端脇にフロート室入水用越流堰8
を有している外は従来のセクタ式ゲートとほぼ同様の構
造で、下流端を回転軸9により軸支持されたパワーシュ
ート式魚道ゲート1が浮体としてフロート室3内に収納
されている。フロート室3は、前面止水ゴム10とゲー
ト下流端に取り付けた後面止水ゴム11で、上流側貯水
池と下流側水路とを仕切っており、下流側水路にフロー
ト流入水を流出させるためのオリフィス16が設置され
ている。したがって、フロート室3の水面は、ゲート上
流端に固定されたフロート室入水用越流堰8からの流入
水と下流端に取り付けられているオリフィス16からの
流出水とのバランスによって形成されるため、ダム貯水
池水位13とシュート(この場合、パワーシュート式魚
道ゲート1)の喫水線とを分離することができる。
【0009】図22にロ)のフロート昇降式魚道ゲート
の一例の破断斜視図を示す。逆T型で且つ中央部に潜口
17が形成された隔壁18が水路19に所定間隔で配置
されている。又、水路19内には、隔壁18と対をなす
支柱20が所定間隔で配置されている。隔壁18と支柱
20との間には、両側のゲート部21と中央のフロート
部22とからなるフロート昇降式魚道ゲート23が位置
し、両側のゲート部21は各々、魚道水路19の側壁に
設けられて凹所24に上下方向に摺動可能に嵌合されて
いる。
【0010】図23は、図22のフロート昇降式魚道ゲ
ート23の作動原理を示すための説明図である。ゲート
部21とフロート部22とは気密で一体構造であり、且
つ浮力を持たせてある。それ故、フロート昇降式魚道ゲ
ート23は、ゲート部21及びフロート部22の自重と
それらの浮力とのバランスにより、水流方向と直交する
方向に自動的に上下する。又、フロート部22は水と接
触する面積(特に平面積)を大きくし、上流水位の変化
に対して大きな駆動力(浮力)を持たせてあるので、作
動遅れが小さい。
【0011】図22に例示するフロート昇降式魚道ゲー
ト23は、以下の如き特徴を有している。 アイスハーバー式魚道に適応させて考えられたもの
であり、左右のゲートの高さを変えることが可能で、こ
の場合でもゲート全体のバランスを保つことができる。 浮力を利用してフロートを作動させるので、動力が
不要である。 魚の遡上に適した昇降式である。 操作機構が不要なので、設置場所の制限が少なくて
すむ。 魚道水路側壁にはローラ用の戸溝を設置するだけで
ある。 構造が簡単で、維持管理が容易である。 潜口の設置が可能なので、底生魚の遡上も可能であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
イ)のパワーシュート式魚道ゲート及び前記ロ)のフロ
ート昇降式魚道ゲートは何れも、以下に例示するような
問題点を有している。 イ)のパワーシュート式魚道ゲートの場合 魚道ゲートの構造が複雑であり、設備費が高くなる。そ
れ故、上流側の水位変動の小さい場合に適用しようとす
れば魚道ゲートの制作費及び設置費が割高となり、不経
済である。 ロ)のフロート昇降式魚道ゲートの場合 フロート部及びゲート部が直接流水に晒され、特にフロ
ート部は両側で流水に接するので、流れによる動水圧を
直接受ける。又、扉体を構成するゲート部は密閉構造の
ため、流れ方向で幅があり、底部で圧力変動を受け、左
右のゲート部で受圧変動が異なる。これらの理由によ
り、流水の流動状態の変化によって魚道ゲート本体は常
に動揺する。この不具合を解消するためにショックアブ
ソーバ等の吸振器を設ける方法も考えられるが、取り付
けのスペースが必要であり、全体の容量や設置費用が増
大する。更に、扉体(ゲート部)に流れ方向の幅が有る
ため、魚道水路に予想以上の堆砂が生じた場合には、扉
体が堆砂に接触して円滑な移動が難しくなり、魚の遡上
及び下降が困難となる。特に、両側のゲート部下端の澱
み部分に堆砂が生じ易い。又、フロート部の上流側に土
木構造物が存在するため、潜口を通した見通しが悪く、
底生魚の視認性が悪いので、底生魚の遡上及び下降の効
率が悪くなる。
【0013】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためのものであり、その目的とするところは、構造が簡
単で製作及び設置が容易であり、水位の変動に容易に自
動的に追従し、流水量や流水圧の変動の影響を受け難い
ため水位を正確に調整することができると共に耐久性に
優れ、その結果、魚道に適用した場合に、河川上流側の
水位の変動にも係わらず、魚が遡上又は降下するための
安定した水理の魚道を常に確保することができる水位追
従型フロート式魚道ゲートを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の水位追
従型フロート式魚道ゲートは、上部に切欠き部が設けら
れた扉体及び該扉体の左右に各々連結された左右で一対
となる浮体からなるゲート本体と、該浮体が水に浮遊し
た状態で該浮体を収納する左右で一対となる浮力室とが
魚道水路に備えられてなり、該浮力室の水面下部分に取
水口が設けられ、左右の浮力室は連通管によって互いに
連通され、且つ該連通管の開口部は左右の浮力室の水面
下部分に設けられたことを特徴とする〔以下、i)と称
する〕。
【0015】本発明の水位追従型フロート式魚道ゲート
のうち、好ましいものとしては例えば下記の水位追従型
フロート式魚道ゲートが挙げられる。 ii) 切欠き部が、扉体の上部の中央から左右何れかに偏
って設けられたi)の水位追従型フロート式魚道ゲー
ト。 iii)切欠き部が、第一の切欠き部を設けた板状部材を予
め扉体に設けた第二の切欠き部に装着することにより設
けられたi)の水位追従型フロート式魚道ゲート。 iv) 扉体が一枚の鋼板からなるi)の水位追従型フロー
ト式魚道ゲート。 v) 扉体の中央部が別の鋼板で補強されたi)の水位追
従型フロート式魚道ゲート。 vi) 浮体が鋼板からなり、該浮体の形状が、両端が閉鎖
された多角筒状であるi)の水位追従型フロート式魚道
ゲート。 vii)浮体の上端面に蓋付きの開口部が設けられたvi) の
水位追従型フロート式魚道ゲート。 viii) 浮体に、ゲート本体を位置決めし且つ上下方向に
摺動させるためのローラが設けられたi)の水位追従型
フロート式魚道ゲート。 ix) 浮力室が鋼板からなり、該浮力室の形状が、水面下
に底面を有する一端が閉鎖された多角筒状であるi)の
水位追従型フロート式魚道ゲート。 x)底面が水流方向に沿って設けられており、該底面に
取水口及び連通管の開口部が設けられたix) の水位追従
型フロート式魚道ゲート。 xi) 取水口に、水中の異物を除去し且つ流水の圧力変動
を減衰又は吸収するための手段が設けられたi)の水位
追従型フロート式魚道ゲート。 xii)水中の異物を除去し且つ流水の圧力変動を減衰又は
吸収するための手段が、特殊スクリーン又は同種機能を
有する金物であるxi) の水位追従型フロート式魚道ゲー
ト。 xiii) 魚道水路が、水流方向に垂直な方向の断面がコ字
型であり且つ水流を垂直に横切る形態で中央上部に切欠
き部が設けられた隔壁を有し、扉体が、該隔壁の切欠き
部に扉体の切欠き部が対向するように配置され、浮力室
が、魚道水路の隔壁面と側壁面とを構成面の一部として
利用して形成され、水面下に底面が水流方向に沿って設
けられており、該底面に取水口及び連通管の開口部が設
けられ、該取水口は流水の澱み域に配置され、連通管
が、水平部分が地表下に埋設された形態で設けられてい
る、i)の水位追従型フロート式魚道ゲート。 xiv)浮力室と扉体との間隙が弾性部材によって閉鎖され
ているxiii) の水位追従型フロート式魚道ゲート。 xv) 弾性部材がゴム又は合成樹脂、或いはゴム又は合成
樹脂で形成されたブラシ又は平板であるxiv)の水位追従
型フロート式魚道ゲート。 xvi)隔壁の中央下部に切欠き部が設けられたxiii) の水
位追従型フロート式魚道ゲート。 xvii) 切欠き部が、第一の切欠き部を設けた板状部材を
予め隔壁の中央下部に設けた第二の切欠き部に装着する
ことにより設けられたxiii) の水位追従型フロート式魚
道ゲート。 xviii)隔壁の中央下部に切欠き部が設けられ、且つ浮力
室の底面が前記切欠き部の上端近傍の位置に配置された
xiii) の水位追従型フロート式魚道ゲート。
【0016】扉体の上部には、魚が遡上又は降下する水
路を確保するために切欠き部を設ける。切欠き部の大き
さ、形状、数は適宜選択する。切欠き部を設ける位置も
本発明の目的を達成し得る範囲内で適宜選択してよい。
切欠き部は扉体の上部の中央部(水路中心線)に設けて
もよいし、又は、中央部から左右の何れかに偏って設け
てもよい。切欠き部のエッジ部は、両側を削って鋭くす
ると水の切れがよくなる。この場合、エッジ部の中央は
平面状で残して置くと、エッジ部による損傷を防止する
ことができる。又、扉体の下端も削って鋭くすると水の
切れがよくなって都合がよい。
【0017】扉体の上部に設ける切欠き部は、扉体の上
部を直接切り欠いて設けてもよいが、第一の切欠き部を
設けた板状部材を予め扉体に設けた第二の切欠き部に装
着することにより設けてもよい。
【0018】扉体の素材としては金属板、特に鋼板が使
用し易い。扉体を一枚の鋼板から製作すると、極めて薄
い扉体を得ることができる。又この場合、強度を向上さ
せるために、例えば部分的に二枚の鋼板を貼り合わせた
構造を採用してもよい。扉体の大きさ、形状、厚さ等の
性状は適宜選択する。扉体は通常は平面状であるが、目
的を達成し得る範囲内で屈曲していてもよく、又は、平
面部と屈曲部とを組み合わせて使用してもよい。
【0019】浮体は金属板、例えば鋼板から製造するこ
とができる。浮体の大きさや形状は浮力室内に収納され
且つ本発明の目的を達成し得る範囲内であれば特に限定
されず、製造の容易さや性能等を考慮して適宜選択すれ
ばよい。浮体の形状としては、例えば両端が閉鎖された
多角筒(具体的には、例えば三角筒、四角筒)が製造し
易くてよい。又、前記多角筒状の浮体の上端面に蓋付き
の開口部を設けると、この開口部を通じて人や機材を浮
体内に入れることができる。
【0020】本発明の魚道ゲートは、水位の変動によっ
て水流方向と直交する方向に浮体が自動的に上下する
が、この場合、浮体の適当な位置に適当な方向を向け
て、ゲート本体を位置決めし且つ上下方向に摺動させる
ための左右で一対となるローラを適当数設けると、ゲー
ト本体のガタツキが無くなると共に、移動時の抵抗が少
ないのでゲート全体が上下方向に滑らかに摺動できてよ
い。ローラの構造は、建造物などに慣用されるものを使
用することができる。
【0021】浮力室は、浮体と同様に多角筒状で且つ金
属板、例えば鋼板から製造することができる。浮力室
は、浮体に流水の衝撃が直接伝わらないように、例えば
浮体全体を取り巻くように設けるとよい。浮力室の大き
さ、形状、材質、数は、本発明の魚道ゲートを適用する
魚道(水路)の大きさや形状によって適宜選択し得る。
浮力室の特に好ましい形状はほぼ三角柱状(直角部を有
する三角柱状)、又はそれらの変形体である。この場
合、三角柱状である浮力室の斜面部が水流と接するた
め、水流から大きな抵抗を受けることがない。なお、所
望により、浮力室を構成する面又は面の一部に曲面を採
用する、即ち、例えば角部を丸めても勿論よい。多角筒
状の浮力室の水面下に底面を設けることができる。
【0022】前記底面は水流方向に沿って設けることが
好ましい。又、底面には取水口及び連通管の開口部を設
けることができる。浮体は浮力室によって流水から保護
されているため、取水口を浮力室の底面に設けると、相
まって、流水の動圧の影響を排除し得る。取水口の大き
さや形状は適宜選択する。取水口を設ける位置は、なる
べく静圧のみの影響を受けるように、例えば、流水の澱
み域にするとよい。又、流水中には魚、藻、流木等の異
物が種々混在しているため、これらの異物が取水口から
浮力室内に入らないように、又、流水の圧力変動を更に
減衰させるために、取水口に水中の異物の除去手段(流
水の圧力変動の減衰手段でもある)、具体的には例えば
特殊スクリーン(例えば、入口から出口に向かって径が
徐々に減少する貫通孔が多数設けられたスクリーンな
ど)又は同種機能を有する金物を設けることが好まし
い。
【0023】連通管は、左右の浮力室を連通して左右の
浮力室を同一静水圧とし得るものであればよい。連通管
の大きさ(外径,内径,長さ)、形状(例えば、円形チ
ューブ,多角形チューブ)、材質(例えば、鋼,プラス
チック)、数は、浮力室の大きさ、形状、材質、数によ
って最適に選択する。
【0024】本発明の魚道ゲートは、ノルウェー式魚道
(魚道水路を横切る形態で設けられた隔壁の上部に形成
された切欠き部の真下に潜口が形成されている魚道)に
適応させて考えられたものである。本発明の魚道ゲート
を適用するための好ましい魚道水路としては、例えば、
水流方向に垂直な方向の断面がコ字型であり且つ水流を
垂直に横切る形態で中央上部に切欠き部が設けられた隔
壁を有する魚道水路が挙げられる。この場合例えば、扉
体を、前記隔壁の切欠き部に扉体の切欠き部が対向する
ように配置し、浮力室を、魚道水路の隔壁面と側壁面と
を構成面の一部として利用して形成し、水面下に底面を
水流方向に沿って設け、該底面に取水口及び連通管の開
口部を設け、該取水口を、魚道水路の隔壁面と側壁面と
がなす角部の近傍に配置し、連通管を、水平部分が地表
下に埋設された形態で設けた魚道ゲートが、実用上都合
がよい。
【0025】前記の魚道ゲートにおいて、浮力室と扉体
との間隙は、適当な部材によって閉鎖しないと浮力室内
の水位を所定位置に保つことができないので、例えば弾
性部材によって閉鎖するとよい。弾性部材としては、シ
ール機能を有するゴム(天然ゴム及び合成ゴム)又は合
成樹脂(例えば、ポリウレタン樹脂や軟質ポリ塩化ビニ
ル樹脂等)が好ましく、これらを単独又は組み合わせて
使用してよい。或いはシール材として好適なように特定
形状に形成されたもの、例えば前記のゴム又は合成樹脂
で形成されたブラシ又は平板も好ましい。弾性部材の大
きさや数は適宜選択してよい。
【0026】前記の魚道ゲートにおいて、隔壁の中央下
部に切欠き部を設けると、例えば底生魚のための潜口を
形成することができる。潜口の大きさ、形状、数、位置
は、扉体の上部に設ける前記切欠き部と同様、適宜選択
することができる。扉体の上部に設ける切欠き部と同様
に、扉体の下部に設ける切欠き部(潜口)においても、
切欠き部は扉体の下部の中央部(水路中心線)に設けて
もよいし、又は、中央部から左右の何れかに偏って設け
てもよい。潜口は、隔壁の中央下部に切欠き部を設ける
ことによって直接形成してもよいし、又は、所定の大き
さ及び形状の切欠き部を設けた板状部材(例えば、鋼
板)を予め形成した隔壁の中央下部の切欠き部に装着す
ることによって形成してもよい。後者の場合、切欠き部
のエッジ部の両側を削って鋭くすると水の切れがよくな
る。浮力室の底面を前記切欠き部の上端近傍の位置に配
置すると、潜口を通過する魚が浮力室によって妨げられ
なくてよい。
【0027】前述の事柄以外に、必要に応じて又は所望
により、本発明の目的を達成し得る範囲内で、本発明の
魚道ゲート及びそれを適用する魚道装置には慣用の種々
の付帯設備又は付帯器具を装着させることができる。
【0028】
【作用】本発明の魚道ゲートにおいて、浮体は扉体を左
右から均等に支え、水位の変動に従って扉体を自動的に
上下させる。浮体は、浮力室によって水流の流量変動や
圧力変動による衝撃から保護されている。又、浮力室に
は水の取入口から水が自然に適量導入されて浮体が浮遊
している水面の水位の調節がなされ、且つ左右の浮力室
は連通管によって互いに連通されているので、左右の浮
力室の水位のバランスが常に保たれている。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳述する。なお、下記実施例は単に本発明を説明する
ためのみのものであり、何等の限定的な意味を有するも
のではない。
【0030】実施例1 図1に、本発明の実施例1の水位追従型フロート式魚道
ゲートのゲート本体26を示す。図1は前記ゲート本体
26を上方から見た図である。扉体27は一枚の鋼板か
ら形成されており、水流方向に見て中央部からやや右側
(図面下側)に切欠き部28が設けられている。切欠き
部28の幅Lは適宜選択する。扉体27の前面(図面右
側)には、上部に切欠き部が設けられた水密板29が装
着されている。扉体27の両側には左右で一対となる浮
体30,31が形成されている。浮体30に関しては上
方から見た説明図を示すが、浮体30の上面にはマンホ
ール32が形成されている。又、浮体30の上面近傍に
は、水流と直交する方向の回転軸を有するローラ33,
34(これらの下方にも各1個ある)が取り付けられて
いる。浮体31に関しては内部の説明図を示すが、浮体
31の内部には補強用鋼板35が補強材36によって取
り付けられている。又、浮体31の側面には、水流方向
の回転軸を有するローラ37,38(これらの下方にも
各1個ある)が取り付けられている。
【0031】図2は、図1をA方向から見た説明図(浮
体30の側面の説明図)である。浮体30は、図2中破
線で一部示す厚さを有する鋼板で、両端が閉鎖された四
角筒状に形成されている。切欠き部28の高さHは適宜
選択する。又、図1には示さなかったが、ローラ34
(上下各1個)の間にも、水流方向の回転軸を有するロ
ーラ39(計2個)がある。浮体31の側面にも、浮体
30の側面に設けられたローラと同様のローラが同数設
けられている。
【0032】図3は、図1をB方向から見た説明図であ
る。水密板29を斜線で示す。水路中心線40と切欠き
部中心線41(切欠き部28の中心線)との間の距離M
は適宜選択する。図4は、図1をC方向から見た説明図
である。浮体30,31の傾斜した側面を、図中多数の
縦線を記して示す。ローラ33,37(浮体30側のも
ののみを示す)は、水路壁面42に設けられた溝の内面
に各々当接して、ゲート本体26を位置決めし且つゲー
ト本体26が上下方向に滑らかに摺動することを可能と
している。ローラ34,38(浮体31側のもののみを
示す)もローラ33,37及びローラ39(図示せず)
と同様に、ゲート本体26を位置決めし且つゲート本体
26を上下方向に滑らかに摺動させる役割を担ってい
る。図4において斜線を付した箇所は、後述の間隙閉鎖
用ブラシの当接箇所である。
【0033】図5は、図1のゲート本体26を含む本発
明の魚道ゲート43をノルウェー式魚道に適用した状態
を示す説明図である。図5は、魚道水路44を上方から
見た状態を示す。魚道水路44は、水流方向に垂直な方
向の断面がコ字型であり且つ水流を垂直に横切る形態で
中央上部に切欠き部45が設けられた隔壁46(所定間
隔で配置されている)を有している。ほぼ各隔壁46毎
に、魚道ゲート43が配置されている。魚道ゲート43
において、扉体27は、隔壁45の切欠き部44に扉体
の切欠き部28が対向するように配置されている。
【0034】図3の如く水路中心線40と切欠き部中心
線41とは距離Mだけ隔たっているので、図5において
は、水流(その中心)は図中矢印の如く、各隔壁46の
切欠き部45を通過する場合に、水路中心線40に対し
て左右(図中上下)に交互に変移する。それ故、多数の
隔壁46を通過しても、水流(表面流)が漸次加速され
ることはない。
【0035】図6は、図5をD方向から見た説明図であ
る。説明の都合上、隔壁46に上流側から順にI,II,
III ,IV,Vと番号を付けた。Iの隔壁46からVの隔
壁46に至るまでの間に、水流の水位は、上限水位47
から下限水位48まで低減される。各隔壁46の中央下
部にも切欠き部49が設けられており、魚のための潜口
を形成している。
【0036】図7は、図6のIの隔壁46を下流側から
見た説明図である。切欠き部49には、所望の切欠き部
50を設けた潜口用鋼板51が取り付け具52によって
取り付けられている。この場合、切欠き部50は水路中
心線40に対して図中右側に偏って設けられている。図
8は、図6のIII の隔壁46を下流側から見た説明図で
ある。隔壁46の高さが図7に比べて低くなっている
(上限水位47と下限水位48との差が小さくなってい
る)外は、基本的に図7と同様である。III の隔壁46
においても、切欠き部50は水路中心線40に対して図
中右側に偏って設けられている。図示しないが、IIの隔
壁46においては、切欠き部50は水路中心線40に対
して図中左側に偏って設けられている(すなわち、潜口
用鋼板51は交互に、180°向きを変えて隔壁46の
切欠き部49に取り付けられている)。このため、切欠
き部50を通過する水流も、水路中心線40に対して左
右に交互に変移するので、多数の隔壁46を通過して
も、水流(底流)が漸次加速されることはない。
【0037】実施例2 図9は、本発明の実施例2の水位追従型フロート式魚道
ゲート53の説明図であり、実施例1における図6の部
分拡大図に相当する図である。実施例2は、扉体の切欠
き部が、第一の切欠き部を設けた板状部材を予め扉体に
設けた第二の切欠き部に装着することにより設けられた
こと以外は、実施例1の魚道ゲート43と同じである。
それ故、まだ説明していない部材及び実施例1の魚道ゲ
ートとの相違点のみを説明する。
【0038】魚道ゲート53において、扉体54には切
欠き部を設けた板状部材55が装着されている。隔壁4
6の上端部には、上限ストッパー56が取り付け具57
によって取り付けられており、ゲート本体58の上限を
規制している。浮力室59内に収納されたゲート本体5
8の下限は、下限ストッパー60によって規制されてい
る。浮力室59はその底部が補強材61によって支持さ
れており、浮力室59の底板には取水口62、及び左右
の浮力室59を連通する連通管63の開口部が設けられ
ている。
【0039】図10は、図9をE方向から見た図であ
る。取水口62には、水中の異物を除去し且つ流水の圧
力変動を減衰又は吸収するための手段として、特殊スク
リーン64(又は同種機能を有する金物)が装着されて
いる。溝65には、ローラ(図2におけるローラ33,
37:図示せず)が嵌合される。溝65内のローラの当
接部には戸当たり66(例えば鋼板製,一箇所のみ図示
する)が設けられている。
【0040】図10の一点鎖線で囲んだVI部を拡大した
説明図を図11に示す。ローラ39は戸当たり66の一
部に当接して摺動する。又、戸当たり66の曲面部分
は、浮力室59への流水の衝撃を緩和する。
【0041】図12は、図10の一点鎖線で囲んだVII
部を拡大した説明図である。図12(1−a)は、間隙
閉鎖用のゴムブラシ67(水密ゴムを用いてもよい)が
扉体54に当接している箇所の状態を示す。ゴムブラシ
67は、ゴム抑え68と取り付け具69を用いて浮力室
側鋼板70に取り付けられている。この場合、扉体54
と隔壁46との間には、水密板29及び水密ゴム71が
存在する。水密ゴム71は、ゴム抑え72と取り付け具
73を用いて水密ゴム取り付け鋼板74に取り付けられ
ている。図12(1−b)は、図12(1−a)をJ方
向から見た図である。図12(2−a)は、間隙閉鎖用
のゴムブラシ67が扉体54に当接していない箇所の状
態を示す。この場合、ゲート本体58(図中、一点鎖線
で示す)は上方に位置し、ゴムブラシ67は水密ゴム取
り付け鋼板74に当接している。図12(2−b)は、
図12(2−a)をK方向から見た図である。扉体54
の下端部は、ゴムブラシ67と水密ゴム取り付け鋼板7
4との間に容易に割り込めるように斜めに切欠いてあ
る。
【0042】図13は、図10の一点鎖線で囲んだVIII
部を拡大した説明図である。潜口用鋼板51のエッジ部
(端面)は、例えば図13の如く端面を三つの部分に分
けた場合に、その両側の部分を水路中心線(又は、これ
に平行な線)とθの角度をなすように削ると、水の切れ
がよくなる。角度θは、0°〜90°の範囲内で適宜選
択するとよい。
【0043】図14は、図10をF点で上流側から見た
説明図である。連通管63の水平部分は魚道水路44内
(コンクリート内)に埋設されている。図14の一点鎖
線で囲んだIX部分に対応する実施例1の部分の拡大した
説明図を図15に示す。この場合の扉体27について
も、図13の場合と同様のことが言える。
【0044】図16は図14の扉体54の切欠き部周辺
を拡大した説明図である。図16は、実施例2におい
て、第一の切欠き部を設けた板状部材75を扉体54に
溶接することにより装着した例を示す。図17は、図1
6の一点鎖線で囲んだX部を拡大した説明図である。板
状部材75と扉体54とは、溶接部76で溶接により接
合されている。この場合の板状部材75についても、図
13の場合と同様のことが言える。
【0045】図18は、図10をG点で上流側から見た
説明図である。水密ゴム71は、隔壁46の切欠き部4
5の周囲にコ字型に設けられている。又、水密ゴム取り
付け鋼板74は、水密ゴム71の下方の隔壁46上に二
列に並んで設けられている。
【0046】
【発明の効果】本発明の水位追従型フロート式魚道ゲー
トは、前述の如き構成を有するため、構造が簡単であ
り、製造や魚道への設置を容易に行うことができる。
又、水位の変動に容易に自動的に追従するため、特に駆
動源を必要としない。更に、流水量や流水圧の変動の影
響を受け難いため、魚のための水路を自動的且つ正確に
調整することができると共に、扉体を上昇又は下降させ
るための重要部品である浮体が浮力室によって流水から
保護されているので、流水中の流木などの異物によって
浮体が損傷することがない。それ故、本発明の魚道ゲー
トを魚道に適用した場合には、河川上流側の水位が季節
的又は人為的に変動した場合でも、魚が遡上又は降下す
るための安定した水理の魚道を常に確保することができ
るので、河川の自然環境が保護される。
【0047】本発明の魚道ゲートにおいては流れ部分で
の堆砂は少なく、又、例え澱み部分で堆砂があっても、
浮体が浮力室で保護されているため、従来の魚道ゲート
に比べて、堆砂の状態に影響されることは少ない。
【0048】本発明の魚道ゲートにおいて、切欠き部
を、扉体の上部の中央から左右何れかに偏って設ける
と、切欠き部を通過する流れが魚道ゲート毎に左右に振
れ、その結果、扉体の上部の中央に切欠き部を設けた場
合のように、下流に行くに従って切欠き部を通過する流
れが加速されることがないので、魚が遡上又は降下し易
い。
【0049】切欠き部を、第一の切欠き部を設けた板状
部材を扉体の第二の切欠き部に装着することにより設け
ると、第二の切欠き部を設けた単一規格の扉体を使用す
ることができると共に、第一の切欠き部を設けた板状部
材の性状(第一の切欠き部の位置、大きさ、形状等)を
適宜変化させ得るので、扉体の上部の所望の位置(例え
ば、水路中心から左右何れかに偏っている)に種々の大
きさや形状を持った切欠き部を容易に得ることができ
る。
【0050】扉体を一枚の鋼板から形成すると、扉体の
製造が容易になると共に、軽量な扉体を製造することが
できるので、水位の変動に伴うゲートの上下の移動が滑
らかである。又、扉体の厚さを薄くすることができる
(流れ方向の幅を薄くすることができる)ので、扉体の
上部に設けられた切欠き部を通過する水の切れがよくな
る。又、流水からの扉体の受圧幅は中央部の一枚の鋼板
の厚さのみであるため、流水の流動状態の変化(例え
ば、水位変動、流量変動、圧力変動)を受け難く、ガタ
ツキが少ない。更に、扉体の厚さを薄くすることができ
るので、扉体の厚さ方向に流木などのゴミが溜まり難
い。
【0051】扉体の中央部を別の鋼板で補強すると、扉
体の重量をあまり増大させることなく、流れの圧力に対
する扉体の剛性を増大させることができる。
【0052】浮体を鋼板から形成し、該浮体の形状を、
両端が閉鎖された多角筒状とすると製造が容易であり、
耐久性に優れ且つ比較的軽量な浮体を容易に製造するこ
とができる。
【0053】浮体の上端面に蓋付きの開口部を設ける
と、開口部から人が浮体内に出入りしたり又は開口部か
ら内部の様子を見ることができるので、浮体の保守・点
検が容易となる。
【0054】浮体に、ゲート本体を位置決めし且つ上下
方向に摺動させるためのローラを設けると、ゲート本体
が正確に位置決めされるので、ゲート本体の上下移動に
伴うガタツキがなくなり、又、ゲート全体の上下方向の
移動に伴う抵抗が低減されるため、浮力のみでゲート全
体を上下方向に滑らかに摺動させることができる。
【0055】浮力室が鋼板からなり、該浮力室の形状
が、水面下に底面を有する一端が閉鎖された多角筒状で
あると、浮体の形状に合わせて浮力室を容易に形成する
ことができる。又、水面下の底面の取水口から、静水圧
のみにて水を浮力室内に導入することができる。
【0056】更に、前記浮力室において、底面が水流方
向に沿って設けられており、該底面に取水口及び連通管
の開口部が設けられていると、左右の浮力室内に導入さ
れた水が連通管によって均衡されるので、左右の浮力室
の位置のズレが自動的に補正される。
【0057】取水口に、水中の異物を除去し且つ流水の
圧力変動を減衰又は吸収するための手段を設けると、水
中の異物が浮力室内に入ることがないので、水中の異物
による浮力室内の閉塞などの不具合がない。又、取水口
から水が浮力室内に導入される際に水の動圧が減衰又は
吸収される。
【0058】水中の異物を除去し且つ流水の圧力変動を
減衰又は吸収するための手段として特殊スクリーン又は
同種機能を有する金物を使用すると、これらを取水口に
単に装着するのみでよいので、保守・点検が容易であ
る。又、市販品をそのまま使用することができる。
【0059】魚道水路が、水流方向に垂直な方向の断面
がコ字型であり且つ水流を垂直に横切る形態で中央上部
に切欠き部が設けられた隔壁を有し、扉体が、該隔壁の
切欠き部に扉体の切欠き部が対向するように配置され、
浮力室が、魚道水路の隔壁面と側壁面とを構成面の一部
として利用して形成され、水面下に底面が水流方向に沿
って設けられており、該底面に取水口及び連通管の開口
部が設けられ、該取水口は魚道水路の流水の澱み域に配
置され、連通管が、水平部分が地表下に埋設された形態
で設けられている、本発明の水位追従型フロート式魚道
ゲートは、前記各部の長所を兼ね備えているので、総合
的に見て好ましい。
【0060】浮力室と扉体との間隙を弾性部材によって
閉鎖すると、扉体が上下動した場合でも浮力室と扉体と
を充分に密閉することができる。
【0061】弾性部材がゴム又は合成樹脂、或いはゴム
又は合成樹脂で形成されたブラシ又は平板であると、間
隙の種々の大きさや形状に合致したシール部材として容
易に使用することができる。
【0062】本発明の水位追従型フロート式魚道ゲート
をノルウェー式魚道に適用した場合には、ノルウェー式
魚道の利点をそのまま残すことができる。すなわち、魚
道水路の隔壁の中央下部に切欠き部を設けると、これは
魚の潜口として役立ち、扉体の上部に設けられた切欠き
部と相まって、魚が遡上又は降下するための良好な通路
が形成される。又、潜口を通じて上流又は下流まで見通
せるので、底生魚の方向視認性がよく、例えば従来のフ
ロート昇降式魚道ゲートよりも有利であり、底生魚の遡
上及び降下の効率がよい。
【0063】魚道水路の隔壁の中央下部の切欠き部を、
第一の切欠き部を設けた板状部材を予め隔壁の中央下部
に設けた第二の切欠き部に装着することにより設ける
と、前記切欠き部の位置、大きさ及び形状を所望に選択
することができる。例えば、前記切欠き部を、隔壁の中
央から左右何れかに偏って設けることができ、この場
合、切欠き部を通過する流れが魚道ゲート毎に左右に振
れ、その結果、下流に行くに従って切欠き部を通過する
流れが加速されることがないので、魚が遡上又は降下し
易い。又、前記板状部材の厚さを薄くすることができる
ので、板状部材の厚さ方向に流木などのゴミが溜まり難
い。
【0064】魚道水路の隔壁の中央下部に切欠き部を設
け、且つ浮力室の底面を前記切欠き部の上端近傍の位置
に配置すると、浮力室の底面の下方に水の澱み部分が形
成され、これが魚の休息場所となるので好ましい。又、
この場合、隔壁の中央下部の切欠き部(潜口)の周辺に
水路の幅方向に部分的な堆砂が生じても、扉体を例えば
一枚鋼板で下端のエッジ部を鋭く形成することができる
ので、上下水位差により生じる水流(水路の表面近傍か
ら扉体の下端をすり抜けて潜口を通って流れる水流)に
よって排砂することができ、底生魚の遡上又は降下が容
易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の水位追従型フロート式魚道
ゲートのゲート本体を上方から見た説明図である。
【図2】図1をA方向から見た説明図である。
【図3】図1をB方向から見た説明図である。
【図4】図1をC方向から見た説明図である。
【図5】図1のゲート本体を含む本発明の魚道ゲートを
ノルウェー式魚道に適用した状態を示す説明図である。
【図6】図5をD方向から見た説明図である。
【図7】図6のIの隔壁を下流側から見た説明図であ
る。
【図8】図6のIII の隔壁を下流側から見た説明図であ
る。
【図9】本発明の実施例2の水位追従型フロート式魚道
ゲートの説明図である。
【図10】図9をE方向から見た図である。
【図11】図10の一点鎖線で囲んだVI部を拡大した説
明図である。
【図12】図10の一点鎖線で囲んだVII 部を拡大した
説明図である。
【図13】図10の一点鎖線で囲んだVIII部を拡大した
説明図である。
【図14】図10をF点で上流側から見た説明図であ
る。
【図15】図14の一点鎖線で囲んだIX部分に対応する
実施例1の部分の拡大した説明図である。
【図16】図14の扉体の切欠き部周辺を拡大した説明
図である。
【図17】図16の一点鎖線で囲んだX部を拡大した説
明図である。
【図18】図10をG点で上流側から見た説明図であ
る。
【図19】パワーシュート式魚道ゲートの一例の斜視図
である。
【図20】図19のパワーシュート式魚道ゲートの上面
図である。
【図21】図19のパワーシュート式魚道ゲートを側方
から見た説明図である。
【図22】フロート昇降式魚道ゲートの一例の破断斜視
図である。
【図23】図22のフロート昇降式魚道ゲートの作動原
理を示すための説明図である。
【符号の説明】
1:パワーシュート式魚道ゲート 2:固定式魚
道 3:フロート室 4:制水ゲー
ト 5:予備ゲート 6,18,4
6:隔壁 7:魚道用入水堰 8:フロート
室入水用越流堰 9:回転軸 10:前面止
水ゴム 11:後面止水ゴム 12:魚道部 13:ダム貯水位 14:下流側
水位 15:フロート室水位 16:オリフ
ィス 17:潜口 19,44:
魚道水路 20:支柱 21:ゲート
部 22:フロート部 23:フロー
ト昇降式魚道ゲート 24:凹所 25:魚道水
位 26,58:ゲート本体 27,54:
扉体 28,45,49,50:切欠き部 29:水密板 30,31:浮体 32:マンホ
ール 33,34,37,38,39:ローラ 35:補強用
鋼板 36,61:補強材 40:水路中
心線 41:切欠き部中心線 42:水路壁
面 43,53:魚道ゲート 47:上限水
位 48:下限水位 51:潜口用
鋼板 52,57,69,73:取り付け具 55,70:
板状部材 56:上限ストッパー 59:浮力室 60:下限ストッパー 62:取水口 63:連通管 64:特殊ス
クリーン 65:溝 66:戸当た
り 67:ゴムブラシ 68,72:
ゴム抑え 70:浮力室側鋼板 71:水密ゴ
ム 74:水密ゴム取り付け鋼板 75:板状部
材 76:溶接部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に切欠き部が設けられた扉体及び該
    扉体の左右に各々連結された左右で一対となる浮体から
    なるゲート本体と、該浮体が水に浮遊した状態で該浮体
    を収納する左右で一対となる浮力室とが魚道水路に備え
    られてなり、 該浮力室の水面下部分に取水口が設けられ、左右の浮力
    室は連通管によって互いに連通され、且つ該連通管の開
    口部は左右の浮力室の水面下部分に設けられたことを特
    徴とする水位追従型フロート式魚道ゲート。
  2. 【請求項2】 切欠き部が、扉体の上部の中央から左右
    何れかに偏って設けられたことを特徴とする請求項1記
    載の水位追従型フロート式魚道ゲート。
  3. 【請求項3】 切欠き部が、第一の切欠き部を設けた板
    状部材を予め扉体に設けた第二の切欠き部に装着するこ
    とにより設けられたことを特徴とする請求項1記載の水
    位追従型フロート式魚道ゲート。
  4. 【請求項4】 扉体が一枚の鋼板からなることを特徴と
    する請求項1記載の水位追従型フロート式魚道ゲート。
  5. 【請求項5】 扉体の中央部が別の鋼板で補強されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の水位追従型フロート式魚
    道ゲート。
  6. 【請求項6】 浮体が鋼板からなり、該浮体の形状が、
    両端が閉鎖された多角筒状であることを特徴とする請求
    項1記載の水位追従型フロート式魚道ゲート。
  7. 【請求項7】 浮体の上端面に蓋付きの開口部が設けら
    れたことを特徴とする請求項6記載の水位追従型フロー
    ト式魚道ゲート。
  8. 【請求項8】 浮体に、ゲート本体を位置決めし且つ上
    下方向に摺動させるためのローラが設けられたことを特
    徴とする請求項1記載の水位追従型フロート式魚道ゲー
    ト。
  9. 【請求項9】 浮力室が鋼板からなり、該浮力室の形状
    が、水面下に底面を有する一端が閉鎖された多角筒状で
    あることを特徴とする請求項1記載の水位追従型フロー
    ト式魚道ゲート。
  10. 【請求項10】 底面が水流方向に沿って設けられてお
    り、該底面に取水口及び連通管の開口部が設けられたこ
    とを特徴とする請求項9記載の水位追従型フロート式魚
    道ゲート。
  11. 【請求項11】 取水口に、水中の異物を除去し且つ流
    水の圧力変動を減衰又は吸収するための手段が設けられ
    たことを特徴とする請求項1記載の水位追従型フロート
    式魚道ゲート。
  12. 【請求項12】 水中の異物を除去し且つ流水の圧力変
    動を減衰又は吸収するための手段が、特殊スクリーン又
    は同種機能を有する金物であることを特徴とする請求項
    11記載の水位追従型フロート式魚道ゲート。
  13. 【請求項13】 魚道水路が、水流方向に垂直な方向の
    断面がコ字型であり且つ水流を垂直に横切る形態で中央
    上部に切欠き部が設けられた隔壁を有し、 扉体が、該隔壁の切欠き部に扉体の切欠き部が対向する
    ように配置され、 浮力室が、魚道水路の隔壁面と側壁面とを構成面の一部
    として利用して形成され、水面下に底面が水流方向に沿
    って設けられており、該底面に取水口及び連通管の開口
    部が設けられ、該取水口は流水の澱み域に配置され、 連通管が、水平部分が地表下に埋設された形態で設けら
    れている、ことを特徴とする請求項1記載の水位追従型
    フロート式魚道ゲート。
  14. 【請求項14】 浮力室と扉体との間隙が弾性部材によ
    って閉鎖されていることを特徴とする請求項13記載の
    水位追従型フロート式魚道ゲート。
  15. 【請求項15】 弾性部材がゴム又は合成樹脂、或いは
    ゴム又は合成樹脂で形成されたブラシ又は平板であるこ
    とを特徴とする請求項14記載の水位追従型フロート式
    魚道ゲート。
  16. 【請求項16】 隔壁の中央下部に切欠き部が設けられ
    たことを特徴とする請求項13記載の水位追従型フロー
    ト式魚道ゲート。
  17. 【請求項17】 切欠き部が、第一の切欠き部を設けた
    板状部材を予め隔壁の中央下部に設けた第二の切欠き部
    に装着することにより設けられたことを特徴とする請求
    項16記載の水位追従型フロート式魚道ゲート。
  18. 【請求項18】 隔壁の中央下部に切欠き部が設けら
    れ、且つ浮力室の底面が前記切欠き部の上端近傍の位置
    に配置されたことを特徴とする請求項13記載の水位追
    従型フロート式魚道ゲート。
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