JPH08232208A - 船舶旅客搭乗橋 - Google Patents

船舶旅客搭乗橋

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JPH08232208A
JPH08232208A JP6350395A JP6350395A JPH08232208A JP H08232208 A JPH08232208 A JP H08232208A JP 6350395 A JP6350395 A JP 6350395A JP 6350395 A JP6350395 A JP 6350395A JP H08232208 A JPH08232208 A JP H08232208A
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貞男 古川
Kenji Iwamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相手船舶90の左右振れや前後動に対しても
支障なく対応して確実に接続することができる。 【構成】 陸上側に水平旋回可能に設けた旋回部23
と、これに接続して俯仰可能に設けた俯仰部31と、そ
の先端部に先方へ出没又は伸縮可能に設けた伸縮部41
と、その先端部に平面回動可能に設けて相手船舶の嵌合
手段92に対する嵌合手段53を有する可動渡り板55
とからなる。また、可動渡り板55の下面に相手船舶の
舷側に当接するように船側当板56を設け、この船側当
板を相手船舶の舷側に当接させるように伸縮部41を押
し出す押出し手段46を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、船舶への旅客乗降場
所(ターミナルビル)と船舶との間にかけ渡して旅客乗
降の便に供する船舶旅客搭乗橋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の船舶旅客搭乗橋を示し、
(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は先端部の断
面図である。ターミナルビル11に接続して旋回駆動装
置12で水平旋回可能な旋回可動床23が設けられ、旋
回可動床23には俯仰軸39で接続されて俯仰可能なフ
ード34付きの俯仰通路31が設けられ、俯仰通路31
はウインチ37で巻込み巻出しされるロープ38によっ
て俯仰軸39を中心として俯仰可能である。俯仰通路3
1の先端部には先方へ出没又は伸縮可能に伸縮通路41
が設けられている。この船舶旅客搭乗橋を岸壁16に接
岸係留した相手船舶90に掛け渡し、相手船舶90の舷
側に船首尾方向に設けられている突起9pに伸縮通路4
1の裏面の溝4sを嵌合させて、陸上側のターミナルビ
ル11と相手船舶90との間に旅客用通路が形成され、
船舶の旅客乗降の便に供される。
【0003】接岸中の船舶でも、人の乗降、物の載卸、
波等により、船舶の位置や姿勢の変動があるが、図2
(A)に示すような相手船舶90の横移動、図2(B)
に示すような上下動、また、左右傾斜,横揺れに対し
て、伸縮通路41の出没又は伸縮と俯仰通路31の俯仰
とによって対処することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の船舶旅客搭乗橋
は上記のようであり、図2(A)に示すような横移動、
図2(B)に示すような上下動、また、左右傾斜,横揺
れに対しては、伸縮通路41の伸縮と俯仰通路31の俯
仰とによって対処することが可能であるが、図2(C)
に示すような相手船舶90の船首尾線を左右に振る動
き、又は、図2(D)に示すような前後動に対しては、
旋回可動床23の旋回と、俯仰通路31の俯仰と、伸縮
通路41の伸縮とによっても、図3に示す伸縮通路41
の溝4sと相手船舶90の突起9pとの角度が一致しな
くなり、また、伸縮通路41が相手船舶90に対して前
後に位置が移動して、嵌合する伸縮通路41の溝4sと
相手船舶90の突起9pのいずれか、又は、相手船舶9
0の船体又はこの船舶旅客搭乗橋に破損等が生じるおそ
れがあるというような問題があった。なお、相手船舶9
0の6自由度の動きの残る一つである船首尾線の上下方
向角度が変動する動きは一般に角度も小さく殆ど問題は
ない。
【0005】この発明は上記課題を解消するためになさ
れたもので、相手船舶の左右角度振れや前後動に対して
も支障なく対応することができて、旅客を安全に乗降さ
せることができる船舶旅客搭乗橋を得ることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る船舶旅客
搭乗橋は、陸上側に水平旋回可能に設けられた旋回部
と、この旋回部に接続して俯仰可能に設けられた俯仰部
と、この俯仰部の先端部に先方へ出没又は伸縮可能に設
けられた伸縮部と、この伸縮部の通路の先端部に平面回
動可能に設けられて相手船舶に対する嵌合手段を有する
可動渡り板とからなるものである。また、前記嵌合手段
を出没可能としたものである。また、前記可動渡り板の
下面に船側当板を着設し、この船側当板を相手船舶の舷
側に当接させるように前記伸縮部を押し出す押出し手段
を設けたものである。
【0007】
【作用】この発明における船舶旅客搭乗橋は、相手船舶
が位置姿勢の変動をしたとき、旋回部が水平旋回してこ
の搭乗橋全体の水平方向の角度を調整し、俯仰部が俯仰
してそれより先方の部材の上下方向の角度位置を調整
し、伸縮部が出没又は伸縮して、その先端の可動渡り板
の相手船舶との距離を調整し、可動渡り板は平面回動し
て相手船舶との相対角度を一致させる。これにより、可
動渡り板の嵌合手段を相手船舶の嵌合手段に無理なく嵌
合させることができる。船側当板は、この船舶旅客搭乗
橋を相手船舶に掛け渡すとき、可動渡り板の相手船舶と
の位置及び角度を規制することにより掛け渡し作業が容
易になる。押出し手段は、伸縮部を押し出して船側当板
を相手船舶の舷側に当接させることにより、掛け渡し作
業を容易にし、この搭乗橋の脱落を防止する。
【0008】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例による船舶旅客搭乗橋
を示し、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は先
端部の断面図である。図1において、11はターミナル
ビル、23はターミナルビル11に連通する覆い付きの
通路である旋回可動床(ターンヘッド)であり、旋回可
動床23は旋回駆動装置12により旋回軸25を中心と
して水平旋回可能に設けられている。旋回駆動装置12
は手動又は電動,油圧等で駆動すればよい。また、旋回
駆動装置12と旋回可動床23との接続を切ったとき
は、旋回可動床23は旋回軸25を中心として自由に回
動することができるように軸受等により支承されてい
る。
【0009】図1に示すように、旋回可動床23には俯
仰軸39で接続されてフード34で覆われた俯仰通路3
1が設けられ、俯仰通路31及びフード34はウインチ
37で巻出し巻込みされるロープ38により俯仰軸39
を中心として俯仰可能に設けられている。また、俯仰通
路31も、この船舶旅客搭乗橋を相手船舶90に掛け渡
した後、相手船舶90が上下に動いたときは、それに従
って俯仰通路31が上下に角度を自由に変えることがで
きる構造となっている。すなわち、ロープ38を緩めれ
ば俯仰通路31の上下角度が自由に変わり得る。必要に
より、又は望ましくは、俯仰通路31が重くて下がる傾
向を相殺するように俯仰通路31を引き上げる傾向のば
ね又はカウンターウエイトを設けるとか、ウインチ37
にロープ38を巻き込む張力を一定に保持する機構(自
動テンション装置)を設けるとかの手段が設けられてい
る。
【0010】図1に示すように、俯仰通路31の先端部
には伸縮幌付きの伸縮通路41が設けられている。伸縮
通路41は入れ子式に俯仰通路31の下面又は上面に没
入し突出する構造となっており、乗客の乗降の歩行の安
全のために、俯仰通路31の上面と伸縮通路41の上面
とは段差をなるべく小さくするように形成されている。
伸縮通路41の出没伸縮する長さは相手船舶や環境条件
等によって異なる長さ範囲に十分対応することができる
ように決定されている。
【0011】図1に示すように、俯仰通路31の床下と
伸縮通路41の床下との間に伸縮通路41を先方(図の
右方)へ押し出すように押出しばね46が設けられてい
る。押出しばね46は圧縮状態と伸長状態とで押し出し
力にあまり大きな差がないように形成されている。ま
た、伸縮通路41を手前(図の左方)へ押出しばね46
を圧縮して引き込むことができるように、図示しない引
き込み装置が設けられている。この引き込み装置は手動
でも電動等でもよい。また、この引き込み装置は解除す
ることができ、解除すれば伸縮通路41は押出しばね4
6の力によって常に先方へ押し出されている状態にな
る。
【0012】図1に示すように、伸縮通路41の先端部
の上面には、回動軸54を中心として平面回動可能に可
動渡り板55が設けられている。可動渡り板55の下面
には船側当板56が取り付けられている。船側当板56
の幅及び下方への突出長さは、この船舶旅客搭乗橋を相
手船舶90に掛け渡しするとき、相手船舶90への所定
関係位置に案内する役目を容易に果たすことができるよ
うに決定されている。また、船側当板56の相手船舶9
0の船側96に当接する面には船側96の塗装等を損傷
させないように適当なクッションが取り付けられてい
る。
【0013】また、図1に示すように、可動渡り板55
の両側には、相手船舶90に設けられている突起部92
に嵌合するように形成された嵌合部53が設けられてい
る。相手船舶90の突起部92は、例えば舷門(船舶の
出入り口)の支柱のような構造物でもよく、嵌合部53
は可動渡り板55から両横方に出没式として、嵌合部5
3を突出させて突起部92に嵌合させたときはピン等で
固定する構造として、相手船舶90と可動渡り板55と
が一体的になるような構成となっている。
【0014】次に、図1に示す実施例の動作について説
明する。この船舶旅客搭乗橋を使用していないときは、
図示しない引き込み装置により押出しばね46を圧縮し
て伸縮通路41を引き込んだ状態にして、ウインチ37
でロープ38を巻き込んで俯仰通路31を最上方まで持
ち上げる。これで、可動渡り板55の先端が岸壁16よ
り陸上側に引っ込んだ状態になり、船舶の離着岸にこの
船舶旅客搭乗橋が障害とならない。
【0015】船舶が着岸してこの船舶旅客搭乗橋を相手
船舶に掛け渡すときは、図1において、先ず、旋回駆動
装置12で駆動して旋回可動床23を所要方向へ旋回さ
せて、可動渡り板55が相手船舶90の舷門のほぼ上方
にある状態にする。次に、ウインチ37でロープ38を
巻出して俯仰通路31を下げて、可動渡り板55の下面
が相手船舶90の甲板上面より僅かに上方にある状態に
する。次に、伸縮通路41を引き込んでいる図示しない
引き込み装置を緩める。すると、押出しばね46の力に
より伸縮通路41は先方へ押し出され、可動渡り板55
の下面の船側当板56は相手船舶90の船側96に当接
する。このとき、船側当板56の方向と船側96の方向
とが一致していなければ、可動渡り板55は押出しばね
46により先方へ押されているので、自然に可動渡り板
55は回動軸54を中心として回動して船側当板56が
船側96にピッタリ当接するようになる。この状態にな
ったら、嵌合部53を突出させて突起部92に嵌合さ
せ、ロープ38を緩め、旋回駆動装置12と旋回可動床
23との接続を外して、この船舶旅客搭乗橋の水平旋回
及び俯仰を自由にしてやる。これで、相手船舶90の位
置,角度が多少変動しても、それにこの船舶旅客搭乗橋
が追従して、確実な架橋状態を維持して乗客の安全な乗
降を確保する。
【0016】乗客の乗降が完了して相手船舶90が出港
するときは、図1において、嵌合部53を可動渡り板5
5内に引っ込めて突起部92との嵌合を外し、図示しな
い引っ込み装置により押出しばね46を圧縮して伸縮通
路41を俯仰通路31内に引き込み、ウインチ37によ
りロープ38を巻き込んで俯仰軸39を中心として俯仰
通路31を上方へ持ち上げる。これでこの船舶旅客搭乗
橋は相手船舶90から完全に離れて、相手船舶90の移
動に障害とならなくなる。
【0017】次に、上記相手船舶90の位置や姿勢の変
動にこの船舶旅客搭乗橋が追従する動作について説明す
る。図2(A)に示すように、相手船舶90が横方向に
動いたとき、又は横揺れや横傾斜により、結果として相
手船舶90の甲板が横方向に動いたとき、伸縮通路41
が出没伸縮して、可動渡り板55は相手船舶90の甲板
と一体的に動き、陸上側と相手船舶90との接続を確実
に維持して船舶旅客搭乗橋の機能を果たす。また、図2
(B)に示すように、相手船舶90の上下動、又は横揺
れや横傾斜等によって甲板が昇降したときは、俯仰軸3
9を中心として俯仰通路31が俯仰することにより、俯
仰通路31,伸縮通路41及び可動渡り板55が昇降し
て、相手船舶90の昇降に追従する。
【0018】図2(C)に示すように、相手船舶90の
船首尾方向が左右に振れたときは、可動渡り板55が回
動軸54を中心として回動することによって、可動渡り
板55の相手船舶90に対する関係位置は不変であり、
陸上と相手船舶90とを接続する船舶旅客搭乗橋の機能
を確実に保持することができる。小形のフェリーボート
等では船首尾方向が左右に振れる角度が大形船に比べて
比較的大きいが、従来の船舶旅客搭乗橋では、図2
(C)に示すような相手船舶90の動きに対する対応が
困難であり、嵌合部が破損することもあった。これに対
して、この発明による船舶旅客搭乗橋では、可動渡り板
55が回動軸54を中心として回動することによって、
相手船舶90の角度変動に対応する。なお、旋回可動床
23の旋回では船舶との嵌合部の角度変動には対応する
ことができない。
【0019】図2(D)に示すように、相手船舶90が
前後動をする場合でも、従来は対応が不可能であった
が、この発明による船舶旅客搭乗橋では、旋回可動床2
3が旋回して角度を変えると共に、可動渡り板55が回
動軸54を中心として回動して角度を変えることによ
り、全く問題なく平行移動に対応することができる。
【0020】なお、相手船舶90の船首尾線が上下方向
に角度を変える動きに対しては、従来のものの動作と同
様であるが、この発明による船舶旅客搭乗橋では、可動
渡り板55の船側当板56が相手船舶90の船側96に
当接しているので、この船舶旅客搭乗橋が相手船舶90
から外れるというようなことが確実に防止される。
【0021】なお、上記実施例の説明において、図1
(B)に示すように、伸縮通路41を先方へ押し出す手
段として押出しばね46を設けた構成について説明した
が、適当な重さの錘をこの船舶旅客搭乗橋に吊り下げて
設け、この錘の下降力を滑車とロープを介して伸縮通路
41の押し出し力として用いることもできる。41の押
出し手段として、押出しばね46を用いればコンパクト
になるが、錘式にすれば一定の押出し力で押し出すこと
ができる。また、ウインチ37に代えて、又はと共に、
錘(カウンターウエイト)の下降力を滑車とロープを介
して俯仰通路31を引き上げる俯仰引き上げ手段を設け
ることもできる。また、可動渡り板55と相手船舶90
との嵌合手段は船側を凹、搭乗橋側を凸とすることもで
きる。
【0022】なお、この発明による船舶旅客搭乗橋は、
上記図面及び実施例の説明に記載したところに限定され
るものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得るものである。
【0023】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、従来
は対応が不可能であった相手船舶の左右角度の変動や前
後動などの位置や姿勢の変動に対して、伸縮通路の先端
に設けた回動可能な可動渡り板が、このような角度や位
置の変動に対応するので、相手船舶との嵌合部の破損や
離脱などのおそれがなく、確実に接続を確保することが
でき、旅客の安全な乗降に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による船舶旅客搭乗橋を示
し、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は先端部
の断面図である。
【図2】船舶の変動に対する船舶旅客搭乗橋の動作を示
し、(A)は船の横移動を示す図、(B)は船の上下動
を示す図、(C)は船の左右振れを示す図、(D)は船
の前後動を示す図である。
【図3】従来の船舶旅客搭乗橋を示し、(A)は平面
図、(B)は側面図、(C)は先端部の断面図である。
【符号の説明】
11:ターミナルビル、 12:旋回駆動装置、23:
旋回可動床、 25:旋回軸、31:俯仰通路、 3
4:フード、37:ウインチ、 38:ロープ、 3
9:俯仰軸、41:伸縮通路、 46:押出しばね、5
3:嵌合部、 54:回動軸、55:可動渡り板、 5
6:船側当板、90:相手船舶、 92:突起部、 9
6:船側。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陸上側に水平旋回可能に設けられた旋回
    部と、この旋回部に接続して俯仰可能に設けられた俯仰
    部と、この俯仰部の先端部に先方へ出没又は伸縮可能に
    設けられた伸縮部と、この伸縮部の通路の先端部に平面
    回動可能に設けられて相手船舶に対する嵌合手段を有す
    る可動渡り板とからなることを特徴とする船舶旅客搭乗
    橋。
  2. 【請求項2】 前記嵌合手段は出没可能な嵌合手段であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の船舶旅客搭乗橋。
  3. 【請求項3】 前記可動渡り板の下面に船側当板を着設
    し、この船側当板を相手船舶の舷側に当接させるように
    前記伸縮部を押し出す押出し手段を設けたことを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の船舶旅客搭乗橋。
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