JPH08232166A - 繊維用処理剤および繊維材料の処理方法 - Google Patents

繊維用処理剤および繊維材料の処理方法

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JPH08232166A
JPH08232166A JP3550995A JP3550995A JPH08232166A JP H08232166 A JPH08232166 A JP H08232166A JP 3550995 A JP3550995 A JP 3550995A JP 3550995 A JP3550995 A JP 3550995A JP H08232166 A JPH08232166 A JP H08232166A
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容江 森
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章夫 辻本
Shigeji Uchida
重二 内田
Makio Akiyama
真輝生 秋山
Ikunobu Inaba
育信 稲葉
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NIKKA CHEM CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維
またはそれらの複合繊維材料に耐洗濯性を有する保湿効
果を与える繊維用処理剤および処理方法を提供する。 【構成】 キュウリ、ニンジン、トマト、桃、アボガ
ド、クチナシ、サルビア、シャクヤク、ラベンダー、カ
ミツレ、シラカバ、茶、オトギリソウ、ヨモギ、海草お
よび海藻からなる群から選ばれる少なくとも1種の植物
から採取された植物採取物質、およびオリーブ油、米胚
芽油、アーモンド油、メドウホーム油、マカデミアンナ
ッツ油、オレンジオイル、ホホバ油、レシチンおよびス
クワランからなる群から選ばれる少なくとも1種の天然
系油溶性物質を含む繊維用処理剤およびそれを用いる繊
維材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維用処理剤および繊
維材料の処理方法に関する。本発明は、特に、繊維材料
に耐洗濯性のある保湿性を付与する繊維用処理剤および
この繊維用処理剤を天然繊維、再生繊維、半合成繊維、
合成繊維またはそれらの複合繊維材料に付与する繊維材
料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、天然繊維、再生繊維、半合成
繊維、合成繊維またはそれらの2種以上を組み合わせた
複合繊維材料に対して、繊維自体が有しない特徴を付与
する、いわゆる機能加工の研究が種々行なわれている。
例えば、柔軟加工、硬仕上加工、防縮加工、防皺加工、
防炎加工、防水撥水加工などがある。最近においては、
特に衣料や寝具など人体と直接接触する繊維材料の分野
において、消臭加工、抗菌防臭加工、保湿加工など、よ
り快適で、人の健康に寄与するための特殊加工が研究さ
れ、あるいは実施されている。しかしながら、このよう
な人の健康に寄与することを目的とする加工にも拘ら
ず、加工剤自体には一般に石油を出発原料とする化学製
品が用いられており、消費者からは、加工剤の人体に対
する安全性への疑問や、さらには最近のエコロジーに関
する関心の高まりから、地球環境に優しい加工剤が要望
されるようになってきている。
【0003】このような観点からの研究は未だ少ない
が、例えば、特開平6−322670には、深海鮫の肝
油を原料とするスクワレン、もしくはスクワレンを水素
化したスクワランを空洞内部に包接したサイクロデキス
トリンを用いる保湿加工法が開示されている。また、雑
誌「加工技術」Vol. 29, No. 11, p.689(1994)には、
ヒノキチオールを用いて繊維を加工する方法が紹介され
ている。しかしながら、スクワランを用いる加工は、ス
クワラン自体が深海鮫の肝油を原料とする稀少物質であ
って、量的に限られており、また洗濯において脱落し易
く、耐久性に乏しいという欠点を有する。一方、ヒノキ
チオールでは、檜は多年生であり、その成長には多くの
年月を要するためエコロジーの観点からも疑問が有り、
また独特の臭気を有するので用途によっては使用できな
い場合も生ずる。さらに、ヒノキチオールは熱により揮
発する性質を有するため、そのまま繊維に付与しても効
果を発揮しない。そこで、工程中に100〜200℃の
熱処理を行なうことを含む繊維加工においては、ヒノキ
チオールを合成樹脂中に包み込むか、またはシリカ、タ
ルクなどの多孔質物質に吸着せしめた、いわゆるカプセ
ル状態のものをアクリル樹脂やブタジエン系のバインダ
ーなどで固着することが必要であり、そのため繊維材料
の風合が損なわれてしまう状況にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、こ
のような従来の繊維用処理剤が有する欠点を解消し、よ
り快適で、人の健康に寄与する機能を付与することがで
き、しかも地球環境や生態系への影響までも考慮した繊
維用処理剤およびそのような処理剤を用いる繊維材料の
処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き好ましい特性を有する繊維用処理剤を開発するため
に、各種天然の動植物から採取される成分の繊維材料に
対する機能付与効果に関して鋭意研究を重ねた結果、特
定の植物から採取される植物採取物質と、天然系の油溶
性物質とを用いて処理することにより、天然繊維、再生
繊維、半合成繊維、合成繊維またはそれらの複合繊維材
料からなる繊維製品の保湿効果を高め、しかも洗濯に対
する耐久性をも向上させることができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】従って、本発明は、特定の植物からの採取
物質および所定の天然系油溶性物質を含有する繊維用処
理剤を提供する。
【0007】本発明の繊維用処理剤に用いることのでき
る植物採取物質を採取する植物としては、キュウリ、ニ
ンジン、トマト、桃、アボガド、クチナシ、サルビア、
シャクヤク、ラベンダー、カミツレ、シラカバ、茶、オ
トギリソウ、ヨモギ、海草および海藻を挙げることがで
きる。採取の方法には、特に制限はなく、これらの植物
の花、実、葉、茎、根、種子などを、水、エタノール、
イソプロパノール、グリコールなどの溶剤により抽出し
たり、粉砕後圧搾する方法や、幹や茎などに傷を付ける
などして、分泌物を採取する方法等を用いることができ
る。例えば、シャクヤクの根の細末をエタノール、1,
3−ブチレングリコール、精製水またはそれらの混液で
抽出することにより採取する。本発明に有用な植物採取
物質は、上記の如き方法で得られるもののほか、これら
の植物名の後にエキス、リキッド等の名称を付して、例
えば、桃の葉エキス、シラカバエキス、シャクヤクリキ
ッド、ヨモギリキッドなどの名で市販されている如きも
のであってもよく、また粉末、顆粒、液体等のいかなる
形態にあってもよい。
【0008】本発明に有用な天然系油溶性物質として
は、オリーブ油、米胚芽油、アーモンド油、メドウホー
ム油、マカデミアンナッツ油、オレンジオイル、ホホバ
油、レシチンおよびスクワランを挙げることができる。
これらの天然系油溶性物質も、その製造方法に特に制限
はなく、一般に行われている方法により製造されたもの
であってよい。
【0009】本発明の繊維用処理剤において、植物採取
物質と天然系油溶性物質との比率は重量比で0.1:9
9.9〜90:10であるのが好ましい。ここで、植物
採取物資の量は、植物から採取された物質それ自体の量
であり、例えば抽出法により植物採取物質を得た場合に
は、抽出溶剤を除いた抽出成分の量である。植物採取物
質の配合比率がこれより少ないと保湿性が低下し、また
上記より多い場合にも保湿性が低下することがあり、ま
た経済的負担が大きくなる。
【0010】本発明の繊維用処理剤の形態は、固体、ペ
ーストおよび液体のいずれであってもよいが、その扱い
易さからは液体であるのが好ましい。繊維用処理剤に配
合する植物採取物質と天然系油溶性物質の組み合わせや
その配合比率により異なるけれども、液体とするため、
水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルグリコール等の溶剤を併用することも可能で
ある。しかし、水以外の溶剤を用いた場合には、経済
性、環境への悪影響や引火性などの危険性が増すため、
水と界面活性剤を用いて、溶液状態または水への乳化分
散状態とするのが好ましい。
【0011】かかる目的に有用な界面活性剤としては、
例えば、下記のものを挙げることができるが、特にこれ
らに限定されるものではない。 (a)ナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物
またはその塩 (b)クレゾール、重亜硫酸ソーダおよびホルムアルデ
ヒドの縮合物 (c)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフ
ェノールのアルキレンオキシド4〜50モル付加物 (d)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフ
ェノールのアルキレンオキシド4〜50モル付加物の硫
酸化物またはその塩 (e)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフ
ェノールのアルキレンオキシド4〜50モル付加物と炭
素数8〜20の脂肪酸とのエステル (f)1〜2モルのスチレンを付加した炭素数8〜12
のアルキル基を有するアルキルフェノールのアルキレン
オキシド4〜50モル付加物 (g)1〜2モルのスチレンを付加した炭素数8〜12
のアルキル基を有するアルキルフェノールのアルキレン
オキシド4〜50モル付加物の硫酸化物またはその塩 (h)1〜2モルのスチレンを付加した炭素数8〜12
のアルキル基を有するアルキルフェノールのアルキレン
オキシド4〜50モル付加物と炭素数8〜20の脂肪酸
とのエステル (i)3〜8モルのスチレンを付加したフェノールのア
ルキレンオキシド4〜50モル付加物 (j)3〜8モルのスチレンを付加したフェノールのア
ルキレンオキシド4〜50モル付加物の硫酸化物または
その塩 (k)3〜8モルのスチレンを付加したフェノールのア
ルキレンオキシド4〜50モル付加物と炭素数8〜20
の脂肪酸とのエステル (l)ポリアルキレンオキシド (m)ポリアルキレンオキシドの硫酸化物またはその塩 (n)ポリアルキレンオキシドと炭素数8〜20の脂肪
酸とのエステル (o)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のア
ミンのアルキレンオキシド付加物 (p)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のア
ミンのアルキレンオキシド付加物と炭素数8〜20の脂
肪酸とのエステル (q)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルジ
フェニルエーテルの硫酸化物またはその塩 (r)炭素数8〜20のアルコールのアルキレンオキシ
ド付加物 (s)炭素数8〜20のアルコールのアルキレンオキシ
ド付加物の硫酸化物またはその塩 (t)炭素数8〜20のアルコールのアルキレンオキシ
ド付加物と炭素数8〜20の脂肪酸とのエステル (u)エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、ソルビトール、砂糖等の多価アルコールのア
ルキレンオキシド付加物 (v)エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、ソルビトール、砂糖等の多価アルコールのア
ルキレンオキシド付加物の硫酸化物またはその塩 (w)エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、ソルビトール、砂糖等の多価アルコールのア
ルキレンオキシド付加物と炭素数8〜20の脂肪酸との
エステル (x)ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物 (y)ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物の硫酸化物
またはその塩 (z)ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物と炭素数8
〜20の脂肪酸とのエステル。 ここでアルキレンオキシドとは、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドおよびブチレンオキシドを意味し、ア
ルキレンオキシド付加物は、それらの1種の単独付加物
であってもよく、2種または3種のブロックもしくはラ
ンダム付加物であってもよい。
【0012】本発明の繊維用処理剤は、いかなる方法に
より繊維材料に付与されてもよく、例えば、そのままで
あるいは水、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、ブチルグリコールなどの溶剤に溶解したもの
を、繊維材料に対して浸漬処理、パディング処理、スプ
レー処理、泡加工等の方法により付与することができ
る。次いで、所望ならば、処理された繊維材料を室温〜
100℃で乾燥し、またさらに150〜200℃で30
秒〜3分間の熱処理を行う等の、一般的な繊維材料に対
する処理を施してもよい。
【0013】本発明に用いられる繊維材料としては、
綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、キュプラ、ビスコース
レーヨン、ポリノジックレーヨン、テンセル(商標)等
の再生繊維、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリエステルエーテル、ポリアクリロニト
リル等の半合成もしくは合成繊維またはこれらの複合繊
維からなる材料を挙げることができ、その形態は糸、シ
ングルカバーヤーン、ダブルカバーヤーン、コアスパン
ヤーン、ツイストヤーン、エアー交絡糸等からなる編織
物や不織布のいずれであってもよい。また、本発明の繊
維用処理剤により処理された繊維材料の保湿効果は、肌
の保湿、ひいては肌荒れ防止の効果にもつながるので、
肌に直接接する部分に用いる繊維材料、特に衣料に対し
て処理を行うのが好ましい。好ましい衣料の例として
は、パンティストッキング、タイツ、カジュアルソック
ス、中児ソックス、婦人ソックス、紳士ソックス等の靴
下、ブラジャー、ガードル、ボディスーツ、ペチコー
ト、スリップ、フレアーパンティ等のランジェリー、シ
ャツ、ショーツ等のアンダーウエアー、ナイトドレス、
パジャマ、バスローブ等のナイトウェア、ストラップ、
テープ類、レース類等のインナー付属材、レオタード、
スポーツシャツ、手袋、腹巻等の肌に直接接触するもの
を挙げることができ、本発明の繊維用処理剤はこのよう
な衣料に対して特に優れた効果を発揮する。さらに、肌
との直接の接触性を高めるには、伸縮繊維を含有する布
帛が好ましい。
【0014】本発明の繊維用処理剤は、従来より用いら
れてきた柔軟仕上剤、硬仕上剤、可縫性向上剤、防炎
剤、帯電防止剤、防汚加工剤、抗菌防臭加工剤、起毛
剤、スリップ防止剤、保湿加工剤、撥水剤、吸水剤等の
通常の機能付与剤と併用することができる。また、本発
明の繊維用処理剤の効果を高め、洗濯に対する耐久性を
向上させるために、多エポキシ化合物、ジイソシアネー
ト系化合物、エチレンイミン系化合物などの耐久性向上
剤を併用することもできる。
【0015】
【作用】本発明の繊維用処理剤に用いられる、キュウ
リ、ニンジン、トマト、桃、アボガド、クチナシ、サル
ビア、シャクヤク、ラベンダー、カミツレ、シラカバ、
茶、オトギリソウ、ヨモギ、海草および海藻等の花、
実、葉、茎、根等から得られる植物採取物質は、古来よ
り漢方において鎮痛、体温降下などの鎮静作用の効果を
有するものとして重要視されてきたものであるが、これ
らの成分の有する親水性が保湿効果を発現させる役割を
担うものと思われる。また、これらの植物採取物質によ
る、抗菌効果、アレルギー低減効果、皮膚に対するエモ
リエント効果なども期待される。また、これらの植物採
取物質と併用するオリーブ油、米胚芽油、アーモンド
油、メドウホーム油、マカデミアンナッツ油、オレンジ
オイル、ホホバ油、レシチン、スクワラン等の天然系油
溶性物質は、繊維上に油膜を生成するので、植物採取物
質が保持する水分の蒸散を防止する役割を有する。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0017】これらの実施例においては、本発明の繊維
用処理剤による保湿性の効果を、下記の保湿性試験によ
り、洗濯前および洗濯後の保湿率を測定して評価した。保湿性試験 下記のように保湿率を測定し、保湿性の評価を行った。
未加工布および加工布(12cm×25cm)を105℃の
オーブン乾燥機中に3時間置き、絶乾する。絶乾された
未加工布および加工布の重量を化学天秤にて精秤する。
この時の未加工布の重量をW0 (g)、加工布の重量を
1 (g)とする。次に、絶乾された未加工布および加
工布を20℃および78%RHに調整した雰囲気中に入
れ、18時間調湿する。調湿された未加工布および加工
布の重量を化学天秤にて精秤する。この時の未加工布の
重量をWx (g)、加工布の重量をWy (g)とする。
この時の保湿率を0分の値とする。さらに、その後、調
湿された加工布を20℃および40%RHに調整した雰
囲気中に入れ、30分、60分および120分経過毎の
重量を化学天秤にて精秤する。この時の重量もそれぞれ
y (g)とする。各加工布の時間毎の保湿量は、全く
処理剤の付与されていない生地(未加工布)を基準とし
た相対値で示される。すなわち、下記の計算式により全
く処理剤の付いていない生地の調湿布を100%とした
値で示される。 保湿率(%)={(Wy −W1 /(Wx −W0 )}×1
00
【0018】洗濯条件 JIS L−0217の103法に準ずる下記の方法で
洗濯を行い、洗濯後の試料(洗濯10回)とした。 洗濯 40℃×10分 洗剤 アタック(商標、花王製) 0.83g/リットル 浴比 1:30 脱水 すすぎ オーバーフロー×15分 風乾 この工程を洗濯1回とし、10回繰り返した。
【0019】実施例1 天然系油溶性物質としてオリーブ油(クローダ製)20
重量部に、界面活性剤としてヘキサグリセリンのラウリ
ン酸モノエステル20重量部を加え、さらに水55重量
部を徐々に加えて予備乳化を行う。この予備乳化物をホ
モジナイザー処理(300kg/cm2 、1回処理)し、天
然系油溶性物質の乳化物を得た。この天然系油溶性物質
の乳化物に、植物採取物質として桃抽出液(丸善製薬
製)5重量部を加え、全体量が100重量部である繊維
用処理剤(実施例1)を得た。
【0020】実施例2 実施例1の天然系油溶性物質をメドホーム油(日光ケミ
カルス製)に代え、植物採取物質を高麗人参エキス(一
丸ファルコス製)に代えた以外は実施例1と同様にし
て、繊維用処理剤(実施例2)を得た。
【0021】実施例3〜20 天然系油溶性物質および植物採取物質として下記の表1
に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして、繊維
用処理剤(実施例3〜20)を得た。
【0022】
【表1】 植物採取物質はいずれも一丸ファルコス製 マカデミアンナッツ油(日光ケミカルス製) ホホバ油(ミツバ貿易製) スクワラン(ミツバ貿易製) 米胚芽油(築野食品工業製) アーモンド油(伊那貿易製) オレンジオイル(イノベーションケミカル製) レシチン(味の素製) オリーブ油(クローダ製) メドホーム油(日光ケミカルス製)
【0023】比較例1 植物採取物質として桃抽出液(丸善製薬製)50重量部
に水を50重量部加え、全体量が100重量部である繊
維用処理剤(比較例1)を得た。
【0024】比較例2〜16 植物採取物質として下記の表2に示すものを用いた以外
は比較例1と同様にして、繊維用処理剤(比較例2〜1
6)を得た。
【0025】
【表2】 比較例2〜16の植物採取物質は、いずれも一丸ファル
コス製である。
【0026】比較例17〜19 下記の表3に示す天然系油溶性物質20重量部に、界面
活性剤としてヘキサグリセリンのラウリン酸モノエステ
ル20重量部を加え、さらに水60重量部を徐々に加え
て予備乳化を行う。この予備乳化物をホモジナイザー処
理(300kg/cm2 、1回処理)し、天然系油溶性物質
の乳化物からなる繊維用処理剤(比較例17〜19)を
得た。
【0027】
【表3】 オリーブ油(クローダ製) アーモンド油(伊那貿易製) スクワラン(ミツバ貿易製)
【0028】試験例1 上記のようにして得られた繊維用処理剤10重量部に水
90重量部を加えて全体量を100重量部とした処理液
を用い、供試布としてナイロン編物を連続パディング方
式で加工した。ピックアップは50%であった。次い
で、乾燥を100℃で3分間行い、さらに熱処理を17
0℃で1分間行った。この加工布を保湿性試験に供し
た。用いた繊維用処理剤と試験結果を下記の表4に示
す。
【0029】
【表4】
【0030】以上の結果からも明らかなように、植物採
取物質と天然系油溶性物質の乳化物を併用して加工した
編物は、より優れた保湿性を示すとともに洗濯に対する
耐久性も非常に良好である。
【0031】試験例2 供試布として綿/スパンデックス編物を用い、試験例1
と同様の加工を行った。ピックアップは65%であっ
た。次いで、この編物を試験例1と同様に乾燥および熱
処理した後、保湿性試験に供した。用いた繊維用処理剤
と試験結果を下記の表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】以上の結果からも明らかなように、植物採
取物質と天然系油溶性物質の乳化物を併用して加工した
編物は、より優れた保湿性を示すとともに洗濯に対する
耐久性も非常に良好である。
【0034】試験例3 供試布としてポリエステル/スパンデックス編物を用
い、試験例1と同様の加工を行った。ピックアップは5
5%であった。次いで、この編物を試験例1と同様に乾
燥および熱処理した後、保湿性試験に供した。用いた繊
維用処理剤と試験結果を下記の表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】以上の結果からも明らかなように、植物採
取物質と天然系油溶性物質の乳化物を併用して加工した
編物は、より優れた保湿性を示すとともに洗濯に対する
耐久性も非常に良好である。
【0037】試験例4 供試布としてナイロン/スパンデックス編物を用い、試
験例1と同様の加工を行った。ピックアップは55%で
あった。次いで、この編物を試験例1と同様に乾燥およ
び熱処理した後、保湿性試験に供した。用いた繊維用処
理剤と試験結果を下記の表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】以上の結果からも明らかなように、植物採
取物質と天然系油溶性物質の乳化物を併用して加工した
編物は、より優れた保湿性を示すとともに洗濯に対する
耐久性も非常に良好である。
【0040】実施例21〜24 天然系油溶性物質としてスクワラン(ミツバ貿易製)2
0重量部に、界面活性剤としてヘキサグリセリンのラウ
リン酸モノエステル20重量部を加え、さらに水60重
量部を徐々に加えて予備乳化を行う。この予備乳化物を
ホモジナイザー処理(300kg/cm2 、1回処理)し、
天然系油溶性物質の乳化物を得た。この天然系油溶性物
質の乳化物に、植物採取物質としてシャクヤクリキッド
(一丸ファルコス製、固形分1.5%)を下記の表8の
比率となるように加えて、繊維用処理剤(実施例21〜
24)とした。
【0041】
【表8】
【0042】試験例5 供試布としてナイロン/スパンデックス編物を用い、試
験例1と同様の加工を行った。ピックアップは55%で
あった。次いで、この編物を試験例1と同様に乾燥およ
び熱処理した後、保湿性試験に供した。用いた繊維用処
理剤と試験結果を下記の表9に示す。
【0043】
【表9】
【0044】以上の結果からも明らかなように、植物採
取物質と天然系油溶性物質の乳化物を併用して加工した
編物は、非常に優れた保湿性を示す。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、極めて良好な保湿効果
を有し、しかも洗濯に対する耐久性にも優れた繊維材料
を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 秋山 真輝生 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成工業株式会社内 (72)発明者 稲葉 育信 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キュウリ、ニンジン、トマト、桃、アボ
    ガド、クチナシ、サルビア、シャクヤク、ラベンダー、
    カミツレ、シラカバ、茶、オトギリソウ、ヨモギ、海草
    および海藻からなる群から選ばれる少なくとも1種の植
    物から採取された植物採取物質、およびオリーブ油、米
    胚芽油、アーモンド油、メドウホーム油、マカデミアン
    ナッツ油、オレンジオイル、ホホバ油、レシチンおよび
    スクワランからなる群から選ばれる少なくとも1種の天
    然系油溶性物質を含む繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】 植物採取物質と天然系油溶性物質の比率
    が重量比で0.1:99.9〜90:10である請求項
    1記載の繊維用処理剤。
  3. 【請求項3】 前記繊維用処理剤が、植物採取物質、天
    然系油溶性物質、界面活性剤および水からなる請求項1
    または2記載の繊維用処理剤。
  4. 【請求項4】 キュウリ、ニンジン、トマト、桃、アボ
    ガド、クチナシ、サルビア、シャクヤク、ラベンダー、
    カミツレ、シラカバ、茶、オトギリソウ、ヨモギ、海草
    および海藻からなる群から選ばれる少なくとも1種の植
    物から採取された植物採取物質、およびオリーブ油、米
    胚芽油、アーモンド油、メドウホーム油、マカデミアン
    ナッツ油、オレンジオイル、ホホバ油、レシチンおよび
    スクワランからなる群から選ばれる少なくとも1種の天
    然系油溶性物質を、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、
    合成繊維またはそれらの複合繊維材料に付与することを
    含む繊維材料の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2839891A1 (fr) * 2002-05-23 2003-11-28 Lina Toumani Nouvelles generations de protege slips fait de produits vegetaux naturels associant une action anti-odeur, anti-transpiration et anti-bacteriennes
JP2007314914A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Suzuki Kutsushita:Kk こめ油を含有する化学繊維及びこれを用いた繊維製品
JP2012502137A (ja) * 2008-09-08 2012-01-26 バスカ, エルエルシー 洗濯洗剤組成物およびその使用
EP2650429A3 (en) * 2012-03-23 2013-11-27 Mast Industries (Far East) Limited Moisturizing fabric material, use thereof in moisturizing bras, and method of manufacture

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