JPH08232012A - 高耐用ガス吹き用耐火物 - Google Patents
高耐用ガス吹き用耐火物Info
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- JPH08232012A JPH08232012A JP3568795A JP3568795A JPH08232012A JP H08232012 A JPH08232012 A JP H08232012A JP 3568795 A JP3568795 A JP 3568795A JP 3568795 A JP3568795 A JP 3568795A JP H08232012 A JPH08232012 A JP H08232012A
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Landscapes
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶鋼の浸潤を構造面から抑制し、損耗を軽微
にすると共に、酸素洗浄時間の短縮が図れるポーラスプ
ラグ等ガス吹き耐火物の提供。 【構成】 溶鋼の攪拌、及び精錬を目的として使用され
るガス吹き用の耐火物で、ポーラス耐火物または貫通孔
を設置した緻密質耐火物の周囲を囲む部分(以下周囲材
料と呼ぶ)の上、下に区分した下部の熱伝導率λがλ≧
3.0kcal/m・hr・℃の高熱電導性で、かつこ
の周囲材料の下部の熱伝導率が上部よりも大きいかまた
は同等であるように材料を構成させることにより高耐用
のガス吹き耐火物を提供し、作業面でも酸素洗浄時間の
短縮により軽労化を達成できる。更にこの周囲材料の下
部がλ1 ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性
材料で、上部の外周部の熱伝導率λ2 が下部よりも低熱
伝導性材料で構成され(λ1/λ2 )≧l.5となるよ
うにすることでその効果は著しいものとなる。
にすると共に、酸素洗浄時間の短縮が図れるポーラスプ
ラグ等ガス吹き耐火物の提供。 【構成】 溶鋼の攪拌、及び精錬を目的として使用され
るガス吹き用の耐火物で、ポーラス耐火物または貫通孔
を設置した緻密質耐火物の周囲を囲む部分(以下周囲材
料と呼ぶ)の上、下に区分した下部の熱伝導率λがλ≧
3.0kcal/m・hr・℃の高熱電導性で、かつこ
の周囲材料の下部の熱伝導率が上部よりも大きいかまた
は同等であるように材料を構成させることにより高耐用
のガス吹き耐火物を提供し、作業面でも酸素洗浄時間の
短縮により軽労化を達成できる。更にこの周囲材料の下
部がλ1 ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性
材料で、上部の外周部の熱伝導率λ2 が下部よりも低熱
伝導性材料で構成され(λ1/λ2 )≧l.5となるよ
うにすることでその効果は著しいものとなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、取鍋のような溶鋼収納
容器の底部に取り付けられて、溶鋼温度の均一化のため
の撹拌、精錬効果の向上、非金属介在物の浮上分離等の
ためにArのようなガスを溶鋼中に吹き出すための耐火
物の構造に関する。
容器の底部に取り付けられて、溶鋼温度の均一化のため
の撹拌、精錬効果の向上、非金属介在物の浮上分離等の
ためにArのようなガスを溶鋼中に吹き出すための耐火
物の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなガス吹き耐火物は、一般に
は、図2に示されるように、通気性を有するコア耐火物
1と、主にガスの漏洩を防止する金属製のケース2と、
この両者の間を埋めるキャスタブル等の耐火物、いわゆ
る周囲材料3の3者から形成されている。
は、図2に示されるように、通気性を有するコア耐火物
1と、主にガスの漏洩を防止する金属製のケース2と、
この両者の間を埋めるキャスタブル等の耐火物、いわゆ
る周囲材料3の3者から形成されている。
【0003】このようなガス吹き耐火物において、コア
耐火物1は安定した通気性を確保する点から最も重要で
ある。ところが、このコア耐火物には、溶鋼が滞留して
いる間、上部からの静圧により、その通気孔に溶鋼が浸
潤する。このため、一度使用された後、再度の受鋼に際
してガス吹込み処理をする場合に際しては、このコア耐
火物の上面を酸素ランスによって洗浄して鋼が浸潤した
層を除去して通気性を確保する必要がある。この除去量
がこのガス吹き耐火物の寿命を決定することになる。言
い換えれば、実質的にこの鋼の浸潤層の厚みでガス吹き
耐火物の寿命は決定されることになる。
耐火物1は安定した通気性を確保する点から最も重要で
ある。ところが、このコア耐火物には、溶鋼が滞留して
いる間、上部からの静圧により、その通気孔に溶鋼が浸
潤する。このため、一度使用された後、再度の受鋼に際
してガス吹込み処理をする場合に際しては、このコア耐
火物の上面を酸素ランスによって洗浄して鋼が浸潤した
層を除去して通気性を確保する必要がある。この除去量
がこのガス吹き耐火物の寿命を決定することになる。言
い換えれば、実質的にこの鋼の浸潤層の厚みでガス吹き
耐火物の寿命は決定されることになる。
【0004】コア耐火物を、ポーラス質の耐火物によっ
て形成する場合には、溶鋼の侵入を抑制するには気孔径
を小さくすることが考えられるが、材料自体の通気性能
が低下してしまい、ガス吹き耐火物としての使用は難し
くなる。このポーラス質の耐火物において、できるだけ
小さな気孔径で効率的な通気性を付与するための手段が
種々提案され、特公平2−23502号公報その他に
は、、ポーラス質の耐火物自体を球状粒子で形成するこ
とが、また、「耐火材料」No.141;1996に
は、ポーラス質の耐火物を溶鋼に濡れ難い材料によって
形成し溶鋼の侵入を抑制し得たことが報告されている。
しかしながら、結局は、溶鋼の侵入を防止するために、
気孔径を小さくしようとすると、コア耐火物の通気性が
低下して必要通気量を確保することが困難となるという
基本的な問題は解決しない。また、溶鋼成分との反応が
徐々に進み稼働表面の性状が変化して溶鋼に濡れ難い性
質が損なわれ、溶鋼の侵入抑制効果が失われる。
て形成する場合には、溶鋼の侵入を抑制するには気孔径
を小さくすることが考えられるが、材料自体の通気性能
が低下してしまい、ガス吹き耐火物としての使用は難し
くなる。このポーラス質の耐火物において、できるだけ
小さな気孔径で効率的な通気性を付与するための手段が
種々提案され、特公平2−23502号公報その他に
は、、ポーラス質の耐火物自体を球状粒子で形成するこ
とが、また、「耐火材料」No.141;1996に
は、ポーラス質の耐火物を溶鋼に濡れ難い材料によって
形成し溶鋼の侵入を抑制し得たことが報告されている。
しかしながら、結局は、溶鋼の侵入を防止するために、
気孔径を小さくしようとすると、コア耐火物の通気性が
低下して必要通気量を確保することが困難となるという
基本的な問題は解決しない。また、溶鋼成分との反応が
徐々に進み稼働表面の性状が変化して溶鋼に濡れ難い性
質が損なわれ、溶鋼の侵入抑制効果が失われる。
【0005】また、コア耐火物の耐食性を向上させるた
めに、本体を緻密質材料で構成し、これに貫通孔を設け
たものも実公平3−32512号公報、実開昭63−1
62854号公報等に開示されており、各々、貫通孔断
面形状を小さくして溶鋼の侵入を抑制することが示され
ている。しかしながら、この種の耐火物の構造で、通気
量を確保するためには貫通孔の数を著しく増やす必要が
あり、コア耐火物の製造が難しくなるという問題があ
る。また、ガス吹き耐火物の周囲材料としては、特開平
3−193813号公報には、カーボン含有材質から形
成して高耐食性として高耐用性としたものもあるが、溶
鋼の侵入抑制には格別貢献はしない。
めに、本体を緻密質材料で構成し、これに貫通孔を設け
たものも実公平3−32512号公報、実開昭63−1
62854号公報等に開示されており、各々、貫通孔断
面形状を小さくして溶鋼の侵入を抑制することが示され
ている。しかしながら、この種の耐火物の構造で、通気
量を確保するためには貫通孔の数を著しく増やす必要が
あり、コア耐火物の製造が難しくなるという問題があ
る。また、ガス吹き耐火物の周囲材料としては、特開平
3−193813号公報には、カーボン含有材質から形
成して高耐食性として高耐用性としたものもあるが、溶
鋼の侵入抑制には格別貢献はしない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ガス
吹出し孔への鋼の浸潤層の形成厚を薄くして、再使用時
の鋼による浸潤層の除去量を少なくしてその寿命を延命
できるガス吹き耐火物の構造を提供することにある。
吹出し孔への鋼の浸潤層の形成厚を薄くして、再使用時
の鋼による浸潤層の除去量を少なくしてその寿命を延命
できるガス吹き耐火物の構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コア耐火物の
通気孔への溶鋼侵入の厚みはコア耐火物内部の温度分布
に大きく依存するという知見の下で完成した。
通気孔への溶鋼侵入の厚みはコア耐火物内部の温度分布
に大きく依存するという知見の下で完成した。
【0008】すなわち、コア耐火物の上表面は精錬中の
溶鋼と接しており、その温度は鋼の溶融点を超えている
が、下方は金属製のケースを経て外気に通じているため
放熱により、冷却されている。コア耐火物内部はこの温
度差に従って上面から下面に向かい徐々に温度が下がっ
ている。コア耐火物中に侵入した溶鋼は下方に進むにつ
れて、耐火物温度が低下していくため耐火物に奪われる
熱量は次第に増加し、ある位置まで来ると溶融点以下に
冷却されて凝固する。この凝固する位置は、コア耐火物
の内部温度が急激に変化する条件を与えてやれば限りな
く上表面に近づく、即ち溶鋼浸潤層の厚みを薄くでき
る。
溶鋼と接しており、その温度は鋼の溶融点を超えている
が、下方は金属製のケースを経て外気に通じているため
放熱により、冷却されている。コア耐火物内部はこの温
度差に従って上面から下面に向かい徐々に温度が下がっ
ている。コア耐火物中に侵入した溶鋼は下方に進むにつ
れて、耐火物温度が低下していくため耐火物に奪われる
熱量は次第に増加し、ある位置まで来ると溶融点以下に
冷却されて凝固する。この凝固する位置は、コア耐火物
の内部温度が急激に変化する条件を与えてやれば限りな
く上表面に近づく、即ち溶鋼浸潤層の厚みを薄くでき
る。
【0009】この結果、コア耐火物を取り囲む材料の熱
伝導率を規定することによって優れた耐溶鋼浸潤性を示
すことが判った。すなわち、周囲材料に関し、熱伝導率
λ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性のもの
を使用すると、通常取鍋底部の羽口煉瓦を含むライニン
グに使用されている2.0kcal/m・hr・℃前後
の熱伝導率の耐火物に比較して外部への放熱が進むた
め、周囲材料の内側に位置するコア耐火物の温度を低下
させることができる。この場合、熱伝導率λが、3.0
以下では効果的な温度降下を得ることは難しい。更に、
コア耐火物に関して溶鋼の侵入が問題となる部分は、溶
鋼と接している上端部の稼働表面部近傍であるが、この
部分の周囲材料の熱伝導率を低くすることで、更に急激
な温度降下を与えることができることが分かった。従っ
て、周囲材科を上部と下部に分割した場合、下部材料を
上記高熱伝導性のものを、上部には比較的低熱伝導性の
ものを使用すると、耐用が一層延びることになる。この
場合の上部とは、ガス吹き耐火物の周囲材料の上端から
全長のl/3〜2/3の範囲の長さの部分である。これ
らガス吹き耐火物は、溶鋼を入れた容器の底部に取り付
けられているため、溶損その他により、耐火物の損耗が
進んで消失するようなことになると、内部の溶鋼が漏れ
出し、安全上、極めて重大な事態を招くことになる。こ
のため、実際に使用される部位はほぼ中央部までであ
り、これより下の部分は使用されないのが一般的であ
る。従って、製品の上端から中央部までに効果が得られ
れば、実質的に耐用を向上させることができる。この効
果は、さらに、下部/上部の熱伝導率の比λ1 /λ2 が
l.5以上であるような急激に変化させた場合に特に著
しいことがシミュレーション、及び実炉での使用結果か
ら判明した。1.5未満の場合は上下部を異なる材料で
構成するため構造が複雑になる割には効果が小さい。
伝導率を規定することによって優れた耐溶鋼浸潤性を示
すことが判った。すなわち、周囲材料に関し、熱伝導率
λ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性のもの
を使用すると、通常取鍋底部の羽口煉瓦を含むライニン
グに使用されている2.0kcal/m・hr・℃前後
の熱伝導率の耐火物に比較して外部への放熱が進むた
め、周囲材料の内側に位置するコア耐火物の温度を低下
させることができる。この場合、熱伝導率λが、3.0
以下では効果的な温度降下を得ることは難しい。更に、
コア耐火物に関して溶鋼の侵入が問題となる部分は、溶
鋼と接している上端部の稼働表面部近傍であるが、この
部分の周囲材料の熱伝導率を低くすることで、更に急激
な温度降下を与えることができることが分かった。従っ
て、周囲材科を上部と下部に分割した場合、下部材料を
上記高熱伝導性のものを、上部には比較的低熱伝導性の
ものを使用すると、耐用が一層延びることになる。この
場合の上部とは、ガス吹き耐火物の周囲材料の上端から
全長のl/3〜2/3の範囲の長さの部分である。これ
らガス吹き耐火物は、溶鋼を入れた容器の底部に取り付
けられているため、溶損その他により、耐火物の損耗が
進んで消失するようなことになると、内部の溶鋼が漏れ
出し、安全上、極めて重大な事態を招くことになる。こ
のため、実際に使用される部位はほぼ中央部までであ
り、これより下の部分は使用されないのが一般的であ
る。従って、製品の上端から中央部までに効果が得られ
れば、実質的に耐用を向上させることができる。この効
果は、さらに、下部/上部の熱伝導率の比λ1 /λ2 が
l.5以上であるような急激に変化させた場合に特に著
しいことがシミュレーション、及び実炉での使用結果か
ら判明した。1.5未満の場合は上下部を異なる材料で
構成するため構造が複雑になる割には効果が小さい。
【0010】この場合、コア耐火物自体は本来の目的で
ある通気性を確保しなければならないこと、酸素洗浄に
耐えるだけの耐食性が必要であること等制約が多く、都
合のよい熱伝導率を設定することが困難である。その代
わりに、このコア耐火物の周囲にある耐火材料の熱伝導
率に着目し、これを適正に設定することで同様な効果を
得ることができる。
ある通気性を確保しなければならないこと、酸素洗浄に
耐えるだけの耐食性が必要であること等制約が多く、都
合のよい熱伝導率を設定することが困難である。その代
わりに、このコア耐火物の周囲にある耐火材料の熱伝導
率に着目し、これを適正に設定することで同様な効果を
得ることができる。
【0011】すなわち、本発明はガス吹き耐火物の構造
面から熱伝導率を規定するもので、ポーラス耐火物また
は貫通孔を設置した緻密質耐火物からなるコア耐火物の
周囲を囲む周囲材料の上、下に区分した下部の熱伝導率
λがλ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性材
料から形成し、且つ、この周囲材料の下部を上部よりも
大きいかまたは同等の熱伝導率を有する材料によって形
成したことを特徴とする。
面から熱伝導率を規定するもので、ポーラス耐火物また
は貫通孔を設置した緻密質耐火物からなるコア耐火物の
周囲を囲む周囲材料の上、下に区分した下部の熱伝導率
λがλ≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性材
料から形成し、且つ、この周囲材料の下部を上部よりも
大きいかまたは同等の熱伝導率を有する材料によって形
成したことを特徴とする。
【0012】また、この周囲材料の下部を熱伝導率λ1
≧3.0 kcal/m・hr・℃の高熱伝導性材料に
よって形成し、周囲材料の上部を下部よりも低い熱伝導
率λ2 を有する低熱伝導性材料によって形成し、且つ、
前記λ1 とλ2 の比λ1 /λ2 が1.5以上とすること
によって、その効果を著しくすることができる。
≧3.0 kcal/m・hr・℃の高熱伝導性材料に
よって形成し、周囲材料の上部を下部よりも低い熱伝導
率λ2 を有する低熱伝導性材料によって形成し、且つ、
前記λ1 とλ2 の比λ1 /λ2 が1.5以上とすること
によって、その効果を著しくすることができる。
【0013】
【作用】周囲材料をλ≧3.0kcal/m・hr・℃
の高熱伝導性とし、外部への放熱を促進して、ガス吹き
耐火物の下面の温度を可能な限り低くすることにより、
コア耐火物内部の温度降下の勾配を大きくする。
の高熱伝導性とし、外部への放熱を促進して、ガス吹き
耐火物の下面の温度を可能な限り低くすることにより、
コア耐火物内部の温度降下の勾配を大きくする。
【0014】また、この効果を高めるために上部につい
ては、下部と比較して熱伝導率を低くしたものを用いる
と溶鋼の侵入深さを決定するコア耐火物上面近傍の温度
降下の勾配は更に大きくなる。上部、下部の熱伝導率の
組み合せを最適なものに調整することで、溶鋼の侵入し
てくる先端位置を可能な限り上表面に近づける、すなわ
ち、浸潤厚みを薄くすることができる。
ては、下部と比較して熱伝導率を低くしたものを用いる
と溶鋼の侵入深さを決定するコア耐火物上面近傍の温度
降下の勾配は更に大きくなる。上部、下部の熱伝導率の
組み合せを最適なものに調整することで、溶鋼の侵入し
てくる先端位置を可能な限り上表面に近づける、すなわ
ち、浸潤厚みを薄くすることができる。
【0015】
【実施例】コア耐火物の周囲の各部の熱伝導率を変えて
図1に示すように、通気性を有するコア耐火物1と、周
囲材料を上部32と下部31に分けて、その熱電導率λ
2とλ1 を変化させて取鍋用ポーラスプラグを製作し、
250T容量の取鍋の底部に設置し、ガス吹込みを含む
実用に供した。この結果を表1に示す。
図1に示すように、通気性を有するコア耐火物1と、周
囲材料を上部32と下部31に分けて、その熱電導率λ
2とλ1 を変化させて取鍋用ポーラスプラグを製作し、
250T容量の取鍋の底部に設置し、ガス吹込みを含む
実用に供した。この結果を表1に示す。
【0016】
【表1】 実施例、比較例における周囲材料はいずれもAl2 O3
を主体とした耐火材料であり、熱伝導率の高いC(炭
素)、及びSiC原料の使用割合、及び気孔率を変えて
熱伝導率の調整を行った。
を主体とした耐火材料であり、熱伝導率の高いC(炭
素)、及びSiC原料の使用割合、及び気孔率を変えて
熱伝導率の調整を行った。
【0017】また、これらのポーラスプラグは周囲材料
の高さ250mmで上部高さ125mm、下部高さ12
5mmの構造とし、コア耐火物としてAl2 O3 質ポー
ラス耐火物を使用した。
の高さ250mmで上部高さ125mm、下部高さ12
5mmの構造とし、コア耐火物としてAl2 O3 質ポー
ラス耐火物を使用した。
【0018】表1中にある温度降下率(計算値)は溶鋼
温度1600℃、外気温度30℃、溶鋼と耐火物上面の
間の熱伝達係数1000kcal/m2 ・hr・de
g、耐火物下面と外気との熱伝達係数100kcal/
m2 ・hr・degとしてFEM計算により求めた結果
であり図3にこの一部を示す。温度降下率(℃/mm)
は上表面近傍における直線の傾きである。
温度1600℃、外気温度30℃、溶鋼と耐火物上面の
間の熱伝達係数1000kcal/m2 ・hr・de
g、耐火物下面と外気との熱伝達係数100kcal/
m2 ・hr・degとしてFEM計算により求めた結果
であり図3にこの一部を示す。温度降下率(℃/mm)
は上表面近傍における直線の傾きである。
【0019】また実炉での使用結果は実施例1〜4は耐
用が優れており、この取鍋の敷部ライニング補修回数で
ある15ch以上の耐用を示したが、比較例1〜3にお
いては15ch未満の耐用しか得られず、途中で交換の
ため取鍋の使用が一時中止される問題が生じた。
用が優れており、この取鍋の敷部ライニング補修回数で
ある15ch以上の耐用を示したが、比較例1〜3にお
いては15ch未満の耐用しか得られず、途中で交換の
ため取鍋の使用が一時中止される問題が生じた。
【0020】表中、実施例1は下部周囲材料の熱伝導率
λ1 =5.0kcal/m・hr・deg(≧3.0)
であり上部周囲材料の熱伝導率λ2 =1.8kcal/
m・hr・deg(<λ1 )で更に(λ1 /λ2 )の比
が2.78(≧1.5)の例である。この場合、シミュ
レーションの結果、上表面からの温度降下率は5.5
(℃/mm)であり、上表面から10mm耐火物内部に
入った部分の温度は(上表面温度−55℃)程度が予想
される。また実炉での使用においても、コア耐火物の損
耗速度は7.2mm/chと最も小さく、15ch使用
後の残存寸法は142mmであった。これに対し比較例
1は周囲材料として従来からの低熱伝導率(λ1 =λ2
=1.8kcal/m・hr・deg≦3.0)のAl
2 O3 質耐火物を使用したものであるが、同じく上表面
から10mm耐火物内部に入った部分の温度は(上表面
温度−39℃)程度が予想される。実炉使用では損耗速
度が13.9mmと大きく、11ch使用後に残存寸法
が100mm以下となりこれ以上の使用は危険と見なさ
れ、廃却された。また、1ch使用毎に実施される酸素
洗浄作業においては、溶鋼の浸潤層が厚いため、長時間
を要した。
λ1 =5.0kcal/m・hr・deg(≧3.0)
であり上部周囲材料の熱伝導率λ2 =1.8kcal/
m・hr・deg(<λ1 )で更に(λ1 /λ2 )の比
が2.78(≧1.5)の例である。この場合、シミュ
レーションの結果、上表面からの温度降下率は5.5
(℃/mm)であり、上表面から10mm耐火物内部に
入った部分の温度は(上表面温度−55℃)程度が予想
される。また実炉での使用においても、コア耐火物の損
耗速度は7.2mm/chと最も小さく、15ch使用
後の残存寸法は142mmであった。これに対し比較例
1は周囲材料として従来からの低熱伝導率(λ1 =λ2
=1.8kcal/m・hr・deg≦3.0)のAl
2 O3 質耐火物を使用したものであるが、同じく上表面
から10mm耐火物内部に入った部分の温度は(上表面
温度−39℃)程度が予想される。実炉使用では損耗速
度が13.9mmと大きく、11ch使用後に残存寸法
が100mm以下となりこれ以上の使用は危険と見なさ
れ、廃却された。また、1ch使用毎に実施される酸素
洗浄作業においては、溶鋼の浸潤層が厚いため、長時間
を要した。
【0021】実施例2〜4はそれぞれλ1 ≧3.0でか
つλ1 ≧λ2 であり、本発明の規定範囲に入る物であ
る。いずれも、実使用においては、充分な耐用性を示し
た。
つλ1 ≧λ2 であり、本発明の規定範囲に入る物であ
る。いずれも、実使用においては、充分な耐用性を示し
た。
【0022】比較例2は上部の熱伝導率λ2 =5.0
(≧3.0)であるが、下部はλ1 =1.8と実施例1
と逆の構成になっている。表中では、この例の実績が最
も悪く、9ch使用後に廃却された。また、比較例3は
同様にλ1 =λ2 =2.5(≦3.0)の例であるが、
やはり耐用が不充分であった。
(≧3.0)であるが、下部はλ1 =1.8と実施例1
と逆の構成になっている。表中では、この例の実績が最
も悪く、9ch使用後に廃却された。また、比較例3は
同様にλ1 =λ2 =2.5(≦3.0)の例であるが、
やはり耐用が不充分であった。
【0023】また、稼働時各受鋼前に実施される酸素ラ
ンスによる洗浄作業においては、実施例1〜4の順番に
短い時間で終了することができ、現場作業の軽減にも寄
与した。
ンスによる洗浄作業においては、実施例1〜4の順番に
短い時間で終了することができ、現場作業の軽減にも寄
与した。
【0024】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
ができる。
【0025】(1)ガス吹付用耐火物の基本的な構造を
変化させることなく、単に、各部分の熱伝導率を調整す
るだけで、ガス吹込み孔への溶鋼の侵入を少なくして、
溶鋼侵入層の厚みを薄くでき、ポーラスプラグ等ガス吹
き耐火物の寿命を延長できること。
変化させることなく、単に、各部分の熱伝導率を調整す
るだけで、ガス吹込み孔への溶鋼の侵入を少なくして、
溶鋼侵入層の厚みを薄くでき、ポーラスプラグ等ガス吹
き耐火物の寿命を延長できること。
【0026】(2)ポーラスプラグ等ガス吹き耐火物を
連続使用する際の酸素洗浄作業時間を短縮でき、軽労化
につながる。
連続使用する際の酸素洗浄作業時間を短縮でき、軽労化
につながる。
【図1】 本発明を適用したガス吹き込み耐火物構造体
の構造例を示す。
の構造例を示す。
【図2】 従来のガス吹き込み耐火物構造体の構造を示
す。
す。
【図3】 コア耐火物内部の温度分布(計算値)を示
す。
す。
1 コア耐火物 2 金属製ケース 3 周囲
材料 31 下部周囲材料 32 上部周囲材料 4 羽口れんが
材料 31 下部周囲材料 32 上部周囲材料 4 羽口れんが
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 幸生 千葉県木更津市築地7番地の1 黒崎窯業 株式会社君津支店内 (72)発明者 伊達 宏規 千葉県木更津市築地7番地の1 黒崎窯業 株式会社君津支店内
Claims (2)
- 【請求項1】 ポーラス耐火物または貫通孔を設けた緻
密質耐火物の周囲を囲む周囲材料の上、下に区分した下
部の熱伝導率λがλ≧3.0kcal/m・hr・℃の
高熱伝導性材料からなり、且つ、 この周囲材料の下部の熱伝導率が上部のそれよりも大き
いかまたは同等の熱伝導率を有する材料からなることを
特徴とする高耐用ガス吹き耐火物。 - 【請求項2】 周囲材料の下部の熱伝導率λ1 が、λ1
≧3.0kcal/m・hr・℃の高熱伝導性材料で形
成され、且つ、周囲材料の上部の熱伝導率λ2 が下部の
それよりも小さい低熱伝導性材料で形成され、さらに、 上記周囲材料の下部の熱伝導率λ1 と周囲材料の上部の
熱伝導率λ2 の比(λ1 /λ2 )が1.5以上であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の高耐用ガス吹き用耐火
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3568795A JPH08232012A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 高耐用ガス吹き用耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3568795A JPH08232012A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 高耐用ガス吹き用耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08232012A true JPH08232012A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12448817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3568795A Pending JPH08232012A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 高耐用ガス吹き用耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08232012A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110171055A (zh) * | 2019-06-27 | 2019-08-27 | 浙江科特高温新材料有限公司 | 双芯整体透气砖及其制作方法、钢包包底砌筑方法 |
KR102646138B1 (ko) * | 2022-11-09 | 2024-03-11 | 한국내화 주식회사 | 탄소 함유 노즐 및, 이를 포함하는 퍼징 플러그 |
-
1995
- 1995-02-23 JP JP3568795A patent/JPH08232012A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110171055A (zh) * | 2019-06-27 | 2019-08-27 | 浙江科特高温新材料有限公司 | 双芯整体透气砖及其制作方法、钢包包底砌筑方法 |
KR102646138B1 (ko) * | 2022-11-09 | 2024-03-11 | 한국내화 주식회사 | 탄소 함유 노즐 및, 이를 포함하는 퍼징 플러그 |
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