JPH08231691A - 発泡ポリ(エチレンナフタレート)の固相重合法 - Google Patents

発泡ポリ(エチレンナフタレート)の固相重合法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ(エチレンナフタレート)ポリマーまた
はコポリマーの迅速かつ生産性の高い固相重合法を提供
する。 【解決手段】 高分子量ポリ(エチレンナフタレート)
ポリマーまたはコポリマーを調製する方法であって、
0.25dl/g〜0.50dl/gの極限粘度数を有する溶融
ポリ(エチレンナフタレート)プレポリマーを調製し、
不活性ガスを上記プレポリマーに分散させて0.10〜
0.50の空隙率を有する発泡ポリ(エチレンナフタレ
ート)プレポリマーを形成し、発泡プレポリマーを固相
重合に適した顆粒に成形し、顆粒状プレポリマーを80
℃〜140℃の温度で脱蔵し、脱蔵したプレポリマーを
150℃〜260℃の温度で結晶化し、及び結晶化プレ
ポリマーを235℃〜265℃の温度で固相重合し、高
分子量ポリ(エチレンナフタレート)ポリマーまたはコ
ポリマーを得ることからなる上記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ(エチレンナ
フタレート)の固相重合法に関するものであり、特に、
発泡ポリ(エチレンナフタレート)プレポリマーに適用
することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高分子
量ポリエステルは、通常、同一組成の低分子量ポリエス
テルから固相重合によって製造される。このような固相
重合にて使用される低分子量ポリエステルは、通常従来
の溶融重合によって調製される。このような溶融重合に
よって得られた溶融ポリエステル生成物は、ペレット、
チップ、またはキューブ等の形状の固体顆粒に成形され
る。このようなペレット、チップ、またはキューブの固
相重合は、高分子量かつ超高粘度の溶融ポリマーの操作
が省略される点で有利であると考えられている。重合中
の固体状態における熱分解も、実質的に回避されてい
る。ポリエステルの固相重合は、二つの主要な段階から
なる。即ち、化学反応並びに水やエチレングリコールと
いった反応副生成物の拡散からなる。従って、顆粒内で
のプレポリマーの拡散抵抗を低減することにより、固相
重合の重合速度を増大させることが可能である。プレポ
リマーの粒径を小さくすることにより、拡散抵抗を低減
することができる。しかしながら、小さな顆粒は、固相
重合の際に互いに癒着する傾向が強く、重合を困難にし
てしまう。従って、固相重合に適した最小粒径が存在す
る。
【0003】好適な粒径を保ちながら拡散抵抗を低減さ
せるために、多くの方法が提案されている。米国特許発
明明細書第3,586,647号(クレマー)では、窒
素または発泡剤をプレポリマー溶融物中に分散させた後
ペレット化した発泡ペレットが提案されている。ポリ
(エチレンテレフタレート)(PET)の固相重合速度
は、発泡ペレットを使用してもわずかに20〜35%し
か向上していない。発泡ペレット内の気泡が独立してい
るため、発泡ペレットの使用による固相重合速度の向上
には少なからず限界がある。米国特許発明明細書第4,
755,587号(リーネハルト)では、相互に連結し
た空隙を有する多孔質ペレットが提案されている。これ
は、標準的な固体PETペレットの2〜3倍の速さで重
合するものである。各々の多孔質ペレットの内部で空隙
が相互に連結しているため、多孔質ペレットを使用する
ことにより、固相重合速度が大幅に向上されるのであ
る。多孔質ペレットは固相重合速度を大幅に向上させる
ものであるが、多孔質ペレットの形成には粉砕、圧縮、
分級といったコストのかかる操作が伴い、さらに多孔質
ペレットは、生産性に影響を及ぼす微粒子(fine)を大量
に生成する傾向がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】ポリ(エチレンナフタレ
ート)(PEN)は、その優れた強度と遮蔽性により、
飲料用及び食品用容器として、さらに工業用繊維として
優れた材料である。PENはその溶融粘度が極めて高い
ため、このような用途に適した極限粘度数を有するPE
Nを溶融重合のみで製造することは不可能である。その
代わり、溶融重合と固相重合とを組み合わせてPENを
製造する。PENは遮蔽性に優れているため、その固相
重合速度は比較的遅い。米国特許発明明細書第4,96
3,644号(デュー)に記載されているように、固相
重合の前にPENを脱蔵しておくのが好ましい。PEN
の固相重合速度は、発泡PENプレポリマー顆粒の使用
によって劇的に向上する。発泡PETの固相重合の場合
から、この速度の値を予測することは不可能である。発
泡PEN顆粒を結晶化及び固相重合の前に脱蔵するた
め、驚くべきことに、標準的な固体PET顆粒と比較し
た場合の多孔質PET顆粒の固相重合速度よりも、標準
的な固体PEN顆粒と比較した場合の発泡PEN顆粒の
固相重合速度の方が格段に向上するのである。固相重合
の前に脱蔵を行った発泡PENプレポリマーを使用する
ことにより、特に迅速かつ生産性の高いPENポリマー
の固相重合法が提供されるのである。
【0005】本発明は、固相重合PENポリマーを調製
する方法であって、(1) 0.25dl/g〜0.50dl/gの
極限粘度数を有する溶融PENポリマーを調製し、(2)
不活性ガスを溶融PENポリマーに分散させて0.10
〜0.50の空隙率を有する発泡PENポリマーを形成
し、(3) 発泡PENポリマーを顆粒に成形し、(4) 顆粒
状PENポリマーを80℃〜140℃の温度で脱蔵し、
(5) 脱蔵したPENポリマーを150℃〜260℃の温
度で結晶化し、及び(6) 結晶化PENポリマーを235
℃〜265℃の温度で固相重合し、融点の低い固相重合
PEN生成物を得ることからなる。
【0006】PENを形成する公知の溶融重合法にて調
製されたPENプレポリマーは、本質的に非晶質であ
る。PENプレポリマーは、たとえ少量の結晶性部分を
含むとも、実質的に完全な非晶質である。PENプレポ
リマーは、エチレングリコールとジメチル−2,6−ナ
フタレンジカルボキレートのようなナフタレンジカルボ
ン酸のアルキルジエステルとを溶融重合して得られるホ
モポリマーである。あるいは、PENプレポリマーは、
エチレングリコールと2,6−ナフタレンジカルボン酸
のようなナフタレンジカルボン酸モノマーとを重合して
得られるものである。
【0007】PENプレポリマーは、変性PENであっ
てもよい。変性PENまたはPENコポリマーは、ナフ
タレンジカルボン酸以外の酸及び/またはエチレングリ
コール以外のグリコールから誘導された繰り返し単位を
少量含むものである。例えば、少量のイソフタル酸また
はテレフタル酸を、PENプレポリマーの調製の際に二
酸成分の一部として使用することが可能である。PEN
プレポリマーを3〜8個の炭素原子を含有する少量のジ
オールで変性することもできる。例えば、少量の1,4
−ブタンジオールを、変性PENプレポリマーの調製の
際にグリコール成分の一部として使用することが可能で
ある。通常、このような変性PENプレポリマーの繰り
返し単位のうち、ナフタレンジカルボン酸及びエチレン
グリコール以外の二酸またはジオールから誘導されるの
はわずかに約20モルパーセントである。このようなジ
カルボン酸とジオールのジエステルも、使用することが
できる。多くの場合、このような変性PENまたはPE
Nプレポリマーは、ナフタレンジカルボン酸以外の二酸
から誘導される単位を多くとも約15モルパーセント含
有し、及び/またはエチレングリコール以外のジオール
から誘導される単位を5モルパーセント未満含有する。
通常、このような変性ポリエステルが、ナフタレンジカ
ルボン酸以外のジカルボン酸から誘導される単位を多く
とも約10モルパーセント含有し、及び/またはエチレ
ングリコール以外のジオールから誘導される単位を5モ
ルパーセント未満含有するのが好ましい。
【0008】顆粒に成形する前に、溶融状態を保ちなが
らPENプレポリマー中に不活性ガスを分散させる。不
活性ガスとしては窒素が好適であるが、溶融重合の条件
下でポリマーに対して不活性なガスも使用できる。高圧
にてガスを噴射する必要はないが、ガスを溶融ポリマー
中に十分に分散させなければならない。圧力が高けれ
ば、所望の空隙率を得るのに要する噴射容積が小さくな
るだけでなく、溶融ポリマー中でガスが単一に分散する
ようさらに攪拌することが必要となる。過剰な空隙率を
有する固体ポリマーの生成は回避すべきである。このよ
うなポリマー密度では、費用効果のポリマー製造速度を
得るには不十分である。また、固体ポリマーは重力流に
よって少なくとも複数の装置を通過するため、過剰な空
隙を有するポリマーでは軽すぎて十分な重力流速が得ら
れず、その結果、装置にブリッジングや閉塞が生じる。
溶融ポリマーから得られる発泡顆粒は、0.10〜0.
50、好ましくは0.15〜0.30、さらに好ましく
は0.20〜0.25の空隙率を有するものである。こ
れにより、随伴する過剰な空隙率を回避しながら向上し
た固相重合速度が得られる。
【0009】PENプレポリマー中での不活性ガスの単
一な分散を確実にするため、PENポリマーの極限粘度
数(IV)を約0.50dl/g未満に保つ。0.25dl/g〜
0.50dl/gのIVを有するPENプレポリマーでは、不
活性ガスが十分に分散し、固相重合用の顆粒(ペレッ
ト、キューブ等)に成形するのに十分な溶融強度が得ら
れる。PENプレポリマーのIVは、30℃の温度にてフ
ェノール:テトラクロロエタンの60:40混合溶剤系
中で測定される。PENプレポリマーの溶融粘度が非常
に高いうえに、発泡PENプレポリマーを使用した場合
固相重合速度が速くなるため、ペレット化またはダイシ
ングを行い得る最低レベルにプレポリマー生成物のIVを
調整するのが経済的に有利である。これにより、プレポ
リマーの発泡が促進され、プレポリマーのIVが固体状態
にて固体状生成物に必要なレベルまで効率的に増加す
る。低分子量PENプレポリマーは、通常、急冷、ペレ
ット化、ダイシング等によって固体状態となり、ペレッ
ト、チップ、キューブに成形され、固相にて重合され
る。しかしながら、このような顆粒は大きさにばらつき
があり、顆粒の大きさが小さいほど、固相重合における
反応副生成物の蒸発が起こりやすい。
【0010】脱蔵工程では、パージガスの存在下または
真空下にて非晶質PENプレポリマーを80℃〜140
℃の範囲の温度まで加熱し、非晶質PENを脱蔵する。
この脱蔵工程は、好ましくは115℃〜137℃の範囲
内の温度にて行う。最も好ましくは、120℃〜135
℃の温度にて脱蔵を行う。脱蔵工程は、バッチ操作また
は連続操作のいずれでも行うことができる。脱蔵工程に
て使用されるパージガスは、脱蔵の条件下でPENプレ
ポリマーと反応しないものであればどの様なものでもよ
い。PENプレポリマーは、脱蔵温度では比較的安定な
ため、空気をパージガスとして使用することができる。
当然、窒素あるいは、ヘリウムまたはネオンのような貴
ガスを脱蔵工程に使用することも可能である。真空下に
て脱蔵工程を行うこともできるが、パージガス流の存在
下で脱蔵を行うのが好ましい。これは、パージガスが脱
蔵温度まで予め加熱されると優れた熱媒体となり得るか
らである。
【0011】脱蔵工程は、水、エチレングリコール、ア
セトアルデヒドといった揮発性物質の大部分がPENプ
レポリマーから十分に除去されるまで行う。結晶化の前
に、PENプレポリマーから揮発性化合物を実質的に全
て除去するのが望ましい。脱蔵工程に要する時間は、脱
蔵を行う温度に依存する。通常、高温であれば短い時間
で必要な脱蔵度が得られる。例えば、115℃の温度で
は、脱蔵に要する時間は約4時間である。130℃の温
度では、脱蔵に要する時間はわずか約2時間である。最
適な脱蔵時間は、使用する装置並びに顆粒の大きさや形
状にも少なからず依存する。連続法では、脱蔵に要する
時間は通常15分〜10時間であり、更には詳しくは3
0分から4時間である。脱蔵工程は非晶質PENプレポ
リマーの粘着温度よりも低い温度にて行われるため、脱
蔵工程の際に攪拌を行う必要はない。従って、ホッパー
型の脱蔵装置を使用することが可能である。この場合、
非晶質PENプレポリマー顆粒はホッパーの頭頂部へ連
続的に投入され、パージガスの流れに対向する重力流に
よってホッパーを通過する。ホッパー型脱蔵装置の底部
を通過した脱蔵顆粒は、続いて晶析装置へ供給される。
あるいは、脱蔵は水平容器(horizonal vessel)内にて行
うこともできる。この場合、ポリマーは攪拌によって容
器を通過する。バッチ操作では、タンブル容器を使用し
てもよい。
【0012】発泡PENプレポリマーを固相重合する際
には、この脱蔵工程が特に重要である。固体PEN顆粒
は、直接結晶化温度にさらすと、膨張し、互いに癒着し
て分離不可能な塊になってしまう。これは、結晶化が起
こる前に、PENプレポリマーの軟化温度に近接した温
度にて顆粒の内部で副生成物が急速に放出された結果起
こるものである。結晶化の前に固体PEN顆粒を脱蔵す
ることにより、顆粒の内部に補足された揮発性の物質が
徐々に取り除かれ、アグロメレーション(凝集)が回避
されるのである。発泡PEN顆粒は、直接結晶化温度に
さらされると、固体PEN顆粒よりも激しく膨張して凝
集する。発泡顆粒は顆粒の大きさに対する重量が少ない
ために密度が低く、PENの重量に比して過剰な膨張が
起こるために発泡PENは極度に変形してしまう。結晶
化の前に脱蔵工程を行ってから発泡PEN顆粒を固相重
合すると、発泡PEN顆粒の固相重合速度も増大する。
これは、脱蔵工程の際の、顆粒内部で起こる破壊や、顆
粒内部の空隙の連続化、発泡PENの内部に含まれる不
活性ガスの膨張、反応副生成物の急激な膨張によるもの
である。
【0013】結晶化工程では、脱蔵PENプレポリマー
を150℃〜260℃の範囲の温度まで加熱してポリマ
ーを結晶化させる。非晶質ポリエステルをそのガラス転
移温度(Tg)以上の温度に加熱すると、結晶化し始める前
に粘着状態となってしまう。PENは約118℃のTgを
有し、180℃〜220℃の結晶化ピークを示す。非晶
質状態では、その粘着温度は約140℃である。従っ
て、従来の理論によれば、PENの好適な結晶化温度の
範囲は180℃〜220℃である。典型的には、さらに
好適な結晶化温度は190℃〜205℃である。結晶化
工程は、PENプレポリマーの癒着を避けるために攪拌
しながら行われる。流動床または振動床を有する晶析装
置を使用することにより、どの程度の攪拌が必要かが判
る。流動床晶析装置では、通常、プレポリマーのキュー
ブまたはペレットが流動状態に十分維持される速度にて
パージガスが晶析装置を流過する。当然、PENプレポ
リマーのペレットまたはキューブを癒着あるいは凝集さ
せないだけの十分な攪拌力を備えた攪拌容器でも、結晶
化工程を行うことができる。
【0014】結晶化工程に要する時間は、工程を行う温
度に依存する。通常、高温であれば短い時間で必要な結
晶化度が得られる。最適な結晶化時間は、使用する装置
並びにポリマー顆粒の大きさや形状にも依存する。連続
法では、晶析装置に送られるポリエステル顆粒は粘着温
度の近傍まで予め加熱されているため、晶析装置内で結
晶化温度まで加熱して素早く結晶化させることができ
る。これにより、ポリマーの粘着段階が短くなり、さら
に単一の顆粒温度及び結晶化度が得られ、そしてさらに
安定で効率的な方法が得られる。結晶化に要する時間
は、通常、1分〜4時間である。連続法では、結晶化工
程は通常2分〜30分かかる。結晶化工程は、バッチ操
作または連続操作のいずれでも行うことができる。PE
Nプレポリマーを結晶化した後、バッチ法あるいは連続
法にて固相重合を行う。好適な固相重合温度は、重合反
応の限界温度以上の温度からPENプレポリマーの粘着
温度より数度低い温度までであり、PENプレポリマー
の融点よりかなり低い温度である。実際の固相重合温度
は、通常、結晶化PENプレポリマーの粘着温度より1
℃〜50℃低い温度である。最適な固相反応温度は、ポ
リマーの分子量や組成(例えば、PENホモポリマーと
PENコポリマー)で多少異なる。
【0015】通常、PENプレポリマーの最適な固相重
合温度は、粘着温度より5℃〜20℃低い温度である。
例えば、結晶性PENの固相重合は、通常210℃〜2
65℃の範囲の温度で行う。通常、結晶性PENプレポ
リマーは230℃〜265℃の温度で固相重合される。
多くの場合、PENプレポリマーは240℃〜260℃
の温度で固相重合される。固相重合は、真空下または、
さらに一般的には不活性ガス流の存在下にて行われる。
重合されるポリエステルプレポリマーが充填された固相
重合帯域を、不活性ガスが一定速度で流過するのが非常
に望ましい。通常の重合反応器は、不活性ガスが反応器
中のポリエステルプレポリマーを均等に流過するよう設
計されている。不活性ガスは、固相重合帯域を通過する
ため、実際にはポリエステルプレポリマー顆粒の周囲を
流れる。本発明の固相重合法での使用に適した不活性ガ
スには、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオ
ン、クリプトン、ゼオン、及びある種の工業用排ガスが
含まれる。不活性ガスの種々の組み合わせあるいは混合
ガスも使用することができる。多くの場合、窒素が不活
性ガスとして使用される。
【0016】PENプレポリマーを、その分子量やIVが
十分に増加して所望の高分子量PEN樹脂が得られるま
で固相重合する。0.50dl/gより高いIVを有する高分
子量PEN樹脂を調製するのが望ましい。多くの場合、
高分子量樹脂は少なくとも0.65dl/gのIVを有し、い
くつかの用途に対しては0.75dl/gのIVを有するのが
好ましい。重合時間としては、通常1〜24時間が必要
であり、多くの場合4〜14時間が必要である。発泡P
ENプレポリマーを使用することにより、低い固相重合
温度で、同一のIVを有する固体状生成物を同一の固相重
合時間で得ることができる。PETの融点(Tm)は、固相
重合温度によりごくわずかに影響を受けるが、固体状P
ENポリマーの融点(Tm)は、固相重合温度が10℃高く
なる毎に5℃〜10℃高くなることが判明した。発泡P
ENプレポリマーを使用すれば、低融点(例えば、27
0℃未満)を有する高分子量の固体状PEN樹脂(例え
ば、0.70dl/gのIV)を、低い固相重合温度(例え
ば、240℃)、適正な固相重合時間(例えば、6時間
未満)にて製造することが可能である。固相重合を低い
温度で行うことにより、PETポリマーの固相重合用に
設計された装置(通常は230℃未満で固相重合を行
う)をPENプレポリマーの固相重合に使用することも
可能となる。
【0017】低融点を有する固相重合PENポリマーの
製造は、ポリマーをボトル等の製品に加工する際にも有
利である。PENポリマーの加工温度が15℃高くなる
毎に、アセトアルデヒドの生成速度は2倍になる。従っ
て、低融点を有するPENポリマーは、低い加工温度に
て、アセトアルデヒド含有量の低いボトル等の製品に加
工することができる。低融点を有するポリマーは、通
常、容易に最終製品に加工することもできる。アセトア
ルデヒド含有量の低さは、特に、ミネラルウォーターの
ボトルのような最終製品にとって重量である。プレポリ
マー顆粒を発泡させることによりPENポリマーの固相
重合速度にもたらされる予測不可能な顕著な効果は、複
数の要因によるものである。PENポリマーの優れた遮
蔽性のため、発泡させることにより拡散抵抗を大幅に減
少させることができる。非晶質PENポリマーは非常に
脆く、そのためダイシングやペレット化を行うと発泡キ
ューブやペレットの内部の気泡が壊れて連続化する傾向
がある。さらに、発泡PENの内部に補足された副生成
物が、脱蔵の際に顆粒内から比較的大量に逃れるため、
気泡を破壊するのである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施例1 0.50dl/gの目的とするIVを有する発泡及び未発泡P
ENプレポリマーを3.18mmのキューブ状に成形し、
3種類の温度(240℃、250℃及び260℃)で固
相重合して固相重合速度を比較した。プレポリマーを調
製する溶融重合の最終段階は、通常、真空下にて行われ
る。所望のポリマーのIVが得られた後、反応器を窒素で
約310kPa(g)に加圧し、溶融プレポリマーを押出して
3.18mmのリボン状にプレスした。リボンを冷水にて
冷却して凝固させ、次いで3.18mmのキューブに切断
した。標準的な固体ポリマーキューブを製造する場合
は、通常、攪拌を停止した後に反応器を加圧する。本実
施例では発泡キューブを製造するため、加圧の際に攪拌
を続けてプレポリマー溶融物に窒素を吹き込んだ。溶融
重合後の攪拌速度及び攪拌時間並びに最終反応器圧に依
存して、様々な多孔度を有する発泡キューブが得られ
る。本実施例では、固体及び発泡PENプレポリマーキ
ューブを各1バッチづつ製造した。固体及び発泡PEN
プレポリマーのIVは、それぞれ0.500dl/g及び0.
497dl/gであった。発泡PENキューブの嵩密度は、
固体PENキューブの嵩密度の79.4%であった。従
って、発泡PENキューブの空隙率は0.21であっ
た。直径25.4mm、長さ508.0mmのガラス製チュ
ーブ型反応器を使用して、固相重合実験を行った。固相
重合実験の際に、反応器を恒温油浴中に浸漬し、反応器
温度まで予熱した窒素気流を反応器の底部から通して反
応副生成物を掃引した。固相重合の各ランでは、80グ
ラムのPENプレポリマーキューブを反応器へ投入し
た。
【0019】PETの固相重合では、通常、PETプレ
ポリマー顆粒は直接結晶化温度(160℃〜200℃)
にさらされて効果的に結晶化される。しかしながら、発
泡または固体PENプレポリマーキューブでは、いずれ
も直接結晶化温度(170℃〜220℃)にさらすと結
晶化が起こる前にポリマー温度が軟化点に達してしま
い、キューブが極度に膨張し、互いに癒着して分離が非
常に困難な塊を形成した。この現象は、PENキューブ
の内部に補足されていた副生成物(水、エチレングリコ
ール、及びアセトアルデヒド等)が、軟化点付近で突然
揮発したためと判明した。発泡キューブの場合、キュー
ブ内部の空隙に残存している窒素または他の不活性ガス
も急激な膨張に寄与し、癒着の問題を悪化させる。この
問題を回避するために、結晶化工程の前に、非晶質PE
Nの軟化点より低い125℃でPENプレポリマーを窒
素気流中で2時間脱蔵し、補足されていた副生成物の大
部分をゆっくりと除去した。次いで、プレポリマーを結
晶化し、さらに200℃で60分乾燥させた。この脱蔵
工程により、急激な膨張や癒着は起こらなかった。次い
で反応器の温度を所望の反応温度(240℃、250
℃、または260℃)に上げて23〜24時間固相重合
を行った。異なる反応温度(240℃、250℃、また
は260℃)にて、発泡及び未発泡PENプレポリマー
の固相重合ランを行った。未発泡のものは比較である。
固相重合ランを行った際に、発泡及び未発泡PEN試料
のIVを時間を追って測定した。その結果を第1表に示
す。
【0020】比較として、固体PENプレポリマーを使
用して固相重合試験用の多孔質ペレットも調製した。固
体PENキューブの試料をウィリーミル中で粉砕し、
0.25mmのふるいにかけた。得られた粉末を0.14
9mmのふるいでふるい分けた。0.149mmのふるいの
上に残った画分を使用し、パールペレットプレスによっ
て3.18mmのダイと8208kPa の圧力にて多孔質ペ
レットを調製した。得られた多孔質ペレットは、直径
3.18mm、長さ3.07mmであった。PEN多孔質ペ
レットの嵩密度は、固体PENキューブの嵩密度の85
%であった。非晶質PENは硬度が高くて粘着性が低い
ため、多孔質ペレットは耐久性に乏しかった。このよう
にして得られたPEN多孔質ペレットを、上述と同様の
方法にて固相重合した。250℃の反応温度で多孔質ペ
レットの固相重合を1ランだけ行った。多孔質ペレット
は急激に固相重合したため、7.5時間後に反応が終了
した。固相重合の最後には、投入したPEN多孔質ペレ
ットの全重量の約17%に相当するPEN微粒子(fine)
が、反応チューブの底部から回収された。これらの微粒
子は、実験ラン中に多孔質ペレットが部分崩壊した結果
生じたものであった。これは、実験ラン中の多孔質ペレ
ット床の乱れを最小限に抑えなければならないことを示
唆するものである。少なくとも結晶化工程の際に強力な
攪拌を要する工業的な固相重合法では、大部分のPEN
多孔質ペレットより大量の微粒子が生成するものと思わ
れる。PEN多孔質ペレットの試料についても固相重合
時のIVを測定した。結果を第1表に示す。PEN多孔質
ペレットの固相重合のIVデータが固体PENキューブ及
び発泡PENキューブのIVデータよりもばらついていた
ため、各固体状PEN多孔質ペレット試料に対して2回
づつIV試験を行った。
【0021】比較として、0.58dl/gのIVを有する発
泡及び未発泡PETプレポリマーキューブをPENプレ
ポリマーの場合と同様の方法にて製造した。発泡PET
キューブの嵩密度は、未発泡キューブの嵩密度の88%
であった。従って、発泡PETキューブの空隙率は0.
12であった。このPETプレポリマー試料を、通常P
ETに適用される標準的な方法にて固相重合した。PE
Tプレポリマーの場合、脱蔵工程は必要ではなかった。
PETプレポリマーを先ず結晶化し、180℃で60分
間乾燥させ、次いで反応器温度を220℃に上げて24
時間固相重合を行った。各PETプレポリマーに対し、
一回づつ固相重合を行った。試料のIVを時間を追って測
定した。固相重合ランの際の発泡及び未発泡PET試料
のIVを第2表に示す。第1表及び第2表のIVデータよ
り、PEN及びPETプレポリマーの全ての固相重合
(SSP)ランに対して、ポリマーIV対SSP時間のプ
ロットを作成することができる。このプロットより、2
40℃、250℃、260℃におけるPENプレポリマ
ーのIVが0.70及び0.80dl/gとなるのに要するS
SP時間、並びに220℃におけるPETプレポリマー
のIVが0.80及び0.95dl/gとなるのに要するSS
P時間を求めることができる。このようにして求めたS
SP時間を第3表に示す。
【0022】このSSP時間のデータから、未発泡PE
Nに対する発泡PENのSSP速度、並びに未発泡PE
Tに対する発泡PETのSSP速度を、各SSP温度に
おける各生成物のIVについて計算することができる。例
えば、発泡及び未発泡PENの生成物のIVが0.80dl
/gとなるのに要するSSP時間は、250℃においてそ
れぞれ5.1時間及び23.0時間であった。従って、
発泡PENは未発泡PENの4.51倍の速さで固相重
合し、発泡PENのSSP速度は未発泡PENのSSP
速度の351%であった。同様にして求めた発泡及び未
発泡PETのSSP速度のデータも、第3表に示す。固
相重合反応器の生産性は1時間あたりのポリマー重量と
して求められるため、SSP生産性を求める際に、発泡
PEN及びPETの嵩密度の低さを(それぞれ未発泡P
EN及びPETと比較して)考慮する必要がある。この
ようにして求めた未発泡PENに対する発泡PENのS
SP生産性並びに未発泡PETに対する発泡PETのS
SP生産性も、第3表に示す。同様に、発泡及び未発泡
PENに対するPEN多孔質ペレットの速度及び生産性
を求め、その値も第3表に示す。
【0023】第3表から、発泡PENが未発泡PENの
約4倍(240℃におけるIVが0.50〜0.70dl/g
の場合)〜約4.5倍(250℃におけるIVが0.50
〜0.80dl/gの場合)の速さで固相重合したことが判
る。嵩密度の低さを考慮しても、発泡PENは、未発泡
PENに対して少なくとも200%の生産性をもたらし
たのである。発泡PENプレポリマーのこの非常に高い
SSP速度とSSP生産性は、未発泡PETプレポリマ
ーに対する発泡PETプレポリマーの低いSSP速度及
びSSP生産性からは想像し得ないものであった。これ
に対し、第3表から、発泡PETのSSP速度は、0.
80dl/gの生成物IV(ボトル用)及び0.95dl/gの生
成物IV(冷凍食品トレー用)では、それぞれわずかに2
0.3%及び32.0%であったことが判る。嵩密度の
低さを考慮しても、発泡PETのSSP生産性は、未発
泡PETに対してそれぞれ5.9%及び16.2%であ
った。この値には有意差は認められるものの、未発泡P
ENに対する発泡PENの値に比べはるかに低い。
【0024】以上のことを、以下の二つの理由によって
説明する。第一に、PENはPETよりもはるかに優れ
た遮蔽性を有し、PENのSSPはPETのSSPより
も拡散を制御し易い。従って、拡散抵抗の低減に寄与す
る処置(例えば、発泡)により、SSP速度は顕著に増
大するのである。第二に、脱蔵工程の際に、窒素と共に
発泡PEN顆粒の内部に補足されていた副生成物が比較
的大量に放出されて気泡または空隙を破壊し、その結
果、反応副生成物の拡散速度を顕著に増大させ、固相重
合の際のSSP速度を増大させるのである。PEN多孔
質ペレットでもSSP速度に有意差が認められるもの
の、ペレットの耐久性の問題から、多孔質ペレットによ
って高IVを有するPENを製造するのは実際的ではな
い。標準的な未発泡PENプレポリマーの代わりに発泡
PENプレポリマーを使用することにより、SSP速度
及びSSP生産性の向上以外にも他の利点がもたらされ
る。即ち、実質的に低い融点を有する固相重合PEN樹
脂の経済的な製造が容易になるのである。低温溶解性の
PEN樹脂は、アセトアルデヒドの含有量が低いことが
重要であるソフトドリンクのボトルや食品用の容器とい
った用途に特に好適である。
【0025】固体状PENの融点は、主にSSP時間及
び温度の関数である。分子量またはIVは、融点にはほと
んど影響しない。PENの融点に対するSSP時間及び
温度の影響はPETの場合よりも大きく、特に注目すべ
き点である。SSP温度を固定すると、PENの融点は
先ずSSP時間と共に低下し、最小となる。平衡値に達
するまでSSPを続けると、PENの融点は単調に上昇
する。従って、240℃のSSP温度では、PENの融
点は6時間で268℃から約264.5℃の最小値まで
低下し、SSPを続けると次は単調に上昇する。250
℃またはそれ以上のSSP温度では、融点は30分以内
に最小値に達し、最小値は初期値よりわずかに低いだけ
である。SSP時間を固定すると、PENの融点は、通
常、SSP温度が10℃上昇するごとに5℃〜10℃上
昇する。従って、必要とされるSSP時間及び使用する
SSP温度に基づいて、第3表に示した固体状PET及
びPENの各生成物の融点を、その形状に関係なく、精
度良く推定することができるのである。各固体状生成物
の推定融点も、第3表に示す。
【0026】実施例2 以下に、未発泡プレポリマーの代わりに発泡プレポリマ
ーを使用して適正な短いSSP時間で、実質的に低い融
点を有する固体状PEN生成物を製造した例を示す。移
動床反応器における連続固相重合の最大安全温度は、約
250℃である。250℃の反応器温度にて、0.70
dl/gのIVを有するボトル用の固体PENキューブを製造
するためには、12.3時間の滞留時間を要した。この
固体状PENボトル樹脂は、277.8℃の融点を有す
る(第3表参照)。有意に低い融点(271.0℃)と
0.70dl/gのIVを有する固体PENを240℃の低反
応器温度にて製造することは可能であるものの、さらに
長い滞留時間(22.0時間)を要するほど製造方法は
経済的でなくなる。標準的な未発泡PENプレポリマー
の代わりに発泡PENプレポリマーを使用した場合、2
40℃の反応器温度では、5.6時間の比較的短い滞留
時間にて、264.5℃の融点と0.70dl/gのIVを有
する固体状生成物を製造することができた。250℃の
反応器温度と未発泡プレポリマーを使用する標準方法の
場合よりも、生成物の融点は約13℃低くなり、滞留時
間も約47%短くなった。
【0027】低融点を有する固体状PENは製造が容易
なだけでなく、低い温度で溶融加工が可能であり、アセ
トアルデヒド含有量の低い最終製品をもたらす。溶融加
工温度の範囲内では、PENのアセトアルデヒド生成速
度は温度が15℃上昇するごとに約2倍になることが判
明した。さらに、PENボトル予備成形物のアセトアル
デヒド含有量のうち95%以上が、射出成形時に生成し
たアセトアルデヒドに起因することも判明した。標準的
な固体PENボトル樹脂よりも13℃低い融点を有する
発泡PENボトル樹脂を、標準バレル温度よりも約13
℃低いバレル温度にて射出成形してアセトアルデヒド含
有量が少なくとも40%低減された予備成形物が得られ
ることは容易に想像がつくであろう。従って、発泡PE
Nポリマーから、有意に低いアセトアルデヒド含有量を
有する完成品を得ることができるのである。この特性と
SSP速度の向上により、3種類の形状のPENプレポ
リマーのうち、発泡顆粒が固相重合に最も適した形状で
あると考えられる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子量ポリ(エチレンナフタレート)
    ポリマーまたはコポリマーを調製する方法であって、 0.25dl/g〜0.50dl/gの極限粘度数を有する溶融
    ポリ(エチレンナフタレート)プレポリマーを調製し、 不活性ガスを上記プレポリマーに分散させて0.10〜
    0.50の空隙率を有する発泡ポリ(エチレンナフタレ
    ート)プレポリマーを形成し、 発泡プレポリマーを固相重合に適した顆粒に成形し、 顆粒状プレポリマーを80℃〜140℃の温度で脱蔵
    し、 脱蔵したプレポリマーを150℃〜260℃の温度で結
    晶化し、及び結晶化プレポリマーを235℃〜265℃
    の温度で固相重合し、高分子量ポリ(エチレンナフタレ
    ート)ポリマーまたはコポリマーを得ることからなる上
    記方法。
  2. 【請求項2】 溶融プレポリマーの極限粘度数が0.2
    5dl/g〜0.45dl/gである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスが窒素である請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 発泡プレポリマーの空隙率が0.15〜
    0.30、または好ましくは0.20〜0.25である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 120℃〜130℃の温度でプレポリマ
    ーを脱蔵する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 190℃〜205℃の温度でプレポリマ
    ーを結晶化させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 240℃〜260℃の温度でプレポリマ
    ーを固相重合する請求項1〜6のいずれか一項に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 コポリマーが、テレフタル酸から誘導さ
    れる繰り返し単位をわずかに20モル%含有する請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の方法にて製造した
    高分子量ポリ(エチレンナフタレート)ポリマーまたは
    コポリマー。
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