JPH08231587A - 金属キレート形成性ペプチド、その用途及びその製造方法 - Google Patents
金属キレート形成性ペプチド、その用途及びその製造方法Info
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- JPH08231587A JPH08231587A JP7347332A JP34733295A JPH08231587A JP H08231587 A JPH08231587 A JP H08231587A JP 7347332 A JP7347332 A JP 7347332A JP 34733295 A JP34733295 A JP 34733295A JP H08231587 A JPH08231587 A JP H08231587A
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Abstract
定に放射性金属核種とキレートし、その放射性金属核種
標識物が、体内分布に非特異的な集積を認めない金属キ
レート形成性ペプチド、その用途及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 アミノ酸配列が、N末端側から順にX1
−X2−Cysのアミノ酸3残基からなる金属キレート
形成性ペプチド、該ペプチドに生理活性物質が結合した
複合体、該ペプチド及び該複合体に放射性金属核種が配
位した化合物、該化合物を含有してなる放射性診断剤及
び放射性治療剤をその内容とする。但し、X1はCys
残基を除く任意のアミノ酸残基、X2はCys残基及び
Pro残基を除く任意のアミノ酸残基である。又、該キ
レート形成性ペプチドのN末端、C末端及び側鎖の官能
基は、保護基等で置換されていてもよく、各アミノ酸残
基は、D体又はL体のいずれでもよい。
Description
性ペプチド、その用途及びその製造方法に関する。更に
詳細には、本発明は放射性診断剤又は放射性治療剤とし
て有用な放射性金属核種で標識された生理活性を有する
ペプチド、タンパク質又はその他の化合物等の生理活性
物質を得るための安定なキレート形成性ペプチドを提供
するものである。この金属キレート形成性ペプチドは、
病巣部位親和性ペプチドなどの生理活性物質に結合させ
て複合体として利用する。
を持つアミノ酸配列としては、Lys−Cys−Thr
−Cys−Cys−Ala(Linda C. Night, J. Nucl.
Med.,35 (2), 282-288, Feb. 1994)、及びCys(A
cm)−Gly−Cys(Acm)(DEAN, Rechard,
T,. WO92/13572 )などが知られている。
−Alaは、分子内にメルカプト基を有するCys残基
を多く含むため、分子内あるいは分子間でジスルフィド
結合を形成しやすく、取扱いに注意が必要であった。
又、Cys(Acm)−Gly−Cys(Acm)は、
メルカプト基を有するCys残基が分子内あるいは分子
間でのジスルフィド結合を形成しないよう、メルカプト
基をアセトアミドメチル(Acm)基で保護する等の改
善が施されているが、該保護基により、Cys残基の反
応性は抑えられ、Tc−99m等の放射性金属核種等で
標識する際、加熱等の処理を必要としていた。更に、放
射性金属核種標識物の腎臓への非特異的な集積傾向が認
められる等の問題点を有していた。
キレート形成能を持つアミノ酸配列として、Gly−G
ly−Cys(S. J. Mather et al., Eur. J. Nucl. M
ed.(1994) 21, Suppl. S46 )、及びCys−Gly−
His、Asp−Gly−Cys、Glu−Gly−C
ys、Gly−Asp−Cys、Gly−Glu−Cy
sなど(Dunn. T., Jeffrey, WO 94/26295)が報告され
ている。
技術の状況に鑑み、加熱等の処理を行わないで容易に生
理活性を有するペプチド、タンパク質又はその他の化合
物等の生理活性物質を放射性金属核種で標識でき、該標
識物がインビトロ及びインビボで安定で、それを哺乳動
物に投与した時の、その体内分布に非特異的な集積を認
めない標識物を得るための金属キレート形成性ペプチ
ド、その用途及びその製造方法の提供を目的とする。
属核種等の金属を配位する際に有すべきアミノ酸配列の
性質について鋭意検討を行った結果、Cys残基を含む
特定のアミノ酸配列が、加熱等の特別な処理を行うこと
なく、容易に金属を配位し、かつ安定な放射性金属核種
標識物を形成することを見出し本発明を完成した。即
ち、本発明は、アミノ酸配列がN末端側から順にX1−
X2−Cysのアミノ酸3残基からなり、X1はCys
残基を除く任意のアミノ酸残基、X2はCys残基及び
Pro残基を除く任意のアミノ酸残基であって、該金属
キレート形成性ペプチドのN末端、C末端及び側鎖の官
能基は、保護基等で置換されていてもよく、各アミノ酸
残基は、D体又はL体のいずれでもよい金属キレート形
成性ペプチドを提供することにある。
生理活性のあるペプチド、タンパク質又はその他の化合
物等の生理活性物質が結合した複合体、該金属キレート
形成性ペプチド又は上記複合体に放射性金属核種が配位
した放射性金属核種標識物を提供することにある。
は上記複合体にTc−99m、In−111又はGa−
67のいずれかの放射性金属核種が配位した放射性金属
核種標識物を活性成分として含有する放射性診断剤、該
金属キレート形成性ペプチド又は上記複合体にY−9
0、Re−186又はRe−188のいずれかの放射性
金属核種が配位した放射性金属核種標識物を活性成分と
して含有する放射性治療剤を提供することにある。
2のアミノ酸残基又はその保護誘導体、次いでX1のア
ミノ酸残基又はその保護誘導体を結合することからなる
本発明の金属キレート形成性ペプチドの製造方法、該金
属キレート形成性ペプチドに生理活性のあるペプチド、
タンパク質又はその他の化合物等の生理活性物質を結合
することからなる複合体の製造方法、該金属キレート形
成性ペプチド又は該複合体に放射性金属核種を配位させ
ることからなる放射性金属核種標識物の製造方法、Tc
−99m、In−111又はGa−67のいずれかが配
位した上記放射性金属核種標識物と、薬学的に許容しう
る担体とを混合することからなる放射性診断剤の製造方
法、あるいはY−90、Re−186又はRe−188
のいずれかが配位した上記放射性金属核種標識物と、薬
学的に許容しうる担体とを混合することからなる放射性
治療剤の製造方法も提供するものである。
字記号もしくは三文字記号で記し、アミノ酸は、左側を
N末端側、右側をC末端側として表記し、アミノ酸に続
くかっこ内は、特に断りのないかぎり側鎖の保護基を表
すものである。又、本明細書において、D体のアミノ酸
残基はD-アミノ酸残基と記載した。
チドは、アミノ酸配列X1−X2−Cysのアミノ酸3
残基からなり、ここでX1はCys残基を除く任意のア
ミノ酸残基、X2はCys残基及びPro残基を除く任
意のアミノ酸残基である。但し、X1はCys残基を除
く任意のアミノ酸残基、X2はCys残基及びPro残
基を除く任意のアミノ酸残基である。又、該金属キレー
ト形成性ペプチドのN末端、C末端及び側鎖の官能基
は、保護基等で置換されていてもよく、各アミノ酸残基
はD体又はL体のいずれでもよい。
分子間でジスルフィド結合を形成するために不安定でキ
レート形成部位のX1又はX2のアミノ酸残基としては
不適である。X2がPro残基の場合は、キレート形成
能が阻害されるために、放射性金属核種でラベル化した
場合の標識率が低下し好ましくない。以上の理由から、
当該金属キレート形成性ペプチドのX1及びX2のアミ
ノ酸残基としては、前記以外のL体及びD体アミノ酸残
基、疏水性アミノ酸残基、極性アミノ酸残基及び荷電性
アミノ酸残基(酸性、塩基性)のいずれも適用が可能で
ある。又、該金属キレート形成性ペプチドのN末端、C
末端及び側鎖の官能基は保護基等で置換されていてもよ
く、このような保護基としては、アミノ基、カルボキシ
ル基、エステル基等をあげることができる。
X2のアミノ酸配列において、X1は、Asp残基、L
ys残基又はTyr残基が好ましく、かつAsp残基と
Gly残基、Gly残基とGly残基及びGlu残基と
Gly残基とは隣接しないことが好ましい。なぜなら、
カルボン酸を側鎖に含有するペプチド、例えば、Glu
−Gly−Cysは、腎臓をはじめとする臓器で、速や
かに分解されることが知られており、生体内において不
安定であるためである。又、Gly−Glyは、空間的
自由度が大きいため、ペプチド鎖中になると、そのペプ
チドの折りたたまれた構造を取りやすく、その結果、金
属キレートの形成能が損なわれると考えられるからであ
る。
は、α位に遊離アミノ基を有するアミノ酸残基が好まし
い。X1をα位に遊離アミノ基を有するアミノ酸残基に
することにより、本発明の金属キレート形成性ペプチド
及び該ペプチドを生理活性ペプチド、タンパク質又はそ
の他の化合物等の生理活性物質に結合して得られる複合
体の金属キレート性をより高めることができる。特にX
1は、α位に遊離第1級アミノ基(−NH2 )を有する
アミノ酸残基とするのが好ましい態様である。
1−X2−Cysの好ましい態様として、X1とX2が
それぞれ、Asp残基とTyr残基、Asp残基とLy
s残基、Tyr残基とGly残基、Tyr残基とTyr
残基、Tyr残基とLys残基、Lys残基とGly残
基、Lys残基とTyr残基、又はLys残基とLys
残基の組合せをあげることができる。
必要に応じてAla、Ile、Leu、Met、Ph
e、Val等の疎水性アミノ酸残基、Asn、Gln、
His、Ser、Thr、Trp、Tyr等の極性アミ
ノ酸残基、Arg、Asp、Glu、Lys等の荷電性
アミノ酸残基(酸性、塩基性)を選択することにより、
本発明の金属キレート形成性ペプチドを生理活性ペプチ
ド、タンパク質又はその他の化合物等の生理活性物質に
結合して形成される複合体に放射性金属核種を配位して
得られる標識物をヒトへ投与した場合に該放射性金属核
種標識物の生体内投与後の、その代謝物の主要な排泄経
路を腎臓あるいは消化管のいずれかに制御することがで
きる。
基又はLys残基を選択した場合には、最終的に得られ
る放射性金属核種標識物の投与後の代謝物の主要な排泄
経路を腎臓に制御することができる。又、X1のアミノ
酸残基としてTyr残基を選択した場合には、代謝物の
主要な排泄経路を消化管に制御することができる。この
ことは、目的とする診断部位に応じて、不要代謝物の排
泄を速やかに行い、患者への無用な被曝を軽減するとと
もに、バックグランドの影響を少なくして、診断部位の
イメージングを速やかに行うのに有用である。本発明の
アミノ酸3残基よりなる金属キレート形成性ペプチド
は、それ自身に生理活性を持たせていないため、複合体
を形成させた場合にも生理活性物質の活性を損なわずに
放射性診断剤又は放射性治療剤に適した性質を有するも
のである。
は、生理活性のあるペプチド、タンパク質又はその他の
化合物等の生理活性物質と結合させて複合体を形成す
る。これら生理活性物質と結合させて複合体を形成せし
めるに際し、それら生理活性物質のC末端側、N末端側
に金属キレート形成性ペプチドを結合させることがで
き、生理活性物質のアミノ酸配列の中間部等任意の部位
に挿入させることができる。金属キレート形成性ペプチ
ドを生理活性のあるペプチド、タンパク質又はその他の
化合物に結合させるに際しては、1ないし数個のアミノ
酸残基からなるスペーサーあるいは官能基又は架橋剤等
を介し、通常の方法により結合させてもよい。
としては、インターフェロン、腫瘍壊死因子等のサイト
カイン、各種ペプチド性ホルモン及び抗体、補体、接着
分子及び酵素等をあげることができる。生理活性のある
ペプチドには、抗体、接着分子等の活性中心配列ペプチ
ドをも包含する。その他の化合物としては、ドーパミ
ン、アセチルコリン、セロトニン等の神経伝達物質、ス
トレプトマイシン、セファロスポリン等の抗生物質、プ
ロスタグランジン等をあげることができる。
位親和性ペプチド、炎症/感染症部位親和性ペプチド、
血栓部位親和性ペプチド又は脳疾患部位親和性ペプチド
などの病巣部位親和性ペプチドも好ましいものとしてあ
げることができる。これらの病巣部位親和性ペプチドは
公知のものをそのまま使用することができる。例えば、
腫瘍部位親和性ペプチドとしては、AREPPTRTF
AYWGQGのアミノ酸配列からなるペプチドをあげる
ことができる。当該ペプチドにおいて、特にEPPTの
アミノ酸配列が腫瘍部位親和性に寄与しており、このア
ミノ酸配列を保持したままで他のアミノ酸配列を置換、
欠失、付加したものも好ましい態様としてあげることが
できる。炎症/感染症部位親和性ペプチドとしては、例
えば、KTKPREQQYNSTYRVVのアミノ配列
からなるペプチドをあげることができる。かかるペプチ
ドは、特にTKPRが炎症/感染症部位親和性に寄与し
ており、その炎症/感染症部位親和性が損なわれない程
度に他のアミノ酸配列で置換、欠失、付加したものも好
ましい態様としてあげることができる。
−X2−Cysは、上記の生理活性を有するペプチド、
タンパク質又はその他の化合物と結合した複合体として
合成した後、放射性金属核種等を配位させることによ
り、診断剤あるいは治療剤として有効に利用される。複
合体が金属キレート形成性ペプチドと生理活性を有する
ペプチドとが結合した複合体の場合は、アプライドバイ
オシステムズ社製ペプチド自動合成機等の汎用的に使用
されているペプチド自動合成装置によりBoc法、ある
いはFmoc法等により、一気にしかも容易に合成する
ことができる。合成された複合体は、固相用樹脂担体に
結合した状態から脱保護基と樹脂担体切り放しを同時に
行い、その後、逆相系カラム等を用いた高速液体クロマ
トグラフ法(以下、HPLC法という)にて精製するこ
とができる。その他、ペプチド液相合成法により調製し
てもよく、又、動物等から採取してもよい。
ート形成性ペプチド自体も、上記した同様の方法によっ
て合成できる。例えば、固相用樹脂担体にCys残基又
はその保護誘導体を結合させ、それにX2のアミノ酸残
基又はその保護誘導体、次いで、X1のアミノ酸残基又
はその保護誘導体を順次結合させ、その後に樹脂担体か
ら合成されたX1−X2−Cysのペプチドを切り放す
ことによって容易に合成できる。
理活性を有するタンパク質又はその他の化合物とを結合
させて複合体を製造するには、金属キレート形成性ペプ
チドのN末端又はC末端のアミノ酸残基と、生理活性を
有するタンパク質の末端アミノ酸残基、あるいはその他
の化合物中の官能基とを通常の方法により結合させるこ
とによって製造することが可能である。両者を結合させ
るには、1ないし数個のアミノ酸残基からなるスペーサ
ーあるいは官能基又は架橋剤等を介し、通常の方法によ
り結合させてもよい。前記したように複合体の構成成分
の一つである本発明の金属キレート形成性ペプチドを好
ましくは複合体のN末端側に配置させ、かつ該金属キレ
ート形成性ペプチドのN末端アミノ酸残基のα位のアミ
ノ基を遊離のまま合成することによって、高いキレート
形成能を有する複合体を得ることができる。特に、該金
属キレート形成性ペプチドのN末端アミノ酸残基として
α位に第1級アミノ基を有するアミノ酸残基を選択し、
その第1級アミノ基を遊離のまま合成することによっ
て、特に高いキレート形成能を有し、かつ安定な複合体
を得ることが可能である。
は該金属キレート形成性ペプチドに生理活性を有するペ
プチド、タンパク質又はその他の化合物等が結合した複
合体に放射性金属核種が配位した放射性金属核種標識
物、特に複合体に放射性金属核種が配位した放射性金属
核種標識物は、放射性診断剤や放射性治療剤として、好
適に用いられる。該金属キレート形成性ペプチド又は生
理活性物質が結合した該複合体は、生理食塩水又は水性
緩衝液等に溶解し、放射性金属核種と反応させることで
目的とする放射性金属核種標識物をインビトロで安定に
調製できる。
属キレート形成性ペプチド又は該複合体、特に複合体に
Tc−99m、In−111又はGa−67などの放射
性金属核種を配位させた放射性金属核種標識物が好まし
い態様である。放射性治療剤として用いる場合には、該
金属キレート形成性ペプチド又は該複合体、特に複合体
にY−90、Re−186又はRe−188などの放射
性金属核種を配位させた放射性金属核種標識物が好まし
態様である。
88で標識する場合は、金属キレート形成性ペプチド又
は該ペプチドに生理活性を有するペプチド、タンパク質
又はその他の化合物等の生理活性物質が結合した複合体
を生理食塩水及び水性緩衝液等に溶解し、適当な還元電
位を有する塩化第一スズのごとき還元剤を加え、過テク
ネチウム酸ナトリウム溶液、又は過レニウム酸ナトリウ
ム溶液と混合する常套の方法により標識ペプチド及び標
識複合体を調製することができる。In−111で標識
された標識物の場合は、該ペプチド又は該複合体とIn
−111イオンを含む弱酸性水溶性溶液とを混合するこ
とで調製できる。Ga−67又はY−90で標識された
標識物は、該ペプチド又は該複合体とGa−67イオン
又はY−90イオンを含む弱酸性ないし弱アルカリ性の
水溶性溶液とを混合することで調製が可能である。
放射性治療剤として供する場合は、上述した方法によっ
て調製される標識物を更にHPLC法による精製に付し
て不純物及び未反応の過テクネチウム酸イオン、過レニ
ウム酸イオン、In−111イオン、Ga−67イオン
及びY−90イオンを取り除いた後に使用してもよい。
れる担体と混合することにより、放射性診断剤又は放射
性治療剤に調製することができる。かかる担体として
は、薬学的に許容されるアスコルビン酸、p−アミノ安
息香酸等の安定化剤、水性緩衝液等のpH調整剤、D−
マンニトール等の賦形剤、及び放射化学的純度を改良す
るのに役立つクエン酸、酒石酸、マロン酸、グルコン酸
ナトリウム、グルコヘプトン酸ナトリウム等があげられ
る。又、これらの担体と共に用時調製用キットの形態で
も本発明の放射性診断剤又は放射性治療剤は提供が可能
である。
プチドに生理活性を有するペプチド、タンパク質又はそ
の他の化合物等を結合させた複合体を放射性金属核種で
標識した標識物を含有してなる放射性診断剤及び放射性
治療剤は、静脈内投与等の一般的に用いられる非経口手
段により投与でき、その投与量は患者の体重、年令、適
当な放射線イメージング装置及び対象疾患状態等の諸条
件を考慮し、イメージング及び治療が可能と考えられる
放射能が決定される。
識した標識物を用いた診断剤の投与量は、Tc−99m
の放射活性として37MBq〜1110MBqの範囲で
あり、好ましくは185MBq〜1110MBqであ
る。Re−186又はRe−188で標識した標識物を
用いた治療剤の場合は、放射活性として37MBq〜1
8500MBqの範囲であり、好ましくは370MB〜
7400MBqである。Y−90で標識した標識物を用
いた治療剤の場合は、放射活性として37MBq〜37
00MBqの範囲であり、好ましくは37MBq〜11
10MBqの範囲である。
説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。尚、実施例1から8の実験は、キレート形成
性ペプチド(KYC)のC末端に腫瘍部位親和性のある
EPPTを含むペプチド(WO 92/ 18534)が結合した複
合体KYCAREPPTRTFAYWGQGを基本配列
として用いた。この内、N末端側アミノ酸2残基を種々
のアミノ酸残基に置換させた複合体につき、そのTc−
99m標識率を求め、該キレート形成性ペプチドの金属
キレート能の指標とした。
合成 アプライドバイオシステムズ社製ペプチド合成機(モデ
ル431A)を使用し、プレロードレジンを用い、Fm
oc法にてKYC、D-KYC、DYC又はYYCをN末
端側に含むペプチドの合成を行った。合成されたペプチ
ドのプレロードレジンからの切り出し及び脱保護は、ト
リフルオロ酢酸(以下、TFAという)9.5ml、エ
タンジチオール(以下、EDTという)0.5ml、チ
オアニソール1.0ml、フェノール0.75g、精製
水1.0mlの混合液を氷冷し、合成原末0.1〜0.
2gに対し、混合液10mlを加え、1.5時間室温で
反応させて行った。精製は、カラム:YMC−Pack
R&S−ODS−5−ST(20×150mm)、溶
出速度:8ml/min、検出波長:230nm、溶出
液A:0.1%TFA/精製水、溶出液B:0.1%T
FA/アセトニトリル、濃度勾配:0分(10%B)→
15分(10%B)→75分(50%B)の条件下、H
PLC精製を行った。
法により精製純度95%前後のピーク画分に対しアミノ
酸組成分析を行い、アミノ酸組成を求めた。精製純度
は、カラム:YMC−Pack ODS−A(4.6×
150mm)、溶出速度:1ml/min、検出波長:
215nm、溶出液:0.1%TFA/精製水、溶出液
B:0.1%TFA/アセトニトリル、濃度勾配:0分
(5%B)→30分(40%B)の条件下、HPLC分
析を行った。アミノ酸組成分析は、ウォーターズ社製P
ICO/TAG−TMワークステーションを用いて行っ
た。Trp残基は、塩酸分解を行う際にアミノ酸が分解
し、又、Cys残基は、メルカプト基が反応してジスル
フィド結合を形成してしまうため正確な測定が不可能で
あった。以下に得られたペプチドのアミノ酸組成の分析
値(分子当たりの個数)を示す。丸かっこ内は、目的ペ
プチドのアミノ酸組成の理論値(分子当たりの個数)を
示す。
Glx:2.0(2)、Gly:2.4(2)、Ar
g:2.0(2)、Thr:2.3(2)、Ala:
1.9(2)、Pro:2.2(2)、Tyr:2.1
(2)、Phe:0.9(1)、Lys:0.9
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
QG=Glx:2.0(2)、Gly:2.2(2)、
Arg:1.9(2)、Thr:2.0(2)、Al
a:2.1(2)、Pro:2.1(2)、Tyr:
1.8(2)、Phe:1.1(1)、Lys:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Asp:1.0(1)、Glx:2.0(2)、Gl
y:2.1(2)、Arg:2.0(2)、Thr:
1.9(2)、Ala:2.0(2)、Pro:2.0
(2)、Tyr:2.1(2)、Phe:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Glx:2.0(2)、Gly:2.1(2)、Ar
g:2.0(2)、Thr:1.9(2)、Ala:
2.0(2)、Pro:2.1(2)、Tyr:2.9
(3)、Phe:1.1(1)、Lys:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Tc−99m標識 グルコヘプタネート40.3μmol/300μlと塩
化第一スズ溶液130nmol/50μlの混合液を含
有する凍結乾燥バイアル中に過テクネチウム酸ナトリウ
ム(Tc−99m)溶液1.1〜1.5GBqを加え、
全量を1.0mlとした。時折転倒撹拌しながら室温で
30分間反応させ、その一部を取り、セルロースアセテ
ート膜電気泳動法にてグルコヘプタネートのTc−99
m標識率が95%以上であることを確認した。次に、種
々の濃度に調節した実施例1で得た4種のペプチドを
0.25〜12.5nmol/200μlの濃度に調整
し、Tc−99m標識グルコヘプタネート溶液200μ
lを各々加え、混合攪拌し、室温で60分間反応させ、
その一部を取り、次の条件のHPLC法により各Tc−
99m標識率を求めた。カラム:Millipore
puresil 5μmC18(4.6×150m
m)、溶出速度:1ml/min、検出波長:220n
m、放射能検出器:NaIシングルチャンネルアナライ
ザー、溶出液A:0.1%TFA/精製水、溶出液B:
0.1%TFA/アセトニトリル、濃度勾配:0分(1
0%B)→5分(10%B)→35分(50%B)→4
5分(75%B)。表1に本調製法により、調製した4
種のTc−99m標識ペプチドの標識率を記す。表1に
示した標識率の結果から25μg/mlの薄い濃度で、
かつ室温にて90%以上の高いTc−99m標識が可能
であることが示された。
及びKYCAREPPTRTFAYWGQG−NH2 の
金属キレート能の評価 N末端側のアミノ酸残基リジン(K)のα位のアミノ基
をアセチル化(Ac)し、且つC末端カルボキシル基を
アミド化(NH2 )したAc−KYCAREPPTRT
FAYWGQG−NH2 及びC末端のみアミド化したK
YCAREPPTRTFAYWGQG−NH2 の2種の
ペプチドを用いた。本発明の金属キレート形成性ペプチ
ドX1−X2−Cys配列が、生理活性を有するペプチ
ドと結合して複合体を形成して、その複合体のN末端側
に配置し、そのN末端のアミノ酸残基のα−アミノ基が
遊離のままの場合と、アセチル化した場合の放射性金属
核種との金属キレート能につき検討した。
おけるプレロード化レジンにかえ、アミド化レジン(M
illipore社製PAL樹脂)を用い、実施例2記
載の方法に従い、Tc−99m標識を行った。以下に、
得られたペプチドのアミノ酸組成の分析値(分子当たり
の個数)を示す。丸かっこ内は、目的ペプチドのアミノ
酸組成の理論値(分子当たりの個数)を示す。
QG−NH2 =Glx:2.1(2)、Gly:2.5
(2)、Arg:2.0(2)、Thr:1.5
(2)、Ala:1.8(2)、Pro:2.1
(2)、Tyr:1.9(2)、Phe:1.2
(1)、Lys:1.0(1)、Cys:−(1)、T
rp:−(1)。
NH2 =Glx:2.1(2)、Gly:2.2
(2)、Arg:2.1(2)、Thr:1.6
(2)、Ala:1.9(2)、Pro:2.1
(2)、Tyr:1.7(2)、Phe:1.3
(1)、Lys:1.0(1)、Cys:−(1)、T
rp:−(1)。
1及び図2に示す。アセチル化を施していない遊離α−
アミノ基を持つアミノ酸残基をN末端に有するペプチド
は、単一放射能ピークを示した(リテンションタイム:
17.08分,図2)。これに対し、アセチル化を施し
たα−アミノ基を持つアミノ酸残基をN末端に有するペ
プチドは、2本の放射能ピークを示した(リテンション
タイム:17.19分及び18.01分,図1)。両ペ
プチドともTc−99mの放射性金属核種との金属キレ
ート形成能を有するが、N末端側にアセチル化を施した
α−アミノ基を持つアミノ酸残基を有するペプチドは、
2本の放射能ピークに割れることから標識構造の安定性
や標識純度等が劣ることが考えられた。従って、単一放
射能ピークを示したペプチド、つまりN末端側アミノ酸
残基のα位のアミノ基が遊離第1級アミノ基であるペプ
チドが望ましいことが示唆された。
合成 実施例1記載の方法に従い、KGC、KPC、D-KPC
及びYKCを含むペプチドの合成及び精製を行った。以
下に得られたペプチドのアミノ酸組成の分析値(分子当
たりの個数)を示す。丸かっこ内は、目的ペプチドのア
ミノ酸組成の理論値(分子当たりの個数)を示す。
Glx:2.0(2)、Gly:3.2(3)、Ar
g:2.1(2)、Thr:1.8(2)、Ala:
1.8(2)、Pro:2.0(2)、Tyr:1.0
(1)、Phe:1.1(1):Lys:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Glx:2.0(2)、Gly:2.1(2)、Ar
g:2.0(2)、Thr:2.0(2)、Ala:
1.9(2)、Pro:3.1(3)、Tyr:1.0
(1)、Phe:1.0(1)、Lys:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
=Glx:1.9(2)、Gly:2.3(2)、Ar
g:1.9(2)、Thr:1.8(2)、Ala:
1.9(2)、Pro:3.4(3)、Tyr:1.0
(1)、Phe:1.1(1)、Lys:0.7
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Glx:2.0(2)、Gly:2.2(2)、Ar
g:2.1(2)、Thr:1.8(2)、Ala:
1.8(2)、Pro:2.0(2)、Tyr:2.0
(2)、Phe:1.1(1)、Lys:1.0
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
Tc−99m標識 実施例4で得られた4種のペプチドを実施例2記載の方
法により、Tc−99m標識を行った。表2に各標識ペ
プチド及び実施例2で得られたKYCを含むペプチドの
Tc−99m標識物の標識率を示した。100μg/m
lのサンプル濃度において、X2にTyr残基、Gly
残基及びLys残基を配置した場合は、標識率が98%
以上であっが、Pro残基を配置した場合は、50〜7
0%に過ぎなかった。
の安定性 実施例1及び2に従い、Tc−99m−KYCAREP
PTRTFAYWGQGを調製し、モル比で1000倍
等量のDTPA溶液を加え、室温で1時間反応させた。
キレートの安定性は、Tc−99mのDTPAへの移行
率を指標として調べた。移行率は、実施例1記載のHP
LC分析により測定した。その結果、図3に示したよう
にTc−99m−KYC(リテンションタイム:17.
08分)以外の放射能ピークはほとんど検出されず、1
000倍等量のDTPAを加えてもTc−99m−KY
Cは安定であることが確認された。
m標識体の体内動態 実施例2で得たTc−99m−KYCAREPPTRT
FAYWGQG、Tc−99m−DYCAREPPTR
TFAYWGQG及びTc−99m−YYCAREPP
TRTFAYWGQGの3種のTc−99m標識体を、
予めチオペントバルビタール酸ナトリウムで麻酔を施し
たSD系ラット(Sprague−Dawley)14
0〜200gに、尾静脈から3.0〜3.7MBq投与
し、5、30、60及び180分後に屠殺し、各臓器の
放射能分布をNaIシングルチャンネルアナライザーに
て測定した。表3、表4及び表5にその結果を記す。
Tc−99m標識ペプチドの正常ラット体内分布は、X
1のアミノ酸残基一つの違いで大きく分布が異なること
が認められた。特にX1にAsp残基又はLys残基を
置換した時は、腎臓からの放射能の排泄が非常に速く、
投与後60分で82%の放射能が尿中に排泄された。対
照的にX1にTyr残基を置換した時は、小腸に投与後
60分で37%が集積し、その後大腸を経て糞中に排泄
される経路をとった。
を用いた腫瘍イメージング 実施例1記載の方法に従いKYCをN末端側に含むペプ
チドKYCAREPPTRTNAYWGQGを合成及び
精製し、実施例2記載の方法に従いTc−99m標識を
行いHPLC分析を行った。以下に、得られたKYCA
REPPTRTNAYWGQGペプチドのアミノ酸組成
の分析値(分子当たりの個数)を示す。丸かっこ内は、
目的ペプチドのアミノ酸組成の理論値(分子当たりの個
数)。
Asn:1.1(1)、Glx:2.0(2)、Gl
y:2.1(2)、Arg:1.9(2)、Thr:
2.0(2)、Ala:1.9(2)、Pro:2.1
(2)、Tyr:2.0(2)、Lys:0.9
(1)、Cys:−(1)、Trp:−(1)。
moid Carcinoma; ATCC No. CCL 23)の5×106 ce
llを1.0mlの培養液(Minimum essential medium
(Eagle's ) with Earle's BSS, 90%; fetal bovine s
erum, 10% )に懸濁させ、その内の100μlをBAL
B/C系ヌードマウス(6週令)の体側部に皮下注射
し、2週間後、腫瘍が0.3g前後に成長したヌードマ
ウスにラボナール麻酔を施し、上記で得られたTc−9
9m−標識ペプチドの35〜40MBqを尾静脈内投与
し、5分及び20分後にガンマカメラにてイメージを撮
像した。その結果を図4及び図5に示した。その後、直
ちに屠殺し各臓器の放射能分布をNaIシングルチャン
ネルアナライザーにて測定し、[腫瘍]/[筋肉]比
([T]/[B]比)を求めた。投与後20分の[T]
/[B]比は、4.50±0.71(n=3,平均値±
標準偏差)を示し、明らかに病巣部位が描出され、本発
明のキレート形成性ペプチドであるKYCが、腫瘍部位
親和性ペプチドAREPPTRTNAYWGQGの薬理
活性を保持したまま、安定に該腫瘍部位親和性ペプチド
をTc−99m標識するのに有用であることが示され
た。
RVV−NH2 の調製 実施例1記載の方法において、プレロード化レジンに代
えてアミド化レジン(MIllipore社製PAL樹
脂)を用いて、ペプチドKYCGGKTKPREQQY
NSTYRVV−NH2 を合成及び精製し、実施例2記
載の方法に従いTc−99m標識し、HPLC分析を行
った。以下に得られたペプチドのアミノ酸組成の分析値
(分子当たりの個数)を示す。丸かっこ内は、目的ペプ
チドのアミノ酸組成の理論値(分子当たりの個数)。
VV−NH2 =Asp:1.1(1)、Glx:3.0
(3)、Ser:0.9(1)、Gly:2.1
(2)、Arg:2.0(2)、Thr:2.2
(2)、Pro:1.0(1)、Tyr:3.2
(3)、Val:1.5(2)、Lys:3.0
(3)、Cys:−(1)。
ol/300μlと塩化第一スズ溶液130nmol/
50μlの混合液の凍結乾燥バイアル中に過テクネチウ
ム酸ナトリウム(Tc−99m)溶液1.5〜1.8G
Bqを加え、全量を1mlとした。時折転倒撹拌しなが
ら室温で30分間反応させ、その一部を取り、セルロー
スアセテート膜電気泳動法にてグルコヘプタネートのT
c−99m標識率が95%以上であることを確認した
後、ペプチド40nmol/500μlとテクネチウム
−99m標識グルコヘプトネート溶液500μlを混合
し、沸騰水浴中20分間反応させ、放冷後その一部を取
り、TLC法(TLCプレ−ト:ODS,展開溶媒:
0.1%TFA/60%アセトニトリル/精製水)にて
標識率を求めた。その結果ペプチドの標識率は90%で
あった。
RVV−NH2 を用いた炎症イメージング スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus au
reus)の108 個の生菌を生理食塩水1mlに懸濁さ
せ、その内の100μlをSD系ラット220g前後の
右ふくらはぎに筋肉内投与し、24時間経過後、明らか
に炎症が認められたモデルラットにラボナール麻酔を施
し、実施例9で得られたテクネチウム−99m−KYC
GGKTKPREQQYNSTYRVV−NH2 の37
〜74MBqを尾静脈内投与し、30分及び120分後
にガンマカメラにてイメージを撮像した。得られた結果
は、図6及び図7に示した通りである。イメージ上に関
心領域を設定し〔炎症〕/〔正常〕比([T]/[B]
比)を求めた結果、投与後2時間の[T]/[B]比
(平均値±標準誤差)は3.26±0.18(n=6)
を示し、明らかに病巣部位が描出され、Tc−99m−
KYCが、炎症親和性ペプチドGGKTKPREQQY
NSTYRVV−NH2 の活性を保持し、且つ安定に該
炎症親和性ペプチドをTc−99m標識するのに有用で
あることが示された。
アミノ酸3残基からなる本発明の金属キレート形成性ペ
プチドは、従来問題であった分子内及び分子間のジスル
フィド結合を特に考慮する必要がなく、取扱いが容易
で、生理活性を有するペプチド、タンパク質又はその他
の化合物等の生理活性物質と複合体を形成した場合に
も、Tc−99m等の放射性金属核種とインビトロ及び
インビボにおいて安定に結合し、その生理活性物質の活
性を損なわず、その体内分布に非特異的な集積を認めな
い排泄経路を好ましく方向付け可能な金属キレート形成
性ペプチド、該金属キレート形成性ペプチドに生理活性
を有するペプチド、タンパク質又はその他の化合物等が
結合した複合体、該金属キレート形成性ペプチド及び該
複合体に放射性金属核種が配位した放射性診断剤及び放
射性治療剤、及びその製造方法を提供する。
PTRTFAYWGQG−NH2 のHPLCのプロファ
イルを示す図である。
TFAYWGQG−NH2 のHPLCのプロファイルを
示す図である。
99m−KYCAREPPTRTFAYWGQGのHP
LCのプロファイルを示す図である。
YCAREPPTRTNAYWGQGの投与後5分の全
身シンチグラムを示す写真(生物の形態)である。
YCAREPPTRTNAYWGQGの投与後20分の
全身シンチグラムを示す写真(生物の形態)である。
YCGGKTKPREQQYNSTYRVV−NH2の
投与後30分の全身シンチグラムを示す写真(生物の形
態)である。
YCGGKTKPREQQYNSTYRVV−NH2の
投与後120分の全身シンチグラムを示す写真(生物の
形態)である。
Claims (25)
- 【請求項1】アミノ酸配列が、N末端側から順にX1−
X2−Cysのアミノ酸3残基からなる金属キレート形
成性ペプチド。但し、X1はCys残基を除く任意のア
ミノ酸残基、X2はCys残基及びPro残基を除く任
意のアミノ酸残基である。又、該金属キレート形成性ペ
プチドのN末端、C末端及び側鎖の官能基は、保護基等
で置換されていてもよく、各アミノ酸残基はD体又はL
体のいずれでもよい。 - 【請求項2】X1が、α位に遊離アミノ基を有するアミ
ノ酸残基である請求項1記載の金属キレート形成性ペプ
チド。 - 【請求項3】X1がα位に遊離第1級アミノ基を有する
アミノ酸残基である請求項1又は2記載の金属キレート
形成性ペプチド。 - 【請求項4】X1−X2のアミノ酸配列において、As
p残基とGly残基、Gly残基とGly残基、Glu
残基とGly残基が隣接することがない請求項1から3
のいずれかに記載の金属キレート形成性ペプチド。 - 【請求項5】X1がAsp残基、Lys残基又はTyr
残基である請求項1から4のいずれかに記載の金属キレ
ート形成性ペプチド。 - 【請求項6】X1がAsp残基、X2がTyr残基であ
る請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形成
性ペプチド。 - 【請求項7】X1がAsp残基、X2がLys残基であ
る請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形成
性ペプチド。 - 【請求項8】X1がTyr残基、X2がGly残基であ
る請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形成
性ペプチド。 - 【請求項9】X1がTyr残基、X2がTyr残基であ
る請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形成
性ペプチド。 - 【請求項10】X1がTyr残基、X2がLys残基で
ある請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形
成性ペプチド。 - 【請求項11】X1がLys残基、X2がGly残基で
ある請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形
成性ペプチド。 - 【請求項12】X1がLys残基、X2がTyr残基で
ある請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形
成性ペプチド。 - 【請求項13】X1がLys残基、X2がLys残基で
ある請求項1から5のいずれかに記載の金属キレート形
成性ペプチド。 - 【請求項14】請求項1から13のいずれかに記載の金
属キレート形成性ペプチドに生理活性を有するペプチ
ド、タンパク質又はその他の化合物等の生理活性物質が
結合した複合体。 - 【請求項15】金属キレート形成性ペプチドが、病巣部
位親和性ペプチドのN末端側又はC末端側に結合した、
あるいは中間部位に挿入された請求項14記載の複合
体。 - 【請求項16】病巣部位親和性ペプチドが、腫瘍部位親
和性ペプチド、炎症/感染症部位親和性ペプチド、血栓
部位親和性ペプチド、又は脳疾患部位親和性ペプチドで
ある請求項15記載の複合体。 - 【請求項17】請求項1から13のいずれかに記載の金
属キレート形成性ペプチド、又は14から16のいずれ
かに記載の複合体に放射性金属核種が配位した放射性金
属核種標識物。 - 【請求項18】放射性金属核種が、Tc−99m、In
−111、Ga−67、Y−90、Re−186又はR
e−188である請求項17記載の放射性金属核種標識
物。 - 【請求項19】Tc−99m、In−111又はGa−
67のいずれかの放射性金属核種が配位した請求項17
又は18記載の放射性金属核種標識物を活性成分として
含有する放射性診断剤。 - 【請求項20】Y−90、Re−186又はRe−18
8のいずれかの放射性金属核種が配位した請求項17又
は18記載の放射性金属核種標識物を活性成分として含
有するる放射性治療剤。 - 【請求項21】Cys残基又はその保護誘導体に、X2
のアミノ酸残基又はその保護誘導体、次いでX1のアミ
ノ酸残基又はその保護誘導体を結合することからなる請
求項1から13のいずれかに記載の金属キレート形成性
ペプチドの製造方法。 - 【請求項22】請求項1から13のいずれかに記載の金
属キレート形成性ペプチドに生理活性を有するペプチ
ド、タンパク質又はその他の化合物等の生理活性物質を
結合することからなる請求項14から16のいずれかに
記載の複合体の製造方法。 - 【請求項23】請求項1から13のいずれかに記載の金
属キレート形成性ペプチド、又は請求項14から16の
いずれかに記載の複合体に放射性金属核種を配位させる
ことからなる請求項17又は18記載の放射性金属核種
標識物の製造方法。 - 【請求項24】Tc−99m、In−111又はGa−
67のいずれかの放射性金属核種が配位した請求項18
記載の放射性金属核種標識物と、薬学的に許容しうる担
体とを混合することからなる請求項19記載の放射性診
断剤の製造方法。 - 【請求項25】Y−90、Re−186又はRe−18
8のいずれかの放射性金属核種が配位した請求項18記
載の放射性金属核種標識物と、薬学的に許容しうる担体
とを混合することからなる請求項20記載の放射性治療
剤の製造方法。
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JP33802494 | 1994-12-27 | ||
JP34733295A JP3866317B2 (ja) | 1994-12-27 | 1995-12-14 | 金属キレート形成性ペプチド、その用途及びその製造方法 |
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