JPH0823071A - 電力用半導体素子の保護回路 - Google Patents

電力用半導体素子の保護回路

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Publication number
JPH0823071A
JPH0823071A JP15611894A JP15611894A JPH0823071A JP H0823071 A JPH0823071 A JP H0823071A JP 15611894 A JP15611894 A JP 15611894A JP 15611894 A JP15611894 A JP 15611894A JP H0823071 A JPH0823071 A JP H0823071A
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JP
Japan
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circuit
power semiconductor
terminal
semiconductor element
capacitor
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Application number
JP15611894A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Kobayashi
知宏 小林
Yasuhiko Hosokawa
靖彦 細川
Shinichiro Hayashi
伸一郎 林
Fumio Mizohata
文雄 溝畑
Masahiro Hashimoto
正寛 橋本
Shotaro Murakami
昇太郎 村上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 GTOとスナバ回路間の配線インダクタンス
及びスナバ回路のインダクタンスを含む全体のインダク
タンスを低減し、GTOのターンオフ時に発生するスパ
イク電圧を素早く抑制する。 【構成】 GTO7のターンオフ時に、GTO7のアノ
ードからカソードに電流を流すスナバ回路の周囲に導電
性の導管1に設け、GTO7のアノードからスナバ回路
を通して出力される電流を導管1を通してGTO7のカ
ソードへ流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力用半導体素子、
例えばゲートターンオフサイリスタ等の自己消弧形電力
用半導体素子のターンオフ時に、素子両端に発生するス
パイク電圧の上昇をスナバ回路にて抑制して素子を保護
する電力用半導体素子の保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自己消弧形半導体素子がターンオフする
場合、素子に並列に接続されたコンデンサに電流を流す
ことによって素子の両極に発生するスパイク電圧を抑制
し、素子を保護するの回路として、コンデンサとダイオ
ードの直列回路から成るスナバ回路が使用される。この
スナバ回路については、例えば、特開昭61−1190
68号公報に記載されている。
【0003】従来の自己消弧形電力用半導体素子のスナ
バ回路について、図10、図11、図12を参照しなが
ら説明する。図10は、従来のGTO等の自己消弧形電
力用半導体素子に並列接続されるスナバ回路の全体構成
を示す図である。図10において、3はスナバコンデン
サ(以下、単にコンデンサと記載する)、4は配線33
でコンデンサ3に直列接続されているスナバダイオード
(以下、単にダイオードと記載する)である。
【0004】5a,5b,5cは後述する環流ダイオー
ド及びゲートターンオフサイリスタ(以下、GTOと記
載する)を冷却する導電性の冷却フィンであって環流ダ
イオード及びGTOに螺合されている。6は環流ダイオ
ード、7はGTOである。ここで、環流ダイオード6の
アノードとGTO7のカソードは冷却フィン5bを介し
て結合され、また環流ダイオード6のカソードとGTO
7のアノードは図示しない導体によって短絡されること
で環流ダイード6はGTO7に逆並列接続されている。
【0005】また、コンデンサ3の一方の電極端子は配
線34を介してGTO7のアノードに螺合された冷却フ
ィン5aに接続され、コンデンサ3の他方の電極端子は
配線33を介してダイオード4のアノードに接続されて
いる。更に、ダイオード4のカソードは導体性の板35
を介して環流ダイオード6のアノードに接続されてい
る。
【0006】図11は、図10に示すGTOのスナバ回
路に相当するの回路図である。図11において、Rは図
10では示されていないが必要に応じてダイオード4に
並列接続されるスナバ抵抗、36はスナバ回路とGTO
7を接続する配線34〜35のインダクタンスやスナバ
回路を構成する部品の内部インダクタンスを概念的に示
したものである。
【0007】図12は、GTOターンオフ時の電圧電流
波形である。図12において、41はGTO7に流れる
電流波形で、42はGTO7のカソード、アノードの両
端にかかる電圧波形で、43はVDSPと呼ばれるスパ
イク状の電圧である。
【0008】次に、従来の自己消弧形電力用半導体素子
のスナバ回路の動作について説明する。GTO7がター
ンオフされると、GTO7のアノードとカソード間の電
圧が上昇するが、コンデンサ3に電荷が蓄えられるま
で、GTO7のアノードから電流がコンデンサ3とダイ
オード4の直列回路を流れてGTO7のカソードに達
し、GTO7のアノードとカソード間の電圧上昇が抑え
られる。
【0009】今、GTO7の電流遮断速度がdi/dt
とすると、GTO7のアノード−カソード間には、(ス
ナバ回路のインダクタンス)×(di/dt)で表され
るスパイク電圧VDSP43が発生する。スパイク電圧
VDSP43の値が大きいと、GTO7が破壊されるの
で、スパイク電圧VDSP43の値は小さい方が望まし
い。電流遮断速度di/dtはGTO7の駆動条件、固
有の特性によって決まるので、スパイク電圧VDSP4
3の値を減少させるにはスナバ回路のインダクタンス4
0を抑制する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の自己消弧形電力
用半導体素子のスナバ回路では、スナバ回路を構成する
コンデンサとダイオードを接続する際、またはスナバ回
路をGTOのカソードとアノードに並列接続する際に接
続用の配線導体を、スナバ回路とGTOの配置関係から
ある程度の長さ引き伸ばして用いていた。そのため、配
線導体のインダクタンスやダイオードやコンデンサ自身
のインダクタンスの影響でGTOのターンオフ時に発生
するスパイク電圧VDSPを素早く抑制できず、GTO
にダメージを与え兼ねないという問題点があった。
【0011】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたのもで、配線インダクタンス及び回路インダ
クタンスを含む全体のインダクタンスを低減してスパイ
ク電圧を素早く抑制することのできる電力用半導体素子
の保護回路を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
力用半導体素子の保護回路は、 電力用半導体素子の第
1の端子からスナバ回路に電流を流す電流路の周囲に、
上記スナバ回路から出力されて上記電力用半導体素子の
第2の端子に電流を流す電流帰路を同軸状に設けたもの
である。
【0013】請求項2の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子に一端が接
続されているスナバ回路の他端より上記電力用半導体素
子の第2の端子に電流を流す電流帰路を上記スナバ回路
の周囲に同軸状に設けたものである。
【0014】請求項3の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、請求項2の電力用半導体素子の保護回路に
おいて、電流帰路を導電性筒体とし、この導電性筒体内
に挿入されたスナバ回路の一端を電力用半導体素子の第
1の端子に接続すると共に上記スナバ回路の他端を上記
導電性筒体の一端に接続し、上記導電性筒体の他端を上
記電力用半導体素子の第2の端子に接続したものであ
る。
【0015】請求項4の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、請求項3の電力用半導体素子の保護回路に
おいて、導電性筒体の側面を電流路に対して平行な電流
帰路を形成する複数の導線で形成したものである。
【0016】請求項5の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子にスナバ回
路を構成する第1の回路素子の一端を接続すると共に他
端を、上記スナバ回路を構成する第2の回路素子の第1
の電極端子に接続し、上記第2の回路素子の複数の第2
の電極端子を、上記第1の回路素子を同軸状に覆った導
電性筒体を介して上記電力用半導体素子の第2の端子に
接続したものである。
【0017】請求項6の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、請求項5の電力用半導体素子の保護回路に
おいて、導電性筒体の側面を第1の回路素子に対して平
行に配置された複数の導線で形成し、これら導線を介し
て複数の第2の電極端子と電力用半導体素子の第2の端
子とを接続したものである。
【0018】請求項7の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、請求項5または請求項6の電力用半導体素
子の保護回路において、誘電体を挟んだ一対の金属箔を
軸状に巻回してその中心に導線を挿通し終端を一方の金
属箔に接続すると共に、上記導線の先端を第1の電極端
子とし、この第1の電極端子の周囲に、他方の金属箔に
接続された複数の第2の電極端子を遊星状に配置して構
成したコンデンサを第2の回路素子とする。
【0019】請求項8の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子にスナバ回
路を構成する第1の回路素子の一端を接続し、この第1
の回路素子の周囲に上記スナバ回路を構成する複数の第
2の回路素子を遊星状に配置してこれら第2の回路素子
の一端を上記第1の回路素子の他端に共通接続すると共
に、上記各第2の回路素子の他端を上記電力用半導体素
子の第2の端子に接続したものである。
【0020】請求項9の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、請求項8の電力用半導体素子の保護回路に
おいて、第1の回路素子をダイオードとし、第2の回路
素子をコンデンサとする。
【0021】請求項10の発明に係る電力用半導体素子
の保護回路は、請求項8の電力用半導体素子の保護回路
において、第1の回路素子をコンデンサとし、第2の回
路素子をダイオードとする。
【0022】請求項11の発明に係る電力用半導体素子
の保護回路は、コンデンサの外装ケースを中間に空間部
を有する環状とすると共に、上記空間部中央にダイオー
ドを配置してカソードを上記コンデンサの第1の電極部
に接続してスナバ回路を構成し、上記ダイオードのアノ
ードを上記電力用半導体素子の第1の端子に、上記コン
デンサの第2の電極部を上記電力用半導体素子の第2の
端子に接続したものである。
【0023】請求項12の発明に係る電力用半導体素子
の保護回路は、コンデンサの外装ケースを中間に空間部
を有する環状とすると共に、上記空間部中央にダイオー
ドを配置してカソードを上記コンデンサの第1の電極部
一端に接続してスナバ回路を構成し、上記ダイオードの
アノードを冷却フィンを介して電力用半導体素子の第1
の端子固定し、上記コンデンサの第2の電極部を上記電
力用半導体素子の第2の端子に導線で接続したものであ
る。
【0024】
【作用】請求項1の発明における電力用半導体素子の保
護回路は、電流路の周囲にこの電流路と逆向きの電流帰
路を設けることで、電力用半導体素子の第1の端子から
第2の端子までの配線インダクタンス中、自己インダク
タンス分は電流帰路に流れる電流による相互インダクタ
ンスによって打ち消されるため素子の電流遮断時に発生
するスパイク電圧の上昇を即座に抑制できるため、電力
用半導体素子の電流遮断特性が向上する。
【0025】請求項2の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、電力用半導体素子の第2の端子に電流を
流す電流帰路をスナバ回路の周囲に同軸状に設けたこと
で、電力用半導体素子の第1の端子から第2の端子まで
のインダクタンス及びスナバ回路の内部インダクタンス
を低減できる。
【0026】請求項3の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、電力用半導体素子の第2の端子に電流を
流す電流帰路を導電性筒体としてスナバ回路の周囲に同
軸状に回装したことで、電力用半導体素子の第1の端子
から第2の端子までのインダクタンス及びスナバ回路の
内部インダクタンスを低減できる。
【0027】請求項4の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、電力用半導体素子の第2の端子に電流を
流す電流帰路を複数本の導線で構成し、これら導線をス
ナバ回路の周囲に平行に回装したことで、スナバ回路の
放熱効率を高めると共に、電力用半導体素子の第1の端
子から第2の端子までのインダクタンス及びスナバ回路
の内部インダクタンスを低減できる。
【0028】請求項5の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、スナバ回路を構成する第1の回路素子の
一端を第2の回路素子の第1の電極端子に接続したなら
ば、第2の回路素子の第1の電極端子の周囲に遊星状に
配置された第2の回路素子の複数の第2の電極端子と電
力用半導体素子の第2の端子との間を導電性筒体で接続
することで、電力用半導体素子の第1の端子から第2の
端子までのインダクタンスが導電性筒体による同軸状の
効果で打ち消される。
【0029】請求項6の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、スナバ回路を構成する第1の回路素子に
一端を第2の回路素子の第1の電極端子に接続したなら
ば、第2の回路素子の第1の電極端子の周囲に遊星状に
配置された第2の回路素子の複数の第2の電極端子と電
力用半導体素子の第2の端子との間を導線で接続するこ
とで、電力用半導体素子の第1の端子から第2の端子ま
でのインダクタンスが導線による同軸状の効果で打ち消
される。
【0030】請求項7の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、誘電体を挟んだ一対の金属箔を軸状に巻
回してその中心に導線を挿通し終端を一方の金属箔に接
続すると共に、上記導線の先端を第1の電極端子とし、
この第1の電極端子の周囲に、他方の金属箔に接続され
た複数の第2の電極端子を遊星状に配置してコンデンサ
を構成することで、第1の電極端子より流入された電流
は流入方向と逆方向に各第2の電極に流出するためコン
デンサ内部のインダクタンスは同軸状の効果で低減され
る。
【0031】請求項8の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子に一端を
接続した第1の回路素子の周囲に遊星状に複数の第2の
回路素子を配置してその第1の電極端子を第1の回路素
子の他端に共通接続し、第2の回路素子も第2の電極端
子を電力用半導体素子の第2の端子に接続することで、
電力用半導体素子の第1の端子から第2の端子までのイ
ンダクタンスが第2の回路素子による同軸状の効果で打
ち消される。
【0032】請求項9の発明における電力用半導体素子
の保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子に第1の
電極部を接続したコンデンサの周囲に遊星状に複数のダ
イオードを配置してアノードをコンデンサの第2の電極
部に共通接続し、各カソードを電力用半導体素子の第2
の端子に接続することで、電力用半導体素子の第1の端
子から第2の端子までのインダクタンスがダイオードに
よる同軸状の効果で打ち消される。
【0033】請求項10の発明における電力用半導体素
子の保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子にアノ
ードを接続したダイオードの周囲に遊星状に複数のコン
デンサを配置してその第1の電極部をダイオードのカソ
ードに共通接続し、第2の電極部を電力用半導体素子の
第2の端子に接続することで、電力用半導体素子の第1
の端子から第2の端子までのインダクタンスがダイオー
ドによる同軸状の効果で打ち消される。
【0034】請求項11の発明における電力用半導体素
子の保護回路は、外装ケースの中間に空間部を有する環
状のコンデンサの空間部中央にダイオードを配置してカ
ソードをコンデンサの第1の電極部に接続してスナバ回
路を構成し、アノードを電力用半導体素子の第1の端子
に、アノードの周囲に遊星状に配置されたコンデンサの
複数の第2の電極部を上記電力用半導体素子の第2の端
子に接続することで、電力用半導体素子の第1の端子か
ら第2の端子までのインダクタンスがコンデンサによる
同軸状の効果で打ち消される。
【0035】請求項12の発明における電力用半導体素
子の保護回路は、外装ケースの中間に空間部を有する環
状のコンデンサの空間部中央にダイオードを配置してカ
ソードをコンデンサの第1の電極部に接続してスナバ回
路を構成し、上記ダイオードのアノードを冷却フィンを
介して電力用半導体素子の第1の端子固定し、上記コン
デンサの第2の電極部を上記電力用半導体素子の第2の
端子に導線で接続することで、電力用半導体素子の第1
の端子から第2の端子までのインダクタンスがコンデン
サによる同軸状の効果で打ち消される。
【0036】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1の構成について図
1を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施例
1の全体構成を示す図である。図において、1は底1a
を有した円筒状の導電性の導管(導電性筒体)、2は導
管1の内周面に沿って配置した絶縁材であり、この絶縁
材2を介して導管1内にコンデンサ3とダイオード4の
直列回路なるスナバ回路が挿入されている。そして、ダ
イオード4のアノードはコンデンサの一方の電極端子に
接続され、カソードは導管1の底1aに電気的に接触し
ている。
【0037】8は導管1と冷却フィン5cや、導管1と
冷却フィン5cを接続する配線である。尚、冷却フィン
5a,5cは図示しないが導体によって短絡されている
ため環流ダイオード6はGTO7に逆並列接続されてい
る。従って、導管1と冷却フィン5a,5cを接続する
ことでダイオード4のカソードとGTO7のカソードは
導管1を介して接続されることになる。
【0038】9はコンデンサ3の他方の電極端子を冷却
フィン5bを介してGTO7のアノードに接続する配
線、10はコンデンサ3の一方の電極端子とダイオード
4のアノード接続部分に接続された配線で、この配線1
0は図11に示すようにダイオード4に抵抗Rを並列接
続する際等に用いられる。
【0039】次に本実施例の動作について説明する。G
TO7が公知の方法でターンオフされると、GTO7の
アノードとカソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ
3に電荷が蓄えられるまで、GTO7のアノードから電
流がコンデンサ3とダイオード4の直列回路、更にダイ
オード4のカソードより導管1を流れてGTO7のカソ
ードに達し、GTO7のアノードとカソード間の電圧上
昇が抑えられる。この時、電流は、コンデンサ3とダイ
オード4を流れた後、電流帰路としての導管1を通って
コンデンサ3とダイオード4に流れる電流とは逆方向に
流れてGTO7のカソードに達する。
【0040】この場合、GTO7のアノードからカソー
ドまでの配線インダクタンス中の自己インダクタンス成
分は、コンデンサ3とダイオード4と、それらを取り巻
く導管1に流れる電流による相互インダクタンスによっ
て打ち消される。従って、スパイク電圧VDSP=(配
線インダクタンス)×(di/dt)の関係から明らか
なように、配線インダクタンスが相互インダクタンスに
よって打ち消されることでスパイク電圧VDSPの上昇
を抑制することができる。なお、本実施例では、導管1
を円筒状としたが、矩形状の導管を用いても同様に配線
インダクタンスを低減させる効果を得ることができる。
【0041】実施例2.上記、実施例1は、ダイオード
4からGTO7のカソード間に導管を利用して電流帰路
を形成したが、導管1に代わって複数本の導線をコンデ
ンサ3とダイオード4の直列回路に周囲に同軸状に配置
し、各導線の一端を円形導体に支持させると共に、導線
の各他端をGTO7のカソードの冷却フィン5cと環流
ダイオード6のアノードに固定された冷却フィン5aと
を短絡する導体に接続してもよい。
【0042】図2は、この発明の実施例2の全体構成を
示す図である。図において、11はコンデンサ3とダイ
オード4の直列回路から成るスナバ回路の周囲に同軸状
に配置された導線である。1bは各導線の一端を等間隔
で支持すると共にダイオード4のカソードを導線に接続
する円形導体である。各導線の他端は、ダイオード4と
GTO7のカソードにつながった冷却フィン5a,5c
を短絡する導体に接続されている。図2では導線11は
3本であるが、実際は複数本の導線11がコンデンサ3
とダイオード4を取り囲むように配置されている。
【0043】次にこの発明の実施例2の動作について説
明する。GTO7がターンオフされると、GTO7のア
ノードとカソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3
に電荷が蓄えられるまで、GTO7のアノードから電流
がコンデンサ3とダイオード4の直列回路、更に円形導
体1b、導線11を流れてGTO7のカソードに達し
て、GTO7のアノードとカソード間の電圧上昇が抑え
られる。
【0044】この時、電流は、コンデンサ3とダイオー
ド4を流れた後、電流帰路としての導線11を通ってコ
ンデンサ3とダイオード4に流れる電流とは逆方向に流
れてGTO7のカソードに達する。
【0045】この場合、GTO7のアノードからカソー
ドまでの配線インダクタンス中の自己インダクタンス成
分は、コンデンサ3とダイオード4と、それらを取り巻
く複数本の導線11に流れる電流による相互インダクタ
ンスによって打ち消される。従って、スパイク電圧VD
SP=(配線インダクタンス)×(di/dt)の関係
から明らかなように、配線インダクタンスが相互インダ
クタンスによって打ち消されることでスパイク電圧VD
SPの上昇を抑制することができる。また、コンデンサ
3及びダイオード4は複数本の導線11によって取り囲
まれているため、コンデンサ3及びダイオード4の放熱
効率が向上する。
【0046】実施例3.上記、実施例1では導管1の長
さをコンデンサ3及びダイオード4の直列回路を完全に
収納できる長さとしたが、コンデンサ3のケース電極自
身を導管1とすると共に電流帰路の一部とすることもで
きる。以下、本実施例の構成について図3を参照しなが
ら説明する。図3は、本実施例の全体構成を示す図であ
る。図3において、12は円筒状の導管であり、この導
管12はコンデンサ3のケース電極を冷却フィン5a及
び5cを短絡する導体(図示せず)に配線13で接続さ
れている。
【0047】このような保護回路の構成において、GT
O7がターンオフされると、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3に電荷が蓄え
られるまで、GTO7のアノードから電流がダイオード
4とコンデンサ3の直列回路、更に導管12を流れてG
TO7のカソードに達して、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧上昇が抑えられる。この時、ダイオード4
を通してコンデンサ3の端子電極3aから流れ込んだ電
流は、コンデンサ内部を通ってコンデンサ3のケース電
極からダイオード4を取り巻く電流帰路としての導管1
2を流れてGTOのカソードに達する。
【0048】この場合、GTO7のアノードからカソー
ドまでの配線インダクタンス中の自己インダクタンス成
分は、コンデンサ3とダイオード4とを流れる電流、ダ
イオード4を取り巻く導管12に流れる電流による相互
インダクタンスによって打ち消される。従って、スパイ
ク電圧VDSP=(配線インダクタンス)×(di/d
t)の関係から明らかなように、配線インダクタンスが
相互インダクタンスによって打ち消されることでスパイ
ク電圧VDSPの上昇を抑制することができる。尚、本
実施例では、円筒状の導管12を用いるものであるが、
矩形状の導管を用いても同様のインダクタンス低減の効
果を得ることが可能である。
【0049】実施例4.上記、実施例3は、コンデンサ
3からGTO7のカソード間に導管12を利用して電流
帰路を形成したが、導管12に代わって複数本の導線を
ダイオード4の周囲に同軸状に配置し、各導線の一端を
コンデンサ3のケース電極に支持させると共に、導線の
各他端をGTO7のカソードの冷却フィン5cと環流ダ
イオード6のアノードに固定された冷却フィン5aとを
短絡する導体に接続してもよい。
【0050】図4は、実施例4の全体構成を示す図であ
る。図において、14はコンデンサ3共にスナバ回路を
構成するダイオード4の周囲に同軸状に配置された導線
である。各導線14の一端はコンデンサ3の電極ケース
に支持され、他端は環流ダイオード6とGTO7のカソ
ードにつながった冷却フィン5a,5cを短絡する導体
に接続されている。図4では導線11は3本であるが、
実際は複数本の導線14がダイオード4を取り囲むよう
に配置されている。
【0051】次に、この発明の実施例4の動作について
説明する。GTO7がターンオフされると、GTO7の
アノードとカソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ
3に電荷が蓄えられるまで、GTO7のアノードから電
流がダイオード4とコンデンサ3の直列回路、更にコン
デンサ3のケース電極、導線14を流れてGTO7のカ
ソードに達して、GTO7のアノードとカソード間の電
圧上昇が抑えられる。この時、電流は、コンデンサ3と
ダイオード4を流れた後、電流帰路としての導線14を
通ってダイオード4とコンデンサ3に流れる電流とは逆
方向に流れてGTO7のカソードに達する。
【0052】この場合、GTO7のアノードからカソー
ドまでの配線インダクタンスの自己インダクタンス成分
は、コンデンサ3とダイオード4とを流れる電流、ダイ
オード4を取り巻く複数本の導線14に流れる電流によ
る相互インダクタンスによって打ち消される。従って、
スパイク電圧VDSP=(配線インダクタンス)×(d
i/dt)の関係から明らかなように、配線インダクタ
ンスが相互インダクタンスによって打ち消されることで
スパイク電圧VDSPの上昇を抑制することができる。
また、ダイオード4は複数本の導線14によって取り囲
まれているため、ダイオード4の放熱効率が向上する。
【0053】実施例5.上記、実施例3,4ではコンデ
ンサ自身に同軸状の効果が充分に及ぶなかったのでコン
デンサ内部のインダクタンスを充分に低減できなかっ
た。そこで、本実施例ではコンデンサ内部のインダクタ
ンスが同軸状の効果によって打ち消されるコンデンサを
スナバコンデンサとして用いた電力用半導体素子の保護
回路を提案する。
【0054】図5は本実施例に用いるコンデンサ3の素
子構造を示す図である。図において、15は図示しない
誘電体を2枚の金属箔で挟んで円筒状に巻いたペーパー
ロール、16は2枚の金属箔の一方に設けられた第1の
電極でありペーパーロール15に一端に形成されてい
る。17は電極16よりペーパーロール15の中心を通
ってペーパーロール15の一端面より他端面に抜けた配
線であり、この配線17の端末に第1の電極端子18が
形成される。
【0055】19は第1の電極端子18の周囲に遊星状
に複数配置された第2の電極端子であり、これら第2の
電極端子19は他方の金属箔に設けられた第2の電極2
0に接続されている。21はペーパーロール15を収納
する金属ケースであり、この金属ケース21の上面に第
1及び第2の電極端子が遊星配列されている。このよう
に、第1の電極端子18に流れる電流と各第2の電極端
子19に流れる電流との向きを互いに逆方向にすると共
に、第1の電極端子18を第2の電極端子19に対して
同軸状にしたことでコンデンサ内部のインダクタンスを
更に低減させることが可能である。
【0056】実施例6.ここで、図5に示したコンデン
サを用いた電力用半導体素子の保護回路の構成を図3を
参照して説明する。ダイオード4のアノードは環流ダイ
オード6のカソードとGTO7のアノードを固定した冷
却フィン5bに接続され、カソードはコンデンサ3の第
1の電極端子18に接続されている。また、コンデンサ
3の各第2の電極端子19群には導管12の一端が接続
され、導管12の他端は配線13を介して冷却フィン5
a,5cを短絡する図示しない導体に接続されている。
【0057】このような保護回路の構成において、GT
O7がターンオフされると、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3に電荷が蓄え
られるまで、GTO7のアノードから電流がダイオード
4とコンデンサ3の直列回路、更に導管12を流れてG
TO7のカソードに達して、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧上昇が抑えられる。この時、ダイオード4
を通してコンデンサ3の第1の電極端子18から流れ込
んだ電流は、配線17を通って第1電極16に達して、
金属箔と誘電体を通じて第2電極20から各第2の電極
端子19群の順に流れる。
【0058】この時、電流は配線17を流れた後、流れ
てきた方向と逆方向に第2の電極端子19群に流れるの
で、コンデンサ3の内部インダクタンスが、同軸状の効
果によって打ち消されて、低減される。コンデンサ3の
第2の電極端子19からダイオード4をとりまく導管1
2を流れる電流は、ダイオード4に流れる電流とは逆方
向に流れてGTO7のカソードに達するので、GTO7
のアノードからカソードまでのインダクタンスが、コン
デンサ3および導管12における同軸状の効果によって
一層効果的に打ち消されて、低減される。尚、本実施例
では、円筒状の導管を用いるものであるが、外装ケース
が矩形状及び矩形状の導管を用いても同様のインダクタ
ンス低減の効果を得ることが可能である。
【0059】実施例7.上記、実施例6では、コンデン
サ3からGTO7のカソード間に導管を利用するもので
あるが、複数の配線によって同様の同軸状の構造にし
て、インダクタンスを低減することが可能である。図5
に示したコンデンサを用いた電力用半導体素子の保護回
路の構成を図4を参照して説明する。ダイオード4のア
ノードは環流ダイオード6のカソードとGTO7のアノ
ードを固定した冷却フィン5bに接続され、カソードは
コンデンサ3の第1の電極端子18に接続されている。
また、コンデンサ3の各第2の電極端子19群には導線
14の一端が接続され、導線14の他端は冷却フィン5
a,5cを短絡する図示しない導体に接続されている。
【0060】このような保護回路の構成において、GT
O7がターンオフされると、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3に電荷が蓄え
られるまで、GTO7のアノードから電流がダイオード
4とコンデンサ3の直列回路、更に導線14を流れてG
TO7のカソードに達して、GTO7のアノードとカソ
ード間の電圧上昇が抑えられる。この時、ダイオード4
を通してコンデンサ3の第1の電極端子18から流れ込
んだ電流は、配線17を通って第1電極16に達して、
金属箔と誘電体を通じて第2電極20から各第2の電極
端子19群の順に流れる。
【0061】この時、電流は配線17を流れた後、流れ
てきた方向と逆方向に第2の電極端子19群に流れるの
で、コンデンサ3の内部インダクタンスが、同軸状の効
果によって打ち消されて、低減される。コンデンサ3の
第2の電極端子19からダイオード4を取り囲む導線1
4を流れる電流は、ダイオード4に流れる電流とは逆方
向に流れてGTO7のカソードに達するので、GTO7
のアノードからカソードまでのインダクタンスが、コン
デンサ3および導線14における同軸状の効果によって
一層効果的に打ち消されて、低減される。更にダイオー
ド4の放熱効率が向上する。
【0062】実施例8.上記、実施例1ないし実施例7
ではスナバ回路よりGTO7のカソードへ電流を流す電
流帰路を導管或いは複数の導線で形成したが、GTO7
のアノードより電流が流入されるスナバ回路の構成部品
の周囲に、GTOのカソードに電流を流出するスナバ回
路の構成部品を複数、遊星配置(同軸状に配置)して電
流帰路を形成するこができる。
【0063】図6はコンデンサ3の周囲に複数個のダイ
オードを遊星状に配置して構成した本実施例による電力
用半導体素子の保護回路の構成図である。図6では2個
のダイードが配置されているが、実際はダイオードの周
囲に4個以上の複数個のダイオードが等間隔に配置され
ている。
【0064】本実施例における保護回路の構成として
は、電極端子が配線22によりGTOのアノードの冷却
フィン5bに接続されたコンデンサ3の周囲に等間隔で
ダイオード4を配置し、これらダイオード4のアノード
とコンデンサ3のケース電極とを導体板1cによって共
通接続し、各ダイオード4を複数個づつまとめて2等分
した一方のダイオード群のカソードを配線23により環
流ダイオードのアノードの冷却フィン5aに共通接続
し、他方のダイオード群のカソードを配線21によりG
TOのカソードの冷却フィン5cに接続することで、コ
ンデンサ3を複数のダイオード4によって同軸状に取り
囲むことができる。尚、環流ダイオード6のアノードと
GTO7のカソードは図示しない導体で短絡されてい
る。
【0065】次に、本実施例の動作について説明する。
GTO7がターンオフされると、GTO7のアノードと
カソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3に電荷が
蓄えられるまで、GTO7のアノードから電流がコンデ
ンサ3と並列接続されたダイオード4とを流れてGTO
7のカソードに達して、GTO7のアノードとカソード
間の電圧上昇が抑えられる。この時、電流は、コンデン
サ3を流れた後、コンデンサ3のケース電極からコンデ
ンサ3を取り囲むように配置された電流帰路としての複
数のダイオード4を、コンデンサ3に流れる電流とは逆
方向に流れて配線21,23を通してGTO7のカソー
ドに達する。
【0066】この場合、GTO7のアノードからカソー
ドまでの配線インダクタンス中の自己インダクタンス成
分は、コンデンサ3と、それを取り囲むダイオード4を
流れる電流による相互インダクタンスによって打ち消さ
れる。従って、スパイク電圧VDSP=(配線インダク
タンス)×(di/dt)の関係から明らかなように、
スパイク電圧VDSPは配線インダクタンスが相互イン
ダクタンスによって打ち消されることで上昇が抑制され
る。
【0067】実施例9.上記、実施例8ではコンデンサ
3の周囲を複数のダイオード4で取り囲み、これらダイ
オード4を電流帰路としたが、ダイオード4の周囲を複
数のコンデンサで取り囲み、これらコンデンサ4を電流
帰路としても良い。本実施例における保護回路の構成と
しては、図7に示すようにアノードが配線25によりG
TOのアノードの冷却フィン5bに接続されたダオード
4の周囲に等間隔でコンデンサ3を配置し、これらコン
デンサ3のケース電極とダイオード4のカソードとを導
体板1dによって共通接続し、各コンデンサ3を複数個
づつまとめて2等分した一方のコンデンサ群の電極端子
を配線24により環流ダイオードのアノードの冷却フィ
ン5aに共通接続し、他方のコンデサ群の電極端子を配
線24によりGTOのカソードの冷却フィン5cに接続
することで、ダイオード4を複数のコンデンサ3によっ
て同軸状に取り囲むことができる。尚、環流ダイオード
6のアノードとGTO7のカソードは図示しない導体で
短絡されている。
【0068】次にこの発明の実施例9の動作について説
明する。GTO7がターンオフされると、GTO7のア
ノードとカソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ3
に電荷が蓄えられるまで、GTO7のアノードから電流
がダイオード4と並列接続されたコンデンサ3とを流れ
てGTO7のカソードに達して、GTO7のアノードと
カソード間の電圧上昇が抑えられる。この時、この時、
GTO7に流れていた電流は、ダイオード4を流れた
後、ダイオード4を取り囲んでいる電流帰路としてのコ
ンデンサ3に至る。そして、コンデサ3から流れる電流
はダイオード4を流れる電流とは逆方向に流れて配線2
4を介してGTO7のカソードに達するそのため、GT
O7のアノードからカソードまでのインダクタンスが、
同軸状の効果によって打ち消されて、低減される。
【0069】これは、即ち、GTO7のアノードからカ
ソードまでの配線インダクタンスは、自己インダクタン
ス成分がコンデンサ3と、それを同軸状に取り囲むコン
デンサ3を流れる電流による相互インダクタンスによっ
て打ち消される。従って、スパイク電圧VDSP=(配
線インダクタンス)×(di/dt)の関係から明らか
なように、スパイク電圧VDSPの上昇は、配線インダ
クタンスが相互インダクタンスによって打ち消されるこ
とで抑制される。
【0070】実施例10.上記、実施例9ではダイオー
ド4の周囲に複数のコンデンサ3を遊星状2に配置し
て、ダイオード4の同軸状の効果を図ったが、中心が中
空の環状のコンデンサの中心にダイオード4を配置して
も同軸状の効果を図ることができる。図8は本実施例に
よる電力用半導体素子の保護回路の構成図である。図に
おいて、26は外装ケースを環状としたコンデンサであ
り、このコンデンサ26の中空部にはダイオード4を配
置しダイオード4のカソードをコンデンサ26のケース
電極と接続している。コンデンサ26の各電極端子はそ
れぞれGTO7のカソードに結合された冷却フィン5c
と環流ダイオード6のアノードに結合された冷却フィン
5配線27で接続されている。また、ダイオード4のア
ノードは、環流ダイオード6のカソードとGTO7のア
ノードに結合された冷却フィン5bに配線28で接続さ
れている。尚、環流ダイオード6のアノードとGTO7
のカソードは図示しない導体で短絡されている。
【0071】次に本実施例の動作について説明する。G
TO7がターンオフされると、GTO7のアノードとカ
ソード間の電圧が上昇するが、コンデンサ26に電荷が
蓄えられるまで、GTO7のアノードから電流がダイオ
ード4とコンデンサ26とを流れてGTO7のカソード
に達して、GTO7のアノードとカソード間の電圧上昇
が抑えられる。この時、GTO7に流れていた電流は、
ダイオード4を流れた後、ダイオード4を取り囲んでい
る電流帰路としてのコンデンサ26に至る。そして、コ
ンデンサ26から流れる電流はダイオード4を流れる電
流とは逆方向に流れて配線27を介してGTO7のカソ
ードに達する。そのため、実施例8と同様な作用効果に
より、スパイク電圧VDSPの上昇は、配線インダクタ
ンスが相互インダクタンスによって消されることで抑制
される。
【0072】実施例11.上記、実施例1〜実施例10
では、スナバ回路を配線を介してGTOスタックの横に
取り付けたが、スナバ回路をGTOスタックに対し垂直
に積み重ねて電力用半導体素子の保護回路を構成するこ
とで、ダイオードとGTO間の配線が削減されて配線イ
ンダクタンスが低減する。図9は本実施例に係る電力用
半導体素子の保護回路の構成図である。図において、2
9は外装ケースを環状にしたコンデンサであって各端部
に電極部を有する。30は導電性スペーサであってコン
デンサ29の中空部に配置したダイオード4のアノード
とGTO7のアノードに結合された冷却フィン5aをつ
なぐ。
【0073】31はコンデンサ29の平面形状と同一の
環状のスペーサであってコンデンサ29の一方の電極部
と冷却フィン5aとの間を絶縁してコンデンサ29を冷
却フィン5a上に載置する。32はコンデンサ29の一
方の電極部とGTO7のカソードをつなぐ配線である。
尚、コンデンサ29の他方の電極部とダイオード4のカ
ソードは冷却フィン5dに共に結合されている。また、
GTO7のアノードと環流ダイオード6のカソードは図
示しない導体で短絡されている。
【0074】次に、この発明の実施例11の動作につい
て説明する。GTO7がターンオフされると、GTO7
のアノードとカソード間の電圧が上昇するが、コンデン
サ29に電荷が蓄えられるまで、GTO7のアノードか
ら電流が導電性スペーサ30、ダイオード4、コンデン
サ29に流れ、コンデンサ29より配線32を通ってG
TO7のカソードに結合された冷却フィン5bに達し
て、GTO7のアノードとカソード間の電圧上昇が抑え
られる。この時、GTO7に流れていた電流は、ダイオ
ード4を流れた後、ダイオード4を取り囲んでいる電流
帰路としてのコンデンサ29に至る。そして、コンデン
サ29から流れる電流はダイオード4を流れる電流とは
逆方向に流れてGTO7のカソードに達する。そのた
め、GTO7のアノードからカソードまでのインダクタ
ンスが、同軸状の効果によって打ち消されて、低減され
て実施例8と同様な効果を奏する。
【0075】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、電力用半導体
素子の第1の端子からスナバ回路に電流を流す電流路の
周囲に、上記スナバ回路から出力されて上記電力用半導
体素子の第2の端子に電流を流す電流帰路を同軸状に設
けたので、電力用半導体素子の第1の端子から第2の端
子までの配線インダクタンス中、自己インダクタンスが
電流帰路に流れる電流による相互インダクタンスによっ
て打ち消されるため素子の電流遮断時に発生するスパイ
ク電圧の上昇を即座に抑制されて電力用半導体素子の電
流遮断特性が向上するという効果がある。
【0076】請求項2の発明によれば、電力用半導体素
子の第1の端子に一端が接続されたスナバ回路の他端よ
り上記電力用半導体素子の第2の端子に電流を流す電流
帰路を上記スナバ回路の周囲に同軸状に設けたので、電
力用半導体素子の第1の端子から第2の端子までのイン
ダクタンス及びスナバ回路の内部インダクタンスを低減
できるため、電力用半導体素子のターンオフ時の大電流
を遮断できるようになり素子能力を最大限に発揮できる
と共に、電力用半導体素子を使用した装置の電流容量を
上げることができるという効果がある。
【0077】請求項3の発明によれば、請求項2の電力
用半導体素子の保護回路における電流帰路を導電性筒体
とし、この導電性筒体内に挿入されたスナバ回路の一端
を電力用半導体素子の第1の端子に接続すると共に上記
スナバ回路の他端を上記導電性筒体の一端に接続し、上
記導電性筒体の他端を上記電力用半導体素子の第2の端
子に接続したので、請求項2の効果に加えて電力用半導
体素子の第1の端子から第2の端子までのインダクタン
ス及びスナバ回路の内部インダクタンスを十分に低減で
き、電流遮断特性が向上するという効果がある。
【0078】請求項4の発明によれば、請求項3の電力
用半導体素子の保護回路における導電性筒体の側面を電
流路に対して平行な電流帰路を形成する複数の導線で形
成したので、請求項3の効果に加えて電流帰路の製作が
容易化すると共に、スナバ回路の放熱効率が向上すると
い効果がある。
【0079】請求項5の発明によれば、電力用半導体素
子の第1の端子にスナバ回路を構成する第1の回路素子
の一端を接続すると共に他端を、上記スナバ回路を構成
する第2の回路素子の第1の電極端子に接続し、この第
2の回路素子の複数の第2の電極端子を、上記第1の回
路素子を同軸状に覆った導電性筒体を介して上記電力用
半導体素子の第2の端子に接続したので、請求項3の効
果に加えて電流帰路の一部第2の回路素子で構成するこ
とで回路を軽量化することができるという効果がある。
【0080】請求項6の発明によれば、請求項5の電力
用半導体素子の保護回路において、導電性筒体の側面を
第1の回路素子に対して平行な電流帰路を形成する複数
の導線で形成し、これら導線を介して複数の第2の電極
端子と電力用半導体素子の第2の端子とを接続したの
で、請求項4の効果に加えて回路が軽量化すると共に、
製作がより容易化するという効果がある。
【0081】請求項7の発明によれば、請求項5または
請求項6の電力用半導体素子の保護回路において、誘電
体を挟んだ一対の金属箔を軸状に巻回してその中心に導
線を挿通し終端を一方の金属箔に接続すると共に、上記
導線の先端を第1の電極端子とし、この第1の電極端子
の周囲に他方の金属箔に接続された複数の第2の電極端
子を遊星状に配置して構成したコンデンサを第2の回路
素子とすることで、コンデンサ内部のインダクタンスを
低減させることができるため、電力用半導体素子の第1
の端子から第2の端子までの配線インダクタンスをより
低減させることができるという効果がある。
【0082】請求項8の発明に係る電力用半導体素子の
保護回路は、電力用半導体素子の第1の端子にスナバ回
路を構成する第1の回路素子の一端を接続し、この第1
の回路素子の周囲に上記スナバ回路を構成する複数の第
2の回路素子を遊星状に配置してこれら第2の回路素子
の一端を上記第1の回路素子の他端に共通接続すると共
に、上記各第2の回路素子の他端を上記電力用半導体素
子の第2の端子に接続したので、配線インダクタンスの
低減、スナバ回路の小型化、製作の容易性、及び放熱効
率の点で優れた保護回路を得ることができるという効果
がある。
【0083】請求項9の発明によれば、請求項8の電力
用半導体素子の保護回路において、第1の回路素子をダ
イオードとし、第2の回路素子をコンデンサとすること
で、請求項8の効果に加えてリカバリー特性の良好な小
型ダイオードが使用できるので、リカバリー損失を少な
くできるという効果がある。
【0084】請求項10の発明によれば、請求項8の電
力用半導体素子の保護回路において、第1の回路素子を
コンデンサとし、第2の回路素子をダイオードとするこ
とで、請求項8の効果に加えてコンデンサ電極部分の電
流密度を低くでき、電極部の発熱を抑えることができる
という効果がある。
【0085】請求項11の発明によれば、コンデンサの
外装ケースを中間に空間部を有する環状とすると共に、
上記空間部中央にダイオードを配置してカソードを上記
コンデンサのケース電極に接続してスナバ回路を構成
し、上記ダイオードのアノードを電力用半導体素子の第
1の端子に、上記コンデンサの他の電極を上記電力用半
導体素子の第2の端子に接続したので、スナバ回路の小
型化、製作の容易性、及び放熱効率の点で優れると共
に、配線インダクタンスをより低減できるという効果が
ある。
【0086】請求項12の発明に係る電力用半導体素子
の保護回路は、コンデンサの外装ケースを中間に空間部
を有する環状とすると共に、上記空間部中央にダイオー
ドを配置してアノードを上記コンデンサの一端に接続し
てスナバ回路を構成して、上記ダイオードのカソードを
冷却フィンを介して電力用半導体素子の第1の端子に固
定し、上記コンデンサの他端を上記電力用半導体素子の
第2の端子に導線で接続したので、請求項11の効果に
加えてスナバ回路と電力用半導体素子との間の配線を削
減して配線インダクタンスを低減できると共に、ダイオ
ードの冷却効率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の全体構成を示す構成図
である。
【図2】 この発明の実施例2の全体構成を示す構成図
である。
【図3】 この発明の実施例3,6の全体構成を示す構
成図である。
【図4】 この発明の実施例4,7の全体構成を示す構
成図である。
【図5】 この発明の実施例5のスナバコンデンサの構
成を示す図である。
【図6】 この発明の実施例8の全体構成を示す構成図
である。
【図7】 この発明の実施例9の全体構成を示す構成図
である。
【図8】 この発明の実施例10の全体構成を示す構成
図である。
【図9】 この発明の実施例11の全体構成を示す構成
図である。
【図10】 従来のスナバ回路の全体構成を示す構成図
である。
【図11】 スナバ回路の回路図である。
【図12】 GTOの電圧電流波形である。
【符号の説明】
1,12 導管、3 コンデンサ、4 ダイオード、5
a〜5d 導電性冷却フィン、6 環流ダイオード、7
自己消弧形電力用半導体素子(GTO)、8,9,1
3,21,22,23,24,25,27,28,32
配線、15 ペーパーロール(誘電体と金属箔)、1
7 配線、18 第1の電極端子、19 第2の電極端
子 26,27 環状のコンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝畑 文雄 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内 (72)発明者 橋本 正寛 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内 (72)発明者 村上 昇太郎 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社神戸製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力用半導体素子の第1の端子からスナ
    バ回路に電流を流す電流路の周囲に、上記スナバ回路か
    ら出力されて上記電力用半導体素子の第2の端子に電流
    を流す電流帰路を同軸状に設けたことを特徴とする電力
    用半導体素子の保護回路。
  2. 【請求項2】 電力用半導体素子の第1の端子に一端が
    接続されているスナバ回路の他端より上記電力用半導体
    素子の第2の端子に電流を流す電流帰路を、上記スナバ
    回路の周囲に同軸状に設けたことを特徴とする電力用半
    導体素子の保護回路。
  3. 【請求項3】 電流帰路を導電性筒体とし、この導電性
    筒体内に挿入されたスナバ回路の一端を電力用半導体素
    子の第1の端子に接続すると共に上記スナバ回路の他端
    を上記導電性筒体の一端に接続し、上記導電性筒体の他
    端を上記電力用半導体素子の第2の端子に接続したこと
    を特徴とする請求項2に記載の電力用半導体素子の保護
    回路。
  4. 【請求項4】 導電性筒体の側面を電流路に対して平行
    な電流帰路を形成する複数の導線で形成したことを特徴
    とする請求項3に記載の電力用半導体素子の保護回路。
  5. 【請求項5】 電力用半導体素子の第1の端子にスナバ
    回路を構成する第1の回路素子の一端を接続すると共に
    他端を、上記スナバ回路を構成する第2の回路素子の第
    1の電極端子に接続し、上記第2の回路素子の複数の第
    2の電極端子を、上記第1の回路素子を同軸状に覆った
    導電性筒体を介して上記電力用半導体素子の第2の端子
    に接続したことを特徴とする電力用半導体素子の保護回
    路。
  6. 【請求項6】 導電性筒体の側面を第1の回路素子に対
    して平行に配置された複数の導線で形成し、これら導線
    を介して複数の第2の電極端子と電力用半導体素子の第
    2の端子とを接続したことを特徴とする請求項5に記載
    の電力用半導体素子の保護回路。
  7. 【請求項7】 誘電体を挟んだ一対の金属箔を軸状に巻
    回してその中心に導線を挿通し終端を一方の金属箔に接
    続すると共に、上記導線の先端を第1の電極端子とし、
    この第1の電極端子の周囲に、他方の金属箔に接続され
    た複数の第2の電極端子を遊星状に配置して構成したコ
    ンデンサを第2の回路素子とすることを特徴とする請求
    項5または請求項6に記載の電力用半導体素子の保護回
    路。
  8. 【請求項8】 電力用半導体素子の第1の端子にスナバ
    回路を構成する第1の回路素子の一端を接続し、この第
    1の回路素子の周囲に上記スナバ回路を構成する複数の
    第2の回路素子を遊星状に配置してこれら第2の回路素
    子の一端を上記第1の回路素子の他端に共通接続すると
    共に、上記各第2の回路素子の他端を上記電力用半導体
    素子の第2の端子に接続したことを特徴とする電力用半
    導体素子の保護回路。
  9. 【請求項9】 第1の回路素子をダイオードとし、第2
    の回路素子をコンデンサとすることを特徴とする請求項
    8に記載の電力用半導体素子の保護回路。
  10. 【請求項10】 第1の回路素子をコンデンサとし、第
    2の回路素子をダイオードとすることを特徴とする請求
    項8に記載の電力用半導体素子の保護回路。
  11. 【請求項11】 コンデンサの外装ケースを中間に空間
    部を有する環状とすると共に、上記空間部中央にダイオ
    ードを配置してカソードを上記コンデンサの第1の電極
    部に接続してスナバ回路を構成し、上記ダイオードのア
    ノードを電力用半導体素子の第1の端子に、上記コンデ
    ンサの第2の電極部を上記電力用半導体素子の第2の端
    子に接続したをことを特徴とする電力用半導体素子の保
    護回路。
  12. 【請求項12】 コンデンサの外装ケースを中間に空間
    部を有する環状とすると共に、上記空間部中央にダイオ
    ードを配置してカソードを上記コンデンサの第1の電極
    部に接続してスナバ回路を構成し、上記ダイオードのア
    ノードを冷却フィンを介して電力用半導体素子の第1の
    端子固定し、上記コンデンサの第2の電極部を上記電力
    用半導体素子の第2の端子に導線で接続したを特徴とす
    る電力用半導体素子の保護回路。
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JP4664104B2 (ja) * 2005-03-24 2011-04-06 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置

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