JPH08230339A - 熱転写用インクリボン及びこのインクリボンを使用した熱転写プリンタ - Google Patents

熱転写用インクリボン及びこのインクリボンを使用した熱転写プリンタ

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JPH08230339A
JPH08230339A JP7038511A JP3851195A JPH08230339A JP H08230339 A JPH08230339 A JP H08230339A JP 7038511 A JP7038511 A JP 7038511A JP 3851195 A JP3851195 A JP 3851195A JP H08230339 A JPH08230339 A JP H08230339A
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thermal transfer
ink ribbon
shape memory
substrate
ink
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JP7038511A
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Inventor
Motoji Kajimura
元二 梶村
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクリボンの変形歪みによる印刷品質の低下
を防止する。 【構成】薄板状の形状記憶合金からなる基体44aにイ
ンク層49を付着させて熱転写用インクリボン44を構
成し、これをエンドレスにして複数の発熱素子を備えた
サーマルプリンタ42と転写用紙43との間、ガイドロ
ーラ45、溶融インク溜46及びガイドローラ47を介
して循環させ繰り返し使用する。サーマルプリンタの発
熱により転写用紙に転写したインク層の部分はインクリ
ボンを溶融インク溜を通過させることでインクを補充す
る。インクリボンの基体は形状記憶合金の特性により変
形していても元の平坦な状態に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写用インクリボン
及びこのインクリボンを使用した熱転写プリンタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写プリンタは、図9に示すよ
うに、プラテン1に複数の発熱素子を備えたサーマルヘ
ッド2を対向配置し、被印刷物である転写用紙3をプラ
テン1の回転により図中矢印で示す方向に搬送させ、ま
た、熱転写用インクリボン4を転写用紙3とサーマルヘ
ッド2との間を通過させるようにしている。
【0003】熱転写用インクリボン4は、供給ロール5
から送出し、転写用紙3とサーマルヘッド2との間を通
過させた後、巻取ロール6で巻き取るようになってい
る。熱転写用インクリボン4は、例えば厚さが6μm程
度のPETフィルム等の耐熱性有機フィルム4aにイン
ク層4bとして、例えばワックスにカーボン等を有機溶
剤で固めたものを塗布又は接着して約10μmの厚さと
している。
【0004】印刷時には、転写用紙3を所定の速度で搬
送すると共に熱転写用インクリボン4を転写用紙3の速
度に対応した速度(インクリボンの使用量を節約するた
めにインクリボンの速度を転写用紙3の速度よりも遅く
する場合がある。)で送り、所定の位置にて印刷データ
に基づいて駆動回路7がサーマルヘッド2の各発熱素子
を選択的に通電駆動して発熱させ、この熱でインクリボ
ン4のインク層4bを溶かして転写用紙3に転写し印刷
を行う。
【0005】この場合、図10に示すように、サーマル
ヘッド2の発熱素子2aによって溶融したインク層4b
は厚み方向のほぼ全量が転写用紙3に転写するのが一般
的である。従って、このような熱転写プリンタでは、1
度使用したインクリボンはまだ多量のインク層が残って
いる(例えば、一般のテキスト印刷の場合、印刷率が全
画面の5〜10%程度と低い。)にも拘らず再度使用が
できないため、巻取ロール6に巻き取られた使用済みの
インクリボン4は全量廃棄しなければならない不都合が
あった。
【0006】この不都合を回避するために、図11に示
すように、インク材料やその構成を工夫することによっ
て、1回の印刷ではインク層8の厚み方向の一部のみが
剥離して転写用紙3に転写し印刷する方法が提案されて
いる。
【0007】また、一方では、インクリボンの有効利用
を積極的に進めるために、転写によりインク抜けとなっ
た部分にインク補充機構によりインクを補充してインク
リボンを再生させ、これを繰返し行ってインクリボンを
繰返し使用する方法も提案されている。
【0008】例えば、図12に示すものは、プラテン1
1に複数の発熱素子を備えたサーマルヘッド12を対向
配置し、被印刷物である転写用紙13をプラテン11の
回転により図中矢印で示す方向に搬送させ、また、熱転
写用インクリボン14を転写用紙13とサーマルヘッド
12との間を通過させるようにしている。熱転写用イン
クリボン14は、エンドレスになっており、途中、ガイ
ドローラ15,16を介してローラ17に掛け渡されて
いる。ローラ17はインクリボン14の印刷済みの部分
をインク補充機構である溶融インク溜18の溶融インク
19内に導くためのものである。溶融インク溜18の溶
融インク19は加熱用ヒータ20により加熱溶融される
ようになっている。
【0009】インクリボン14の印刷済みの部分は溶融
インク溜18の溶融インク19によりインクが補充され
て埋められ、これを乾燥機構21により乾燥して再生さ
せ、再びサーマルヘッド12により熱転写されるように
なる。
【0010】また、図13に示すものは、インク補充機
構である溶融インク溜22にローラ23を設け、このロ
ーラ23と対向してガイドローラ24を設けている。ロ
ーラ23は内部にヒータ25を設け、回転により溶融イ
ンク溜22内の溶融インク26を周面に付着してガイド
ローラ24との対向部位に搬送し、この部位でガイドロ
ーラ24により搬送されるインクリボン27の印刷済み
の部分に溶融インク26を付着させてインクリボン27
を再生するようになっている。
【0011】また、図14に示すものは、インクリボン
28の印刷済みの部分を導電性磁性粉体インク29のブ
ラシ中を通過させる。一方、インク補充機構として導電
性磁性粉体インク29を保持、搬送するための多極着磁
した磁石を内蔵した導電性スリーブ30とインクリボン
28の背面側に接する背面電極31を設け、この導電性
スリーブ30と背面電極31との間にバイアス電圧を印
加することにより導電性磁性粉体インク29に保持され
ている導電性磁性粉体インク29をインクリボン28の
印刷済みの部分に付着させて再生するようになってい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにイ
ンクリボンを繰返し複数回使用するものでは、サーマル
ヘッドにより繰返し加熱されることからインク層を付着
させている基体に部分的に不均一な熱ストレスがかかっ
て基体が変形し、その結果、基体の平坦性が損なわれて
印刷品質が低下する問題があった。
【0013】そこで本発明は、部分的に不均一な熱スト
レスがかかってても基体の平坦性を常に保持することが
できる熱転写用インクリボンを提供する。
【0014】また、本発明は、熱転写用インクリボンを
繰返し使用してもインクリボンの基体を常に平坦に保持
することができ、インクリボンの変形歪みによる印刷品
質の低下を防止できる熱転写プリンタを提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、
少なくとも一部に形状記憶部材を使用した基体にインク
層を付着させた熱転写用インクリボンにある。
【0016】請求項2対応の発明は、少なくとも一部に
形状記憶部材を使用した基体にインク層を付着させた熱
転写用インクリボンと、複数の発熱素子を備え、印刷デ
ータに基づいて各発熱素子の発熱温度を制御して熱転写
用インクリボンのインク層を溶融し被印刷物上に熱転写
して画素印刷を行うサーマルヘッドと、熱転写用インク
リボンを繰返し再使用させる機構とを備えた熱転写プリ
ンタにある。
【0017】請求項3対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体を
板状に形成したものである。
【0018】請求項4対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体を
板状に形成し、かつ、この基体の一面又は両面に耐熱性
の有機部材を塗布又は接着したものである。
【0019】請求項5対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体の
少なくとも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維
状又は細線状の形状記憶合金で構成したものである。
【0020】請求項6対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体の
少なくとも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維
状又は細線状の形状記憶合金で構成し、かつ、各繊維状
又は細線状の形状記憶合金を、この形状記憶合金の長手
方向が所定の方向に揃うように配置したものである。
【0021】請求項7対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体の
少なくとも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維
状又は細線状の形状記憶合金で構成し、この各繊維状又
は細線状の形状記憶合金を並べて配置すると共にこの各
形状記憶合金を耐熱性の有機部材を主体とする繊維状部
材で組上げて固定するものである。
【0022】請求項8対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンの基体の
少なくとも一部に使用した形状記憶部材を繊維状又は細
線状の形状記憶合金で構成すると共にエンドレス構成に
したものである。
【0023】請求項9対応の発明は、請求項2記載の熱
転写プリンタにおいて、熱転写用インクリボンを繰返し
再使用させる機構を、印刷後の熱転写用インクリボンに
再使用のためにインクを再付着させる機構で構成したも
のである。
【0024】
【作用】このような構成の本発明においては、熱転写用
インクリボンの基体の少なくとも一部に形状記憶部材を
使用し、この基体にインク層を付着させているので、熱
転写用インクリボンが繰返し熱転写印刷に使用されて熱
ストレスを受け、その結果変形することがあっても熱転
写用インクリボンの基体は、形状記憶部材の超弾性特性
により形状記憶部材が記憶している平坦な形状に常に戻
ることになる。従って、サーマルヘッド位置に到達する
熱転写用インクリボンの部位の基体は繰返し使用されて
も常に変形のない平坦な面となっている。
【0025】ところで、形状記憶部材としては、形状記
憶合金や形状記憶樹脂があり、形状記憶合金にはNi−
Ti、Cu−Zn、Cu−Zn−Al等に代表される合
金がある。このような形状記憶部材は塑性変形された場
合に加熱することで元の形状に復帰する性質を持ち、形
状記憶効果と呼ばれている。例えば、形状記憶合金に外
部応力を加え、弾性領域を越えて変形歪みを起こさせる
と、図1の(a) に示すように、一般の金属と同様に荷重
を取り除いても歪みは元に戻らない。すなわち、永久歪
みが残ることになる。しかし、この状態で形状記憶合金
を加熱して変態点以上に昇温させると常温に戻しても歪
みが消えて元の形状に戻る。なお、形状記憶合金では元
の形状を記憶させるために予めこの合金を400〜50
0℃で5〜10分の熱処理を行う必要がある。
【0026】また、形状記憶合金のもう一つの特性に
「超弾性」がある。これは形状記憶合金をその変態点以
上で使用することにより、あるいは変態点温度を比較的
低くすることにより、大きな弾性係数が得られることで
ある。すなわち、図1の(b) に示すように、形状記憶合
金に外部応力を加え、弾性領域を越えて変形歪みを起こ
させても外部応力を取り除くと昇温しなくても元の形状
に戻ることになる。
【0027】そこで熱転写用インクリボンの基体の一部
に形状記憶合金や形状記憶樹脂からなる形状記憶部材を
使用することで、基体が熱ストレスにより変形してもサ
ーマルヘッドの発熱素子による加熱によって基体の温度
が100℃以上となり、従って基体に使用する形状記憶
部材の変態点の温度を基体が加熱される温度よりも低く
設定しておけば加熱により基体に超弾性特性が働いて常
温に戻ったときには変形歪みのない平坦な基体となる。
【0028】また、サーマルヘッドの各発熱素子の全て
が同時に発熱することは少なく、中には印刷時に全く発
熱しない発熱素子が生じる場合がある。このような場合
には基体の一部に加熱されない部分が生じるので基体の
一部に変形歪みが残る虞がある。従って、このような場
合には、印刷後の熱転写用インクリボンに再使用のため
にインクを再付着させる機構において基体を変態点以上
に昇温保持すれば基体の変形歪みを完全に除去できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図2に示すように、プラテン41に複数の発熱
素子を備えたサーマルヘッド42を対向配置し、被印刷
物である転写用紙43をプラテン41の回転により図中
矢印で示す方向に搬送させ、また、前記熱転写用インク
リボン44を転写用紙43とサーマルヘッド42との間
を通過させるようにしている。
【0030】前記熱転写用インクリボン44は、エンド
レス構成で、図中矢印で示す方向に所定の速度で送るよ
うになっており、サーマルヘッド42を通過した後、ガ
イドローラ45を介してインク補充機構である溶融イン
ク溜46に送り込まれ、この溶融インク溜46でインク
の補充が行われた後、ガイドローラ47を介して再び前
記サーマルヘッド42の位置に送り込まれるようになっ
ている。
【0031】溶融インク溜46は、従来からある各種の
ものが使用でき、例えば図12と同様、加熱用ヒータを
設けて、溶融インクを加熱溶融し、この溶融インク内を
インクリボン44の印刷済みの部分をローラの回転によ
り通過させることでインクを補充して埋め、さらに乾燥
させるようになっている。前記サーマルヘッド42は駆
動回路48に接続し、駆動回路48は印刷データに基づ
いてサーマルヘッド42の各発熱素子を選択的に通電駆
動するようになっている。
【0032】前記熱転写用インクリボン44は、例えば
図3に示すように厚さが30μm以下の薄板状の形状記
憶合金を使用して基体44aを構成し、この基体44a
の表面にインク層49を付着して構成する。この場合、
基体44a全体を形状記憶合金で構成するのではなく、
例えば基体44aの中央部など一部を形状記憶合金で構
成してもよい。
【0033】なお、図4に示すように薄板状の形状記憶
合金に適当な間隔で適当な径の孔50を多数開けた基体
44bの表面にインク層を付着して構成してもよい。ま
た、例えば、サーマルヘッド42との摩擦を小さくする
ために図5に示すように薄板状の形状記憶合金51の一
面に耐熱性の有機部材52を塗布又は接着して基体44
cを構成し、この基体44cの他面にインク層を付着し
てもよい。
【0034】なお、有機部材52はサーマルヘッド42
との摩擦を小さくするためのみでなくインクの塗布を容
易にし、またはインクの接着強度を上げるためにも使用
でき、この場合には薄板状の形状記憶合金の他面側に有
機部材52を塗布又は接着する。すなわち、サーマルヘ
ッド42との摩擦を小さくすると共にインクの塗布を容
易にするには薄板状の形状記憶合金の両面に有機部材5
2を塗布又は接着し、有機部材52の上にインク層を付
着させることになる。また、インクの塗布を容易にする
のみであれば薄板状の形状記憶合金の他面に有機部材5
2を塗布又は接着し、その上にインク層を付着させるこ
とになる。
【0035】このような構成の実施例においては、印刷
時には転写用紙43及び熱転写用インクリボン44は、
それぞれ所定の速度で図中矢印方向に搬送する。そし
て、印刷データに基づいて駆動回路48はサーマルヘッ
ド42の各発熱素子を選択的に通電駆動する。これによ
り、熱転写用インクリボン44のインク層49は部分的
に基体44aから剥離されて転写用紙43に付着し、い
わゆる印刷が行われる。
【0036】印刷に使用した後の熱転写用インクリボン
44はガイドローラ45を介して溶融インク溜46に送
られ、この溶融インク溜46にて溶融インクが付着され
て剥離されたインク層の補充が行われる。すなわち、熱
転写用インクリボン44のインク層は再生される。こう
して溶融インク溜46から出てくる熱転写用インクリボ
ン44は基体44aの全面にインク層49が形成された
インクリボンとなっている。こうしてインク層が再生さ
れた熱転写用インクリボン44は印刷の為にサーマルヘ
ッド42の位置に送り込まれる。
【0037】ところで、熱転写用インクリボン44には
サーマルヘッド42による熱ストレスにより変形歪みを
受けるが、サーマルヘッド42により基体44aは10
0℃以上に加熱されるため、形状記憶合金の超弾性特性
が働きサーマルヘッド42から外れて常温に戻った時に
は基体44aの変形歪みは解消されて元の平坦な状態に
戻る。
【0038】このように、熱転写用インクリボン44は
繰り返し使用されても基体44aの平坦性を常に保持す
ることができる。従って、サーマルヘッド42と熱転写
用インクリボン44との接触及び熱転写用インクリボン
44と転写用紙43との接触は常に良好に維持されるこ
とになり、転写用紙43への印刷の品質は常に良好に保
持される。すなわち、熱転写用インクリボンの変形によ
る印刷品質の低下を防止できることになる。
【0039】次に本発明の他の実施例を図面を参照して
説明する。図6に示すものは、形状記憶合金を直径が2
0μm以下繊維状又は細線状に加工し、この繊維状又は
細線状の形状記憶合金53を網状に組み上げて基体54
を構成し、これにインク層を付着させて熱転写用インク
リボンとする。この場合、形状記憶合金53の長手方向
が所定の方向に揃うように配置して網状に組み上げる。
【0040】このようにしても形状記憶合金53の超弾
性特性を利用することにより基体54が熱ストレスによ
り変形したままとなるのを防止でき、従って、この熱転
写用インクリボンを使用することにより前記実施例と同
様の効果を得ることができる。
【0041】なお、形状記憶合金で基体54を構成する
ときに、網状の縦線又は横線を形状記憶合金で構成し、
残りの横線又は縦線を耐熱性の有機部材を主体とする繊
維状又は細線状の部材で構成してもよい。すなわち、繊
維状又は細線状の部材は形状記憶合金を固定するものと
して使用することになる。
【0042】図7に示すものは、形状記憶合金を直径が
20μm以下繊維状又は細線状に加工し、この繊維状又
は細線状の形状記憶合金55を略等間隔に長手方向に揃
うように配置する。この配置間隔は、熱転写プリンタの
仕様として要求される解像度、すなわち、サーマルヘッ
ドの各発熱素子間のピッチと等価か、又はそれよりも小
さくすることが望ましい。
【0043】そして各形状記憶合金55の間を耐熱性の
有機フィルム56で連結して基体57を構成する。この
基体57の一面にインク層58を付着させて熱転写用イ
ンクリボンを構成する。なお、有機フィルム56の代わ
りに耐熱性の有機材料を塗布して表面を平滑化して基体
を構成してもよい。また、形状記憶合金55の配置間隔
は特に限定するものではなく、要は、インクリボンの基
体として、熱転写行程における熱的変形及び圧着力によ
る変形をインクリボンが常温状態に戻った時に平坦に復
帰できる構成になっていればよい。
【0044】繊維状又は細線状の形状記憶合金55から
エンドレステープ状の基体56を構成するには、図8に
示すように、低温時に直線状になるよう記憶しておいた
繊維状又は細線状の形状記憶合金55を中間にテーパ部
材59を挟んだ3層構造の円柱状の治具60に螺旋状に
巻き付ける。そして一旦固定した状態で上から耐熱性の
有機材料を均一な厚さになるように塗布して固めるか、
又は、耐熱性の有機フィルムを巻き付けて加熱し、圧着
して平坦に成形して基体を構成する。この後、治具60
のテーパ部材59を図中矢印方向にスライドさせて抜く
ことにより治具60の径を小さくしてから基体を治具6
0から抜き出すことによりエンドレステープ状の基体を
得ることができる。
【0045】なお、前記実施例では熱転写用インクリボ
ンとしてエンドレスタイプのものを使用した例について
述べたが必ずしもこれに限定するものではなく、先端と
後端を有する通常のタイプのものであってもよく、この
場合は熱転写用インクリボンを後端部まで使い終わると
溶融インク溜を使用してインク補充しつつインクリボン
を巻き戻して再度使用するようにしてもよい。なお、前
記実施例は本発明を溶融インク溜を使用して熱転写用イ
ンクリボンのインク層の剥離した部分を補充するものに
適用した例ついて述べたが必ずしもこれに限定するもの
ではなく、図11に述べたようなインク層を一部ずつ剥
離して複数回繰り返し使用できるタイプの熱転写用イン
クリボンにも適用できる。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明によれば、形状記憶部材を
基体の一部に使用することにより、部分的に不均一な熱
ストレスがかかって基体に変形歪みが発生しても形状記
憶部材の超弾性特性により基体を元の平坦状態に戻すこ
とができ、これにより平坦性を常に保持することができ
る熱転写用インクリボンを提供できる。
【0047】また、本発明によれば、形状記憶部材を基
体の一部に使用した熱転写用インクリボンを使用するこ
とにより、インクリボンを繰返し使用してもインクリボ
ンの基体を常に平坦に保持することができ、インクリボ
ンの変形歪みによる印刷品質の低下を防止できる熱転写
プリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】形状記憶合金の形状記憶効果及び超弾性特性を
説明するためのグラフ。
【図2】本発明の一実施例を示すプリンタ全体の構成
図。
【図3】同実施例で使用する熱転写用インクリボンの基
体の構成を示す部分平面図及び部分側面図。
【図4】同実施例で使用する熱転写用インクリボンの基
体の他の構成例を示す部分平面図及び部分側面図。
【図5】同実施例で使用する熱転写用インクリボンの基
体の他の構成例を示す部分平面図及び部分側面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す熱転写用インクリボ
ンの基体の構成を示す部分斜視図。
【図7】本発明の他の実施例を示す熱転写用インクリボ
ンの基体の構成を示す部分斜視図。
【図8】本発明の他の実施例を示すエンドレスタイプの
熱転写用インクリボンの基体の製作を説明するための
図。
【図9】熱転写プリンタの従来例を示す図。
【図10】熱転写用インクリボンの従来例を示す図。
【図11】熱転写用インクリボンの他の従来例を示す
図。
【図12】熱転写プリンタの他の従来例を示す図。
【図13】熱転写プリンタの他の従来例を示す図。
【図14】熱転写プリンタの他の従来例を示す図。
【符号の説明】
42…サーマルヘッド 43…転写用紙(被印刷物) 44…熱転写用インクリボン 44a…基体 46…溶融インク溜 49…インク層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に形状記憶部材を使用し
    た基体にインク層を付着させたことを特徴とする熱転写
    用インクリボン。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部に形状記憶部材を使用し
    た基体にインク層を付着させた熱転写用インクリボン
    と、複数の発熱素子を備え、印刷データに基づいて前記
    各発熱素子の発熱温度を制御して前記熱転写用インクリ
    ボンのインク層を溶融し被印刷物上に熱転写して画素印
    刷を行うサーマルヘッドと、前記熱転写用インクリボン
    を繰返し再使用させる機構とを備えたことを特徴とする
    熱転写プリンタ。
  3. 【請求項3】 熱転写用インクリボンは、基体を板状に
    形成したことを特徴とする請求項2記載の熱転写プリン
    タ。
  4. 【請求項4】 熱転写用インクリボンは、基体を板状に
    形成し、かつ、この基体の一面又は両面に耐熱性の有機
    部材を塗布又は接着したことを特徴とする請求項2記載
    の熱転写プリンタ。
  5. 【請求項5】 熱転写用インクリボンは、基体の少なく
    とも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維状又は
    細線状の形状記憶合金で構成したことを特徴とする請求
    項2記載の熱転写プリンタ。
  6. 【請求項6】 熱転写用インクリボンは、基体の少なく
    とも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維状又は
    細線状の形状記憶合金で構成し、かつ、各繊維状又は細
    線状の形状記憶合金を、この形状記憶合金の長手方向が
    所定の方向に揃うように配置したことを特徴とする請求
    項2記載の熱転写プリンタ。
  7. 【請求項7】 熱転写用インクリボンは、基体の少なく
    とも一部に使用した形状記憶部材を複数本の繊維状又は
    細線状の形状記憶合金で構成し、この各繊維状又は細線
    状の形状記憶合金を並べて配置すると共にこの各形状記
    憶合金を耐熱性の有機部材を主体とする繊維状部材で組
    上げて固定することをことを特徴とする請求項2記載の
    熱転写プリンタ。
  8. 【請求項8】 熱転写用インクリボンは、基体の少なく
    とも一部に使用した形状記憶部材を繊維状又は細線状の
    形状記憶合金で構成すると共にエンドレス構成にしたこ
    とを特徴とする請求項2記載の熱転写プリンタ。
  9. 【請求項9】 熱転写用インクリボンを繰返し再使用さ
    せる機構は、印刷後の前記熱転写用インクリボンに再使
    用のためにインクを再付着させる機構である請求項2記
    載の熱転写プリンタ。
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