JPH0822858A - 開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方法 - Google Patents

開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方法

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JPH0822858A
JPH0822858A JP15403094A JP15403094A JPH0822858A JP H0822858 A JPH0822858 A JP H0822858A JP 15403094 A JP15403094 A JP 15403094A JP 15403094 A JP15403094 A JP 15403094A JP H0822858 A JPH0822858 A JP H0822858A
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JP
Japan
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sliding
oil
fluorine
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fluoro
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Pending
Application number
JP15403094A
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English (en)
Inventor
Hisaji Shinohara
久次 篠原
Shoichi Ote
正一 大手
Kazuo Shibata
和郎 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】開閉機器摺動部品における摺動面の摺動抵抗
と、摺動部品の温度変化に伴う摺動面摺動抵抗の変動幅
とを小さく抑えることができ、これにより電流遮断直後
の開閉機器出し入れ時に摺動端面に無理な力がかからな
いようにできる摺動抵抗低減方法を提供する。 【構成】摺動面に潤滑剤を塗布するとともに、潤滑剤
を、熱安定性の高いふっ素油を含んだものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遮断器や断路器等の
開閉機器において、特に、摺動構造をもち、かつ気中に
位置する通電部品における摺動面の摺動抵抗ならびに通
電部品の温度変化に伴う摺動面摺動抵抗の変動幅を小さ
く抑える方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遮断器や断路器等の開閉機器のうち、特
にキュービクルに収納されるものでは、入力側および出
力側主回路端子は、メンテナンスや開閉機器交換等のた
めに抜き差しのできる摺動構造になっている。そして、
その摺動面には、多くの場合、Agめっきが施されてい
る。Agめっきを施すことにより、母材表面の酸化によ
る接触抵抗の増加が防止されるとともに、めっきされた
Agは酸化されても接触抵抗の増加を来たさないことに
よる。
【0003】図2にかかる開閉機器主回路端子構造の一
例を示す。図において、符号4は、開閉機器の引出し時
にキュービクル本体側に残る固定端子であり、板厚の厚
い銅板から切り出して形成され、先端部を鋭角の山形に
削り落とした後、全体にAgめっきが施される。また、
符号2は、開閉機器側の主回路端子導体であり、この端
子導体2にねじ3を用いて接触板1が固定される。接触
板1は薄銅板を用いてU字状に形成され、U字の開放端
部にそれぞれ内側へ凸となる湾曲面が形成され、全体に
Agめっきが施される。符号5は接触スプリングであ
り、図の状態ではU字状接触板1の開放端部の最小間隔
は固定端子4の板厚よりも小さい。そして、これら固定
端子,可動端子の摺動面にはグリースが塗布される。こ
れは、グリースを塗布しないと、Agが軟らかいために
摩耗が多く、またAg同士ではがしりやすいために摩擦
抵抗が大きくなり、開閉機器のキュービクルからの引き
出しや押し込み時に端子部に無理な力がかかるためで、
グリースのもつ潤滑機能により、摩耗量の減少や摺動抵
抗の低減を図るものである。なお、摺動面にグリースを
塗布すると、グリース中の増稠剤粒子がグリース中の潤
滑油の膜で覆われていることから、固定,可動両端子の
摺動面間には潤滑油の膜が多層に存在することになる
が、接触スプリングにより接触圧を受けると、微視的な
接触点間の増稠剤粒子を含む膜の総厚みはÅのオーダと
なり、電子はトンネル効果で何らの抵抗を受けることな
く接触点間の膜を通り抜けることができるため、グリー
スの塗布が摺動面の接触抵抗増加をもたらすことはな
い。そして、従来、摺動面に塗布するグリースとして、
鉱物油を基油とし、増稠剤にLi石けん基を用いた万能
グリースと呼ばれるグリースが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような摺動部を、
通電電流による発熱や周囲の温度により温度が高くなっ
ている状態で電流を遮断してその直後に抜き差ししよう
とすると、摺動抵抗が常温時と較べて増大する場合があ
り、この現象が著しい時には抜き差し不能になることが
あった。このような問題を解決するには、接触スプリン
グにばね力の小さいものを使用する方法があるが、摺動
部の通電容量が低下するために、通電容量を確保する方
法として接触板を大きくして放熱能力を増さなければな
らない。
【0005】本発明の目的は、摺動接触部が高温状態に
あっても、電流遮断直後に猶予なく、端子部に無理な力
がかからないように摺動部を抜き差しすることができる
よう、摺動部の構造や寸法に変更を加えることなく摺動
抵抗を低減させることができる方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、上記方法として、請求項1記載
のごとく、摺動面に潤滑剤を塗布するとともに、潤滑剤
をふっ素油を含んだものとする方法をとるものとする。
この場合、ふっ素油を含んだ潤滑剤は、請求項2に記載
のごとく、これを、ふっ素油を基油として増稠剤にPT
FE樹脂粉末を用いたふっ素グリースとすれば極めて好
適である。
【0007】あるいは、ふっ素油を含んだ潤滑剤を、請
求項3に記載のごとく、ふっ素油単体としてもよい。
【0008】
【作用】この発明は、ふっ素油の有機化合物としの安定
性に着目したものである。従来から万能グリースの呼称
で使用されているグリースは、すでに述べたように、鉱
物油を基油とし、増稠剤にLi石けん基を用いたもので
ある。周知のように、このグリースは、石油系の潤滑油
を基油とし、これに脂肪酸または脂肪酸グリセリドを混
ぜて加熱し、水酸化リチウムを加えてけん化し、生成す
る石けん(増稠剤)を油中によく分散させ、冷却し、添
加剤と基油の残りとを加えて作られるもので、添加剤に
は石けん系のベントナイト等が用いられる。通常の石け
んでは水酸化リチウムの代りに水酸化ナトリウムや消石
灰が用いられるが、リチウムはIA族に属する最も軽い
アルカリ金属であり、Mgに合金させてMgの展性,加
工性の改善に用いられることからも推測されるようにグ
リースの伸びをよくし、かつ増稠剤の基油保持能力を向
上させる。しかし、基油として石油系の潤滑油を使用す
るために、高温使用時に粘度の低下が顕著で、接触圧力
下で油膜が切れ、摺動時に擬着や掘削による摩耗ががじ
りの形で発生する。また、高温使用時の酸化による変質
も大きい。この面を改善するために、例えば、シリコン
油を基油とし、増稠剤にグラファイト粉末を用いたもの
が接点グリースの呼称で知られている。シリコン油は有
機化合物による合成油であり、高温使用時にも粘度の低
下や変質が少なく、油圧作動油や潤滑油、あるいは防錆
剤に広く用いられているものである。また、グラファイ
トは結晶性炭素の1つであり、自体の摩擦係数が小さ
く、増稠剤として好適な特性を備えている。しかし、高
温化とともにシリコン油も粘度が低下し、温度が高くな
ると接触圧力下で油膜の切れが生じ、摺動抵抗が増え、
摺動面の摩耗が発生する。これに対し、ふっ素油は、ふ
っ素を構成元素として含む合成油であり、ふっ素(単体
は2原子分子F2 )がすべての元素中で最大の電気陰性
度(4.0)を有し、その弱いF−F結合と,Fの他の
元素との結合の強さとのため、すべての元素の単体の中
で最も反応性に富み、N2 を除くすべての元素と室温ま
たは高温で反応し、また多くの有機物をふっ素化するこ
とからも推測されるように、極めて安定した有機化合物
を作り、作られたふっ素油は熱安定性が高く、通常現れ
る温度範囲程度では粘度低下が僅少で、接触圧力下でも
油膜切れが生じない。また、摺動面への防錆効果も永続
し、接触抵抗の径時変化が起ころうともしても長期にわ
たりこれを防止する。
【0009】従って、潤滑剤として、請求項2記載のご
とく、ふっ素油を基油として増稠剤にPTFE樹脂粉末
を用いたふっ素グリースを用いるようにすると、PTF
E(ポリテトラフルオロエチレン、duPont社の商
品名:テフロンが一般に広く用いられている)樹脂がそ
の高融点327℃以上でも流動性を示さず、熱的に極め
て安定度の高い樹脂であり、またほとんどの有機溶剤,
酸,アルカリに侵されず、超低温でも脆くならず、かつ
揆水,耐揮発性にすぐれ、加えて摩擦抵抗が小さいの
で、PTFE樹脂の凝着防止効果も加わり、さらに安定
した摺動特性を維持することができる。
【0010】また、潤滑剤を、請求項3記載のごとく、
ふっ素油単体としても、その化学的安定性から大気中に
おいて変質なく、摺動面から長期にわたり消失すること
なく、かつ、その高熱安定性から高温状態でも接触圧力
下で油膜切れを生じることなく初期常温時の潤滑性能を
維持する。
【0011】
【実施例】本発明の実施例として、図1に、ふっ素油を
基油としPTFE樹脂粉末を増稠剤としたふっ素グリー
スの耐安定性を、前述の万能グリースおよび接点グリー
スと対比して示す。この実施例は、図2に示した端子部
の摺動抵抗と温度の関係を実験で求めた結果を示したも
のであり、横軸に温度(右になるほど温度が高い)、縦
軸に摺動抵抗(上になるほど大きい)をとってある。な
お、摺動抵抗は、与えられた接触圧力(ばね力)の下で
摺動部に摺動面に平行な相対移動を開始させる力を示
す。
【0012】この図から、摺動抵抗の温度による変化は
万能グリースが最も大きく、接点グリースがこれに次
ぎ、ふっ素グリースでは摺動抵抗の温度変化はほとんど
ないことが分る。
【0013】
【発明の効果】本発明においては、開閉機器摺動部品に
おける摺動面の摺動抵抗ならびに摺動部品の温度変化に
伴う摺動面摺動抵抗の変動幅を小さく抑える方法を、請
求項1記載のごとく、摺動面に潤滑剤を塗布するととも
に、潤滑剤をふっ素油を含んだものとする方法としたの
で、摺動部の構造や寸法に何らの変更も加えることな
く、ふっ素油の高熱安定性を利用して摺動面の摺動抵抗
を、常温時,高温時いずれの場合にも低くかつ一定に維
持することができるようになった。これにより、従来開
閉機器をキュービクルから出し入れする際に生じてい
た,端子部に無理な力がかかる等の障碍が除去され、常
に円滑な出し入れ作業が可能となった。
【0014】そして、上記潤滑剤を請求項2記載のごと
くふっ素油を基油として増稠剤にPTFE樹脂粉末を用
いたふっ素グリースとすることにより、ふっ素油の摺動
面上の存在量が増し、PTFE樹脂自体の高熱安定性と
小摩擦係数とにより、ふっ素油の潤滑性能が妨げられる
ことなく、長期にわたる高潤滑性能の維持が可能となっ
た。
【0015】また、上記潤滑剤を、請求項3記載のごと
く、ふっ素油単体とすることにより、摺動面に高潤滑性
能を付与するための塗布作業が刷毛等を用いて簡易に行
われ、摺動面のメンテナンスが容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として、開閉機器摺動部品の摺
動面に塗布する潤滑剤にふっ素グリースを用いたときの
摺動抵抗と摺動面温度との関係を、万能グリースおよび
接点グリースの場合と対比させて示す図
【図2】本発明が対象とする開閉機器摺動部品構造の一
例を示す図であって、(a)は上面図(b)は側面図
【符号の説明】
1 接触板 4 固定端子 5 接触スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:02 50:10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉機器摺動部品における摺動面の摺動抵
    抗ならびに摺動部品の温度変化に伴う摺動面摺動抵抗の
    変動幅を小さく抑える方法であって、摺動面に潤滑剤を
    塗布するとともに、潤滑剤をふっ素油を含んだものとす
    ることを特徴とする開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、ふっ素油を
    含んだ潤滑剤を、ふっ素油を基油として増稠剤にPTF
    E樹脂粉末を用いたふっ素グリースとすることを特徴と
    する開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、ふっ素油を
    含んだ潤滑剤を、ふっ素油単体とすることを特徴とする
    開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方法。
JP15403094A 1994-07-06 1994-07-06 開閉機器摺動部品の摺動抵抗低減方法 Pending JPH0822858A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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