JPH0822831B2 - ポリプレニル系化合物 - Google Patents

ポリプレニル系化合物

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JPH0822831B2
JPH0822831B2 JP19911086A JP19911086A JPH0822831B2 JP H0822831 B2 JPH0822831 B2 JP H0822831B2 JP 19911086 A JP19911086 A JP 19911086A JP 19911086 A JP19911086 A JP 19911086A JP H0822831 B2 JPH0822831 B2 JP H0822831B2
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acid
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methoxymethyl
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は,医薬として優れた作用を有するポリプレニ
ル系化合物およびその薬理的に許容できる塩,その製造
方法およびそれを含有する医薬に関する。
従来技術 制癌剤の開発は,その病気の性格上,極めて難しく,
先進国を中心として種々の方向から開発がすすめられて
いるが決定的な薬剤がないのが実情である。
ビタミンAは,ビタミンA欠乏と癌発生との関係か
ら,制癌剤の研究開発の一方向として注目され研究がな
されている。
1971年Bollagは,ビタミンA欠乏や化学発癌物質によ
ってひき起こされる動物の上皮性の腫瘍に対して,ビタ
ミンAおよびそのエステルが予防的,治療的効果がある
ことを認めている。
しかしながら,ビタミンA類は,癌の治療には長期的
かつ多量の投与が必要であるため,体内蓄積も高くな
り,副作用としてビタミンA過剰性を併発するなどの欠
点を有している。
したがって,ビタミンAではない化合物で,より安全
性が高く,しかも病的組織に有効に到達できる化合物が
求められている。
本発明の目的 上記の実情に鑑み,本発明者等は長期間にわたって鋭
意検討を重ねた結果,ビタミンAとは異なったポリプレ
ニル系化合物で,より安全性が高く,しかも病的組織に
有効に到達できる化合物を見い出し本発明を完成した。
したがって,本発明の目的は,新規なポリプレニル系
化合物およびその薬理的に許容できる塩を提供すること
であり,更に該ポリプレニル系化合物およびその薬理的
に許容できる塩の製造方法を提供することであり,更に
該ポリプレニル系化合物またはその薬理的に許容できる
塩を有効成分とする医薬を提供することである。
発明の構成および効果 本発明の目的化合物は,次の一般式(I)で示される
ポリプレニル系化合物またはその薬理的に許容できる塩
である。
(式中nは1〜3の整数を意味する。R1は,水素また
は低級アルキル基を意味し,R2は,水素,または低級ア
ルキル基を意味する) で表わされるポリプレニル系化合物。
上記の定義において,R1,R2にみられる低級アルキル
基とは,炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝状のアルキル
基,例えばメチル,エチル,nプロピル,n−ブチル,イソ
プロピル,イソブチル,1−メチルプロピル,tert−ブチ
ル,n−ペンチル,1−エチルプロピル,イソアミル,n−ヘ
キシルなどを意味するが,最も好ましい例は,メチル
基,エチル基である。
薬理的に許容できる塩とは,ナトリウム塩,カリウム
塩,カルシウム塩などをあげることができる。
また,本発明化合物は,種々の幾何異性体が存在しう
るが,本発明においてはそれらの異性体のいずれをも含
むものである。
本発明化合物(I)において,nは1〜3の整数を意味
するが,n=2である場合が最も好ましい結果を与える。
本発明の目的化合物(I)またはその薬理的に許容で
きる塩は,優れた制癌効果を有し,かつ安全性が高いの
で,制癌剤として有用である。
本発明の代表的化合物を掲げれば次のとおりである
が,その目的とするところは本発明の理解を容易にする
ためであり,本発明がこれらのみに限定されることがな
いことはいうまでもない。
7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,
6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸 7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,
6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸メチル 7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,
6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル 7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,
6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸プロピル 7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,1
0,14−ヘキサデカペンタエン酸 7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,1
0,14−ヘキサデカペンタエン酸メチル 7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,1
0,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル 7−ヒドロキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−
ドデカテトラエン酸 7−ヒドロキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−
ドデカテトラエン酸メチル 7−ヒドロキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−
ドデカテトラエン酸エチル 7−メトキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−ド
デカテトラエン酸 7−メトキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−ド
デカテトラエン酸メチル 7−メトキシメチル−3,11−ジメチル−2,4,6,10−ド
デカテトラエン酸エチル 7−ヒドロキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−
2,4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸 7−ヒドロキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−
2,4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸メチル 7−ヒドロキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−
2,4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸エチル 7−メトキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−2,
4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸 7−メトキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−2,
4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸メチル 7−メトキシメチル−3,11,15,19−テトラメチル−2,
4,6,10,14,18−エイコサヘキサエン酸エチル 7−エトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,1
0,14−ヘキサデカペンタエン酸 7−エトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,1
0,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル 本発明化合物は,種々の方法で製造可能であるが,そ
の一例を具体的に示せば以下のとおりである。
製造方法1 一般式(II) (式中R1は水素または低級アルキル基を意味し,nは1
〜3の整数を意味する) で表わされる化合物に,一般式(III) (式中Xはハロゲン原子を意味し,R3は低級アルキル
基を意味する) で表わされる化合物から導かれるウィテッヒ試薬を反応
させて,目的物質の一つである化合物(IV) (式中,n,R1,およびR3は前記の意味を有する) を得,次いで,これを加水分解して目的物質の一つであ
る化合物(V)を得る。
(式中nおよびR1は前記の意味を有する) 本方法において,一般式(III)の化合物から導かれ
るウィテッヒ試薬としては,例えば一般式(III)の化
合物にトリフェニルホスフィン,フェニルジアルコキシ
ホスフィン,トリアルキルホスファイトなどを反応させ
て得られる燐化合物があげられる。この試薬の調製およ
びこの試薬を用いたウイテッヒ反応は,例えばゲデイ
(Gedye)らの方法〔カナディアン・ジャーナル・オブ
・ケミストリー(Can.J.Chem.)第55巻,第1218頁(197
7)〕に記載された常法によりおこなうことができる。
具体的な方法の一つを示せば以下のとおりである。
Wittig反応をおこなう際の触媒としては,例えばナト
リウムメチラート(MeONa),ナトリウムエチラーオ(E
tONa),t−BuOK,NaHなどをあげることができ,溶媒とし
ては例えばテトラヒドロフラン(THF),ジメチルホル
ムアミド(DMF),エーテル類,ニトロメタン,ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)などをあげることができる。ま
た反応温度は−60℃から100℃程度が好ましい結果を与
える。
また加水分解は,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム
などカルボン酸エステルの加水分解に通常用いられる塩
基を用いておこなうことができる。
製造方法1において出発物質として用いられる化合物
(II)は,例えば次のような方法で得ることができる。
製造方法2 目的物質(I)において,R1がHである場合は,例え
ば次の方法によっても製造することが可能である。
第1工程は,化合物(XII)で表わされるアルデヒド
体を,化合物(XIII)とWittig反応せしめ,化合物(XI
V)を得る工程であり,製造方法1に記載した方法に準
じて反応をおこなう。
第2工程は,アセタール化合物(XIV)を酸に接触さ
せ,アセタール結合を加水分解し,ホルミル体(XV)と
する工程である。この際,使用できる酸としては例えば
蟻酸,酢酸のような有機酸,あるいは塩酸,硫酸のよう
な鉱酸をあげることができる。また本反応は,通常水ま
たは含水有機溶剤中でおこなわれる。
第3工程は,第2工程で得られたホルミル体(XV)を
還元し,アルコール体(XVI)とする工程である。還元
剤としては例えば,水素化ホウ素ナトリウム,水素化ホ
ウ素カリウムのような水素化アルカリ金属塩,またはア
ルミニウム−トリ−イソプロポキシドなどが用いられ
る。
第4工程は,第3工程で得られた化合物(XVI)のエ
ステル結合を加水分解する工程であり,通常,例えば水
酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどのカルボン酸エス
テルの加水分解に用いられる塩基を用いておこなうこと
ができる。
製造方法2において,出発物質として用いられる化合
物(XII)は,例えば次のような方法で得ることができ
る。
次の本発明化合物の効果を詳細に説明するため,薬理
実験例を示す。
薬理実験例 本発明の代表化合物として,化合物A:(E,E,Z,E)−
7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,4,6,10,
14−ヘキサデカペンタエン酸および化合物B:(E,E,Z,
E)−7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,
4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸を選択し,ラット
精巣から精製された細胞内レチノイド結合蛋白・cellar
retinoic acid−binding protein(CRABP)(分子量約
14,600………Ong,D.E.,Chytil,F.,J.Biol.Chem.,253,45
51〜4554(1978)およびRoss.A.C.,Adachi,N.,Goodman,
D.S.,J.Lipid Res.,21,100〜109(1980)参照)に対す
るこれらの化合物の結合親和性(binding affinity)を
測定した。
結果を図1および図2に示す。
図1および図2はそれぞれ化合物Aおよび化合物Bの
ラットCRABPに対する結合親和性(binding affinity)
を示す。
横軸は化合物の濃度(μM)を示し,縦軸は,CRABPに
対するbinding affinity(%)を示す。このbinding af
finity(%)は,レチノール酸の場合を100とした場合
のパーセンテージを示す。
図1から,化合物Aの50%binding affinityを示す濃
度は,38μMであり,同様に化合物Bのそれは46μMで
あった。
CRABP(細胞内レチノイド結合蛋白)は、成熟動物の
精巣,卵巣,眼,気管および皮膚の表皮に局在している
が,一方ヒトの乳癌,肺癌,原発性肝癌およびグリオー
マの癌や,実験的腫瘍であるマウス皮膚パピローマ等に
高いレベルで検出されている。
したがって,本発明化合物が上記の薬理実験例の如く
CRABPに対する強いbinding affinity(結合親和性)を
有することは,すぐれた抗腫瘍効果を有することを意味
しており,制癌剤として有用であることを意味してい
る。
それ故,本発明化合物は,癌および前癌症状の予防・
治療剤として有用である。
更に本発明化合物は,毒性が極めて低いので長期連用
が可能であり,制癌剤として価値が高いものである。
本発明化合物を制癌剤として投与する場合,散剤,顆
粒剤,カプセル剤,シロップ剤などとして経口的に投与
してもよいし,また坐剤,注射剤,外用剤,点滴剤とし
て非経口的に投与してもよい。
投与量は、症状の程度,年令,癌の種類などにより著
しく異なるが,通常成人1日あたり約5mg〜1,500mgを,1
日2〜数回にわけて投与する。製剤化の際は,通常の製
剤担体を用い,常法により製造する。
すなわち,経口用固形製剤を調製する場合は主薬に賦
形剤,更に必要に応じて結合剤,崩壊剤,滑沢剤,着色
剤,矯味矯臭剤などを加えた後,常法により錠剤,被覆
錠剤,顆粒剤,散剤,カプセル剤などとする。
賦形薬としては,例えば乳糖,コーンスターチ,白
糖,ブドウ糖,ソルビット,結晶セルロース,二酸化ケ
イ素などが,結合剤としては例えば,ポリビニルアルコ
ール,ポリビニールエーテル,エチルセルロース,メチ
ルセルロース,アラビアゴム,トラガント,ゼラチン,
シェラック,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキ
シプロピルスターチ,ポリビニルピロリドンなどが,崩
壊剤としては例えば,デンプン,寒天,ゼラチン末,結
晶セルロース,炭酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,
クエン酸カルシウム,デキストリン,ペクチン等が,滑
沢剤としては例えば,ステアリン酸マグネシウム,タル
ク,ポリエチレングリコール,シリカ,硬化植物油等
が,着色剤としては医薬品に添加することが許可されて
いるものが,矯味矯臭剤としては,ココア末,ハッカ
脳,芳香散,ハッカ油,竜脳,桂皮末等が用いられる。
これらの錠剤,顆粒剤には糖衣,ゼラチン衣,その他必
要により適宜コーティングすることはもちろんさしつか
えない。
注射剤を調製する場合には,主薬に必要によりpH調製
剤,緩衝剤,安定化剤,可溶化剤などを添加し,常法に
より皮下,筋肉内,静脈内用注射剤とする。
次に本発明の実施例を掲げるが,本発明がこれらに限
定されることがないことはいうまでもない。
実施例1 (E,E,Z,E)−7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチ
ル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル (1)(Z,E)−3−メトキシメチル−7,11−ジメチル
−2,6,10−ドデカトリエン酸エチルエステルの合成 金属ナトリウム1.13gとエタノール50mlより得られる
粉末ナトリウムエトキシドをn−ヘキサン50mlに懸濁
し、氷冷下,攪拌しながらトリエチルホスホノアセテー
ト12.1gを加える。10分後に(E)−1−メトキシメチ
ル−6,10−ジメチル−5,9−ウンデカジエン−2−オン
5.5gを加え30分攪拌する。水に注ぎ,n−ヘキサン層を分
離し,このn−ヘキサン層を水洗後,硫酸マグネシウム
で乾燥する。溶媒を留去して,シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで分離,精製し標題化合物3.2gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz),1.60(6H,s),
1.68(3H,s),1.9〜2.7(8H,m),3.35(3H,s),4.15(2
H,q,J=7Hz),4.35(2H,s),5.12(2H,m),5.75(1H,b
s) (2)(Z,E)−3−メトキシメチル−7,11−ジメチル
−2,6,10−ドデカトリエノールの合成 (1)の方法で得られた(Z,E)−3−メトキシメチル
−7,11−ジメチル−2,6,10−ドデカトリエン酸エチル2.
9gをテトラヒドロフラン15mlに溶かし,氷冷下,攪拌し
ながら水素化ジイソブチルアルミニウム(1.5Mトルエン
溶液)20mlを滴下する。滴下後,1時間攪拌し,希塩酸を
加え酸性化する。エチルエーテルにて抽出し,水洗後,
硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去し,シリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製し,目的物2.3gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.61(6H,s),1.68(3H,s),1.9〜2.
23(8H,m),2.38(1H,bs),3.38(3H,s),3.95(2H,
s),4.18(2H,d,J=6Hz),5.10(2H,m),5.58(1H,t,J
=6Hz) (3)(Z,E)−3−メトキシメチル−7,11−ジメチル
−2,6,10−ドデカトリエナールの合成 (2)で得られた(Z,E)−3−メトキシメチル−7,11
−ジメチル−2,6,10−ドデカトリエノール2.0gをクロロ
ホルム20mlに溶かし,これに活性二酸化マンガン5gを加
え1時間攪拌する。その後,セライト過し,クロロホ
ルムで洗浄する。液を留去すると,目的物1.9gを得
た。
NMR・δ(CDCl3):1.59(6H,s),1.68(3H,s),1.8〜2.
6(8H,m),3.37(3H,s),4.36(2H,s),5.08(2H,m),
5.94(1H,d,J=7Hz),10.07(1H,d,J=7Hz) (4)(E,E,Z,E)−7−メトキシメチル−3,11,15−ト
リメチル−2,4,6,14−ヘキサデカペンタエン酸エチルの
合成 金属ナトリウム0.28gとエタノール10mlより得られる
粉末ナトリウムエトキシドをジメチルホルムアミド20ml
に懸濁し,−20℃に冷却,窒素雰囲気下,攪拌しながら
ジエチル−3−エトキシカルボニル−2−メチル−2−
プロペニルホスフォネイト3.5gを加えた。この溶液に−
20℃,攪拌しながら(Z,E)−3−メトキシメチル−7,1
1−ジメチル−2,6,10−ドデカトリエナール1.5gのジメ
チルホルムアミド5ml溶液を滴下する。1時間後反応液
を氷水に注ぎ、エチルエーテルにて抽出し,水洗後,硫
酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去して,シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで分離精製し,標題化合物
1.4gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz),1.60(6H,s),
1.64(3H,s),1.8〜2.2(8H,m),2.32(3H,d,J=1Hz),
3.32(3H,s),4.60(2H,s),4.16(2H,q,J=7Hz),5.10
(2H,m),5.76(1H,bs),6.10(1H,d,J=11Hz),6.21
(1H,d,J=15Hz),6.94(1H,dd,J=11,15Hz) 実施例2 (E,E,Z,E)−7−メトキシメチル−3,11,15−トリメ
チル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸 水酸化カリウム0.4gをイソプロピルアルコール10mlに
溶解し,これに実施例1の方法によって得られた(E,E,
Z,E)−7−メトキシメチル−3,11,15−トリメチル−2,
4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル1.2gを加え,
15分間加熱還流する。反応液を氷水に注ぎ希塩酸を加え
て酸性化し,エチルエーテルにて抽出,抽出液を水洗
し,硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去して,シ
リカゲルクロマトグラフィーで精製して得られる無色油
状物0.9gをn−ヘキサン5mlに溶かし−20℃に冷却して
結晶化すると,標題化合物0.6gを白色結晶として得た。
融点 : 49−50℃ MASS: m/z 332(M+) NMR・δ(CDCl3)400MHz:1.60(3H,s),1.61(3H,s),
1.68(3H,s),1.94〜2.30(8H,m),2.33(3H,d,J=1H
z),3.34(3H,s),4.35(2H,s),5.10(2H,m),5.81(1
H,bs),6.09(1H,d,J=11Hz),6.26(1H,d,J=15Hz),
6.99(1H,dd,J=11,15Hz),7.14(1H,s) 実施例3 (E,E,Z,E)−7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリ
メチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル (1)(Z,E)−3−ジメトキシメチル−7,11−ジメチ
ル−2,6,10−ドデカトリエン酸エチルの合成 金属ナトリウム0.72gとエタノール30mlより得られる
粉末ナトリウムエトキシドをn−ヘキサン40mlに懸濁
し,氷冷下,攪拌しながらトリエチルホスホノアセテー
ト7.8gを加える。10分後に(E)−1,1−ジメトキシメ
チル−6,10−ジメチル−5,9−ウンデカジエン−2−オ
ン4.0gを加え,30分間攪拌する。水に注ぎn−ヘキサン
層を分離し,このn−ヘキサン層を水洗後,硫酸マグネ
シウムで乾燥する。溶媒を留去して,シリカゲルクロマ
トグラフィーで分離精製し標題化合物1.9gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz),1.60(6H,s),
1.68(3H,s),1.8〜2.4(8H,m),2.41(6H,s),4.16(2
H,q,J=7Hz),5.10(2H,m),5.80(1H,s),5,96(1H,
s) (2)(Z,E)−3−ジメトキシメチル−7,11−ジメチ
ル−2,6,10−ドデカトリエノールの合成 (Z,E)−3−ジメトキシメチル−7,11−ジメチル−
2,6,10−ドデカトリエン酸エチル1.7gをテトラヒドロフ
ラン10mlに溶かし,氷冷下,攪拌しながら水素化ジイソ
ブチルアルミニウム(1.5Mトルエン溶液)10mlを滴下す
る。滴下後1時間攪拌し,希塩酸を加え酸性化する。エ
チルエーテルにて抽出し,水洗後硫酸マグネシウムで乾
燥する。溶媒を留去し,シリカゲルクロマトグラフィー
で精製し,標題化合物1.3gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.60(6H,s),1.68(3H,s),1.8〜2.
2(8H,m),2.45(1H,b),3.32(6H,s),4.24(2H,d,J=
6Hz),4.95(1H,s),5,12(2H,m),5.70(1H,t,J=6H
z) (3)(Z,E)−3−ジメトキシメチル−7,11−ジメチ
ル−2,6,10−ドデカトリエナールの合成 (Z,E)−3−ジメトキシメチル−7,11−ジメチル−2,
6,10−ドデカトリエノール1.2gをクロロホルム10mlに溶
かし,これに活性二酸化マンガン3gを加え1時間攪拌す
る。その後セライド過し,クロロホルムで洗浄する。
液を留去すると標題化合物1.1gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.60(6H,s),1.67(3H,s),1.8〜2.
4(8H,m),3.36(6H,s),5.08(2H,m),5,32(1H,s),
5.95(1H,d,J=7Hz),10,18(1H,d,J=7Hz) (4)(E,E,Z,E)−7−ジメトキシメチル−3,11,15−
トリメチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エ
チルの合成 金属ナトリウム0.16gとエタノール10mlより得られる
粉末ナトリウムエトキシドをジメチルホルムアミド10ml
に懸濁し,−20℃に冷却,窒素雰囲気下攪拌しながら,
ジエチル−3−エトキシカルボニル−2−メチル−2−
プロペニルホスフォネイト2.1gを加えた。この溶液に−
20℃,攪拌しながら,(Z,E)−3−ジメトキシメチル
−7,11−ジメチル−2,6,10−ドデカトリエナール1.0gの
ジメチルホルムアミド5ml溶液を滴下する。1時間後,
反応液を氷水に注ぎエチルエーテルにて抽出し,水洗後
硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去してシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで分離精製し,標題化合物
0.89gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.28(3H,t,J=7Hz),1.60(6H,s),
1.68(3H,s),1.9〜2.2(8H,m),2.32(3H,s),3.34(6
H,s),4.16(2H,q,J=7Hz),5.10(3H,bs),5,78(1H,
s),6.14(1H,d,J=11Hz),6.20(1H,d,J=15Hz),7.11
(1H,dd,J=11,15Hz) (5)(E,E,Z,E)−7−ホルミル−3,11,15−トリメチ
ル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチルの合
(E,E,Z,E)−7−ジメトキシメチル−3,11,15−トリ
メチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル
0.80gをアセトン10mlに溶かし,これに水1mlを加える。
氷冷下,攪拌しながら2規定塩酸0.3mlを加える。1時
間後,氷水に注ぎn−ヘキサンにて抽出し,水洗後硫酸
マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去してシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し,標題化合物0.59gを
得た。
NMR・δ(CDCl3):1.29(3H,t,J=7Hz),1.58(6H,s),
1.67(3H,s),1.8〜2.2(8H,m),2.35(3H,d,J=1Hz),
4.20(2H,q,J=7Hz),5.10(2H,m),5.90(1H,bs),6.2
8(1H,d,J=15Hz),6.90(1H,d,J=11Hz),7.52(1H,d,
J=11,15Hz),10.28(1H,s) (6)(E,E,Z,E)−7−ヒドロキシメチル−3,11,15−
トリメチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エ
チルの合成 (E,E,Z,E)−7−ホルミル−3,11,15−トリメチル−2,
4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸エチル0.55gをエタ
ノール5mlに溶かし,氷冷下,水素化ホウ素ナトリウム6
0mlを加え1時間攪拌する。反応終了後,希塩酸を加え
て酸性化合し,水を加えてエチルエーテルにて抽出し,
水洗後,硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去して
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合
物0.48gを得た。
NMR・δ(CDCl3):1.27(3H,t,J=7Hz),1.60(6H,s),
1.68(3H,s),1.9〜2.3(9H,m),2.30(3H,d,J=1Hz),
4.16(2H,q,J=7Hz),4.28(2H,s),5,10(2H,m),5.76
(1H,s),6.06(1H,d,J=11Hz),6.21(1H,d,J=16H
z),6.94(1H,dd,J=11,16Hz) 実施例4 (E,E,Z,E)−7−ヒドロキシメチル−3,11,15−トリ
メチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタエン酸 水酸化カリウム0.13gをイソプロピルアルコール5mlに
溶解し,これに(E,E,Z,E)−7−ヒドロキシメチル−
3,11,15−トリメチル−2,4,6,10,14−ヘキサデカペンタ
エン酸エチル0.40gを加え,15分間加熱還流する。反応液
を氷水に注ぎ希塩酸を加えて酸性化し,エチルエーテル
にて抽出し,抽出液を水洗し,硫酸マグネシウムで乾燥
する。溶媒を留去してシリカゲルクロマトグラフィーで
精製して得られる白色結晶0.3gをn−ヘキサン2mlとエ
タノール0.3mlの混合液に溶かし−20℃に冷却して再結
晶化すると標題化合物0.25gを白色結晶として得た。
融点 : 54〜55℃ MASS:m/z 318(M+) NMR・δ(CDCl3)400MHz:1.60(3H,s),1.61(3H,s),
1.68(3H,s),1.9〜2.3(8H,m),2.33(3H,d,J=1Hz),
2.80(1H,b),4.35(2H,s),5.08(1H,t,J=6Hz),5.13
(1H,t,J=7Hz),5.81(1H,s),6.08(1H,d,J=11Hz),
6.26(1H,d,J=15Hz),6.99(1H,dd,J=11,15Hz),7.26
(1H,s)
【図面の簡単な説明】
図1は,化合物AのラットCRABPに対する結合親和性(B
inding affinity)を示す。 図2は,化合物BのラットCRABPに対する結合親和性(B
inding affinity)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/734 Z 9546−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中nは1〜3の整数を意味する。R1は,水素または
    低級アルキル基を意味し,R2は,水素または低級アルキ
    ル基を意味する) で表わされるポリプレニル系化合物およびその薬理的に
    許容できる塩。
  2. 【請求項2】n=2である特許請求の範囲第1項記載の
    ポリプレニル系化合物およびその薬理的に許容できる
    塩。
  3. 【請求項3】一般式 (式中nは1〜3の整数を意味する。R1は,水素または
    低級アルキル基を意味し,R2は,水素または低級アルキ
    ル基を意味する) で表わされるポリプレニル系化合物またはその薬理的に
    許容できる塩を有効成分とする制癌剤。
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