JPH08227684A - 同軸形直衝突イオン散乱分光装置 - Google Patents

同軸形直衝突イオン散乱分光装置

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JPH08227684A
JPH08227684A JP7030809A JP3080995A JPH08227684A JP H08227684 A JPH08227684 A JP H08227684A JP 7030809 A JP7030809 A JP 7030809A JP 3080995 A JP3080995 A JP 3080995A JP H08227684 A JPH08227684 A JP H08227684A
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JP
Japan
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sample
angle
measurement
incident
ion
Prior art date
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JP7030809A
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English (en)
Inventor
Osamu Ishiyama
修 石山
Makoto Shinohara
真 篠原
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信号強度の積算値を正確に求めることができ
る同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供する。 【構成】 着目する元素の信号強度の積分範囲を、試料
に対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正する
ように構成している。その処理としてイオンビーム径と
入射角度を用いてエネルギスペクトルのピーク幅を計算
して、その計算値を用いて信号強度積分範囲を補正する
方法、また測定で得られたエネルギスペクトルのピーク
位置を見つけてこのピーク位置を基に信号強度積分範囲
を設定する方法を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は同軸形直衝突イオン散乱
分光装置(CAICISS:Coaxial ImpactCollision I
on Scattering Spectroscopy)に関する。
【0002】
【従来の技術】CAICISSにおいては、平行性の良
いイオンビームを試料に入射させ、散乱角180°付近
の散乱イオンを検出する。この際、試料に対する入射イ
オンビームの入射角度をゴニオメータ等により変化さ
せ、特定の入射方向におけるエネルギスペクトル(TO
Fスペクトル)から表面元素の同定を行うことができ
る。
【0003】また、CAICISSおいては、着目する
元素に対応する信号の入射角依存性を測定することによ
り、結晶試料表面の構造解析を行うことができる。すな
わち図4に示すように、各入射角度ごとの測定スペクト
ルから信号強度の積算値を求め、この信号強度をプロッ
トすることにより得られる角度依存性(変化曲線)の山
と谷の位置とその各強度から表面構造の解析を行うこと
ができる。この際、信号強度積分範囲(ROI範囲)
は、通常、入射イオンビームの入射角度とは無関係に固
定値で入力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入射イオン
ビームは有限の広がり(典型的なビーム径は2〜4mm)
があり、このためCAICISSにおいて入射角依存性
を測定する際、試料に対する入射角度が低角になるした
がって試料上でビームに照射されている領域は広くなり
〔図5(A) 参照〕、これにより図5(B) に示すように、
低角入射時のエネルギスペクトル(2) は高角入射時(1)
に対してピーク幅の広がったものとなる。ここで、上記
したように信号強度の積分範囲が入射角度に関係なく固
定値で高角入射時(垂直入射時)のエネルギスペクトル
(1) に適した値に設定されているとすると、低角度側の
スペクトル(2) では積算が行われない部分(左右のテー
ル部分)が生じ、これにより積分強度が不正確になると
いう問題が発生する。
【0005】また、CAICISSにおいて、試料を装
着した状態では入射イオンビームの試料に対する入射位
置と、試料の回転中心が一致しているとは限らず、その
両者の位置にずれがある場合〔図6(A) 参照〕、エネル
ギスペクトルのピーク位置が入射角度に応じてシフトす
るという現象が発生し、このような状況となったとき
に、信号強度の積分範囲が固定値であると、図6(B) に
示すように、積分強度を正確に算出できなくなる。
【0006】本発明はそのような事情に鑑みてなされた
もので、信号強度の積算値を正確に求めることができ、
もって結晶試料表面の構造解析を高精度で行うことがで
きる同軸形直衝突イオン散乱分光装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の分光装置は、実施例に対応する図1に示す
ように、イオンビームを試料Sに入射させその入射位置
から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を検出
し、その検出値をエネルギスペクトル情報として出力す
る測定装置1と、試料Sに対するイオンビームの入射角
度を所定ステップで変化させる測定パラメータに基づい
て測定装置1を操作する測定実行部3aと、その測定ご
とに測定装置1が出力する検出値から得られるエネルギ
スペクトルに対し積分範囲を設定して信号強度の積算値
を求める演算部3bと、その信号強度の積算時に設定す
る積分範囲を、試料Sへのイオンビームの入射角度に応
じて補正する補正処理部3dを備えていることによって
特徴づけられる。
【0008】なお、本発明において補正処理部3dに
は、試料への入射イオンビームのビーム径及び着目す
る元素の質量数等の測定条件等を用いて、例えば、イオ
ンビームの入射角度αが、垂直入射時(α1 =90°)
から角度α2 となったときにエネルギスペクトルのピー
ク幅がどれほど広がるのかを計算して、その計算値を用
いて信号強度積分範囲を補正する処理(図2参照)と、
入射角度の変更ごとに得られるエネルギスペクトルの
ピーク位置をサーチし、その見つかったピーク位置に対
して信号強度積分範囲を設定するという処理(図3参
照)の二つの処理を実行する機能を設けておく。
【0009】
【作用】着目する元素の信号強度の積分範囲が、試料に
対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正される
ので、ビームの入射角度の大小によって発生する影響を
除去することができる。
【0010】ここで、イオンビームのビーム径を用いて
エネルギビームのピーク幅を入射角度ごとに計算すれ
ば、高角入射時から低角側へと移行する時などにおいて
ピーク幅の広がりによる影響を補正できる。
【0011】また、測定で得られたエネルギスペクトル
のピーク位置を見つけて、そのピーク値に対して積分範
囲を設定すれば、入射イオンビームの試料への入射位置
と試料の回転中心との位置のずれによる影響を除去する
ことができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明実施例の構成を示すブロック図
である。まず、この例の分光装置は、イオン散乱測定装
置1、入力装置2、演算処理装置3及びCRT等の表示
器4によって構成されている。
【0013】イオン散乱測定装置1は、イオン源1aか
らのイオン(He+ )ビームを試料Sに照射し、そのイ
オン照射により試料Sから散乱角180°付近に散乱す
るイオンの強度を、イオン源1aと同軸上に配置した検
出器(MCP)1bで検出して、その散乱強度の検出値
を出力する装置である。また、この測定系において、試
料Sはステージ(ゴニオメータ)1cに保持され、その
ステージ1cの回転駆動により試料Sに対するイオンの
入射角度αを任意に設定できる。
【0014】入力装置2はキーボード等であって、入射
イオンと着目するイオンの各元素種(質量数含む)、入
射イオンのエネルギ及びビーム径、並びに測定パラメー
タの範囲などの測定条件を演算処理装置3に入力するこ
とができる。ただし、この例の装置ではイオン散乱強度
の角度依存性を測定するので、測定パラメータの範囲と
して、入射角度を変化させる範囲とその角度変化の幅
(ステップ)を入力するものとする。
【0015】一方、演算処理装置3は、例えばコンピュ
ータであって、測定実行部3a、データ処理演算部3
b、表示制御部3c及び補正処理部3dの各機能部が設
けられている。
【0016】測定実行部3aは、入力された測定パラメ
ータ(イオン入射角度;α)の設定値に基づいてイオン
散乱測定装置1の測定動作を制御する機能部で、ステー
ジ1cを制御して、まずはイオン入射角を測定範囲の初
期値に設定し、次いで入射角を設定ステップで順次に変
化させてゆき、その各角度設定ごとにイオン散乱測定装
置1にスタート指令信号を供給するという制御を行うよ
うに構成されている。
【0017】データ処理演算部3bは、イオン散乱測定
装置1による測定が実行されるごとに、その測定装置1
の出力を採り込んで、この採取した値つまり散乱強度の
検出値から得られるエネルギスペクトルに対し積分範囲
を設定して、信号強度の積算値を求めるように構成され
ており、その信号強度の積算値を表示制御部3cに出力
する。ただし、信号強度の積算値を求めるための積分範
囲は、後述する補正処理部3dによりイオンビームの入
射角度に応じて補正される。
【0018】表示制御部3cは、表示器4の画面上に複
数の表示領域(ウインドウ)を設定するといった表示法
が可能で、その一つの表示領域に測定パラメータを数値
で表示したり、また、他の表示領域に、データ処理演算
部3bの演算結果つまり信号強度を折線グラフでプロッ
トする等の表示を行うことができる。
【0019】さて、本発明実施例において注目すべきと
ころは、補正処理部3dが以下の二つの機能及びを
備えている点にある。 入力装置2により入力されたデータのうち測定パラメ
ータとしての入射イオンビームの角度α及びビーム径R
等の測定条件を用いて、次の計算式
【0020】
【数1】
【0021】 V:入射イオンの速度〔V=(2E/m)1/2 〕 E:入射イオンのエネルギ m:入射イオンの質量数 M:着目元素の質量数 によりΔtを求めて、この計算値Δtを用いて信号強度
積分範囲を補正してデータ処理演算部3bに設定する。
【0022】ここで、Δtは、図2に示すように、二つ
の入射角度α1 とα2 (α1 >α2)においてエネルギ
スペクトルのピーク幅の広がりの差(Δt=t1
2 )であって、この計算値Δtでもって入射角度によ
る影響を除去できる。
【0023】その補正の具体的な処理としては、例え
ば、イオンビームの垂直入射時(α1=90°)を基準
として、その角度α1 でのエネルギスペクトルに対して
積分範囲を決定し、次いで、測定パラメータの各角度を
α2 として上記の計算式を用いてΔtを各ステップの角
度ごとに求めておき、その各計算値を用いて先に決定し
た積分範囲を補正して、その補正後の範囲をデータ処理
演算部3bに順次に設定してゆくという手法を採用し、
このような補正処理を実行ことにより高角入射時と低角
入射時とのピーク幅の相違による影響を無くすことがで
きる。
【0024】イオンビームの入射角度が変更されるご
とに、データ処理演算部3bからエネルギスペクトルの
測定データを採り込んでそのピーク位置をサーチし、見
つけたピーク位置に対して積分範囲を設定する。
【0025】この場合の具体的な処理は、図3に示すよ
うに、入射角度α=α1 のエネルギスペクトルに対して
積分範囲a〜bを設定し、次いで入射角度α2 の条件で
エネルギスペクトルが測定された時点で、そのスペクト
ルのピーク位置をサーチし、この角度α2 と先の角度α
1 とのピーク位置の差を求めて、その位置ずれ分δだ
け、積分範囲a〜bを横軸方向にシフトして新たな積分
範囲a’〜b’を設定するといった処理で、このような
処理を入射角度が変更されるごとに実行してゆくことに
より、入射イオンビームの試料に対する入射位置と試料
の回転中心とが一致していない場合であっても、その位
置ずれによる影響は補償される。
【0026】そして、以上の及びの双方の処理を実
行することより、正確な信号強度積算値を得ることがで
きる。すなわち、の処理を測定前に実行しておき、測
定中の処理を実行し、そのの処理において、積分範
囲a〜bをシフトして新たな積分範囲a’〜b’を設定
する際に、の処理つまり計算値Δtを用いた積分範囲
の補正を同時に行うことによって、ピーク幅の広がりに
よる影響と、イオン入射位置のずれによる影響の双方を
同時に除去することができ、その結果、より正確な信号
強度の積算値を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分光装置
によれば、着目する元素の信号強度の積分範囲を、試料
に対する入射イオンビームの入射角度に応じて補正する
ように構成したので、イオンビームの入射角度が高角側
から低角側へと移行する際のエネルギスペクトルのピー
ク幅の広がりや、入射イオンビームの試料への入射位置
と試料の回転中心との位置ずれ等、ビームの入射角度の
大小によって発生する影響を除去することができる。こ
れにより信号強度の積算値を正確に求めることが可能な
り、その信号強度の入射角依存性を正しく評価できる結
果、結晶試料表面の構造解析の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の構成を示すブロック図
【図2】信号強度積分範囲の補正処理の説明図
【図3】同じく補正処理の説明図
【図4】信号強度の角度依存性を示す図
【図5】入射イオンビームの入射角度の大小により発生
する問題の説明図
【図6】入射イオンビームの試料に対する入射位置と試
料の回転中心との位置ずれにより発生する問題の説明図
【符号の説明】
1 イオン散乱測定装置 2 入力装置 3 演算処理装置 3a 測定実行部 3b データ処理演算部 3c 表示制御部 3d 補正制御部 4 表示器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームを試料に入射させその入射
    位置から散乱角180°付近に散乱するイオンの強度を
    検出し、その検出値をエネルギスペクトル情報として出
    力する測定装置と、試料に対するイオンビームの入射角
    度を所定ステップで変化させる測定パラメータに基づい
    て測定装置を操作する測定実行部と、その測定ごとに測
    定装置が出力する検出値から得られるエネルギスペクト
    ルに対し積分範囲を設定して信号強度の積算値を求める
    演算部と、その信号強度の積算時に設定する積分範囲
    を、試料へのイオンビームの入射角度に応じて補正する
    補正処理部を備えてなる同軸形直衝突イオン散乱分光装
    置。
JP7030809A 1995-02-20 1995-02-20 同軸形直衝突イオン散乱分光装置 Pending JPH08227684A (ja)

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JP7030809A JPH08227684A (ja) 1995-02-20 1995-02-20 同軸形直衝突イオン散乱分光装置

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JP (1) JPH08227684A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109827980A (zh) * 2019-03-19 2019-05-31 湖州灵粮生态农业有限公司 一种水果表面腐烂的自动化检测方法
CN110243849A (zh) * 2019-05-05 2019-09-17 浙江乌镇街科技有限公司 一种涤纶长丝的表观检测方法

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CN109827980A (zh) * 2019-03-19 2019-05-31 湖州灵粮生态农业有限公司 一种水果表面腐烂的自动化检测方法
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