JPH08225727A - 難燃性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル系樹脂組成物

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JPH08225727A
JPH08225727A JP5666795A JP5666795A JPH08225727A JP H08225727 A JPH08225727 A JP H08225727A JP 5666795 A JP5666795 A JP 5666795A JP 5666795 A JP5666795 A JP 5666795A JP H08225727 A JPH08225727 A JP H08225727A
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flame
resin composition
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JP5666795A
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Yoichi Ohara
洋一 大原
Masahiko Mihoichi
真彦 三歩一
Kazuaki Matsumoto
一昭 松本
Kazufumi Hirobe
和史 広部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性ポリエステル100重量部に
対し、(B)高分子量のテトラブロモビスフェノールA
型フェノキシ樹脂1〜50重量部、(C)酸化アンチモ
ン及びアンチモン酸ナトリウムからなる群から選ばれる
少なくとも1種のアンチモン化合物0.1〜15重量
部、(D)芳香族ポリカルボジイミド0.05〜12重
量部、(E)強化充填剤0〜150重量部を配合してな
る。 【効果】 薄肉成形体でも難燃性に優れ、更に、成形流
動性、機械的強度に優れた難燃性ポリエステル系組成物
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリエステル系
樹脂組成物に関し、更に詳しくは、薄肉成形体でも難燃
性が良好で、成形流動性、曲げ強度などの機械的強度に
優れる難燃性ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレートなどに代表される熱可塑性ポ
リエステルは、機械的特性、電気的特性などに優れるた
め、従来から繊維、フィルム、成形用材料などとして広
く用いられている。更に、これらの熱可塑性ポリエステ
ルにガラス繊維をはじめとする強化充填剤を配合するこ
とにより機械的強度、熱的特性が大幅に向上するため、
こうして得られる強化組成物は、いわゆる機能部品用素
材として好適である。
【0003】近年、とりわけ電気あるいは電子部品分野
で、火災に対する安全性の要求が高まり、樹脂の難燃化
が行われ、例えば有機ハロゲン化合物あるいは高分子ハ
ロゲン化合物などが添加されている。熱可塑性ポリエス
テルの難燃化については、例えば特開昭50−3525
7、特開昭62−15256にはハロゲン化ビスフェノ
ールA型フェノキシ樹脂を添加する方法、特開昭59−
149954には高分子量のハロゲン化ビスフェノール
A型フェノキシ樹脂を添加する方法、特開昭50−92
346にはハロゲン化ポリスチレン樹脂を添加する方法
などが提案されている。このような難燃性材料が利用さ
れる電気あるいは電子部品は一般に、比較的薄肉の部分
から厚肉の部分が混在しており、樹脂組成物に対して
は、薄肉部でも優れた難燃性を示すと共に、良好な成形
品を得るための成形流動性を有することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、難燃剤
としてハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用
いた場合、該難燃剤は低分子量であるため、成形体表面
にブリード物が発生し、表面特性や外観が悪化するとい
った問題や、例えばポリエチレンテレフタレートやポリ
テトラメチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエス
テルの成形加工温度は一般に220〜290℃と比較的
高温であるため、該難燃剤のエポキシ基の反応が過度に
進行して溶融粘度が上昇し、成形時の流動性が低下する
といった問題、さらには、薄肉成形体での難燃性が不充
分などの問題がある。
【0005】これに対して、ハロゲン化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂に比べ、高分子量のハロゲン化ビスフ
ェノールA型フェノキシ樹脂あるいはハロゲン化ポリス
チレン樹脂を添加した場合、ブリードの問題は改善され
るが、これらの難燃剤は高分子量であることから、流動
性が悪いため、樹脂への分散性も悪く、かえって機械的
特性の低下、成形体の外観の悪化及び薄肉成形体での難
燃性が不充分などの問題がある。このような問題を解決
するため、特開昭61−261346にはハロゲン化フ
ェノキシ樹脂と多官能エポキシ化合物を添加する方法、
特開昭57−55957にはハロゲン化ポリスチレン樹
脂と特定の多官能エポキシ化合物を添加する方法などが
提案されているが、このような方法では加熱溶融時に多
官能エポキシ化合物が架橋反応などを起こし、溶融粘度
の上昇による流動性の低下や、ゲル化が起こるため良好
な成形体が得られないなどの問題が新たに生じる。従っ
て、これらの方法では、薄肉部での未充填などによる成
形不良や、機械的強度の低下などが起こる場合がある。
このような問題から、難燃性ポリエステルにおいて、薄
肉成形体でも充分な難燃性を維持し、更に、成形流動
性、機械的強度に優れた材料が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を改善し、薄肉成形体でも難燃性が高く、更に成形
流動性、機械的強度に優れた難燃性ポリエステル系樹脂
組成物について、鋭意検討を行った結果、高分子量のテ
トラブロモビスフェノールA型フェノキシ樹脂に酸化ア
ンチモン及びアンチモン酸ナトリウムからなる群から選
ばれるアンチモン化合物と芳香族ポリカルボジイミドを
併用添加することにより、上記目的が達成できることを
見い出し、本発明に到った。
【0007】即ち本発明は、(A)熱可塑性ポリエステ
ル100重量部に対し、(B)下記一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】(nは平均重合度で12以上である)で示
される高分子量のテトラブロモビスフェノールA型フェ
ノキシ樹脂1〜50重量部、(C)酸化アンチモン及び
アンチモン酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なく
とも1種のアンチモン化合物を0.1〜15重量部、
(D)芳香族ポリカルボジイミド化合物0.05〜12
重量部、及び(E)強化充填剤0〜150重量部を配合
してなる難燃性ポリエステル系樹脂組成物を内容とする
ものである。
【0010】本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリエ
ステルは、酸成分としてテレフタル酸又はそのエステル
形成能を有する誘導体を用い、グリコール成分として炭
素数2〜10のグリコール又はそのエステル形成能を有
する誘導体を用いて得られるポリエステル樹脂であり、
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレート等が挙げられこ
れらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0011】また、この熱可塑性ポリエステルには、該
難燃性ポリエステル系樹脂組成物の難燃性や成形性、機
械的特性を損なわない範囲で、共重合可能な成分が使用
できる。該成分としては炭素数8〜22の2価以上の芳
香族カルボン酸、炭素数4〜12の2価以上の脂肪族カ
ルボン酸、更には炭素数8〜15の2価以上の脂環式カ
ルボン酸などのカルボン酸類及びこれらのエステル形成
性誘導体、炭素数3〜15の脂肪族化合物、炭素数6〜
20の脂環式化合物、炭素数6〜40の芳香族化合物な
どの水酸基を有する化合物類、及びこれらのエステル形
成性誘導体などが挙げられる。
【0012】具体的には、カルボン酸類としては、テレ
フタル酸以外に、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタンアン
トラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸などのカルボン
酸又はそのエステル形成能を有する誘導体が挙げられ、
水酸基含有化合物類としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ルの他に、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオー
ル、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリス
リトールなどの化合物又はそのエステル形成能を有する
誘導体が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸、p−
ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなオキシ酸及びこれ
らのエステル形成性誘導体、ε−カプロラクトンのよう
な環状エステル等も使用可能である。更に、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチ
レンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び
/又はランダム共重合体、ビスフェノール(A)のエチ
レンオキシド付加重合体、同プロピレンオキシド付加重
合体、同テトラヒドロフラン付加重合体、ポリテトラメ
チレングリコール等のポリアルキレングリコール単位を
高分子鎖中に一部共重合させたものを用いることもでき
る。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0013】上記成分の共重合量としては概ね20重量
%以下であり、好ましくは15重量%以下、更に好まし
くは10重量%以下である。更に、機械的特性と成形性
のバランスから、エチレンテレフタレート及び/又はテ
トラメチレンテレフタレート単位を主たる成分とする熱
可塑性ポリエステルが好ましい。
【0014】該熱可塑性ポリエステルの固有粘度〔フェ
ノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=1:1
(重量比)混合溶媒を用い、25℃で測定した〕は0.
35以上であり、好ましくは0.4〜2.0、更に好ま
しくは0.45〜1.5である。0.35未満では難燃
性樹脂組成物の機械的強度が不充分であり、また2.0
を越えると成形性の低下が見られるので好ましくない。
該熱可塑性ポリエステルは単独、又は組成あるいは共重
合成分の異なるもの及び/又は固有粘度の異なるものを
2種以上混合して用いられる。
【0015】本発明には難燃性を付与する目的で特定の
(B)高分子量のテトラブロモビスフェノールA型フェ
ノキシ樹脂が用いられる。該テトラブロモビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂は、一般式(I)
【0016】
【化3】
【0017】(nは平均重合度で12以上である)で表
される。平均重合度nは12以上であり、さらに好まし
くは15以上である。nが12未満の場合は、薄肉成形
体での難燃性低下などの問題が生じる。
【0018】該テトラブロモビスフェノールA型フェノ
キシ樹脂の使用量は、上記熱可塑性ポリエステルを難燃
化するのに足る量でよく、熱可塑性ポリエステル100
重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜45重
量部、更に好ましくは10〜35重量部である。1重量
部未満では難燃性が不充分であり、50重量部を超える
と該難燃性ポリエステル系樹脂組成物の成形加工性や機
械的強度が低下する。
【0019】本発明の組成物には難燃性や成形流動性な
どを高める目的で、(C)酸化アンチモン及びアンチモ
ン酸ナトリウムからなる群から選ばれるアンチモン化合
物を1種以上用いる。該アンチモン化合物のうち、酸化
アンチモンとしては、三酸化アンチモン、四酸化アンチ
モン、五酸化アンチモンなどが挙げられ、三酸化アンチ
モンが特に好ましい。
【0020】該アンチモン化合物は単独あるいは2種以
上混合して用いられ、その使用量は、熱可塑性ポリエス
テル100重量部に対して、0.1〜15重量部、好ま
しくは1〜12重量部である。0.1重量部未満では難
燃性、成形流動性が不充分であり、15重量部を超える
と該難燃性ポリエステル系樹脂組成物の機械的強度が低
下する。
【0021】本発明には、更に、(D)芳香族ポリカル
ボジイミドが添加される。ポリカルボジイミドとは分子
内に少なくとも2つの(−N=C=N−)で表されるカ
ルボジイミド基を有する化合物であり、例えば適当な触
媒の存在下に、有機イソシアネートを加熱し、脱炭酸反
応で製造できる。芳香族ポリカルボジイミドの例として
は、p−フェニレン−ビス−o−トリイルカルボジイミ
ド、p−フェニレン−ビス−p−クロルフェニルカルボ
ジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド
などの芳香族ジカルボジイミド化合物、ポリ(4,4’
−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ
(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ
(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカ
ルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、
ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フ
ェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミ
ド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミ
ド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボ
ジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミ
ド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミ
ド)などの芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられ、
市販品としてはバイエル社のスタバクソールP(登録商
標)がある。該カルボジイミド化合物は単独又は2種以
上組み合わせて用いられる。
【0022】かかる芳香族ポリカルボジイミドの使用量
は、熱可塑性ポリエステル100重量部に対して0.0
5〜12重量部、好ましくは0.1〜10重量部、更に
好ましくは、0.4〜8重量部である。使用量が0.0
5重量部未満の場合、成形流動性など対して効果が小さ
く、さらに、成形体の外観も悪くなり、12重量部を超
えた場合、難燃性ポリエステル系樹脂組成物の難燃性や
機械的強度が低下する。
【0023】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
は、以上の成分のほかに、更に(E)強化充填剤を含め
た組成物、すなわち強化難燃性ポリエステル系組成物も
包含するものであり、公知の強化充填剤がそのまま使用
できる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、珪酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、マイカ、クレ
ーなどが挙げられる。該強化充填剤としては、ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維状強化剤が好ましく、作業性
の面から、集束剤にて処理されたチョップドストランド
ガラス繊維を用いるのが好ましい。また、樹脂と繊維状
強化剤との密着性を高めるため、繊維状強化剤の表面を
カップリング剤で処理したものが好ましく、バインダー
を用いたものであってもよい。
【0024】前記カップリング剤としては、例えばγ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合
物が、またバインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、
ウレタン樹脂等が好ましく用いられるが、これらに限定
されるものではない。これらのカップリング剤、バイン
ダーはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0025】該強化充填剤にガラス繊維を用いる場合、
直径1〜20μm、長さ0.01〜50mm程度が好ま
しい。繊維長が短すぎると強化の効果が充分でなく、逆
に、長すぎると押出加工性、成形加工性や成形品の表面
性などが悪くなるので好ましくない。
【0026】該強化充填剤は単独又は2種以上組み合わ
せて使用できる。かかる強化充填剤の使用量は熱可塑性
ポリエステル100重量部に対して150重量部までで
あり、好ましくは100重量部までである。強化充填剤
の使用量が150重量部を超えると押出加工性、成形加
工性が低下する。
【0027】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
には更に必要に応じて、酸化防止剤などの熱安定剤を使
用することができる。該安定剤としては、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、N,N’−ビス−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニルヘキサメチレンジアミン、トリス−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌ
レートなどのフェノール系抗酸化剤、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジ−ホスファイトなどの燐系酸化防止剤、ジス
テアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエ
リスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロ
ピオネート)などのチオエーテル系酸化防止剤などが挙
げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0028】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
には、更に紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、可
塑剤、核剤、結晶化促進剤、顔料、染料、帯電防止剤、
分散剤、相溶化剤、抗菌剤などの添加剤を単独又は2種
以上組み合わせて使用することができる。更に、他の難
燃剤、難燃助剤を併用してもよい。
【0029】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
には、難燃性、機械的特性、成形性などの特性を損なわ
ない範囲で、更に他の任意の熱可塑性あるいは熱硬化性
の樹脂、例えば他の飽和あるいは不飽和のポリエステル
系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリエステルエステ
ルエラストマー系樹脂、ポリエステルエーテルエラスト
マー系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ゴム質重合体強化スチレ
ン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリサ
ルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等を単独あるいは
2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0030】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
の製造方法は特に限定されるものではない。例えば上記
に挙げられた成分を予め均一に混合した後、単軸あるい
は多軸の押出機に供給し、200〜300℃で溶融混合
され、続いて冷却してペレットとして製造される。
【0031】本発明で製造された難燃性ポリエステル系
樹脂組成物の成形加工法は特に限定されるものではな
く、熱可塑性樹脂について一般に用いられている成形
法、すなわち射出成形、中空成形、押出成形、シート成
形、ロール成形、プレス成形、積層成形、溶融キャスト
法によるフィルム成形、紡糸等の各種成形方法が適用で
きる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下の記載において、特に断らない限り、「部」は
重量部を、「%」は重量%を意味する。尚、樹脂組成物
の評価は下記の方法で行った。
【0033】評価方法 得られたペレット状の樹脂組成物を用い、JIS K−
7210に準じて、キャビティー設定温度が熱可塑性ポ
リエステルにポリエチレンテレフタレートを用いた場合
は280℃、ポリテトラメチレンテレフタレートを用い
た場合は230℃又は270℃、予熱時間5分にてB法
フローを測定し、流動性を評価した。
【0034】得られた樹脂組成物を140℃にて4時間
以上乾燥した後、50t射出成形機を用いてシリンダー
温度270℃、金型温度120℃にて射出成形を行い、
厚み1/16インチ及び1/32インチのバー(いずれ
も幅12mm、長さ127mm)を得て、以下の評価を
行った。 難燃性:1/16インチバー、1/32インチバーを用
いて、UL94に記載された垂直燃焼試験法に従い難燃
性を評価した。 曲げ強度:1/4インチバーをASTM D−790に
従い曲げ試験を行い、最大強度を求めた。
【0035】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.6:鐘紡株
式会社製)100重量部に対して、平均重合度が約52
のテトラブロモビスフェノールA型フェノキシ樹脂
(1)を25部、三酸化アンチモン(酸化アンチモン
C:住友金属鉱山株式会社製商品名)を4部、芳香族ポ
リカルボジイミド(スタバクソールP:バイエル株式会
社製商品名)を4部、フェノール系抗酸化剤(アデカス
タブAO−60:旭電化株式会社製商品名)を0.35
部を予めドライブレンドした後、シリンダー温度を26
0℃に設定したベント付き2軸押出機(TEX44:日
本製鋼所株式会社製商品名)ホッパーに供給すると共
に、ガラス繊維(T−195H/PS:日本電気硝子株
式会社製商品名)を53部を途中添加して溶融押出する
ことにより、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物の評価結
果を表1に示す。
【0036】実施例2 三酸化アンチモン4部をアンチモン酸ナトリウム(サン
エポックNA−1070L:日産化学株式会社製商品
名)を8部、芳香族ポリカルボジイミド4部を0.8部
に変更し、チオエーテル系酸化防止剤(アデカスタブA
O−412S:旭電化株式会社製商品名)を0.15部
を追加添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成
物を得た。該樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
【0037】実施例3 各配合剤を表1に示した量に変更した以外は、実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。ただし、PTEEはポ
リテトラフルオロエチレン樹脂(ポリフロンF104:
ダイキン工業株式会社製商品名)である。該樹脂組成物
の評価結果を表1に示す。
【0038】実施例4〜5 ポリエチレンテレフタレートをポリテトラメチレンテレ
フタレート(固有粘度0.9:鐘紡株式会社製)に変更
すると共に、各配合剤を表1に示した量に変更した以外
は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。ただし、テ
トラブロモビスフェノールA型フェノキシ樹脂(2)
は、平均重合度が約16の化合物である。該樹脂組成物
の評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例1〜6 表2に示した、熱可塑性ポリエステル及び配合剤を用い
て実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。ただし、テ
トラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(3)は平
均重合度が約2のものである。
【0041】
【表2】
【0042】実施例である表1と比較例である表2を比
較して明らかなように、本発明の組成物はいずれも薄肉
成形体でも難燃性が高く、成形流動性、機械的強度が共
に優れていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、難燃
性、成形流動性、機械的強度が共に優れた組成物を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/14 KKF C08K 7/14 KKF C08L 63/00 NJX C08L 63/00 NJX

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル100重量
    部に対し、(B)下記一般式(I) 【化1】 (nは平均重合度で12以上である)で示される高分子
    量のテトラブロモビスフェノールA型フェノキシ樹脂1
    〜50重量部、(C)酸化アンチモン及びアンチモン酸
    ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のア
    ンチモン化合物を0.1〜15重量部、(D)芳香族ポ
    リカルボジイミド0.05〜12重量部、及び(E)強
    化充填剤0〜150重量部を配合してなる難燃性ポリエ
    ステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステルが、エチレンテレ
    フタレート繰り返し単位を少なくとも80%有するポリ
    エチレンテレフタレート系樹脂及び/又はテトラメチレ
    ンテレフタレート繰り返し単位を少なくとも80%有す
    るポリテトラメチレンテレフタレート系樹脂である請求
    項1記載の難燃性ポリエステル系樹脂組成物。
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