JPH08225532A - アクリダン誘導体および化学発光方法 - Google Patents

アクリダン誘導体および化学発光方法

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JPH08225532A
JPH08225532A JP26903695A JP26903695A JPH08225532A JP H08225532 A JPH08225532 A JP H08225532A JP 26903695 A JP26903695 A JP 26903695A JP 26903695 A JP26903695 A JP 26903695A JP H08225532 A JPH08225532 A JP H08225532A
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JP
Japan
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formula
alkyl group
group
atom
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Application number
JP26903695A
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English (en)
Inventor
Motohiro Mitani
元宏 三谷
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1分子当りの発光量が高く、しかも安
定性に優れた新規なアクリダン誘導体、その製造方法、
及び該誘導体の化学発光方法を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸誘導体に起因する
基を有するアクリダン誘導体、該誘導体を短時間で、し
かも高収率で、かつ容易に製造する方法、及び該誘導体
の化学発光方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアクリダン
誘導体、その製造方法及び化学発光方法に関する。本発
明のアクリダン誘導体は各種診断薬の検出剤、各種発光
プローブ、非常用光源等として利用される。
【0002】
【従来の技術】化学発光とは、原子ないし分子が、化学
反応によって生ずるエネルギーによって励起されて光を
発する現象を云う。化学発光性化合物として現在までに
種々の骨格を有するものが開発されており、ルミノー
ル、アクリジニウムエステル、シュウ酸エステルなどが
知られている(「生物発光と化学発光」今井一洋編、広
川書店出版、75〜150ページ、1989年)。これ
らの化合物は診断薬の検出剤として、あるいは非常時用
の光源として利用されている。特にアクリジニウムエス
テルは現存の化学発光物質の中でも発光量子収率約5%
と高い値を有する〔E. H. White et al., J. Am. Chem.
Soc.,109, 5189-5196(1987) 、K. -D. Gundermann,
F. McCapra,“Chemiluminescence in Organic Chemist
ry”Springer-Verlag(1987)〕。さらにアクリダンはア
クリジニウムエステルの保護体として報告され、アクリ
ジニウムエステルの安定性の向上を図っている(マッカ
プラ、特開平3-501772)。しかしながら現存の化合物で
は1分子当りの化学発光量が十分ではなく、より高感度
な検出剤が求められている。また重合性官能基を有する
化学発光物質は、ルミノールにビニル基を導入された例
が報告されているが、ポリマーにしたときの発光量は低
い。[ K. -D. Gundermann,ら、 J. Biolumin, Chemilum
in. , 201-203 (1987) ]。アクリレートやメタクリレ
ート誘導体が今までに化学発光物質に利用された例はな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、新規なアクリダン誘導体とその製造方法を
提供することである。更に本発明が解決しようとする課
題は、本発明の新規なアクリダン誘導体の化学発光方法
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)
【0005】
【化13】 〔式中R1 およびR2 は水素原子またはメチル基を示
し、n1 は2〜10の整数を示し、X1 は酸素原子また
は硫黄原子を示す。Yは一般式(2)
【0006】
【化14】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
を示す。)または一般式(3)
【0007】
【化15】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
る脱離基である。〕で表されるアクリダン誘導体が提供
される。
【0008】また、本発明によれば、一般式(4)
【0009】
【化16】 (式中R1 およびR2 は水素原子またはメチル基を示
し、n1 は2〜10の整数を示す。)で表される(メ
タ)アクリル酸誘導体と、一般式(5)
【0010】
【化17】 〔式中R6-はアニオンであり、Yは一般式(2)
【0011】
【化18】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
を示す。)または一般式(3)
【0012】
【化19】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
る脱離基である〕で表されるアクリジン誘導体4級アン
モニウム塩とを塩基存在下で反応させることを特徴とす
る上記一般式(1)で表されるアクリダン誘導体の製造
方法が提供される。
【0013】また、本発明によれば、一般式(6)
【0014】
【化20】 (式中R2 は水素原子またはメチル基を示し、X1 は酸
素原子または硫黄原子を示す。n1 は2〜10の整数を
示す。)で表されるアルコールと一般式(5)
【0015】
【化21】 〔式中R6-はアニオンであり、Yは一般式(2)
【0016】
【化22】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
を示す。)または一般式(3)
【0017】
【化23】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
る脱離基である〕で表されるアクリジン誘導体4級アン
モニウム塩とを塩基存在下で反応させて、一般式(7)
【0018】
【化24】 (式中、R2 、X1 、n1 およびYは先に定義したのと
同一意味を有する)で表される反応中間体を得、次いで
この反応中間体と、(メタ)アクリル酸クロリドまたは
(メタ)アクリル酸無水物とを反応させることを特徴と
する一般式(1)で表されるアクリダン誘導体の製造方
法が提供される。
【0019】更に、本発明によれば、一般式(1)のア
クリダン誘導体を、下記手順: 酸、過酸化水素及び塩基で逐次的に処理すること、 過酸化水素を含有する酸で処理した後、塩基と混合
させること、又は 酸で処理した後、過酸化水素を含有する塩基と混合
させること のいずれかにより、化学発光させることを特徴とする化
学発光方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明のアクリダン誘導体(以下アクリダンモノマ
ーと称することがある)は、前記一般式(1)で表され
る。式中R1は水素原子またはメチル基であり、R2
具体例として水素原子、メチル基を挙げることができ、
1 は2から10の整数を示す。式中X1 は酸素原子ま
たは硫黄原子を示す。さらに式中Yは、前記一般式
(2)および(3)で表される。一般式(2)中R3
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基を好ましく挙げることができる。X2 は酸
素原子または硫黄原子を示す。一般式(3)中R4 の具
体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基、トリル基、
キシリル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基等
を好ましく挙げることができるが、これらに限定されな
い。R5 の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、トリフルオロメチル基、
ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ベンジル
基、フェネチル基等を好ましく挙げることができるが、
これらに限定されない。
【0021】本発明によれば、水酸基を有するアクリル
系モノマー、すなわち(メタ)アクリル酸誘導体と、ア
クリジン誘導体4級アンモニウム塩とを塩基存在下で反
応させて、一般式(1)で表されるアクリダンモノマー
を製造することができる。本発明に用いる(メタ)アク
リル酸誘導体は一般式(4)で表される。式中R1 およ
びn1 は一般式(1)のものと同一の内容である。一般
式(4)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の具体例
としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることが
できるが、これらに限定されない。
【0022】また本発明によれば一般式(6)で示され
る特定のアルコールと、前記一般式(5)で表わされる
アクリジン誘導体4級アンモニウム塩とを塩基存在下で
反応させることにより一般式(7)で示される反応中間
体を得、続いてこの反応中間体と(メタ)アクリル酸無
水物もしくは(メタ)アクリル酸クロリドとを塩基性条
件下で反応させることにより、前記一般式(1)で表さ
れるアクリダンモノマーを製造することができる。本発
明に用いる特定のアルコールは一般式(6)で表され
る。式中R2 、X1 およびn1 は一般式(1)のものと
同一の内容である。一般式(6)で表されるアルコール
としては、エチレングリコール、2−ヒドロキシエタン
チオール、1,3−プロパンジオール、3−ヒドロキシプ
ロパンチオール、1,4−ブタンジオール、4−ヒドロキ
シブタンチオール等を好ましく挙げることができるが、
これらに限定されない。本発明に関わる反応中間体は一
般式(7)で表され、式中R2 、X1 、Yおよびn1
一般式(1)のものと同一の内容である。
【0023】本発明に用いるアクリジン誘導体4級アン
モニウム塩は一般式(5)で表される。式中R6-の具体
例としてフッ素原子アニオン、塩素原子アニオン、臭素
原子アニオン、沃素原子アニオン、メチルサルフェート
アニオン(CH3OSO3 - ) 、フルオロサルフェートアニオン
(FSO3 - ) 、トリフルオロメチルスルホネートアニオン
(CF3SO3 - ) 、ペルフルオロブチルスルホネートアニオ
ン(C4F9SO3 - ) 、トルエンスルホネートアニオン (CH3P
hSO3 - ) 等を好ましく挙げることができる。式中Yは一
般式(1)と同一のものである。
【0024】本発明において、前記一般式(4)で表わ
される(メタ)アクリル酸誘導体または前記一般式
(6)で表されるアルコールと、前記一般式(5)で表
わされるアクリジン誘導体4級アンモニウム塩とを反応
させるにあたり、前記(メタ)アクリル酸誘導体または
前記特定のアルコールと、前記アクリジン誘導体との仕
込みモル比は、106 :1〜1:1が好ましく、特には
103 :1〜10:1であることが望ましい。前記(メ
タ)アクリル酸誘導体または前記特定のアルコールのモ
ル比が1未満では生成するアクリダン誘導体または前記
一般式(7)で表される反応中間体の収率が低下する傾
向にあり、また106 を超えると反応終了後の未反応の
(メタ)アクリル酸誘導体や特定のアルコールが残存
し、目的となる生成物の単離が困難となることがあ
る。。また、本反応は常圧で行なうことが可能であり、
かつ反応温度は通常−78〜150℃、好ましくは−2
0〜50℃の範囲であることが好ましい。前記反応温度
が−78℃未満では反応時間が長くなる傾向があり、逆
に150℃を超えると反応操作が困難となることがあ
る。また前記反応は、1分から1週間、好ましくは1時
間から3日間の反応時間で行うことが好ましい。
【0025】本発明の製造方法では、前記種々の反応条
件下において、前記(メタ)アクリル酸誘導体または前
記特定のアルコールと、前記アクリジン誘導体4級アン
モニウム塩とを塩基存在下で反応させることにより、目
的のアクリダン誘導体または目的の反応中間体を得るこ
とができる。前記塩基としては、各種のアルカリ金属、
または水素化アルカリ金属もしくはアルカリ金属と弱酸
との塩、ならびにピリジン、トリエチルアミン等の有機
塩基を用いることができる。
【0026】また本発明の製造方法では、前記一般式
(7)で表される反応中間体と(メタ)アクリル酸無水
物もしくは(メタ)アクリル酸クロリドとを塩基性条件
下で反応させることにより、前記一般式(1)で表され
るアクリダンモノマーを製造することができる。前記反
応中間体と(メタ)アクリル酸無水物もしくは(メタ)
アクリル酸クロリドとを反応させるにあたり、前記反応
中間体と(メタ)アクリル酸無水物もしくは(メタ)ア
クリル酸クロリドとの仕込みモル比は、1:1から1:
1000が好ましく、特に1:1から1:10が望まし
い。前記(メタ)アクリル酸無水物もしくは(メタ)ア
クリル酸クロリドの仕込みモル比が、1未満では反応中
間体が残存し、また1000以上では未反応の(メタ)
アクリル酸無水物もしくは(メタ)アクリル酸クロリド
が残存し、目的のアクリダン誘導体の単離が困難とな
る。また、本反応は常圧で行なうことが可能であり、か
つ反応温度は通常−78〜150℃、好ましくは−20
〜50℃の範囲であることが好ましい。前記反応温度が
−78℃未満では反応時間が長くなる傾向があり、逆に
150℃を超えると反応操作が困難である。また前記反
応は、1分から1週間、好ましくは1時間から3日間の
反応時間で行うことが好ましい。
【0027】本発明で得られるアクリダン誘導体は、公
知の方法で精製することが可能である。例えば、中性ま
たは塩基性のアルミナ並びにシリカゲルによるカラムク
ロマトグラフィーを採用することができる。
【0028】本発明の化学発光方法は、下記〜のい
ずれかの方法をも採用することができる。 一般式(1)で表されるアクリダン誘導体を酸、過
酸化水素及び塩基で逐次的に処理することにより化学発
光させる。 一般式(1)で表されるアクリダン誘導体を過酸化
水素を含有する酸で処理した後、塩基と混合させること
により化学発光させる。 一般式(1)で表されるアクリダン誘導体を酸で処
理した後、過酸化水素を含有する塩基と混合させること
により化学発光させる。
【0029】前記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫
酸、硝酸等の無機酸および酢酸、トリフルオロ酢酸等の
有機酸を用いることができる。この際用いる酸の濃度と
しては、0.001〜10mol/l が好ましく、特に0.01
〜2mol/l が特に好ましい。前記塩基は例えば、ナトリ
ウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシド等を好ましく挙げることができる。本発明
の化学発光方法に用いる前記過酸化水素の濃度としては
0.001〜30wt%が好ましく、特に0.1〜30wt%が
好ましい。
【0030】
【発明の効果】本発明のアクリダン誘導体は新規であ
り、安定性に優れた化学発光化合物として、各種診断薬
の検出剤、各種発光プローブ、非常用光源等として利用
することができる。また本発明の製造方法によりアクリ
ダン誘導体を短時間で収率良くかつ容易に製造すること
ができる。さらに本発明の化学発光法により、前記種々
の用途に適用することが可能である。本発明のアクリダ
ン誘導体は重合性を有するので重合して高分子にしたと
きに、任意にアクリダン量を調整でき発光量をコントロ
ールすることができる。
【0031】
【実施例】本発明を実施例、比較例及び参考例によりさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0032】実施例1−1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5g(3.8mmo
l) にトリエチルアミン61mg(0.6mmol) を加えた。
その後10−N−メチル−9−フェノキシカルボニルア
クリジニウムメトサルフェート50mg(0.12 mmol)を
室温にて添加し、24時間攪拌した。酢酸エチル5mlを
加えた後、水5ml、飽和食塩水5mlにて洗浄後、硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。酢酸エチルを留去後、中性アル
ミナゲルのカラムにて精製し、目的の10−N−メチル
−9−メタクリロイルオキシエチルオキシ−9−フェノ
キシカルボニルアクリダン
【0033】
【化25】
【0034】20mg (0.05mmol)を得た。得られた化
合物のスペクトルデータを下記に示す。
【0035】1H-NMR (δ(ppm),CDCl3/TMS); 7.68-6.81
(m, 13H), 6.10(d, 1H, J=1Hz), 5.55(d, 1H, J=1Hz),
4.25(t, 2H, J=5Hz) 3.51(s, 3H), 3.31(t, 2H, J=5H
z), 1.92(s, 3H) FAB-MS; 442 (M-H)+ , 350, 314 IR (cm -1); 2975, 1763, 1717 元素分析(C27H25NO5); 計算値 C: 73.12% H: 5.68% N: 3.16% 実測値 C: 72.95% H: 5.84% N: 3.02%
【0036】実施例1−2 10−メチル−アクリジニウム−9−(N−n−ブチル
−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)トリフルオ
ロメタンスルホネート83mg(0.139 mmol)を2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート8gに溶解させた。トリ
エチルアミン150μlを加え、室温で1日攪拌した。
反応終了後、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを減
圧蒸留により除去した。残渣をアルミナ(塩基性)カラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=9/4
0 V/V)により精製し、目的の2−{10−メチル
−9−(N−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキ
サミド)アクリジル}オキシエチルメタクリレート
【0037】
【化26】
【0038】を43mg(0.075mmol)、収率54%で
得た。得られた化合物のスペクトルデータを下記に示
す。
【0039】1H-NMR (δ(ppm),C6D6/TMS);δ=8.07(d, 2
H, J=8.25Hz), 7.32(d, 2H, J=7.92Hz), 7.09-7.03(m,
2H), 6.81(d, 2H, J=8.25Hz), 6.71-6.65(m. 2H), 6.57
(d, 2H, J=8.25Hz), 5.93(s, 1H), 5.08, 5.07(s, 1H),
3.96(t, 2H, J=5.12Hz), 3.33(dd, 2H, J=8.91, 7.59H
z), 3.05(t, 2H, J=5.12Hz), 2.76(s, 3H), 1.89(s, 3
H), 1.68,1.67(s, 3H), 1.16-1.07(m, 2H), 0.63-0.53
(m, 2H), 0.48-0.42(m, 3H)13 C-NMR(δ(ppm),C6D6/TMS); 169.84, 167.00, 144.25,
140.76, 138.30, 137.01, 130.63,129.96, 129.41, 12
8.26, 125.36, 121.34, 119.45, 113.47, 79.61,64.09,
61.47, 47.68, 33.16, 32.30, 21.61, 20.75, 18.66,
13.76 IR (cm-1); 2950, 1725, 1699, 1598, 1482, 1350, 117
0 FAB-MS; 575 (M-H)+ , 448
【0040】実施例1−3 2−ヒドロキシエチルメタクリレートの代わりに2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートを用いた以外は、実施
例1−2と同様に反応を行い、目的の2−{10−メチ
ル−9−(N−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボ
キサミド)アクリジル}オキシプロピルメタクリレート
【0041】
【化27】
【0042】を28mg(0.047mmol)、収率34%で
得た。得られた化合物のスペクトルデータを下記に示
す。
【0043】1H-NMR (δ(ppm),C6D6/TMS);δ=8.08(d, 2
H, J=8.25Hz), 7.37-7.32(m, 2H), 7.09-7.02(m, 2H),
6.80(d, 2H, J=7.92Hz), 6.71-6.66(m. 2H), 6.57(d, 2
H, J=8.58Hz), 5.92, 5,91(d, 1H, J=1.65Hz), 5.06,
5.05(d, 1H, J=1.65Hz),3.35-3.29(m, 2H), 3.11-3.02
(m, 2H), 2.76(s, 3H), 1.88(s, 3H), 1.68, 1.67, 1.6
6(s, 3H), 1.13-1.09(m, 2H), 1.02(d, 3H, J=6.60Hz),
0.60-0.43(m, 5H)13 C-NMR(δ(ppm),C6D6/TMS); 173.77, 170.57, 148.26,
144.84, 144.79, 142.33, 141.37, 134.71, 134.67, 1
34.01, 133.97, 133.90, 133.72, 133.45, 133.34, 13
3.22, 132.26, 129.10, 125.40, 123.37, 117.51, 117.
48, 83.46, 74.77,69.48, 54.64, 51.62, 37.15, 36.2
5, 25.62, 24.77, 22.69, 21.34, 17.76 FAB-MS; 589 (M-H)+
【0044】実施例1−4 2−ヒドロキシエチルメタクリレートの代わりに2−ヒ
ドキシエチルアクリレートを用いた以外は、実施例1−
2と同様に反応を行い、目的の2−{10−メチル−9
−(N−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミ
ド)アクリジル}オキシエチルアクリレート
【0045】
【化28】
【0046】7mg(0.011mmol) を収率8%で得た。
得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
【0047】1H-NMR (δ(ppm),C6D6/TMS);δ=8.07(d, 2
H, J=8.25Hz), 7.33-7.30(m, 2H), 7.08-7.02(m, 2H),
6.80(d, 2H, J=7.91Hz), 6.70-6.64(m. 2H), 6.56(d, 2
H, J=8.58Hz), 6.08(dd, 1H, J=17.16, 1.65Hz), 5.71
(dd, 1H, J=17.16, 10.22Hz), 5.10(dd, 1H, J=10.22,
1.65Hz), 3.98-3.93(m, 2H), 3.39-3.28(m, 2H), 3.06
(dd, 2H, J=5.30, 5.30), 2.74(s, 3H), 1.88(s, 3H),
1.16-1.10(m, 2H), 0.62-0.53(m, 2H), 0.47-0.41(m, 3
H) FAB-MS; 561 (M-H)+
【0048】実施例1−5 10−メチル−アクリジニウム−9−(N−ブチル−N
−トルエンスルホニルカルボキサミド)トリフルオロメ
タンスルホネート50.8mg(0.085mmol)を塩化メチ
レン5mlに溶解させ、2−メルカプトエタノール220
μlおよびトリエチルアミン10μlを加えた。シリカ
ゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール/
トリエチルアミン=100/1/1 V/V/V)にて
精製を行い、目的の2−{10−メチル−9−(N−ブ
チル−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)アクリ
ジル}チオエタノール
【0049】
【化29】
【0050】49.2mg(0.094mmol)を定量的に得
た。得られた化合物のスペクトルデータを下記に示す。
【0051】1H-NMR (δ(ppm),CDCl3/TMS); δ=7.88(d,
2H, J=8.25Hz), 7.38(d, 2H, J=8.57Hz), 7.33-7.27(m
2H), 6.95(d, 2H, J=8.25Hz), 6.91-6.83(m, 4H), 3.4
4(s, 3H), 3.27-3.19(m. 4H). 2.50(s, 3H), 2.30(t, 2
H, J=5.94). 2.00(t, 2H, J=6.44),1.00-0.88(m, 2H),
0.64-0.54(m, 2H), 0.47-0.42(m, 3H) FAB-MS; 523 (M-H)+ , 448 IR (cm-1); 3555, 3350, 2959, 1683, 1593, 1477
【0052】得られた2−{10−メチル−9−(N−
ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)アク
リジル}チオエタノール78mg(0.15mmol) を無水塩
化メチレン10mlに溶解させた。トリエチルアミン40
μlを加えた後、アルゴン置換を行った。0℃にて塩化
メタクリロイル30μlを加え、室温で1日間反応させ
た。水洗を行った後、硫酸ナトリウムにて乾燥させた。
溶媒留去後アルミナ(中性)クロマトグラフィー(酢酸
エチル/ヘキサン=1/5V/V)にて精製を行い、目
的の2−{10−メチル−9−(N−ブチル−N−トル
エンスルホニルカルボキサミド)アクリジル}チオエチ
ルメタクリレート
【0053】
【化30】
【0054】の55mg(0.093mmol)を収率62%で
得た。得られた化合物のスペクトルデータを下記に示
す。
【0055】1H-NMR (δ(ppm),CDCl3/TMS); δ=7.86(d,
2H, J=8.58Hz), 7.38-7.26(m 4H), 6.98-6.95(m, 4H),
6.89-6.83(m. 2H). 5.92(d, 1H, J=1.65), 5.45, 5.44
(d, 1H, J=1.65). 3.66(t, 2H, J=7.10), 3.45(s, 3
H), 3.26-3.20(m, 2H), 2.49(s,3H), 2.39 (t, 2H, J=
7.10), 1.81, 1.80(s, 3H), 0.93-0.84(m, 2H), 0.65-
0.57(m, 2H), 0.49-0.43(m, 3H)13 C-NMR(δ(ppm),CDCl3/TMS); 169.21, 166.60, 144.4
6, 139.40, 136.13, 135.95, 129.66, 129.01, 128.89,
128.72, 125.33, 120.94, 119.92, 112.95, 64.14, 6
2.92, 47.65, 33.42, 30.99, 27.63, 21.61, 19.94, 1
8.05, 12.95 FAB-MS; 447
【0056】実施例2−1 実施例1−1で得られた10−N−メチル−9−メタク
リロイルオキシエチルオキシ−9−フェノキシカルボニ
ルアクリダンをジメチルホルムアミドにて1pmol/mlの濃
度に希釈した。この希釈液25μlを試験管に計り取
り、0.1N硝酸水溶液300μlを加えた後、15wt%
の過酸化水素水溶液10μlを加え発光試験器(アロカ
ルミネッセンスリーダーBLR201)内にセットし
た。外部より0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液300
μlを加え、1分間発光を測定した。その結果を表1に
示す。
【0057】実施例2−2 実施例1−1で得られた10−N−メチル−9−メタク
リロイルオキシエチルオキシ−9−フェノキシカルボニ
ルアクリダンをジメチルホルムアミドにて1pmol/mlの濃
度に希釈した。この希釈液25μlを試験管に計り取
り、0.5wt%の過酸化水素を含む0.1N硝酸水溶液30
0μl を加え、発光試験器(アロカルミネッセンスリー
ダーBLR201)内にセットした。外部より0.25N
の水酸化ナトリウム水溶液300μl を加え、1分間発
光を測定した。その結果を表1に示す。比較例1と比較
して同等の発光量を有していることがわかる。
【0058】実施例2−3 実施例1−1で得られた10−N−メチル−9−メタク
リロイルオキシエチルオキシ−9−フェノキシカルボニ
ルアクリダンをジメチルホルムアミドにて1 pmol/mlの
濃度に希釈した。この希釈液25μlを試験管に計り取
り、0.1N硝酸水溶液300μlを加え、発光試験器
(アロカルミネッセンスリーダーBLR201)内にセ
ットした。外部より0.5wt% の過酸化水素を含む0.25
Nの水酸化ナトリウム水溶液300μlを加え、1分間
発光を測定した。その結果を表1に示す。
【0059】
【表1】 表 1 ───────────────────────── 発光量(counts) ───────────────────────── 実施例2−1 2.53×103 実施例2−2 2.56×103 実施例2−3 2.43×103 比較例1−1 2.98×103 ─────────────────────────
【0060】比較例1−1 実施例2−1で用いた10−N−メチル−9−メタクリ
ロイルオキシエチルオキシ−9−フェノキシカルボニル
アクリダンの代わりに10−N−メチル−9−フェノキ
シカルボニルアクリジニウムメトサルフェートを用いた
以外は実施例2−1と同様に試験した。その結果を上記
表1に示す。
【0061】実施例2−4 実施例1−2で得られた2−{10−メチル−9−(N
−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)ア
クリジル}オキシエチルメタクリレートをジメチルホル
ムアミドにて1pmol/ml の濃度に希釈した。この希釈液
25μlを試験管に計り取り、0.5wt%の過酸化水素を
含む0.1N硝酸水溶液300μlを加え、発光試験器
(アロカルミネッセンスリーダーBLR201)内にセ
ットした。外部より0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液
300μl を加え、1分間発光を測定した。その結果を
表2に示す。比較例1−2と同様な発光量を有している
ことがわかる。
【0062】実施例2−5 実施例1−3で得られた2−{10−メチル−9−(N
−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)ア
クリジル}オキシプロピルメタクリレートをジメチルホ
ルムアミドにて1pmol/ml の濃度に希釈した。この希釈
液25μlを試験管に計り取り、0.5wt%の過酸化水素
を含む0.1N硝酸水溶液300μlを加え、発光試験器
(アロカルミネッセンスリーダーBLR201)内にセ
ットした。外部より0.25Nの水酸化ナトリウム水溶液
300μlを加え、1分間発光を測定した。その結果を
表2に示す。比較例1−2と同様な発光量を有している
ことがわかる。
【0063】比較例1−2 実施例2−4で用いた2−{10−メチル−9−(N−
ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)アク
リジル}オキシエチルメタクリレートの代わりに10−
メチル−アクリジニウム−9−(N−n−ブチル−N−
トルエンスルホニルカルボキサミド)トリフルオロメタ
ンスルホネートを用いた以外は実施例2−4と同様に試
験した。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】 表 2 ───────────────────────── 発光量(counts) ───────────────────────── 実施例2−4 9.73×103 実施例2−5 9.40×103 比較例1−2 9.18×103 ─────────────────────────
【0065】参考例1 実施例1−2にて得られた2−{10−メチル−9−
(N−ブチル−N−トルエンスルホニルカルボキサミ
ド)アクリジル}オキシエチルメタクリレート40mgと
メチルメタクリレート300mgとアゾビスイソブチロニ
トリル3mgをベンゼン680mgに溶解させた後、脱気封
管を行い50℃で20時間反応させた。反応終了後、反
応液をジエチルエーテルに滴下しポリマーを得た。テト
ラヒドロフラン/ジエチルエーテルにより再沈殿を行い
195mg(conversion56%)のポリマーを得た。吸光
度測定の結果、2−{10−メチル−9−(N−ブチル
−N−トルエンスルホニルカルボキサミド)アクリジ
ル}オキシエチルメタクリレートがポリマー1分子中に
約15個導入されていることがわかった。 分子量 Mn=8.58×104 、Mw/Mn=1.90
【0066】参考例2 参考例1にて得られたポリマーをジメチルホルムアミド
にて2μg/ml 、1μg/ml 、0.5μg/mlの濃度に希釈
した。この希釈液25μl を試験管に計り取り、0.5wt
%の過酸化水素を含む0.1N硝酸水溶液300μl を加
え、発光試験器(アロカルミネッセンスリーダーBLR
201)内にセットする。外部より0.25Nの水酸化ナ
トリウム水溶液300μl を加え、発光量を測定した。
これらの結果よりポリマー1モルあたり6.9×1018co
untsの発光量を有していた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中R1 およびR2 は水素原子またはメチル基を示
    し、n1 は2〜10の整数を示し、X1 は酸素原子また
    は硫黄原子を示す。Yは一般式(2) 【化2】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
    炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
    を示す。)または一般式(3) 【化3】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
    ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
    は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
    る脱離基である。〕で表されるアクリダン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(4) 【化4】 (式中R1 およびR2 は水素原子またはメチル基を示
    し、n1 は2〜10の整数を示す。)で表される(メ
    タ)アクリル酸誘導体と、 【化5】 〔式中R6-はアニオンであり、Yは一般式(2) 【化6】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
    炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
    を示す。)または一般式(3) 【化7】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
    ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
    は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
    る脱離基である〕で表されるアクリジン誘導体4級アン
    モニウム塩とを塩基存在下で反応させることを特徴とす
    る上記一般式(1)で表されるアクリダン誘導体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 一般式(6) 【化8】 (式中R2 は水素原子またはメチル基を示し、X1 は酸
    素原子または硫黄原子を示す。n1 は2〜10の整数を
    示す。)で表されるアルコールと一般式(5) 【化9】 〔式中R6-はアニオンであり、Yは一般式(2) 【化10】 (式中X2 は、酸素原子または硫黄原子を示し、R3
    炭素数1〜3のアルキル基を示す。n2 は0〜5の整数
    を示す。)または一般式(3) 【化11】 (式中R4 は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
    ル基、無置換もしくは置換アリール基を示す。またR5
    は炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、無置換もしくは置換アリール基を示す。)で表され
    る脱離基である〕で表されるアクリジン誘導体4級アン
    モニウム塩とを塩基存在下で反応させて、一般式(7) 【化12】 (式中、R2 、X1 、n1 およびYは先に定義したのと
    同一意味を有する)で表される反応中間体を得、次いで
    この反応中間体と、(メタ)アクリル酸クロリドまたは
    (メタ)アクリル酸無水物とを反応させることを特徴と
    する請求項1に記載の一般式(1)で表されるアクリダ
    ン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の一般式(1)のアクリ
    ダン誘導体を、下記手順: 酸、過酸化水素及び塩基で逐次的に処理すること、 過酸化水素を含有する酸で処理した後、塩基と混合
    させること、又は 酸で処理した後、過酸化水素を含有する塩基と混合
    させること、 のいずれかにより化学発光させることを特徴とする化学
    発光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170336691A1 (en) * 2016-05-18 2017-11-23 Satoshi Yamamoto Electrochromic compound, electrochromic composition, and electrochromic element
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