JPH08113611A - アクリダン基含有ポリビニルアルコールおよび化学発光方法 - Google Patents
アクリダン基含有ポリビニルアルコールおよび化学発光方法Info
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- JPH08113611A JPH08113611A JP27424294A JP27424294A JPH08113611A JP H08113611 A JPH08113611 A JP H08113611A JP 27424294 A JP27424294 A JP 27424294A JP 27424294 A JP27424294 A JP 27424294A JP H08113611 A JPH08113611 A JP H08113611A
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- polyvinyl alcohol
- acridan
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 1分子あたりの発光量が高く、かつ安定性に
優れたアクリダンを有するポリビニルアルコールおよび
化学発光方法を提供する。 【構成】 一般式(1) 【化13】 〔式中Yは一般式(2) 【化14】 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子を示し、R1 は炭
素数1−3のアルキル基を示す。n3 は0−5の整数を
示す。)または一般式(3) 【化15】 (式中R2 およびR3 は炭素数1−10のアルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表わされる脱離基である。
n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整数を示
す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2 は1以
上。〕で表わされるアクリダンを有するポリビニルアル
コール、およびその製造方法並びに該アクリダンを有す
るポリビニルアルコールを使用する化学発光方法であ
る。
優れたアクリダンを有するポリビニルアルコールおよび
化学発光方法を提供する。 【構成】 一般式(1) 【化13】 〔式中Yは一般式(2) 【化14】 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子を示し、R1 は炭
素数1−3のアルキル基を示す。n3 は0−5の整数を
示す。)または一般式(3) 【化15】 (式中R2 およびR3 は炭素数1−10のアルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表わされる脱離基である。
n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整数を示
す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2 は1以
上。〕で表わされるアクリダンを有するポリビニルアル
コール、およびその製造方法並びに該アクリダンを有す
るポリビニルアルコールを使用する化学発光方法であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアクリダンを有す
るポリビニルアルコール、その製造方法及び化学発光方
法に関する。本発明のポリビニルアルコールは各種診断
薬の検出剤、各種発光プローブ、非常用光源等として利
用される。
るポリビニルアルコール、その製造方法及び化学発光方
法に関する。本発明のポリビニルアルコールは各種診断
薬の検出剤、各種発光プローブ、非常用光源等として利
用される。
【0002】
【従来の技術】化学発光とは、原子ないし分子が、化学
反応によって生ずるエネルギーによって励起されて光を
発する現象を云う。化学発光性化合物として現在までに
種々の骨格を有するものが開発されており、ルミノー
ル、アクリジニウムエステル、シュウ酸エステルなどが
知られている(「生物発光と化学発光」今井一洋編、広
川書店出版、75〜150ページ、1989年)。これ
らの化合物は診断薬の検出剤として、あるいは非常時用
の光源として利用されている。特にアクリジニウムエス
テルは現存の化学発光物質の中でも発光量子収率5%と
高い値を有する〔J.Am.Chem.Soc., 10
9, 5189−5196(1987),”Chemi
luminescence in Organic C
hemistry” Springer−Verlag
(1987)〕。さらにアクリダンはアクリジニウムエ
ステルの保護体として報告され、アクリジニウムエステ
ルの安定性の向上を図っている(特表平3−50177
2)。しかしながら現存の化合物では1分子あたりの化
学発光量が十分ではなく、より高感度な検出剤が求めら
れている。ルミノールを有するポリビニルアルコール誘
導体の報告(特開平2−102203)があるが、これ
は疏水性化学発光物質を水溶性にするために開発された
ものであり、全く別の意図で行われたものである。
反応によって生ずるエネルギーによって励起されて光を
発する現象を云う。化学発光性化合物として現在までに
種々の骨格を有するものが開発されており、ルミノー
ル、アクリジニウムエステル、シュウ酸エステルなどが
知られている(「生物発光と化学発光」今井一洋編、広
川書店出版、75〜150ページ、1989年)。これ
らの化合物は診断薬の検出剤として、あるいは非常時用
の光源として利用されている。特にアクリジニウムエス
テルは現存の化学発光物質の中でも発光量子収率5%と
高い値を有する〔J.Am.Chem.Soc., 10
9, 5189−5196(1987),”Chemi
luminescence in Organic C
hemistry” Springer−Verlag
(1987)〕。さらにアクリダンはアクリジニウムエ
ステルの保護体として報告され、アクリジニウムエステ
ルの安定性の向上を図っている(特表平3−50177
2)。しかしながら現存の化合物では1分子あたりの化
学発光量が十分ではなく、より高感度な検出剤が求めら
れている。ルミノールを有するポリビニルアルコール誘
導体の報告(特開平2−102203)があるが、これ
は疏水性化学発光物質を水溶性にするために開発された
ものであり、全く別の意図で行われたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、新規なアクリダンを有するポリビニルアル
コールとその製造方法を提供することである。更に本発
明が解決しようとする課題は、本発明の新規なアクリダ
ンを有するポリビニルアルコールの化学発光方法を提供
することである。
する課題は、新規なアクリダンを有するポリビニルアル
コールとその製造方法を提供することである。更に本発
明が解決しようとする課題は、本発明の新規なアクリダ
ンを有するポリビニルアルコールの化学発光方法を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1)
(1)
【化8】 〔式中Yは一般式(2)
【化9】 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子を示し、R1 は炭
素数1−3のアルキル基を示す。n3 は0−5の整数を
示す。)または一般式(3)
素数1−3のアルキル基を示す。n3 は0−5の整数を
示す。)または一般式(3)
【化10】 (式中R2 およびR3 は炭素数1−10のアルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表わされる脱離基である。
n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整数を示
す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2 は1以
上。〕で表されるアクリダンを有するポリビニルアルコ
ールが提供される。
たはアリール基を示す。)で表わされる脱離基である。
n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整数を示
す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2 は1以
上。〕で表されるアクリダンを有するポリビニルアルコ
ールが提供される。
【0005】また本発明によれば一般式(4)
【化11】 (式中n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整
数を示す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2
は1以上。)で表される水酸基を有するポリビニルアル
コールと、一般式(5)
数を示す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2
は1以上。)で表される水酸基を有するポリビニルアル
コールと、一般式(5)
【化12】 (式中X- はアニオンであり、Yは上記一般式(2)お
よび(3)で表される脱離基を示す。)で表されるアク
リジンカルボン酸誘導体の4級アンモニウム塩とを、塩
基存在下で反応させることを特徴とする上記一般式
(1)で表されるアクリダンを有するポリビニルアルコ
ールの製造方法が提供される。
よび(3)で表される脱離基を示す。)で表されるアク
リジンカルボン酸誘導体の4級アンモニウム塩とを、塩
基存在下で反応させることを特徴とする上記一般式
(1)で表されるアクリダンを有するポリビニルアルコ
ールの製造方法が提供される。
【0006】また本発明によれば、前記一般式(1)で
表されるアクリダンを有するポリビニルアルコールを酸
存在下で処理した後、過酸化水素および塩基を反応させ
ることを特徴とする化学発光方法が提供される。
表されるアクリダンを有するポリビニルアルコールを酸
存在下で処理した後、過酸化水素および塩基を反応させ
ることを特徴とする化学発光方法が提供される。
【0007】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明のアクリダンを有するポリビニルアルコール(以下ア
クリダンポリビニルアルコールと称す)は、前記一般式
(1)で表される。式中Yは、前記一般式(2)および
(3)で表される。一般式(2)式中R1 の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基を好ましくは挙げることができる。Zは酸素原子また
は硫黄原子を示す。一般式(3)式中R2 およびR3 の
具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、フェニル基、トリル基、キシリル
基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基等を好まし
く挙げることができるが、これらに限定されない。
明のアクリダンを有するポリビニルアルコール(以下ア
クリダンポリビニルアルコールと称す)は、前記一般式
(1)で表される。式中Yは、前記一般式(2)および
(3)で表される。一般式(2)式中R1 の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基を好ましくは挙げることができる。Zは酸素原子また
は硫黄原子を示す。一般式(3)式中R2 およびR3 の
具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、フェニル基、トリル基、キシリル
基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基等を好まし
く挙げることができるが、これらに限定されない。
【0008】本発明のアクリダンポリビニルアルコール
の主鎖の末端には、重合開始剤および連鎖移動剤に由来
する様々な官能基を導入することが可能である。具体的
には、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等を挙げるこ
とができる。
の主鎖の末端には、重合開始剤および連鎖移動剤に由来
する様々な官能基を導入することが可能である。具体的
には、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等を挙げるこ
とができる。
【0009】また本発明のアクリダンポリビニルアルコ
ールの主鎖の中には酢酸ビニルと共重合するモノマーか
らなる構成単位を含ませることができる。具体的には以
下のものを挙げることができるが、これらの限定されな
い。
ールの主鎖の中には酢酸ビニルと共重合するモノマーか
らなる構成単位を含ませることができる。具体的には以
下のものを挙げることができるが、これらの限定されな
い。
【0010】(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニ
トリル、酢酸アリル、塩化アリル、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルエチルカルバメート、エチレン、イソ
ブチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ
ール、イタコン酸、スチレン、N−ビニルスクシンイミ
ド、塩化ビニル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルピ
リジン等を好ましく挙げることができる。
ル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニ
トリル、酢酸アリル、塩化アリル、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルエチルカルバメート、エチレン、イソ
ブチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ
ール、イタコン酸、スチレン、N−ビニルスクシンイミ
ド、塩化ビニル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルピ
リジン等を好ましく挙げることができる。
【0011】またこれらの構成単位を適宜選択すること
により、一般式(1)で表わされるアクリダンポリビニ
ルアルコールの水溶性、油溶性を自由にコントロールす
ることが可能である。
により、一般式(1)で表わされるアクリダンポリビニ
ルアルコールの水溶性、油溶性を自由にコントロールす
ることが可能である。
【0012】本発明のアクリダンポリビニルアルコール
は、水酸基を有するポリビニルアルコールとアクリジン
カルボン酸誘導体の4級アンモニウム塩を塩基存在下で
反応させて、一般式(1)で表わされるアクリダンポリ
ビニルアルコールを製造することができる。本発明に用
いる水酸基を有するポリビニルアルコールは一般式
(4)で表わされる。式中n1 およびn2 は一般式
(1)のものと同一の内容である。また、主鎖の末端へ
の官能基の導入および主鎖中に含まれる構成単位の選択
は、上記に記載したとおり自由に選択する。
は、水酸基を有するポリビニルアルコールとアクリジン
カルボン酸誘導体の4級アンモニウム塩を塩基存在下で
反応させて、一般式(1)で表わされるアクリダンポリ
ビニルアルコールを製造することができる。本発明に用
いる水酸基を有するポリビニルアルコールは一般式
(4)で表わされる。式中n1 およびn2 は一般式
(1)のものと同一の内容である。また、主鎖の末端へ
の官能基の導入および主鎖中に含まれる構成単位の選択
は、上記に記載したとおり自由に選択する。
【0013】本発明に用いるアクリジンカルボン酸誘導
体の4級アンモニウム塩は一般式(5)で表わされる。
式中X- の具体例としてフッ素原子アニオン、塩素原子
アニオン、臭素原子アニオン、沃素原子アニオン、メチ
ルサルフェートアニオン(CH3OSO3 - ) 、フルオロサル
フェートアニオン(FSO3 - )、トリフルオロメチルスル
ホネートアニオン(CF3SO3 - )、ペルフルオロブチルス
ルホネートアニオン(C4F9SO3 - )、トリルスルホネート
アニオン(CH3PhSO3 - )等を好ましく挙げることができ
る。式中Yは一般式(1)と同一のものである。
体の4級アンモニウム塩は一般式(5)で表わされる。
式中X- の具体例としてフッ素原子アニオン、塩素原子
アニオン、臭素原子アニオン、沃素原子アニオン、メチ
ルサルフェートアニオン(CH3OSO3 - ) 、フルオロサル
フェートアニオン(FSO3 - )、トリフルオロメチルスル
ホネートアニオン(CF3SO3 - )、ペルフルオロブチルス
ルホネートアニオン(C4F9SO3 - )、トリルスルホネート
アニオン(CH3PhSO3 - )等を好ましく挙げることができ
る。式中Yは一般式(1)と同一のものである。
【0014】本発明において、前記一般式(4)で表わ
される水酸基を有するポリビニルアルコールと前記一般
式(5)で表わされるアクリジンカルボン酸誘導体の4
級アンモニウム塩を塩基存在下で反応させるにあたり、
前記水酸基を有するポリビニルアルコールと前記アクリ
ジンカルボン酸誘導体との仕込みモル比は1:1〜1,0
00,000が好ましく、特には1:2〜100,000で
あることが望ましい。前記モル比が1:1未満では生成
するアクリダンを有するポリビニルアルコールの収率が
低下する傾向にあり、また1:1,000,000を越える
と反応終了後の未反応のアクリジンカルボン酸誘導体の
4級アンモニウム塩が残存し、目的となる生成物の単離
が困難となるので好ましくない。また、本反応は常圧で
行なうことが可能であり、かつ反応温度は通常−78〜
150℃、好ましくは−50〜100℃の範囲である。
前記反応温度が−78℃未満では反応時間が長くなる傾
向があり、逆に150℃を越えると反応操作が困難であ
るので好ましくない。
される水酸基を有するポリビニルアルコールと前記一般
式(5)で表わされるアクリジンカルボン酸誘導体の4
級アンモニウム塩を塩基存在下で反応させるにあたり、
前記水酸基を有するポリビニルアルコールと前記アクリ
ジンカルボン酸誘導体との仕込みモル比は1:1〜1,0
00,000が好ましく、特には1:2〜100,000で
あることが望ましい。前記モル比が1:1未満では生成
するアクリダンを有するポリビニルアルコールの収率が
低下する傾向にあり、また1:1,000,000を越える
と反応終了後の未反応のアクリジンカルボン酸誘導体の
4級アンモニウム塩が残存し、目的となる生成物の単離
が困難となるので好ましくない。また、本反応は常圧で
行なうことが可能であり、かつ反応温度は通常−78〜
150℃、好ましくは−50〜100℃の範囲である。
前記反応温度が−78℃未満では反応時間が長くなる傾
向があり、逆に150℃を越えると反応操作が困難であ
るので好ましくない。
【0015】本発明の製造方法では、前記種々の反応条
件下において、前記水酸基を有するポリビニルアルコー
ルと前記アクリジンカルボン酸誘導体の4級アンモニウ
ム塩を塩基存在下で反応させることにより、目的のアク
リダンを有するポリビニルアルコールを得ることができ
るが、前記反応を更に一層円滑に行なうためには溶媒を
用いることが望ましい。前記溶媒としては、反応条件下
で不活性で且つ生成されたアクリダンを有するポリビニ
ルアルコールからの分離が容易であるならば種々の溶媒
が使用される。特にジメチルホルムアミド、ジメチルス
ホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジ
オサン、トルエン、ベンゼン、ピリジン、トリエチルア
ミンまたはそれらの混合溶媒が適当である。使用される
溶媒の量は特に限定されないが、出発物質の総重量当り
1倍〜10000倍であることが望ましい。本発明の製
造方法により得られるアクリダンを有するポリビニルア
ルコールは公知の方法で精製することが可能である。前
記塩基としては、各種のアルカリ金属、または水素化ア
ルカリ金属もしくはアルカリ金属と弱酸との塩、ならび
にピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基を用いる
ことができる。
件下において、前記水酸基を有するポリビニルアルコー
ルと前記アクリジンカルボン酸誘導体の4級アンモニウ
ム塩を塩基存在下で反応させることにより、目的のアク
リダンを有するポリビニルアルコールを得ることができ
るが、前記反応を更に一層円滑に行なうためには溶媒を
用いることが望ましい。前記溶媒としては、反応条件下
で不活性で且つ生成されたアクリダンを有するポリビニ
ルアルコールからの分離が容易であるならば種々の溶媒
が使用される。特にジメチルホルムアミド、ジメチルス
ホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジ
オサン、トルエン、ベンゼン、ピリジン、トリエチルア
ミンまたはそれらの混合溶媒が適当である。使用される
溶媒の量は特に限定されないが、出発物質の総重量当り
1倍〜10000倍であることが望ましい。本発明の製
造方法により得られるアクリダンを有するポリビニルア
ルコールは公知の方法で精製することが可能である。前
記塩基としては、各種のアルカリ金属、または水素化ア
ルカリ金属もしくはアルカリ金属と弱酸との塩、ならび
にピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基を用いる
ことができる。
【0016】本発明の化学発光方法は前記一般式(1)
で表わされるアクリダンを有するポリビニルアルコール
を酸で処理した後、過酸化水素と塩基とを混合させるこ
とにより化学発光をさせることができる。前記酸として
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸などの無機酸および
酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸を用いることがで
き、この濃度は0.001〜10mol/リットルの範囲で用
いることが好ましく、特に0.01〜1mol/リットルが好
ましい。前記塩基としては例えば、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等
を好ましく挙げることができ、この濃度は0.001〜1
0mol/リットルの範囲で用いることが好ましく、特に0.
01〜5mol/リットルが好ましい。本発明の化学発光方
法に用いる前記過酸化水素の濃度としては0.001〜3
0wt%が好ましく、特に0.1〜30wt%が好ましい。
で表わされるアクリダンを有するポリビニルアルコール
を酸で処理した後、過酸化水素と塩基とを混合させるこ
とにより化学発光をさせることができる。前記酸として
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸などの無機酸および
酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸を用いることがで
き、この濃度は0.001〜10mol/リットルの範囲で用
いることが好ましく、特に0.01〜1mol/リットルが好
ましい。前記塩基としては例えば、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等
を好ましく挙げることができ、この濃度は0.001〜1
0mol/リットルの範囲で用いることが好ましく、特に0.
01〜5mol/リットルが好ましい。本発明の化学発光方
法に用いる前記過酸化水素の濃度としては0.001〜3
0wt%が好ましく、特に0.1〜30wt%が好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明のアクリダンを有するポリビニル
アルコールは新規であり、1分子あたりの発光量が高
く、かつ安定性に優れた化学発光化合物として、各種診
断薬の検出剤、各種発光プローブ、非常用光源等として
利用することができる。また本発明の製造方法によりア
クリダンを有するポリビニルアルコールを短時間で収率
良くかつ容易に製造することができる。さらに本発明の
化学発光法により、前記種々の用途に適用することが可
能である。
アルコールは新規であり、1分子あたりの発光量が高
く、かつ安定性に優れた化学発光化合物として、各種診
断薬の検出剤、各種発光プローブ、非常用光源等として
利用することができる。また本発明の製造方法によりア
クリダンを有するポリビニルアルコールを短時間で収率
良くかつ容易に製造することができる。さらに本発明の
化学発光法により、前記種々の用途に適用することが可
能である。
【0018】
【実施例】本発明を実施例及び比較例によりさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0019】実施例1 ポリビニルアルコール0.05g(3.8μmol 、MW=13
000、重合度300)をジメチルスルホキシド20ml
に溶解させた後、室温にて60wt%油性NaH の23mg
(580μmol)を加えた。40℃にて30分間撹拌した
後、室温下で10−メチルアクリジニウム−9−カルボ
ン酸フェニルエステルメトサルフェート246mg(58
0μmol)を加えた。室温にて3時間撹拌後反応溶液をメ
タノール200ml中に滴下した。遠心分離により上澄み
液を除き、沈澱物をジメチルスルホキシド3mlに溶解さ
せ、不溶物を濾過により取り除き、メタノール30ml中
にて再沈澱を行ない、遠心分離により上澄み液を除き、
減圧乾燥し目的のアクリダンを有するポリビニルアルコ
ール35mgを得た。UV可視スペクトルの測定結果か
らポリビニルアルコール1分子中にアクリダンが約60
個存在していることが明らかとなった。
000、重合度300)をジメチルスルホキシド20ml
に溶解させた後、室温にて60wt%油性NaH の23mg
(580μmol)を加えた。40℃にて30分間撹拌した
後、室温下で10−メチルアクリジニウム−9−カルボ
ン酸フェニルエステルメトサルフェート246mg(58
0μmol)を加えた。室温にて3時間撹拌後反応溶液をメ
タノール200ml中に滴下した。遠心分離により上澄み
液を除き、沈澱物をジメチルスルホキシド3mlに溶解さ
せ、不溶物を濾過により取り除き、メタノール30ml中
にて再沈澱を行ない、遠心分離により上澄み液を除き、
減圧乾燥し目的のアクリダンを有するポリビニルアルコ
ール35mgを得た。UV可視スペクトルの測定結果か
らポリビニルアルコール1分子中にアクリダンが約60
個存在していることが明らかとなった。
【0020】分析結果を以下に示す。1 H NMR(DMSO-d6)δ 7.49-6.88(m, 1.1H), 4.66, 4.46,
4.21, 3.85 (brs, 1H),3.55-3.44(m, 0.4H), 1.62-1.05
(br, 2H) IR (cm-1); 3300, 2940, 1724, 1594, 1475, 1359 UV-Vis(Abs, in DMSO; C=0.03 g/リットル) 0.59(284
nm)
4.21, 3.85 (brs, 1H),3.55-3.44(m, 0.4H), 1.62-1.05
(br, 2H) IR (cm-1); 3300, 2940, 1724, 1594, 1475, 1359 UV-Vis(Abs, in DMSO; C=0.03 g/リットル) 0.59(284
nm)
【0021】実施例2 実施例1にて得られたアクリダンを有するポリビニルア
ルコールをジメチルスルホキシドに溶解させ、0.12g
/リットルの濃度に調製した。次にこの溶液を水により
1/200、1/400 及び 1/800の濃度に希釈した。この溶液
25μlに0.5wt%過酸化水素を含む0.1N硝酸水溶
液を300μl加えた後、化学発光測定機アロカ社製ル
ミネッセンスリーダーBLR201にセットした。外部
より0.25NのNaOH水溶液を加え、発光を1分間測定し
た。この測定結果を基準にして1分子あたりの発光量を
求め、表1に示した。この発光量は、後記比較例1と比
較して約30倍の発光量を有していた。
ルコールをジメチルスルホキシドに溶解させ、0.12g
/リットルの濃度に調製した。次にこの溶液を水により
1/200、1/400 及び 1/800の濃度に希釈した。この溶液
25μlに0.5wt%過酸化水素を含む0.1N硝酸水溶
液を300μl加えた後、化学発光測定機アロカ社製ル
ミネッセンスリーダーBLR201にセットした。外部
より0.25NのNaOH水溶液を加え、発光を1分間測定し
た。この測定結果を基準にして1分子あたりの発光量を
求め、表1に示した。この発光量は、後記比較例1と比
較して約30倍の発光量を有していた。
【0022】比較例1 10−メチルアクリジニウム−9−カルボン酸フェニル
エステルフルオロサルフェート(株式会社同仁化学研究
所製)を蒸留水に溶解させ、960 μmol/リットル、480
μmol/リットル及び240 μmol/リットルの濃度に希釈し
た。この溶液30μlに0.5wt%過酸化水素を含む0.
1N硝酸水溶液を300μl加えた後、化学発光測定機
アロカ社製ルミネッセンスリーダーBLR201にセッ
トした。外部より0.25NのNaOH水溶液を加え、発光を
1分間測定した。この測定結果を基準にして1分子あた
りの発光量を求め、その結果を表1に併せて示した。
エステルフルオロサルフェート(株式会社同仁化学研究
所製)を蒸留水に溶解させ、960 μmol/リットル、480
μmol/リットル及び240 μmol/リットルの濃度に希釈し
た。この溶液30μlに0.5wt%過酸化水素を含む0.
1N硝酸水溶液を300μl加えた後、化学発光測定機
アロカ社製ルミネッセンスリーダーBLR201にセッ
トした。外部より0.25NのNaOH水溶液を加え、発光を
1分間測定した。この測定結果を基準にして1分子あた
りの発光量を求め、その結果を表1に併せて示した。
【表1】 表1 ─────────────────────────── 例 1分子あたりの発光量(counts/mol) ─────────────────────────── 実施例2 3.5×1018 比較例1 1.2×1017 ───────────────────────────
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中Yは一般式(2) 【化2】 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子を示し、R1 は炭
素数1−3のアルキル基を示す。n3 は0−5の整数を
示す。)または一般式(3) 【化3】 (式中R2 およびR3 は炭素数1−10のアルキル基又
はアリール基を示す。)で表わされる脱離基である。n
1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整数を示
す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2 は1以
上。〕で表されるアクリダンを有するポリビニルアルコ
ール。 - 【請求項2】 一般式(4) 【化4】 (式中n1 およびn2 はそれぞれ0−100000の整
数を示す。但し2<n1 +n2 <100000かつn2
は1以上。)で表される水酸基を有するポリビニルアル
コールと、一般式(5) 【化5】 (式中X- はアニオンであり、Yは一般式(2)および
(3)で表される脱離基を示す。)で表されるアクリジ
ンカルボン酸誘導体の4級アンモニウム塩とを、塩基存
在下で反応させることを特徴とする上記一般式(1)で
表されるアクリダンを有するポリビニルアルコールの製
造方法。 一般式(2) 【化6】 一般式(3) 【化7】 - 【請求項3】 上記一般式(1)のアクリダンを有す
るポリビニルアルコールを、酸存在下で処理した後、過
酸化水素と塩基とを混合することにより化学発光させる
ことを特徴とする化学発光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27424294A JPH08113611A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | アクリダン基含有ポリビニルアルコールおよび化学発光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27424294A JPH08113611A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | アクリダン基含有ポリビニルアルコールおよび化学発光方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113611A true JPH08113611A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17538988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27424294A Pending JPH08113611A (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | アクリダン基含有ポリビニルアルコールおよび化学発光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08113611A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008021619A2 (en) * | 2006-08-16 | 2008-02-21 | Boston Scientific Limited | Polymer particles including covalently bonded chemical species |
US8183060B2 (en) | 2001-09-19 | 2012-05-22 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Luminescent polymer and use thereof in bioassay |
-
1994
- 1994-10-14 JP JP27424294A patent/JPH08113611A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8183060B2 (en) | 2001-09-19 | 2012-05-22 | Daiichi Pure Chemicals Co., Ltd. | Luminescent polymer and use thereof in bioassay |
WO2008021619A2 (en) * | 2006-08-16 | 2008-02-21 | Boston Scientific Limited | Polymer particles including covalently bonded chemical species |
WO2008021619A3 (en) * | 2006-08-16 | 2009-03-12 | Boston Scient Ltd | Polymer particles including covalently bonded chemical species |
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