JPH08219936A - 浸水検知光ファイバ、およびこれを用いたケーブル - Google Patents

浸水検知光ファイバ、およびこれを用いたケーブル

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JPH08219936A
JPH08219936A JP7022049A JP2204995A JPH08219936A JP H08219936 A JPH08219936 A JP H08219936A JP 7022049 A JP7022049 A JP 7022049A JP 2204995 A JP2204995 A JP 2204995A JP H08219936 A JPH08219936 A JP H08219936A
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JP
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water
optical fiber
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layer
swelling layer
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Application number
JP7022049A
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English (en)
Inventor
Takeo Shiono
武男 塩野
Mitsuo Ito
三男 伊藤
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Hajime Tanimoto
元 谷本
Kouji Oosada
幸治 大定
Toshikuni Seki
敏訓 関
Harunari Cho
東 成 張
Keiko Shiraishi
恵子 白石
Tomooka Murase
知丘 村瀬
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浸水位置を感度良く察知し、誤検出を防止す
る浸水検知光ファイバを提供する。 【構成】 光ファイバ素線1に、直接または他の被覆層
2,3を介して、光硬化性樹脂に水酸基を有する添加剤
を配合した吸水性膨潤層4を設けた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバによる信頼
性の高い浸水検知光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、浸水箇所を特定できる浸水検
知センサとして、光ファイバ上に、あるいは光ファイバ
に被覆層を介して、吸水時に体積膨張する吸水材が被覆
されてなる光ファイバ浸水検知センサが提案されている
(特開昭62−262803号公報)。この光ファイバ
浸水検知センサは、通信ケーブルに沿って建物中に配線
され、万一、浸水事故が発生した場合、浸水箇所におい
て吸水材が水を吸収して体積膨張する。そして、光ファ
イバに側圧がかかりマイクロベンディングが発生する。
このマイクロベンディングにより生じる光伝送損失を、
OTDRのような後方散乱光などの反射光を用いた測定
方法により測定して、浸水事故の発生位置を察知するも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ファイバ浸水検知センサは、光ファイバ上に直接、あ
るいは一次被覆層を介して吸水材を被覆していたが、前
述のように光ファイバ上に吸水材を設けた場合、浸水検
知センサが押出被覆あるいは塗布硬化により製造される
工程中に、吸水材がすでに大気中の水分を吸水し、光フ
ァイバに側圧を付与することがあった。また、浸水検知
センサを配設する時に加わる外圧でマイクロベンディン
グを発生してしまうなど、浸水以外にも光損失が生じる
可能性が高く実用化にまでは至らなかった。これに対し
て外力を遮断する目的で、体積膨張を確実に伝達できる
範囲内で一次被覆層および二次被覆層を介して吸水材を
被覆するものも報告されている(特開昭62−2628
04号公報)。しかしながら、この公報によれば、従来
の吸水材は吸水率10W/V%以上の吸水性樹脂、ある
いは水やアルコールに対する溶解能を有する熱可塑性ポ
リマあるいはこれらに吸水性パウダーを分散混合させた
樹脂混合物であるが、吸水率10W/V%以上または水
やアルコールに対する溶解能を有する樹脂は大気中の水
分を積極的に吸収するため、長期間大気中に設置すると
浸水の有無に拘らず吸水材が膨張してしまうおそれがあ
った。また、吸水性パウダーを分散混合させたものは、
吸水性パウダーをベース樹脂に均一に分散するのは困難
であり、分散させたとしても、低温時には樹脂が収縮す
るため、パウダに応力が集中して光ファイバに側圧を加
え、浸水がないにもかかわらずマイクロベンディングが
発生することがあった。
【0004】以上の点に鑑み、本発明は、浸水位置を感
度良く察知し、誤検出を防止する浸水検知光ファイバを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本請求項1に係る発明の
浸水検知光ファイバは、吸水性膨潤層が、光硬化性樹脂
に水酸基を有する添加剤が配合されたものであり、この
様な吸水性膨潤層を光ファイバ素線上に設けたことを要
旨とするものである。
【0006】本発明の光ファイバ素線としては石英ガラ
ス光ファイバ、プラスチッククラッド光ファイバ、多成
分ガラス光ファイバ等の通常の光ファイバが用いられ
る。
【0007】本発明の吸水性膨潤層は、光硬化性樹脂
に、水酸基を有する添加剤が配合されたものである。光
硬化性樹脂は、アクリル系、ウレタン系、ポリオール系
などの従来公知の紫外線硬化型樹脂を用いることができ
る。本発明においては、吸水性膨潤層に配合される添加
剤の水酸基に水分子が水素結合することにより、水分が
吸水性膨潤層に吸着される。水と水酸基との水素結合
は、大気の飽和水蒸気圧に依存して平衡を保つので、従
来の吸水材と異なり、浸水が発生していないにも拘らず
大気中の水分を吸水して膨潤し、誤検出することがな
い。また、本発明は、一旦吸水しても常温にて放置・乾
燥すれば、水と水酸基との水素結合が遊離し、再使用す
ることができるため、浸水ごとに交換する必要はない。
【0008】本発明の浸水検知光ファイバに水分が接触
すると、吸水性膨潤層に水分が吸収される。吸水性膨潤
層は、吸水すると膨脹して光ファイバ素線から剥離し、
座屈あるいは皺が発生する。この座屈や皺が光ファイバ
素線や被覆層を有する光ファイバ素線に側圧を加え、マ
イクロベンディングの発生を招き、光伝送損失が生じ
る。光伝送損失は、吸水性膨潤層の吸水率およびヤング
率が大きいほど増加傾向にある。
【0009】本請求項2にかかる発明は、光ファイバ素
線に、被覆層を介して吸水性膨潤層を設け、被覆層より
吸水性膨潤層の吸水率を大きくしたことを要旨とする浸
水検知光ファイバである。ここで被覆層として用いられ
る樹脂は、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリ
レート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、ポリブタジ
エンアクリレート樹脂等の紫外線硬化型樹脂、または、
シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等があげられる。こ
れらの被覆層を設けることにより、光ファイバ素線に加
わる外力を緩衝することができる。また、被覆層として
は、ヤング率の小さい一次被覆層を光ファイバ素線上
に、そして一時被覆層の外周にヤング率の大きい二次被
覆層を設けるのが好ましい。浸水検知光ファイバを製造
または布設する時に光ファイバ素線に加わる圧力は光伝
送損失を発生させることがある。これは浸水による光伝
送損失と判別することはできない。ヤング率の異なる2
層の被覆層を設けることにより、一次被覆層が光ファイ
バ素線に外力が伝達するのを防止し、二次被覆層が衝撃
から光ファイバ素線を保護する働きを有するので、浸水
検知光ファイバは、浸水のみによる光伝送損失を検出す
る。
【0010】また、本請求項3の発明のテープ被覆浸水
検知光ファイバは、浸水検知光ファイバの外周に押出被
覆層を設けたことを要旨とする。押出被覆層を形成する
樹脂は、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリ
レート樹脂、ポリブタジエンアクリレート樹脂などの紫
外線硬化型樹脂を挙げることができる。押出被覆層の吸
水率は、2〜5%程度が好ましい。
【0011】本請求項4にかかる発明は、吸水性膨潤層
に着色剤を配合したことを要旨とする。ここで配合され
る着色剤は、顔料系、染料系等、従来公知のものが使用
され、特に限定されない。
【0012】本発明の浸水検知光ファイバの検出感度
は、吸水性膨潤層の厚さに左右されることがある。より
マイクロベンディングの発生を顕著にするには、吸水性
膨潤層の厚さを通常の着色層より厚い7〜20μmとす
るのが好ましい。その理由は、吸水性膨潤層が7μm以
下の場合、膨潤を目的としない通常の着色層の厚さと同
じ程度の厚みであり、これより厚くしたほうが検知が容
易である。吸水性膨潤層が20μmを越える場合、着色
剤が添加されている場合には、紫外線が深部へ到達しな
いので、硬化が十分に進行しないおそれがある。
【0013】また、本発明の吸水性膨潤層の架橋度は、
着色剤の配合量に左右される。着色剤は光硬化性樹脂1
00重量部に対して60重量部以下とするのが好まし
い。その理由は、60重量部を越えると、樹脂分に対す
る着色剤の相対量が増大して塗料として適当な流動性を
失い、光ファイバ上に被覆するのが困難となり、また、
吸水性膨潤層の光反応が阻害されるなどの理由で、架橋
の反応速度が低下し、使用に耐え得る架橋度が得られな
いからである。
【0014】前述の様な水酸基を有する添加剤として、
水溶性アミン系化合物などの光重合開始増感剤(放射線
重合促進剤)を挙げることができる。吸水性膨潤層に、
着色剤が添加される場合、光透過性が低下し、光反応速
度が遅くなるので、これを補う目的で光重合開始増感剤
が添加される。光重合開始増感剤は、その末端に水酸基
を備え、光重合開始剤と併用されて光重合開始剤のラジ
カル生成を助長し、光硬化性樹脂と重合した後もその末
端に水酸基を有する。光重合開始増感剤の一例としての
水溶性アミン系化合物とは、たとえば、メチルジエタノ
ールアミン[CH3 N(C2 5 OH)2 ]やトリエタ
ノールアミン[N(C2 5 OH)3 ]等がある。これ
らの添加剤は、吸水性パウダと異なり相溶性に富むた
め、溶解性に優れる。
【0015】また、本請求項8および9にかかる発明
は、吸水性膨潤層および被覆層を有する光ファイバの外
周に、保護パイプあるいは透孔を有する保護パイプを設
けた浸水検知光ファイバに関するものである。保護パイ
プは、被覆層ではカバーしきれないような外部からの応
力により光ファイバにマイクロベンディングが加わり、
光伝送損失が発生するのを防止するために設けられるも
ので、水分を透過する材質あるいは透孔が設けらた硬質
パイプが好ましい。その中に1本〜複数本の前記浸水検
知光ファイバが配設されるものである。これにより、曲
げ歪み等の外部応力からは保護され、湿度の状態は外気
と略同様の測定環境を維持することができる。したがっ
て、感度良く浸水検知を行うことができる。
【0016】本請求項10にかかる発明は、吸水性膨潤
層を円周方向で吸水率を異ならせたことを要旨とする。
吸水率を異ならせることにより、吸水率の大きい側がよ
り大きく膨潤し、光ファイバに側圧を与える。吸水率を
異ならせる具体的手段としては、着色剤の種類、色、配
合量を調整したり、水酸基を有する添加剤の配合量を変
えるなどが挙げられる。
【0017】また、本発明の浸水検知光ファイバを、電
力ケーブルや、通信ケーブル、光ファイバケーブルなど
に具備してケーブル内の浸水検知に利用することができ
る。この場合、浸水検知光ファイバの吸水性膨潤層に、
光重合開始増感剤などの水酸基を有する添加剤のほか
に、着色剤を配合してもよいことは当然である。
【0018】
【作用】本発明は、光ファイバ素線に水酸基を有する添
加剤が配合された光硬化性樹脂からなる吸水性膨潤層を
設けることにより、浸水時には、吸水性膨潤層中の水酸
基に水が捕獲されて水素結合を形成し、吸水性膨潤層が
膨潤して、光ファイバ素線に側圧を加え、光伝送損失を
生じさせることで浸水箇所を検知するものである。
【0019】
【実施例】まず、被覆層より吸水性膨潤層の吸水率を大
きくした浸水検知光ファイバの一実施例を示す。 [実施例1〜3]図1に示すように、直径125μmの
SMファイバ素線1上に、主成分がウレタン系アクリレ
ート樹脂からなる一次被覆層2(厚さ20μm、ヤング
率0.1kg/mm2 、吸水率0.5%)を設け、さらにそ
の外周に、一次被覆層2よりもヤング率の大きい、主成
分がウレタン系アクリレート樹脂からなる二次被覆層3
(厚さ45μm、ヤング率40 kg/mm2 、吸水率0.5
%)を設けた。そして、ウレタン系アクリレート樹脂
に、黄色着色剤と、光重合開始増感剤であるメチルジエ
タノールアミンをそれぞれ、3%、5%、8%配合し、
さらに所定の架橋助剤などを添加したものを、前述の二
次被覆層3の外周に塗布し、紫外線を照射して、吸水
率、ヤング率が表1の通りの吸水性膨潤層4を設け、浸
水検知光ファイバ5を得た。 [比較例1]上記実施例1〜3と同様のファイバ素線1
および一次被覆層2および二次被覆層3の外周に、ウレ
タン系アクリレート樹脂に黄色着色剤と所定の架橋助剤
などを配合し、光重合開始増感剤を含有しない吸水性膨
潤層4を設け、比較例1とした。上記実施例1の浸水検
知光ファイバを長さ1km作成し、端部から500mの
所に浸水事故を発生させた。そして、波長1.55μm
の光伝送損失を端部よりOTDRで測定した。すると、
図2に示すように、500mの地点でOTDRの測定値
は急落し、500mの地点で浸水があったことが発見で
きた。実施例2,3についても同様の傾向が見られ、比
較例1については光伝送損失増は見られなかった。次
に、実施例1〜3、比較例1の浸水地点における光伝送
損失増を表1に示す。着色剤が同種、同量配合された場
合、親水性添加剤の配合が多いほど吸水率が高いため光
伝送損失増が大きく、また、光重合開始増感剤を配合せ
ずに吸水性膨潤層の吸水率が二次被覆層と同じ値である
比較例1には、光伝送損失増はみられないことが判っ
た。
【0020】
【表1】
【0021】また、この様な、光ファイバ素線1、一次
被覆層2、二次被覆層3、吸水性膨潤層4とからなる浸
水検知光ファイバ5の単数あるいは複数本をまとめ、そ
の外周に、押出被覆層6を設けた浸水検知光ファイバの
例として図3のようなものがある。
【0022】次に、吸水性膨潤層の厚さだけを異ならせ
た実施例および比較例を示す。 [実施例4〜7、比較例2]直径125μmのSMファ
イバ素線1上に、主成分がウレタン系アクリレート樹脂
からなる一次被覆層2(厚さ20μm、ヤング率0.1
kg/mm2 、吸水率0.5%)を設け、さらにその外周
に、一次被覆層2よりもヤング率の大きい、主成分がウ
レタン系アクリレート樹脂からなる二次被覆層3(厚さ
45μm、ヤング率40 kg/mm2 、吸水率0.5%)を
設けた。一方、ウレタン系アクリレート樹脂に、メチル
ジエタノールアミン1%を配合し、さらに着色剤である
シアニンブルーを5%配合し、さらに所定の架橋助剤な
どを添加して吸水率0.9%の樹脂を作成した。この樹
脂を、2次被覆層上に表2の通りの厚さで被覆し、紫外
線を照射して吸水性膨潤層を形成した。これらについ
て、実施例1と同様の方法で、浸水時の光伝送損失を測
定した。
【0023】
【表2】
【0024】吸水性膨潤層に水酸基を有する添加剤が配
合されていない通常の光ファイバの光伝送損失は、0.
18〜0.20(dB/km)程度であるので、吸水性
膨潤層の厚さが5μmである比較例2では光伝送損失が
増加しているかどうかの判断がしにくい。
【0025】着色剤の配合量を変化させた浸水検知光フ
ァイバの一実施例を示す。 [実施例8〜9]直径125μmのSMファイバ素線上
に、主成分がウレタン系アクリレート樹脂からなる一次
被覆層(厚さ40μm、ヤング率10 kg/mm2 、吸水率
1%)を設け、さらにその外周に、一次被覆層よりもヤ
ング率の大きい、主成分がウレタン系アクリレート樹脂
からなる二次被覆層(厚さ25μm、ヤング率70 kg/
mm2 、吸水率1%)を設けた。そして、ウレタン系アク
リレート樹脂に、メチルジエタノールアミンを配合し、
さらに着色剤であるシアニンブルーをそれぞれ30%、
50%を配合し、さらに所定の架橋助剤などを添加した
ものを、前述の二次被覆層の外周に塗布し、紫外線を照
射して、吸水率、ヤング率が表2の通りの厚さ5μmの
吸水性膨潤層を設けた。 [比較例3]上記実施例8,9と同様のファイバ素線お
よび一次被覆層および二次被覆層の外周に、ウレタン系
アクリレート樹脂にメチルジエタノールアミンおよび所
定の架橋助剤などを配合し、着色剤を含有しない吸水性
膨潤層を設け、比較例3とした。 [比較例4]上記実施例8,9と同様のファイバ素線お
よび一次被覆層および二次被覆層の外周に、ウレタン系
アクリレート樹脂に、メチルジエタノールアミンおよび
所定の架橋助剤などを配合し、その上、着色剤を65%
配合した塗料を塗布し、紫外線を照射したが、吸水性膨
潤層を形成できるほどに硬化しなかった。
【0026】上記実施例8,9、比較例3の浸水検知光
ファイバを長さ1km作成し、並列に束ねて押出被覆を
施し、端部から500mの所に浸水事故を発生させた。
そして、波長1.55μmの光伝送損失増を端部よりO
TDRで測定した。すると、500mの地点でOTDR
の測定値は急落し、光伝送損失増がみられた。光伝送損
失増の測定結果を表2に示す。この結果より、光伝送損
失増は、光重合開始増感剤が一定量であっても、着色剤
量が60重量部を越えない範囲内で多いほど大きくなる
ことがわかった。
【0027】
【表3】
【0028】また、外部応力の影響を減少させるため
に、保護パイプを設けた実施例10,11を次に示す。 [実施例10]図4に示すように、直径125μmのS
Mファイバ素線1に直接または他の被覆層を介して吸水
性膨潤層4を設け、さらにその外周に内径1.8mm、
外径2.5mmの透湿性を有するナイロン製の保護パイ
プ7を設けた。 [実施例11]図5に示すように、直径125μmのS
Mファイバ素線1に直接または他の被覆層を介して吸水
性膨潤層4を設け、さらにその外周に、内径1.8m
m、外径2.5mmであり、例えば、アゾジカルボン酸
アミドを含むポリエチレン樹脂をパイプ状に押し出しな
がら発泡させたり、無機充填材を配合したポリエチレン
樹脂を押し出すことにより透孔8を作成した保護パイプ
7を設けた。
【0029】つぎに、円周方向で吸水率を異ならせた吸
水性膨潤層を有する浸水検知光ファイバの一実施例を説
明する。 [実施例12〜15]図6に示すように、直径125μ
mのクラッドされたSMファイバ素線1上に、主成分が
ウレタン系アクリレート樹脂からなる被覆層9(厚さ4
0μm、ヤング率10 kg/mm2 、吸水率1%)を設け、
さらにその外周に、円周方向に沿って半周づつ異なる色
層の吸水性膨潤層10、11を設けた。この吸水性膨潤
層10、11は、ウレタン系アクリレート樹脂に、メチ
ルジエタノールアミンを1%配合し、着色剤であるKS
U−423(関西ペイント社製)の異なる色相を表4の
ように配合したもので、これらに所定の架橋助剤などを
添加して被覆層9の外周に塗布し、紫外線を照射した。
この吸水性膨潤層10、11上に、押出被覆層12を形
成した。 [比較例5]上記実施例12〜15と同様のファイバ素
線および被覆層の外周に、ウレタン系アクリレート樹脂
に白い着色剤であるチタンホワイトを10%とメチルジ
エタノールアミンおよび所定の架橋助剤などを配合し、
吸水性膨潤層を設け、さらに吸水性膨潤層の外周に、押
出被覆層を設け、比較例5とした。
【0030】
【表4】
【0031】この結果、着色剤の種類によって、紫外線
の隠蔽力が異なるので、円周方向で着色剤を異ならせれ
ば、架橋度および吸水率が異なってくるため、吸水によ
り円周方向で光ファイバに与える側圧の差が生じて、よ
り大きな側圧を光ファイバに与えることができる。
【0032】次に、浸水検知光ファイバを具備してなる
ケーブルの一実施例を図7に従って説明する。導体13
上に、絶縁体14を備えた絶縁電線を3本撚り合わせ、
その外周にシース15を設けた3心電力ケーブルにおい
て、そのシース15内の空隙に、浸水検知光ファイバ5
を添わせあるいは絶縁電線と共に撚り合わせて浸水検知
を可能とした。シース15内に具備する浸水検知光ファ
イバは、複数本でも構わない。また、電力ケーブルの形
状もこれに限定されない。このようにケーブルに本発明
の浸水検知光ファイバを具備することにより、ケーブル
に電界の影響を与えること無く、浸水が原因で発生する
停電事故を未然に防止することが可能となる。
【0033】
【発明の効果】本発明の浸水検知光ファイバによれば、
浸水位置を感度良く察知し、誤検出を防止することがで
きる。また、水は、吸水性膨潤層中の水酸基と水素結合
して吸水されるので、浸水後に乾燥すれば再使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浸水検知光ファイバの一実施例を示
す断面図。
【図2】 本発明の浸水検知光ファイバの浸水時の光伝
送損失を示す図。
【図3】 本発明の浸水検知光ファイバの一実施例を示
す断面図。
【図4】 保護パイプ内に収納された浸水検知光ファイ
バを示す斜視図。
【図5】 透孔を有する保護パイプ内に収納された浸水
検知光ファイバを示す斜視図。
【図6】 本発明の半周づつ吸水率を異ならせた吸水性
膨潤層を有する浸水検知光ファイバの一実施例を示す断
面図。
【図7】 本発明のケーブルの一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1……光ファイバ素線 2……一次被覆層 3……二次被覆層 4……吸水性膨潤層 5……浸水検知光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宏 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 谷本 元 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 大定 幸治 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 関 敏訓 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 張 東 成 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 白石 恵子 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 村瀬 知丘 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバ素線に吸水性膨潤層が設けられ
    た浸水検知光ファイバにおいて、前記吸水性膨潤層は、
    光硬化性樹脂に水酸基を有する添加剤を配合したもので
    あることを特徴とする浸水検知光ファイバ。
  2. 【請求項2】光ファイバ素線に被覆層を介して吸水性膨
    潤層が設けられた浸水検知光ファイバにおいて、前記吸
    水性膨潤層は、光硬化性樹脂に水酸基を有する添加剤が
    配合されたものであり、かつ前記被覆層より吸水率が大
    きいことを特徴とする浸水検知光ファイバ。
  3. 【請求項3】最外層を、光硬化性樹脂に水酸基を有する
    添加剤が配合された吸水性膨潤層とした浸水検知光ファ
    イバの単数または複数本の外周に、押出被覆層を設けた
    ことを特徴とする浸水検知光ファイバ。
  4. 【請求項4】吸水性膨潤層に着色剤を添加することを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載した浸水検
    知光ファイバ。
  5. 【請求項5】吸水性膨潤層の厚さを7〜20μmとする
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    浸水検知光ファイバ。
  6. 【請求項6】光硬化性樹脂100重量部に対して着色剤
    の配合を60重量部以下とする請求項4または5に記載
    の浸水検知光ファイバ。
  7. 【請求項7】水酸基を有する添加剤が光重合開始増感剤
    であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに
    記載した浸水検知光ファイバ。
  8. 【請求項8】光ファイバ素線に吸水性膨潤層を設け、そ
    の外周に保護パイプを設けたことを特徴とする浸水検知
    光ファイバ。
  9. 【請求項9】保護パイプが透孔を有することを特徴とす
    る請求項8に記載した浸水検知光ファイバ。
  10. 【請求項10】光ファイバ素線上に被覆層を介して吸水
    性膨潤層が設けられた浸水検知光ファイバにおいて、前
    記吸水性膨潤層を円周方向で吸水率を異ならせたことを
    特徴とする浸水検知光ファイバ。
  11. 【請求項11】光ファイバ素線上に、光硬化性樹脂中に
    水酸基を有する添加剤が配合された吸水性膨潤層を有す
    る浸水検知光ファイバを具備してなることを特徴とする
    ケーブル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005172605A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Mitsubishi Materials Corp 内圧検査方法および内圧検査装置並びに缶収納用カートン
KR20210077196A (ko) * 2019-12-17 2021-06-25 한양대학교 산학협력단 알칼리 누액 감지기 및 알칼리 누액 감지기 제조방법.

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KR20210077196A (ko) * 2019-12-17 2021-06-25 한양대학교 산학협력단 알칼리 누액 감지기 및 알칼리 누액 감지기 제조방법.

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