JPH08219322A - 蒸気加減弁の弁開閉用アクチュエータ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電気／油圧式アクチュエータの本体を定位置に
固定のままレバー操作式の蒸気加減弁を支障なく開閉操
作できるようし、アクチュエータに接続する油圧配管に
耐久性のある金属製パイプの採用を可能にした蒸気加減
弁の弁開閉用アクチュエータ装置を提供する。 【構成】電気／油圧式アクチュエータ３の本体を腕金４
に固定し、かつ該アクチュエータのピストンロッド３ｃ
と蒸気加減弁の操作レバー１ｅとの間をユニバーサルジ
ョイントとして働くボールジョイント８，ロッド９を介
して連結する。また、ボールジョイントには、スライド
式ガイド８ｃを介してストローク方向に案内支持された
上下２組の球関節を組み込み、その一方をアクチュエー
タのピストンロッドに、他方を連結ロッドを介して蒸気
加減弁の操作レバーに連結して、操作レバーの円弧運動
とアクチュエータの直線運動との偏倚を吸収させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、蒸気タービンに装備し
た蒸気加減弁の弁開閉用アクチュエータ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように蒸気タービンにはタービン
に流入する蒸気量を調整して調速制御を行うために蒸気
加減弁を備えており、該蒸気加減弁を調速制御系の電気
／油圧式アクチュエータで開閉操作するようにしてい
る。図３は従来における蒸気加減弁の弁開閉用アクチュ
エータ装置の構成図であり、図において、１は蒸気ター
ビン２に装備した蒸気加減弁、３は蒸気加減弁の弁開閉
用アクチュエータである。ここで、蒸気加減弁１はよく
知られているように弁ケース１ａ，弁体１ｂ，弁棒１
ｃ，弁体を閉方向に付勢する圧縮ばね１ｄ，操作レバー
１ｅなどから構成されている。また、アクチュエータ装
置３は油圧シリンダに３ａに電磁制御弁３ｂを組合わせ
た電気／油圧式アクチュエータが一般に採用されてお
り、その出力軸であるピストンロッド３ｃを蒸気加減弁
１の操作レバー１ｅの先端に連結し、油圧シリンダ３ａ
のストローク動作により操作レバー１ｅを介して蒸気加
減弁１の弁開度を調節するようにしている。

【０００３】この場合に、アクチュエータ３のピストン
ロッド３ｃは直線運動するのに対して、蒸気加減弁１の
操作レバー１ｂは支軸１ｆを支点にして円弧運動（レバ
ー先端の移動軌跡をＴで表す）する。そこで、このレバ
ーの円運動にアクチュエータ３を追随させるために、従
来の構造ではアクチュエータ３の本体を蒸気加減弁１の
弁ケース１ａの側面に固定した腕金４にヒンジ金具５を
介して左右へ揺動可能に取付け、前記したアクチュエー
タの直線運動と操作レバーの円弧運動との間の偏倚をヒ
ンジ金具５に取付けたアクチュエータ３の揺動で吸収す
るようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来のアクチュエータ取付け構造では、次記のような問題
点が残る。すなわち、アクチュエータ３に接続した油圧
配管６は、蒸気加減弁１の開閉操作に伴うアクチュエー
タ３の揺動を阻害しないために可撓性のあるゴム製ホー
スを採用しているのが現状である。

【０００５】しかしながら、ゴム製ホースは金属パイプ
などと比べて耐久性が的低く、かつアクチュエータ３の
動作のたびに曲げ応力が繰り返し加わって疲労するため
に、定期的にホースを新品なホースに交換するなどのメ
ンテナンスが必要であり、その保守管理が厄介であっ
た。本発明は上記の点にかんがみなされたものであり、
その目的は前記課題を解決し、電気／油圧式アクチュエ
ータの本体を定位置に固定のままレバー操作式の蒸気加
減弁を支障なく開閉操作できるようし、アクチュエータ
に接続する油圧配管に耐久性のある金属製パイプの採用
を可能にした蒸気加減弁の弁開閉用アクチュエータ装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアクチュエータ装置においては、アクチュ
エータの本体を固定配置とし、かつ該アクチュエータの
ピストンロッドと蒸気加減弁の操作レバーとの間をユニ
バーサルジョイントを介して連結して構成するものとす
る。

【０００７】また、前記のユニバーサルジョイントは、
スライド式ガイドを介してピストンロッドのストローク
方向に案内支持されたボールジョイントで構成し、具体
的にはボールジョイントに２組の球関節を備え、その一
方をアクチュエータのピストンロッドに、他方を連結ロ
ッドを介して蒸気加減弁の操作レバーに連結して構成す
るのがよい。

【０００８】

【作用】上記の構成より、蒸気加減弁の開閉操作に伴っ
て円運動する操作レバーとアクチュエータとの間の相対
的な偏倚は、操作レバーとアクチュエータのピストンロ
ッドとの間に介挿したユニバーサルジョイントで吸収さ
れる。したがって、アクチュエータの本体は揺動しない
ように定位置に固定配置としたままで蒸気加減弁を支障
なく開閉操作でき、これにより電気／油圧式アクチュエ
ータに接続する油圧配管に耐久性のある金属パイプを採
用することができる。

【０００９】また、前記のユニバーサルジョイントを、
スライド式ガイドに案内支持された２組の球関節を有す
るボールジョイントで構成し、かつ２組の球関節をそれ
ぞれアクチュエータのピストンロッド、蒸気加減弁の操
作レバーに連結させたことにより、操作レバーに連結し
た一方の球関節が前記した操作レバーの偏倚を吸収する
ように機能するとともに、ピストンロッドに連結した他
方の球関節が、組立誤差などに起因したアクチュエータ
のピストンロッドとボールジョイントのスライド式ガイ
ドとの相対的な芯ずれ，傾きを吸収するように機能す
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、図１はアクチュエータ装置全体の組立構成
図、図２（ａ),（ｂ）は動作説明図であり、実施例の図
中で図３に対応する同一部材には同じ符号が付してあ
る。まず、図１において、電気／油圧式アクチュエータ
（Ｅ／Ｈアクチュエータ）３の本体が蒸気加減弁の弁ケ
ースの側面から突出した腕金４に固定ボルト７を介して
動かないように締結されおり、アクチュエータ３のピス
トンロッド３ｃと蒸気加減弁の操作レバー１ｅとの間が
ユニバーサルジョイントであるボールジョイント８，お
よび連結ロッド９を介して連結し合っている。

【００１１】ここで、ボールジョイント８はアクチュエ
ータ３における油圧シリンダ３ａの上部側に構築されて
おり、その構成は、油圧シリンダ３ａの端面に固定した
外筒８ａと、案内筒を兼ねた内筒８ｂと、内筒８ｂの中
に摺動可能に収容したスライド式ガイド８ｃと、ボール
８ｄと球面状のボールソケット８ｅを対にして前記スラ
イド式ガイド８ｃの内方に組み込まれた上下２組の球関
節８ｆとから成り、かつ上部側の球関節のボール８ｄが
連結ロッド９を介して操作レバー１ｅの先端に回り対偶
をなすよう連結され、下部側の球関節のボールには油圧
シリンダ３ａから突出したピストンロッド３ｃが結合さ
れている。そして、特に下部側の球関節については、ボ
ールソケットの周面と８ｅとスライド式ガイド８ｃとの
間には遊び間隙が確保されている。なお、８ｇ，８ｈは
ボールソケット８ｅの押えリングである。また、アクチ
ュエータ３に接続した油圧配管６には金属性パイプを採
用している。

【００１２】次に、前記構成による蒸気加減弁の開閉動
作を図２（ａ),（ｂ）について説明する。（ａ）図の位
置からアクチュエータ３のストローク動作により蒸気加
減弁の操作レバー１ｅを（ｂ）図の位置に引き下げる
と、これに従動して図１で述べたボールジョイント８の
球関節８ｆがスライド式ガイド８ｃとともに内筒８ｂに
案内されながら下降するとともに、操作レバー１ｅと連
結ロッド９との結合点が円弧状の軌跡Ｔに沿って移動す
る。このために連結ロッド９が鉛直姿勢から傾むいてい
くが、その傾きはボールジョイント８におけるボール８
ｅとボールソケット８ｅとの球関節部で吸収される。こ
れにより、アクチュエータ３の本体を固定配置のままで
蒸気加減弁を支障なく開閉操作することができる。ま
た、アクチュエータ３に接続した油圧配管６は可撓性は
ないが耐久性の高い金属ホースを採用することが可能と
なる。

【００１３】また、アクチュエータ３のピストンロッド
３ｃはボールジョイント８に組み込まれた下部側の球関
節に連結されているので、ピストンロッド３ｃとボール
ジョイント８との間に組立誤差などで生じた芯ずれ，傾
きはこの球関節部で吸収されるので、アクチュエータ３
のストローク動作に支障を来すおそれはない。

【００１４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、電気／油圧式アクチュエータを定位置に固定配置と
して、該アクチュエータのピストンロッドと蒸気加減弁
の操作レバーとの間をユニバーサルジョイントを介して
連結したことにより、アクチュエータを固定のままその
ストローク動作でレバー式の蒸気加減弁を支障なく開閉
操作でき、これによりアクチュエータに接続する油圧配
管を、長期使用に不安がある従来のゴム製ホース（可撓
ホース）に代えて耐久性のある金属パイプを採用するこ
とができて装置の信頼性が向上する。

【００１５】また、ボールジョイントに２組の球関節を
組み込んで蒸気加減弁の操作レバー，およびアクチュエ
ータのピストンロッドに連結したことにより、組立誤差
などによりアクチュエータとボールジョイントとの間に
多少の芯ずれが残っていても弁開閉操作には支障を来す
ことかなく、これにより組立時には複雑で精密さが要求
されるピストンロッドとボールジョイントとの間の芯出
し作業，および傾きの調整が省略できて現地での据付作
業が簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成断面図

【図２】図１におけるボールジョイントを模式的に表し
た動作説明図であり、（ａ),（ｂ）はそれぞれ異なる動
作位置の状態を表す図

【図３】従来における蒸気加減弁のアクチュエータ装置
の略示構成図

【符号の説明】

１ 蒸気加減弁 １ｅ 操作レバー ２ 蒸気タービン ３ 電気／油圧式アクチュエータ ３ａ 油圧シリンダ ３ｃ ピストンロッド ４ 腕金 ６ 油圧配管 ７ アクチュエータの固定ボルト ８ ボールジョイント（ユニバーサルジョイント） ８ｃ スライド式ガイド ８ｄ ボール ８ｅ ボールソケット ８ｆ 球関節 ９ 連結ロッド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蒸気タービンに装備した蒸気加減弁の操作
   レバーに電気／油圧式アクチュエータを連結し、該アク
   チュエータにより蒸気加減弁を開閉操作して蒸気タービ
   ンを調速制御するものにおいて、前記アクチュエータの
   本体を固定配置とし、かつ該アクチュエータのピストン
   ロッドと蒸気加減弁の操作レバーとの間をユニバーサル
   ジョイントを介して連結したことを特徴とする蒸気加減
   弁の弁開閉用アクチュエータ装置。
2. 【請求項２】請求項１記載のアクチュエータ装置におい
   て、ユニバーサルジョイントがスライド式ガイドを介し
   てピストンロッドのストローク方向に案内支持されたボ
   ールジョイントであることを特徴とする蒸気加減弁の弁
   開閉用アクチュエータ装置。
3. 【請求項３】請求項２記載のアクチュエータ装置におい
   て、ボールジョイントが２組の球関節を備え、その一方
   をアクチュエータのピストンロッドに、他方を連結ロッ
   ドを介して蒸気加減弁の操作レバーに連結したことを特
   徴とする蒸気加減弁の弁開閉用アクチュエータ装置。