JPH0821835A - D−カイロイノシトールの免疫測定方法 - Google Patents

D−カイロイノシトールの免疫測定方法

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JPH0821835A
JPH0821835A JP5587195A JP5587195A JPH0821835A JP H0821835 A JPH0821835 A JP H0821835A JP 5587195 A JP5587195 A JP 5587195A JP 5587195 A JP5587195 A JP 5587195A JP H0821835 A JPH0821835 A JP H0821835A
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chiro
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kasuganobiosamine
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JP5587195A
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Takashi Murakami
隆 村上
Takenori Takahashi
壮模 高橋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 D−カイロイノシトールを特異的に認識する
抗体とそれを作成するための方法の提供。更に、体液中
のD−カイロイノシトールを正確にしかも簡便に測定で
き、特に、ミオイノシトールなどの異性体の影響を受け
ずに、血清・尿・組織抽出液などの生物学的流体試料中
のD−カイロイノシトールを正確にそしてより簡単に測
定する方法を提供。又、特異的な構造の免疫測定用の固
相抗原又は標識抗原の提供。 【構成】 下記の一般式(1)で示される化合物のR1
とキャリア蛋白質とを結合させて調製することを特徴と
するD−カイロイノシトールに特異的な抗体を得るため
の免疫原。 【化1】 式中、R1は分子中に活性基を有する1価の有機基を表
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、D−カイロイノシトー
ルに結合することを特徴とする新規な免疫原及び抗体に
関し、また該抗体を用いるD−カイロイノシトールの測
定方法に関する。更に詳しくは、D−カイロイノシトー
ルを定量することによる糖尿病の診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、D−カイロイノシトールが糖尿病
の状態の診断に有用であるとの報告がなされている。特
にII型糖尿病におけるインスリン抵抗性の指標になると
考えられている(Larner J.et al,New Eng.J.Med.,323,3
73-378(1990),特表平4-504001号,特表平4-505218号)。
特表平4-505218号、特表平4-504001号には、糖尿病の診
断に体液(血液、尿)中のD−カイロイノシトールの測定
が有用であることが示されており、免疫測定の可能性に
ついても触れられているが、なんら具体的な測定方法は
提案されていなかった。一方、D−カイロイノシトール
はGC-Massによる測定方法が報告されている。例えば、T
oshimitsu Niwa , J.Chromatography,227(1983),25-3
9、Toshimitsu Niwa , J.Chromatography,336(1984),34
5-350などが挙げられる。これらの方法は前処理が必要
で、しかも操作が煩雑であるために、多数の検体を測定
することが困難であるばかりでなく、極めて高価なGC-M
assの装置が必要であり、検査コストが著しく高くなる
という問題があった。
【0003】従来のGC-Massによる測定方法の問題点を
解決するには、より簡便な測定系を開発する必要があ
る。免疫測定法による体液中の微量成分の測定は、簡便
に正確な測定が可能であり、様々な診断薬に応用されて
いる。一方、D−カイロイノシトールは低分子であり、
これに対して特異的な抗体を作成することは困難であ
る。このような低分子(ハプテン)はそのままでは免疫原
性を持たないため、通常ハプテンをキャリア蛋白質に結
合させた免疫原性コンジュゲートを調製し、これを動物
に免疫して抗体を作成する方法が取られている。免疫原
性コンジュゲートとはハプテンをキャリア蛋白質に結合
させた免疫原のことである。キャリア蛋白質としては、
一般的に牛血清アルブミン(以下BSAと略す)キーホー
ル・リンベット・ヘモシアニン(以下KLHと略す)、オ
バルブミン、グロブリン、などが利用されている。ハプ
テンとキャリア蛋白質との結合は適当な架橋試薬を用い
て行なわれ、ハプテン分子に含まれる−NH2,−COOH,
−SH,−OHなどの活性基が利用されている。D−カイロ
イノシトールは−OHを持つため、ビスエポキシドを利用
してキャリア蛋白質に結合させて免疫原性コンジュゲー
トを作成し、これを動物に免疫し、抗D−カイロイノシ
トール抗体の作成を試みた。ビスエポキシドを利用する
ハプテンの結合方法はJ.Chromatography,90,87-98(197
4)に記載されている。しかしながら、この方法では十分
に抗体価があがらない上、得られた抗体はD−カイロイ
ノシトールの異性体であるミオイノシトールに対して交
差反応性があることが判明した。体液中にはミオイノシ
トールなどの異性体がD−カイロイノシトールよりもし
ばしば高い濃度で存在し、抗体作成にあたってはこれら
の影響を受けないことが極めて重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、D−
カイロイノシトールを特異的に認識する抗体とそれを作
成するための方法を提供することにある。さらに、体液
中のD−カイロイノシトールを正確にしかも簡便に測定
する方法も提供することにある。特に本発明はミオイノ
シトールなどの異性体の影響を受けずに、血清・尿・組
織抽出液などの生物学的流体試料中のD−カイロイノシ
トールを正確にそしてより簡単に測定する方法を提供す
ることを目的としている。又、これらの測定に有用な免
疫測定用の固相抗原又は標識抗原を提供することも目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の構成により達成された。
【0006】1.下記の一般式(1)で示される化合物
のR1とキャリア蛋白質とを結合させて調製することを
特徴とするD−カイロイノシトールに特異的な抗体を得
るための免疫原。
【0007】
【化2】
【0008】式中、R1は分子中に活性基を有する1価
の有機基を表す。
【0009】2.上記一般式(1)で示される化合物
が、カスガノビオサミン又はその誘導体であることを特
徴とする前記1記載の免疫原。
【0010】3.カスガノビオサミン誘導体が、カスガ
マイシン又はN2-CBZ-カスガノビオサミンであることを
特徴とする前記2記載の免疫原。
【0011】4.カスガノビオサミン又はその誘導体の
アミノ基を介してキャリア蛋白質に結合させたことを特
徴とする前記3記載の免疫原。
【0012】5.カスガマイシンのカルボキシル基を介
してキャリア蛋白質に結合させたことを特徴とする前記
3記載の免疫原。
【0013】6.前記1〜5のいずれか1項に記載の免
疫原を動物に免疫して抗体を作成することを特徴とする
D−カイロイノシトールに特異的な抗体の作成方法。
【0014】7.固相化抗原として、カスガノビオサミ
ン又はその誘導体を用いたD−カイロイノシトールに特
異的な抗体のスクリーニング方法。
【0015】8.前記1〜5のいずれか1項に記載の免
疫原を動物に免疫して得られた抗D−カイロイノシトー
ル抗体のスクリーニング方法において、固相化したカス
ガノビオサミン又はその誘導体と免疫反応し、その反応
がD−カイロイノシトールによって阻害されることを利
用するD−カイロイノシトールに特異的な抗体のスクリ
ーニング方法。
【0016】9.前記1〜5のいずれか1項に記載の免
疫原を動物に免疫して得られた抗D−カイロイノシトー
ル抗体のスクリーニング方法において、固相抗原にD−
カイロイノシトール結合キャリア蛋白質を用いることを
特徴とするD−カイロイノシトール構造に特異的な抗体
のスクリーニング方法。
【0017】10.カスガノビオサミン又はその誘導体と
免疫反応し、その免疫反応がD−カイロイノシトールに
よって阻害されることを特徴とする抗D−カイロイノシ
トール抗体。
【0018】11.ミオイノシトールに交差反応性を示さ
ず、D−カイロイノシトール構造を特異的に認識する抗
D−カイロイノシトール抗体。
【0019】12.前記1〜5のいずれか1項に記載の免
疫原を動物に免疫して作成したことを特徴とする前記11
記載の抗D−カイロイノシトール抗体。
【0020】13.前記10〜12のいずれか1項に記載の抗
体を用いた生物学的流体試料中のD−カイロイノシトー
ルの免疫測定方法。
【0021】14.固相化抗原と標識化された前記10〜12
のいずれか1項に記載の抗体を用いることを特徴とする
前記13記載の生物学的流体試料中のD−カイロイノシト
ールの免疫測定方法。
【0022】15.固相化抗原が、上記一般式(1)で示
される化合物のR1を固相に結合させた抗原であること
を特徴とするD−カイロイノシトールの免疫測定方法。
【0023】16.固相化抗原が固相化されたカスガノビ
オサミン又はその誘導体であることを特徴とする請求項
15記載の生物学的流体試料中のD−カイロイノシトール
の免疫測定方法。
【0024】17.カスガノビオサミン又はその誘導体を
蛋白質に結合させて調製したD−カイロイノシトール免
疫測定用固相抗原。
【0025】18.上記一般式(1)で示される化合物の
1と標識とを結合させた構造を有することを特徴とす
るD−カイロイノシトールの免疫測定用標識抗原。
【0026】19.一般式(1)で示される化合物がカス
ガノビオサミン又はその誘導体であることを特徴とする
請求項18記載のD−カイロイノシトールの免疫測定用標
識抗原。
【0027】20.請求項18又は19記載の標識抗原を用い
るD−カイロイノシトールの免疫測定方法。
【0028】21.請求項18又は19記載の標識抗原と請求
項10、11又は12記載の抗D−カイロイノシトール抗体を
含むD−カイロイノシトールの免疫測定用試薬キット。
【0029】イノシトールには、ミオイノシトール、sc
yllo-イノシトール、epi-イノシトール、neo-イノシト
ール、cis-イノシトールなどの異性体の存在が知られて
いる。体液中にはミオイノシトールなどのイノシトール
の異性体がしばしばD−カイロイノシトールと同等もし
くは高い濃度で存在するため、これらの影響を受けない
ことが極めて重要である。しかしながら、もともとミオ
イノシトールとD−カイロイノシトールの違いは下記化
3で示す通り、図中の3位の水酸基の立体配置が異なる
のみで、極めて類似した構造を有しており、交差反応性
のない抗体を得ることは不可能にも思われた。(以後、
ミオイノシトールとD−カイロイノシトールの分子内の
水酸基の位置は下記化3に示した位置により説明す
る。)
【0030】
【化3】
【0031】しかしながら、様々な検討を進めた結果、
特定の構造を有する免疫原を用いることによってこの問
題が解決できることが判明した。すなわち、免疫原がD
−カイロイノシトールの6位の酸素から架橋部分を介し
てキャリア蛋白質と結合し、1,2,3,4,5位の水酸基はそ
のまま残っている構造の免疫原性コンジュゲートを用い
ることによって、ミオイノシトールに対して交差反応性
がない抗D−カイロイノシトール抗体が得られることが
判明した。
【0032】イノシトールのように分子内に複数の同一
の活性基(水酸基)がある化合物の場合、特定の水酸基と
キャリア蛋白質を特異的に結合させることは極めて困難
である。そこで、このような免疫原性コンジュゲートを
調製するため、本発明の一般式(1)で示される化合物
のように分子内にD−カイロイノシトール構造を有し、
かつD−カイロイノシトール構造の6位からエーテル結
合した、分子中に活性基を有する1価の有機基R1を有
している化合物を利用する方法を開発した。
【0033】1価の有機基R1の活性基は、キャリア蛋
白質との架橋反応に利用できる活性基である−NH2,−C
OOH,−SHが好ましい。このような化合物としてカスガ
ノビオサミン又はその誘導体(カスガマイシン又はN2-C
BZ-カスガノビオサミン)が好ましく用いられる。これ
らの化合物はR1に−NH2などの活性基を有しており、キ
ャリア蛋白質であるBSAあるいはKLHと結合させた場合、
前述のD−カイロイノシトールの6位からエーテル結合
した構造の免疫原性コンジュゲートを作成することがで
きる。しかもこの免疫原を用いることによって、抗体価
が高い抗血清が比較的容易に得られることも明らかとな
った。さらに、免疫反応の固相抗原としてもカスガノビ
オサミン又はその誘導体を利用することによって簡単に
かつ均一な構造の固相抗原又は標識抗原を得ることがで
き、D−カイロイノシトールに特異的な抗体のスクリー
ニングや、D−カイロイノシトールの簡便で正確で特異
的な測定が可能となった。
【0034】カスガマイシン塩酸塩又はN2-CBZ-カスガ
ノビオサミンは市販されており容易に入手できる。又、
カスガノビオサミンはAdvan.Chem.Ser.,74,15-40(1968)
に記載されている方法に従って、カスガマイシンのアル
カリ加水分解によって製造することができる。カスガノ
ビオサミンあるいはカスガマイシンなどの誘導体につい
ては、特開昭46-28593号、特開昭46-28594号、Bull.ins
t.Chem.Res.,Kyoto Univ.,50(3),275-302(1972)、Adva
n.Chem.Ser.,74,15-40(1968)などに記載されている。本
発明では、以下に示す方法に従って、カスガマイシンか
らカスガノビオサミンを合成した。
【0035】<カスガノビオサミンの合成>500mlの三
角フラスコにカスガマイシン塩酸塩1水和物(和光純薬
製) 11.1gを分取し、脱炭酸した蒸留水で調製した飽和
水酸化バリウム溶液 300mlと脱炭酸した蒸留水100mlを
添加し、温浴で加熱しながら溶解した。120℃に設定し
たオイルバス内にさきほどの三角型フラスコをセット
し、このまま10時間加熱・撹拌し反応させた。
【0036】反応終了後冷却し、生じた沈殿を吸引濾過
にて除去した。ろ液に、適当に砕いたドライアイスを入
れて5〜10分程度放置し、生じた沈殿を吸引濾過し除い
た。再びドライアイスを入れ新たに沈殿が生じないこと
を確認し、再度濾過した。このろ液を凍結乾燥し、乾燥
物に蒸留水を添加して再溶解し、不溶性成分は遠心分離
にて除去した。これをHPLCにて精製した。ODS-80Tsカラ
ムφ21.5×300mm (東ソー製)、溶離液 水→メタノール
グラジエントにて溶出し、ニンヒドリン反応陽性画分を
分取した。得られた分画を夫々遠心エバポレーターにて
濃縮し、これにエタノールを添加し、白色沈殿を得た。
これを乾燥させて白色粉末を得た。質量分析にてカスガ
ノビオサミンの分子量 308を確認した。
【0037】又、D−カイロイノシトールはJ.Org.Che
m.,58,2331-2333(1993)、Tetrahedron Letters,32(22),
2501-2504(1991)、USP5,091,596などの既報の合成方法
によって製造することができる。本発明では、以下に示
す方法に従って、カスガマイシンからD−カイロイノシ
トールを合成した。
【0038】<D−カイロイノシトールの合成>200ml
のナス型フラスコにカスガマイシン塩酸塩1水和物(和
光純薬製)25gを分取し、5N HCl 77.5mlを添加し、温
浴で加熱しながら溶解した。沸騰している水の入ったウ
ォーターバス内にさきほどのナス型フラスコをセット
し、8時間加熱し反応させた。反応終了後、冷却し以下
に示す方法で精製した。
【0039】あらかじめ調製ずみの陰イオン交換樹脂(I
RA-400OH又はIRA-410...SIGMA製)カラム及び陽イオン交
換樹脂(IR-120+又はIR-118H...SIGMA製)カラムにとう
し、塩素イオンやその他のイオン性不純物を除去した。
さらに、ろ液をC18カラム(Sep-Pak C18 Cartridge ...W
aters製)にとうした。C18カラムの溶出液は遠心エバポ
レーターを用いて濃縮した。容量が数ml以下になると結
晶が析出した。上清を除き、結晶を少量の蒸留水に溶解
し、90%エタノール溶液にて再結晶させた。これを乾燥
させ、白色結晶を得た。
【0040】本発明の免疫原を調製するためには、D−
カイロイノシトール構造の水酸基に対してほとんど反応
性を持たない架橋反応を利用する必要がある。このよう
な架橋反応としては、公知の方法が利用できる。具体的
には、一般式(1)のR1にある−NH2を利用する場合グ
ルタルアルデヒド法、−COOHを利用する場合カルボジイ
ミド法が利用できる。又、−NH2を公知の方法で−SHに
変換し、キャリア蛋白質との間にジスルフィド結合を形
成させる方法、或いは−SHとマレイミドとの反応も利用
可能である。これらの方法についてはエンザイムイムノ
アッセイ 東京化学同人 P.TIJSSEN著 1989などに記載さ
れている。
【0041】免疫原性コンジュゲートに用いられるキャ
リア蛋白質としては、一般的にBSA、KLH、オバルブミ
ン、グロブリン、などが利用されているが、本発明の免
疫原においてもこれらを利用することができ、また特に
これらに限定されない。
【0042】得られた免疫原性コンジュゲートは、フロ
イント完全アジュバント(Difco社製)、リビアジュバン
ト(Ribi社製)、BCG、水酸化アルミニウムなどのアジュ
バントと混合した後、動物に免疫する。免疫する動物と
しては、ウサギ、ヤギ、Balb/c・NZBなどのマウス、ラ
ット、アルメニアハムスター、ヒツジ、トリなどがあげ
られる。マウスを用いる場合は、常法に従ってモノクロ
ーナル抗体を得ることも可能である。免疫原性コンジュ
ゲートの投与量はウサギの場合、初回は約1mg/匹、追
加免疫では約0.5mg/匹であり、これを背部皮内に1〜
4週間間隔、好ましくは2週間間隔で2〜10回程度投与
する。マウスの場合、免疫原性コンジュゲートの投与量
は10〜200μg/匹であり、これを腹腔内、皮下に注射す
る。初回免疫にフロイント完全アジュバントを用いた場
合、2回目以降の追加免疫ではフロイント不完全アジュ
バントと免疫原性コンジュゲートを混合し、2週間ごと
に2〜10回程度投与する。抗体価の測定は初回免疫後2
週間ごとに採血し、血清中の抗D−カイロイノシトール
抗体価を測定する。以下に示すような酵素免疫測定法で
測定することが好ましい。
【0043】抗体価測定の際に固相に用いる抗原は免疫
に用いた免疫原とは異なるキャリア蛋白質の組み合わせ
のものを用いる。これはキャリア蛋白質に対する抗体の
影響を受けないようにするために必要である。例えば、
免疫原のキャリア蛋白質としてKLHを使用した場合、固
相抗原にはBSAをキャリア蛋白質としたものを用いる。
【0044】この場合、カスガノビオサミン又はその誘
導体のD−カイロイノシトール構造以外の部分あるいは
カスガノビオサミン又はその誘導体とキャリア蛋白質を
結合させているスペーサー部分に対する抗体も同時に測
定されることになるので、上記の測定で抗体価の上昇が
確認された場合、固相にD−カイロイノシトールを免疫
原とは別の架橋方法で結合したものを固相抗原として用
いる。例えば、免疫原にカスガノビオサミン−BSA(グル
タルアルデヒド法)を用いた場合、抗体価測定の固相抗
原にはDCI-KLH(ビスエポキシド法)を利用する。これ
によって、D−カイロイノシトールに特異的な抗体を効
率的にスクリーニングすることができるのである。
【0045】本発明の抗体を用いて、酵素免疫検定法(E
IA)、放射線免疫検査法(RIA)などを行うことにより微量
のD−カイロイノシトールを特異的に、かつ正確に測定
することが可能となった。例えば、EIAとしては、「酵
素免疫測定法」(第2版、石川栄治著、医学書院、1982
年)等に記載されている公知の方法を用いることができ
る。
【0046】又、本発明の免疫原は、D−カイロイノシ
トールを免疫学的に測定する際に、固相抗原としても利
用できる。特に本発明の一般式(1)で示される化合物
を固相抗原を利用することによって、特異性の高い測定
が可能となる。
【0047】又、一般式(1)で示される化合物に標識
して作成した標識抗原は、D−カイロイノシトールの免
疫測定のための標識抗原として有用であり、これらの利
用によって、特異性の高い測定が可能となる。
【0048】本発明の一般式(1)で示される化合物
は、好ましくはカスガノビオサミン又はその誘導体があ
げられる。これらの化合物から、標識抗原を調製する場
合、化合物分子中のアミノ基などの活性基を利用して、
適当な標識体と結合させて調製することができる。
【0049】競合法によるEIAでは、抗原(標準サンプ
ルまたは検体)と一定量の抗体と抗原抗体反応を行わ
せ、次に抗原と結合しなかった抗体を固相化抗原と抗原
抗体反応を行わせる。固相化抗原に結合した抗体量を酵
素標識抗体により測定する。あるいは、標準サンプル又
は検体中の抗原と予め一定量の酵素標識抗体(以下標識
抗体)とで抗原抗体反応を行わせた後、抗原とは結合し
ないで残存した標識抗体と固相化抗原とで抗原抗体反応
を行わせて、固相に結合した標識体の量を測定する。標
識体量の測定は、常法により行うことが出来るが、いず
れの場合も既知量の抗原を含む試料を用いて作成した検
量線から検体中の抗原量を算出することが出来る。
【0050】あるいは、一定量の標識抗原と検体との混
合液を固相化抗体と接触させて、抗原抗体反応を行わ
せ、標識抗原と検体中の抗原とを競合させて抗体と結合
させる。その後、固相化抗体に結合した酵素標識抗原量
を、酵素の基質を加えて測定し、既知量の抗原を含む試
料を用いて作成した検量線から検体中の抗原量を求める
ことができる。
【0051】抗体はペプシンで消化して得られるF(a
b’)2、F(ab’)2を還元して得られたFab’、および
抗体をパパインで消化して得られたFabなどの、抗原に
結合する抗体フラグメントを抗体として、また、これら
を標識した標識抗体として使用することが出来る。
【0052】抗体又は抗原の標識酵素としては、ペルオ
キシダーゼ、β-D-ガラクトシダーゼ、アルカリフォス
ファターゼ、グルコースオキシダーゼなどの酵素が利用
でき、「単クローン抗体」(岩崎辰夫 他著、講談社サ
イエンスティフィク(1984))、酵素免疫測定法」(第2
版、石川栄治他著、医学書院、1982年)などに記載され
ている方法で標識することが出来る。
【0053】その他に、放射性物質(125I,131Iな
ど)、フルオレセンなどの蛍光物質、ビオチン、アビジ
ン等も利用することが可能である。放射性ヨウ素で標識
する場合は、分子内にフェニル環を有するN2-CBZ-カス
ガノビオサミンを用いるとよい。
【0054】一方、固相としては、シリコン、ナイロ
ン、プラスチック、ガラスからなるスティック、ビー
ス、マイクロプレートもしくは試験管などが利用でき
る。又、本発明の抗体は、競合法のみならず、凝集法な
どへも利用することができる。以下、本発明を実施例に
よってさらに具体的に説明するが、本発明は、これに限
定されるものではない。
【0055】
【実施例】
実施例1 免疫原性コンジュゲートの調製 下記に示した方法によって、カスガノビオサミン又はそ
の誘導体を用いた免疫原性コンジュゲートを調製した。
又、比較例としてD−カイロイノシトール(以下DCIと略
す)を用いた免疫原性コンジュゲートを調製した。
【0056】カスガマイシン-KLHの調製(グルタルアル
デヒド法) KLH 20mg(PIERCE社製)を0.1M リン酸緩衝液(pH6.8)
0.2mlに溶解し、これに0.6%グルタルアルデヒド水溶液
0.2mlを添加して室温にて18時間反応させた。この反応
液をPBSに対して4℃一夜透析し、余剰のグルタルアル
デヒドを除いた後、得られたKLH溶液を10mg/mlの濃度
となるように希釈した。4mgのカスガマイシン塩酸塩(S
IGMA製)を0.5M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)0.4mlに
溶解し、先のKLH溶液と混合した。4℃にて24時間静置
した後、200mMとなるように1Mグリシンを添加し、2時
間反応させて未反応の活性基をブロックした。これを、
PBSに対して充分に透析し、本発明の免疫原性コンジュ
ゲート−1とする。
【0057】カスガマイシン-BSAの調製(グルタルアル
デヒド法) BSA 20mgを0.1M リン酸緩衝液(pH6.8)0.2mlに溶解
し、これに0.6%グルタルアルデヒド水溶液0.2mlを添加
して室温にて18時間反応させた。PBSに対し、4℃一夜
透析し、余剰のグルタルアルデヒドを除いた後、得られ
たBSA溶液を10mg/mlの濃度となるようにPBSにて希釈し
た。4mgのカスガマイシン塩酸塩(SIGMA製)を0.5M炭酸
ナトリウム緩衝液(pH9.5)0.4mlに溶解し、先のBSA溶
液と混合した。4℃にて24時間静置した後、200mMとな
るように1Mグリシンを添加し、2時間反応させて未反
応の活性基をブロックした。これを、PBSに対して充分
に透析し、本発明の免疫原性コンジュゲート−2とす
る。
【0058】カスガマイシン-KLHの調製(カルボジイミ
ド法) 5mgのKLH(PIERCE社製)を1mlの蒸留水に溶解しpH5.0
となるように希塩酸で調整した。さらに5mgのカスガマ
イシン塩酸塩(SIGMA製)を蒸留水1.25mlに溶解しpH5と
なるように調整し、両液を混合した。1mlの蒸留水に10
mgの塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(EDC)を溶解し、この溶液250μlを、先に調
製したKLH-カスガマイシン溶液に添加し、混合した。室
温で30分間静置し反応させた。希塩酸又は希NaOH溶液に
てpH5.0となるように調整し、さらに90分間反応を行な
った。反応後PBSに対し、4℃一夜透析し、不要な成分
を除去した。これを本発明の免疫原性コンジュゲート−
3とする。
【0059】カスガマイシン-BSAの調製(カルボジイミ
ド法) 5mgのBSAを1mlの蒸留水に溶解しpH5となるように希
塩酸で調整した。さらに5mgのカスガマイシン塩酸塩(S
IGMA製)を蒸留水1.25mlに溶解しpH5.0となるように調
整し、両液を混合した。1mlの蒸留水に10mgの塩酸1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(ED
C)を溶解し、この溶液250μlを先に調製したBSA-カスガ
マイシン溶液に添加し、混合した。室温で30分間静置し
反応させた。希塩酸又は希NaOH溶液にてpH5.0となるよ
うに調整し、さらに90分間反応を行なった。反応後PBS
に対して4℃一夜透析し、不要な成分を除去した。
【0060】カスガノビオサミン-BSAの調製(グルタル
アルデヒド法) BSA 20mgを0.1Mリン酸緩衝液 pH6.8 0.2mlに溶解し、
これに0.6%グルタルアルデヒド水溶液0.2mlを添加して
室温にて18時間反応させた。PBSで平衡化したSephadex
G-25(40ml)でゲル濾過し、余剰のグルタルアルデヒドを
除いた後、得られたBSA溶液を10mg/mlとなるようにPBS
にて希釈した。2mgのカスガノビオサミンを0.5M炭酸ナ
トリウム緩衝液(pH9.5)0.4mlに溶解し、先のBSA溶液
と混合した。4℃にて24時間静置した後、200mMとなる
ように1Mグリシンを添加し、2時間反応させて未反応
の活性基をブロックした。PBSに対して充分に透析し、
不要な成分を除去した。これを本発明の免疫原性コンジ
ュゲート−4とする。
【0061】N2-CBZ-カスガノビオサミン-BSAの調製
(グルタルアルデヒド法) BSA 20mgを0.1M リン酸緩衝液(pH6.8)0.2mlに溶解
し、これに0.6%グルタルアルデヒド水溶液0.2mlを添加
して室温にて18時間反応させる。PBSで平衡化したSepha
dex G-25(40ml)でゲル濾過し、余剰のグルタルアルデヒ
ドを除いた後、得られたBSA溶液をPBSにて2mlに希釈し
た。4mgのN2-CBZ-カスガノビオサミン(SIGMA製)を0.5M
炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)0.4mlに溶解し、先のB
SA溶液と混合した。4℃にて24時間静置した後、200mM
となるように1Mグリシンを添加し、2時間反応させて
未反応の活性基をブロックした。PBSに対して充分に透
析し(4℃、一夜)不要成分を除去した。これを本発明の
免疫原性コンジュゲート−5とする。
【0062】DCI-KLHの調製(ビスエポキシド法) KLH(PIERCE社製) 20mgを蒸留水1mlに溶解し、さらに0.
6N0NaOH 0.5mlを添加し混合した。直ちに、1,4-ブタン
ジオールジグリシジルエーテル 50μlを添加し、ウェー
ブローターにて撹拌を続けながら、25℃で18時間反応さ
せた。冷却下で6N HClを添加し、中和した。直ちに蒸
留水に対して18時間透析を行なった後、5mg/mlの濃度
となるように蒸留水で希釈した。得られた活性化KLH溶
液(4ml)に、DCI 2mgを溶解した0.6N NaOH溶液2ml
を加え、混合し37℃にて48時間反応させた。エタノール
アミン100μlを添加し、さらに37℃にて4時間反応させ
た。冷却下6N HCl を添加し中和した。これを透析チュ
ーブに移し、PBSに対して透析した。(4℃、24時間)こ
れを比較の免疫原性コンジュゲート−1とする。
【0063】DCI-BSAの調製(ビスエポキシド法) BSA 100mgを蒸留水1.5mlに溶解し、0.6N NaOH 1mlを加
え混合した。直ちに、1,4-ブタンジオールジグリシジル
エーテル100μlを添加し、ウェーブローターにて撹拌を
続けながら、25℃で24時間反応させた。冷却下で6N HC
lを添加し、中和した。直ちに蒸留水に対して24時間透
析を行なった。得られた活性化BSA溶液を蒸留水で希釈
し、20mg/mlの濃度とした。この溶液(5ml)にDCI 8
mgを溶解した0.6N NaOH溶液5mlを加え混合し37℃にて4
8時間反応させた。エタノールアミン100μlを添加し、
さらに37℃にて4時間反応させた。冷却下6N HClを添
加し中和した。これを透析チューブに移し、PBSに対し
て透析(4℃、24時間)した。これを比較の免疫原性コン
ジュゲート−2とする。
【0064】免疫 得られた免疫原性コンジュゲートをPBSで希釈し0.5mg/
mlとなるように調製した。これを、フロイントの完全ア
ジュバント(Difco社製)と1:1で混合してエマルジョ
ンとし、これをマウス(Balb/c又はNZB、8週令、雌)に
投与した。マウスへの投与量は免疫原性コンジュゲート
50μg/匹である。2週間ごとに10回、フロイントの不
完全アジュバント(Difco社製)を用いて追加免疫を行な
った。追加免疫の抗原量は20μg/匹とした。各追加免
疫後1週間目に眼底静脈より採血し、抗体価を測定し
た。同様にウサギ(日本白色種)に対しても免疫を行な
った。ウサギへの免疫原性コンジュゲートの投与量は初
回は1mg/羽、追加免疫では0.5mg/羽を背部皮内に投
与した。追加免疫後1週間目に採血し、抗体価を測定し
た。
【0065】抗体価の測定 追加免疫後1週間目ごとに眼底静脈より採血し、マウス
血清の抗体価を以下に示す酵素免疫測定法によって測定
した。固相抗原に用いた免疫原性コンジュゲートは動物
の免疫に利用したものとは異なるキャリア蛋白質の組み
合わせのものを用いた。その組み合わせを下記に示す。
【0066】
【表1】
【0067】96穴のEIA用プレート(NUNC製)に固相抗原
として10μg/mlの免疫原性コンジュゲートを含むPBS p
H7.4を各Wellに100μl/wellずつ分注し、4℃で一夜
インキュベートした。次に、上記の溶液を吸引除去した
後、0.5%カゼインを含むPBS pH7.4を200μl/well分
注し、室温にて2時間インキュベートしブロッキングを
おこなった。0.05% Tween20・PBS(pH7.4)にて3回
洗浄した後、0.5%カゼイン・PBSにて段階希釈したマウ
ス血清を100μl/well分注し、室温にて2時間インキュ
ベートした。0.05%Tween20・PBS(pH7.4)にて3回洗
浄した後、0.5%カゼイン・PBSにて2000倍に希釈したペ
ルオキシダーゼ標識抗マウスIg(A+M+G)(カッペ
ル社製ヤギ)を2次抗体液として100μl/wellずつ各We
llに分注し、室温にて1.5時間インキュベートした。イ
ンキュベート終了後、0.05%Tween20・PBS(pH7.4)に
て6回洗浄した。下記に示す基質液を使用する直前に調
製し、この溶液を各Wellに200μl添加し、室温で15分間
インキュベートし、反応させた。
【0068】 POD基質液組成 (使用する直前に調製する) オルトフェニレンジアミン 10mg 50mMりん酸2ナトリウム-100mMクエン酸緩衝液(pH5.0) 10ml 1.7%過酸化水素溶液 20μl 9N硫酸を 50μl/well添加して反応を停止させた後、
プレートリーダー MPR-A4 (東ソー製)にて492nmの吸光
度を測定し、ODが1.0となる血清の希釈倍率を抗体価と
した。その結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】このように特に本発明の免疫原性コンジュ
ゲートを用いて免疫したマウス血清の抗体価の上昇が確
認された。また、マウス血清の希釈をDCI(1mg/ml)を
含有する0.5%カゼイン・PBSにて行ない、この試料を用
いて同様に測定を行なった。その結果、DCIの存在によ
って反応が阻害されることが確認された。
【0071】さらに本発明の免疫原性コンジュゲートで
免疫した抗血清については、表3に示すように固相抗原
としてDCI結合BSA,又はDCI結合KLHを用いて同様の測定
を行なった。
【0072】
【表3】
【0073】結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】表4から、抗DCI抗体の抗体価が上昇して
いることが確認された。
【0076】2次抗体にペルオキシダーゼ標識抗マウス
Ig(A+M+G)(カッペル社製)のかわりにペルオキ
シダーゼ標識抗ウサギIgG(カッペル社製)を使用した
以外は、同様の方法でウサギ血清の抗体価を測定した。
その結果、本発明の免疫原性コンジュゲートを用いて免
疫したウサギ血清の抗体価の上昇が確認された。
【0077】抗体の調製 初回免疫後、2週間ごとに追加免疫を行ない抗体価の上
昇が確認されたウサギから、初回免疫9週間後に採血し
た。得られた抗血清を常法に従って、硫安分画、プロテ
インA結合アフィニティカラム(Protein A Sepharose CL
-4B ファルマシア社製)で精製しIgG画分を得た。以下免
疫原性コンジュゲート−2で免疫して得られた抗体を例
に説明する。
【0078】本発明の免疫原性コンジュゲート−2によ
って免疫したウサギから得られたIgG画分を、DCI結合担
体(DCI結合Sepharose 6B)にてアフィニティ精製し、吸
着する抗体を取得した。これを本発明の抗体-1とす
る。本精製に使用したアフィニティ担体は下記の方法で
調整した。
【0079】DCI結合担体(DCI結合Sepharose 6B)の調製 Epoxy-activated Sepharose 6B(ファルマシア製)乾燥
粉末1gをガラスフィルター上で100mlの蒸留水で膨
潤、洗浄した。0.1M 炭酸緩衝液 pH11.0に20mg/mlのD
CIを溶解したリガンド液でこのゲルを手早く洗浄した。
前記リガンド液6mlとゲル懸濁液3mlを混合し、ウェー
ブローターで16時間撹拌を続けながら室温(25℃)にて反
応させた。反応後、0.1M 炭酸緩衝液(pH11.0)、蒸留
水、0.1M炭酸緩衝液(pH8.0)、0.1M酢酸緩衝液(pH
4.0)の順に洗浄し、さらに1Mエタノールアミン中に16
時間放置し活性基をブロックした。再度0.1M酢酸緩衝
液・0.5MNaCl,pH4.0 0.1M Tris-HCl・0.5MNaOH pH8.
0,蒸留水で洗浄後、PBSで置換し保存した。
【0080】比較の免疫原性コンジュゲート−2によっ
て免疫したウサギから得られたIgG画分は、DCI結合担体
(DCI結合Sepharose 6B)に通し、吸着する抗体を取得し
た。これを比較の抗体−1とする。
【0081】得られた抗体は過ヨウ素酸法を用いて西洋
ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識化し、HRP標識抗DC
I抗体を調製した。
【0082】エンザイムイムノアッセイ(EIA)によるD
CIの測定 本発明の免疫原性コンジュゲート−1(グルタルアルデ
ヒド法で作成したカスガマイシン−KLH)を固相抗原に
利用し、前述のHRP標識抗DCI抗体を用いて酵素免疫測定
法によるDCI測定系を作成した。
【0083】96穴のELISA用プレート(NUNC製)に10μg/
ml のカスガマイシン-KLH・PBS(pH7.4)100μl/Well
を分注し、4℃、一夜インキュベートした。溶液を吸引
除去した後、0.5%カゼインを含むPBS(pH7.4)を200
μl添加し、室温で2時間インキュベートしブロッキン
グした。試料あるいは既知濃度のDCIあるいはミオイノ
シトールを含む0.5%カゼイン・PBS溶液とHRP標識抗DCI
抗体0.5%カゼイン、・PBSを1:1で混合し、室温で2
時間インキュベートした。この溶液100μlを先のプレー
トに分注し室温にて2時間インキュベートした。0.05%
Tween20を含むPBS(pH7.4)にて6回洗浄した後、直前
に調製した上述したPOD基質液を各Wellに100μl添加
し、室温で15分間インキュベートした。
【0084】9N硫酸 50μlを添加して反応を停止させ
た後、プレートリーダー MPR-A4 (東ソー製)にて492nm
の吸光度を測定した。
【0085】同様に比較の免疫原性コンジュゲート−1
(ビスエポキシド法で作成したDCI結合KLH)を固相抗原
とし、HRPで標識した比較の抗体−1を用いて測定を行
った。
【0086】本発明の抗体−1を用い測定したD−カイ
ロイノシトール及びミオイノシトールの濃度変化に対す
る光学濃度の変化を図1に示し、比較の抗体−1を用い
た結果を図2に示す。図1から、本発明の抗体−1を用
いて試料中のDCIを測定できることがわかる。図2から
比較の抗体−1はミオイノシトールに対する交差反応性
を持っているが、図1に示したように本発明の抗体−1
は、カスガマイシンを用いた免疫原性コンジューゲート
で免疫することによってミオイノシトールに交差反応し
ない抗体が得られた。本発明の免疫原1〜5で免疫して
得られた抗体についても同様の結果が得られた。また、
カスガマイシンを固相抗原として利用する免疫測定法で
DCIを測定することができた。これらによって、共存す
るミオイノシトールの影響を受けずにDCIを測定するこ
とが可能となった。
【0087】実施例2 免疫原の調製(CBZ-SPDP-マレイミドKLH) 下記の反応によりアミノ基を利用して、CBZをKLHに結合
させて、免疫原を調製した。
【0088】反応1 N2-CBZ-カスガノビオサミン(以下CBZ-NH2と略す) +N-
スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネー
ト(以下SPDPと称す)→ SPDP-CBZ + N-ヒドロキシスク
シンイミド 反応2 SPDP-CBZ + ジチオスレイトール(DTT) → CBZ-SH 反応3 CBZ-SH + マレイミド化KLH → CBZ-KLH SPDP10mgをサンプルチューブに計量し、これに無水エタ
ノール0.8mlを添加し溶解した。CBZ 21.6mgをサンプル
チューブに計量し、これに0.1M リン酸ナトリウム pH
7.0 1mlを加え溶解した。両液を混合し、30分放置し反
応させた。反応物を、遠心エバポレーターにて1mlまで
濃縮し、これをHPLCにて分離精製した。分離された分画
は、質量分析によってSPDP-CBZであることを確認した。
【0089】
【化4】
【0090】カラムODS-80Tsφ 21.5×300mm(東ソー
製) Sample量 1ml 流速 4ml/min 溶離液 水→ MeOH グラジエント 検出 UV 220nm 得られたSPDP-CBZを蒸留水約1mlに溶解し、1/2容量
(0.5ml)の150mM DTT(0.1M acetate-Na,0.1M NaCl pH
4.5)を加え、室温にて30min反応させた。反応終了後、
遠心エバポレーターにて1mlまで濃縮した。
【0091】HPLCによるCBZ-SPDPの分離と同条件でサン
プルを分離精製し、CBZ-SHを得た。同定は質量分析にて
行なった。分取したCBZ-SH の1/2量に0.1M リン酸緩
衝液pH7を加え、1mlとした。マレイミド化KLH (PIRC
E社製)10mgに蒸留水を添加・溶解し、これに先ほどのCBZ
-SH溶液を加え、4℃で12時間反応させた。反応終了
後、PBSに対して透析した。これを免疫原又は固相抗原
として利用した。
【0092】免疫 得られたCBZ-SPDP-マレイミドKLHをPBSで0.25mg/mlと
なるように希釈し、この溶液2mlをリビアジュバント1
バイアル(Ribi社製)に添加し、よく混合した。これを、
マウス(Balb/c又はNZB 8週令、雌)の腹腔内に1匹あた
り200μlずつ注射し、免疫感作した。2週間ごとに8
回、同様の方法で追加免疫を行なった。
【0093】抗体の調製 最終免疫の1週間後、数日に
分けて眼底静脈より採血した。得られた血液は、室温に
1時間放置した後、遠心分離して抗血清を得た。得られ
た抗血清を常法に従って、硫安分画、プロテインAアフ
ィニティカラム(Protein ASepharose CL-4B ファルマ
シア社製)で精製しIgG画分を得た。さらに、前述のDCI
結合Sepharose 6Bにてアフィニティ精製を行ない本発明
の抗体−2を得た。
【0094】ビオチン化カスガノビオサミンの調製 カスガノビオサミン2mgを0.1M炭酸緩衝液pH8.5 0.
7mlに溶解した。次にD−ビオチノイル−ε−アミノカ
プロン酸−N−ハイドロキシ−コハク酸イミドエステル
(ベーリンガー マンハイム社製)10mgをジメチルス
ルホキシド 0.3mlに溶解し、ただちに両液を混合した。
室温にて4時間放置し反応させて、標識抗原を得た。免
疫測定に用いる際は、0.5%カゼインを含むPBS(pH7.4)
で7000倍に希釈して使用した。
【0095】ペルオキシダーゼ基質溶液 下記組成の発色剤及び希釈液を調製し、両者を混合して
ペルオキシダーゼ基質溶液を調製した。
【0096】発色剤の調製 クエン酸一水和物を3.95g
秤量し、20ml程度の蒸留水を加え溶解した。このクエン
酸溶液に3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン塩酸塩50
mgを加え撹拌して溶解させた。溶解後蒸留水を加え全量
を25mlに調製した。ここで得られた3,3′,5,5′-テトラ
メチルベンジジン溶液をバイアル瓶に1mlずつ分注し、
凍結乾燥を行なった。これを発色剤とした。
【0097】希釈液の調製 クエン酸三ナトリウム(二
水和物)を9.18g秤量し、蒸留水を450ml程度加え溶解し
た。さらに最終的に0.02重量%濃度になるように過酸化
水素水を加え、良く撹拌した後、蒸留水を加え全量を50
0mlとした。発色剤に基質液20mlを添加して発色液とし
た。
【0098】エンザイムイムノアッセイによるDCIの測
定 96穴のELISAプレート(NUNC製)に本発明の抗体−2 10μ
g/mlを各wellに100μlを分注し、4℃で一夜インキュ
ベートとした。溶液を吸引除去した後、0.5%カゼイン
を含むPBS(pH7.4)を200μl添加し、さらに4℃で一夜
インキュベートし、ブロッキングを行なった。プレート
は検体添加直前に0.05%Tween20を含むPBSにて3回洗浄
した。患者尿あるいは既知濃度のDCIを含有するPBS溶液
と、ビオチン化カスガノビオサミンを含有する0.5%カ
ゼイン・PBSを1:1で混合した。洗浄済みプレート
に、この溶液100μl/wellずつ分注し、25℃で2時間イ
ンキュベートした。0.05%Tween20を含むPBS (pH7.4)
にて、3回洗浄した後、2000倍に希釈したペルオキシダ
ーゼ標識ストレプトアビジン(コスモバイオ製)を各10
0μlずつ分注し、25℃で1.5時間インキュベートした。
0.05%Tween20を含むPBS(pH7.4)にて、4回洗浄した
後、直前に調製したTMBZ基質液を各Wellに100μl添加
し、室温で15分間インキュベートした。9N 硫酸 50μl
を添加して反応を停止させた後、プレートリーダーMPR-
A4 (東ソー製)にて450nmの吸光度を測定した。
【0099】その結果を、図3に示す。得られた検量線
から、測定した2名の健常者尿中のD-カイロイノシトー
ルは、それぞれ5及び11nmol/mlであった。
【0100】
【発明の効果】本発明により、D−カイロイノシトール
を特異的に認識する抗体とそれを作成するための方法が
得られた。更に、体液中のD−カイロイノシトールを正
確にしかも簡便に測定でき、特に、ミオイノシトールな
どの異性体の影響を受けずに、血清・尿・組織抽出液な
どの生物学的流体試料中のD−カイロイノシトールを正
確にそしてより簡単に測定する方法を提供することがで
きた。又、本発明の測定に利用できる特異的な構造の免
疫測定用の固相抗原又は標識抗原が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】免疫測定に本発明の抗体−1を用い、D−カイ
ロイノシトール及びミオイノシトールの濃度変化に対す
る光学濃度を示す図である。
【図2】免疫測定に比較の抗体−1を用い、D−カイロ
イノシトール及びミオイノシトールの濃度変化に対する
光学濃度を示す図である。
【図3】免疫測定に抗体−2を用い、D−カイロイノシ
トールの濃度変化に対する光学濃度を示す図である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で示される化合物の
    1とキャリア蛋白質とを結合させて調製することを特
    徴とするD−カイロイノシトールに特異的な抗体を得る
    ための免疫原。 【化1】 式中、R1は分子中に活性基を有する1価の有機基を表
    す。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で示される化合物が、
    カスガノビオサミン又はその誘導体であることを特徴と
    する請求項1記載の免疫原。
  3. 【請求項3】 カスガノビオサミン誘導体が、カスガマ
    イシン又はN2-CBZ-カスガノビオサミンであることを特
    徴とする請求項2記載の免疫原。
  4. 【請求項4】 カスガノビオサミン又はその誘導体のア
    ミノ基を介してキャリア蛋白質に結合させたことを特徴
    とする請求項3記載の免疫原。
  5. 【請求項5】 カスガマイシンのカルボキシル基を介し
    てキャリア蛋白質に結合させたことを特徴とする請求項
    3記載の免疫原。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の免疫原を動物に免疫して抗体を作成することを特徴と
    するD−カイロイノシトールに特異的な抗体の作成方
    法。
  7. 【請求項7】 固相化抗原として、カスガノビオサミン
    又はその誘導体を用いたD−カイロイノシトールに特異
    的な抗体のスクリーニング方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の免疫原を動物に免疫して得られた抗D−カイロイノシ
    トール抗体のスクリーニング方法において、固相化した
    カスガノビオサミン又はその誘導体と免疫反応し、その
    反応がD−カイロイノシトールによって阻害されること
    を利用するD−カイロイノシトールに特異的な抗体のス
    クリーニング方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の免疫原を動物に免疫して得られた抗D−カイロイノシ
    トール抗体のスクリーニング方法において、固相抗原に
    D−カイロイノシトール結合キャリア蛋白質を用いるこ
    とを特徴とするD−カイロイノシトール構造に特異的な
    抗体のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 カスガノビオサミン又はその誘導体と
    免疫反応し、その免疫反応がD−カイロイノシトールに
    よって阻害されることを特徴とする抗D−カイロイノシ
    トール抗体。
  11. 【請求項11】 ミオイノシトールに交差反応性を示さ
    ず、D−カイロイノシトール構造を特異的に認識する抗
    D−カイロイノシトール抗体。
  12. 【請求項12】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の免疫原を動物に免疫して作成したことを特徴とする
    請求項11記載の抗D−カイロイノシトール抗体。
  13. 【請求項13】 前記請求項10〜12のいずれか1項に記
    載の抗体を用いた生物学的流体試料中のD−カイロイノ
    シトールの免疫測定方法。
  14. 【請求項14】 固相化抗原と標識化された前記請求項
    10〜12のいずれか1項に記載の抗体を用いることを特徴
    とする請求項13記載の生物学的流体試料中のD−カイロ
    イノシトールの免疫測定方法。
  15. 【請求項15】 固相化抗原が、上記一般式(1)で示
    される化合物のR1を固相に結合させた抗原であること
    を特徴とするD−カイロイノシトールの免疫測定方法。
  16. 【請求項16】 固相化抗原が固相化されたカスガノビ
    オサミン又はその誘導体であることを特徴とする請求項
    15記載の生物学的流体試料中のD−カイロイノシトール
    の免疫測定方法。
  17. 【請求項17】 カスガノビオサミン又はその誘導体を
    蛋白質に結合させて調製したD−カイロイノシトール免
    疫測定用固相抗原。
  18. 【請求項18】 上記一般式(1)で示される化合物の
    1と標識とを結合させた構造を有することを特徴とす
    るD−カイロイノシトールの免疫測定用標識抗原。
  19. 【請求項19】 一般式(1)で示される化合物がカス
    ガノビオサミン又はその誘導体であることを特徴とする
    請求項18記載のD−カイロイノシトールの免疫測定用標
    識抗原。
  20. 【請求項20】 請求項18又は19記載の標識抗原を用い
    るD−カイロイノシトールの免疫測定方法。
  21. 【請求項21】 請求項18又は19記載の標識抗原と請求
    項10、11又は12記載の抗D−カイロイノシトール抗体を
    含むD−カイロイノシトールの免疫測定用試薬キット。
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