JP4602488B2 - 抗血清およびその製造方法 - Google Patents
抗血清およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4602488B2 JP4602488B2 JP25139597A JP25139597A JP4602488B2 JP 4602488 B2 JP4602488 B2 JP 4602488B2 JP 25139597 A JP25139597 A JP 25139597A JP 25139597 A JP25139597 A JP 25139597A JP 4602488 B2 JP4602488 B2 JP 4602488B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antiserum
- antigen
- acrolein
- acr
- formyldehydropiperidine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗血清およびその製造方法に関する。詳しくは、食用油あるいはプラスチックなどの分解物であるアクロレイン(略語:ACR)と生体内蛋白質の複合体に対して、高い特異性を有する抗血清とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内の脂質成分としては、トリグリセライド、リン脂質、コレステロールエステルあるいは遊離型脂肪酸などが知られており、特にこれらの化合物が高度不飽和脂肪酸残基を有する場合、生体に作用する様々な酸化ストレスによって、過酸化を受け易く、更に、二次酸化により生じた分解物が、様々な病態に関与していることが明らかにされつつある。
【0003】
前記高度不飽和脂肪酸残基を有する化合物としては、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などが代表的なものである。その過酸化分解物としては、マロンジアルデヒド、4−ヒドロキシノネナールおよび4−ヒドロキシヘキセナールなどのアルデヒドが知られている。これらのアルデヒドは生体内の蛋白質、ペプチドあるいはアミノ酸等と反応して付加体を形成し、様々な疾病との関与が盛んに研究されている。特に、マロンジアルデヒドあるいは4−ヒドロキシノネナールと蛋白質との付加体が動脈硬化層に多く存在することが確認されており、動脈硬化症との因果関係が非常に注目されている。
【0004】
一方、ACRは、食用油の加熱、あるいは、ガソリンあるいはプラスチックの燃焼によって生成することが知られているアルデヒドの1種である。前記の高度不飽和脂肪酸から生成するとされるマロンジアルデヒド、4−ヒドロキシノネナールあるいは4−ヒドロキシヘキセナールなどとは異なって、生体内で生成する直接的な証明は未だなされていないが、食用油あるいは食品の包装材料等に用いられているプラスチックの分解によって生じ、経口などの経路で生体内に移行し、生体に対して様々な毒性を示す事が危惧されている。
【0005】
このように生体に対してACRが及ぼすと考えられる毒性としては、強い発癌性が挙げられ、これはACRの反応性の高いアルデヒドとしての性質によるものである〔H.Esterbauer.et al.,Naturforsch.30,466(1975)、J.C.Gan et al.,Res.Commun.Chem.Pathol.Pharmacol.419,55(1987)〕。具体的には、ACRは、生体内の蛋白質、ペプチドあるいはアミノ酸等が含有するアミンあるいはチオールなどの求該基と非常に反応性が高いことがその原因と考えられている。ACRとアミノ酸のアミノ基との反応は、次式(1)に示す反応機構が知られており、アミノ基1個に対してACR2個が付加反応し、ホルミルデヒドロピペリジン構造を有する化合物が生成する。
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R1 、R2 は蛋白質残基、ペプチド残基、もしくはR1 =R2 =Hを示す。〕
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この様に、生体の疾病との相関が注目されているACRに関連して、ACRと、蛋白質、ペプチドあるいはアミノ酸との付加体(略語:ACR付加体)の定性あるいは定量を免疫学あるいは生化学的に行うことが非常に重要である。臨床診断学的あるいは臨床医学的な見地からこれらを可能にする技術が強く求められているものの、具体的手段あるいは技術は未だ確立されていない。
【0009】
そこで本発明は、ACRと蛋白質あるいはペプチドの構成アミノ酸の1つであるリジン(略語:Lys)の付加体に関して着目し、このACR付加体が有するホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造に対して認識特異性の高い抗血清と、その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、アクロレイン(略語:ACR)で修飾したカギアナカサガイのヘモシアニンを抗原として調製した、次式(2)で示されるホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造に対して高い認識特異性を有する抗血清を見出した。
【0011】
【化4】
【0012】
〔式中、R1 、R2 は蛋白質残基、ペプチド残基、もしくはR1 =R2 =Hを示す。〕
また、本発明の抗血清の製造方法は、(1)アクロレインで修飾したカギアナカサガイから得たヘモシアニンを抗原とし、(2)恒温動物に免疫して、次式:
【0013】
【化5】
【0014】
〔式中、R1 、R2 は蛋白質残基、ペプチド残基、もしくはR1 =R2 =Hを示す。〕
で示されるホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造に対して高い認識特異性を有する抗血清を採取する抗血清の製造方法を確立した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0016】
本発明に用いることができる抗原は、蛋白質とACRの反応物であれば良く、蛋白質としては、例えば、牛血清アルブミン、卵白アルブミン、血清リポタンパク、カギアナカサガイのヘモシアニンなどが挙げられ、好ましくはカギアナカサガイのヘモシアニンが用いられる。
【0017】
抗原を調製するための蛋白質とACRの反応は、緩衝液中で混合攪拌して実施することができる。用いる緩衝液としては、トリス、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩緩衝液が挙げられ、緩衝液の濃度は、例えば、1mMから0.2M、好ましくは、10〜100mM(リン酸緩衝液)である。この反応の終点は、蛋白質中のアミノ酸の減少率で検出することが可能である。アミノ酸の減少率は、例えば、反応前後の試料のACRと反応していないアミノ酸をアミノ酸自動分析装置(JEOL JLC−300)で測定することによって求める。アミノ酸減少率による反応終点は、例えば、リジン減少率が50%以上となる時点が挙げられ、好ましくは60%以上、さらに好ましくは75%以上減少する時点である。このようなリジン減少率となる反応条件は、例えば、25〜45℃で1〜72時間が挙げられ、好ましくは30〜40℃で2〜6時間である。
【0018】
本発明の抗血清の作製は、前記抗原により恒温動物(ヒトを除く)を免疫し、該恒温動物から血液を採取し、採取した血液から本発明の抗血清を分離・精製することにより行うことができる。例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ等の恒温動物を免疫するには通常の免疫の方法を用いて、例えば、7ないし30日、特に12ないし16日間隔で2または3回の投与等が好ましい。投与量は1回につき、例えば抗原約0.05から2mg程度を目安とする。投与経路は、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与等を選択することができるが、静脈内、腹膜腔内もしくは皮下に行われうる注射が好ましい投与形態である。さらに皮下注射と腹膜腔内注射の組み合わせが特に好ましい。
【0019】
なおこの場合、抗原は適当な緩衝液、例えば完全フロイントアジュバンド、水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジュバントの1種を含有するナトリウム系リン酸緩衝液、生理食塩水等に溶解して用いられるが、投与経路や条件等によっては、上記のようなアジュバントを使用しないこともある。ここでアジュバントとは抗原とともに投与した時、非特異的にその抗原に対する免疫反応を増強する物質を意味する。そして、上記の恒温動物の0.5ないし4ヶ月間処置せずに放置した後、該恒温動物の血清を耳静脈等から少量サンプリングし、抗体価を測定する。抗体価が上昇してきたら、状況に応じて抗原の投与を適当回数実施する。例えば、100μgないし1000μg、特に50μgないし500μgの抗原の投与量でもう1回の投与が行われる。最後の投与の1週間ないし2ヶ月間後に免疫した恒温動物から通常の方法により血液を採取して、該血液を、例えば遠心分離することによって本発明の抗血清を得ることができる。
【0020】
本発明で得られた抗血清を、必要に応じて、例えば、硫酸アンモニウムまたはポリエチレングリコールを用いることによる沈殿、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の通常の方法によって分離・精製し、抗体画分、即ちポリクローナル抗体を得ることができる。この様な本発明の抗血清を更に精製することは、本発明の抗血清の有する高い認識特異性に悪影響を与えない範囲において、実施することが可能である。
【0021】
ホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造に対する認識特異性の測定方法は、酵素免疫測定の原理に基づく。その測定方法の概略は次の▲1▼〜▲6▼である。
【0022】
▲1▼イムノプレートに抗原を吸着させる。▲2▼洗浄後、ブロッキング剤を加える。▲3▼洗浄後、ホルミルデヒドロピペリジン−リジン抗体(1次抗体)を含有する抗血清を加え、抗原と結合させる。▲4▼洗浄後、酵素標識抗体(2次抗体)を加え、1次抗体と結合させる。▲5▼洗浄後、標識酵素の基質と発色試薬を加え発色させる。▲6▼硫酸を加えて発色反応を停止させ、マイクロプレートリーダーを使い吸光度を測定する。
【0023】
本発明の抗血清は、炭素数が2以上のアルキル鎖を有するホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を認識する特異性を有し、好ましくは炭素数が6のアルキル鎖を有する場合である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0025】
抗原の調製
カギアナカサガイのヘモシアニン抗原(以下KLHと略す)(2mg/ml)とACR(10mM)を50mMリン酸緩衝液(pH7.2)1ml中で37℃、24時間反応させた。アミノ酸分析でACR修飾KLH中の減少したアミノ酸を調べたところ、リジン(略語:Lys)が80%減少していた。ACR修飾KLH(1mg/ml)を1.5倍量のアジュバントとよく混合後、エマルジョンにし、抗原とした。粘性は増し白く濁った溶液になった。アジュバントは、初回免疫の時はフロイント完全アジュバントを用い、2回以後の免疫には、フロイント不完全アジュバントを用いた。
【0026】
抗血清の調製
予め一週間飼育して変化した環境に慣らしたNew Zealand White rabbit(体重2kg前後、オス)を用いて免疫を開始した。足の3〜5箇所に約400μlずつ、アジュバント−抗原混合物を1ml筋肉注射した。4、6、8、10週後さらに追加免疫した。免疫した1週間後に耳の静脈より約1ml採血した。採った血液は4℃で一晩保存した後、3000rpmで10分間遠心分離した上清を抗血清として得、本発明の抗血清とした。
【0027】
抗体産生の応答は、前記「抗原の調製」で修飾したのと同様な方法でACR修飾したBSAを抗原として用い、Tween−トリス緩衝液(TTBS)で1000倍希釈したものを1次抗体としてウエスタンブロットにより確認した。2回目免疫後に得られた血清より抗体の産生が確認され、免疫3回目以降の血清ではさらに抗体価が上がっていた。
【0028】
最終免疫した8〜10日後に心臓より全採血を行い、採った血液を4℃で一晩保存した後、3000rpmで10分間遠心分離し、上清を本発明による抗血清として採取した。抗血清は使用するまでの間、短期間の場合は4℃、長期間の場合は−70℃で保存した。
【0029】
抗血清の特性評価法
アクロレイン付加体等を抗原とし、以下の酵素免疫測定にて本発明の抗血清を評価した。
【0030】
(1)96穴イムノプレートに被検抗原をウエル当たり5μg/mlを0.1ml加え、プレートに吸着させた。
【0031】
(2)TWEEN−トリス緩衝液(略語:TTBS)で3回洗った後、1%BSAを0.1ml加えて37℃、1時間インキュベートし、BSAを吸着させることでプレートの非特異吸着を防止した。
【0032】
(3)TTBSで3回洗った後、TTBSで1000倍希釈した本発明の抗血清を0.1ml加えて、37℃、3時間インキュベートし抗原と結合させた。この時、ブランク用にはTTBSのみを加えた。
【0033】
(4)TTBSで3回洗った後、ホースラデイシュパーオキシダーゼ(略語:HRP)標識されている抗Rabbit IgG抗体(2次抗体)をTTBSで5000倍希釈し、0.1ml加え、37℃、1時間インキュベートして1次抗体と結合させた。
【0034】
(5)TTBSで3回洗った後、0.4mg/ml(0.1Mクエン酸緩衝液、pH5.0)のο−フェニレンジアミン+0.003%H2 O2 を1ml加え、室温で約15〜20分間インキュベートして発色させた。
【0035】
(6)2N H2 SO4 を50μl加え、発色反応を停止させた。
【0036】
(7)マイクロプレートリーダーを使って、492nmの波長で吸光度を測定し、アクロレイン修飾蛋白質を定量した。
【0037】
抗血清の反応特異性評価
種々のアルデヒドで修飾した特定の蛋白質に対する本発明の抗血清の抗原−抗体反応の特異性を評価した。本発明で検討を加えたACRに加え、マロンジアルデヒド(略語:MDA)、4−ヒドロキシノネナール(略語:HNE)、グリオキサール、メチルグリオキサール、グリセルアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリコアルデヒド、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、グルコソン、フラクトース、アラビノース、グルコール−6−リン酸およびフラクトース−6−リン酸を用いて、牛血清アルブミン(略語:BSA)を常法に従って修飾した化合物を調製し、前記「抗血清の特性評価法」の酵素免疫測定法により交差性を検討した。
【0038】
その結果を図1に示した。ACR以外のアルデヒドで修飾した蛋白質は、抗原−抗体反応性を示さないことが明らかとなった。本発明の抗血清は、アクロレインで修飾した蛋白質に対してのみ特異的に抗原−抗体反応性を有することが明らかとなった。
【0039】
抗血清のエピトープ解析
アルキル鎖の異なる1級アミンとACRの1対2のホルミルデヒドロピペリジン構造を有するACR−アミン付加体を調製し、これら化合物についての交差性を検討した。一級アミンとしては、メチルアミン(略語:MeNH2 )、エチルアミン(略語:EtNH2 )、ノルマルプロピルアミン(略語:PrNH2 )、ノルマルブチルアミン(略語:BuNH2 )およびノルマルヘキシルアミン(略語:HeNH2 )を用い、前記付加体の調製条件に従って各ACR−アミン付加体、即ち、ACR−MeNH2 、ACR−EtNH2 、ACR−PrNH2 、ACR−BuNH2 、ACR−HeNH2 を調製した。加えてACR−N−α−アセチルリジン付加体(略語:ACR−Lys)を常法に従って作製し、上記の各ACR−アミン付加体の対照系とした。これらの付加体に対する本発明の抗血清の交差性を評価しエピトープ解析を行った。
【0040】
尚、交差性の評価については、前記「抗血清の特性評価法」において、96穴イムノプレートに前記「抗血清の反応特異性評価」で調製したACR−BSA付加体を吸着させてTTBSで1000倍希釈した本発明の抗血清(1次抗体)に上記の各種ACR−アミン付加体を加えて測定する競合酵素免疫測定法に基づいて行った。その結果を縦軸に競合物質の阻害率(B/B0 :尚、BとB0 はそれぞれ競合物質の存在下、非存在下における吸光度を示す)、横軸に競合物質の濃度を採ったグラフとして図2に示す。
【0041】
図2よれば、アルキル鎖の炭素数が2〜6のものは本発明の抗血清と高い親和性を有し、炭素数2以上のアルキル鎖を認識するエピトープであることが明らかである。
【0042】
抗血清の有用性−1
20μMのLDL溶液0.5mlと100μMの銅イオン溶液0.1mlを混合し、50mMリン酸緩衝液で1mlとした後、37℃で24時間インキュベートし、酸化LDLを調製した。この試料を用い、本抗血清を用いた酵素免疫測定を前記「抗血清の特性評価法」に従って実施し、その結果を縦軸に吸光度、横軸にインキュベーション時間を採ったグラフとして図3に示す。
【0043】
図3によれば、銅イオン処理による酸化LDL中には、ACR付加体すなわちホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を有する化合物が存在することが明らかであり、生体中でのACR付加体分析への研究に有用である。
【0044】
抗血清の有用性−2
20mMのアラキドン酸溶液1ml、10mMアラキドン酸溶液と10mMグルコース溶液の1:1混合液1ml、100mMのグルコース溶液1ml、10mMのグルコース溶液1mlおよび10mMのアスコルビン酸溶液1mlに、牛血清アルブミン(BSA)を1mg/mlとなるように加え、37℃で1〜4週間インキュベートした。この試料を用い、本発明の抗血清を用いた酵素免疫測定を前記「抗血清の特性評価法」に従って実施し、その結果を縦軸に吸光度、横軸にインキュベーション時間を採ったグラフとして図4に示す。
【0045】
図4によれば、アラキドン酸系のみに、ACR付加体すなわちホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を有する化合物が存在することが明らかである。生体内で、不飽和脂肪酸であるアラキドン酸からのACR付加体生成は未だ証明されていないが、これらの研究において本発明の抗血清は有用であり、また、今後、ACR付加体生成が証明されれば、本発明の抗血清はその応用において有用となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、ホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を持つアクロレイン−リジン付加体を特異的に認識する特徴を有する。本発明の抗血清は、アクロレインで修飾したカギアナカサガイから得たヘモシアニンを抗原とし、恒温動物に免疫して抗血清を採取することにより本発明の抗血清を簡便に効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定の蛋白質への種々のアルデヒド付加修飾物に対する本発明の抗血清の交差性について、酵素免疫測定法により測定したグラフである。
【図2】抗ホルミルデヒドロピペリジン−リジン抗体を含有する本発明の抗血清の認識部位について、種々のアミンをACR修飾したものを競合物質として用い、競合酵素免疫測定法により測定した結果を示すグラフである。
【図3】酸化LDLに対する本発明の抗血清の親和性を示すグラフである。
【図4】酸化アラキドン酸に対する本発明の抗血清の親和性を示すグラフである。
Claims (4)
- アクロレインで修飾したカギアナカサガイから得たヘモシアニンを抗原として調製した抗血清であって、次式:
で示されるホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を認識し、
炭素数2−6のアルキル鎖を有する第1級アミンとアクロレインからなるホルミルデヒドロピペリジン構造を有するアクロレイン−アミン付加体に対して親和性を有し、
マロンジアルデヒド、4−ヒドロキシノネナール、グリオキサール、メチルグリオキサール、グリセルアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリコアルデヒド、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、グルコソン、フラクトース、アラビノース、グルコール−6−リン酸およびフラクトース−6−リン酸から選ばれたアルデヒドで修飾した蛋白質に対して抗原−抗体反応を示さない抗血清。 - 炭素数が2以上のアルキル鎖を有するホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を認識する請求項1記載の抗血清。
- (1)アクロレインで修飾したカギアナカサガイから得たヘモシアニンを抗原とし、
(2)恒温動物(ヒトを除く)に免疫して、次式:
で示されるホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を認識し、
炭素数2−6のアルキル鎖を有する第1級アミンとアクロレインからなるホルミルデヒドロピペリジン構造を有するアクロレイン−アミン付加体に対して親和性を有し、
マロンジアルデヒド、4−ヒドロキシノネナール、グリオキサール、メチルグリオキサール、グリセルアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリコアルデヒド、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、グルコソン、フラクトース、アラビノース、グルコール−6−リン酸およびフラクトース−6−リン酸から選ばれたアルデヒドで修飾した蛋白質に対して抗原−抗体反応を示さない抗血清を採取することを特徴とする抗血清の製造方法。 - 炭素数が2以上のアルキル鎖を有するホルミルデヒドロピペリジン−リジン構造を認識する請求項3記載の抗血清の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25139597A JP4602488B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 抗血清およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25139597A JP4602488B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 抗血清およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180023A JPH1180023A (ja) | 1999-03-23 |
JP4602488B2 true JP4602488B2 (ja) | 2010-12-22 |
Family
ID=17222214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25139597A Expired - Lifetime JP4602488B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 抗血清およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4602488B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100240148A1 (en) | 2007-10-22 | 2010-09-23 | Alfresa Pharma Corporation | Method and Kit for Measurement of Acrolein Adduct in Sample Utilizing Agglutination Reaction of Immunological Microparticle |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP25139597A patent/JP4602488B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1180023A (ja) | 1999-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Palinski et al. | Antisera and monoclonal antibodies specific for epitopes generated during oxidative modification of low density lipoprotein. | |
US5698197A (en) | Monoclonal antibody specific for advanced glycosylation endproducts in biological samples | |
USRE39138E1 (en) | Monoclonal antibody specific for advanced glycosylation endproducts in biological samples | |
JP4016304B2 (ja) | モノクローナル抗体、ハイブリッド細胞、およびモノクローナル抗体の製造方法 | |
US4778752A (en) | Receptors specific for hapten-modified self proteins | |
SE427931B (sv) | Forfarande for framstellning av en pankreatisk glukagonspecifik antikropp | |
WO1996020958A9 (en) | Monoclonal antibodies specific for advanced glycosylation endproducts in biological samples | |
JP2001516567A (ja) | 抗原の免疫原性および抗体の特異性を改善する方法 | |
JP4602488B2 (ja) | 抗血清およびその製造方法 | |
FR2637897A1 (fr) | Dosages immunologiques de l'azt, derives et conjugues et anticorps | |
JP3997576B2 (ja) | モノクローナル抗体、ハイブリッド細胞およびモノクローナル抗体の製造方法 | |
JP2000191699A (ja) | 50(v/v)%有機溶媒水溶液においてもその抗原認識特性が実質的に低下しないコプラナ―PCBに特異的に反応するモノクロ―ナル抗体及びその測定方法 | |
JP4629175B2 (ja) | モノクローナル抗体 | |
JP2600325B2 (ja) | 抗体、抗体産生細胞および抗体の作製方法 | |
JP4660956B2 (ja) | モノクローナル抗体およびモノクローナル抗体の製造方法 | |
JP4080196B2 (ja) | モノクローナル抗体、ハイブリッド細胞およびそれらの製造方法 | |
JPH1171400A (ja) | 抗血清およびその製造方法 | |
JPH07209295A (ja) | 抗体及び酵素標識抗原並びにこれらを用いる酵素免疫測定法及び測定用キット | |
JPH07209296A (ja) | 抗原及び酵素標識抗体並びにこれらを用いる酵素免疫測定法及び測定用キット | |
WO1988004670A1 (en) | Bilirubin antigen, monoclonal antibody therefor, process for their preparation, and their use | |
JP4013312B2 (ja) | モノクローナル抗体およびハイブリッド細胞 | |
WO1991006005A1 (fr) | Procede de titrage de l'acide d-vanillylmandelique, et reactif et kit utilises | |
EP0873136B1 (en) | High fluorescence specific immune enhancing factor and methods of use for same | |
JPH1072499A (ja) | ポリクローナル抗体および製造方法 | |
JPH0821835A (ja) | D−カイロイノシトールの免疫測定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040824 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070406 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070712 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070910 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070925 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070925 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20071030 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20071130 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100930 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |