JPH0821826A - 音響測定装置 - Google Patents

音響測定装置

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JPH0821826A
JPH0821826A JP6176209A JP17620994A JPH0821826A JP H0821826 A JPH0821826 A JP H0821826A JP 6176209 A JP6176209 A JP 6176209A JP 17620994 A JP17620994 A JP 17620994A JP H0821826 A JPH0821826 A JP H0821826A
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vibration
sample
wave
elastic
unit
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Withdrawn
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JP6176209A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Sakai
貢 酒井
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02827Elastic parameters, strength or force

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料表面に励起された弾性表面波の音速を局
所的に検出し、試料の局所領域の弾性特性を測定できる
ようにした音響測定装置を提供する。 【構成】 表面にマイクロカンチレバー2を配置した試
料1の表面に、振動発生手段でレイリー波の定在波を発
生させ、定在波の一部をカンチレバー2へ漏洩させてカ
ンチレバー2の先端端面を定在波と同じ周波数で振動さ
せ、この振動振幅をZ方向変位検出手段3で検出する。
そしてマイクロカンチレバー2とZ方向変位検出手段3
を一体にして試料1に対して、定在波の波数ベクトルの
方向に走査し、Z方向変位検出手段からの出力をモニタ
ーしながら、定在波の隣り合う節間の距離を測定し、レ
イリー音速を検出するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、材料の特性を音波を
用いて測定する音響測定装置に関し、特に原子間力顕微
鏡と組み合わせることにより、試料表面の極めて局所的
な領域の音速変化を検出して材料特性を測定することが
可能な音響測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の表面波音波を用いた材料
特性の測定方法を説明するための図である。図5におい
て、101 は金属などの固体試料、102 は試料101 の表面
に配置されたアクリル樹脂等で形成された超音波送波用
くさびである。送波用くさび102 の斜面 102aの法線と
底面(試料101 と接する面) 102bの法線のなす角θR
は、次式(1)を満たすように形成されている。 θR =Arcsin(V1L/V2R) ・・・・・(1) ここで、V1Lは送波用くさび102 の縦波音速、V2Rは試
料101 のレイリー音速である。
【0003】また、送波用くさび102 の斜面 102aに
は、ZnO等の圧電体からなる送波用トランスジューサ10
3 が設けられており、該送波用くさび102 中へ、斜面 1
02aの法線方向に縦波を送波するようになっている。送
波用くさび102 から距離dだけ離れた試料101 の表面位
置には、受波用くさび104 が、送波用くさび102 と対向
して設けられており、該受波用くさび104 は送波用くさ
び102 と同様な構成をもち、斜面 104aに受波用トラン
スジューサ105 が設けられている。
【0004】このように構成されている表面波音波を用
いた測定装置において、送波用トランスジューサ103 に
インパルス的な電気信号を印加すると、送波用くさび10
2 中に縦波音波が励起され、この縦波音波がレイリー角
θR で試料101 へ入射する。このため送波用くさび102
と試料101 の境界面において、縦波はレイリー波にモー
ド変換され、試料101 の表面を図5において左から右の
向きに、レイリー音速V2Rで伝播して行く。試料101 が
均質且つ等方的であるときは、そのレイリー音速V2R
非分散的であり、近似的に次式(2)で与えられる。 V2R/V2S=(0.875 +1.125 σ)/(1+σ) ・・・・・(2) ここで、V2Sは試料101 の横波音速、σはポアソン比で
ある。
【0005】V2Sは、試料101 が均質且つ等方的という
同じ条件を満たすとき、次式(3)で与えられる。 V2S=〔1/ρ・E/{2(1+σ)}〕1/2 ・・・・・(3) ここで、ρ,Eは、それぞれ試料101 の密度、ヤング率
である。
【0006】レイリー音速V2Rで試料表面を伝播したレ
イリー波は、受波用くさび104 により再び縦波にモード
変換され、受波用トランスジューサ105 により電気信号
として検出される。送波時刻に対する受波時刻、すなわ
ち音波の伝播時間をT2 、送波及び受波用くさび中を縦
波が伝播する時間をT1 (これは予め測定可能であり、
定数として扱うことができる)、τ=T2 −T1 とする
と、T2 を測定することにより、試料101 のレイリー音
速V2Rは、次式(4)で求められる。 V2R=d/τ ・・・・・(4)
【0007】上記(2),(3)式から分かるように、
レイリー音速V2Rは試料の弾性定数E,σ,ρによって
決定されるものである。したがって、これらのパラメー
タが変化するような部分が伝播路中に存在すると、レイ
リー音速V2Rが変化し、試料の不均一性を調べることが
可能になる。なお、弾性定数の変化の要因としては、例
えば鉄鋼構造体に生ずる応力等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示し
た従来の測定装置においては、レイリー音速V2Rの測定
精度を、ある程度向上させるためには、音波の伝播距
離、すなわち送波及び受波用くさび間の距離dをマクロ
な大きさにする必要がある。求める測定精度をδ、時間
の測定確度をΔτとすると、これらの2つのパラメータ
は次式(5)に示すように結ばれる。 d/V2R−d/〔V2R(1+δ)〕=Δτ ・・・・・(5)
【0009】実際に、レイリー音速V2Rを鉄と同等の値
の約3000m/sec 、測定精度δを0.1 %(δ=0.001
)、Δτを1nsec とすると、(5)式から必要な伝
播距離dは約3mmにもなってしまう。
【0010】半導体プロセスにおいて導入された熱歪に
伴うウェーハ中の弾性率変化の検出等、マイクロファブ
リケーションにおける弾性率を検出するには、より局所
的な測定が必要となるが、従来の測定方法では、かかる
局所的な測定は、上記理由により困難である。
【0011】本発明は、従来の表面波音波を用いた音響
測定装置における上記問題点を解消するためになされた
もので、試料の局所的な弾性定数の変化の検出が可能
で、半導体プロセス等において導入された材料の不均質
性等を測定することの可能な音響測定装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、本発明は、試料表面に弾性振動を発生させ
る振動発生手段と、前記試料表面の弾性振動のエネルギ
ーの一部を受けて振動する先端部分と該先端部分で受け
た弾性振動が伝達される端面部分とを有する弾性部材
と、該弾性部材の端面部分に伝達された弾性振動の振幅
を検出する振動振幅検出手段と、少なくとも前記試料表
面の弾性振動の波数ベクトルの方向に1次元的に前記弾
性部材と振動振幅検出手段とを一体的に移動させる走査
手段と、該走査手段を駆動する走査駆動手段と、前記走
査手段の移動量を出力する移動量出力手段と、該移動量
出力手段の出力の関数として前記振動振幅検出手段の出
力を記憶する記憶手段と、少なくとも該記憶手段のデー
タを表示する処理・表示手段とで音響測定装置を構成す
るものである。
【0013】このように構成した音響測定装置におい
て、振動発生手段により試料表面に弾性振動を励起さ
せ、その振動エネルギーの一部を弾性部材の先端部分で
受け取り、その端面部分へ伝達し、弾性振動の振動振幅
を振動振幅検出手段で検出する。そして、弾性部材と検
出手段とを、走査駆動手段で駆動される走査手段で、少
なくとも試料表面の弾性振動の波数ベクトルの方向に1
次元的に移動させると共に、移動量出力手段から走査手
段の移動量を出力させ、その出力の関数として振動振幅
検出手段の出力を記憶手段に記憶させ、記憶手段からの
データに基づいて処理・表示手段で、局所的な音速デー
タの表示を行う。これにより、試料表面に励起された弾
性表面波の音速を、該表面波の1/2波長程度の局所領
域で測定することが可能となる。
【0014】
【実施例】次に実施例について説明する。まず、本発明
に係る音響測定装置の基本的な構成を、図1に示す概念
図に基づいて説明する。図1において、1は試料、2は
原子間力顕微鏡に用いられるマイクロカンチレバー、3
はマイクロカンチレバー2の振動量を検出するZ方向変
位検出手段である。Z方向変位検出手段3としては、例
えば光学的干渉計、三角測量方式変位計、臨界プリズム
方式の変位計、静電容量方式の変位計、あるいは、弾性
部材端面に設けられた振動を電気信号に変換する機械−
電気エネルギー変換素子(例えば圧電体)等が用いられ
る。そしてマイクロカンチレバー2とZ方向変位検出手
段3とは一体にして、試料1に対して矢印方向へ移動で
きるように構成されている。
【0015】このように構成されている音響測定装置に
おいて、試料特性の測定の際は、試料1上にレイリー波
の定在波を発生させる。定在波の一部はマイクロカンチ
レバー2へ漏洩し、カンチレバー2のチップ2a内をエ
バネセント波として伝播し、チップ2aの端面Aを定在
波と同じ周波数で振動させる。この振動は、Z方向変位
検出手段3により捕捉されモニターされる。
【0016】定在波の周期Xは、レイリー波の波長λR
の半分λR /2である。レイリー波は非分散的な弾性波
なので、周期Xは次式(6)で表される。 X=λR /2=(V2R/f)/2 ・・・・・(6) ここで、fは音波の周波数である。
【0017】したがって、Z方向変位検出手段3の出力
をモニターしながら、定在波の例えば隣り合う節の距離
を測定すれば、定在波の周期Xが得られ、更に(6)式
を用いることにより、レイリー波の音速V2Rが得られ
る。そして、このレイリー波音速V2Rの変化により試料
特性が検出できる。
【0018】次に、図2に基づいて具体的な第1実施例
について説明する。図2において、11は各機械的要素を
取り付けるベース、12は該ベース11上に取り付けられた
試料、13は試料12上に配置されたアクリル樹脂製の第1
のくさびであり、レイリー角θR だけ傾いた斜面13aを
有し、該斜面13aには第1のトランスジューサ14が設け
られている。15は同様に試料12上に第1のくさび13と対
向して配置されたアクリル樹脂製の第2のくさびであ
り、同様にレイリー角θR だけ傾いた斜面15aを有し、
該斜面15aには第2のトランスジューサ16が設けられて
いる。17は鋭く尖った探針とこの探針を一体的に支持す
る支持部からなるマイクロカンチレバー17−1とZ方向
変位検出手段を内蔵した原子間力顕微鏡センサ(以下A
FMセンサと略称する)で、18は圧電体で構成した走査
装置であって、試料12に対し、AFMセンサ17を少なく
とも図2の矢印方向に1次元的に移動させることができ
るように構成されている。
【0019】前記Z方向変位検出手段としては、図3の
(A)に示すような構成の光学的検出方法である光てこ
方式、もしくは、図3の(B)に示すような構成の圧電
体を用いた方式が有効である。図3の(A)に示す光て
こ方式は、レーザ光源17−2から射出されるレーザ光を
反射するために、マイクロカンチレバー17−1の裏面に
設けられた金コート又はアルミニウムからなる反射面17
−3と、この反射面からの反射レーザ光をマイクロカン
チレバー17−1の振動変位として検出する受光素子17−
4とで構成されている。一方、図3の(B)に示す圧電
体を用いた方式は、マイクロカンチレバー17−1の支持
部17−1aの自由端部に一体的に設けた探針17−1bの反対
面に固定された圧電体17−5が、探針17−1bの先端部か
ら伝達される試料の振動変位を、受波用トランスジュー
サと同様の原理で検出するように構成されている。
【0020】19は高周波の連続波発生器(発振周波数:
f)で、20は該連続波発生器19の出力を増幅する電力増
幅器であり、AFMセンサ17が検出するのに十分な振幅
のレイリー波を励起できるように、第1及び第2のトラ
ンスジューサ14,16に高周波電力を供給するようになっ
ている。21は第1の移相器で、第1のトランスジューサ
14から放射される音波と第2のトランスジューサ16から
放射される音波の相対位相を調節し、最大振幅の定在波
が得られるようにするものである。22は第2の移相器
で、連続波発生器19の出力の一部を取り出し、これに任
意の位相変化を与えるものである。23は高周波用の乗算
器(例えば、ダブルバランストミキサー)であって、前
記第2の移相器22の出力を参照信号として、前記AFM
センサ17の出力を位相検波するものである。24はLPF
であり、前記乗算器23の出力の2f,3f等のオーバー
トーンを阻止するものである。25は走査制御部で、走査
装置18に走査電圧を印加すると共に、走査電圧に比例す
るような走査信号を出力するものである。26は前記LP
F24の出力と走査制御部25からの走査信号を受けて記憶
したのち処理し、これらの処理データを表示する記憶手
段及び表示手段を有するCPUである。
【0021】次に、このように構成されている第1実施
例の動作について説明する。連続波発生器19により発生
した周波数fの高周波は、電力増幅器20で増幅されて十
分な振幅を与えられた後、その強度の半分は第1のトラ
ンスジューサ14に供給される。第1のトランスジューサ
14で発生した音波は第1のくさび13によりレイリー波に
変換され、試料12の表面上を左から右へ向かって進行す
る。この進行波Ψa (x,t)は次式(7)で表され
る。なお、試料表面は音響的に無損失と仮定している。 Ψa (x,t)=A exp〔j(kx−ωt)〕 ・・・・・(7) ここで、Aはレイリー波の振幅、kは波数で、k=2π
/λR 、xは図2において左から右向きにとった位置変
数、ωは角周波数で、ω=2πf、tは時間を示してい
る。
【0022】前記電力増幅器20の出力の残りの半分は、
第1の移相器21によりφの位相変化を受けた後、第2の
トランスジューサ16に供給される。そして、この第2の
トランスジューサ16から発生した音波が第2のくさび15
でレイリー波に変換され、このレイリー波は試料12の表
面上を右から左に向かって進行する。この進行波Ψ
b(x,t)は次式(8)で表される。 Ψb (x,t)=A exp〔j(kx+ωt−kd+φ)〕 ・・・・・(8) ここで、dは第1のくさび13と第2のくさび15との間の
距離である。
【0023】このように、右向きの進行波Ψa (x,
t)と左向きの進行波Ψb (x,t)が、試料表面上に
存在するため、定在波が形成される。すなわち、(7)
式及び(8)式で表される進行波が加算されて、次式
(9)で表される振動形態となる。 Ψa +Ψb =A exp〔jkx〕 exp〔j(−kd+φ)/2〕 ×2 cos〔ωt+(−kd+φ)/2〕 ・・・・・(9)
【0024】定在波の振幅は(9)式中、第2因子が1
のとき最大となる。AFMセンサ17の出力が最大となる
ように、第1の移相器21を調整することにより、−kd
+φ=0±2nπとすることができる。このとき(9)
式は次式(10)で表される。 ΨS =2A exp〔jkx〕cos ωt ・・・・・(10) 上記(10)式からわかるように、このときの定在波ΨS
は、λR /2毎に節をもち、周波数fで振動する定在波
であることが分かる。
【0025】試料12の表面上のx0 の位置に置かれたカ
ンチレバー17aには、上記(10)式より、2A coskx
0 の振幅をもつ音波がリークし、その端面は周波数fで
振動することになる。この振動はAFMセンサ17によ
り、AFM信号として検出され、その検出出力は連続波
発生器19の出力を用いて乗算器23において位相検波され
る。なお、この際、第2の移相器22は、乗算器23の出力
が最大になるように、連続波発生器19の出力とAFM信
号の出力の相対位相を調整する。
【0026】乗算器23の出力には、2fの成分も含んで
いるので、この成分をLPF24により阻止し、DC成分
(A coskx0 )に比例する成分のみを取り出す。これ
を位置x0 におけるAFM信号としてCPU26に取り込
む。また走査制御部25より走査装置18に走査電圧を印加
し、位置変数xを変化させながら上記AFM信号を取り
込むことにより、A coskxに比例するレイリー定在波
のプロファイルを得ることができる。CPU27では、こ
のプロファイルの極小点(又は極大点)を見出し、その
隣り合う極小点(又は極大点)間の距離を算出し、それ
を2倍することにより、各点近傍のレイリー波長、ある
いはこれに周波数fを乗じることによりレイリー音速を
求め、表示する。なお、上記極小点間又は極大点間の代
わりに、隣なり合う同一位相の2点間の距離を算出する
ようにしてもよい。
【0027】以上のように、本実施例によれば、従来か
ら音速測定に用いられていたくさび形トランスジューサ
とAFMセンサを組み合わせることにより、容易に音速
の局所分布を得ることができ、それにより試料の弾性特
性を検出することができる。
【0028】上記第1実施例では、AFM信号の出力を
位相検波するようにしたものを示したが、振幅を検出す
る方法であれば、どのような手段でも用いることがで
き、例えばダイオードによる平均値検出器等も使用でき
る。また走査装置は圧電体(ピエゾ素子)で構成したも
のを示したが、圧電体による走査装置は走査幅が小さい
ので、試料の全面を測定するためには、試料あるいは走
査装置をメカニカルな走査ステージに固定して走査する
ようにしてもよい。また、試料によっては、振動を発生
させる方向により異なる特性を示すため、走査装置とし
ては2次元に走査するような構成のものを用いてもよ
い。但し、このような試料の垂直方向を含む異なる方向
の特性を得る場合には、一対の弾性振動発生手段を試料
平面で回転する構成、あるいは別個の一対の弾性振動発
生手段を設ける構成が好ましい。また、くさび及びトラ
ンスジューサの代わりに、圧電基板の上にくし型電極を
つけて構成したIDT(Inter Digital Transducer)を
用いることもできる。
【0029】次に、具体的な第2実施例を図4に基づい
て説明する。なお、図4においては、図2に示した第1
実施例と共通な部分は図示を省略している。図4におい
て、29, 31は、それぞれアクリル樹脂等で形成した第1
及び第2の円柱状部材で、第1実施例における第1及び
第2のくさび13,15に対応するもので、円柱を、その回
転対称軸を含む互いに90°の角をなす2面で切断した構
造を有している。そして、角度θR を有する傾斜面13
a,15aの代わりに、円弧面29a,31aを有しており、
該円弧面29a,31aには、試料12と接する面の法線に対
して角度θR1からθR2にかけて該円弧面29a,31aを覆
うように円弧状の第1及び第2のトランスジューサ(圧
電型)28,30が設けられている。
【0030】円弧状のトランスジューサ28,30が放射す
る音波は収束球面波であり、したがって試料12には、角
度θR1からθR2まで連続的に音波が入射することにな
る。これらの音波の各成分のうち、(1)式を満たす唯
一つの成分のみが、試料12上にレイリー波の定在波を発
生させる。すなわち、試料を変えても次式(11)が成立
すれば、必ず定在波が得られることになる。 θR1≦Arcsin (V1L/V2R)≦θR2 ・・・・・(11)
【0031】したがって、この実施例によれば、レイリ
ー音速の異なる試料であっても、同一の装置構成によっ
て、音速分布を検出することができる。
【0032】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明によれば、試料表面に励起された弾性表面波の音
速を、該表面波の1/2波長程度の局所領域で測定する
ことができ、試料の局所領域の特性を検出することがで
きる。したがって、半導体ウェーハ等の局所的な弾性率
変化を調べる場合などに応用できるという利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音響測定装置を説明するための概
念図である。
【図2】本発明の具体的な第1実施例を示す概略図であ
る。
【図3】第1実施例におけるZ方向変位検出手段の構成
例を示す図である。
【図4】本発明の具体的な第2実施例の要部を示す図で
ある。
【図5】従来の表面波音速の測定方法を説明するための
説明図である。
【符号の説明】
1 試料 2 マイクロカンチレバー 3 Z方向変位検出手段 11 ベース 12 試料 13 第1のくさび 14 第1のトランスジューサ 15 第2のくさび 16 第2のトランスジューサ 17 AFMセンサ 18 走査装置 19 連続波発生器 20 電力増幅器 21 第1の移相器 22 第2の移相器 23 乗算器 24 LPF 25 走査制御部 26 CPU 28 第1の円弧状トランスジューサ 29 第1の円柱状部材 30 第2の円弧状トランスジューサ 31 第2の円柱状部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に弾性振動を発生させる振動発
    生手段と、前記試料表面の弾性振動のエネルギーの一部
    を受けて振動する先端部分と該先端部分で受けた弾性振
    動が伝達される端面部分とを有する弾性部材と、該弾性
    部材の端面部分に伝達された弾性振動の振幅を検出する
    振動振幅検出手段と、少なくとも前記試料表面の弾性振
    動の波数ベクトルの方向に1次元的に前記弾性部材と振
    動振幅検出手段とを一体的に移動させる走査手段と、該
    走査手段を駆動する走査駆動手段と、前記走査手段の移
    動量を出力する移動量出力手段と、該移動量出力手段の
    出力の関数として前記振動振幅検出手段の出力を記憶す
    る記憶手段と、少なくとも該記憶手段のデータを処理し
    表示する処理・表示手段とを備えていることを特徴とす
    る音響測定装置。
  2. 【請求項2】 前記振動発生手段は、弾性表面波の定在
    波を発生させるように構成され、前記弾性部材の先端部
    分は錐状に、端面部分は光の反射面となるように構成さ
    れ、且つ前記振動振幅検出手段は光学式振動振幅検出手
    段であることを特徴とする請求項1記載の音響測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記振動発生手段は、前記試料表面上に
    対向して配置された一対の超音波発生器とその駆動源と
    で構成されていることを特徴とする請求項2記載の音響
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記振動振幅検出手段は、臨界角プリズ
    ム法による光学式変位検出計と該変位検出計の出力を検
    波する検波器とで構成されていることを特徴とする請求
    項2又は3記載の音響測定装置。
  5. 【請求項5】 前記振動振幅検出手段は、前記弾性部材
    の端面部分に設けられた機械−電気エネルギー変換素子
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載の音響
    測定装置。
  6. 【請求項6】 前記処理・表示手段は、前記記憶手段か
    らのデータにおいて隣り合う同一位相の2点間の距離の
    2倍に弾性振動の周波数を乗じる演算部と、該演算部の
    結果を前記隣り合う同一位相の2点間の領域の音速デー
    タとして表示する表示部とで構成されていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の音響測定装
    置。
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