JPH08218083A - 燃料添加剤および燃料 - Google Patents
燃料添加剤および燃料Info
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- JPH08218083A JPH08218083A JP4506495A JP4506495A JPH08218083A JP H08218083 A JPH08218083 A JP H08218083A JP 4506495 A JP4506495 A JP 4506495A JP 4506495 A JP4506495 A JP 4506495A JP H08218083 A JPH08218083 A JP H08218083A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 チャーの燃焼促進効果を高めることにより、
燃料の燃焼効率を向上させ、燃焼排ガス中の煤を大幅に
減少させるとともに、燃料中のバナジウム等による高温
腐食を抑制して、燃焼装置の材料減肉量を減少できる燃
料添加剤を提供すること。 【構成】 銅化合物とマグネシウム化合物とを、好まし
くは金属分重量比で、マグネシウムに対して銅を0.2
〜1の割合で含有させた燃料添加剤または銅化合物をC
uとして0.001〜0.1重量%とマグネシウム化合物
をMgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃料。
燃料の燃焼効率を向上させ、燃焼排ガス中の煤を大幅に
減少させるとともに、燃料中のバナジウム等による高温
腐食を抑制して、燃焼装置の材料減肉量を減少できる燃
料添加剤を提供すること。 【構成】 銅化合物とマグネシウム化合物とを、好まし
くは金属分重量比で、マグネシウムに対して銅を0.2
〜1の割合で含有させた燃料添加剤または銅化合物をC
uとして0.001〜0.1重量%とマグネシウム化合物
をMgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、炭素質固体の燃
焼を促進して、燃料の燃焼効率を向上させるとともに、
燃料中のバナジウム等による高温腐食を抑制して、燃焼
装置の材料減肉量を減少させるために燃料に添加される
燃料添加剤および燃料に関する。
焼を促進して、燃料の燃焼効率を向上させるとともに、
燃料中のバナジウム等による高温腐食を抑制して、燃焼
装置の材料減肉量を減少させるために燃料に添加される
燃料添加剤および燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ボイラーや加熱炉、さらには
ディーゼルエンジン等の燃焼装置において、燃焼状態を
良好に保持して排ガス中の煤を低減するために、燃料に
燃焼促進剤を添加する方法が行われている。この燃焼促
進剤として、例えば、2〜4価金属の水酸化物や酸化物
の微細粒子にナフテン酸等を吸着処理したもの(特開昭
61-152794号公報)、セリウム原子数に対する
酸当量の比を3以下とし塩基性油溶性のセリウム石けん
を用いるもの(特開昭53-12907号公報および特
開昭61-225282号公報)、セリウム、ネオジム
又はランタンの石けんから少なくとも2種以上からなる
もの(特公平4-70358号公報)、マグネシウムの
アセチルアセトナートを用いるもの(特開平3-171
87号公報)等が提案されている。
ディーゼルエンジン等の燃焼装置において、燃焼状態を
良好に保持して排ガス中の煤を低減するために、燃料に
燃焼促進剤を添加する方法が行われている。この燃焼促
進剤として、例えば、2〜4価金属の水酸化物や酸化物
の微細粒子にナフテン酸等を吸着処理したもの(特開昭
61-152794号公報)、セリウム原子数に対する
酸当量の比を3以下とし塩基性油溶性のセリウム石けん
を用いるもの(特開昭53-12907号公報および特
開昭61-225282号公報)、セリウム、ネオジム
又はランタンの石けんから少なくとも2種以上からなる
もの(特公平4-70358号公報)、マグネシウムの
アセチルアセトナートを用いるもの(特開平3-171
87号公報)等が提案されている。
【0003】また、燃焼装置の燃焼排ガス中の有害成分
による腐食を防止するため、マグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウム、バリウム、ケイ素等の化合物を燃料
に添加することが行われている。
による腐食を防止するため、マグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウム、バリウム、ケイ素等の化合物を燃料
に添加することが行われている。
【0004】ところで、気体や液体の燃料であっても、
通常、燃焼過程において、チャーと呼ばれる炭素質固体
が生成し、これが燃焼の律速になっており、未燃のまま
残ると煤として排ガスとともに排出されることになる。
したがって、この炭素質固体をいかに速く燃焼させるか
が、煤を低減させ、延いては燃焼効率を向上させること
になる。
通常、燃焼過程において、チャーと呼ばれる炭素質固体
が生成し、これが燃焼の律速になっており、未燃のまま
残ると煤として排ガスとともに排出されることになる。
したがって、この炭素質固体をいかに速く燃焼させるか
が、煤を低減させ、延いては燃焼効率を向上させること
になる。
【0005】また、石炭、石油コークスあるいは重油等
の重質燃料中には、高温腐食作用を有するバナジウム分
が含まれており、ボイラーチューブ等燃焼装置材料の減
肉障害が発生している。
の重質燃料中には、高温腐食作用を有するバナジウム分
が含まれており、ボイラーチューブ等燃焼装置材料の減
肉障害が発生している。
【0006】最近、エネルギー源として、石炭、あるい
は石油コークス等の固体燃料あるいはこれらを水とスラ
リー化したCWM(coal water mixture)、PCWM
(petroleum coke water mixture)燃料が見直されてい
るが、この種の燃料においても、固体分、特には、これ
らの固体分から揮発分が除かれた、いわゆるチャーの燃
焼促進が、煤の低減と燃焼効率の向上のためには、きわ
めて重要で、さらなるチャーの燃焼促進効果の高い燃焼
促進剤が求められていた。また、これらの燃料には、バ
ナジウム分等が濃縮され形態で高濃度で含まれており、
これらを燃焼する燃焼装置は従来に増して、厳しい腐食
環境に曝されることになり、高度な防食が要求されてい
る。
は石油コークス等の固体燃料あるいはこれらを水とスラ
リー化したCWM(coal water mixture)、PCWM
(petroleum coke water mixture)燃料が見直されてい
るが、この種の燃料においても、固体分、特には、これ
らの固体分から揮発分が除かれた、いわゆるチャーの燃
焼促進が、煤の低減と燃焼効率の向上のためには、きわ
めて重要で、さらなるチャーの燃焼促進効果の高い燃焼
促進剤が求められていた。また、これらの燃料には、バ
ナジウム分等が濃縮され形態で高濃度で含まれており、
これらを燃焼する燃焼装置は従来に増して、厳しい腐食
環境に曝されることになり、高度な防食が要求されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、本発明の目的はチャーの燃焼促進
効果を高めることにより、燃料の燃焼効率を向上させ、
燃焼排ガス中の煤を大幅に減少させるとともに、燃料中
のバナジウム等による高温腐食を抑制して、燃焼装置の
材料減肉量を減少できる燃料添加剤を提供することにあ
る。
鑑みなされたもので、本発明の目的はチャーの燃焼促進
効果を高めることにより、燃料の燃焼効率を向上させ、
燃焼排ガス中の煤を大幅に減少させるとともに、燃料中
のバナジウム等による高温腐食を抑制して、燃焼装置の
材料減肉量を減少できる燃料添加剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意研究を進めた結果、驚くべきこと
に、銅化合物とマグネシウム化合物とを混合して用いる
か、あるいはこれらにさらに希土類元素化合物を添加す
ると、それらを単独で用いたものよりも、燃焼促進効果
が高まるとともに、高温腐食に対する抑制効果も向上す
ることを見出した。
達成するために、鋭意研究を進めた結果、驚くべきこと
に、銅化合物とマグネシウム化合物とを混合して用いる
か、あるいはこれらにさらに希土類元素化合物を添加す
ると、それらを単独で用いたものよりも、燃焼促進効果
が高まるとともに、高温腐食に対する抑制効果も向上す
ることを見出した。
【0009】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、本発明は銅化合物とマグネシウム化合物とを、好ま
しくは金属分重量比で、マグネシウムに対して銅を0.
2〜1の割合で含有させた燃料添加剤または銅化合物を
Cuとして0.001〜0.1重量%とマグネシウム化合
物をMgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃
料、および銅化合物、希土類元素化合物およびマグネシ
ウム化合物を、好ましくは銅化合物とマグネシウム化合
物とが金属分重量比でマグネシウムに対して銅を0.2
〜1の割合で、また銅化合物と希土類元素とが元素比
で、銅に対して希土類元素を0.2〜5の割合で含有さ
せた燃料添加剤、並びに銅化合物をCuとして0.00
1〜0.1重量%、希土類元素化合物を希土類元素とし
て0.001〜0.1重量%およびマグネシウム化合物を
Mgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃料にか
かるものである。
で、本発明は銅化合物とマグネシウム化合物とを、好ま
しくは金属分重量比で、マグネシウムに対して銅を0.
2〜1の割合で含有させた燃料添加剤または銅化合物を
Cuとして0.001〜0.1重量%とマグネシウム化合
物をMgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃
料、および銅化合物、希土類元素化合物およびマグネシ
ウム化合物を、好ましくは銅化合物とマグネシウム化合
物とが金属分重量比でマグネシウムに対して銅を0.2
〜1の割合で、また銅化合物と希土類元素とが元素比
で、銅に対して希土類元素を0.2〜5の割合で含有さ
せた燃料添加剤、並びに銅化合物をCuとして0.00
1〜0.1重量%、希土類元素化合物を希土類元素とし
て0.001〜0.1重量%およびマグネシウム化合物を
Mgとして0.001〜0.2重量%含有させた燃料にか
かるものである。
【0010】上記銅化合物としては、無機や有機の化合
物のいずれをも用いることができ、燃料または有機溶媒
に溶解あるいは容易に分散できる水酸化物、脂肪酸との
石けん、キレート化物を用いることが好ましく、特に
は、水酸化銅、オクチル酸銅、銅アセチルアセトナー
ト、ネオデカン酸銅、ナフテン酸銅あるいはトール油酸
銅等を用いることが好ましい。
物のいずれをも用いることができ、燃料または有機溶媒
に溶解あるいは容易に分散できる水酸化物、脂肪酸との
石けん、キレート化物を用いることが好ましく、特に
は、水酸化銅、オクチル酸銅、銅アセチルアセトナー
ト、ネオデカン酸銅、ナフテン酸銅あるいはトール油酸
銅等を用いることが好ましい。
【0011】マグネシウム化合物も上記と同様に無機や
有機の化合物のいずれをも用いることができ、特には、
水酸化マグネシウム、オクチル酸マグネシウム、マグネ
シウムアセチルアセトナート、ネオデカン酸マグネシウ
ム、ナフテン酸マグネシウムあるいはトール油酸マグネ
シウム等を用いることが好ましい。
有機の化合物のいずれをも用いることができ、特には、
水酸化マグネシウム、オクチル酸マグネシウム、マグネ
シウムアセチルアセトナート、ネオデカン酸マグネシウ
ム、ナフテン酸マグネシウムあるいはトール油酸マグネ
シウム等を用いることが好ましい。
【0012】本発明は、上記銅化合物とマグネシウム化
合物との両化合物を混合して用いることにより、単独で
用いた場合に比べ、燃焼促進効果と高温腐食抑制効果を
著しく高めたもので、この両者を混合して用いることが
必須である。この混合割合は、金属分重量比で、マグネ
シウムに対して銅が0.2〜1の割合となるように混合
することが好ましく、特に好ましくは、0.3〜0.7の
割合である。
合物との両化合物を混合して用いることにより、単独で
用いた場合に比べ、燃焼促進効果と高温腐食抑制効果を
著しく高めたもので、この両者を混合して用いることが
必須である。この混合割合は、金属分重量比で、マグネ
シウムに対して銅が0.2〜1の割合となるように混合
することが好ましく、特に好ましくは、0.3〜0.7の
割合である。
【0013】また、上記銅化合物とマグネシウム化合物
に、さらに希土類元素化合物を混合すると、燃焼促進効
果と高温腐食抑制効果をなお一層高めることができ、好
ましい。
に、さらに希土類元素化合物を混合すると、燃焼促進効
果と高温腐食抑制効果をなお一層高めることができ、好
ましい。
【0014】この希土類元素化合物としては、各種のマ
グネシウム、例えば、セリウム、ネオジム、ランタン、
プラセオジム、サマリウム、プロメチウム、ユーロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよび
ルテチウム等の有機や無機の化合物のいずれをも用いる
ことができ、燃料あるいは有機溶媒に溶解または容易に
分散できる水酸化物、脂肪酸との石けん、キレート化物
を用いることが好ましく、特には、希土類元素としてセ
リウム、ネオジム、ランタンが好ましく、これらの水酸
化物、オクチル酸石けん、アセチルアセトナート錯体、
ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩あるいはトール油酸塩等
を用いることが好ましい。これらの希土類元素は、単独
でも用いることができるが、2種以上を混合して用いる
ことができ、特には、主成分がセリウム、ネオジム、ラ
ンタン等の混合物からなる混合希土や濃縮希土といわれ
ているものを用いて得られた化合物を用いると安価で、
特に好ましい。
グネシウム、例えば、セリウム、ネオジム、ランタン、
プラセオジム、サマリウム、プロメチウム、ユーロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよび
ルテチウム等の有機や無機の化合物のいずれをも用いる
ことができ、燃料あるいは有機溶媒に溶解または容易に
分散できる水酸化物、脂肪酸との石けん、キレート化物
を用いることが好ましく、特には、希土類元素としてセ
リウム、ネオジム、ランタンが好ましく、これらの水酸
化物、オクチル酸石けん、アセチルアセトナート錯体、
ネオデカン酸塩、ナフテン酸塩あるいはトール油酸塩等
を用いることが好ましい。これらの希土類元素は、単独
でも用いることができるが、2種以上を混合して用いる
ことができ、特には、主成分がセリウム、ネオジム、ラ
ンタン等の混合物からなる混合希土や濃縮希土といわれ
ているものを用いて得られた化合物を用いると安価で、
特に好ましい。
【0015】本発明の燃料添加剤は、上記化合物を単に
混ぜ合わせただけのものでも良いが、これらの化合物を
脂肪族、脂環式、芳香族炭化水素或いはこれらの混合物
等の有機溶剤、例えば、ナフサ、石油エーテル、ホワイ
トスピリッツ、ミネラルターペン、灯油、軽油、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、
テトラデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等、一般に広く用いられてい
る有機溶剤に溶解、あるいは分散して用いることが好ま
しい。この場合、これらの化合物の濃度としては、でき
るだけ高濃度であることが取り扱い上好ましいが、銅化
合物、希土類化合物或いはマグネシウム化合物の種類に
より、溶解度や溶液或いは分散液にしたときの物性が異
なることから、それぞれに合わせて適宜選定すると良
い。一般には、全金属量の濃度として、1〜40重量%
の範囲となるように調整することが好ましい。
混ぜ合わせただけのものでも良いが、これらの化合物を
脂肪族、脂環式、芳香族炭化水素或いはこれらの混合物
等の有機溶剤、例えば、ナフサ、石油エーテル、ホワイ
トスピリッツ、ミネラルターペン、灯油、軽油、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、
テトラデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等、一般に広く用いられてい
る有機溶剤に溶解、あるいは分散して用いることが好ま
しい。この場合、これらの化合物の濃度としては、でき
るだけ高濃度であることが取り扱い上好ましいが、銅化
合物、希土類化合物或いはマグネシウム化合物の種類に
より、溶解度や溶液或いは分散液にしたときの物性が異
なることから、それぞれに合わせて適宜選定すると良
い。一般には、全金属量の濃度として、1〜40重量%
の範囲となるように調整することが好ましい。
【0016】他の本発明である燃料は、上述したような
化合物を、例えば、ガソリン、灯油、軽油、重油等の石
油系の炭化水素、シェールオイル、石炭液化油等の炭化
水素系燃料、石油コークス、石炭、或いはこれらを水と
スラリー状にしたもの等の炭素質燃料に、添加したもの
である。
化合物を、例えば、ガソリン、灯油、軽油、重油等の石
油系の炭化水素、シェールオイル、石炭液化油等の炭化
水素系燃料、石油コークス、石炭、或いはこれらを水と
スラリー状にしたもの等の炭素質燃料に、添加したもの
である。
【0017】これらの燃料への添加、混合にあたって
は、上述した銅化合物とマグネシウム化合物、さらには
希土類元素化合物とをそれぞれ別々に、添加、混合して
もよいが、上述したような燃料添加剤を、燃料に添加す
ることが簡便で好ましい。
は、上述した銅化合物とマグネシウム化合物、さらには
希土類元素化合物とをそれぞれ別々に、添加、混合して
もよいが、上述したような燃料添加剤を、燃料に添加す
ることが簡便で好ましい。
【0018】この場合、これらの化合物の添加量として
は、燃料の種類によって、一概には決めることができな
いが、一般的には、銅化合物をCuとして、0.001
〜0.1重量%、およびマグネシウム化合物をマグネシ
ウムとして0.001〜0.2重量%、さらには希土類元
素化合物を希土類元素として0.001〜0.1重量%の
範囲になるようにそれぞれ添加し、かつこれらの銅化合
物とマグネシウム化合物とを、金属重量比で、マグネシ
ウムに対して銅を0.2〜1の割合、また銅に対して希
土類元素を0.2〜5の割合で添加することが好まし
い。
は、燃料の種類によって、一概には決めることができな
いが、一般的には、銅化合物をCuとして、0.001
〜0.1重量%、およびマグネシウム化合物をマグネシ
ウムとして0.001〜0.2重量%、さらには希土類元
素化合物を希土類元素として0.001〜0.1重量%の
範囲になるようにそれぞれ添加し、かつこれらの銅化合
物とマグネシウム化合物とを、金属重量比で、マグネシ
ウムに対して銅を0.2〜1の割合、また銅に対して希
土類元素を0.2〜5の割合で添加することが好まし
い。
【0019】
【実施例】燃料添加剤の調製 (1)ネオデカン酸100g(0.58mol)およびケロシン1
20gに20重量%の水酸化ナトリウム水溶液1300g
(6.5mol)を加えて、80℃で30分間撹拌して、ネオ
デカン酸ナトリウム溶液を得た。これに20重量%の塩
化マグネシウム水溶液1190g(2.5mol)と20重量
%の塩化第2銅水溶液350g(0.52mol)を添加し
て、80℃で、3時間撹拌した。生成した金属水酸化物
と有機酸金属塩のケロシン溶液が水溶液中でボール状に
凝集した。これを濾過して水溶液を分離除去した後、1
10℃で一昼夜乾燥し、金属水酸化物と有機酸金属塩が
混在したケロシン溶液370gを得た。この溶液にケロ
シン220g、レシチン3gおよび水1gを加えて撹拌
し、金属水酸化物と有機酸金属塩が混在したケロシン溶
液(Mgとして10重量%、Cuとして5重量%)594gを
得、これを燃料添加剤Aとした。
20gに20重量%の水酸化ナトリウム水溶液1300g
(6.5mol)を加えて、80℃で30分間撹拌して、ネオ
デカン酸ナトリウム溶液を得た。これに20重量%の塩
化マグネシウム水溶液1190g(2.5mol)と20重量
%の塩化第2銅水溶液350g(0.52mol)を添加し
て、80℃で、3時間撹拌した。生成した金属水酸化物
と有機酸金属塩のケロシン溶液が水溶液中でボール状に
凝集した。これを濾過して水溶液を分離除去した後、1
10℃で一昼夜乾燥し、金属水酸化物と有機酸金属塩が
混在したケロシン溶液370gを得た。この溶液にケロ
シン220g、レシチン3gおよび水1gを加えて撹拌
し、金属水酸化物と有機酸金属塩が混在したケロシン溶
液(Mgとして10重量%、Cuとして5重量%)594gを
得、これを燃料添加剤Aとした。
【0020】(2)比較のため、20重量%の塩化マグネ
シウム水溶液を用いて、上記と同様の方法で、金属水酸
化物と有機酸金属塩が混在したケロシン溶液(Mgとして
10重量%)を得、これを燃料添加剤Bとした。
シウム水溶液を用いて、上記と同様の方法で、金属水酸
化物と有機酸金属塩が混在したケロシン溶液(Mgとして
10重量%)を得、これを燃料添加剤Bとした。
【0021】(3)さらに比較のため、20重量%の塩化
第2銅水溶液を用いて、上記と同様の方法で、銅水酸化
物と有機酸銅が混在したケロシン溶液(Cuとして5重量
%)を得、これを燃料添加剤Cとした。
第2銅水溶液を用いて、上記と同様の方法で、銅水酸化
物と有機酸銅が混在したケロシン溶液(Cuとして5重量
%)を得、これを燃料添加剤Cとした。
【0022】(4)燃料添加剤Aの一部に、オクチル酸レ
アアースの軽油溶液(希土類元素濃度8重量%、重量組
成比;セリウム/ネオジム/ランタン=2/1/1)を添加
し、燃料添加剤D(RE-Cu添加剤;Mgとして10重量%、
Cuとして5重量%、REとして5重量%)を調製した。
アアースの軽油溶液(希土類元素濃度8重量%、重量組
成比;セリウム/ネオジム/ランタン=2/1/1)を添加
し、燃料添加剤D(RE-Cu添加剤;Mgとして10重量%、
Cuとして5重量%、REとして5重量%)を調製した。
【0023】(5)オクチル酸レアアースの軽油溶液(希土
類元素濃度8重量%、重量組成比;セリウム/ネオジム/
ランタン=2/1/1)を燃料添加剤Eとした。
類元素濃度8重量%、重量組成比;セリウム/ネオジム/
ランタン=2/1/1)を燃料添加剤Eとした。
【0024】高温腐食試験 五酸化バナジウム160gと無水硫酸ナトリウム40gを
ボールミルで粉砕混合し、この合成灰1gに上記で調製
した燃料添加剤を、それぞれ表1に示した量になるよう
に添加して乳鉢で摺り潰しながら混合した後、100〜
110℃で3時間乾燥してからアセトン5mlを添加混合
し、懸濁液を調製した。この液をSUS-321の試験片に、
合成灰が20mg/cm2(乾燥時)になるように塗布し、空気
雰囲気のマッフル炉内で900℃で3時間加熱した。加
熱後の試験片を脱スケール処理した後、試験片の重量減
少量を測定し、燃料添加剤を添加しない試験片の重量減
少量を100とし、これに対する低減率として求めた。
この結果を表1に示した。
ボールミルで粉砕混合し、この合成灰1gに上記で調製
した燃料添加剤を、それぞれ表1に示した量になるよう
に添加して乳鉢で摺り潰しながら混合した後、100〜
110℃で3時間乾燥してからアセトン5mlを添加混合
し、懸濁液を調製した。この液をSUS-321の試験片に、
合成灰が20mg/cm2(乾燥時)になるように塗布し、空気
雰囲気のマッフル炉内で900℃で3時間加熱した。加
熱後の試験片を脱スケール処理した後、試験片の重量減
少量を測定し、燃料添加剤を添加しない試験片の重量減
少量を100とし、これに対する低減率として求めた。
この結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】この結果から明らかなように、銅、希土類
元素では高温腐食による減肉の低減効果は全くないが、
銅、希土類元素をマグネシウムと組み合わせると、単独
で用いた場合よりも、高温腐食による減肉の低減効果が
大きくなることが分かる。
元素では高温腐食による減肉の低減効果は全くないが、
銅、希土類元素をマグネシウムと組み合わせると、単独
で用いた場合よりも、高温腐食による減肉の低減効果が
大きくなることが分かる。
【0027】チャーの燃焼性試験 表2に示した性状を有する石油コークスを、900℃
で、7分間加熱することにより揮発分を0.1重量%以
下とした炭素質固体、いわゆるチャーを1gずつ用い、
これに、それぞれ、上記燃料添加剤を表3に示した量
(チャーに対する金属分の重量%)になるように添加して
試料を調製し、燃焼性試験を行った。
で、7分間加熱することにより揮発分を0.1重量%以
下とした炭素質固体、いわゆるチャーを1gずつ用い、
これに、それぞれ、上記燃料添加剤を表3に示した量
(チャーに対する金属分の重量%)になるように添加して
試料を調製し、燃焼性試験を行った。
【0028】
【表2】
【0029】燃焼性試験は、窒素を100ml/minで流通
させた石英管(内径10mm)を、800℃の温度に保持
し、上記で調製した試料0.1gを、前記試験管中に投入
し、5分間保持した。次いで、窒素を空気100ml/min
に切り換え、試料を燃焼させた。燃焼によって発生した
二酸化炭素濃度を赤外線ガス分析計で測定し、二酸化炭
素濃度の経時変化から次の方法により燃焼速度を求め
た。すなわち、チャーの燃焼モデルとして、一般に用い
られている未反応芯収縮モデルを適用すると、燃焼によ
って発生するCO2濃度nRは、次式(1)で表わされ
る。 nR=3m0k(1−kt)2/QIN (1) ここで、k=k0P02/αρ0r0である。上記式中の各
記号は次の通りである。 m0:全CO2発生量 〔Nml〕 k:燃焼速度 〔1/秒〕 t :時間 〔秒〕 QIN:流通ガス量〔Nml/秒〕 k0:見掛け反応速度定数〔g/cm2秒atm〕 P02:酸素分圧 〔atm〕 α :試料中の炭素割合 〔−〕 ρ0:試料の密度〔g/cm3〕 r0:試料の初期半径 〔cm〕
させた石英管(内径10mm)を、800℃の温度に保持
し、上記で調製した試料0.1gを、前記試験管中に投入
し、5分間保持した。次いで、窒素を空気100ml/min
に切り換え、試料を燃焼させた。燃焼によって発生した
二酸化炭素濃度を赤外線ガス分析計で測定し、二酸化炭
素濃度の経時変化から次の方法により燃焼速度を求め
た。すなわち、チャーの燃焼モデルとして、一般に用い
られている未反応芯収縮モデルを適用すると、燃焼によ
って発生するCO2濃度nRは、次式(1)で表わされ
る。 nR=3m0k(1−kt)2/QIN (1) ここで、k=k0P02/αρ0r0である。上記式中の各
記号は次の通りである。 m0:全CO2発生量 〔Nml〕 k:燃焼速度 〔1/秒〕 t :時間 〔秒〕 QIN:流通ガス量〔Nml/秒〕 k0:見掛け反応速度定数〔g/cm2秒atm〕 P02:酸素分圧 〔atm〕 α :試料中の炭素割合 〔−〕 ρ0:試料の密度〔g/cm3〕 r0:試料の初期半径 〔cm〕
【0030】測定したCO2濃度の経時変化から、測定
装置の応答遅れを考慮して上記式(1)により、燃焼速
度を求めた。なお、求めた燃焼速度は、燃焼完結時間の
逆数に相当するものである。この結果を表3に示した。
装置の応答遅れを考慮して上記式(1)により、燃焼速
度を求めた。なお、求めた燃焼速度は、燃焼完結時間の
逆数に相当するものである。この結果を表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】この結果から明らかなように、銅、マグネ
シウム、希土類元素をそれぞれ単独で用いた場合より
も、組み合わせて用いた方が燃焼速度が向上し、燃焼排
ガス中の煤を大幅に減少できることが分かる。
シウム、希土類元素をそれぞれ単独で用いた場合より
も、組み合わせて用いた方が燃焼速度が向上し、燃焼排
ガス中の煤を大幅に減少できることが分かる。
【0033】
【発明の効果】以上のような本発明は、チャーの燃焼促
進効果を高めることにより、燃料の燃焼効率を向上さ
せ、燃焼排ガス中の煤を大幅に減少させることができ、
またさらに燃料中のバナジウム等による高温腐食を抑制
して、燃焼装置の材料減肉量を減少できるという格別の
効果を奏する。
進効果を高めることにより、燃料の燃焼効率を向上さ
せ、燃焼排ガス中の煤を大幅に減少させることができ、
またさらに燃料中のバナジウム等による高温腐食を抑制
して、燃焼装置の材料減肉量を減少できるという格別の
効果を奏する。
Claims (6)
- 【請求項1】 銅化合物とマグネシウム化合物とを有効
成分として含むことを特徴とする燃料添加剤。 - 【請求項2】 請求項1において、銅化合物とマグネシ
ウム化合物とを金属分重量比で、マグネシウムに対して
銅を0.2〜1の割合で含有させたことを特徴とする燃
料添加剤。 - 【請求項3】 銅化合物をCuとして0.001〜0.1
重量%とマグネシウム化合物をMgとして0.001〜
0.2重量%含有したことを特徴とする燃料。 - 【請求項4】 銅化合物、希土類元素化合物およびマグ
ネシウム化合物を混合したことを特徴とする燃料添加
剤。 - 【請求項5】 請求項4において、銅化合物とマグネシ
ウム化合物とが金属分重量比で、マグネシウムに対して
銅を0.2〜1の割合で、また銅化合物と希土類元素と
が元素比で、銅に対して希土類元素を0.2〜5の割合
で混合したことを特徴とする燃料添加剤。 - 【請求項6】 銅化合物をCuとして0.001〜0.1
重量%、希土類元素化合物を希土類元素として0.00
1〜0.1重量%およびマグネシウム化合物をMgとし
て0.001〜0.2重量%含有したことを特徴とする燃
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7045064A JP3011326B2 (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | 燃料添加剤および燃料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7045064A JP3011326B2 (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | 燃料添加剤および燃料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08218083A true JPH08218083A (ja) | 1996-08-27 |
JP3011326B2 JP3011326B2 (ja) | 2000-02-21 |
Family
ID=12708931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7045064A Expired - Fee Related JP3011326B2 (ja) | 1995-02-10 | 1995-02-10 | 燃料添加剤および燃料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3011326B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015126169A3 (ko) * | 2014-02-20 | 2017-05-18 | 디에스티주식회사 | 고체연료의 연소 첨가제 조성물 및 이의 이용방법 |
EP3441444A1 (en) * | 2017-08-09 | 2019-02-13 | General Electric Company | Oil-based product for treating vanadium rich fuel oils |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10577553B2 (en) | 2017-08-09 | 2020-03-03 | General Electric Company | Water based product for treating vanadium rich oils |
-
1995
- 1995-02-10 JP JP7045064A patent/JP3011326B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015126169A3 (ko) * | 2014-02-20 | 2017-05-18 | 디에스티주식회사 | 고체연료의 연소 첨가제 조성물 및 이의 이용방법 |
EP3441444A1 (en) * | 2017-08-09 | 2019-02-13 | General Electric Company | Oil-based product for treating vanadium rich fuel oils |
US20190048278A1 (en) * | 2017-08-09 | 2019-02-14 | General Electric Company | Oil based product for treating vanadium rich oils |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3011326B2 (ja) | 2000-02-21 |
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