JPH08217945A - 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料 - Google Patents

成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料

Info

Publication number
JPH08217945A
JPH08217945A JP2687395A JP2687395A JPH08217945A JP H08217945 A JPH08217945 A JP H08217945A JP 2687395 A JP2687395 A JP 2687395A JP 2687395 A JP2687395 A JP 2687395A JP H08217945 A JPH08217945 A JP H08217945A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methacrylic resin
molding
acid amide
fatty acid
repose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2687395A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Tosaka
雅聡 登阪
Michio Sugimoto
美智男 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2687395A priority Critical patent/JPH08217945A/ja
Publication of JPH08217945A publication Critical patent/JPH08217945A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタクリル樹脂ペレット100重量部に対し
0.0001〜0.02重量部の脂肪酸アミドが表面に
付着しており、かつ、ペレットの形状や粒径分布等で決
まる安息角が20〜28°であるメタクリル樹脂成形材
料。 【効果】 射出成形における可塑化工程で安定性が向上
し、高精度な成形品を安定して生産できる。また、成形
品の色調が改善し、銀条痕の発生も抑えることが出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形用樹脂材料に関
するものであり、特に液晶表示装置のバックライト用導
光板、光ディスク、レンズといった精密成形を要求され
る光学部品用射出成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は透明性、耐候性、耐擦
傷性に優れた樹脂材料であり、特にその透明性から照明
用途に多く使用されている。更に近年は導光板、光ディ
スク、レンズといった光学用途にも多く使用されるよう
になり、材料の透明性と共に成形品の精密性に対する要
求が厳しくなってきた。従来、こうした精密成形では離
型不良が問題となっており、材料の離型性を向上させる
ため各種離型剤を添加することが提案されてきた。例え
ば特開平5−279537号公報や特開平5−2795
38号公報では脂肪酸アミドと飽和脂肪酸族アルコー
ル、又は脂肪酸アミドと高級脂肪酸を離型剤として添加
し、離型性に優れたメタクリル樹脂材料を得る技術が開
示されている。脂肪酸アミドは従来から滑剤として用い
られてきたものであり、内部滑剤としては上記のように
離型性を付与したり、溶融樹脂の粘度を下げて流動性を
向上させる効果がある。また、外部滑剤として用いた場
合には成形機の熱金属面と溶融樹脂の粘着を防止する効
果があり、塩化ビニル樹脂やABS樹脂、ポリスチレン
樹脂では樹脂100重量部あたり0.1〜0.5重量部
添加する事が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メタクリル樹脂で光学
用途に用いる部品を精密成形する際、離型性を付与する
以前の問題として、製品の精密性を得るためには成形条
件を変動させないことが重要である。メタクリル樹脂で
導光板を射出成形により製造する場合、熱により劣化変
色して透明性を損なわないよう、通常よりもシリンダー
の設定温度を低くし、熱による変色が極力低下する条件
で成形されることが多い。その上で、光散乱手段が金型
面上に形成されたシボを転写して提供されている場合に
は、転写不良や離型不良のおこらないように圧力や射出
速度などの条件を調整する必要がある。
【0004】レンズの成形の場合は導光板以上に形状の
精密性に対する要求が厳しく、また成形後の残留歪みを
小さくかつ一定範囲に抑えることが非常に重要である。
レンズでは金型形状を精密に反映しないと所望の機能を
発揮することが出来ない。また、残留歪みにより光学的
レベルでは成形後にも変形する事から、一定時間経過後
に残留歪みによる変形が飽和した状態を見越して光学系
が組み立てられる。その為、成形品の残留歪みも一定で
ある事が要求されるわけである。光ディスクの場合は非
常に短いサイクルでの成形が要求されるが、その為に射
出速度をできる限り早く設定しなければならない。しか
しながら、光ディスクは薄肉であるため、射出速度を早
くし過ぎると、金型内での樹脂の剪断発熱でメタクリル
樹脂が分解温度以上になってしまい銀条痕が発生してし
まう。よって、銀条痕が発生しないぎりぎりの射出速度
を設定する必要がある。その上で更に金型スタンパーに
形成された深さ0.11μmのピットを十分に転写する
必要がある。
【0005】上に述べたような光学用途の精密成形で
は、成形条件の変動は不良の発生に直結する。例えば充
填速度や圧力の変動により、導光板や光ディスクでは転
写不良や離型不良、あるいは反りなどが発生し、レンズ
では所定の光学特性が得られなくなってしまう。しかし
ながら、成形機周辺の温度や湿度を管理する等、環境条
件を整え適切な成形条件範囲を設定した場合でさえも、
こうした不良が発生してしまうという問題があった。
【0006】また、離型剤としての効果を発揮するため
には、例えば特開平5−279537号公報に記載され
た技術では0.02〜0.5重量%の割合で脂肪酸アミ
ド等を配合する必要がある。その他の公知の技術でも脂
肪酸アミド等を配合する場合はおおむね0.1〜0.5
重量%の割合で添加しなければ効果が不十分である。し
かしながら、そのように多量に脂肪酸アミド等を添加し
た場合、特に透明性に対する要求の厳しいメタクリル樹
脂では微妙な黄色度(YI値)の増加が問題となってい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題を解決するために鋭意検討した結果、たとえ成形機
の操作盤上で設定値を変更しない場合でも、実際には樹
脂にかかる圧力や充填量は変動しており、その原因は、
連続して射出成形した場合の可塑化のばらつきにあるこ
とをつきとめた。図1に連続成形における可塑化時間を
ショット数に対してプロットした図を示すが、この中で
1で示すように可塑化時間は大きくばらついている。本
発明者らの検討では可塑化時間のみならず充填圧もばら
つき、また、キャビティ内でも部分的に圧力の分布が出
来ていることも見出している。
【0008】この様に、連続して成形した場合の可塑化
のばらつきにより、実際の樹脂にかかる圧力、射出速
度、可塑化量などが変動してしまうことが成形不良の発
生する原因と考えられる。こうした問題点に対して、従
来の技術はなんら解決に寄与するするものではなかっ
た。本発明者らは光学用途向けの精密成形では、不良を
低減させるために光学特性を維持しつつ可塑化のばらつ
きを抑えることが必要だと考え、安定して可塑化される
メタクリル樹脂材料を得る方法を鋭意検討してきた。そ
の結果、メタクリル樹脂ペレット表面上に脂肪酸アミド
を微量添加し、なおかつ後述の測定法による安息角が所
定の範囲になるようにペレット粒径などを調整する事に
より、射出成形における可塑化の安定性が著しく改善さ
れ、しかも充分な光学特性を維持できることを見いだし
た。
【0009】脂肪酸アミドを添加することにより溶融樹
脂と成形機金属面との摩擦が低減することは公知である
が、これは必ずしも可塑化の安定に結びつくものではな
かった。なぜならば可塑化時間や射出圧力には溶融した
樹脂ばかりでなく樹脂ペレットの大きさや形状等の要因
が複雑に作用するため、たとえ溶融樹脂と金属面の摩擦
を低減しても影響が小さいからである。一方で樹脂ペレ
ットの形状が上述のように可塑化の安定性に密接に関係
することは分かっていたが、微視的には多様であり、可
塑化の安定性に影響する因子を決定することは困難であ
った。本発明は脂肪酸アミドの潤滑効果とペレット形状
や大きさの相乗効果で射出成形の可塑化の安定性が向上
することを見いだし、さらに、ペレットの形状に関する
因子が安息角で定義できることを見いだしたものであ
る。すなわち、本発明は、メタクリル樹脂ペレット10
0重量部に対し0.0001〜0.02重量部の脂肪酸
アミドがメタクリル樹脂ペレット表面に付着しており、
かつ、脂肪酸アミド付着後のメタクリル樹脂ペレットの
安息角が20〜28゜であることを特徴とするメタクリ
ル樹脂成形材料である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるメタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを主単位
とし、これと共重合しうるモノマー単位とからなる共重
合体であり、熱可塑性の成形材料である。メタクリル酸
メチル単位は70wt%以上あるものが好ましい。共重
合しうるモノマー単位として、例えば、アクリル酸メチ
ル単位、アクリル酸エチル単位、アクリル酸ブチル単
位、アクリル酸イソプロピル単位、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル単位、メタクリル酸シクロヘキシル単位、メ
タクリル酸t−ブチルシクロヘキシル単位が好ましい。
これらのモノマー単位は共重合体中、0.5wt%以上
30wt%未満あるものが好ましい。0.5wt%未満
では、成形時の熱分解挙動が激しく、30wt%以上で
は耐熱変形性の著しい低下等を招くので好ましくない。
重量平均分子量は7万〜15万のものが望ましい。分子
量が7万未満の場合は強度が不十分となり、成形品が破
損しやすくなるため好ましくない。また、15万を越え
る場合は流動性が不足し、射出成形加工が著しく困難と
なるため好ましくない。
【0011】メタクリル樹脂を製造する方法として、例
えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳
化重合等の一般に行われている重合方法を用いることが
できるが、光学用途としては微小な異物の混入は出来る
だけ避けるのが好ましく、この観点からは懸濁剤や乳化
剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。溶液重合
を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調整した溶
液を用いることができる。塊状重合により重合させる場
合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジ
カルや電離性放射線照射により重合を開始させることが
できる。
【0012】重合反応に用いられる開始剤としては、一
般にラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使
用することができ、例えばアゾビスイソブチルニトリル
等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート等の有機過酸化物が用いられ、又特に9
0℃以上の高温下で重合を行わせる場合には、溶液重合
が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上
でかつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス
開始剤などが好ましく、具体的には1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,
1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、
2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げ
ることができる。これらの開始剤は0.005〜5wt
%の範囲で用いられる。本発明の組成物の重合反応に必
要に応じて用いられる分子量調節剤は、一般的なラジカ
ル重合において用いる任意のものが使用され、例えばブ
チルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメ
ルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等の
メルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられ
る。これらの分子量調節剤は、重合度が上記の範囲内に
制御されるような濃度範囲で添加される。
【0013】また、本発明のペレットには、その特性を
損なわない範囲で公知の添加剤、例えば酸化防止剤、帯
電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができるが、
この場合は材料が着色して光学特性が悪化する場合があ
るので、添加量を極力少量に抑えるよう注意しなければ
ならない。本発明で用いる脂肪酸アミドとしては、エチ
レンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミ
ド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ラウリン酸アミド等が挙げられる。
【0014】本発明のメタクリル樹脂成形材料には脂肪
酸アミドを、メタクリル樹脂ペレット100重量部に対
して0.0001〜0.02重量部、好ましくは0.0
02〜0.005重量部添加し、後述の方法で測定した
安息角が20〜28゜の範囲になるよう調整しなければ
ならない。安息角はメタクリル樹脂ペレットの形状や大
きさ、また、脂肪酸アミドの分散度によって変わってく
るが、本発明者らは安息角が上記領域内にある場合、可
塑化の際の安定効果が特に優れることを見出したもので
ある。脂肪酸アミドの添加量が、メタクリル樹脂ペレッ
ト100重量部に対して0.0001重量部未満では可
塑化時の安定性を改善する効果が不足する。また、添加
量が0.02重量部を超えるとモールドデポジットの発
生が多くなりすぎたり、メタクリル樹脂の光学特性が損
なわれるなどの不良の原因ともなる。上記添加量の範囲
内でもペレットの形状などに起因して安息角が20゜未
満の場合はペレット間の摩擦が小さくなりすぎてスクリ
ューへの咬み込みが悪くなり、かえって可塑化が不安定
になる。また、安息角が28゜を越える場合はペレット
間の摩擦が大きいことを意味し、可塑化時の安定性が改
善されない。
【0015】メタクリル樹脂ペレットの形状は通常の射
出成形機で使用できれば特に制限されないが、直径が
1.5〜4mm、長さが1.5〜5mm程度の円筒形あ
るいは楕円筒形が好ましく、ほとんどの普及型射出成形
機で問題なく使用できる。ただし脂肪酸アミドを添加し
た後の安息角が20゜〜28゜の範囲になるよう、添加
量を調整するか、あるいは粒径分布を調整しなければな
らない。
【0016】本発明のメタクリル樹脂成形材料の製造方
法は、メタクリル樹脂ペレットと脂肪酸アミドをドライ
ブレンドするものである。ドライブレンドとはペレット
の表面に改質剤が均等に付着するよう、ペレットと改質
剤を混合し撹拌する添加方法である。従来の技術でメタ
クリル樹脂に脂肪酸アミド等を添加する場合は、メタク
リル酸メチルを主成分とする単量体やシロップに脂肪酸
アミド等を添加混合した後、これを周知の方法で重合し
て組成物を得る方法や、あるいはあらかじめ製造してお
いたメタクリル樹脂を溶融して脂肪酸アミド等を添加し
混練して組成物を得る方法が採られている。本発明では
ドライブレンドにより添加することから脂肪酸アミドが
ペレット表面に存在する。そのため、添加量が少なくて
も有効に活用でき、少量でも効果が発揮される。すなわ
ち、メタクリル樹脂材料自体の光学特性を損なわない範
囲の添加量で可塑化を安定させる効果が発揮できる。以
下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
【実施例】メタクリル樹脂組成物の各種分析及び物性測
定は以下の方法によった。 (1)可塑化時間 射出成形機(東芝機械製、IS75S)にJIS規格、
物性試験用の平板、ダンベル、短冊を同時に成形できる
金型を取り付け、連続成形を行う際に計量開始(スクリ
ュー回転開始)から計量終了(スクリュー回転終了)ま
での時間をストップウォッチにより測定し、可塑化時間
とする。 (2)充填油圧のばらつき 射出成形機(名機製作所製、M−150DF)に300
φの光ディスク金型をとりつけ、100枚捨て打ちした
後100枚連続成形し、成形機付属のデータ出力装置で
モニターした充填油圧の標準偏差を評価する。 (3)銀条痕発生率 射出成形機(東芝機械製、IS75S)にJIS規格、
物性試験用の平板、ダンベル、短冊を同時に成形できる
金型を取り付け、射出圧800kg/cm2 でシリンダ
ー温度を270〜300℃に設定し、20ショット捨て
打ちした後20ショットの連続成形を行い発生する銀条
痕の点数を数える。 (4)黄色度 可塑化時間の測定の際に得られた平板成形品(厚み3m
m)のΔYI値を東京電色株式会社製カラーアナライザ
ー TC1800MKIII により測定した。
【0018】(5)安息角 メタクリル樹脂板(旭化成工業(株)製、デラグラスA
商品名)により、底面が100mm四方の正方形、深
さが10mmの升を作成し、290mm×120mmの
メタクリル樹脂板の中央に固定する。作成した升が埋ま
るように試料のメタクリル樹脂成形材料を入れ、上面を
押さえつけないように定規などで平らにする。次に升を
固定したメタクリル樹脂板を水平に置いた位置から、一
端を毎秒10mmの速度で上昇させる。その際、試料の
メタクリル樹脂成形材料はある程度まで当初の配置を保
つが、メタクリル樹脂板の傾きθが大きくなると試料の
メタクリル樹脂成形材料が崩れる。室温25℃における
このときの角度θを3回測定し、その平均値を安息角と
する。測定に用いた装置と測定の概略を図3に示す。 (6)還元粘度(ηsp/c) 試料50mgをクロロホルム50mlに溶解し、25℃
にて、オストワルド粘度計で測定する。 (7)成形性(MFI) ASTM−D1238のI法(230℃、3.8kg)
で、MFI(g/10min)を測定する。
【0019】
【実施例1】メタクリル樹脂ペレット(旭化成工業
(株)製、デルペット80N 商品名)にエチレンビス
ステアロアミド(花王(株)製、カオーワックスEB−
FF 商品名)を50ppmドライブレンドにより添加
し、可塑化時間、銀条痕発生率、黄色度、安息角を測定
する。結果を図1及び表1〜2に示す。
【0020】
【実施例2】エチレンビスステアロアミドの添加量を1
0ppmとした以外は実施例1と同様にして試料を作成
し、可塑化時間、黄色度、安息角を測定する。結果を図
1及び表2に示す。
【0021】
【実施例3】エチレンビスステアロアミドの添加量を1
00ppmとした以外は実施例1と同様にして試料を作
成し、可塑化時間、黄色度、安息角を測定する。結果を
図1及び表2に示す。
【0022】
【実施例4】メタクリル樹脂ペレット(ηsp/c=44、
MFI=24)にエチレンビスステアロアミド(花王
(株)製、カオーワックスEB−FF 商品名)を50
ppmドライブレンドにより添加し、安息角を測定し、
充填油圧のばらつきを測定値のグラフと標準偏差により
評価する。結果を表3及び図2に示す。
【0023】
【比較例1】メタクリル樹脂ペレット(旭化成工業
(株)製、デルペット80N 商品名)を試料として用
い、エチレンビスステアロアミドを添加しないこと以外
は実施例1と同様にして、可塑化時間、銀条痕発生率、
黄色度、安息角を測定する。結果を図1及び表1〜2に
示す。
【0024】
【比較例2】エチレンビスステアロアミドを添加しない
こと以外は実施例4と同様にして製造したメタクリル樹
脂ペレットを試料として用い、安息角を測定し、充填油
圧のばらつきを評価する。結果を表3及び図2に示す。
【0025】
【比較例3】エチレンビスステアロアミドの添加量を3
00ppmとしたこと以外は実施例4と同様にして製造
したメタクリル樹脂ペレットを試料として用い、充填油
圧のばらつきを評価することとしたが、成形機スクリュ
ーが空転して後退せず、樹脂が可塑化されないため成形
不可能となり、試験を中止した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明を用いることにより精密成形にお
ける可塑化時の安定性が著しく改良され、安定して高精
度な成形品の製造が可能となる。また、シリンダーとペ
レットの間の摩擦抵抗が低減するので射出速度や圧力も
安定し、金型形状の転写性も良好となる。更に驚くべき
事に、脂肪酸アミドを全く添加しないメタクリル樹脂材
料による成形品よりも優れた色調の成形品を得ることも
できる。これは、脂肪酸アミドを添加しない場合にはペ
レット同士の摩擦が大きいためスクリューの回転に要す
るエネルギーが大きく、そのエネルギーが熱となってメ
タクリル樹脂を変質させるため、あるいはペレットの咬
み込みが強すぎてシリンダーやスクリューの内壁から異
物を取り込むため、結局多くの不純物がメタクリル樹脂
中に含まれてしまうが、脂肪酸アミドを添加した場合は
その潤滑効果によりペレット同士の摩擦熱や内壁からの
異物の取り込みが減少し、より純度の高いメタクリル樹
脂で成形することが可能になるためと思われる。
【0030】加えて、光ディスクを成形する場合には銀
条痕の発生率が低減するという効果も確認された。この
場合、銀条痕の発生する原因は上述の熱分解ではなく、
可塑化時にシリンダーから巻き込まれた空気がノズルか
ら樹脂と共に金型内に充填されてしまうことだと考えら
れる。すなわち、可塑化が不安定な場合は空気の巻き込
まれる状況が発生しやすい為銀条痕が多く出るが、可塑
化が安定化されるとそうした状況が起こりにくい為では
ないかと推定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形ショット数に対して本発明の実施例と比較
例の可塑化時間をプロットしたグラフ図である。
【図2】成形ショット数に対して本発明の実施例と比較
例の充填油圧をプロットしたグラフ図である。
【図3】本発明における安息角の測定装置及び測定方法
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 比較例1の可塑化時間 2 実施例2の可塑化時間 3 実施例1の可塑化時間 4 実施例3の可塑化時間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル樹脂ペレット100重量部に
    対し0.0001〜0.02重量部の脂肪酸アミドがメ
    タクリル樹脂ペレット表面に付着しており、かつ、脂肪
    酸アミド付着後のメタクリル樹脂ペレットの安息角が2
    0〜28゜であることを特徴とするメタクリル樹脂成形
    材料。
JP2687395A 1995-02-15 1995-02-15 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料 Withdrawn JPH08217945A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2687395A JPH08217945A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2687395A JPH08217945A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08217945A true JPH08217945A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12205420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2687395A Withdrawn JPH08217945A (ja) 1995-02-15 1995-02-15 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08217945A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002337140A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Teijin Chem Ltd 光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および光ディスク基板
JP2009057410A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル樹脂成形材料の製造方法
JP2015145465A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 熱可塑性樹脂組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002337140A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Teijin Chem Ltd 光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および光ディスク基板
JP2009057410A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Sumitomo Chemical Co Ltd メタクリル樹脂成形材料の製造方法
JP2015145465A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 熱可塑性樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4838334B2 (ja) メタクリル樹脂組成物
JP2006298966A (ja) 導光板用アクリル樹脂組成物
JP6356006B2 (ja) メタクリル系樹脂組成物製成形品
WO2015037691A1 (ja) メタクリル樹脂組成物
JPH08302145A (ja) メタクリル系樹脂組成物、およびそれよりなる光学用部品
JP4972671B2 (ja) メタクリル樹脂組成物
JPH08217945A (ja) 成形安定性に優れるメタクリル樹脂成形材料
JPH10265530A (ja) 導光板用アクリル系樹脂及び樹脂組成物
EP2415835A1 (en) Methacrylic resin composition, molded object, and manufacturing method therefor
JP2011140626A (ja) 押出導光板用メタクリル樹脂組成物及びそれより構成される導光板
US3957917A (en) Resin composition for shaping information carrier
US5510408A (en) Methacrylic resin composition and method for production thereof
JP3499322B2 (ja) 導光板用アクリル系樹脂組成物
KR100214056B1 (ko) 사출성형 방법 및 이에 사용되는 성형조성물
JPH01294763A (ja) メタクリル系樹脂組成物
JPH0673296A (ja) 光の透過性に優れた光拡散性樹脂組成物及び成形体
JPH08269291A (ja) メタクリル系樹脂組成物、およびそれよりなる光学用部品
JP5894381B2 (ja) 樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた光学板、及びその製造方法
JPH06207074A (ja) メタクリル系樹脂成形材料
JPS5949935B2 (ja) 帯電防止性の優れたメタクリル樹脂組成物の製造法
JPH0222021B2 (ja)
JP4360268B2 (ja) メタクリル樹脂製導光体の製造方法
JP5272354B2 (ja) メタクリル樹脂成形材料の製造方法
JPH0425548A (ja) 射出成型用アクリル樹脂組成物
JPH0453860A (ja) メタクリレート系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507