JPH08216111A - 木工機械用かんな胴 - Google Patents

木工機械用かんな胴

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Publication number
JPH08216111A
JPH08216111A JP4908195A JP4908195A JPH08216111A JP H08216111 A JPH08216111 A JP H08216111A JP 4908195 A JP4908195 A JP 4908195A JP 4908195 A JP4908195 A JP 4908195A JP H08216111 A JPH08216111 A JP H08216111A
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JP
Japan
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side wall
blade
fixing plate
engaging
groove
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JP4908195A
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English (en)
Inventor
Akio Hiramitsu
昭雄 平光
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Kanefusa KK
Kanefusa Corp
Original Assignee
Kanefusa KK
Kanefusa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溝の加工が容易で電動かんな等小型の木工機
械にも適応可能な遠心力により刃物を固定する形式のか
んな胴の提供。 【構成】 かんな胴本体1の円周上2等分位置に設けら
れた溝を、刃物2のすくい角が得られるように直径線に
対して所定角度(θ)傾斜する第1側壁1aと、これと
対向するとともに開口部が狭くなるように傾斜する第2
側壁1cと、第1側壁と直角な面1dと第2側壁と直角
な面1eとの二面からなる底面とで構成し、第1側壁1
aに設けた係合凸部1bに、刃物2の表面2aの係合凹
部2eを係合させ、刃物2の裏面と第2側壁1cとの間
に上下動可能に遠心固定板3を挿入して、かんな胴の回
転による遠心固定板の遠心力で楔効果により刃物2を固
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木材加工およびその類似
加工に使用される木工機械において、切刃が摩耗したと
き随時交換可能な刃物を回転によって生じる遠心力で固
定するかんな胴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】取替え可能な刃物を遠心力を利用して固
定する形式の木工機械のかんな胴に、外国で製作され販
売されている特開昭59−146705号として公知の
ものがある。
【0003】このものは、図7に示すようにかんな胴本
体101の円周上等角度位置に歯底となる凹部101a
に続いて外周に対して傾斜して係合部を有する溝102
が削設されており、ここに係合部を有する刃物103と
遠心固定板104とが挿入されていて、かんな胴本体1
01の回転による遠心力で遠心固定板104が外方に移
動することにより楔作用で刃物103を固定するもので
ある。
【0004】この溝102により刃物103裏面のすく
い面に形成された凹部103aに係合する凸部101b
を側壁面102aに成形され、側壁面102aが段に形
成されていて、段面101cの高さは刃物103が裏面
の凹部103aで側壁面102aの凸部101bに係合
された状態において、刃物103の表面103bと同一
面となる高さを有しており、段に続く底101dは一段
深くなっていて、係合部の凸部101bに対向する溝の
側壁面101eは、刃物表面103b,段面101cの
共通面に対して外側が狭くなる傾斜面となっていて、楔
状をした遠心固定板104がかんな胴本体101の回転
による遠心力で外方に移動することにより、側面に働く
楔作用で刃物103が係合部側に押し付けられ固定され
るものである。
【0005】また、取替式刃物を遠心力を利用して固定
する形式のかんな胴の改良されたものとして出願人が提
案した実開平3−20104号がある。このものは図
に示すようにかんな胴本体108の円周方向等角度位置
に刻設されている溝109に、刃物110,裏座11
1,遠心固定板112が挿入されている。
【0006】溝109は、遠心固定板112に当接する
側壁109aと、これと対向して溝109の外周開口部
が狭くなるように傾斜するとともに刃物110の表面が
当接する基準面となる側壁109bとが形成され、両側
壁109a,109bの間の底部は側壁109bと直角
な基準面を形成する対向顎部109c,109dでなる
T溝109eと、このT溝109eより浅く側壁109
aとほぼ直角の底面109fとでなっている。
【0007】刃物110は、スロアウエイ形式で裏側に
係合凹部110aが形成されている。裏座111は、側
面が溝の側壁109bと平行な側面111aに形成さ
れ、その頂面に刃物110の係合凹部110aと係合し
て刃物110の固定と位置決めをする係合凸部111b
が形成され、下端は基準面の顎部109c,109dと
係合して飛び出さないように保持されるとともに刃物1
10の位置を決める顎部111c,111dを有し、T
溝109eに挿通されるT形である。
【0008】また裏座111の下面複数個所に穿設され
ている盲穴にばね107Aが挿入されていて、裏座11
1を持ち上げ顎部111c,111dをT溝の顎部10
9c,109dに当接するように常時付勢している。ま
た裏座側面111aにも複数個所に盲穴が穿設されてい
て、この盲穴にばね107Bが挿入されて裏座111と
側壁109bを拡げるように付勢している。
【0009】遠心固定板112は、かんな胴本体108
の溝側壁109aとT溝109eに挿通された裏座11
1の側面111eとのなす角度に適合する楔形断面をな
し、底面複数個所に盲穴が穿設されている。この盲穴に
ばね107Bより強いばね107Cが挿入されていて、
遠心固定板112を常時持ち上げる外方へ付勢してい
る。
【0010】このかんな胴本体108から刃物110を
取り出すには、押さえ具等を利用して遠心固定板112
を押し沈めて裏座111の面111eとの間に隙間を作
り、ばね107Bによって裏座111が遠心固定板11
2側に押されて側壁109bとの隙間が拡がり、刃物1
10を巾方向に取出し可能となる。
【0011】また、刃物110を取り付ける場合にはこ
の状態で刃物110を挿入し、押さえ具を取り外せば、
ばね107Cの力で遠心固定板112が押し上げられて
先ず刃物110が固定される。この状態でかんな胴を回
転すれば遠心力による楔効果で刃物110は強力に固定
されるものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた特
開昭59−146705号のかんな胴は、切削により切
刃の切れ味の低下に対して刃物103は交換されるが、
長時間の切削による切屑のためかんな胴の一部である歯
底101aが部分的に摩耗,変形してかんな胴の寿命を
短めるという不都合がある。
【0013】更に遠心固定板104の側面104aが刃
物103の表面103bに当接していて、刃物103に
かかる切削による応力を直接遠心固定板が受けるように
なっているので、遠心固定板の遠心力による楔作用で刃
物が固定されたときの刃先位置が不安定になり易く、刃
物103の安定した取付精度が得られないという問題を
有している。
【0014】また、実開平3−20104号のかんな胴
は、上述の特開昭59−146705号の有する問題点
を解消する構造とはなっているが、構造が複雑かつ部品
点数が多く、製作コストがかさんでコスト高になり、例
えば手持ちで使用する電動かんな等小型の木工機械用と
してのかんな胴には、スペース的に余裕がなく対応不可
能であるという問題を有している。
【0015】本発明の木工機械用かんな胴は、従来の技
術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであ
り、その目的とするところは、長期にわたり刃先位置精
度を維持することができ、刃物交換が容易で製作に要す
るコストが安価で、電動かんな等小型の木工機械用にも
対応可能な木工機械用かんな胴を提供しようとするもの
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明における木工機械用かんな胴は、同一円周上の
複数個所に設けられた軸方向の溝に係合位置決め部を有
する取替え可能な刃物が遠心固定板によって固定される
木工機械のかんな胴において、前記溝は、刃物の係合位
置決め部に対応して位置決めを兼ねる係合部を有し刃物
の表面が当接する第1側壁と、該第1側壁と対向すると
ともに開口部が狭くなる方向に傾斜する第2側壁と、前
記第1側壁と第2側壁の間に設けた底面とを含み、該溝
内には前記第1側壁の係合部と係合する係合位置決め部
を刃先の反対側の表面に有する刃物と、該刃物の裏面に
当接するとともに前記第2側壁に当接する遠心固定板と
を挿脱可能に設けたものである。
【0017】また、同一円周上の複数個所に設けられた
軸方向の溝に係合位置決め部を有する取替え可能な刃物
が遠心固定板によって固定される木工機械のかんな胴に
おいて、前記溝は刃物の表面が当接する第1側壁と、該
第1側壁と対向するとともに開口部が狭くなる方向に傾
斜する第2側壁と、該第2側壁側の第1底面と前記第1
側壁側の前記第1底面より深い第2底面とよりなる底面
とを含み、該底面の第1底面に頸部端面の前記第2底面
上に突出する外周部が基準となる顎面に形成された一個
以上の裏座係止ボルトを前記顎面が前記第1側壁と直角
かつ軸線と平行になるように設け、前記溝内には前記第
1側壁に当接し両側縁に切刃を有する裏面に係合位置決
め部を有する刃物と、該刃物の裏面の係合位置決め部に
対応して位置決めを兼ねる係合部を側面に有し前記顎面
に係止保持されるとともに位置決めされるL字底辺状の
突起部を下端に有し前記刃物の位置決めを兼ねる係合部
と反対側面が遠心固定板の当接面となる裏座と、該裏座
を上方に付勢する一個以上のばねと、前記裏座と当接す
るとともに第2側壁に当接する遠心固定板とを順に挿脱
可能に設けたものである。
【0018】また、同一円周上の複数個所に設けられた
軸方向の溝に係合位置決め部を有する取替え可能な刃物
が遠心固定板によって固定される木工機械のかんな胴に
おいて、前記溝は刃物の表面が当接する第1側壁と、該
第1側壁と対向するとともに開口部が狭くなる方向に傾
斜する第2側壁と、該第2側壁側と前記第1側壁との間
に設けられた底面とを含み、頭部に続く軸部を有し前記
頭部と軸部との段差端面が基準となる顎面に形成された
裏座係止ボルトを前記顎面が前記第1側面と直角かつ軸
線と平行になるように前記底面に一個以上設け、前記溝
内には前記第1側壁に当接し両側縁に切刃を有する裏面
に係合位置決め部を有する刃物と、該刃物の裏面の係合
位置決め部に対応して位置決めを兼ねる係合部を側面に
有し前記顎面に係止保持されるとともに位置決めされる
L字底辺状の突起部を下端に有し前記刃物の位置決めを
兼ねる係合部反対側面が遠心固定板の当接面となる裏
座と、該裏座を上方に付勢する一個以上のばねと、前記
裏座と当接するとともに第2側壁に当接する遠心固定板
とを順に挿脱可能に設けたものである。
【0019】
【作用】請求項1は、遠心固定板が遠心力により上方に
移動して楔作用が働いたとき刃物表面を第1側壁に押圧
するとともに刃物の係合位置決め部を第1側壁の係合部
に押圧して刃先の位置決めと刃物の固定を行う。楔作用
を解除するときは、遠心固定板の頂面を叩いて溝の底面
に当接するまで遠心固定板を下方に移動する。この状態
で溝および遠心固定板の刃物当接面に抵抗なく刃物の挿
入,抜き取りができる程度の隙間ができる。
【0020】請求項2,3は遠心固定板が遠心力により
上方に移動して楔作用が働いたときのみ裏座が固定され
るとともに刃物も固定される。楔作用が解除されたとき
ばねにより付勢されている裏座は、突起部上面が裏座係
止ボルトの顎面に当接しているので、溝の第1側壁から
離れるように開いて刃物交換に都合のいい隙間を作る。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例について図面にもとづき
説明する。 実施例1 実施例1を図1、図2により説明する。かんな胴本体1
の円周上ほぼ2等分割位置に溝が軸方向にかんな胴幅に
わたり形成されていて、溝内に刃物2,遠心固定板3が
挿入されている。また、溝の位置は動バランスが考慮さ
れていれば等分割位置でなくてもよい。
【0022】溝の第1側壁1aは、図2に示すように刃
物2の表面2aが当接する基準面で、刃物2のすくい角
が20〜30度になるように直径線に対して角度θを有
して傾斜する壁面に形成される。第1側壁1aの頂部寄
り位置に台形状の係合凸部1b又は係合凹部(図示せ
ず)が形成されている。第1側壁1aは係合凸部1bが
形成されている基準面に続く段面に形成されていて、段
差部1nには刃物2の厚さと同等又は僅かに薄い寸法に
形成されている。
【0023】第1側壁1aと対向する第2側壁1cは、
溝の外周側開口部が狭くなるように傾斜している。底面
は、本例では第1側壁1aとほぼ直角な底面1dと第2
側壁1cとほぼ直角な底面1eとの段を有する二面構成
であるが、一面構成でもよい。
【0024】刃物2は、かんな胴本体1の胴幅に等しい
長さを有するスロアウエイ刃で、裏面2dの両側縁が平
行な切刃2b,2cに形成され、表面2aと裏面2dは
平行に形成されていて、表面2aに第1側壁1aの係合
凸部1bと係合して飛び出し防止と刃先の突出量を決め
る台形状の係合凹部2e又は係合凸部(図示せず)が形
成されている。
【0025】遠心固定板3は、かんな胴本体1の胴幅と
等しい長さを有し、その頂面3aは遠心固定板3が遠心
力で上方に移動して刃物2を固定したとき、かんな胴本
体1の外周部分1mとともに切削屑排出に支障のないほ
ぼ円弧状の歯底となるよう形成されていて、かんな胴本
体1の溝の第1側壁1aと第2側壁1cとのなす角度に
適合する楔形断面に形成されており、遠心力で外方に移
動して刃物2を固定した時、下端が溝の底面1d,1e
から浮き上がる寸法に形成されている。
【0026】また、遠心固定板3の頂面3aには遠心固
定板3を押し下げるとき、図示しない押し棒の先端が当
接する盲穴3bが軸方向に少なくとも一個所穿設されて
いて、押し棒先端を盲穴3bに当て押し棒の頭をハンマ
ー等で叩くか又は直接頂面3aを木ハンマ等で叩いて遠
心固定板3の楔効果を解除する。
【0027】かんな胴本体1は、図1に示すように回転
軸4,5と一体若しくは固定されており、胴部の両側面
に中心ボス1f,1fが形成されており、この中心ボス
1f,1fの外径に沿って回転可能に止めリング6およ
び7が嵌合されていて、止めリング6,7は回転軸4,
5に挿着される図示しない木工機械のベアリングの内輪
により軸方向位置が規制されている。
【0028】かんな胴本体1の胴部の一方の側面には外
周寄り位置に盲穴1gが軸方向に穿設されていて、この
盲穴1gに位置決めピン8が軸方向移動可能に嵌挿さ
れ、ばね9により突出勝手に付勢されている。止めリン
グ7の外周には2等角度位置に切欠き部7aが刻設され
ており、更に止めリング7には切欠き部7aを刃物2以
外の位置に合わせたとき前記位置決めピン8と係合して
相対的な回転を阻止するための切欠き溝7bが外周に刻
設されていて、切欠き部7aを刃物位置に合わせたとき
のみ刃物2を横に抜き差しできる。
【0029】続いて本実施例の作用について説明する。
かんな胴本体1に新しく刃物2を装着するには、位置決
めピン8をばね9の力に抗して押し込んで切欠き溝7b
との係合を解除し、止めリング7を回動して切欠き部7
aを刃物位置に対応させる。
【0030】次いで遠心固定板3を溝の底面1d又は1
eに当たるまで押し込んだ状態で、刃物2の係合凹部2
eを溝の第1側面1a上の係合凸部1bに係合当接させ
ながら、遠心固定板3の対向する側面との間に挿入す
る。次いで止めリング7を切欠き溝7bが位置決めピン
8と係合するまで回動して、切欠き部7aの位置を刃物
2からずらせ、刃物2が抜け出さないようにする。
【0031】次いでモータのスイッチを入れてかんな胴
を回転させると、遠心力により遠心固定板3が外方に移
動して刃物2の裏面2dと溝の第2側壁1cとの間に食
い込み、楔作用によって刃物2を第1側壁1aおよび係
合凸部1bに圧着させて、刃先2bの位置が決められる
とともに切削可能な状態に固定する。
【0032】長時間の切削によって切れ味が低下し、刃
物2の切刃2bと2cの位置を取替えるには、遠心固定
板3の頂面3aの盲穴3bに押し棒の先を当てハンマ等
で押し棒の頭を叩くか、又は直接木ハンマ等で頂面3a
を叩いて、楔力によるくいつきを解いて緩めたあと、止
めリング7の切欠き部7aを刃物位置に合わせ、横から
刃物2を押して取り出し、180°反転して反対側の切
刃2cを使用するように挿入し、再び止めリング7の切
欠き部7aをずらして位置決めピン8により相対的回動
を阻止したあと、かんな胴を回転して遠心力で刃物2を
固定する。
【0033】更に、長時間の使用により遠心固定板3の
歯底となる頂面3aが変形損傷した場合には、図示しな
い木工機械のベアリングよりかんな胴を外し止めリング
7を取外して、遠心固定板3を抜き出し、新しいものに
取替えたあと、止めリング7を取り付け、図示しない木
工機械のベアリングに組み込むことで軸方向を、また位
置決めピン8により相対的な回転を規制するものであ
る。
【0034】実施例2 実施例2の図3、図4に示すかんな胴は、実施例1と概
ね同じであり、異なるところのみを説明する。かんな胴
本体11の溝の第2側壁11cの上端寄り位置に、遠心
固定板13の側面13cの上端角部が係合する係止溝1
1hが胴幅にわたり軸方向に穿設されていて、遠心固定
板13の底面13dには軸方向一個所以上に盲穴13e
が穿設されている。この盲穴13e内にばね14が穿設
されていて、遠心固定板13は常時外方に突出勝手に付
勢されている。
【0035】上述のように構成されたかんな胴は、遠心
固定板13頂面13aの盲穴13bに付属の図示しない
押し棒の先を当てて押し棒の頭をハンマ等で叩くか、又
は直接木ハンマ等で遠心固定板13の頂面13aを叩い
て楔力によるくいつきを解いたあと、遠心固定板13を
側面13cの上端が係止溝11hの上端面と係合するま
で押し込むと、図4に示すように遠心固定板13はばね
14の力で係止状態を維持する。そして係合幅だけ溝の
第2側壁11c側に傾き、刃物12の裏面12dと遠心
固定板13の対応側面13fとの間に比較的大きな隙間
ができ、刃物12を外周側から取替え可能となる。
【0036】実施例3 実施例3の図5に示すかんな胴について、実施例1と同
一個所は説明を省略又は簡単にし異なる個所を重点に説
明する。かんな胴本体21の溝は、刃物22の表面22
aが当接する基準面となる第1側壁21aと、これと対
向するとともに外周開口部が狭くなる方向に傾斜する第
2側壁21cと、第2側壁21cの下端に隣接し第2側
壁21cにほぼ直角の底面21eと第1側壁21a寄り
の第1側壁21aにほぼ直角で底面21eより深い底面
21dとの段差付底面と、により構成されている。
【0037】溝の底面21eには軸方向一個所以上に第
1側壁21aと直角かつ軸線と平行な座ぐり面21iが
形成されており、各座ぐり面21iの軸心からの高さは
同一寸法に形成されていて、この座ぐり面21iが刃先
位置決め用基準面となる。座ぐり面21iは軸方向に長
い一個でもよい。前記座ぐり面21i及び前記底面21
dは各々請求項2で記した第1底面及び第2底面に該当
する。
【0038】座ぐり面21iには座ぐり面に対して直角
にねじ穴21jが刻設されており、このねじ穴21jに
比較的径の大きい頭部を有する裏座係止ボルト25が座
ぐり面21iに頸部端面25aが圧着するように螺着さ
れていて、頸部端面25aの底面21d上に突出する部
分、即ち顎面25bが刃先位置を決める基準面となって
いる。
【0039】また、前記段差付底面の上側の底面21e
を第1側壁21aとほぼ直角に形成し、これを刃先位置
決め用の基準面すなわち第1底面としてもよい。また、
図6に示す第1側壁と第2側壁間に底面を形成し、底面
の軸方向一個所以上に、頭部35aに続く軸部35bを
有し、頭部と軸部の間の段差端面が顎面35cに形成さ
れた裏座係止ボルト35を、顎面が第1側壁と直角かつ
軸線と平行にあるように螺設してもよい。
【0040】L形裏座24は、下部に設けられたL字底
辺状の突起部24aの基準となる上面を前記顎面25b
に係合させ、第1側壁21aと対向する側面24bを第
1側壁21a下側の段付側面部に沿わせ溝内に挿入され
ている。溝の底面21dのL形裏座24の直下には盲穴
21kが軸方向一個所以上に穿設されており、盲穴21
k内にばね26が挿入されていて、L形裏座24を下か
ら持ち上げて常時突起部24aの基準となる上面が基準
となる顎面25bに当接するように付勢している。
【0041】L形裏座24の溝の第1側壁21aと対向
する側面24bの頂部近くに台形状の係合凸部24c又
は係合凹部(図示せず)が形成されている。刃物22
は、かんな胴本体21の胴幅に等しい長さを有するスロ
アウエイ刃で、裏面22dの両側縁が平行な切刃22
b,22cに形成され、表面22aと裏面22dは平行
に形成されていて、裏面22dに飛び出し防止と刃先の
突出量を決める台形状の係合凹部22e又は係合凸部
(図示せず)が形成されており、係合凹部22eはL形
裏座24の台形状の係合凸部24cと係合される。
【0042】遠心固定板23は、かんな胴本体21の胴
幅に等しい長さを有し、溝の第2側壁21cとこれと対
向するL形裏座24の側面24dとのなす角度に適合す
る楔形断面をなしていて、第2側壁21cとL形裏座2
4の側面24d間に上下動可能に挿入される。
【0043】この遠心固定板23に遠心力が働いて上方
に移動し、L形裏座24を介して刃物22を第1側壁2
1aに押圧固定したとき、L形裏座24の頂面24eと
遠心固定板23の頂面23aおよびこれと連なるかんな
胴本体21の外周部分21mは切屑搬出に支障のないほ
ぼ円弧状の歯底となるように形成されていて、遠心固定
板23と底面21eの間に遠心固定板23が下方に移動
可能な隙間を有している。
【0044】また、遠心固定板23が下方に移動して楔
作用が解除されたとき、ばね26により押し上げられて
いるL形裏座24は、突起部24a上面が裏座係止ボル
ト25の顎面25bに当接しているので上方向に外れる
ことなく、遠心固定板23側に僅かに傾斜して刃物22
の取り出し挿入に必要で刃物22が外周方向に抜けない
隙間を有している。かんな胴本体21の胴部側面に取り
付けられている止めリングは第1実施例(図1)と同一
である。
【0045】続いて本実施例の作用について説明する。
かんな胴本体21にL形裏座24、遠心固定板23を装
着するには、図示しない木工機械のベアリングよりかん
な胴を外して止めリング7を取り外し(図1参照)、L
形裏座の基準面である突起部24aの上面が裏座係止ボ
ルト25の顎面25bに接するように、かつばね26を
盲穴21k内に押し込んで挿入し、突起部24a上面を
顎面25bに圧着させる。
【0046】次いで、遠心固定板23をL形裏座24の
側面24dと溝の第2側壁21cとの間にゆるく挿入し
たのち、止めリング7を中心ボス1fに嵌合し図示しな
い木工機械のベアリングにかんな胴を組み込む。止めリ
ング7を回動して切欠き部7aを刃物22の挿入位置に
合わせる。
【0047】次いで、刃物22の係合凹部22eをL形
裏座24の係合凸部24cに係合させた状態で溝の第1
側壁21aとの隙間内に刃物22を挿入し、止めリング
7を回動して位置決めピン8により相対的な回転を規制
して(図1参照)、刃物22が抜け出さないようにす
る。
【0048】次いでモータのスイッチを入れてかんな胴
を回転させると、遠心力によりL形裏座24の突起部2
4a上面が顎面25bに強く圧接され、L形裏座24に
よって刃物22の刃先22bの突出量が決められるとと
もに遠心固定板23が遠心力により外方に移動し、第2
側壁21cとL形裏座24の対向側面24dとの間にく
い込み楔作用によってL形裏座24を刃物22に圧着さ
せる。この状態で切削が可能となる。
【0049】長時間の切削により切れ味が低下して刃物
22の切刃22b,22cの位置を取替えるには、遠心
固定板23頂面23aの盲穴23bに押し棒の先を当
て、押し棒の頭をハンマ等で叩くか、又は直接遠心固定
板23の頂面23aを木ハンマ等で叩いて楔力によるく
いつきを解いて緩めたあと、止めリング7の切欠き部7
aを刃物位置に合わせ、横から刃物22を押し出し、1
80°反転して反対側切刃22cを使用するように挿入
し、止めリング7の切欠き部7aをずらして位置決めピ
ン8により相互の回動を規制し、かんな動を回転して遠
心力で刃物22を固定する。
【0050】更に長時間の使用によりL形裏座24の頂
面24eが切屑により摩耗し、かつ係合凸部24cが変
形損傷した場合には、止めリング7を取り外し、L形裏
座23を抜き出して、新しいものに取替え、止めリング
7を取り付けて固定するものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の木工機械用かんな胴は上述のと
おり構成されているので、つぎに記載する効果を奏す
る。請求項1は、溝の刃物が当接する第1側壁に刃物表
面の係合位置決め部と当接する係合部を設け、溝の第2
側壁と刃物裏面との間に遠心固定板を上下に移動可能に
挿嵌した簡素な構造としたので、部品点数の少ない作り
易いかんな胴となり、また部品を組み込むスペースも小
さくなることから電動かんな等小型の木工機械にも対応
可能となる。また、取替え可能な遠心固定板の頂面を歯
底に形成したので、歯底の摩耗変形に対してかんな胴本
体を取替える必要がなくなり、かんな胴の寿命が延び
る。
【0052】請求項2,3は刃物裏面の係合位置決め部
と当接する係合部を裏座の側面に設け、遠心力による刃
物固定時に裏座の基準となる突起部上面と当接する裏座
係止ボルトの基準となる顎面により刃先の位置決めを行
う簡素な構造としたので、上述の効果に加え係合部の摩
耗変形に対して取替え可能な裏座の交換ですむようにな
り、一層かんな胴の寿命を延ばすことができる。
【0053】また、溝の底面に穿設した盲穴に裏座を直
下より押し上げるばねを嵌装したので、遠心固定板の楔
作用が働かないようにした場合に、ばねによりL形裏座
が基準となる第1側壁から離れるように傾斜するので、
一層刃物交換時の刃物の抜き差しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のかんな胴で、(a)は部分
断面図を含む正面図、(b)は溝内に挿入されている刃
物及び遠心固定板が見えるよう止めリングの一部を破断
した(a)の側面図である。
【図2】同じく実施例1のかんな胴の図1(a)のA−
A線矢視断面図である。
【図3】実施例2のかんな胴の断面図である。
【図4】図3のかんな胴の刃物取替時の遠心固定板の位
置を示す説明図である。
【図5】実施例3の裏座を有するかんな胴の部分断面図
である。
【図6】実施例3の変形例の部分断面図である。
【図7】従来の技術のかんな胴の部分断面図である。
【図8】従来の技術の裏座を有するかんな胴の部分断面
図である。
【符号の説明】
1,11,21 かんな胴本体 1a,11a,21a 第1側壁 1b,24c 係合凸部 1c,11c,21c 第2側壁 1d,1e,21d,21e 底面 2,12,22 刃物 2a,22a 表面 2b,2c,22b,22c 切刃 2d,12d,22d 裏面 2e,22e 係合凹部 3,13,23 遠心固定板 21i 座ぐり面 24 L形裏座 25 裏座係止ボルト 25b 顎面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一円周上の複数個所に設けられた軸方
    向の溝に係合位置決め部を有する取替え可能な刃物が遠
    心固定板によって固定される木工機械のかんな胴におい
    て、前記溝は、刃物の係合位置決め部に対応して位置決
    めを兼ねる係合部を有し刃物の表面が当接する第1側壁
    と、該第1側壁と対向するとともに開口部が狭くなる方
    向に傾斜する第2側壁と、前記第1側壁と第2側壁の間
    に設けた底面とを含み、該溝内には前記第1側壁の係合
    部と係合する係合位置決め部を刃先の反対側の表面に有
    する刃物と、該刃物の裏面に当接するとともに前記第2
    側壁に当接する遠心固定板とを挿脱可能に設けたことを
    特徴とする木工機械用かんな胴。
  2. 【請求項2】 同一円周上の複数個所に設けられた軸方
    向の溝に係合位置決め部を有する取替え可能な刃物が遠
    心固定板によって固定される木工機械のかんな胴におい
    て、前記溝は刃物の表面が当接する第1側壁と、該第1
    側壁と対向するとともに開口部が狭くなる方向に傾斜す
    る第2側壁と、該第2側壁側の第1底面と前記第1側壁
    側の前記第1底面より深い第2底面とよりなる底面とを
    含み、該底面の第1底面に頸部端面の前記第2底面上に
    突出する外周部が基準となる顎面に形成された一個以上
    の裏座係止ボルトを前記顎面が前記第1側壁と直角かつ
    軸線と平行になるように設け、前記溝内には前記第1側
    壁に当接し両側縁に切刃を有する裏面に係合位置決め部
    を有する刃物と、該刃物の裏面の係合位置決め部に対応
    して位置決めを兼ねる係合部を側面に有し前記顎面に係
    止保持されるとともに位置決めされるL字底辺状の突起
    部を下端に有し前記刃物の位置決めを兼ねる係合部の反
    対側面が遠心固定板の当接面となる裏座と、該裏座を上
    方に付勢する一個以上のばねと、前記裏座と当接すると
    ともに第2側壁に当接する遠心固定板とを順に挿脱可能
    に設けたことを特徴とする木工機械用かんな胴。
  3. 【請求項3】 同一円周上の複数個所に設けられた軸方
    向の溝に係合位置決め部を有する取替え可能な刃物が遠
    心固定板によって固定される木工機械のかんな胴におい
    て、前記溝は刃物の表面が当接する第1側壁と、該第1
    側壁と対向するとともに開口部が狭くなる方向に傾斜す
    る第2側壁と、該第2側壁側と前記第1側壁との間に設
    けられた底面とを含み、頭部に続く軸部を有し前記頭部
    と軸部との段差端面が基準となる顎面に形成された裏座
    係止ボルトを前記顎面が前記第1側面と直角かつ軸線と
    平行になるように前記底面に一個以上設け、前記溝内に
    は前記第1側壁に当接し両側縁に切刃を有する裏面に係
    合位置決め部を有する刃物と、該刃物の裏面の係合位置
    決め部に対応して位置決めを兼ねる係合部を側面に有し
    前記顎面に係止保持されるとともに位置決めされるL字
    底辺状の突起部を下端に有し前記刃物の位置決めを兼ね
    る係合部の反対側面が遠心固定板の当接面となる裏座
    と、該裏座を上方に付勢する一個以上のばねと、前記裏
    座と当接するとともに第2側壁に当接する遠心固定板と
    を順に挿脱可能に設けたことを特徴とする木工機械用か
    んな胴。
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