JPH0821339A - 燃料噴射弁用オリフィスプレートの製造方法 - Google Patents

燃料噴射弁用オリフィスプレートの製造方法

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JPH0821339A
JPH0821339A JP15692294A JP15692294A JPH0821339A JP H0821339 A JPH0821339 A JP H0821339A JP 15692294 A JP15692294 A JP 15692294A JP 15692294 A JP15692294 A JP 15692294A JP H0821339 A JPH0821339 A JP H0821339A
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JP
Japan
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orifice
plate
material plate
fuel injection
forming
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JP15692294A
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Inventor
Yoshinori Mizuno
吉教 水野
Yoshimitsu Ogiwara
由充 荻原
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オリフィスプレート素材の位置決めを容易に
行なうことができるようにするとともに、オリフィスプ
レート素材の表裏判定も容易、かつ確実に行なうことが
できるようにする。 【構成】 燃料噴射弁のバルブボディの弁座下流側に配
設され、燃料の噴霧形態を決定するオリフィス53を形
成した金属製の平板形状からなるオリフィスプレート3
1、32の製造方法であって、素材プレート40を保持
し、この素材プレート40の一部に、この素材プレート
40の位置決めの基準となる位置決め基準穴44〜47
を形成し、この位置決め基準穴44〜47により定まる
所定位置に素材プレート40を保持し、この素材プレー
ト40にオリフィス53を所定間隔で多数形成する。次
に、この多数のオリフィス53を形成した後に、この多
数のオリフィス形成部55周辺の不要部54を切断し
て、オリフィス形成部55相互間に細い連結部57を形
成する。次に、この細い連結部(57)を分断してオリ
フィスプレート31、32を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用内燃機関(ガソ
リンエンジン)等への燃料供給のために用いられる燃料
供給装置における燃料噴射弁のオリフィスプレートの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料噴射弁としては、実
開平2−139361号公報、特開平5−164019
号公報において、燃料の噴射孔を有する弁座をバルブボ
ディに設けるとともに、このバルブボディ内に、前記弁
座と協同して前記噴射孔を開閉する円錐状シート面を有
するノズルを軸方向に往復動可能に配設し、さらに前記
噴射孔の下流側に、機関への供給燃料の噴霧形態を決定
するオリフィスを形成したオリフィスプレートを配設し
たものが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このオリフ
ィスプレートのオリフィスは、ステンレス等の金属板に
プレス加工にて孔明け加工して形成されるが、このオリ
フィスは微細なスリット状のものであり、かつオリフィ
スプレート自体も大きさが25mm2 程度の小物である
ので、上記孔明け加工の際、オリフィスプレート素材1
枚ごとに、面倒な位置決めを行なわなければならず、孔
明け加工の生産性がどうしても低くなるという問題があ
る。
【0004】また、上記オリフィスは、エンジン性能向
上のための所定の燃料噴霧形態を確保するために、単純
な穴形状でなく、テーパ面(斜面)を持った複合穴形状
にすることを本出願人では検討している。この複合穴形
状のオリフィスをプレス加工にて孔明け加工して形成す
る場合には、プレス加工の工程数が数工程に増加し、こ
の数工程のプレス加工を実施する際、常に、オリフィス
プレート素材の表裏を判定する必要が生じるが、このプ
レート素材の表裏判定も従来困難であった。
【0005】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、第1には、オリフィスプレート素材の位置決めを容
易に行なうことができるようにすることを目的とする。
また、第2には、オリフィスプレート素材の表裏判定も
容易、かつ確実に行なうことができるようにすることを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、燃料噴射弁のバルブボディ(15)の弁座
(15b)下流側に配設され、燃料の噴霧形態を決定す
るオリフィス(310、320、53)を形成した金属
製の平板形状からなるオリフィスプレート(31、3
2)の製造方法であって、素材プレート(40)を保持
し、この素材プレート(40)に前記オリフィス(31
0、320、53)を所定間隔で多数形成する工程と、
前記多数のオリフィス(310、320、53)を形成
した後に、前記多数のオリフィス形成部(55)相互を
連結している連結部(57)を分断する工程と、を具備
することを特徴としている。。
【0007】請求項2記載の発明では、燃料噴射弁のバ
ルブボディ(15)の弁座(15b)下流側に配設さ
れ、燃料の噴霧形態を決定するオリフィス(310、3
20、53)を形成した金属製の平板形状からなるオリ
フィスプレート(31、32)の製造方法であって、素
材プレート(40)を保持し、この素材プレート(4
0)の一部に、この素材プレート(40)の位置決めの
基準となる位置決め基準部(44〜47、58、59)
を形成する第1の工程と前記位置決め基準部(44〜4
7、58、59)により定まる所定位置に素材プレート
(40)を保持し、この素材プレート(40)に前記オ
リフィス(310、320、53)を所定間隔で多数形
成する第2の工程と、前記多数のオリフィス(310、
320、53)を形成した後に、前記多数のオリフィス
形成部(55)相互を連結している連結部(57)を分
断する第3の工程と、を具備することを特徴としてい
る。
【0008】請求項3記載の発明では、燃料噴射弁のバ
ルブボディ(15)の弁座(15b)下流側に配設さ
れ、燃料の噴霧形態を決定するオリフィス(310、3
20、53)を形成した金属製の平板形状からなるオリ
フィスプレート(31、32)の製造方法であって、素
材プレート(40)を保持し、この素材プレート(4
0)の一部に、この素材プレート(40)の位置決めの
基準となる位置決め基準部(44〜47、58、59)
を形成する第1の工程と前記位置決め基準部(44〜4
7、58、59)により定まる所定位置に素材プレート
(40)を保持し、この素材プレート(40)に前記オ
リフィス(310、320、53)を所定間隔で多数形
成する第2の工程と、前記多数のオリフィス(310、
320、53)を形成した後に、前記多数のオリフィス
形成部(55)周辺の不要部を切断して、オリフィス形
成部(55)相互間に細い連結部(57)を形成する第
3の工程と、前記細い連結部(57)を分断する第4の
工程と、を具備することを特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明では、請求項2または
3に記載の燃料噴射弁用オリフィスプレート(31、3
2)の製造方法において、前記位置決め基準部(44〜
47、58、59)を素材プレート(40)の複数箇所
に形成するとともに、この複数の位置決め基準部(44
〜47、58、59)を非対称形状に形成することを特
徴とする。
【0010】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁用オリフィスプレ
ート(31、32)の製造方法において、前記オリフィ
ス(310、320、53)を、燃料流れの上流側に斜
面(313〜316、323〜326)を持ったテーパ
状の開口(311、321)を有する形状に形成するこ
とを特徴とする。 なお、上記各手段の括弧内の符号
は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示
すものである。
【0011】
【発明の作用効果】請求項1〜5記載の発明によれば、
上記したように、素材プレート(40)にオリフィス
(310、320、53)を所定間隔で多数形成した後
に、この多数のオリフィス形成部(5)相互を連結して
いる連結部(57)を分断して多数のオリフィスプレー
ト(31、32)を製作するようにしているから、小物
のオリフィスプレート(31、32)を1個づつ位置決
めしてオリフィス(310、320、53)の加工を行
う必要がなく、素材プレート(40)を一度位置決めす
るだけで、多数のオリフィスプレート(31、32)を
製作できる。
【0012】従って、小物のオリフィスプレート(3
1、32)の製作に際して、その位置決め作業を著しく
簡略化でき、しかも1枚の素材プレート(40)上に多
数のオリフィス(310、320、53)を同時に加工
することができ、オリフィスプレート製作の生産性を大
幅に向上できるという効果が大である。上記作用効果に
加えて、請求項2記載の発明では、素材プレート(4
0)の一部に、この素材プレート(40)の位置決めの
基準となる位置決め基準部(44〜47、58、59)
を形成し、この位置決め基準部(44〜47、58、5
9)により定まる所定位置に素材プレート(40)を保
持するようにしているから、素材プレート(40)自身
の一部に形成した位置決め基準部(44〜47、58、
59)を用いて、素材プレート(40)の位置決めを正
確に行うことができる。
【0013】さらに、上記位置決め基準部(44〜4
7、58、59)の配置形態を製品の種類に応じて変更
するようにすれば、製品の種類に合致した素材プレート
(40)であるか否かの判定も容易に行うことができ
る。請求項3記載の発明では、多数のオリフィス(31
0、320、53)を形成した後に、前記多数のオリフ
ィス形成部(55)周辺の不要部を切断して、オリフィ
ス形成部(55)相互間に細い連結部(57)を形成
し、その後にこの細い連結部(57)を分断して、多数
の独立したオリフィスプレート(31、32)を得るよ
うにしているから、簡単な設備で小さな力で連結部(5
7)を分断でき、しかも小さな力ですむため、分断時の
プレート歪みも発生しないという効果が得られる。
【0014】請求項4記載の発明では、位置決め基準部
(44〜47、58、59)を素材プレート(40)の
複数箇所に形成するとともに、この複数の位置決め基準
部(44〜47、58、59)を非対称形状に形成して
いるから、この非対称形状により素材プレート(40)
を正規の所定位置でのみ位置決めして固定することがで
き、そのため素材プレート(40)の表裏、左右の判定
を容易に行うことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図に示す一実施例に基づいて
説明する。本発明製造方法を説明する前に、まず、本発
明製造方法を適用する、自動車用ガソリン内燃機関の燃
料供給装置の燃料噴射弁を図1〜図5に基づいて説明す
る。この燃料噴射弁は内燃機関の吸気通路に設けられて
燃焼室へ吸入される吸入空気に燃料を噴霧し、燃焼室内
で火花点火されやすく良好に燃焼される混合気を形成す
るものである。
【0016】図1は燃料噴射弁1全体の縦断面図で、燃
料噴射弁1は、電磁弁部分10とノズル部分30とから
なる。電磁弁部分10は、中空筒状の強磁性体製の固定
鉄心11を備える。この固定鉄心11からバルブボディ
15にかけてストッパプレート14を貫通して形成され
る空間内には、ニードル16と可動鉄心17とからなる
可動部が軸方向に移動可能に設けられている。
【0017】上記ニードル16は、両端が大径に形成さ
れた棒状であり、可動鉄心17と一体に接続されるフラ
ンジ部16bには、固定鉄心11内に収容された閉じ方
向スプリング18の一端が当接しており、スプリング1
8の他端側は、固定鉄心11内に挿入されたアジャステ
ィングパイプ19に当接している。なお、固定鉄心11
の燃料入口としての開口端11aにはフィルタ20が装
着されている。
【0018】また、ニードル16はその先端に円錐部1
6cを有し、その基部にバルブボディ15内の弁座15
bと協動して燃料流れを断続するシート面16dを有す
る。バルブボディ15内の弁座15bは、円錐状に形成
され、その先端に噴射孔15cが開設されている。さら
に、ニードル16の先端部には、シート面16dとガイ
ド部16aとに近接してストッパ16eが形成されてい
る。このストッパ16eは、ストッパプレート14と当
接することでニードル16の図中上方向へのリフト量を
制限する。
【0019】固定鉄心11から磁性パイプ13の外周に
かけては、非磁性パイプ12の外周部において段部を有
する円柱状に形成されており、その外周に円筒状の電磁
コイル部21が装着されている。この電磁コイル部21
は、コイルボビンとしての樹脂製スプール21aと、こ
のスプール21aに巻回されたコイル巻線21bが備え
られている。
【0020】燃料噴射弁1は、電磁コイル部18等を完
全に包み込むとともに、コネクタ部23aを形成するよ
うに樹脂製のハウジング23によりモールド成形されて
いる。この樹脂製ハウジング23は固定鉄心11に沿っ
てその燃料入口としての開口端11a部近傍にまで延在
している。バルブボディ15の噴射孔15cの下流側の
外側には、ノズル部30を構成する2枚のオリフィスプ
レート31、32と、保護用の樹脂製ノズルスリーブ3
3とが装着されている。2枚のオリフィスプレート3
1、32は、耐食性に優れた金属であるステンレスから
製作されている。
【0021】図2は、図1の燃料噴射弁1の先端部を拡
大して示す断面図で、ノズルスリーブ33は、カップ状
を呈し、底面にオリフィスプレート31、32を収容す
る収容部33aと、燃料の噴霧通路としての開口33b
とを有し、バルブボディ15に圧入固定されている。図
3ないし図5は各オリフィスプレート31、32のほぼ
中央部の四角形範囲を図示しているが、図6に示すごと
き円板形状のものであってもよい。図2〜6により2枚
のオリフィスプレート31、32についてさらに詳細に
説明する。上流側の第1のオリフィスプレート31に
は、細長のスリット状に形成され、かつ下流へ向けて断
面積が小さくなる第1オリフィス310が形成されてい
る。 上記第1オリフィス310は、上流側開口(第1
の開口)311と、これより断面積が小さい下流側開口
(第2の開口)312とにより形成されている。そし
て、上流側開口311は、下流に向かうにつれて接近す
るように傾斜した2対の斜面313、314と、31
5、316とによって区画されている。
【0022】さらに、下流側開口312は、長方形状に
位置する2対の垂直面によって区画されている。なお、
第1のオリフィスプレート31は上流側平面317と、
下流側平面318とを有する板状である。また、下流側
の第2のオリフィスプレート32には、細長のスリット
状に形成され、かつ下流へ向けて断面積が小さくなる第
2オリフィス320が形成されている。この第2オリフ
ィス320は、上流側開口(第1の開口)321と、こ
れより断面積が小さい下流側開口(第2の開口)322
にかけて形成されている。
【0023】そして、上流側開口321は下流に向かう
につれて接近するように傾斜した2対の斜面323、3
24と、325、326とによって区画されている。さ
らに、下流側開口322は、長方形状に位置する2対の
垂直面によって区画されている。なお、第2のオリフィ
スプレート32は上流側平面327と、下流側平面32
8とを有する板状である。
【0024】そして、2枚のオリフィスプレート31、
32は、互いに密着して、しかも第1オリフィス310
と第2オリフィス320のスリット形状の長手方向が互
いに直交し、かつ第1オリフィス310と第2オリフィ
ス320とが燃料噴射方向Aに向けて直接的に連通する
ように位置決めして、バルブボディ15に対し設置され
ている。この2枚のオリフィスプレート31、32は上
述のように位置決めされてノズルボディ15の先端面に
各オリフィス310、320を完全に取り囲む溶接部分
24hで液密にレーザー溶接されている。
【0025】上記のように2枚のオリフィスプレート3
1、32が位置決めして固定されているため、第1オリ
フィス310の下流側開口312は、その殆どが第2の
オリフィスプレート32の上流側平面327で閉塞さ
れ、唯一中央部のみが第2オリフィス320の上流側開
口321に対して、これと重畳する連通開口330(図
5参照)で直接に連通している。
【0026】従って、上記連通開口330を中心とし
て、その両側から連通開口330へ向けて延びる2本の
溝331、332が形成される。また、第2オリフィス
320の上流側開口321は、その殆どが第1のオリフ
ィスプレート31の下流側平面318で閉塞され、唯一
中央部のみが第1オリフィス310の下流側開口312
に対し上記連通開口330で直接に連通している。
【0027】従って、連通開口330を中心として、そ
の両側へ向けて延びる2本の溝333、334が形成さ
れる。ここで、第1オリフィス310と第2オリフィス
320とは、上記連通開口330のうち、第2オリフィ
ス320の下流側開口322の幅寸法で定まる貫通開口
部分335(図5参照)の面積だけで、燃料噴射方向A
に向けて、直接的に連通している。
【0028】以上に説明した電磁弁部分10のうち、固
定鉄心11と非磁性パイプ12とは互いの突き合わせ部
分である溶接部分24aで全周にわたり液密にレーザー
溶接されている。また、非磁性パイプ12と磁性パイプ
13とは互いの突き合わせ部分である溶接部分24b
で、磁性パイプ13とバルブボディ15とは磁性パイプ
13を貫通して溶接部分24cで全周にわたり液密にレ
ーザー溶接されている。さらに、プレート19a、19
bは固定鉄心11と磁性パイプ13に対してレーザー溶
接されており、各溶接部は溶接部分24d、24e、2
4fとして図示されている。また、ニードル16のフラ
ンジ部16bと可動鉄心17とは、可動鉄心17の外周
から溶接部分24gでレーザー溶接されている。
【0029】また、アジャスティングパイプ19は、固
定鉄心11内に挿入された後に固定鉄心11を外周から
かしめることで固定されている。なお、上記2枚のオリ
フィスプレート31、32は、ステンレス(例えばSU
S304)の板材をプレス加工してオリフィス310、
320を区画する壁面を形成ししている。
【0030】次に、上記燃料噴射弁1の作動を説明する
と、燃料噴射弁1はその燃料噴射方向Aを図示されない
内燃機関の吸気管内に向けて装着される。固定鉄心11
のフィルタ20側は図示せぬ燃料デリバリパイプに接続
され、コネクタ部23aには図示せぬ燃料噴射制御装置
からの給電コネクタが接続されて、燃料噴射量に応じた
長さの電圧パルスがコイル21bに供給され、コイル2
1bが断続的に通電される。
【0031】コイル21bに通電されると、固定鉄心1
1の一端面と対向する可動鉄心17が、スプリング18
に抗して固定鉄心11の方向に吸引され、ニードル16
は、そのストッパ16eがストッパプレート14に当接
するまで上方へ移動して、シート面16dと弁座15b
とで形成される弁が開弁する。フィルタ20を通過した
燃料は、固定鉄心11の内部、アジャスティングパイプ
19の内部、可動鉄心17の内部、フランジ部16bに
形成された溝、磁性パイプ13の内部、ストッパプレー
ト14とニードル16との間の隙間、ガイド部16aに
形成された溝、さらにはシート面16dと弁座15bと
の間を通過して噴射孔15cに到達し、さらに2つのオ
リフィス310、320を通って吸気通路内に向けて噴
射される。
【0032】そして、上記噴射孔15cから2つのオリ
フィス310、320を通るときに燃料は複雑な流れを
与えられ、燃焼室で良好な燃焼がなされるように細かい
燃料粒に微粒化され、噴射される。燃料は、図5に図示
されるように、噴射方向Aに向けて直接に連通する連通
開口330に向けて流れる。特に、2つの溝331、3
32を助走路として、両側から連通開口330に向かう
流れが矢印B、Cのように生成され、これらの流れが連
通開口330で互いに衝突することで燃料は微粒化さ
れ、次いで下流側に位置する第2のオリフィス320を
通過することで、燃料は第2のオリフィス320のスリ
ット形状の長手方向に沿って拡大するので、連通開口3
30を要とする扇状に拡がる燃料流れが生成される。こ
の扇状の燃料流れは矢印Dから矢印Eの間に拡がる燃料
噴霧となって機関吸気通路へ噴射される。
【0033】ここで、第1のオリフィス310の各壁面
が先細になっていることで燃料が溝331、332に沿
って流れやすくされるとともに、連通開口330へ向け
て燃料がスムーズに流され、連通開口330を通った後
に燃料噴霧が必要以上に拡散することが防止される。し
かも、連通開口330を通った後の燃料は、扇状の燃料
流れの拡がり方向に沿って延びる第2のオリフィス32
0によってその拡がりが規制される。特に、第2のオリ
フィス320の長手方向に沿って延びる壁面325、3
26が先細になっていることで薄い厚さをもつ扇状の燃
料噴霧として噴射される。従って、この実施例による
と、微粒化されかつ一方向に噴射角の狭い良好な噴霧特
性を有する燃料噴霧を形成することができる。
【0034】本発明は、上記したオリフィスプレート3
1、32をプレス加工して製造する製造方法にも特徴を
有するものであり、以下この製造方法について詳述す
る。図7は本発明方法の工程の流れを示す工程図で、図
8は本発明方法を実施するための製造装置(プレス成形
型装置)を示しており、この図7、8により本発明方法
の第1実施例を説明する。
【0035】(第1工程)図7(a)に示すように、帯
状に延びた形状の金属(本例では、ステンレス)製の素
材プレート40をダイ41上に供給し、そして図7の矢
印イ方向に前進、後退が可能なように構成された素材プ
レートクランパー(素材プレート保持手段)42、43
にて素材プレート40をダイ41上で保持、固定する。
なお、図8では、図作成上の便宜を図るため、素材プレ
ート40及びダイ41の長手方向寸法を実際の寸法比率
より短縮して図示してある。
【0036】(第2工程)次に、図7(b)に示すよう
に、素材プレート40の長手方向の両端部に、素材プレ
ート40の位置決め用の基準穴44、45、46、47
を開ける。具体的には、クランパー42、43にて保持
された素材プレート40に対して、プレス成形型装置の
パンチ(図示せず)により穴明け加工を行って、素材プ
レート40の長手方向の両端部にそれぞれ2箇所づつ基
準穴44、45、46、47を開ける。
【0037】ここで、基準穴44、45、46、47の
位置は、製品(燃料噴射弁)の種類毎に変更するように
してある。これにより、製造対象の製品が変わったとき
に、他の製品の素材プレート40が混入したかどうかを
確実に判定できる。 (第3工程)次に、上記基準穴44、45、46、47
を、図8に示すダイ41上のピン挿入穴48に嵌合支持
された基準ピン49、50、51、52に嵌合する。こ
れにより、素材プレート40のダイ41に対する位置決
めを行うことができる。ここで、ピン挿入穴48は、ダ
イ41の長手方向の両端部に、その幅方向の略全長にわ
たって、多数個設けてあるので、上記基準穴44、4
5、46、47の位置変更に対応して、基準ピン49、
50、51、52の位置を変更できるようにしてある。
【0038】また、一端側の基準穴44、45と、他端
側の基準穴46、47とを非対称に配置することによ
り、素材プレート40の表裏を逆にしたときは基準穴4
4、45、46、47を基準ピン49、50、51、5
2に嵌合できなくなるので、素材プレート40の表裏を
判定することができる。また、同様に、素材プレート4
0の左右の判定も行うことができる。
【0039】上記のように、素材プレート40のダイ4
1に対する位置決めをしてから、図7(c)に示すよう
に、素材プレート40の長手方向に、所定間隔で、多数
のスリット状のオリフィス53を孔明け加工する。この
スリット状のオリフィス53は、前述の図1〜6で説明
したオリフィス310、320を形成するものである。
従って、オリフィス53は、前述の上流側開口311、
321に相当する、斜面を持った先細りテーパ状の上流
側開口と、前述の下流側開口312、322に相当す
る、斜面を持たないストレート状の下流側開口とを持っ
ている。
【0040】(第4工程)次に、図7(d)に示すよう
に、不要部分54をパンチにより切除(外形抜き)し
て、隣接するオリフィス形成部55相互間、及び基準穴
形成部56とオリフィス形成部55との間を細い連結部
57のみで連結する形状とする。 (第5工程)次に、図7(e)に示すように、上記連結
部57を図示しないパンチによりオリフィス形成部55
の端面位置で分断して、前述のオリフィスプレート3
1、32を完成させることができる。
【0041】なお、オリフィス53は図7(c)に示す
ように、素材プレート40の長手方向に多数個形成する
ので、この多数のオリフィス53の穴明け(第3工
程)、外形抜き(第4工程)、及び連結部57の分断
(第4工程)の各工程を、多数箇所、同時に実施できる
ように、プレス成形型を設計することにより、効率よ
く、オリフィスプレートの製造を行うことができる。
【0042】図9は第2実施例を示すもので、図7
(d)の外形抜き工程終了後の状態を示している。この
第2実施例では、素材プレート40の位置決め用の手段
として、第1実施例における基準穴44〜47を設ける
代わりに、案内溝部58、59を素材プレート40の長
手方向の両端部にそれぞれ非対称形状となるようにして
設けたものである。この第2実施例においても、非対称
の案内溝部58、59を有することにより、素材プレー
ト40の位置決めを行うと同時に、素材プレート40の
表裏判定、左右の判定、製品変更への対応を第1実施例
と同様、良好に行うことができる。
【0043】図10は第3実施例を示すもので、図7
(d)の外形抜き工程終了後の状態を示している。上述
した第1、第2実施例では、素材プレート40の長手方
向に、オリフィス53を1列だけ、直列に配置している
が、第3実施例では、素材プレート40の長手方向のみ
ならず、幅方向にもオリフィス53を並列に配置して、
より多くのオリフィス53を同時にプレス加工できるよ
うにしたものである。
【0044】また、上述の第1〜第3実施例では、基準
穴44〜47または案内溝部58、59をダイ41の基
準ピン49〜52に嵌合して、素材プレート40の位置
決めをしているが、基準ピン49〜52を廃止して、そ
の代わりに、光電管、レーザーセンサ等の光学的位置セ
ンサを用いて、素材プレート40の位置を感知して、素
材プレート40の位置の可否を判定し、素材プレート4
0の位置決めを行うようにしてもよい。
【0045】なお、オリフィスプレート31、32の材
質は、ステンレスの他に鉄系合金、あるいはシリコン等
の金属でもよい。また、各オリフィスの形状は種々の形
状を採用できる。例えば、上述の実施例のように長方形
の開口である必要はなく、角部の丸い長円形の開口であ
ってもよい。
【0046】また、下流側の第2オリフィス320は、
スリット状に限らず、縦横比がほぼ等しい形状であって
もよい。さらには複数の燃料噴霧を形成するように複数
の連通開口330を開設するように上流側オリフィス3
10と下流側オリフィス320とを形成し、組み合わせ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で製造したオリフィスプレートを持
つ燃料噴射弁を示す断面図である。
【図2】図1の燃料噴射弁のノズル部分を示す断面図で
ある。
【図3】図2の第1のオリフィスプレートの平面図であ
る。
【図4】図2の第2のオリフィスプレートの平面図であ
る。
【図5】図2のオリフィスプレートの組立状態を示す模
式的な拡大斜視図である。
【図6】(a)、(b)は円板状のオリフィスプレート
単体の断面図、斜視図である。
【図7】(a)〜(e)は本発明方法の第1実施例を示
す工程説明図である。
【図8】本発明方法の第1実施例の製造装置の概要を示
す斜視図である。
【図9】本発明方法の第2実施例を示す部分的な工程説
明図である。
【図10】本発明方法の第3実施例を示す部分的な工程
説明図である。
【符号の説明】
15 バルブボディ 15b 弁座 31、32 オリフィスプレート 310、320 オリフィス 311、321 上流側開口 40 素材プレート 44〜47 基準穴 53 オリフィス 55 オリフィス形成部 57 連結部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁のバルブボディの弁座下流側
    に配設され、燃料の噴霧形態を決定するオリフィスを形
    成した金属製の平板形状からなるオリフィスプレートの
    製造方法であって、 素材プレートを保持し、この素材プレートに前記オリフ
    ィスを所定間隔で多数形成する工程と、 前記多数のオリフィスを形成した後に、前記多数のオリ
    フィス形成部相互を連結している連結部を分断する工程
    と、 を具備することを特徴とする燃料噴射弁用オリフィスプ
    レートの製造方法。
  2. 【請求項2】 燃料噴射弁のバルブボディの弁座下流側
    に配設され、燃料の噴霧形態を決定するオリフィスを形
    成した金属製の平板形状からなるオリフィスプレートの
    製造方法であって、 素材プレートを保持し、この素材プレートの一部に、こ
    の素材プレートの位置決めの基準となる位置決め基準部
    を形成する第1の工程と 前記位置決め基準部により定まる所定位置に素材プレー
    トを保持し、この素材プレートに前記オリフィスを所定
    間隔で多数形成する第2の工程と、 前記多数のオリフィスを形成した後に、前記多数のオリ
    フィス形成部相互を連結している連結部を分断する第3
    の工程と、 を具備することを特徴とする燃料噴射弁用オリフィスプ
    レートの製造方法。
  3. 【請求項3】 燃料噴射弁のバルブボディの弁座下流側
    に配設され、燃料の噴霧形態を決定するオリフィスを形
    成した金属製の平板形状からなるオリフィスプレートの
    製造方法であって、 素材プレートを保持し、この素材プレートの一部に、こ
    の素材プレートの位置決めの基準となる位置決め基準部
    を形成する第1の工程と前記位置決め基準部により定ま
    る所定位置に素材プレートを保持し、この素材プレート
    に前記オリフィスを所定間隔で多数形成する第2の工程
    と、 前記多数のオリフィスを形成した後に、前記多数のオリ
    フィス形成部周辺の不要部を切断して、オリフィス形成
    部相互間に細い連結部を形成する第3の工程と、 前記細い連結部を分断する第4の工程と、 を具備することを特徴とする燃料噴射弁用オリフィスプ
    レートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記位置決め基準部を素材プレートの複
    数箇所に形成するとともに、この複数の位置決め基準部
    を非対称形状に形成することを特徴とする請求項2また
    は3に記載の燃料噴射弁用オリフィスプレートの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記オリフィスを、燃料流れの上流側に
    斜面を持ったテーパ状の開口を有する形状に形成するこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載
    の燃料噴射弁用オリフィスプレートの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054694A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Amada Company, Limited パンチ金型
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KR100935126B1 (ko) * 2008-12-10 2010-01-06 최선일 디퓨져의 상부 커버용 성형 가공장치

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