JPH08212727A - ピックアップの送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスクに記録されている信号を読み取るピッ
クアップを移動させる送り装置の構成を簡単にする。 【構成】外周に送り歯が設けられている駆動歯車６と、
該駆動歯車６と送り用歯車７との間に張架されていると
ともに前記送り歯に噛み合った状態にある駆動歯８Ａが
形成されている駆動ベルト８と、ピックアップ支持部材
３に設けられているとともに前記駆動ベルト８の駆動歯
８Ａと噛み合った状態にあるピックアップ移動用噛み合
い歯１０とより構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクに記録されて
いる信号を読み取るピックアップの送り装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】光学式ピックアップを用いてディスクに
記録されている信号の読み取り動作を行うディスクプレ
ーヤーが普及しているが、斯かるピックアップはディス
クの径方向へ電動機の駆動力によって移動されるように
構成されている。斯かるピックアップを移動させる装置
としては、種々あるが外周に送り溝が設けられている軸
を回転させることによって移動させるようにした技術が
実開平２−７２４７０号公報に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】光学式ディスクプレー
ヤーの代表的なものとしては、ＣＤプレーヤーが良く知
られているが、斯かるＣＤプレーヤーの中にはヘッドフ
ォンによって再生音を聴取するように構成されたヘッド
フォンステレオ型のポータブルＣＤプレーヤーがある。
斯かるポータブル型のＣＤプレーヤーは、携帯して使用
されるため、小型化特に薄型化が要求されるとともに振
動による影響を考慮する必要がある。

【０００４】前述した公報には、電動機により回転駆動
される軸の外周に設けられている送り溝に係合する係合
部材と該送り溝との係合状態を保持するための手段とし
て捩りコイルばねを使用した技術が記載されているが、
斯かる構成では部品点数が多いため、構成が複雑になる
とともに組み立てを容易に行うことが出来ないという問
題がある。

【０００５】また、前述した技術の送り装置では、ピッ
クアップが取付けられているピックアップ支持部材に対
する駆動力がピックアップの移動方向と平行に作用しな
いので、該ピックアップの送り動作を正確に行うことが
出来ないという問題がある。

【０００６】本発明は、斯かる問題を解決したピックア
ップの送り装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の送り装置は、ガ
イドシャフトによりディスクの径方向への移動を案内さ
れるとともにピックアップが固定されているピックアッ
プ支持部材と、外周に送り歯が設けられているとともに
電動機により回転駆動せしめられる駆動歯車と、該駆動
歯車と離間した位置に回転可能に設けられているととも
に外周に送り歯が設けられている送り用歯車と、前記駆
動歯車と送り用歯車との間に張架されているとともに前
記送り歯に噛み合った状態にある駆動歯が形成されてい
る駆動ベルトと、前記ピックアップ支持部材に設けられ
ているとともに前記駆動ベルトの駆動歯と噛み合った状
態にあるピックアップ移動用噛み合い歯とより構成され
ている。

【０００８】

【作用】本発明は、駆動歯車の回転により移動される駆
動ベルトによってピックアップ支持部材をディスクの径
方向へ移動させるようにしたものである。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の送り装置を示す要部の平面
図、図２は本発明の送り装置を示す要部の平面図、図３
は本発明の送り装置を示す要部の側断面図、図４は本発
明の送り装置を示す要部の底面図である。

【００１０】図において、１及び２は固定基板（図示せ
ず）に取付固定されているガイドシャフト、３はピック
アップ４が固定されているピックアップ支持部材であ
り、前記ガイドシャフト１及び２によって軸方向、即ち
ディスク（図示せず）の径方向への移動を可能に支持さ
れている。５はピックアップ駆動用電動機（図示せず）
の回転が歯車（図示せず）を介して伝達されて正逆方向
に回転する伝達歯車、６は前記伝達歯車５と一体的に回
転するとともに外周に送り歯が設けられている駆動歯
車、７は前記駆動歯車６と離間した位置に回転可能に設
けられているとともに外周に送り歯が設けられている送
り用歯車であり、前記駆動歯車６と送り用歯車７とを連
結する直線が前記ガイドシャフト１及び２と平行になる
ように位置付けられている。８は前記駆動歯車６と送り
用歯車７との間に張架されているとともに前記送り歯に
噛み合った状態にある駆動歯８Ａが形成されている駆動
ベルトである。

【００１１】９は前記ピックアップ支持部材３に設けら
れている腕部であり、前記駆動ベルト８に形成されてい
る駆動歯８Ａと噛み合った状態にあるピックアップ移動
用噛み合い歯１０が形成されている。１１は前記ピック
アップ支持部材３にネジ１２によって固定されている板
バネであり、その端部１１Ａは、前記駆動ベルト８の一
面に当接し、該駆動ベルト８を前記ピックアップ移動用
噛み合い歯１０方向へ押圧付勢するように構成されてい
る。

【００１２】本発明の送り装置は、以上の如く構成され
ているが、斯かる構成において、ピックアップ駆動用電
動機が回転すると、その回転力が伝達歯車５を介して前
記駆動歯車６に伝達されるため、該駆動歯車６が正逆方
向に回転せしめられる。前記駆動歯車６が回転せしめら
れると該駆動歯車６に形成されている送り歯に噛み合っ
た状態にある駆動歯８Ａが形成されている駆動ベルト８
が送り用歯車７との間を移動せしめられる。

【００１３】前記駆動ベルト８が移動すると、該駆動ベ
ルト８に形成されている駆動歯８Ａとピックアップ移動
用噛み合い歯１０とが噛み合った状態にあるため、該駆
動ベルト８の移動力が該駆動歯８Ａ及びピックアップ移
動用噛み合い歯１０を介してピックアップ支持部材３に
伝達される。その結果、前記ピックアップ支持部材３
は、ピックアップ駆動用電動機の回転方向に対応した駆
動ベルト８の移動方向に移動変位せしめられる。

【００１４】前述した動作によってピックアップ支持部
材３がガイドシャフト１及び２により案内されながら移
動するため、該ピックアップ支持部材３に固定されてい
るピックアップ４がディスクの径方向へ移動せしめられ
る。それ故、ターンテーブル（図示せず）により回転駆
動されるディスクに記録されている信号は前記ピックア
ップ４によって読み取られる。

【００１５】前述したように本発明におけるピックアッ
プ４の送り動作は行われるが、斯かる動作が行われると
き、板バネ１１の端部１１Ａが駆動ベルト８の一面に当
接し、該駆動ベルト８をピックアップ移動用噛み合い歯
１０方向へ押圧付勢しているため、該ピックアップ移動
用噛み合い歯１０と該駆動ベルト８に形成されている駆
動歯８Ａとの噛み合い状態を良好に保持することが出来
る。従って、ピックアップ駆動用電動機の回転駆動動作
によるピックアップ支持部材３の送り動作を円滑に行う
ことが出来る。

【００１６】また、前記板バネ１１の端部１１Ａが駆動
ベルト８の一面に当接し、該駆動ベルト８をピックアッ
プ移動用噛み合い歯１０方向へ押圧付勢しているので、
前記ピックアップ支持部材３が固定基板に設けられてい
るストッパーに当接し、それ以上の変位が阻止されてい
る状態において、ピックアップ駆動用電動機の回転駆動
動作による駆動ベルト８の移動動作が行われても前記板
バネ１１の端部１１Ａの後退動作によってピックアップ
移動用噛み合い歯１０と駆動ベルト８に形成されている
駆動歯８Ａとの噛み合い状態が解除されるため、何ら問
題が発生することはない。

【００１７】尚、本実施例では、駆動歯車６と送り用歯
車７とを連結する直線がガイドシャフト１及び２に平行
になるようにしたが、送り用歯車の数を複数にすること
も可能であり、前記駆動歯車６と複数の送り用歯車との
間に張架される駆動ベルトの一部が前記ガイドシャフト
１及び２に平行になるように構成すれば、ピックアップ
の送り動作を支障なく行うことが出来る。また、本実施
例では、駆動ベルト８をピックアップ移動用噛み合い歯
１０方向へ押圧付勢する弾性手段として板バネ１１を使
用したが、コイルスプリング等の弾性手段を使用するこ
とも可能である。

【００１８】

【発明の効果】本発明は、ピックアップが固定されてい
るピックアップ支持部材の送り動作を駆動歯車の回転に
より移動される駆動ベルトによって行うようにしたの
で、駆動源となる電動機の取付位置を自由に設定するこ
とが出来るだけでなく、構成が簡単になり、更に送り装
置の形状を薄くすることが出来るので、本発明はポータ
ブル型のディスクプレーヤーに実施した場合に非常に大
きな効果を奏するものである。また、駆動ベルトに駆動
歯を形成し、該駆動歯とピックアップ支持部材に形成さ
れているピックアップ移動用噛み合い歯との噛み合いに
よって駆動力を伝達するように構成したので、駆動力の
伝達ロスが無いだけでなく伝達時間の伝達ロスもなく、
本発明の送り装置は、ビックアップの送り動作を高速に
て行う必要があるディスクプレーヤーの送り装置として
最適なものである。

【００１９】また、本発明は、駆動歯車と送り用歯車と
を連結する直線がガイドシャフトと平行になるように構
成したので、駆動ベルトがガイドシャフトと平行とな
り、該駆動ベルトの駆動力をピックアップ支持部材に形
成されているピックアップ移動用噛み合い歯に正確、且
つ効率良く伝達することが出来る。

【００２０】そして、本発明は、弾性手段によって駆動
ベルトをピックアップ移動用噛み合い歯の方向に押圧付
勢するように構成したので、該駆動ベルトに形成されて
いる駆動歯と該ピックアップ移動用噛み合い歯との噛み
合い状態を良好に保持することが出来るだけでなく、ピ
ックアップ支持部材が固定基板に設けられているストッ
パーに当接し、それ以上の変位が阻止されている状態に
おいて、ピックアップ駆動用電動機の回転駆動動作によ
る駆動ベルトの移動動作が行われてもピックアップ移動
用噛み合い歯と駆動ベルトに形成されている駆動歯との
噛み合い状態が解除されるため、即ち弾性手段が伝達力
のリミッターとして作用するため、送り機構に何ら問題
が発生することはない。

【００２１】また、本発明において、弾性手段として板
バネを使用すると、該板バネのピックアップ支持部材へ
の固定動作をネジの締め付けによって行うことが出来る
ので、構成が簡単になり、組立動作を容易に行うことが
出来るという利点を本発明は有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の送り装置を示す要部の平面図である。

【図２】本発明の送り装置を示す要部の平面図である。

【図３】本発明の送り装置を示す要部の側断面図であ
る。

【図４】本発明の送り装置を示す要部の底面図である。

【符号の説明】

１、２ ガイドシャフト ３ ピックアップ支持部材 ４ ピックアップ ６ 駆動歯車 ７ 送り用歯車 ８ 駆動ベルト ８Ａ 駆動歯 １０ ピックアップ移動用噛み合い歯 １１ 板バネ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドシャフトによりディスクの径方向へ
   の移動を案内されるとともにピックアップが固定されて
   いるピックアップ支持部材と、外周に送り歯が設けられ
   ているとともに電動機により回転駆動せしめられる駆動
   歯車と、該駆動歯車と離間した位置に回転可能に設けら
   れているとともに外周に送り歯が設けられている送り用
   歯車と、前記駆動歯車と送り用歯車との間に張架されて
   いるとともに前記送り歯に噛み合った状態にある駆動歯
   が形成されている駆動ベルトと、前記ピックアップ支持
   部材に設けられているとともに前記駆動ベルトの駆動歯
   と噛み合った状態にあるピックアップ移動用噛み合い歯
   とより成り、前記駆動歯車の回転による前記駆動ベルト
   の移動動作によって前記ピックアップ支持部材をディス
   クの径方向へ移動させるようにしたことを特徴とするピ
   ックアップの送り装置。
2. 【請求項２】駆動歯車と送り用歯車とを連結する直線が
   ガイドシャフトと平行になるようにしたことを特徴とす
   る請求項１に記載の送り装置。
3. 【請求項３】駆動ベルトをピックアップ移動用噛み合い
   歯方向へ付勢する弾性手段をピックアップ支持部材に設
   けたことを特徴とする請求項１に記載の送り装置。
4. 【請求項４】弾性手段が板バネであることを特徴とする
   請求項１に記載の送り装置。