JPH08212333A - 木目の導管断面パターンの認識方法および部分的に重なった細長いパターンの認識方法 - Google Patents

木目の導管断面パターンの認識方法および部分的に重なった細長いパターンの認識方法

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JPH08212333A
JPH08212333A JP4127295A JP4127295A JPH08212333A JP H08212333 A JPH08212333 A JP H08212333A JP 4127295 A JP4127295 A JP 4127295A JP 4127295 A JP4127295 A JP 4127295A JP H08212333 A JPH08212333 A JP H08212333A
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JP4127295A
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English (en)
Inventor
Naoki Kawai
直樹 河合
Toshio Motegi
敏雄 茂出木
Norio Miyasaka
典郎 宮坂
Yasuhiro Hayashi
靖浩 林
Hideki Murota
秀樹 室田
Ieharu Hashizume
家治 橋爪
Toshio Ariyoshi
俊雄 有吉
Masaru Okamoto
優 岡本
Yoshio Sukegawa
佳夫 助川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然木目の断面パターンから、単一の導管断
面パターンを認識する。 【構成】 天然木の切断面を写真撮影し、多数の導管断
面パターンの二値画像を得る。この二値画像を、パター
ンの長手方向LをY軸とするXY座標系に取り込み、X
軸に平行な多数の画素行を定義し、各画素行の上でパタ
ーン内部を示す連続画素からなる水平線分を認識し、水
平線分数が変化する位置を境界としてY軸に沿って複数
の区間A〜Gを定義する。そして、水平線分数が1であ
り、水平線分数が2である別な区間に隣接し、かつ、前
記別な区間との境界部分において前記別な区間に属する
2つの水平線分の双方に連結するような水平線分を有す
る、という3条件を満足する融合区間D,Fについて、
各画素行の水平線分をそれぞれ2つの水平線分に分離す
る処理を行い、もとの閉領域を甲乙の2つの導管断面パ
ターンに分離して認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木目の導管断面パター
ンの認識方法および部分的に重なった細長いパターンの
認識方法に関し、特に、天然木の切断面に現れる断面パ
ターンに基いて、単一の導管断面パターンを認識する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然木の肌合いを表現した壁紙等の化粧
シートは、建築材料、家具、弱電機器のキャビネット等
の表面化粧材として広く利用されている。通常、このよ
うな化粧シートには、天然木を模した絵柄模様が印刷さ
れるとともに、凹凸をもった木目模様が形成される。天
然木の切断面に現れる凹凸をもった木目模様は、主とし
て植物としての生理作用を営むために不可欠な導管を切
断することによって得られる模様であり、切断された導
管部分が木目導管溝として木材の表面に現れることにな
る。したがって、天然木の肌合いを人工的に表現するた
めには、天然の木材の表面に存在する木目導管溝をでき
るだけ忠実に再現することが重要である。このため、一
般的な壁紙などの製造工程では、木目導管溝を忠実に再
現したエンボス版を作成し、このエンボス版を用いて壁
紙などの表面に凹凸模様を賦形している。
【0003】壁紙に賦形された木目導管溝が、できるだ
け天然の木目に見えるようにするためには、エンボス版
上に形成する凹凸パターンを、天然木の断面に形成され
た実際の木目導管溝に基づいて作成すればよい。このた
め、従来は、天然の木材の表面に現れた木目模様のパタ
ーンを写真撮影の方法などにより抽出し、この抽出した
パターンをフォトリソグラフィの手法を用いてエンボス
版の上に形成するという方法が採られている。もともと
天然の素材をモチーフとして用いているため、エンボス
版上に形成された凹凸パターンは、天然の木目に近いも
のになる。
【0004】また、特願平6−32918号明細書に
は、エンボス版上に形成する凹凸パターンに、天然木の
導管溝の深さの情報を反映させるための新規な手法も提
案されている。天然木の導管溝は、導管を切断したこと
により得られる溝であり、通常は、溝内の各部分によっ
て深さが異なるものである。ところが、天然の木材の表
面に現れた木目模様のパターンを写真撮影の方法などに
より抽出すると、導管溝の切り口の形状に関する平面的
な情報だけしか抽出されないことになり、深さに関する
情報は失われてしまう。上記明細書に開示されている手
法を用いれば、円筒状の導管を所定の角度で切断した幾
何学モデルを想定することにより、導管溝の切り口の形
状に関する平面的な情報に基いて、溝の各部の深さの情
報を演算によって求めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、でき
るだけ天然の木目に近い木目導管溝模様を得るために
は、天然の木材の表面に現れた木目模様のパターンを写
真撮影の方法などによって抽出する方法が採られる。と
ころが、このような方法で抽出したパターンには、必ず
しも単一の導管断面のパターンのみが含まれているわけ
ではなく、2つ、あるいはそれ以上の導管断面の融合パ
ターンが含まれていることが多い。すなわち、2つ以上
の導管断面が平面的に一部重なると、両者の図形論理和
に相当する融合パターンが生じることになる。このよう
な融合パターンの生じる第1の原因は、天然木の中に、
もともと2つ以上の導管が融合している部分が存在する
ためであり、第2の原因は、写真撮影などの光学的なプ
ロセスにおいて、近接していた2つの導管溝模様が融合
してしまうことがあるためである。
【0006】このように、天然木から導管断面のパター
ンを画像データとして取り込んだときに、2つ以上の導
管断面が融合した融合パターンが含まれていても、これ
を平面的な木目模様として利用するのであれば、特に問
題は生じない。むしろ、そのような融合パターンが混じ
っていた方が、見た目に、より自然な風合いが感じられ
ることになる。しかしながら、個々の導管溝に深さの情
報を与え、エンボス版上に凹凸パターンとして表現する
場合には問題が生じる。すなわち、平面的な導管断面に
対して、深さの情報を与えるには、円筒状の導管を所定
の角度で切断した幾何学モデルを想定することにより、
導管断面の輪郭線に基いて各部の深さを演算することに
なるので、上述した融合パターンに対しては、正しい深
さの情報を与えることができなくなる。
【0007】そこで本発明は、部分的に重なった導管断
面が含まれている木目の導管断面パターンから、単一の
導管断面パターンを認識するための効率的なパターン認
識方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、コンピュータを用いて、
木目の導管断面パターンを認識する方法において、天然
木の切断面に現れる導管断面パターンを、導管断面パタ
ーンの内部を示す第1の画素値と、導管断面パターンの
外部を示す第2の画素値と、をもった二値画像データと
して取り込む画像入力段階と、二値画像データに基い
て、第1の画素値を有する連続した領域をそれぞれ個々
の閉領域として認識する閉領域認識段階と、認識した個
々の閉領域について、その閉領域が、単一の導管断面パ
ターンからなる単一閉領域か、複数の導管断面パターン
が融合してなる融合閉領域であるか、を判断し、融合閉
領域については、これを単一の導管断面パターンからな
る単一閉領域に分離して認識する単一パターン認識段階
と、を行うようにしたものである。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る認識方法において、画像入力段階におい
て、XY二次元座標系に二値画像データを取り込み、閉
領域認識段階において、X軸に平行な多数の画素行を定
義し、各画素行の上で第1の画素値をもった連続画素か
らなる水平線分を認識し、互いに連結する水平線分によ
って構成される領域を1つの閉領域として認識するよう
にしたものである。
【0010】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る認識方法において、単一パター
ン認識段階において、各閉領域について共通の長手方向
を定め、Y軸がこの長手方向を向くようなXY二次元座
標上でX軸に平行な多数の画素行を定義し、各画素行の
上で第1の画素値をもった連続画素からなる水平線分を
認識し、各画素行ごとにそれぞれ水平線分の数を求め、
水平線分数が変化する位置を境界としてY軸に沿って複
数の区間を定義し、水平線分数が1であり、水平線分数
が2である別な区間に隣接し、かつ、この別な区間との
境界部分においてこの別な区間に属する2つの水平線分
の双方に連結するような水平線分を有する、という3条
件を満足する区間を融合区間として認識し、融合区間が
存在する閉領域については、これを融合閉領域と判断
し、この融合閉領域について、融合区間に所属する各画
素行の水平線分をそれぞれ2つの水平線分に分離するこ
とにより、2つの単一閉領域に分離する処理を行うよう
にしたものである。
【0011】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る認識方法において、融合区間に所属する各
画素行の水平線分をそれぞれ2つの水平線分に分離する
ときに、隣接する別な区間の2つの水平線分の長さの比
に基いて分離比を決定するようにしたものである。
【0012】(5) 本発明の第5の態様は、長手方向が
ほぼ共通した2つの細長いパターンを、部分的に重ねて
二次元平面上に配置することにより構成される画像か
ら、コンピュータを用いて、個々の細長いパターンをそ
れぞれ独立して認識する方法において、もとの画像を、
細長いパターンの内部を示す第1の画素値と、細長いパ
ターンの外部を示す第2の画素値と、をもった二値画像
データとして、Y軸が長手方向を向くようなXY二次元
座標系上に取り込む段階と、このXY二次元座標上で、
X軸に平行な多数の画素行を定義し、各画素行の上で第
1の画素値をもった連続画素からなる水平線分を認識
し、各画素行ごとにそれぞれ水平線分の数を求め、水平
線分数が変化する位置を境界としてY軸に沿って複数の
区間を定義する段階と、水平線分数が1であり、水平線
分数が2である別な区間に隣接し、かつ、この別な区間
との境界部分においてこの別な区間に属する2つの水平
線分の双方に連結するような水平線分を有する、という
3条件を満足する区間を融合区間として認識する段階
と、この融合区間について、各画素行の水平線分をそれ
ぞれ2つの水平線分に分離する処理を行うことにより、
個々の細長いパターンを独立して認識する段階と、を行
うようにしたものである。
【0013】
【作 用】本発明に係るパターン認識方法では、まず、
もとになる画像(たとえば、天然木の切断面から光学的
な方法で取り込んだ画像)が二値画像データとして取り
込まれる。この二値画像データは、導管断面パターンの
内部を示す第1の画素値と、導管断面パターンの外部を
示す第2の画素値と、からなるデータになる。続いて、
この二値画像データに基いて、個々の導管断面パターン
に相当する閉領域が認識される。ただし、この段階で認
識された閉領域は、必ずしも、単一の導管断面パターン
からなる単一閉領域とは限らず、複数の導管断面パター
ンが融合してなる融合閉領域の場合もある。そこで、融
合閉領域の場合には、これを単一閉領域に分離して認識
する処理を行う。こうして、もとになる画像に基いて、
単一の導管断面パターンからなる単一閉領域のみを認識
することが可能になる。
【0014】本発明では、閉領域の認識や融合閉領域の
分離に、「水平線分」という概念を用いた処理を行う。
そのために、画像入力段階において、各導管断面パター
ンについての共通の長手方向を定め、Y軸が長手方向を
向くようなXY二次元座標系に二値画像データを取り込
むようにする。そして、X軸に平行な多数の画素行を定
義し、各画素行の上で第1の画素値(導管断面パターン
内部を示す画素値)をもった一連の連続画素列を「水平
線分」として定義する。このような「水平線分」を利用
すれば、閉領域は、「互いに連結する水平線分によって
構成される領域」として認識することができる。また、
融合閉領域の分離処理は、この「水平線分」を利用し
て、次のようにしてなされる。すなわち、各画素行ごと
にそれぞれ水平線分の数を求め、水平線分数が変化する
位置を境界としてY軸に沿って複数の区間を定義する。
そして、水平線分数が1であり、水平線分数が2である
別な区間に隣接し、かつ、この別な区間との境界部分に
おいてこの別な区間に属する2つの水平線分の双方に連
結するような水平線分を有する、という3条件を満足す
る区間を融合区間として認識し、この融合区間を2つに
分離するのである。
【0015】このような「水平線分」を利用した処理に
よって、部分的に重なった導管断面が含まれているもと
の導管断面パターンから、単一の導管断面パターンを効
率的に認識することができるようになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。なお、本発明に係るパターン認識方法は、長手
方向がほぼ共通した2つの細長いパターンを、部分的に
重ねて二次元平面上に配置することにより構成される画
像から、コンピュータを用いて、個々の細長いパターン
をそれぞれ独立して認識するためのものであるが、この
認識方法は、特に、天然木の木目導管断面パターンに適
用すると利用価値が高い。そこで、以下、天然木の木目
導管断面パターンに適用した具体的な実施例について述
べることにする。
【0017】§1. 天然木の木目導管断面パターン はじめに、天然木の木目導管断面パターンのもつ性質に
ついて簡単に説明しておく。図1に、ごく一般的な天然
木から切り出した材木板を示す。このような材木板の表
面には、通常、木目模様に沿って細かな木目導管断面パ
ターンが現れる。たとえば、図1に小さな円で囲って示
した円形部分領域Uを拡大してみると、図2に示すよう
な、楕円パターンPの集合によって木目模様が構成され
ていることがわかる。このような楕円パターンPは、木
目導管断面パターン、すなわち天然木に存在する導管の
断面として得られるパターンである。この木目導管断面
パターンが細長いほぼ楕円状のパターンになることを、
図3のモデルで示そう。ここでは、天然木に存在する導
管Tが完全な円筒形状をしているものとして説明を行う
ことにする。この導管Tは、植物の生命維持に必要な物
質の流通路として利用される管であり、植物の成長方向
に沿って伸びている。すなわち、天然木の場合は幹に沿
った方向に伸びていることになる。このような天然木か
ら材木板を切り出す場合、通常は、より面積の広い板が
取れるように幹に沿った方向に切断することになる。し
たがって、導管Tの長手方向軸と切断面Cとは、図3に
示すように、鋭角をなすのが一般的である。したがっ
て、切断面Cに現れる導管Tの切り口、すなわち、木目
導管断面パターンは、図3の上方に示すように、細長い
楕円パターンPになる。
【0018】ところで、図2に示した複数の楕円パター
ンPは、いずれもほぼ長手方向Lの方向に沿って細長い
楕円になっている。これは、天然木の内部に存在する導
管Tが、いずれも木の成長方向に向かって伸びているた
め、近接する楕円パターンPはいずれも向きがほぼ同じ
になるためである。したがって、図1に示すような材木
板全体についても、表面に存在する多数の楕円パターン
にほぼ共通した長手方向L(この例の場合は、図の左右
に伸びる方向)を定めることができる。
【0019】さて、このような楕円状の木目導管断面パ
ターンは、あくまでも切断面C上に現れた断面パターン
であって、実際の木目導管溝の切り口の部分の形状にす
ぎない。材木板の表面部分に形成された実際の木目導管
溝は、深さのある凹状の溝である。そこで、この導管溝
の深さがどのような分布になるかを検討してみる。い
ま、図3に示すモデルにおいて、導管Tについての3つ
の横断面C1,C2,C3を考えてみる。図3の下方に
示す3つの楕円C1,C2,C3は、各横断面位置での
断面図である。ここで、水平の破線Cは、切断面Cの位
置を示しており、その下のハッチング部分が、切断面C
の下方に得られる材木板に形成される導管溝Gの内部領
域を示している。このモデルから明らかなように、実際
の導管溝Gの深さは、図の右側が最も浅く、図の左側が
最も深くなる。しかも、右から左へゆくにしたがって、
深さは徐々に深くなり、深度は右から左へと単調に増加
することになる。また、楕円パターンPの短軸方向に関
する深度分布は円弧状になる。
【0020】したがって、図3の上方に示した楕円パタ
ーンPは、単なる平面的な断面のパターンであるが、こ
の平面パターンに深さの情報を付加したとしたら、図の
右側が最も浅く、図の左側が最も深いことになる。しか
も、前述したように、隣接する多数の導管Tは、ほぼ同
じ方向に伸びているため、この深さの分布関係も互いに
同じになる。たとえば、図2に示す複数の楕円パターン
Pのうちのひとつについて、図の右側の端が浅く、左側
の端が深いという深さの分布情報が得られたとしたら、
このような深さの分布情報は他のすべての楕円パターン
Pについても共通して適用できることになる。より視野
を拡大すれば、図1に示す材木板上に形成されている多
数の楕円パターンすべてについて、このような深さの分
布情報を共通して適用することができる。なお、板目の
向きが途中で変わるような特殊な場合は、必ずしも同一
の深度分布情報を共通して適用することはできないが、
ほとんどの天然木目板では、このような適用を行っても
問題は生じない。
【0021】なお、上述のモデルでは、導管Tを単純な
円筒形状のものとして取り扱ったが、実際の導管は、幾
何学的に完全な円筒形状をしているものは希であり、自
然界のものであるため当然いびつな形状をしているのが
普通である。中には、円筒形状(円柱形状)というより
は、根元から梢にゆくにしたがってなだらかに傾斜した
円錐形状に近いものもある。したがって、実際の木目導
管断面パターンは、幾何学的に完全な楕円ではなく、多
少いびつな形状をしていることになる。
【0022】§2. 木目導管溝内の深度計算 壁紙などの建材シートの表面に、この木目導管溝を模様
として形成する場合、単なる印刷によって個々の導管溝
を表現するよりは、エンボス加工を行って、実際に凹凸
をもった模様として表現する方が、より自然な風合いが
実現できる。そこで、天然の木材の表面に現れた木目模
様のパターンを写真撮影の方法などにより抽出し、この
抽出したパターンに基いて、エンボス版を作成し、この
エンボス版を用いて建材シートの表面にエンボス加工が
行われることになる。ところが、写真撮影などの方法に
よって、天然の木材の表面に現れた木目模様のパターン
を抽出する場合、個々の木目導管溝の内部の深さの情報
までを抽出することは非常に困難である。したがって、
通常は、個々の導管断面パターンを、二値画像データと
して取り込むことになる。たとえば、図2に示すパター
ンの場合、各楕円パターンP(木目導管断面パターン)
の内部は画素値「1」をもった画素で形成され、外部は
画素値「0」をもった画素で形成された画像として取り
込まれることになる。別言すれば、取り込んだ画像は、
個々の木目導管断面パターンの輪郭線の情報のみをも
ち、パターン内部の深さの情報を欠いた平面的な情報と
いうことになる。
【0023】このように、天然の木材から木目導管断面
パターンを取り込んだときに、深さの情報が失われてし
まうという問題を解決する方法として、特願平6−32
918号明細書には、導管溝の輪郭線の情報から、その
内部の深度情報を疑似的に演算によって求める新規な手
法が開示されている。以下、この深度計算の基本原理を
簡単に説明する。いま、図3に示す幾何学モデルにおい
て、導管Tの直径をD、楕円パターンPの長軸の長さを
V、短軸の長さをW、導管Tの軸方向が切断面Cに対し
てなす角をθ、としたときに、これら各数値の間の関係
を調べてみると、幾何学的に、 W=D V=D/sinθ なる関係が成り立つことがわかる。これは、楕円パター
ンPが特定されれば(すなわち、長軸の長さVと短軸の
長さWとが特定されれば)、導管Tの直径Dも、切断面
Cに対してなす角度θも、いずれも特定されることを示
している。別言すれば、ある任意の楕円が与えられる
と、そのような楕円が断面パターンとして現れるような
導管Tと切断面Cとの幾何学的モデルが決定されるとい
うことになる。ただ、楕円の情報だけからは、導管溝の
どちらが深いかという情報は得られないので、厳密に言
えば、溝の深さの分布情報を与えることにより、唯一の
幾何学的モデルが決定されることになる。たとえば、図
3のモデルにおいて、楕円パターンPが与えられ、その
右側が浅く、左側が深い、という深さの分布情報が与え
られれば、この図に示されているような三次元モデルが
唯一決定されることになる。
【0024】このように、各楕円パターンPについて、
図3に示すような三次元モデルが特定できれば、このモ
デルに基いて、楕円パターンPの内部の各位置における
溝の深さを計算によって求めることができる。そこで、
実際の天然木の導管すべてが幾何学的に完全な円筒形状
をしており、このような天然木を完全な平面で切断して
材木板を得た場合を考えれば、この材木板の表面に現れ
る木目導管断面パターンは、幾何学的に完全な楕円とな
り、この断面パターンの情報のみに基づいて、木目導管
溝の各部の深さを演算によって求めることができること
になる。たとえば、図1に示すような材木板から、写真
撮影の方法などにより、図2に示すような木目導管断面
パターンを得たとする。このパターンは、長手方向Lを
向いた多数の楕円であり、導管溝の深さに関する情報は
含んでいない。しかし、実際の材木板に形成された各導
管溝を観察して、長手方向Lに沿った左右方向のうち、
溝が深いのはどちらの方向か、という情報を得れば、上
述の手法により、各楕円パターン内部の各位置に、深さ
に関する情報を定義することが可能になる。このような
深さの情報が得られれば、凹凸構造をもったエンボス版
を作成することが可能になる。
【0025】もっとも、実際には、上述の幾何学モデル
を、天然木の導管にそのまま適用することはできない。
実際の天然木の導管は、大まかに見れば円筒形状をして
いるが、厳密には幾何学的な円筒とは言えないいびつな
形状をしている。したがって、実際に得られる木目導管
断面パターンも、正確な楕円ではなく、多少いびつな形
状をしていることになる。そこで、実際には、得られた
導管断面パターンを近似楕円に置き換えた処理が必要に
なる。このような処理の詳細については、前掲の特願平
6−32918号明細書を参照されたい。
【0026】§3. 本発明を利用したエンボス製品の
生産方法 ここでは、本発明を利用したエンボス製品(たとえば、
木目模様の壁紙)を大量生産する全体的な工程を簡単に
説明しておく。図4は、この全体工程の流れ図である。
なお、ここで述べる工程は、エンボス加工に関する処理
のみを抽出したものであり、実際に壁紙などを生産する
場合には、この他にも種々の処理工程(たとえば、印刷
工程)が必要になる。
【0027】まず、ステップS1において、画像入力を
行う。これは、図1に示すような天然木の切断面に現れ
る導管断面パターンを、写真撮影などの方法によって、
二値画像データとして取り込む処理である。続いて、ス
テップS2において、取り込んだ画像中の雑音除去処理
を行う。この雑音除去処理は、必ずしも必要な処理では
ないが、通常、ステップS1において入力した画像に
は、種々の雑音が含まれているため、この段階で雑音除
去を行うのが好ましい。たとえば、図2に示す例では、
木目導管断面パターンP1には、いわゆる「画素抜け」
の雑音領域P0が存在しており、ステップS2では、こ
のような雑音領域P0の除去が行われることになる。
【0028】続いて、ステップS3において、閉領域認
識処理が行われる。人間の目によって図2を観察すれ
ば、たとえば木目導管断面パターンPが1つの閉領域と
して認識できるが、これは人間の脳が閉領域認識処理を
行っているためである。ステップS1で入力された画像
データは、前述したように単なる二値画像データであ
る。ステップS3の処理は、コンピュータに、個々の木
目導管断面パターンをそれぞれ独立した閉領域として認
識させる処理である。続いて、ステップS4において、
単一パターン認識処理が行われる。ここで「単一パター
ン」とは、「実際の天然木における1本の導管に基いて
形成された木目導管断面パターン」を意味する。既に述
べたように、1本の導管を切断した場合、その切り口は
ほぼ楕円形状になる。ところが、天然木の中には、2本
の導管が融合しているような箇所があり、このような部
分については、その切り口は2つの楕円形状パターンが
融合したような複雑な形状になる。また、実際の天然木
では2本が融合していなくても、2つの木目導管断面パ
ターンが非常に接近していた場合には、写真撮影などの
光学的処理を施す段階で両者が融合してしまうこともあ
る。すなわち、ステップS1において入力した画像の中
には、図2における木目導管断面パターンP2およびP
3のように、平面的に重なり合ったパターンP2&P3
も含まれることになる。このような融合したパターンに
対して§2で述べた深度計算処理を施す場合、融合した
パターンを2つに分離しておかないと、正しい処理が行
われないことになる。ステップS4の単一パターン認識
処理は、このような融合パターンP2&P3を、それぞ
れ単一のパターンP2とP3とに分離して認識する処理
である。このステップS4の単一パターン認識処理は、
ステップS5を経て、ステップS3において認識された
全閉領域について実行される。
【0029】続いてステップS6において、各単一パタ
ーンに導管モデルを適用して深度計算が行われる。すな
わち、§2で述べたように、各単一パターン(木目導管
断面パターン)ごとに、図3のような幾何学モデルを適
用し、パターン内部の各位置における深度を計算によっ
て与えるのである。この処理は、ステップS7を経て、
全単一パターンについて実行される。こうして、すべて
の木目導管断面パターンに対して深さの情報が付加され
たら、ステップS8において、エンボス加工用原版が作
成され、ステップS9において、この原版を用いたエン
ボス加工により、エンボス製品の大量生産が行われるこ
とになる。
【0030】以上、エンボス製品の生産工程を簡単に説
明したが、本発明は、この工程の中のステップS3の閉
領域認識処理およびステップS4の単一パターン認識処
理に関わるものである。このような認識処理は、ステッ
プS6における深度計算処理をより正確に行うために有
効であるが、それ以外にも、たとえば、意匠上の効果を
高めるために、木目導管断面パターンを流線形にした
り、全体的に太らせたり、細らせたりして、変形加工を
行う場合にも役立つ。
【0031】§4. 画像中の雑音除去処理(ステップ
S2) 上述したように、入力した画像から雑音を除去する処理
は、必ずしも必要なものではないが、実際には、ステッ
プS3以降の処理を行う上での前処理として実行するの
が好ましい。これは、通常、ステップS1において入力
した画像が、雑音領域を少なからず含んでおり、このよ
うな雑音領域が後の処理工程に悪影響を及ぼす可能性が
あるからである。たとえば、図5に示す例では、長手方
向Lに沿って、3つの導管断面パターンP1〜P3が二
値画像として入力されている。ここでは、図に「黒」で
示された領域(導管断面パターン内部の領域)を前景と
呼び、画素値「1」をもった画素の集合として表現さ
れ、図に「白」で示された領域(導管断面パターン外部
の領域)を背景と呼び、画素値「0」をもった画素の集
合として表現されているものとする。
【0032】図5に示す例のように、実際の天然木の木
目から入力した導管断面パターンは、幾何学的には正確
な楕円にはならず、細長いいびつな形状のパターンとな
る。ただ、いずれのパターンも、その長手方向は、天然
木の成長方向に沿ったほぼ共通したものになる。この図
5に示す例では、2つの雑音領域が発生している。すな
わち、前景内にいわゆる「抜け」として生成された雑音
領域P0と、背景内にいわゆる「汚れ」として生成され
た雑音領域P4である。このような画像中の雑音を除去
する手法としては、種々の方法が公知であるが、以下、
簡単な方法を一例として掲げておく。
【0033】いま、図6に示すように、10×10の画
素配列(本明細書では、このような画素配列において、
常に水平方向にX軸、垂直方向にY軸をとるものとす
る)の中に、導管断面パターンが取り込まれているもの
とする。ここでは、画像入力を行うときに、オペレータ
が各導管断面パターンに共通した長手方向Lを指定し、
この長手方向LがY軸を向くようなXY二次元座標系に
画像を取り込んだものとする。上述したように、図6に
おいても、図に「黒」で示された領域が導管断面パター
ン内部を示す前景(画素値「1」)であり、図に「白」
で示された領域が導管断面パターン外部を示す背景(画
素値「0」)である。ここで、中央部に存在する4画素
は、「白」で示された背景になっているが、実際には、
導管断面パターン内部の「画素抜け」の部分であり、本
来は、前景に所属すべき雑音領域であるものとする。
【0034】ここで、図6の画素配列上で、X軸に平行
な10本の画素行を定義する。すなわち、最上行に横に
並んだ10個の画素からなる画素行が第0の画素行、最
下行に横に並んだ10個の画素からなる画素行が第9の
画素行となる。そして、各画素行の上で、画素値「1
(黒)」をもった一連の連続画素列を「水平線分」とし
て認識する。たとえば、第1の水平線分は、第0の画素
行上に配置された6つの画素から構成されている。図で
は、各水平線分の左端位置に、水平線分を示す番号を記
してある。「画素抜け」が存在するため、第4の画素行
には、2つの水平線分5,6が存在し、第5の画素行に
は、2つの水平線分7,8が存在する。
【0035】続いて、各水平線分を左右にそれぞれ1画
素分ずつ伸ばす処理を行うと、図7の状態が得られる。
第0の画素行にあった水平線分1は、左右に1画素ずつ
伸びて全長が8画素分の水平線分になっている。また、
第4の画素行にあった2つの水平線分5,6は、それぞ
れが左右に伸びたために、単一の水平線分5に融合して
いる。第5の画素行についても同様である。次に、各水
平線分を左右にそれぞれ1画素分ずつ縮める処理を行う
と、図8の状態が得られる。この図8の状態を、図6の
状態と比べてみると、「画素抜け」の雑音領域が消滅し
ていることがわかる。
【0036】このように、図5に示す前景上の雑音領域
P0は、各水平線分を伸ばした後に縮める処理を行え
ば、除去することが可能である。伸縮する画素数を適宜
設定することにより、除去対象となる雑音領域の大きさ
を設定することができる。また、画素値「0(白)」を
もった一連の連続画素列を「水平線分」として認識し
て、同様の処理を行えば、図5に示す背景上の雑音領域
P4についての除去が可能になる。
【0037】図5に示す入力画像に対して、上述の雑音
除去処理を施すと、図9に示す画像が得られる。ただ、
この段階で実際に得られる画像データは、画素値「0」
または「1」をもった画素の集合からなる二値画像デー
タであり、3つの導管断面パターンP1〜P3が直接認
識されているわけではない。後述するステップS3にお
ける閉領域認識処理は、これらのパターンP1〜P3
を、それぞれ独立した閉領域として認識する処理であ
る。ただ、ステップS3で認識される対象は、必ずしも
個々の導管断面パターンにはならない。図9に示すよう
に、各導管断面パターンP1〜P3がそれぞれ別個独立
した閉領域を形成している場合には、ステップS3で認
識した閉領域が、そのまま導管断面パターンになるが、
図10に示すように、導管断面パターンP2,P3が平
面的に重なっているような場合には、2つの導管断面パ
ターンP2,P3が融合した閉領域P23として認識さ
れることになる。ステップS3の処理は、あくまでも
「同一の画素値をもった平面的に連続配置された画素か
らなる閉領域」を認識する処理である。このため、個々
の導管断面パターンを認識するためには、後述するステ
ップS4の「単一パターン認識処理」が必要になる。
【0038】なお、2つの導管断面パターンが重なりあ
って融合閉領域を形成する原因としては、前述したよう
に、 もともとの天然木においてこのような融合が行われ
ていたため 写真撮影など、ステップS1の光学的な画像入力工
程において、光学的解像度の限界に基いて融合が行われ
るためという原因の他に、 上述した雑音領域除去処理の実行により、もともと
近接して存在していた2つの閉領域が、処理後に1つの
閉領域に融合してしまったためという原因も考えられ
る。本発明に係るパターン認識方法は、このいずれの原
因で生じた融合パターンに対しても有効である。
【0039】§5. 閉領域認識処理(ステップS3) それでは、ステップS3の閉領域認識処理を、具体例に
即して説明する。いま、図11に示すような10×10
の画素配列を考える。図に黒い画素で示される前景部分
に注目すれば、人間の脳は、2つの閉領域(中央に位置
する大きな閉領域と、右端に位置する小さな閉領域)を
認識できる。ここでは、コンピュータに、このような2
つの閉領域を認識させる具体的手法を説明する。
【0040】まず、図11の画素配列上で、X軸に平行
な10本の画素行を定義し、各画素行の上で、画素値
「1(黒)」をもった一連の連続画素列を「水平線分」
として定義する。たとえば、第1の水平線分は、第0の
画素行上に配置された2つの画素から構成されている。
図では、各水平線分の左端位置に、水平線分を示す番号
を記してある。この例では、第1の水平線分〜第16の
水平線分まで、合計16の水平線分が定義されることに
なる。結局、各水平線分は、線分ID(この例では、1
〜16の番号),垂直位置(Y軸座標位置),水平始点
(水平線分の左端の画素のX軸座標位置),水平終点
(水平線分の右端の画素のX軸座標位置)を特定する図
12のようなテーブルで定義される。本発明に係る閉領
域認識処理は、対象となる二値画像について、このよう
に水平線分を認識し、互いに連結する水平線分によって
構成される領域を1つの閉領域として認識する処理とい
うことができる。
【0041】図13は、この閉領域認識処理の具体的な
手順を示す流れ図である。まず、ステップS11におい
て、画像の第1行目に着目し、ステップS12におい
て、この着目した1行分の画像データを入力する。そし
て、ステップS13において、前景(導管断面パター
ン)にあたる水平線分があるか否かを判断し、水平線分
がある場合には、ステップS14において、最初の水平
線分に着目し、ステップS15において、着目した水平
線分が既存閉領域と連結関係があるか否かを判断する。
既存領域に連結していない場合には、ステップS16に
おいて、着目中の水平線分を新規閉領域として登録する
処理を行う。一方、既存領域に連結している場合には、
ステップS17において、連結している閉領域が1つか
否かを判断する。複数の閉領域に連結している場合に
は、ステップS18において、連結の認められた全閉領
域を1つの統合する処理を行ってからステップS19へ
と進み、1つの閉領域にしか連結していない場合には、
そのままステップS19へと進む。そして、このステッ
プS19では、着目中の水平線分を、連結している閉領
域の構成要素として登録する。
【0042】ステップS16における新規閉領域として
の登録、あるいはステップS19における既存閉領域の
構成要素としての登録、が完了したら、ステップS20
へと進み、着目行に存在するすべての水平線分について
同様の処理が完了するまで、ステップS21を経て、ス
テップS15からの処理を繰り返し実行する。着目行に
存在するすべての水平線分についての処理が完了した
ら、ステップS22へと進む。そして、最終行まで処理
が終了するまで、ステップS23を経て、着目行を1行
ずつ更新しながら、ステップS12からの処理を繰り返
し実行する。こうして、最終行を着目行とする処理まで
が完了したら、この閉領域認識処理は完了である。
【0043】この図13の処理手順の理解を容易にする
ために、図11に示す具体的な二値画像に対して、この
手順を実行した処理過程を図14の表に示してある。以
下、この処理過程を簡単に説明する。まず、ステップS
11において、第0行が着目され、ステップS12にお
いて、この行の画像データが入力される。この行には、
水平線分1のみが存在するので、ステップS13,S1
4,S15へと進む。この時点では、登録された閉領域
が1つもないので、ステップS16において、水平線分
1が新規閉領域1として登録される。以上の処理内容
が、図14の表における第0行の処理内容の欄に記述さ
れている。この表の処理結果の欄は、「閉領域ID:構
成要素の水平線分IDの列挙」という形式で記述されて
おり、第0行についての処理結果[1:1]は、「閉領
域1:水平線分1」を表し、要するに、「閉領域1の構
成要素として、水平線分1が登録された」ことを示して
いる。
【0044】第0行には、他に水平線分はないので、ス
テップS20からステップS22を経て、ステップS2
3へ進み、次の第1行が着目される。第1行には、2つ
の水平線分2,3が存在するので、まず、ステップS1
4において、最初の水平線分2が着目される。そして、
ステップS15において、着目中の水平線分2が、既存
の閉領域1と連結関係にあるか否かが判断される。ここ
で、「連結関係にある」とは、「平面上において連結し
ている」ことを意味し、この実施例では、具体的には、
「水平線分を構成するいずれかの画素の上下左右に隣接
する位置に、閉領域を構成するいずれかの画素が存在す
る」場合に、「当該水平線分と当該閉領域とは連結関係
にある」と判断している。もちろん、上下左右だけでな
く、斜めを含めた8つの位置に存在する場合に「連結関
係にある」と判断してもかまわない。図11に示す例の
場合、着目中の水平線分2と、既存の閉領域1(現時点
での構成要素は水平線分1のみ)とは連結関係にないの
で、ステップS16において、水平線分2が新規閉領域
2として登録される。以上の処理内容が、図14の表に
おける第1行の処理内容の欄の上段に記述されており、
処理結果[1:1]に、更に、処理結果[2:2]が追
加されることになる。
【0045】続いて、ステップS21において、次の水
平線分3が着目され、ステップS15において、着目中
の水平線分3が、既存の閉領域1または2と連結関係に
あるか否かが判断される。図11に示す例の場合、着目
中の水平線分3は、既存の閉領域1(現時点での構成要
素は水平線分1のみ)に対してのみ連結関係にあるの
で、ステップS17からステップS19へと進み、閉領
域1の構成要素として、水平線分3が付加登録される。
以上の処理内容が、図14の表における第1行の処理内
容の欄の下段に記述されており、処理結果[1:1]
は、処理結果[1:1,3]に更新されることになる。
【0046】次に、ステップS20からステップS22
を経て、ステップS23へ進み、次の第2行が着目され
る。第2行には、2つの水平線分4,5が存在するの
で、まず、ステップS14において、最初の水平線分4
が着目される。そして、ステップS15において、着目
中の水平線分4が、既存の閉領域1または2と連結関係
にあるか否かが判断される。図11に示す例の場合、着
目中の水平線分4は、既存の閉領域2(現時点での構成
要素は水平線分2のみ)に対してのみ連結関係にあるの
で、ステップS17からステップS19へと進み、閉領
域2の構成要素として、水平線分4が付加登録される。
以上の処理内容が、図14の表における第2行の処理内
容の欄の上段に記述されており、処理結果[2:2]
は、処理結果[2:2,4]に更新されることになる。
【0047】続いて、ステップS21において、次の水
平線分5が着目され、ステップS15において、着目中
の水平線分5が、既存の閉領域1または2と連結関係に
あるか否かが判断される。図11に示す例の場合、着目
中の水平線分5は、既存の閉領域1(現時点での構成要
素は水平線分1,3)に対してのみ連結関係にあるの
で、ステップS17からステップS19へと進み、閉領
域1の構成要素として、水平線分5が付加登録される。
以上の処理内容が、図14の表における第2行の処理内
容の欄の下段に記述されており、処理結果[1:1,
3]は、処理結果[1:1,3,5]に更新されること
になる。
【0048】第3行についても、図14の表における第
3行の処理内容の欄に記述されたとおり、ほぼ同様の処
理が行われ、水平線分6が閉領域2に付加され、水平線
分7が閉領域1に付加される。こうして、処理結果は
[1:1,3,5,7]および[2:2,4,6]に更
新される。
【0049】続いて、ステップS20からステップS2
2を経て、ステップS23へ進み、次の第4行が着目さ
れる。第4行には、2つの水平線分8,9が存在するの
で、まず、ステップS14において、最初の水平線分8
が着目される。そして、ステップS15において、着目
中の水平線分8が、既存の閉領域1または2と連結関係
にあるか否かが判断される。図11に示す例の場合、着
目中の水平線分8は、既存の閉領域1および閉領域2の
両方に対して連結関係があるので、ステップS17から
ステップS18へと進み、連結の認められた閉領域1お
よび閉領域2が1つに統合される。具体的には、閉領域
2は閉領域1に吸収合併されて消滅する。更に、ステッ
プS19において、着目中の水平線分8が、閉領域1の
構成要素として付加登録される。以上の処理内容が、図
14の表における第4行の処理内容の欄の上段に記述さ
れており、処理結果は[1:1〜8]となる。
【0050】続いて、ステップS21において、次の水
平線分9が着目され、ステップS15において、着目中
の水平線分9が、既存の閉領域1と連結関係にあるか否
かが判断される。図11に示す例の場合、着目中の水平
線分9は、既存の閉領域1(現時点での構成要素は水平
線分1〜8)に対して連結関係はないので、ステップS
15からステップS16へと進み、水平線分9が新規閉
領域2として登録される。以上の処理内容が、図14の
表における第4行の処理内容の欄の下段に記述されてお
り、新たに処理結果[2:9]が付加されることにな
る。
【0051】以下、第5行〜第9行までの処理も全く同
様に実行されてゆき、最終的な処理結果として、[1:
1〜8,10,12〜16]および[2:9,11]が
得られる。この処理結果は、閉領域1および閉領域2と
いう2つの閉領域が認識されたことを示しており、各閉
領域は、その構成要素となる水平線分の集合として認識
されることになる。
【0052】このように、XY二次元座標系に二値画像
データを取り込んで、X軸に平行な多数の画素行を定義
し、各画素行の上で第1の画素値をもった連続画素から
なる水平線分を認識し、互いに連結する水平線分によっ
て構成される領域を1つの閉領域として認識するような
処理を行えば、効率良い閉領域の認識が可能になる。
【0053】§6. 単一パターン認識処理(ステップ
S4)の基本概念 続いて、ステップS4の単一パターン認識処理につい
て、その基本概念を述べる。いま、長手方向Lが図の上
下方向に定義されている場合に、図15(a) 〜(d) に示
すような4種類の型を考える。図15(a) に示すO型
は、単一の導管断面パターンから構成される一般的なパ
ターンを示すものであり、ステップS3の閉領域認識処
理によって認識された閉領域が、そのまま単一の導管断
面パターンに対応するものである。一方、図15(b) に
示すY型、図15(c) に示す逆Y型、図15(d) に示す
X型は、いずれも2つの導管断面パターンが融合して形
成された閉領域である。ここで、Y型は、2つの導管断
面パターンのうちの下方部分のみが接近して融合したも
のであるのに対し、逆Y型は、2つの導管断面パターン
のうちの上方部分のみが接近して融合したものである。
また、X型は、2つの導管断面パターンのうちの中央部
分のみが接近して融合したものである。
【0054】本発明における単一パターン認識処理の基
本概念は、ステップS3で認識された閉領域のうち、O
型に属するものは単一閉領域と認識し、Y型,逆Y型,
X型に属するものは融合閉領域と認識し、融合閉領域に
ついては、これを2つの単一閉領域に分離して認識する
処理を行うことにある。もっとも、このような処理の前
提としては、長手方向Lを定義しておく必要がある。上
述のような型分けは、所定の長手方向Lを定義すること
によって意味をもつものである。たとえば、図15にお
いて、長手方向Lを90度回転させ、水平方向を長手方
向Lと定義すると、図15(a) のパターンは、Y型(も
しくは逆Y型)となってしまう。この図15に示す4つ
のパターンにおいて、「図15(a) のパターンは単一の
パターンであり、図15(b) 〜(d) のパターンは2つの
パターンが融合したものである」と認識しうるのは、
「これらのパターンはいずれも図15に示す長手方向L
に沿った細長いパターンをもとにしたパターンである」
という前提に立つからである。したがって、図15(b)
〜(d) のパターンをそれぞれ分離する処理を行う場合、
当然、長手方向Lに沿った分離線で分離を行うことにな
る。
【0055】このように、本発明における単一パターン
の認識処理は、長手方向がほぼ共通した2つの細長いパ
ターンが部分的に重なって融合閉領域を構成していると
きに、これを個々の細長いパターンとして独立して認識
する処理ということができる。前述したように、天然木
の木目上に現れる多数の導管断面パターンは、いずれも
天然木の成長方向を長手方向とした細長いパターンであ
るため、本発明は、このような木目導管断面パターンの
認識処理に適している。もちろん、多数の導管断面パタ
ーンそれぞれについての長手方向は、完全には一致せ
ず、多少ずれている可能性はあるが、共通した長手方向
Lを1つ定めて本発明の処理を行えば、特に問題は生じ
ない。ここで述べる実施例では、ステップS1における
画像入力の段階において、オペレータが共通の長手方向
Lを定め(天然木の木目を観察することにより、ほぼ共
通となる長手方向を決定することは容易にできる)、こ
の長手方向LがY軸方向に一致するように、XY二次元
座標系に画像入力を行うようにしている。
【0056】ところで、任意の閉領域が、図15に示す
4つの型のうちのいずれに該当するかをコンピュータに
判断させるためには、何らかのアルゴリズムが必要であ
る。本発明では、§4,§5においても用いた「水平線
分」という概念を用いて、この判断を行っている。い
ま、図15(a) 〜(d) に示す4つの型に所属する閉領域
を示す画像データを、XY二次元座標系の画素配列とし
て入力した場合を考える。すると、これら4つの型の閉
領域は、それぞれ図16〜図19に示すような画像デー
タとして入力されることになる。いずれも、図の上下方
向が長手方向Lである。そして、X軸に平行な多数の画
素行を定義し、各画素行の上で画素値「1(黒)」をも
った連続画素からなる水平線分を認識し、各画素行ごと
に、存在する水平線分の数を数える。図15〜図19の
右側欄に示した数値は、この水平線分数を記述したもの
である。ここで、水平線分数が変化する位置を境界とし
て複数の区間を定義すると、区間A,B,C,…のよう
に複数の区間に分割できる。この区間構成を解析すれ
ば、上述の4つの型のいずれかに分類することが可能に
なる。たとえば、図16に示すO型の閉領域では、水平
線分数が0である区間A,Cの間に、水平線分数が1で
ある区間Bのみが存在する。また、図17に示すY型の
閉領域では、水平線分数が2である区間Cの下に、水平
線分数が1である区間Dが存在するし、図18に示す逆
Y型の閉領域では、水平線分数が2である区間Cの上
に、水平線分数が1である区間Bが存在する。更に、図
19に示すX型の閉領域では、水平線分数が2である区
間C,Eの間に、水平線分数が1である区間Dが存在す
る。
【0057】もっとも、実際に画像データとして入力し
た閉領域は、必ずしも上記4つの型に分類されるとは限
らず、より複雑な形態をとるものもある。しかし、どの
ような形態の閉領域であっても、上記4つの型のいずれ
かに所属する閉領域の組み合わせとして取り扱うことが
可能である。たとえば、図20(a) に示すような閉領域
は、同図(b) に示すように、境界線ab間を逆Y型の閉
領域とし、境界線bc間をY型の閉領域とすれば、これ
ら2つの閉領域の組み合わせとして取り扱うことができ
る。また、図21(a) に示すような閉領域は、同図(b)
に示すように、境界線ab間をX型の閉領域とし、境界
線bc間を別なX型の閉領域とすれば、これら2つの閉
領域の組み合わせとして取り扱うことができる。
【0058】こうして、型の認識ができれば、Y型,逆
Y型,X型については、2つのパターンに分離する処理
を行えばよい。すなわち、2つのパターンが融合してい
る融合区間について、長手方向Lに沿った所定の分離線
に基いて左右に分離する処理を行うことになる。このよ
うな分離処理の方法の一例を、以下、各型ごとに述べ
る。
【0059】図22は、Y型の分離方法の一例を示す図
である。Y型では、図22(a) に示すように、境界線a
b間は水平線分数が2である区間となり、境界線bc間
は水平線分数が1である区間になる。この場合、境界線
bc間が融合区間となり、この融合区間の閉領域は、図
22(b) に示す分離線L0によって2つの閉領域に分離
される。すなわち、分離後は、もとの輪郭線L1と分離
線L0とによって囲まれた第1の閉領域と、もとの輪郭
線L2と分離線L0とによって囲まれた第2の閉領域
と、に分けられることになる。この例では、境界線bと
輪郭線との交点P1,P2,P3、および境界線cと輪
郭線との交点Qをそれぞれ求め、2点P1,P2間の距
離と2点P2,P3間の距離との比「m:n」に基い
て、点P2から点Qの間に分離線L0を定義している。
具体的には、任意の水平線i上において、図22(b) に
示す2点P1i,P2i間の距離と、2点P2i,P3
i間の距離との比が「m:n」になるような点P2iを
決定することによって、分離線L0を定義している。別
言すれば、融合区間に所属する各水平線分を、それぞれ
「m:n」に按分して2つの水平線分に分割し、分割し
た左右の水平線分をそれぞれ別個の閉領域の構成要素と
して登録しなおす処理を行えばよい。
【0060】図23は、逆Y型の分離方法の一例を示す
図である。逆Y型では、図23(a)に示すように、境界
線ab間は水平線分数が1である区間となり、境界線b
c間は水平線分数が2である区間になる。この場合、境
界線ab間が融合区間となり、この融合区間の閉領域
は、図23(b) に示す分離線L0によって2つの閉領域
に分離される。すなわち、分離後は、もとの輪郭線L1
と分離線L0とによって囲まれた第1の閉領域と、もと
の輪郭線L2と分離線L0とによって囲まれた第2の閉
領域と、に分けられることになる。この例では、上述の
例と同様に、境界線bと輪郭線との交点P1,P2,P
3、および境界線aと輪郭線との交点Qをそれぞれ求
め、2点P1,P2間の距離と2点P2,P3間の距離
との比「m:n」に基いて、点P2から点Qの間に分離
線L0を定義している。
【0061】図24は、X型の分離方法の一例を示す図
である。X型では、図24(a) に示すように、境界線a
b間およびcd間は水平線分数が2である区間となり、
境界線bc間は水平線分数が1である区間になる。この
場合、境界線bc間が融合区間となり、この融合区間の
閉領域は、図24(b) に示す分離線L0によって2つの
閉領域に分離される。すなわち、分離後は、もとの輪郭
線L1と分離線L0とによって囲まれた第1の閉領域
と、もとの輪郭線L2と分離線L0とによって囲まれた
第2の閉領域と、に分けられることになる。この例で
は、境界線bと輪郭線との交点P1,P2,P3、およ
び境界線cと輪郭線との交点P4,P5,P6をそれぞ
れ求め、2点P1,P2間の距離と2点P2,P3間の
距離との比「m1:n1」(ただし、m1+n1=1)
と、2点P4,P5間の距離と2点P5,P6間の距離
との比「m2:n2」(ただし、m2+n2=1)と、
に基いて、点P2から点P5の間に分離線L0を定義し
ている。具体的には、任意の水平線i上において、図2
4(b) に示す2点P1i,P2i間の距離と、2点P2
i,P3i間の距離との比が「mi:ni」になるよう
な点P2iを決定することによって、分離線L0を定義
している。ここで、mi,niは、境界線bと境界線c
との間を水平線iが分割する内分比をZ1:Z2(ただ
し、Z1+Z2=1)としたときに、 mi=Z2・m1+Z1・m2 ni=Z2・n1+Z1・n2 となるように定めている。別言すれば、融合区間に所属
する各水平線分のうち、一番上の行の水平線分を「m
1:n1」に按分して2つの水平線分に分割し、一番下
の行の水平線分を「m2:n2」に按分して2つの水平
線分に分割し、これらの中間の行の水平線分を、一番上
の行からの距離と一番下の行からの距離との比「Z1:
Z2」を用いて、上述の式に示す「mi:ni」に按分
して2つの水平線分に分割し、分割した左右の水平線分
をそれぞれ別個の閉領域の構成要素として登録しなおす
処理を行えばよい。
【0062】なお、上述した具体的な分離手法は、一例
として示したものであり、本発明は、このような分離手
法に限定されるものではない。たとえば、左右の水平線
分を単純に「1:1」に按分して2つの水平線分に分割
するような手法を採ることも可能であるし、Y型あるい
は逆Y型の場合には、図における点Q側を「1:1」と
定め、上述のX型の分離方法と同じ手法を採ることも可
能である。
【0063】§7. 単一パターン認識処理(ステップ
S4)の具体的手順 以上、ステップS4の単一パターン認識処理の基本概念
を、Y型,逆Y型,X型に分類して述べたが、いずれの
型の場合にも、分離処理の対象となる融合区間は、 条件:水平線分数が1である区間であること、 条件:水平線分数が2である別な区間に隣接している
こと、 条件:上記別な区間との境界部分において、上記別な
区間に属する2つの水平線分の双方に連結するような水
平線分を有していること、 という3条件を満足する区間であることがわかる。
【0064】これを各型ごとに個別に検証してみよう。
たとえば、図16に示すO型の場合、区間Bは、水平線
分数が1である区間であり、条件を満足するが、水平
線分数が2である別な区間には隣接していないため、条
件,は満足しない。したがって、区間Bは融合区間
には該当せず、O型については分離処理は行われない。
【0065】一方、図17に示すY型の場合、区間Bお
よび区間Dの2つが、水平線分数が1である区間であ
り、条件を満足する。そこで、まず区間Bについて、
他の条件が満足されているかを検討する。区間Bは、水
平線分数が2である別な区間Cに隣接しているため、条
件は満足している。ところが、この区間Cとの境界部
分において、区間Cに属する2つの水平線分2,3の双
方に連結するような水平線分は有していない(区間Bの
有する唯一の水平線分1は、水平線分2には連結してい
るが、水平線分3には連結していないので、双方に連結
する水平線分にはなっていない)。よって、区間Bは、
条件,を満足するが、条件は満足していないの
で、融合区間には該当しない。次に、区間Dについて、
他の条件が満足されているかを検討する。区間Dは、水
平線分数が2である別な区間Cに隣接しているため、条
件は満足している。そして、この区間Cとの境界部分
において、区間Cに属する2つの水平線分4,5の双方
に連結するような水平線分6を有している。よって区間
Dは、3条件,,のすべてを満足し、融合区間に
該当することになる。結局、図17に示すY型について
は、融合区間である区間Dについて分離処理を行い、2
つの閉領域に分離すればよいことになる。
【0066】次に、図18に示す逆Y型を見てみる。こ
の例では、区間Bおよび区間Dの2つが、水平線分数が
1である区間であり、条件を満足する。そこで、まず
区間Bについて、他の条件が満足されているかを検討す
る。区間Bは、水平線分数が2である別な区間Cに隣接
しているため、条件は満足している。そして、この区
間Cとの境界部分において、区間Cに属する2つの水平
線分4,5の双方に連結するような水平線分3を有して
いる。よって区間Bは、3条件,,のすべてを満
足し、融合区間に該当することになる。次に、区間Dに
ついて、他の条件が満足されているかを検討する。区間
Dは、水平線分数が2である別な区間Cに隣接している
ため、条件は満足している。ところが、この区間Cと
の境界部分において、区間Cに属する2つの水平線分1
0,11の双方に連結するような水平線分は有していな
い(区間Dの有する唯一の水平線分12は、水平線分1
1には連結しているが、水平線分10には連結していな
いので、双方に連結する水平線分にはなっていない)。
よって、区間Dは、条件,を満足するが、条件は
満足していないので、融合区間には該当しない。結局、
図18に示す逆Y型については、融合区間である区間B
について分離処理を行い、2つの閉領域に分離すればよ
いことになる。
【0067】最後に、図19に示すX型を見てみる。こ
のX型の場合、区間B,D,Fの3つが、水平線分数が
1である区間であり、条件を満足する。そこで、まず
区間Bについて、他の条件が満足されているかを検討す
る。区間Bは、水平線分数が2である別な区間Cに隣接
しているため、条件は満足している。ところが、この
区間Cとの境界部分において、区間Cに属する2つの水
平線分2,3の双方に連結するような水平線分は有して
いない(区間Bの有する唯一の水平線分1は、水平線分
2には連結しているが、水平線分3には連結していない
ので、双方に連結する水平線分にはなっていない)。よ
って、区間Bは、条件,を満足するが、条件は満
足していないので、融合区間には該当しない。次に、区
間Dについて、他の条件が満足されているかを検討す
る。区間Dは、水平線分数が2である別な区間Cに隣接
しており、同じく水平線分数が2である別な区間Eにも
隣接しているため、条件は満足している。そして、区
間Cとの境界部分において、区間Cに属する2つの水平
線分4,5の双方に連結するような水平線分6を有して
おり、また、区間Eとの境界部分において、区間Eに属
する2つの水平線分8,9の双方に連結するような水平
線分7をも有している。よって区間Dは、3条件,
,のすべてを満足し、融合区間に該当することにな
る。最後に、区間Fについて、他の条件が満足されてい
るかを検討する。区間Fは、水平線分数が2である別な
区間Eに隣接しているため、条件は満足している。と
ころが、この区間Eとの境界部分において、区間Eに属
する2つの水平線分10,11の双方に連結するような
水平線分は有していない(区間Fの有する唯一の水平線
分12は、水平線分10には連結しているが、水平線分
11には連結していないので、双方に連結する水平線分
にはなっていない)。よって、区間Fは、条件,を
満足するが、条件は満足していないので、融合区間に
は該当しない。結局、図19に示すX型については、融
合区間である区間Dについて分離処理を行い、2つの閉
領域に分離すればよいことになる。
【0068】結局、ステップS4の単一パターン認識処
理は、図25に示すような手順に基いて行うことができ
る。まず、ステップS41において、長手方向Lに沿っ
て、水平線分数を認識し、ステップS42において、水
平線分数が変化する位置を境界として複数の区間を定義
する。そしてまず、ステップS43において、第1の区
間に着目し、着目区間について、ステップS44〜S4
6の判断を行う。これらの各ステップにおける判断内容
は、上述の条件〜に対応するものである。すなわ
ち、ステップS44では、着目区間が「条件:水平線
分数が1である区間である」という条件を満足している
か否かが判断され、ステップS45では、着目区間が
「条件:水平線分数が2である別な区間に隣接してい
る」という条件を満足しているか否かが判断され、ステ
ップS46では、着目区間が「条件:上記別な区間と
の境界部分において、上記別な区間に属する2つの水平
線分の双方に連結するような水平線分を有している」と
いう条件を満足しているか否かが判断される。こうし
て、3つの条件すべてを満足する場合には、ステップS
47において、当該着目区間を融合区間と判断して分離
処理を行う。この分離処理は、既に述べたように、長手
方向Lに沿った所定の分離線を定義し、この分離線に基
いて融合区間を2つの閉領域に分割する処理である。続
くステップS48では、この着目区間について、前の区
間との連結状態に基いて閉領域の登録を行う。すなわ
ち、前の区間に連結する既存の閉領域が登録されていな
ければ、この着目区間を新たな閉領域として新規登録
し、前の区間に連結する既存の閉領域が登録されていれ
ば、この着目区間を当該連結する閉領域の構成要素とす
る付加登録を行う。以上の処理を、ステップS49およ
びステップS50を経て、全区間について繰り返し実行
すれば、単一パターン認識処理は完了である。
【0069】以上の処理手順を、図26に示す具体的な
閉領域に対して実行してみよう。図26に示す閉領域
は、点ア,イ,ウ,エ,オ,カを起点として、水平線分
数が変化する形状をしており、長手方向Lに沿って、区
間A〜Gに分けられている。これらの各区間の中で、条
件を満足する区間、すなわち、水平線分数が1である
区間は、区間B,D,Fの3つであるが、条件,を
も満足する区間は、区間DおよびFだけである。したが
って、ステップS47の分離処理は、区間DおよびFに
ついてのみ行われる。具体的には、区間DについてはX
型の分離処理が行われ、区間FについてはY型の分離処
理が行われることになる。
【0070】各区間は、ステップS48において、所定
の閉領域の構成要素として登録される。図27は、各区
間についての登録処理が完了した状態を示す図である。
この例では、図の左側の閉領域「甲」と、図の右側の閉
領域「乙」との2つの閉領域が登録されている。このよ
うな登録がなされた処理過程を簡単に説明しておくと、
次のようになる。まず、区間Bを着目区間とする処理で
は、この区間の閉領域が閉領域「甲」として新規登録さ
れる。続く区間Cには、もともと左右に別個独立した2
つの閉領域が存在する。ここで、左側の閉領域は、区間
Bにおいて既に登録されている閉領域「甲」に連結して
いるが、右側の閉領域は既存の閉領域には連結していな
い。そこで、区間Cを着目区間とする処理では、左側の
閉領域を既存の閉領域「甲」の構成要素とする付加登録
を行い、右側の閉領域を閉領域「乙」として新規登録す
ることになる。次の区間Dを着目区間とする処理では、
ステップS47における分離処理が行われ、その結果、
左右に別個独立した2つの閉領域が生成されることにな
る。ここで、左側の閉領域は既存の閉領域「甲」に連結
しており、右側の閉領域は既存の閉領域「乙」に連結し
ている。そこで、これらをそれぞれの閉領域の構成要素
とする付加登録を行うことになる。続く区間Eでは、も
ともと左右に別個独立した2つの閉領域が存在する。こ
こで、左側の閉領域は、既存の閉領域「甲」に連結して
おり、右側の閉領域は既存の閉領域「乙」に連結してい
る。そこで、これらをそれぞれの閉領域の構成要素とす
る付加登録を行うことになる。次の区間Fを着目区間と
する処理では、ステップS47における分離処理が行わ
れ、その結果、左右に別個独立した2つの閉領域が生成
されることになる。ここで、左側の閉領域は既存の閉領
域「甲」に連結しており、右側の閉領域は既存の閉領域
「乙」に連結している。そこで、これらをそれぞれの閉
領域の構成要素とする付加登録を行うことになる。かく
して、もとの閉領域は、「甲」と「乙」との2つの閉領
域に分けて認識されることになる。もちろん、これら2
つの閉領域は、それぞれが単一の導管断面パターンに対
応するものである。
【0071】図28は、上述した単一パターン認識処理
の処理過程を、具体的な画素配列について説明したもの
である。ここでは、10×10の画素配列の具体例が示
されており、各画素位置において、カタカナの文字が記
された位置には、画素値「1(黒)」をもった画素が配
置され、文字が記されていない位置には、画素値「0
(白)」をもった画素が配置されているものとする。結
局、カタカナの文字が記された画素によって水平線分が
構成されることになる。この例では、水平線分の数に基
いて、区間A〜Eの5つの区間が定義されるが、3つの
条件〜を満足する融合区間は区間Cのみである。そ
こで、図29に太線で示すように、融合区間Cに対して
分離処理がなされ、最終的に閉領域「甲」と閉領域
「乙」との2つの閉領域が分離して認識されることにな
る。
【0072】なお、図25の流れ図では、処理を各区間
ごとに行う手順を示してあるが、画像データに対する実
際の処理は、各画素行ごとに順次行うこともできる。こ
の場合は、図25の流れ図におけるステップS42にお
いて、1画素行を1区間として定義すればよい。図28
に示す例について、1画素行を1区間と定義したときの
具体的な処理は、次のとおりである。第0行 :水平線分アイからなる閉領域「甲」を新規登
録。第1行 :水平線分ウエ,水平線分オカキクの2つのう
ち、水平線分ウエは既存の閉領域「甲」には連結してい
ないので、この水平線分ウエからなる閉領域「乙」を新
規登録。一方、水平線分オカキクは、既存の閉領域
「甲」に連結するので、閉領域「甲」の構成要素として
追加登録。第2行 :水平線分ケコ,水平線分サシの2つのうち、水
平線分ケコは既存の閉領域「乙」に連結し、水平線分サ
シは既存の閉領域「甲」に連結するので、それぞれの閉
領域の構成要素として追加登録。第3行 :水平線分スセ,水平線分ソタの2つのうち、水
平線分スセは既存の閉領域「乙」に連結し、水平線分ソ
タは既存の閉領域「甲」に連結するので、それぞれの閉
領域の構成要素として追加登録。第4行 :水平線分チツテトが唯一の水平線分であり、水
平線分が2つある第3行に隣接し、しかも、唯一の水平
線分チツテトが、第3行の水平線分スセと水平線分ソタ
との双方に連結しているので、融合区間の3条件を満た
す。そこで、水平線分チツテトを、水平線分チツと水平
線分テトとに分離する。ここで、水平線分チツは既存の
閉領域「乙」に連結し、水平線分テトは既存の閉領域
「甲」に連結するので、それぞれの閉領域の構成要素と
して追加登録。第5行 :水平線分ナニヌネノが唯一の水平線分であり、
分離処理によって水平線分数が2つになった第4行に隣
接し、しかも、唯一の水平線分ナニヌネノが、第4行の
水平線分チツと水平線分テトとの双方に連結しているの
で、融合区間の3条件を満たす。そこで、水平線分ナニ
ヌネノを、水平線分ナニと水平線分ヌネノとに分離す
る。ここで、水平線分ナニは既存の閉領域「乙」に連結
し、水平線分ヌネノは既存の閉領域「甲」に連結するの
で、それぞれの閉領域の構成要素として追加登録。第6行 :水平線分ハヒフヘが唯一の水平線分であり、分
離処理によって水平線分数が2つになった第5行に隣接
し、しかも、唯一の水平線分ハヒフヘが、第5行の水平
線分ナニと水平線分ヌネノとの双方に連結しているの
で、融合区間の3条件を満たす。そこで、水平線分ハヒ
フヘを、水平線分ハヒと水平線分フヘとに分離する。こ
こで、水平線分ハヒは既存の閉領域「乙」に連結し、水
平線分フヘは既存の閉領域「甲」に連結するので、それ
ぞれの閉領域の構成要素として追加登録。第7行 :水平線分ホマミムメが唯一の水平線分であり、
分離処理によって水平線分数が2つになった第6行に隣
接し、しかも、唯一の水平線分ホマミムメが、第6行の
水平線分ハヒと水平線分フヘとの双方に連結しているの
で、融合区間の3条件を満たす。そこで、水平線分ホマ
ミムメを、水平線分ホマと水平線分ミムメとに分離す
る。ここで、水平線分ホマは既存の閉領域「乙」に連結
し、水平線分ミムメは既存の閉領域「甲」に連結するの
で、それぞれの閉領域の構成要素として追加登録。第8行 :水平線分モ,水平線分ヤユの2つのうち、水平
線分モは既存の閉領域「乙」に連結し、水平線分ヤユは
既存の閉領域「甲」に連結するので、それぞれの閉領域
の構成要素として追加登録。第9行 :唯一の水平線分ヨは、既存の閉領域「乙」に連
結するので、閉領域「乙」の構成要素として追加登録。
【0073】以上の処理により、図28に示す融合閉領
域は、図29に示すように、2つの閉領域「甲」と
「乙」とに分けて認識されることになる。
【0074】以上、本発明を図示するいくつかの実施例
に基いて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能で
ある。特に、上述の実施例では、木目の導管断面パター
ンに対して本発明を適用した例を示したが、本発明は、
長手方向がほぼ共通した2つの細長いパターンを、部分
的に重ねて二次元平面上に配置することにより構成され
る画像に基いて、個々の細長いパターンをそれぞれ独立
して認識する方法に広く適用可能なものである。
【0075】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る木目の導管
断面パターンの認識方法によれば、天然木から二値画像
データとして取り込んだ画像パターンについて閉領域を
認識し、各閉領域のうち、複数の導管断面パターンが融
合してなる融合閉領域については、これを分離して認識
するようにしたため、単一の導管断面パターンを効率的
に認識することができる。また、この認識方法は、部分
的に重なった細長いパターンの認識にも広く適用するこ
とが可能である。更に、本発明の手法を拡張すれば、3
つ以上のパターンが重なり合っている場合にも、これら
を単一パターンに分離して認識することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な天然木の材木板上に現れる木目導管断
面パターンの一例を示す図である。
【図2】図1に示すパターンの円形部分領域U内の拡大
図である。
【図3】一般的な天然木を切断したときに得られる導管
溝の深さ分布を求めるための幾何学モデルを説明する図
である。
【図4】本発明に係るパターン認識方法を利用して、木
目導管溝の凹凸模様をもったエンボス製品を生産する工
程を示す流れ図である。
【図5】図4に示す工程におけるステップS1の画像入
力工程で取り込んだ画像の一例を示す図である。
【図6】図4に示す工程におけるステップS1の画像入
力工程で取り込んだ画像の一例を、画素レベルで表現し
た図である。
【図7】図6に示す画像に対して、図4に示す工程にお
けるステップS2の雑音除去工程を実施している途中の
状態を示す図である。
【図8】図6に示す画像に対して、図4に示す工程にお
けるステップS2の雑音除去工程を完了した後の状態を
示す図である。
【図9】図4に示す工程におけるステップS2の雑音除
去工程を施した後の画像の一例を示す図である。
【図10】図9に示す画像において、導管断面パターン
が部分的に重なりあい、融合パターンP23が形成され
ている状態を示す図である。
【図11】図4に示す工程におけるステップS3の閉領
域認識処理の対象となる画像の一例を、画素レベルで表
現した図である。
【図12】図11に示す画像について認識された水平線
分を特定する情報を示す表である。
【図13】図4に示す工程におけるステップS3の閉領
域認識処理の具体的な処理手順を示す流れ図である。
【図14】図11に示す画像について、図13に示す手
順を実施したときの処理工程を示す表である。
【図15】図4に示す工程におけるステップS4の単一
パターン認識処理の基本概念を説明するために用いる4
つの型を示す図である。
【図16】図15に示す4つの型のうちのO型につい
て、水平線分数の変化を解析するための画素レベルの図
である。
【図17】図15に示す4つの型のうちのY型につい
て、水平線分数の変化を解析するための画素レベルの図
である。
【図18】図15に示す4つの型のうちの逆Y型につい
て、水平線分数の変化を解析するための画素レベルの図
である。
【図19】図15に示す4つの型のうちのX型につい
て、水平線分数の変化を解析するための画素レベルの図
である。
【図20】どのような閉領域であっても、図15に示す
4つの型の組み合わせとして認識することができる第1
の例を示す図である。
【図21】どのような閉領域であっても、図15に示す
4つの型の組み合わせとして認識することができる第2
の例を示す図である。
【図22】図15に示すY型の閉領域についての分離方
法の一例を示す図である。
【図23】図15に示す逆Y型の閉領域についての分離
方法の一例を示す図である。
【図24】図15に示すX型の閉領域についての分離方
法の一例を示す図である。
【図25】図4に示す工程におけるステップS4の単一
パターン認識処理の具体的な処理手順を示す流れ図であ
る。
【図26】図25に示す処理手順による単一パターン認
識処理の対象となる具体的な閉領域の一例を示す図であ
る。
【図27】図26に示す閉領域に対して、図25に示す
処理手順を実施することにより認識された2つの単一パ
ターン「甲」,「乙」を示す図である。
【図28】図25に示す処理手順による単一パターン認
識処理の対象となる具体的な閉領域の一例を画素レベル
で示す図である。
【図29】図28に示す閉領域に対して、図25に示す
処理手順を実施することにより認識された2つの単一パ
ターン「甲」,「乙」を示す図である。
【符号の説明】
C,C1,C2,C3…切断面 G…導管溝 L…長手方向 P,P1〜P3…楕円パターン(導管断面パターン) P1〜P6,Q…交点 P0,P4…雑音領域 P23…融合領域 U…円形部分領域
フロントページの続き (72)発明者 林 靖浩 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 室田 秀樹 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 橋爪 家治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 有吉 俊雄 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 岡本 優 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 助川 佳夫 埼玉県入間郡三芳町竹間沢311 株式会社 大日本トータルプロセス建材内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータを用いて、木目の導管断面
    パターンを認識する方法であって、 天然木の切断面に現れる導管断面パターンを、導管断面
    パターンの内部を示す第1の画素値と、導管断面パター
    ンの外部を示す第2の画素値と、をもった二値画像デー
    タとして取り込む画像入力段階と、 前記二値画像データに基いて、第1の画素値を有する連
    続した領域をそれぞれ個々の閉領域として認識する閉領
    域認識段階と、 認識した個々の閉領域について、その閉領域が、単一の
    導管断面パターンからなる単一閉領域か、複数の導管断
    面パターンが融合してなる融合閉領域であるか、を判断
    し、融合閉領域については、これを単一の導管断面パタ
    ーンからなる単一閉領域に分離して認識する単一パター
    ン認識段階と、 を有することを特徴とする木目の導管断面パターンの認
    識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 画像入力段階において、XY二次元座標系に二値画像デ
    ータを取り込み、 閉領域認識段階において、X軸に平行な多数の画素行を
    定義し、各画素行の上で第1の画素値をもった連続画素
    からなる水平線分を認識し、互いに連結する水平線分に
    よって構成される領域を1つの閉領域として認識するこ
    とを特徴とする木目の導管断面パターンの認識方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、 単一パターン認識段階において、各閉領域について共通
    の長手方向を定め、Y軸が前記長手方向を向くようなX
    Y二次元座標上でX軸に平行な多数の画素行を定義し、 各画素行の上で第1の画素値をもった連続画素からなる
    水平線分を認識し、各画素行ごとにそれぞれ水平線分の
    数を求め、水平線分数が変化する位置を境界としてY軸
    に沿って複数の区間を定義し、 水平線分数が1であり、水平線分数が2である別な区間
    に隣接し、かつ、前記別な区間との境界部分において前
    記別な区間に属する2つの水平線分の双方に連結するよ
    うな水平線分を有する、という3条件を満足する区間を
    融合区間として認識し、 前記融合区間が存在する閉領域については、これを融合
    閉領域と判断し、この融合閉領域について、前記融合区
    間に所属する各画素行の水平線分をそれぞれ2つの水平
    線分に分離することにより、2つの単一閉領域に分離す
    る処理を行うことを特徴とする木目の導管断面パターン
    の認識方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、 融合区間に所属する各画素行の水平線分をそれぞれ2つ
    の水平線分に分離するときに、隣接する別な区間の2つ
    の水平線分の長さの比に基いて分離比を決定することを
    特徴とする木目の導管断面パターンの認識方法。
  5. 【請求項5】 長手方向がほぼ共通した2つの細長いパ
    ターンを、部分的に重ねて二次元平面上に配置すること
    により構成される画像から、コンピュータを用いて、個
    々の細長いパターンをそれぞれ独立して認識する方法で
    あって、 前記画像を、細長いパターンの内部を示す第1の画素値
    と、細長いパターンの外部を示す第2の画素値と、をも
    った二値画像データとして、Y軸が前記長手方向を向く
    ようなXY二次元座標系上に取り込む段階と、 前記XY二次元座標上で、X軸に平行な多数の画素行を
    定義し、各画素行の上で第1の画素値をもった連続画素
    からなる水平線分を認識し、各画素行ごとにそれぞれ水
    平線分の数を求め、水平線分数が変化する位置を境界と
    してY軸に沿って複数の区間を定義する段階と、 水平線分数が1であり、水平線分数が2である別な区間
    に隣接し、かつ、前記別な区間との境界部分において前
    記別な区間に属する2つの水平線分の双方に連結するよ
    うな水平線分を有する、という3条件を満足する区間を
    融合区間として認識する段階と、 前記融合区間について、各画素行の水平線分をそれぞれ
    2つの水平線分に分離する処理を行うことにより、個々
    の細長いパターンを独立して認識する段階と、 を有することを特徴とする部分的に重なった細長いパタ
    ーンの認識方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011043879A (ja) * 2009-08-19 2011-03-03 Kddi Corp マスク画像を抽出する方法及びプログラム並びにボクセルデータを構築する方法及びプログラム
CN109145955A (zh) * 2018-07-26 2019-01-04 中国林业科学研究院木材工业研究所 一种木材识别方法及系统

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