JPH0821194A - シールドトンネルの二次覆工構造及びその施工方法 - Google Patents

シールドトンネルの二次覆工構造及びその施工方法

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JPH0821194A
JPH0821194A JP6176152A JP17615294A JPH0821194A JP H0821194 A JPH0821194 A JP H0821194A JP 6176152 A JP6176152 A JP 6176152A JP 17615294 A JP17615294 A JP 17615294A JP H0821194 A JPH0821194 A JP H0821194A
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幸男 佐藤
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正規 田中
Ikurou Gonoi
育郎 五野井
Fumio Ishii
文夫 石井
Michihiko Miwa
充彦 三輪
Takashi Sogo
昂 十河
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重量物の輸送を必要とせず、作業環境が改
善され、工期の短縮化がはかれ、厚みの薄い二次覆工に
よりシールドトンネルの掘削直径を小さくでき、低コス
トで、耐腐食性・耐薬品性に優れたシールドトンネルの
二次覆工構造及びその施工方法を得ることを目的とす
る。 【構成】 トンネル内面に巻立てた金属製セグメント
に嵌着されセグメント内面に突出する保持部材と、金属
製コルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラスチック
シートとよりなり、繊維強化プラスチックシートを保持
部材突出端部に固着し、セグメント内面と繊維強化プラ
スチックシート外面間の間隙に樹脂を充填してなるシー
ルドトンネルの二次覆工構造及びその施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートを使用し
ないシールドトンネルの二次覆工構造及びその施工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シールドトンネルは一次覆工及び
二次覆工からなっており、一次覆工にはコンクリート製
セグメント又は金属製(鋼又はダクタイル)セグメント
が用いられ、土圧及び水圧を支えている。二次覆工はコ
ンクリートを巻立てており、止水、蛇行の修正及び腐食
代として一般に150〜300mm程度にとっている。
このため、その施工作業は例えば図4(a)に示す如
く、型枠を組立て、立坑からコンクリートをトンネルの
セグメント先端部へ輸送し、コンクリートを打設し、コ
ンクリートを長時間(例えば14時間)養生し、最後に
型枠を脱型し移動するといった多くの工程を経ていた。
このため、重量物の輸送による危険作業、狭隘作業によ
る環境問題、交通渋滞の招来、工期の長期化、等の問題
があった。また、二次覆工のコンクリートは、上記した
通りの厚みが必要で、それだけシールドトンネルの掘削
直径を大きくとる必要があった。また、施工完了後期間
を経過するとコンクリートの劣化、ひび割れ、漏水等の
問題が発生し、一次覆工であるセグメントの腐食劣化ま
で招来することがあり、特に下水道の場合この現象が著
しいといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みて、重量物の輸送を必要とせず、作業環境が改善さ
れ、工期の短縮化がはかれるシールドトンネルの二次覆
工構造及びその施工方法を得ることを目的とする。ま
た、本発明は、コンクリートの厚みに比し薄い二次覆工
によりシールドトンネルの掘削直径を小さくでき、低コ
ストのシールドトンネルの二次覆工構造及びその施工方
法を得ることを目的とする。また、本発明は、施工完了
後期間を経過しても、耐腐食性・耐薬品性に優れたシー
ルドトンネルの二次覆工構造及びその施工方法を得るこ
とを目的とする。尚、以下の説明において、内面とはト
ンネルの内部側の面を指す、外面とはトンネルの外側即
ち一次覆工側の面を指すこととする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、トンネル内面に巻立てたセグメント内面
に繊維強化プラスチックシートを固着してなるシールド
トンネルの二次覆工構造により解決した。さらに、トン
ネル内面に巻立てたコンクリート製セグメント内面に金
属製コルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラスチッ
クシートを固着し、前記セグメント内面と前記繊維強化
プラスチックシート外面間の間隙に樹脂を充填してなる
シールドトンネルの二次覆工構造により解決した。さら
に、トンネル内面に巻立てた金属製セグメントに嵌着さ
れ前記セグメント内面に突出する保持部材と、金属製コ
ルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラスチックシー
トとよりなり、前記繊維強化プラスチックシートを前記
保持部材突出端部に固着し、前記セグメント内面と前記
繊維強化プラスチックシート外面間の間隙に樹脂を充填
してなるシールドトンネルの二次覆工構造により解決し
た。また、前記シールドトンネルの二次覆工構造は、充
填樹脂が発泡ウレタン樹脂、発泡シリコン樹脂、発泡ス
チロール樹脂及び発泡エポキシ樹脂のうちのいずれかと
することができる。また、前記シールドトンネルの二次
覆工構造は、充填樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、フラン樹脂、及びウレタン樹
脂のうちのいずれかとすることができる。また、前記シ
ールドトンネルの二次覆工構造は、繊維強化プラスチッ
クシートがFRP板よりなるのが望ましい。
【0005】さらに、トンネル内面に巻立てたセグメン
ト内面に接着剤を塗布し繊維強化プラスチックシートを
前記セグメント内面に固着させることよりなるシールド
トンネルの二次覆工施工方法により解決した。さらに、
トンネル内面に巻立てたコンクリート製セグメント内面
に接着剤を塗布し、金属製コルゲート板を外面に貼着し
た繊維強化プラスチックシートを前記セグメント内面に
固着させ、前記セグメント内面と前記繊維強化プラスチ
ックシート外面間の間隙に樹脂を注入充填させることよ
りなるシールドトンネルの二次覆工施工方法により解決
した。さらに、トンネル内面に巻立てた金属製セグメン
トにセグメント内面に突出する保持部材を嵌着させ、金
属製コルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラスチッ
クシートを前記保持部材突出端部に固着させ、前記セグ
メント内面と前記繊維強化プラスチックシート外面間の
間隙に樹脂を注入充填させることよりなるシールドトン
ネルの二次覆工施工方法により解決した。また、前記シ
ールドトンネルの二次覆工施工方法は、充填樹脂が発泡
ウレタン樹脂、発泡シリコン樹脂、発泡スチロール樹脂
及び発泡エポキシ樹脂のうちのいずれかとすることがで
きる。また、前記シールドトンネルの二次覆工施工方法
は、充填樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、フラン樹脂、及びウレタン樹脂のう
ちのいずれかとすることができる。また、前記シールド
トンネルの二次覆工施工方法は、繊維強化プラスチック
シートがFRP板よりなるのが望ましい。
【0006】本発明に用いられる繊維強化プラスチック
シートは、強化材としてガラス繊維・カーボン繊維・ビ
ニロン繊維又はナイロン繊維等を用い、樹脂としては、
一般的には、熱硬化性樹脂として、例えば不飽和ポリエ
ステル樹脂・エポキシアクリレート樹脂・エポキシ樹脂
・メラミン樹脂・フェノール樹脂・ユリア樹脂・ジアレ
ルフタレート樹脂・シリコーン樹脂・アルキッド樹脂・
ポリイミド樹脂・フラン樹脂又はウレタン樹脂等を用い
る。また、熱可塑性樹脂として例えばナイロン樹脂・ポ
リカーボネート樹脂・ポリアセタール樹脂・ポリフェニ
レンサルファイド樹脂・塩化ビニリデン樹脂又はポリエ
チレンエンテレフタレート樹脂等も使用可能である。ま
た、例えば塩ビ樹脂・酢酸ビニル樹脂・ポリスチレン樹
脂・ABS樹脂・メタアクリル樹脂又はポリフェニレン
オキサイド樹脂等も使用可能である。この内最も好適な
のは強化材としてガラス繊維を用い、樹脂として不飽和
ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂・フェノール樹脂等を
用いたいわゆるFRP板である。これらの繊維強化プラ
スチックシートの厚さは、経済性及び作業性より通常
0.5〜10mmのものが用いられ、好ましくは2〜5
mmが望ましい。寸法は各種サイズのものが用いられ、
通常幅1〜3m×長さ3〜10mが最も経済的で、トン
ネルの寸法に合わせて切断加工が可能であり自由度が高
い。
【0007】繊維強化プラスチックシートをセグメント
内面に固着するには、通常接着剤を用いるがその種類は
熱硬化性樹脂の、例えば不飽和ポリエステル樹脂・メチ
ルメタアクリレート・エポキシ樹脂・シリコーン樹脂・
フラン樹脂又はウレタン樹脂等を用いことができるが、
これらの樹脂に砂・シラス又は軽量骨材等を混合してコ
ストダウンを計ることもできる。
【0008】本発明の金属製コルゲート板は、通常材料
としてアルミ板・鉄板・亜鉛板・ブリキ板又はステンレ
ス板等を用い、経済性及び作業性より通常厚さ0.3〜
2mmのものが用いられ、好ましくは0.6〜1mmが
望ましい。断面形状は通常折板形・波形又は三角形等に
とり繊維強化プラスチックシートとの固着により断面二
次モーメントを大に保持できるようにし、通常高さ15
〜30mm、幅20〜40mmのものが用いられる。
【0009】繊維強化プラスチックシートを金属製コル
ゲート板内面に貼着するには、接着剤を用いるがその種
類は異種材料間で接着強度を要求されるため、通常いわ
ゆる構造用接着剤といわれる、アクリル系・ゴム/エポ
キシ系・シリコン/エポキシ系・変性シリコン系・一液
性変性エポキシ系・ウレタン系・ウレタン/エポキシ系
又はウレタン/シリコン系等の接着剤が用いられる。繊
維強化プラスチックシートの金属製コルゲート板内面へ
の貼着は、予めトンネル工事現場へ持ち込む前に準備し
ておくのが望ましい。
【0010】本発明に用いられる充填樹脂としては、通
常セグメント内面と繊維強化プラスチックシート外面間
の間隙の大小によって種類が選択されるが、主として間
隙の大きい場合はたとえば発泡ウレタン樹脂、発泡シリ
コン樹脂、発泡スチロール樹脂及び発泡エポキシ樹脂の
うちのいずれかのものが用いられる。これらの樹脂は、
一般的に液状で粘度10〜10000cpsの範囲で用
いられ、200cps前後が最も好ましい。比重は、通
常発泡前で0.8〜1.3、発泡後で0.1〜0.3の
範囲で用いられる。また、主として間隙の小さい場合は
たとえばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、フラン樹脂、及びウレタン樹脂のうちのいず
れかのものが用いられる。これらの樹脂は、一般的に液
状で粘度100〜1000cpsの範囲で用いられ、5
00cps前後が最も好ましい。比重は、通常0.8〜
1.3の範囲で用いられる。また、コストダウンをはか
るため樹脂にシラス灰、シラスバルーン、軽量シリカ、
軽量炭酸カルシュウム等の軽量骨材を混入してもよく、
この場合は比重は、1.2〜2.5の範囲となる。本発
明に用いられるセグメント内面と繊維強化プラスチック
シート外面間の間隙は、大きい場合でも20〜100m
m程度であり、小さい場合は金属製コルゲート板の高さ
15〜30mm程度であり、コンクリート二次覆工の1
50〜300mmに比し1/10〜1/3である。
【0011】
【作用】前記構成の本発明を用いることにより、二次覆
工としてコンクリートを使用しなくて良いので、重量物
の輸送を必要とせず、作業環境が改善され、工期の大幅
な短縮化がはかれる。また、本発明を用いることによ
り、コンクリートの厚みに比し薄い二次覆工とすること
ができるためシールドトンネルの掘削直径を小さくで
き、シールドトンネル工事全体として低コスト化がはか
れる。また、本発明を用いることにより、施工完了後期
間を経過しても、劣化することがなく、耐腐食性・耐薬
品性に有効に作用する。
【0012】
【実施例】実施例について、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明のシールドトンネルの二次覆工構造
の一実施例を示す断面図である。図2は、本発明のシー
ルドトンネルの他の二次覆工構造の一実施例を示す断面
図(a)及び一部拡大図(b)である。図3は、本発明
のシールドトンネルの二次覆工構造に用いる金属製コル
ゲート板及び繊維強化プラスチックシートの一例の断面
図である。図4は、(a)は従来のシールドトンネルの
二次覆工施工方法を示す概略説明図であり、(b)は本
発明のシールドトンネルの二次覆工施工方法の一実施例
を示す概略説明図である。
【0013】図1において、予め掘削されたシールドト
ンネル1内面に、一次覆工としてコンクリート製セグメ
ント2が巻立てられ、セグメント2内面に繊維強化プラ
スチックシートであるFRP板3をエポキシ樹脂の接着
剤4により固着したシールドトンネルの二次覆工構造で
ある。FRP板3は、強化材としてガラス繊維を用い、
樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を用い、厚さ1.2
mm、幅1m、長さ6.5mのものを用い、二次覆工の
FRP板3内面の直径24mであった。なお、シールド
トンネル1下部内面は道床コンクリート5が設けられて
いるが、これはシールドトンネル1の使用目的に応じて
必要な場合に設けられる。
【0014】図2において、シールドトンネル1内面に
巻立てた鋼製セグメント6のリブ7に、一端が二股状の
係止部8が嵌着され他端がセグメント6内面に突出する
保持部材9の突出端部に、アルミ製コルゲート板10の
谷部12をシリコン/エポキシ樹脂の接着剤13により
外面に貼着した繊維強化プラスチックシートであFRP
板3を、コルゲート板10の頂部11と鋼製セグメント
6の内面を距離h(本実施例では53mm)に保ってエ
ポキシ樹脂の接着剤により固着している。鋼製セグメン
ト6内面とFRP板3外面間の間隙には、コルゲート板
10内の間隙も含んで発泡スチロール樹脂14が充填さ
れたシールドトンネルの二次覆工構造となっている。二
次覆工のFRP板3内面の直径24mで、コルゲート板
10は図3に示すものを用いた。FRP板3と保持部材
9突出端部との固着は接着剤を用いて行ってあるが、必
ずしも接着によらず、保持部材9突出端部にねじ部を設
けFRP板3を貫通して、FRP板3内面にナット等に
よる螺着によってもよい。なお、シールドトンネル1下
部内面は道床コンクリート5が設けられているが、これ
はシールドトンネル1の使用目的に応じて必要な場合に
設けられる。
【0015】図3に示すものは、図2に示すシールドト
ンネルの二次覆工構造に使用されたFRP板3及びアル
ミ製コルゲート板10で、FRP板3の表面に断面折板
形のコルゲート板10の谷部12を接着剤13により固
着してあり、谷部12表面の幅、頂部11裏面の幅、及
び谷部12表面と頂部11裏面の高低差をそれぞれaに
とり、谷部12内部の幅bにとってある。本実施例で
は、aを17mm、bを25mm、FRP板3の厚さ
1.2mm、コルゲート板10の厚さ0.6mmにと
り、全体の幅1.0m、長さ6.0mのものを用いた。
なお、コルゲート板10の断面形状及は図3に示す折板
形に限定されず、例えば波形又は三角形等であってもよ
い。
【0016】つぎに、図2に示すシールドトンネルの二
次覆工構造において、鋼製セグメント6に代えて、図1
の実施例において使用されていると同様のコンクリート
製セグメント2を一次覆工として用い、内面にFRP板
3を貼着したアルミ製コルゲート板10の頂部を直接エ
ポキシ樹脂の接着剤によりコンクリート製セグメント2
内面に貼着した構造とし、コンクリート製セグメント2
内面とFRP板3外面間の間隙には、コルゲート板10
内の間隙も含んで発泡ウレタン樹脂14が充填されてシ
ールドトンネルの二次覆工構造とすることができる。
【0017】次に、本発明のシールドトンネルの二次覆
工施工方法の一実施例を従来のものと比較しながら説明
する。図4(a)に示す従来のシールドトンネルの二次
覆工施工方法では、掘削したシールドトンネル1内面に
一次覆工としてコンクリート製セグメント2又は鋼製セ
グメント6を巻き立て、型枠25を組立て、地上のコン
クリートミキサー車22から立坑21の導管を経て地下
に待機しているバッテリーカー23に連結しているタン
ク24にコンクリートを送り、バッテリーカー23は矢
印c方向にタンク24をピストン搬送し、巻き立ての完
了しているセグメント付近に停車し、高圧空気によりタ
ンク24からノズル26によりコンクリートをセグメン
ト内面に噴射打設し、コンクリート二次覆工20とす
る。コンクリート二次覆工20は通常150mm〜30
0mmの厚さに打設後、長時間(例えば14時間)養生
し、最後に型枠を脱型し立坑21側矢印d方向へ移動す
るといった工程を経ていた。
【0018】一方、図4(b)に示す本発明のシールド
トンネルの二次覆工施工方法の一実施例では、掘削した
シールドトンネル1内面に一次覆工としてコンクリート
製セグメント2を巻き立て、地下に待機しているバッテ
リーカー23に連結している台車27に地上の運搬車よ
り積卸してFRP板3を載置し、バッテリーカー23は
矢印c方向に台車27をピストン搬送し、巻き立ての完
了しているセグメント付近に停車し、コンクリート製セ
グメント2の表面に直接FRP板3をエポキシ樹脂の接
着剤により貼着して二次覆工とし、立坑21側矢印d方
向へ移動する。FRP板3は軽量であるので、必ずしも
バッテリーカー23によらず人力運搬してもよく、組立
ては特別の作業・機械及びスペースを必要とせず、長時
間の養生期間を必要としない。
【0019】また他の実施例として、コンクリート製セ
グメント2を一次覆工として用い、FRP板3の外側に
貼着したアルミ製コルゲート板10の頂部11を直接エ
ポキシ樹脂の接着剤によりコンクリート製セグメント2
内面に貼着し、次いでコンクリート製セグメント2内面
とFRP板3外面間の間隙に粘度500cpsで比重
1.1の不飽和ポリエステル樹脂14を注入充填するこ
とによって、シールドトンネルの二次覆工構造の施工を
行い、立坑21側矢印d方向へ移動する。樹脂の注入
は、FRP板3の内面から貫通する開孔又は樹脂未注入
のセグメント2とFRP板3の間の間隙から行う。この
実施例では樹脂注入の間隙が比較的小さく、主としてた
とえばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、フラン樹脂、及びウレタン樹脂のうちのいずれ
かのものが用いられ、これらの樹脂に砂・シラス又は軽
量骨材等を混合してコストダウンを計ることもできる
が、樹脂は必ずしもこれに限定されない。この実施例
は、継ぎ目の止水等について余り考慮を要しない場合例
えば山岳トンネル、随道等において主として用いられる
が、これに限定されない。
【0020】さらに他の実施例として、鋼製セグメント
6を一次覆工として用い、セグメント6のリブ7に一端
が二股状の係止部8を嵌着し他端がセグメント6内面に
突出する保持部材9の突出端部にアルミ製コルゲート板
10を外面に貼着したFRP板3をコルゲート板10の
頂部11とセグメント6の内面を距離hに保ってエポキ
シモルタル樹脂の接着剤により固着し、次いでセグメン
ト6内面とFRP板3外面間の間隙に粘度200cps
で発泡後の比重0.1の発泡ウレタン樹脂14を注入充
填することによって、シールドトンネルの二次覆工構造
の施工を行い、立坑21側矢印d方向へ移動する。樹脂
の注入は、FRP板3の内面から貫通する開孔又は樹脂
未注入のセグメント6とFRP板3の間の間隙から行
う。なお、FRP板3と保持部材9突出端部との固着は
接着剤を用いて行ったが、必ずしも接着によらず、保持
部材9突出端部にねじ部を設けFRP板3を貫通して、
FRP板3内面にナット等により螺着してもよい。この
実施例では樹脂注入の間隙が比較的大きく、主としてた
とえば発泡ウレタン樹脂、発泡シリコン樹脂、発泡スチ
ロール樹脂及び発泡エポキシ樹脂のうちのいずれかのも
のが用いられるが、樹脂は必ずしもこれに限定されな
い。。またこの実施例は、継ぎ目の止水等について考慮
を要し樹脂層の厚みをある程度必要とする場合例えばケ
ーブルトンネル、共同溝、下水道等において主として用
いられるが、これに限定されない。
【0021】つぎに、本発明のシールドトンネルの二次
覆工施工方法において、隣接する繊維強化プラスチック
シートの間の目地の処理法としては、すり合わせ接合を
基本とし、内面に粘着テープを貼着するか、FRP又は
他の樹脂ライニングによりシールするのが望ましい。ま
た、目地に隙間がある場合には、シリコン樹脂、エポキ
シ樹脂、又はウレタン樹脂等の接着コーキング剤により
コーキングを行い、さらにその上に粘着テープを貼着す
るのが望ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、従来の二次覆工の如く
コンクリートを使用しなくて良いので、重量物の輸送を
必要とせず、作業環境が改善され、工期の大幅な短縮化
がはかれる。また、コンクリートの厚みに比し薄い二次
覆工とすることができるためシールドトンネルの掘削直
径を小さくでき、シールドトンネル工事全体として低コ
スト化がはかれる。また、施工完了後期間を経過して
も、劣化することがなく、耐腐食性・耐薬品性に優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールドトンネルの二次覆工構造の一
実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のシールドトンネルの他の二次覆工構造
の一実施例を示す断面図(a)及び一部拡大図(b)で
ある。
【図3】本発明のシールドトンネルの二次覆工構造に用
いる金属製コルゲート板及び繊維強化プラスチックシー
トの一例の断面図である。
【図4】(a)は従来のシールドトンネルの二次覆工施
工方法を示す概略説明図であり、(b)は本発明のシー
ルドトンネルの二次覆工施工方法の一実施例を示す概略
説明図である。
【符号の説明】
1 シールドトンネル 2 コンクリート製セグメント 3 FRP板 4、13 接着剤 5 道床コンクリート 6 鋼製セグメント 7 リブ 8 係止部 9 保持部材 10 コルゲート板 11 コルゲート板頂部 12 コルゲート板谷部 14 樹脂 20 コンクリート二次覆工 21 立坑 22 コンクリートミキサー車 23 バッテリーカー 24 タンク 25 型枠 26 ノズル 27 台車 a 高低差 b 幅 c バッテリーカー移動方向 d 二次覆工施工移動方向 h コルゲート板頂部と鋼製セグメント内面の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正規 東京都八王子市狭間町1456 株式会社スリ ーボンド内 (72)発明者 五野井 育郎 東京都港区高輪3丁目23番14号 日本コム シス株式会社内 (72)発明者 石井 文夫 東京都港区高輪3丁目23番14号 日本コム シス株式会社内 (72)発明者 三輪 充彦 東京都港区三田5丁目4番3号 通信土木 コンサルタント株式会社内 (72)発明者 十河 昂 東京都港区三田5丁目4番3号 通信土木 コンサルタント株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル内面に巻立てたセグメント内面
    に繊維強化プラスチックシートを固着してなることを特
    徴とするシールドトンネルの二次覆工構造。
  2. 【請求項2】 トンネル内面に巻立てたコンクリート製
    セグメント内面に金属製コルゲート板を外面に貼着した
    繊維強化プラスチックシートを固着し、前記セグメント
    内面と前記繊維強化プラスチックシート外面間の間隙に
    樹脂を充填してなることを特徴とするシールドトンネル
    の二次覆工構造。
  3. 【請求項3】 トンネル内面に巻立てた金属製セグメン
    トに嵌着され前記セグメント内面に突出する保持部材
    と、金属製コルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラ
    スチックシートとよりなり、前記繊維強化プラスチック
    シートを前記保持部材突出端部に固着し、前記セグメン
    ト内面と前記繊維強化プラスチックシート外面間の間隙
    に樹脂を充填してなることを特徴とするシールドトンネ
    ルの二次覆工構造。
  4. 【請求項4】 充填樹脂が発泡ウレタン樹脂、発泡シリ
    コン樹脂、発泡スチロール樹脂及び発泡エポキシ樹脂の
    うちのいずれかであることを特徴とする請求項2〜3の
    いずれかに記載のシールドトンネルの二次覆工構造。
  5. 【請求項5】 充填樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリエ
    ステル樹脂、アクリル樹脂、フラン樹脂、及びウレタン
    樹脂のうちのいずれかであることを特徴とする請求項2
    〜3のいずれかに記載のシールドトンネルの二次覆工構
    造。
  6. 【請求項6】 繊維強化プラスチックシートがFRP板
    よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のシールドトンネルの二次覆工構造。
  7. 【請求項7】 トンネル内面に巻立てたセグメント内面
    に接着剤を塗布し繊維強化プラスチックシートを前記セ
    グメント内面に固着させることを特徴とするシールドト
    ンネルの二次覆工施工方法。
  8. 【請求項8】 トンネル内面に巻立てたコンクリート製
    セグメント内面に接着剤を塗布し、金属製コルゲート板
    を外面に貼着した繊維強化プラスチックシートを前記セ
    グメント内面に固着させ、前記セグメント内面と前記繊
    維強化プラスチックシート外面間の間隙に樹脂を注入充
    填させることを特徴とするシールドトンネルの二次覆工
    施工方法。
  9. 【請求項9】 トンネル内面に巻立てた金属製セグメン
    トにセグメント内面に突出する保持部材を嵌着させ、金
    属製コルゲート板を外面に貼着した繊維強化プラスチッ
    クシートを前記保持部材突出端部に固着させ、前記セグ
    メント内面と前記繊維強化プラスチックシート外面間の
    間隙に樹脂を注入充填させることを特徴とするシールド
    トンネルの二次覆工施工方法。
  10. 【請求項10】 充填樹脂が発泡ウレタン樹脂、発泡シ
    リコン樹脂、発泡スチロール樹脂及び発泡エポキシ樹脂
    のうちのいずれかであることを特徴とする請求項8〜9
    のいずれかに記載のシールドトンネルの二次覆工施工方
    法。
  11. 【請求項11】 充填樹脂がエポキシ樹脂、不飽和ポリ
    エステル樹脂、アクリル樹脂、フラン樹脂、及びウレタ
    ン樹脂のうちのいずれかであることを特徴とする請求項
    8〜9のいずれかに記載のシールドトンネルの二次覆工
    施工方法。
  12. 【請求項12】 繊維強化プラスチックシートがFRP
    板よりなることを特徴とする請求項7〜11のいずれか
    に記載のシールドトンネルの二次覆工施工方法。
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