JPH08211020A - 液体クロマトグラフから質量分析計のイオン化部に試料を導入する方法 - Google Patents
液体クロマトグラフから質量分析計のイオン化部に試料を導入する方法Info
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- JPH08211020A JPH08211020A JP7280545A JP28054595A JPH08211020A JP H08211020 A JPH08211020 A JP H08211020A JP 7280545 A JP7280545 A JP 7280545A JP 28054595 A JP28054595 A JP 28054595A JP H08211020 A JPH08211020 A JP H08211020A
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- Japan
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- capillary
- capillary tube
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体クロマトグラフから毛細管をとおして質
量分析計のイオン化部へ試料を導入する方法で、毛細管
内に試料の残存がなく熱不安定化合物でも取り扱えるよ
うにする。 【解決手段】 毛細管2の先端部分で試料を含む溶離液
を低温に調節する手段4により固化し、棒状固体9にし
て突き出すようにして質量分析計のイオン化部に送るよ
うにする。固体状で導入するようにして毛細管には試料
が残存しないようにしている。
量分析計のイオン化部へ試料を導入する方法で、毛細管
内に試料の残存がなく熱不安定化合物でも取り扱えるよ
うにする。 【解決手段】 毛細管2の先端部分で試料を含む溶離液
を低温に調節する手段4により固化し、棒状固体9にし
て突き出すようにして質量分析計のイオン化部に送るよ
うにする。固体状で導入するようにして毛細管には試料
が残存しないようにしている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体クロマトグラフ
および質量分析計を利用している工業、薬品、医療等の
分野に属する。より詳しくは、液体クロマトグラフから
送られる液体試料を質量分析計に導入する方法に関す
る。
および質量分析計を利用している工業、薬品、医療等の
分野に属する。より詳しくは、液体クロマトグラフから
送られる液体試料を質量分析計に導入する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ミクロ液体クロマトグラフと質量
分析計との直結は比較的簡単な導入用毛細管(ガラス毛
細管等)を用いて行ってきた。液体クロマトグラフから
の溶離液を上記毛細管に導き、質量分析計のイオン化室
にてイオン化する。
分析計との直結は比較的簡単な導入用毛細管(ガラス毛
細管等)を用いて行ってきた。液体クロマトグラフから
の溶離液を上記毛細管に導き、質量分析計のイオン化室
にてイオン化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この際毛細管先端の局
部加熱が微妙で調節が難しく、また高沸点化合物や熱不
安定化合物についての導入は困難をともなった。
部加熱が微妙で調節が難しく、また高沸点化合物や熱不
安定化合物についての導入は困難をともなった。
【0004】本発明は、真空中に設置された導入用毛細
管中での液体クロマトグラフからの試料および溶離液の
挙動を詳しく観察することにより見つけられた。
管中での液体クロマトグラフからの試料および溶離液の
挙動を詳しく観察することにより見つけられた。
【0005】液体クロマトグラフと質量分析計との直結
器の毛細管の挙動を顕微鏡テレビで観察したところ従来
の方法では毛細管先端付近に液体−気体の境界面が存在
し、これが一定場所にとどまることが見い出された。高
沸点のカラー化合物が先端部付近まで来るとこの境界面
にとどまるか又は少し離れた気化した所にとどまり毛細
管より真空中へ放出されていかないことを見い出した。
器の毛細管の挙動を顕微鏡テレビで観察したところ従来
の方法では毛細管先端付近に液体−気体の境界面が存在
し、これが一定場所にとどまることが見い出された。高
沸点のカラー化合物が先端部付近まで来るとこの境界面
にとどまるか又は少し離れた気化した所にとどまり毛細
管より真空中へ放出されていかないことを見い出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するには
この先端部の液体−気体境界面を物理的に前後移動させ
てやり、境界面の移動先端を毛細管先端に極く近くまで
もっていくと良いことを見い出した。絶間ない境界面の
前後移動を行うと高沸点化合物が容易に真空中に放出さ
れ、イオン化室に達することを見い出した。先端境界面
を前後移動させるには液体クロマトグラフと質量分析計
直結器内毛細管の後端に新たに加熱部を設けるか、毛細
管に導入されてくる液体に振動を与えるなどの方法で容
易に可能となる。
この先端部の液体−気体境界面を物理的に前後移動させ
てやり、境界面の移動先端を毛細管先端に極く近くまで
もっていくと良いことを見い出した。絶間ない境界面の
前後移動を行うと高沸点化合物が容易に真空中に放出さ
れ、イオン化室に達することを見い出した。先端境界面
を前後移動させるには液体クロマトグラフと質量分析計
直結器内毛細管の後端に新たに加熱部を設けるか、毛細
管に導入されてくる液体に振動を与えるなどの方法で容
易に可能となる。
【0007】また、先端の加熱を低温に調節することに
より毛細管先端部を適当な低温に保ち、この毛細管先端
部で溶離液を試料とともに固化し固体の状態で真空中に
突き出していくことができた。この方法は、(1)溶離
液−固体化−昇華又は(2)溶離液−固体化−昇華およ
びイオンビーム等による液化後の気化の二つのプロセス
を通して真空中へ連続的に試料を導入していく新たな方
法である。
より毛細管先端部を適当な低温に保ち、この毛細管先端
部で溶離液を試料とともに固化し固体の状態で真空中に
突き出していくことができた。この方法は、(1)溶離
液−固体化−昇華又は(2)溶離液−固体化−昇華およ
びイオンビーム等による液化後の気化の二つのプロセス
を通して真空中へ連続的に試料を導入していく新たな方
法である。
【0008】本法は液体クロマトグラフの溶離液および
超臨界クロマトグラフィに使用している高密度の気体に
適用できる。
超臨界クロマトグラフィに使用している高密度の気体に
適用できる。
【0009】
【発明の効果】液体クロマトグラフより導入された試料
は毛細管中での液体−気体境界面を絶間なく前後に移動
させることにより真空中へ毛細管にとどまることなく導
入され、イオン化される。
は毛細管中での液体−気体境界面を絶間なく前後に移動
させることにより真空中へ毛細管にとどまることなく導
入され、イオン化される。
【0010】また、直結器の毛細管先端を低温に調節す
ることにより液体を毛細管先端で固化し真空中に固体の
状態で導入していくと、液体の際に見られやすい試料の
毛細管中での残存が生じない。また熱を加えないので、
熱不安定化合物の取扱いに有利である。
ることにより液体を毛細管先端で固化し真空中に固体の
状態で導入していくと、液体の際に見られやすい試料の
毛細管中での残存が生じない。また熱を加えないので、
熱不安定化合物の取扱いに有利である。
【0011】また、直接棒状の固体にイオンビームや光
線を直接当ててイオン化するので、粉末状など分散させ
た試料の一部にイオンビームを当てる場合に比べて試料
全体からイオン化を行うことができて試料を有効に利用
できるとともに、イオン化量が多く、高濃度での測定が
行える。
線を直接当ててイオン化するので、粉末状など分散させ
た試料の一部にイオンビームを当てる場合に比べて試料
全体からイオン化を行うことができて試料を有効に利用
できるとともに、イオン化量が多く、高濃度での測定が
行える。
【0012】
【実施の形態】以下、図に示す実施例に基づいて、この
発明を詳細する。だだしこれにより発明が限定されるも
のでない。
発明を詳細する。だだしこれにより発明が限定されるも
のでない。
【0013】第1図はこの発明の一実施例であり、直結
器を拡大して示した。液体クロマトグラフより溶離液は
直結器内毛細管(2)に導き、先端の加熱によりこれを
気化する。この際、液体−気体の境界面(3)を毛細管
先端部(3’)まで、すなわち(3)から(3’)まで
激しく連続的に前後移動を繰返えさせる。この繰返しは
前部加熱部(4)の他に後部の加熱部(5)を毛細管後
方に設ければよい。
器を拡大して示した。液体クロマトグラフより溶離液は
直結器内毛細管(2)に導き、先端の加熱によりこれを
気化する。この際、液体−気体の境界面(3)を毛細管
先端部(3’)まで、すなわち(3)から(3’)まで
激しく連続的に前後移動を繰返えさせる。この繰返しは
前部加熱部(4)の他に後部の加熱部(5)を毛細管後
方に設ければよい。
【0014】また毛細管(2)と液体クロマトグラフと
の接続部に三方結合管を設け、その一つより機械的な脈
動を導入されていく溶離液に伝えて行ってもよい。
の接続部に三方結合管を設け、その一つより機械的な脈
動を導入されていく溶離液に伝えて行ってもよい。
【0015】第2図は第1図と同一の装置であるが、加
熱部(4)の加熱温度を低温に調節することにより液体
の溶離液を毛細管先端部で固化し、固体状にして真空中
に導く方法である。
熱部(4)の加熱温度を低温に調節することにより液体
の溶離液を毛細管先端部で固化し、固体状にして真空中
に導く方法である。
【0016】適用した溶離液は水系、アセトン−水系、
塩を含んだ系、有機溶媒系などである。
塩を含んだ系、有機溶媒系などである。
【0017】導入されてくる試料は溶離液とともに固化
し、色のついた試料で観察すると移動していく色が試料
帯を広げることなく固化移動していくことが観察でき
た。
し、色のついた試料で観察すると移動していく色が試料
帯を広げることなく固化移動していくことが観察でき
た。
【図1】第1図は液体−気体境界面の絶間ない前後移動
にともなう液体クロマトグラフと質量分析計の直結器を
示す図である。
にともなう液体クロマトグラフと質量分析計の直結器を
示す図である。
【図2】第2図は液体の連続的な固化を行い、これをイ
オン化部へ導入していく直接法である。
オン化部へ導入していく直接法である。
(1):液体クロマトグラフよりの溶離液 (2):内径30マイクロメートルのガラス毛細管 (3):液体が気体に変わる境界面 (3’):図の(3)が移動してきたときの境界面 (4):前部加熱ヒーター (5):後部加熱ヒーター (6):溶離液および試料が気化したガスの流れ又は微
細な液滴の流れ (7):溶離液(液体) (8):溶離液が液体から固体に変わる境界面 (9):固化した溶離液
細な液滴の流れ (7):溶離液(液体) (8):溶離液が液体から固体に変わる境界面 (9):固化した溶離液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 49/04
Claims (2)
- 【請求項1】液体クロマトグラフから直接導入用毛細管
を通して質量分析計内の真空側に導入されていく液体
を、前記直接導入用毛細管の先端部に設けた低温調節手
段により固化して棒状の固体を形成し、この棒状固体を
前記質量分析計内の真空中に突き出させて質量分析計の
イオン化部に導入する方法。 - 【請求項2】液体クロマトグラフから直接導入用毛細管
を通して質量分析計内の真空側に導入されていく液体
を、前記直接導入用毛細管の先端部に設けた低温調節手
段により固化して棒状の固体を形成し、この棒状固体を
前記質量分析計内の真空中に突き出させ、この棒状固体
に直接イオンビームを当ててイオン化するか、もしくは
この棒状固体に光線を当てて昇華又は蒸発を起こさせて
得られた気体をイオン化して前記質量分析計のイオン化
部に導入する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7280545A JP2609084B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 液体クロマトグラフから質量分析計のイオン化部に試料を導入する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7280545A JP2609084B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 液体クロマトグラフから質量分析計のイオン化部に試料を導入する方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61241719A Division JP2528837B2 (ja) | 1986-10-11 | 1986-10-11 | 液体クロマトグラフから質量分析計への試料導入方法およびその導入器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08211020A true JPH08211020A (ja) | 1996-08-20 |
JP2609084B2 JP2609084B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=17626562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7280545A Expired - Fee Related JP2609084B2 (ja) | 1995-10-27 | 1995-10-27 | 液体クロマトグラフから質量分析計のイオン化部に試料を導入する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2609084B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107154337A (zh) * | 2016-03-03 | 2017-09-12 | 中国科学院化学研究所 | 多模式电离源及其应用 |
WO2018056113A1 (ja) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | 国立大学法人東京大学 | インタフェース装置 |
-
1995
- 1995-10-27 JP JP7280545A patent/JP2609084B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107154337A (zh) * | 2016-03-03 | 2017-09-12 | 中国科学院化学研究所 | 多模式电离源及其应用 |
CN107154337B (zh) * | 2016-03-03 | 2018-11-06 | 中国科学院化学研究所 | 多模式电离源及其应用 |
WO2018056113A1 (ja) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | 国立大学法人東京大学 | インタフェース装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2609084B2 (ja) | 1997-05-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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