JPH0821097B2 - 自動両替機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ）産業上の利用分野 この発明は自動両替機に関し、特に有料の自動両替機
に関する。

（ｂ）従来の技術 現在金融機関には高額の紙幣を小額紙幣や硬貨に両替
する自動両替機が設置されている。現在この装置はその
利用に際して手数料を要求することなくすべての利用者
に対し無料でサービスされている。

しかしながら、金融機関においては装置の保守経費の
確保、また、各種サービスの有料化の傾向に基づき自動
両替機の利用を有料化しようとする計画がある。

（ｃ）発明が解決しようとする問題点 しかしながら、手数料を受け付ける装置すなわちコイ
ンメカは複雑な機構部を有する大型の装置であるため、
自動両替機内部に占める容積が大きくなり、装置の小型
化の妨げとなるうえ、自動両替機の故障要因の増加や保
守項目の増加を招く問題点がある。さらに、投入される
硬貨を逐次回収しなければ装置を継続的に稼働させるこ
とができない問題点があった。

この発明はこのような問題点に鑑みてなされたもの
で、所定の金額を記憶したカードを受け入れて両替を可
能にし、手数料の額だけ記憶内容から減算することで手
数料の徴収に代えることができる自動両替機を提供する
ことを目的とする。

（ｄ）問題点を解決するための手段 この発明は、両替される紙幣を受け入れ、指定された
金種の現金を放出する両替動作を行う自動両替機におい
て、 前記両替機の利用手数料として使用される金額を記憶
し書き換え可能な金額記憶エリアを備えたカードを有
し、 前記カードを受け入れて前記金額記憶エリアの記憶内
容を判断し、両替手数料以上の残高があれば両替動作を
可能にするカード受付手段と、両替動作に応じて前記金
額記憶エリアの記憶内容を前記両替手数料を減算して書
き換える書換手段と、を設けたことを特徴とする。

（ｅ）作用 この発明の自動両替機は、所定の残高が記憶されたカ
ードを受け入れて両替可能とし、この残高を減算するこ
とで手数料徴収に代える。カードは、この自動両替機を
設置する金融機関が販売してもよく、顧客へサービスと
して渡してもよい。

（ｆ）実施例 第２図はこの発明の実施例である自動両替機の外観を
示す斜視図である。自動両替機本体の垂直操作パネルに
は、取扱中か否かを表示する取扱表示器32,金額設定キ
ー等の操作部と両替パターン等を表示する表示器とを有
する表示操作部33,利用者がカードを挿入するカード挿
入口36等が設けられている。水平操作パネルには、硬貨
取出口34,包装硬貨取出口35,紙幣投入・取出口37等が設
けられている。自動両替機本体内には包装硬貨処理機4
2,紙幣の入出金を処理する紙幣処理機43,バラ硬貨を処
理する硬貨処理機44,主制御部が収納されている制御ユ
ニット45等が設けられている。

第３図は前記自動両替機の制御部のブロック図であ
る。この制御部は、装置全体の動作を統括制御する主制
御部10とそれぞれ補助制御部で制御される各動作部15〜
22とが入出力インターフェイス14を介して接続されるい
わゆるマスタースレーブシステムで構成されている。主
制御部10はマスタCPU11,制御プログラム等を記憶したRO
M12およびRAM13で構成されている。また、入出力インタ
ーフェイス14を介して主制御部10と接続される動作部
は、前記取扱表示器32,表示操作部33の表示器を含む表
示部15、前記金額設定キーを含む入力部16、前記カード
挿入口36から挿入されたカードをリード／ライトするカ
ードリーダ17、前記紙幣処理機43を含む紙幣処理部19、
前記硬貨処理機44を含む硬貨処理部20、前記包装硬貨処
理機42を含む包装硬貨処理部21および回線を介してセン
タ23と交信する伝送制御部22である。

第４図は前記カードリーダ17によってリードライトさ
れるカードの概略構成を示す図である。このカード50の
磁気ストライプ51にはカード番号52と残高53とが記憶さ
れている。自動両替機がこのカードデータを読み取った
ときカード番号52でこのカードが有効か無効かを判断
し、残高53がそのときの手数料以上であるとき取引可能
とする。

前記自動両替機でこのカードを用いて両替取引を行う
ためにはまずこのカードをカード挿入口36から挿入す
る。有効なカードであれば取扱表示器32に取引可能の表
示が行われる。こののち両替すべき紙幣（以下「両替紙
幣」という）を紙幣投入・取出口37に投入し、その金額
分の両替パターンを表示操作部33から行うと、その両替
パターンに対応する現金が硬貨取出口34,包装硬貨取出
口35および紙幣投入・取出口37から放出される。前記カ
ードは記憶内容が手数料分減算されたのち返却される。

ところで、自動両替機の両替手数料は、現在実施され
ているCD（預金引出装置）の場合と同様、時間帯によっ
て変更されることがある。カードに残高を記憶して手数
料分の金額を減算するようにすることによって、単なる
利用可能度数を記憶したカードに比して、上記のような
料金の変更に容易に対応することができる。

第１図は前記自動両替機の動作を示すフローチャート
である。n1で利用者によるカードの挿入を受け付け、挿
入されたカードが有効であるか（n2）および手数料以上
の残高があるか否か（n3）を判断する。有効で残高のあ
るカードであればn4に進み、それ以外のカードの場合は
カードを返却して（n12）動作を終える。

n4以下は通常の両替取引処理動作である。n4では取扱
表示器32に取引可能の旨を表示し、紙幣投入・取出口37
から両替紙幣の投入を受け付ける（n5）。両替紙幣が投
入されるとその金額に相当する両替パターンの設定を受
け付け（n6）、その両替パターンに対応する現金を紙幣
処理部，硬貨処理部から繰り出す（n7）。こののち挿入
されたカードの残高記憶エリア53からそのときの手数料
の金額を減算して（n8）このカードを返却し（n9）、繰
り出された現金を各取出口から放出する（n10）。この
のち投入された両替紙幣の収納等の取引終了処理（n1
1）を行ったのち動作を終える。

前記カードリーダ17およびn1〜n3がこの発明のカード
受付手段に対応し、n8,n9がこの発明の書換手段に対応
する。

（ｇ）発明の効果 以上のようにこの発明によれば、手数料以上の残高が
記憶されたカードを受け入れたとき両替動作を可能にす
ることにより、利用者の限定および利用の有料化をする
ことができる。すなわち、このカードを自行の顧客にも
にサービスとして配付することによって自動両替機の利
用を顧客のみに対する特典とすることができ、また、こ
のカードを記憶されている残高に対応する価格で販売す
ることによって、自動両替機の利用を有料化してその保
守経費等を確保することができる。これらの複合的実施
も可能である。またさらに、装置利用を有料化した場合
であっても、手数料が現金（硬貨）で受け付ける必要が
ないため、複雑で大型のコインメカを内蔵する必要がな
く、保守の複雑化を招くおそれがない。

さらに、カードの記憶内容を残高としたことにより、
カードに自動両替機の利用可能度数を記憶した場合に比
して、両替手数料を変更した場合の対応が容易になる利
点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である自動両替機の動作を示
すフローチャート、第２図および第３図は前記自動両替
機の外観を示す斜視図および制御部のブロック図、第４
図は前記自動両替機に読み取られるカードの概略構成を
示す図である。 17……カードリーダ、36……カード挿入口、50……カー
ド、53……残高記憶エリア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両替される紙幣を受け入れ、指定された金
   種の現金を放出する両替動作をおなう自動両替機におい
   て、 前記自動両替機の利用手数料として使用される金額を記
   憶し書き換え可能な金額記憶エリアを備えたカードを受
   け入れて前記金額記憶エリアの記憶内容を判断し、両替
   手数料以上の残高があれば両替動作を可能にするカード
   受付手段と、両替動作に応じて前記金額記憶エリアの記
   憶内容を前記両替手数料を減算して書き換える書換手段
   と、 を設けたことを特徴とする自動両替機。