JPH08209599A - 繊維材料から成る容器及びその製造方法 - Google Patents
繊維材料から成る容器及びその製造方法Info
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- JPH08209599A JPH08209599A JP1187095A JP1187095A JPH08209599A JP H08209599 A JPH08209599 A JP H08209599A JP 1187095 A JP1187095 A JP 1187095A JP 1187095 A JP1187095 A JP 1187095A JP H08209599 A JPH08209599 A JP H08209599A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】内容積の低減を抑制しつつ、相互の嵌合を防止
可能な繊維材料製容器及びその製造方法を提供する。 【構成】側壁部3の開口端寄りに内面側に突出する第1
張出部5aと、底面部2寄りに外面側に突出する第2張
出部5bを備える。両張出部5a,5bは長手方向で直
列的で、頂部6a,6bは側壁部3の高さ方向の中間位
置に向って接近するように側壁部3に対して傾斜して設
けられる。頂部6bの傾斜角βは頂部6aの傾斜角αよ
り大きく、頂部6bは容器1の底面部2に垂直に設けら
れる。容器1は外側面部11に凹状溝16a及び凸状部
18aを備える凸状成形部9と、内側面部13に凸状部
18b及び凹状溝16bを備える凹状成形部10とを用
いて製造される。頂部19a及び谷部17bの傾斜は、
谷部17a及び頂部19bの傾斜より大きく、頂部19
a及び谷部17bは容器1の底面部2に垂直になってい
る。
可能な繊維材料製容器及びその製造方法を提供する。 【構成】側壁部3の開口端寄りに内面側に突出する第1
張出部5aと、底面部2寄りに外面側に突出する第2張
出部5bを備える。両張出部5a,5bは長手方向で直
列的で、頂部6a,6bは側壁部3の高さ方向の中間位
置に向って接近するように側壁部3に対して傾斜して設
けられる。頂部6bの傾斜角βは頂部6aの傾斜角αよ
り大きく、頂部6bは容器1の底面部2に垂直に設けら
れる。容器1は外側面部11に凹状溝16a及び凸状部
18aを備える凸状成形部9と、内側面部13に凸状部
18b及び凹状溝16bを備える凹状成形部10とを用
いて製造される。頂部19a及び谷部17bの傾斜は、
谷部17a及び頂部19bの傾斜より大きく、頂部19
a及び谷部17bは容器1の底面部2に垂直になってい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルプ繊維等の繊維材
料から成る容器及びその製造方法に関する。
料から成る容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えばパルプ繊維を原料として紙
製品を製造する場合、安価で簡便な製造手法が望まれて
おり、このような製造手法は、特に古紙を再利用して紙
製品を製造する場合等に要求度の高いものとなってい
る。
製品を製造する場合、安価で簡便な製造手法が望まれて
おり、このような製造手法は、特に古紙を再利用して紙
製品を製造する場合等に要求度の高いものとなってい
る。
【0003】このため、本願発明者等は、例えばパルプ
繊維から成る容器を金型を用いたプレス成形により製造
することを試みている。
繊維から成る容器を金型を用いたプレス成形により製造
することを試みている。
【0004】すなわち、例えば図6(a)に示すような
容器Aをパルプ繊維を材料として製造する場合、図6
(b)に示すように容器Aの内面部を成形するための凸
形成形部aを有する下型bと、容器Aの外面部を成形す
るための凹形成形部cを有する上型dとを用い、下型b
の凸形成形部a上にパルプ繊維を分散させた懸濁液を塗
布した後に、両型b,dを型締めして両成形部a,cを
互いに嵌合させ、それらの間で凸形成形部a上に付着さ
れた懸濁液中のパルプ繊維を加圧する。そして、この状
態で、両型b,d間の懸濁液の水分を図示しない吸引孔
等を介して吸引・除去しつつ加熱し、これにより、両型
b,d間にパルプ繊維から成る容器Aをプレス成形す
る。このような製造手法によれば、容器Aを簡単且つ安
価に製造することができる。
容器Aをパルプ繊維を材料として製造する場合、図6
(b)に示すように容器Aの内面部を成形するための凸
形成形部aを有する下型bと、容器Aの外面部を成形す
るための凹形成形部cを有する上型dとを用い、下型b
の凸形成形部a上にパルプ繊維を分散させた懸濁液を塗
布した後に、両型b,dを型締めして両成形部a,cを
互いに嵌合させ、それらの間で凸形成形部a上に付着さ
れた懸濁液中のパルプ繊維を加圧する。そして、この状
態で、両型b,d間の懸濁液の水分を図示しない吸引孔
等を介して吸引・除去しつつ加熱し、これにより、両型
b,d間にパルプ繊維から成る容器Aをプレス成形す
る。このような製造手法によれば、容器Aを簡単且つ安
価に製造することができる。
【0005】ところで、この場合、凸形成形部aの外側
面部eは、パルプ繊維のプレス成形に必要なプレス圧を
確保するために、図6(b)に示すように、凸形成形部
aの基端側から先端側に向かって徐々に縮幅するように
傾斜されている。また、これに対応して凹形成形部cの
内側面部fも、凹形成形部cの開口端側から底面部側に
向かって徐々に縮幅するように傾斜されている。従っ
て、成形される容器Aにあっては、側壁部gが開口端側
から底面部側に向かって徐々に縮幅するように傾斜して
いて、このような側壁部gにより形成される開口端は、
同一形状の他の容器の底面部が嵌合できる大きさになっ
ている。
面部eは、パルプ繊維のプレス成形に必要なプレス圧を
確保するために、図6(b)に示すように、凸形成形部
aの基端側から先端側に向かって徐々に縮幅するように
傾斜されている。また、これに対応して凹形成形部cの
内側面部fも、凹形成形部cの開口端側から底面部側に
向かって徐々に縮幅するように傾斜されている。従っ
て、成形される容器Aにあっては、側壁部gが開口端側
から底面部側に向かって徐々に縮幅するように傾斜して
いて、このような側壁部gにより形成される開口端は、
同一形状の他の容器の底面部が嵌合できる大きさになっ
ている。
【0006】このため、前述のような容器Aを製造する
場合に該容器Aの量産ライン等において、一つの容器A
の開口端に他の容器Aの底面部が嵌入し易いとの問題が
ある。この場合、嵌入する側の容器Aが受け入れ側の容
器A内に深く嵌入すると、嵌入する側の容器Aの底面部
の外周部が受け入れ側の容器Aの内側部に全周にわたっ
て摺接することとなるため、両者は互いに分離し難くな
る。そして、このような状態では、特に該容器Aを取り
扱う自動化ライン等において、複数の容器Aが互いに嵌
合したまま把持されたりして不都合を生じ易い。
場合に該容器Aの量産ライン等において、一つの容器A
の開口端に他の容器Aの底面部が嵌入し易いとの問題が
ある。この場合、嵌入する側の容器Aが受け入れ側の容
器A内に深く嵌入すると、嵌入する側の容器Aの底面部
の外周部が受け入れ側の容器Aの内側部に全周にわたっ
て摺接することとなるため、両者は互いに分離し難くな
る。そして、このような状態では、特に該容器Aを取り
扱う自動化ライン等において、複数の容器Aが互いに嵌
合したまま把持されたりして不都合を生じ易い。
【0007】そこで、本願発明者等は、例えば図7
(a)に示すように、容器Aの両側壁部g,gに該容器
Aの底面部から開口端位置まで延在し、側壁部gの外面
側から押入されて内面側に突出した形状の張出部h,h
を形成し、張出部h,hを設けた箇所における開口端の
内寸幅Daが、該張出部h,hを設けた箇所に対応する
該底面部の外寸幅Db以下になるようにすることによっ
て、容器A同士の嵌合を防止することを試みた。そし
て、このような張出部h,hを前記下型b及び上型dを
用いて形成するために、図7(b)に示すように、容器
Aの内面部を成型する下型bの両側面部に張出部成形用
凹状溝i,iを形成するとともに、容器Aの外面部を成
型する上型dの両側面部に張出部成形用凸状部j,jを
形成した。この場合、各凹状溝iの谷部は、凸形成形部
aの外側面部eと同様に傾斜されており、これに対応し
て各凸状部jの頂部も凹形成形部cの内側面部fと同様
に傾斜されている。従って、凹状溝iと凸状部jとの間
でプレス圧が確保され、前記張出部h,hを有する容器
Aを製造することが可能になる。
(a)に示すように、容器Aの両側壁部g,gに該容器
Aの底面部から開口端位置まで延在し、側壁部gの外面
側から押入されて内面側に突出した形状の張出部h,h
を形成し、張出部h,hを設けた箇所における開口端の
内寸幅Daが、該張出部h,hを設けた箇所に対応する
該底面部の外寸幅Db以下になるようにすることによっ
て、容器A同士の嵌合を防止することを試みた。そし
て、このような張出部h,hを前記下型b及び上型dを
用いて形成するために、図7(b)に示すように、容器
Aの内面部を成型する下型bの両側面部に張出部成形用
凹状溝i,iを形成するとともに、容器Aの外面部を成
型する上型dの両側面部に張出部成形用凸状部j,jを
形成した。この場合、各凹状溝iの谷部は、凸形成形部
aの外側面部eと同様に傾斜されており、これに対応し
て各凸状部jの頂部も凹形成形部cの内側面部fと同様
に傾斜されている。従って、凹状溝iと凸状部jとの間
でプレス圧が確保され、前記張出部h,hを有する容器
Aを製造することが可能になる。
【0008】しかしながら、前記張出部hは、容器Aの
底面部から開口端位置まで延在し、内面側に突出した形
状であるので、該張出部hを設けることにより、容器A
の内容積が低減される虞れがあるとの不都合がある。
底面部から開口端位置まで延在し、内面側に突出した形
状であるので、該張出部hを設けることにより、容器A
の内容積が低減される虞れがあるとの不都合がある。
【0009】また、前記張出部hを有する容器Aでは、
図8(図7(a)のVIII−VIII線断面図)に示
すように、容器Aの側壁部gの厚さm、容器Aの高さH
とするときに、張出部hを設けた箇所における開口端の
内寸幅Daが、底面部の外寸幅Db以下になるようにす
るためには、張出部hの頂部の傾斜角θを側壁部gの傾
斜角γよりも大きく、tanθ>(H−m)/mとなる
ようにしなければならず、このようにしても、一つの容
器Aの張出部hの上端面と他の容器Aの底面部との当接
部分の幅ΔD0 は極く僅かであり、容器A同士の嵌合を
防止する効果が十分に得られないとの不都合がある。
図8(図7(a)のVIII−VIII線断面図)に示
すように、容器Aの側壁部gの厚さm、容器Aの高さH
とするときに、張出部hを設けた箇所における開口端の
内寸幅Daが、底面部の外寸幅Db以下になるようにす
るためには、張出部hの頂部の傾斜角θを側壁部gの傾
斜角γよりも大きく、tanθ>(H−m)/mとなる
ようにしなければならず、このようにしても、一つの容
器Aの張出部hの上端面と他の容器Aの底面部との当接
部分の幅ΔD0 は極く僅かであり、容器A同士の嵌合を
防止する効果が十分に得られないとの不都合がある。
【0010】図10に示すように、張出部hの頂部の傾
斜を底面部に垂直にすれば、前記当接部分の幅ΔD0 を
張出部hの厚さmに等しくすることができる。しかし、
このようにするためには、各凹状溝iの谷部及びこれに
対応する各凸状部jの頂部の傾斜を底面部に垂直にしな
ければならず、凹状溝iと凸状部jとの間でプレス圧を
確保することができないとの不都合がある。
斜を底面部に垂直にすれば、前記当接部分の幅ΔD0 を
張出部hの厚さmに等しくすることができる。しかし、
このようにするためには、各凹状溝iの谷部及びこれに
対応する各凸状部jの頂部の傾斜を底面部に垂直にしな
ければならず、凹状溝iと凸状部jとの間でプレス圧を
確保することができないとの不都合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、内容積の低減を抑制することができると
共に、相互の嵌合を防止することができる繊維材料から
成る容器及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
合を解消して、内容積の低減を抑制することができると
共に、相互の嵌合を防止することができる繊維材料から
成る容器及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の繊維材料から成る容器は、繊維材料を分
散させた懸濁液を一対の金型間で加圧・加熱しつつ水分
を除去することによりプレス成形され、底面部と、傾斜
して形成されて該底面部を嵌合自在な大きさの開口端を
形成する側壁部とを備え、該側壁部に一方から押入され
て他方に突出した形状の張出部が高さ方向に延在して形
成されていて、該張出部の開口端側の端部における内寸
幅が、該張出部を設けた箇所に対応する該底面部の外寸
幅以下になるように形成された容器において、前記張出
部は、前記側壁部の開口端寄りの箇所に外面側から押入
されて内面側に突出した形状の第1の張出部と、底面部
寄りの箇所に内面側から押入されて外面側に突出した形
状の第2の張出部とからなり、前記両張出部はそれらの
長手方向で直列的に設けられると共に、前記両張出部は
その頂部が前記側壁部の高さ方向の中間位置に向って接
近するよう該側壁部に対して傾斜して設けられているこ
とを特徴とする。
めに、本発明の繊維材料から成る容器は、繊維材料を分
散させた懸濁液を一対の金型間で加圧・加熱しつつ水分
を除去することによりプレス成形され、底面部と、傾斜
して形成されて該底面部を嵌合自在な大きさの開口端を
形成する側壁部とを備え、該側壁部に一方から押入され
て他方に突出した形状の張出部が高さ方向に延在して形
成されていて、該張出部の開口端側の端部における内寸
幅が、該張出部を設けた箇所に対応する該底面部の外寸
幅以下になるように形成された容器において、前記張出
部は、前記側壁部の開口端寄りの箇所に外面側から押入
されて内面側に突出した形状の第1の張出部と、底面部
寄りの箇所に内面側から押入されて外面側に突出した形
状の第2の張出部とからなり、前記両張出部はそれらの
長手方向で直列的に設けられると共に、前記両張出部は
その頂部が前記側壁部の高さ方向の中間位置に向って接
近するよう該側壁部に対して傾斜して設けられているこ
とを特徴とする。
【0013】尚、前記「張出部の頂部」とは前記張出部
の突出している側の前記容器の側壁部から最も突出して
いる部分を指し、「頂部の傾き」とは該頂部が該容器の
高さ方向に連なる線の傾きを指す。
の突出している側の前記容器の側壁部から最も突出して
いる部分を指し、「頂部の傾き」とは該頂部が該容器の
高さ方向に連なる線の傾きを指す。
【0014】本発明の繊維材料から成る容器は、前記第
2張出部はその頂部の前記側壁部に対する傾斜が前記第
1張出部の頂部の前記容器の側壁部に対する傾斜より大
きくなるように設けられていることを特徴とし、さらに
前記第2張出部はその頂部が前記容器の底面部に垂直に
なるように設けられていることを特徴とする。
2張出部はその頂部の前記側壁部に対する傾斜が前記第
1張出部の頂部の前記容器の側壁部に対する傾斜より大
きくなるように設けられていることを特徴とし、さらに
前記第2張出部はその頂部が前記容器の底面部に垂直に
なるように設けられていることを特徴とする。
【0015】また、本発明の繊維材料から成る容器は、
前記第1張出部の開口端側の端部が該開口端位置まで延
設されると共に、前記第2張出部の底面部側の端部が該
底面部の位置まで延設されて形成されていることを特徴
とする。
前記第1張出部の開口端側の端部が該開口端位置まで延
設されると共に、前記第2張出部の底面部側の端部が該
底面部の位置まで延設されて形成されていることを特徴
とする。
【0016】また、本発明の繊維材料から成る容器の製
造方法は、互いに嵌合する凸形成形部及び凹形成形部が
それぞれ設けられると共に、該凸形成形部の外側面部が
略該凸形成形部の基端側から先端側に向かって徐々に縮
幅するよう傾斜し、且つこれに対応して該凹形成形部の
内側面部が略該凹形成形部の開口端側から底面部側に向
かって徐々に縮幅するよう傾斜して形成された一対の金
型を用い、両金型の前記凸形成形部及び凹形成形部の間
で繊維材料を分散させた懸濁液を加圧・加熱しつつ水分
を除去することにより、側壁部に高さ方向に延在すると
共に該側壁部の一方から押入されて他方に突出した形状
の張出部を備えた繊維材料から成る容器をプレス成形に
より製造する方法において、前記凸形成形部の基端寄り
の外側面部に、該凸形成形部の基端側から先端側に向か
って延在する第1の張出部成形用凹状溝と、該第1の張
出部成形用凹状溝の長手方向に直列的に配設され該凸形
成形部の基端側から先端側に向かって延在する第1の張
出部成形用凸状部とを形成しておくと共に該第1の張出
部成形用凹状溝の谷部及び該第1の張出部成形用凸状部
の頂部を凸形成形部の外側面部の高さ方向の中間位置に
向かって接近するよう該外側面部に対して傾斜させて形
成しておき、これに対応して該凹形成形部の開口端寄り
の内側面部に、該凹形成形部の開口端側から底面部側に
向かって延在する第2の張出部成形用凸状部と、該第2
の張出部成形用凸状部の長手方向に直列的に配設され該
凹形成形部の開口端側から底面部側に向かって延在する
第2の張出部成形用凹状溝とを形成しておくと共に該第
2の張出部成形用凸状部の頂部及び該第2の張出部成形
用凹状溝の谷部を凹形成形部の内側面部の高さ方向の中
間位置に向かって接近するよう該内側面部に対して傾斜
させて形成しておき、該第1及び第2の張出部成形用凹
状溝の位置で、各凹状溝と該第1及び第2の張出部成形
用凸状部との間に前記張出部を成形することを特徴とす
る。
造方法は、互いに嵌合する凸形成形部及び凹形成形部が
それぞれ設けられると共に、該凸形成形部の外側面部が
略該凸形成形部の基端側から先端側に向かって徐々に縮
幅するよう傾斜し、且つこれに対応して該凹形成形部の
内側面部が略該凹形成形部の開口端側から底面部側に向
かって徐々に縮幅するよう傾斜して形成された一対の金
型を用い、両金型の前記凸形成形部及び凹形成形部の間
で繊維材料を分散させた懸濁液を加圧・加熱しつつ水分
を除去することにより、側壁部に高さ方向に延在すると
共に該側壁部の一方から押入されて他方に突出した形状
の張出部を備えた繊維材料から成る容器をプレス成形に
より製造する方法において、前記凸形成形部の基端寄り
の外側面部に、該凸形成形部の基端側から先端側に向か
って延在する第1の張出部成形用凹状溝と、該第1の張
出部成形用凹状溝の長手方向に直列的に配設され該凸形
成形部の基端側から先端側に向かって延在する第1の張
出部成形用凸状部とを形成しておくと共に該第1の張出
部成形用凹状溝の谷部及び該第1の張出部成形用凸状部
の頂部を凸形成形部の外側面部の高さ方向の中間位置に
向かって接近するよう該外側面部に対して傾斜させて形
成しておき、これに対応して該凹形成形部の開口端寄り
の内側面部に、該凹形成形部の開口端側から底面部側に
向かって延在する第2の張出部成形用凸状部と、該第2
の張出部成形用凸状部の長手方向に直列的に配設され該
凹形成形部の開口端側から底面部側に向かって延在する
第2の張出部成形用凹状溝とを形成しておくと共に該第
2の張出部成形用凸状部の頂部及び該第2の張出部成形
用凹状溝の谷部を凹形成形部の内側面部の高さ方向の中
間位置に向かって接近するよう該内側面部に対して傾斜
させて形成しておき、該第1及び第2の張出部成形用凹
状溝の位置で、各凹状溝と該第1及び第2の張出部成形
用凸状部との間に前記張出部を成形することを特徴とす
る。
【0017】尚、前記「凸状部の頂部」とは前記凸状部
が前記凸形成形部の外側面から最も突出している部分を
指し、前記「頂部の傾き」とは該頂部が該凸形成形部の
高さ方向に連なる線の傾きを指す。また、前記「凹状溝
の谷部」とは前記凹状溝が前記凹形成形部の内側面から
最も嵌入している部分を指し、前記「谷部の傾き」とは
該谷部が該凹形成形部の高さ方向に連なる線の傾きを指
す。
が前記凸形成形部の外側面から最も突出している部分を
指し、前記「頂部の傾き」とは該頂部が該凸形成形部の
高さ方向に連なる線の傾きを指す。また、前記「凹状溝
の谷部」とは前記凹状溝が前記凹形成形部の内側面から
最も嵌入している部分を指し、前記「谷部の傾き」とは
該谷部が該凹形成形部の高さ方向に連なる線の傾きを指
す。
【0018】そして、本発明の製造方法では、前記第1
の張出部成形用凸状部の頂部の前記凸形成形部の外側面
部に対する傾斜が、前記第1の張出部成形用凹状溝の谷
部の前記凸形成形部の外側面部に対する傾斜より大きく
なるように形成しておくと共に、前記第2の張出部成形
用凹状溝の谷部の前記凹形成形部の内側面部に対する傾
斜が、前記第2の張出部成形用凸状部の頂部の前記凹形
成形部の内側面部に対する傾斜より大きくなるように形
成しておくことを特徴とし、さらに前記第1の張出部成
形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部成形用凹状溝の
谷部が前記容器の底面部に垂直になるように形成されて
いることを特徴とする。
の張出部成形用凸状部の頂部の前記凸形成形部の外側面
部に対する傾斜が、前記第1の張出部成形用凹状溝の谷
部の前記凸形成形部の外側面部に対する傾斜より大きく
なるように形成しておくと共に、前記第2の張出部成形
用凹状溝の谷部の前記凹形成形部の内側面部に対する傾
斜が、前記第2の張出部成形用凸状部の頂部の前記凹形
成形部の内側面部に対する傾斜より大きくなるように形
成しておくことを特徴とし、さらに前記第1の張出部成
形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部成形用凹状溝の
谷部が前記容器の底面部に垂直になるように形成されて
いることを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明の容器によれば、開口端を形成する側壁
部に、開口端寄りの箇所で該側壁部の外面側から押入さ
れて内面側に突出した形状の第1の張出部と、底面部寄
りの箇所で内面側から押入されて外面側に突出した形状
の第2の張出部とが設けられている。両張出部は、前記
側壁部に高さ方向に延在すると共に、それらの長手方向
で直列的に配設されているので、一つの容器に他の容器
が嵌合されようとするときに、前記第2張出部の底面部
側の端部が前記第1張出部の開口端側の端部に当接し、
その嵌合を防止する。また、前記両張出部は上下に分割
して前記形状に設けられているので、前記第1張出部の
容器内面側への突出量が低減され、該第1張出部による
該容器の内容積の低減が抑制される。
部に、開口端寄りの箇所で該側壁部の外面側から押入さ
れて内面側に突出した形状の第1の張出部と、底面部寄
りの箇所で内面側から押入されて外面側に突出した形状
の第2の張出部とが設けられている。両張出部は、前記
側壁部に高さ方向に延在すると共に、それらの長手方向
で直列的に配設されているので、一つの容器に他の容器
が嵌合されようとするときに、前記第2張出部の底面部
側の端部が前記第1張出部の開口端側の端部に当接し、
その嵌合を防止する。また、前記両張出部は上下に分割
して前記形状に設けられているので、前記第1張出部の
容器内面側への突出量が低減され、該第1張出部による
該容器の内容積の低減が抑制される。
【0020】このとき、前記第2張出部はその頂部の前
記容器の側壁部に対する傾斜が前記第1張出部の前記容
器の側壁部に対する傾斜より大きくなっていることによ
り、前記第2張出部の底面部側の端部と、前記第1張出
部の開口端側の端部との当接部分の幅が大きくなり、両
容器の嵌合を妨げる上で有利になる。本発明の繊維材料
から成る容器は、前記第2張出部の頂部が、前記容器の
底面部に垂直になるようにすることにより、前記当接部
分の幅がさらに大きくなる。
記容器の側壁部に対する傾斜が前記第1張出部の前記容
器の側壁部に対する傾斜より大きくなっていることによ
り、前記第2張出部の底面部側の端部と、前記第1張出
部の開口端側の端部との当接部分の幅が大きくなり、両
容器の嵌合を妨げる上で有利になる。本発明の繊維材料
から成る容器は、前記第2張出部の頂部が、前記容器の
底面部に垂直になるようにすることにより、前記当接部
分の幅がさらに大きくなる。
【0021】また、前記容器は、離脱容易な範囲であれ
ば嵌合してもよく、前記第1張出部及び前記第2張出部
は前記容器の嵌合を離脱容易な範囲に規制できるように
設けられていればよい。しかし、前記第1張出部の開口
端側の端部が該開口端位置まで延設されると共に、前記
第2張出部の底面部側の端部が該底面部の位置まで延設
されて形成されていることにより、両容器の嵌合がその
開口端で確実に妨げられる。
ば嵌合してもよく、前記第1張出部及び前記第2張出部
は前記容器の嵌合を離脱容易な範囲に規制できるように
設けられていればよい。しかし、前記第1張出部の開口
端側の端部が該開口端位置まで延設されると共に、前記
第2張出部の底面部側の端部が該底面部の位置まで延設
されて形成されていることにより、両容器の嵌合がその
開口端で確実に妨げられる。
【0022】本発明の繊維材料から成る容器の製造方法
によれば、前記凹形成形部に凸形成形部を嵌合すること
により、前記凹形成形部に設けられた第2の張出部成形
用凹状溝と前記凸形成形部に設けられた第1の張出部成
形用凸状部との間、及び前記凸形成形部に設けられた第
1の張出部成形用凹状溝と前記凹形成形部に設けられた
第2の張出部成形用凸状部との間で、所要のプレス圧が
確保され、前記各凹状溝と凸状部との間に前記各張出部
が形成される。
によれば、前記凹形成形部に凸形成形部を嵌合すること
により、前記凹形成形部に設けられた第2の張出部成形
用凹状溝と前記凸形成形部に設けられた第1の張出部成
形用凸状部との間、及び前記凸形成形部に設けられた第
1の張出部成形用凹状溝と前記凹形成形部に設けられた
第2の張出部成形用凸状部との間で、所要のプレス圧が
確保され、前記各凹状溝と凸状部との間に前記各張出部
が形成される。
【0023】また、前記第1の張出部成形用凸状部の頂
部の前記凸形成形部の外側面部に対する傾斜を、前記第
1の張出部成形用凹状溝の谷部の前記凸形成形部の外側
面部に対する傾斜より大きくなるように形成しておくと
共に、前記第2の張出部成形用凹状溝の谷部の前記凹形
成形部の内側面部に対する傾斜を、前記第2の張出部成
形用凸状部の頂部の前記凹形成形部の内側面部に対する
傾斜より大きくなるように形成しておくことにより、前
記各凹状溝と凸状部との間に傾斜の異なる張出部が形成
される。
部の前記凸形成形部の外側面部に対する傾斜を、前記第
1の張出部成形用凹状溝の谷部の前記凸形成形部の外側
面部に対する傾斜より大きくなるように形成しておくと
共に、前記第2の張出部成形用凹状溝の谷部の前記凹形
成形部の内側面部に対する傾斜を、前記第2の張出部成
形用凸状部の頂部の前記凹形成形部の内側面部に対する
傾斜より大きくなるように形成しておくことにより、前
記各凹状溝と凸状部との間に傾斜の異なる張出部が形成
される。
【0024】ここで、本願発明者等の検討によれば、前
記のように凹形成形部に凸形成形部を嵌合するプレス成
形により繊維材料から成る容器を製造するときには、容
器底面部近傍の側壁部は、該容器の底面部に対して垂直
にしても所要のプレス圧を確保できることが判明した。
記のように凹形成形部に凸形成形部を嵌合するプレス成
形により繊維材料から成る容器を製造するときには、容
器底面部近傍の側壁部は、該容器の底面部に対して垂直
にしても所要のプレス圧を確保できることが判明した。
【0025】そこで、本発明の製造方法によれば、前記
第1の張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部
成形用凹状溝の谷部が、それぞれ前記容器の底面部に垂
直になるように形成されていることにより、底面部に垂
直な頂部を有する張出部が形成される。前記第1の張出
部成形用凸状部の頂部と、これに対応する前記第2の張
出部成形用凹状溝の谷部は、所要のプレス圧を確保でき
る範囲であれば、その一部分が前記容器の底面部に対し
て垂直であってもよく、その全体が垂直であってもよ
い。
第1の張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部
成形用凹状溝の谷部が、それぞれ前記容器の底面部に垂
直になるように形成されていることにより、底面部に垂
直な頂部を有する張出部が形成される。前記第1の張出
部成形用凸状部の頂部と、これに対応する前記第2の張
出部成形用凹状溝の谷部は、所要のプレス圧を確保でき
る範囲であれば、その一部分が前記容器の底面部に対し
て垂直であってもよく、その全体が垂直であってもよ
い。
【0026】
【実施例】本発明の繊維材料からなる容器及びその製造
方法の一例を図1乃至図4を参照して説明する。図1は
本実施例の容器の斜視図、図2は図1のII−II線断
面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1の容器を成
形するための金型の斜視図、図5は容器成型時における
図4の金型の断面図である。
方法の一例を図1乃至図4を参照して説明する。図1は
本実施例の容器の斜視図、図2は図1のII−II線断
面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1の容器を成
形するための金型の斜視図、図5は容器成型時における
図4の金型の断面図である。
【0027】図1及び図2を参照して、本実施例の容器
1は、例えばパルプ繊維を材料として後述するように成
形されたものである。この容器1は略逆四角錐台形状
で、その底面部2の周囲に接する各側壁部3はいずれも
傾斜して形成されており、各側壁部3により形成される
開口端は底面部2が嵌合できる大きさとなっている。こ
の開口端には、その全周に亘って外方に張出したフラン
ジ4が形成されている。
1は、例えばパルプ繊維を材料として後述するように成
形されたものである。この容器1は略逆四角錐台形状
で、その底面部2の周囲に接する各側壁部3はいずれも
傾斜して形成されており、各側壁部3により形成される
開口端は底面部2が嵌合できる大きさとなっている。こ
の開口端には、その全周に亘って外方に張出したフラン
ジ4が形成されている。
【0028】容器1の四つの側壁部3のうち、互いに対
向する一組の側壁部3a,3aには、それぞれ容器1の
開口端寄りの箇所と底面部2寄りの箇所とに、容器1の
高さ方向に延在する張出部5a,5bが、それらの長手
方向で直列的に連接して形成されている。各側壁部3a
の張出部5a,5bのうち、開口端寄りの箇所の張出部
5aは側壁部3aの外面側から押入されて内面側に突出
した形状に設けられ、底面部2寄りの箇所の張出部5b
は側壁部3aの内面側から押入されて外面側に突出した
形状に設けられている。
向する一組の側壁部3a,3aには、それぞれ容器1の
開口端寄りの箇所と底面部2寄りの箇所とに、容器1の
高さ方向に延在する張出部5a,5bが、それらの長手
方向で直列的に連接して形成されている。各側壁部3a
の張出部5a,5bのうち、開口端寄りの箇所の張出部
5aは側壁部3aの外面側から押入されて内面側に突出
した形状に設けられ、底面部2寄りの箇所の張出部5b
は側壁部3aの内面側から押入されて外面側に突出した
形状に設けられている。
【0029】前記張出部5aの頂部6a及び張出部5b
の頂部6bは、側壁部3aの高さ方向の中間位置に向っ
て接近するように、側壁部3aに対して傾斜して形成さ
れている。ここで、頂部6aは側壁部3aに対して傾斜
角αとなるように形成されており、頂部6bはその側壁
部3aに対する傾斜角βが頂部6aの側壁部3に対する
傾斜角αより大きく、頂部6bが容器1の底面部2に垂
直になるように形成されている。
の頂部6bは、側壁部3aの高さ方向の中間位置に向っ
て接近するように、側壁部3aに対して傾斜して形成さ
れている。ここで、頂部6aは側壁部3aに対して傾斜
角αとなるように形成されており、頂部6bはその側壁
部3aに対する傾斜角βが頂部6aの側壁部3に対する
傾斜角αより大きく、頂部6bが容器1の底面部2に垂
直になるように形成されている。
【0030】そして、前記容器1では、図2示のよう
に、相対向する張出部5a,5aが設けられた箇所にお
ける開口端の内寸Da(張出部5a,5aの頂部6a,
6aの間隔)は、相対向する張出部5b,5bが設けら
れた箇所における底面部の外寸Db(張出部5b,5b
の頂部6b,6bの間隔)より小さくなっている。これ
により、容器1にこれと同形状の容器1(図2に仮想線
で示す)が嵌合されようとするときに、嵌入側の容器1
の底面部2側の張出部5b,5bが受け入れ側の容器1
の開口端側の張出部5a,5aに当接して、それらの容
器1,1同士の嵌合が阻止されるようになっている。
に、相対向する張出部5a,5aが設けられた箇所にお
ける開口端の内寸Da(張出部5a,5aの頂部6a,
6aの間隔)は、相対向する張出部5b,5bが設けら
れた箇所における底面部の外寸Db(張出部5b,5b
の頂部6b,6bの間隔)より小さくなっている。これ
により、容器1にこれと同形状の容器1(図2に仮想線
で示す)が嵌合されようとするときに、嵌入側の容器1
の底面部2側の張出部5b,5bが受け入れ側の容器1
の開口端側の張出部5a,5aに当接して、それらの容
器1,1同士の嵌合が阻止されるようになっている。
【0031】次に、図2示の容器1において容器1,1
同士の嵌合を阻止する作用について、図3及び図9を参
照して説明する。
同士の嵌合を阻止する作用について、図3及び図9を参
照して説明する。
【0032】まず、図3示のように、本実施例の容器1
で開口端における張出部5aの上端縁の幅をx、嵌入側
の容器1の底面部2側の張出部5bが当接されない部分
の幅をyとすれば、開口端側の張出部5aと嵌入側の容
器1の底面部2側の張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
は、 ΔD1 =x−y …(1) と表される。このとき、張出部5aの頂部6aの容器1
の底面部2に対する傾斜角をθ1 、容器1の高さH、張
出部5aの高さをH1 (H1 <H)、容器1の側壁部3
(張出部5a)の厚さをmとすると、 x=m/sinθ1 …(2) y=H1 /tanθ1 …(3) であるから、(1)式は、(2)式及び(3)式から、
次のように書き直される。
で開口端における張出部5aの上端縁の幅をx、嵌入側
の容器1の底面部2側の張出部5bが当接されない部分
の幅をyとすれば、開口端側の張出部5aと嵌入側の容
器1の底面部2側の張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
は、 ΔD1 =x−y …(1) と表される。このとき、張出部5aの頂部6aの容器1
の底面部2に対する傾斜角をθ1 、容器1の高さH、張
出部5aの高さをH1 (H1 <H)、容器1の側壁部3
(張出部5a)の厚さをmとすると、 x=m/sinθ1 …(2) y=H1 /tanθ1 …(3) であるから、(1)式は、(2)式及び(3)式から、
次のように書き直される。
【0033】 ΔD1 =(m/sinθ1 )−(H1 /tanθ1 ) …(4) 次に、(4)式との比較のために、図7示の容器Aにつ
いて、図9を参照しながら前記と同様にして開口端側の
張出部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の幅Δ
D0 を求める。図7示の容器Aで、図9示の様に開口端
における張出部hの上端縁幅をx0 、嵌入側の容器Aの
底面部が当接されない部分の幅をy0 とすれば、開口端
側の張出部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の
幅ΔD0は、 ΔD0 =x0 −y0 …(5) と表される。このとき、張出部hの頂部の容器Aの底面
部に対する傾斜角θを本実施例と同様にθ1 (θ=
θ1 )とし、容器A1 の高さをH、容器A1 の側壁部g
(張出部h)の厚さをmとすると、 x0 =m/sinθ1 …(6) y0 =H/tanθ1 …(7) であるから、(5)式は(6)式及び(7)式から、次
のように書き直される。
いて、図9を参照しながら前記と同様にして開口端側の
張出部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の幅Δ
D0 を求める。図7示の容器Aで、図9示の様に開口端
における張出部hの上端縁幅をx0 、嵌入側の容器Aの
底面部が当接されない部分の幅をy0 とすれば、開口端
側の張出部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の
幅ΔD0は、 ΔD0 =x0 −y0 …(5) と表される。このとき、張出部hの頂部の容器Aの底面
部に対する傾斜角θを本実施例と同様にθ1 (θ=
θ1 )とし、容器A1 の高さをH、容器A1 の側壁部g
(張出部h)の厚さをmとすると、 x0 =m/sinθ1 …(6) y0 =H/tanθ1 …(7) であるから、(5)式は(6)式及び(7)式から、次
のように書き直される。
【0034】 ΔD0 =(m/sinθ1 )−(H/tanθ1 ) …(8) ここで、本実施例の容器1の高さは従来例の容器Aの高
さと等しくHであり、図3からH>H1 である。従っ
て、(4)式及び(8)式からΔD1 >ΔD0 となる。
さと等しくHであり、図3からH>H1 である。従っ
て、(4)式及び(8)式からΔD1 >ΔD0 となる。
【0035】以上の結果から本実施例の容器1によれ
ば、一つの容器1に他の容器1が嵌合されようとすると
きに、受け入れ側の開口端側の張出部5aと嵌入側の容
器1の底面部2側の張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
が、従来の容器Aにおける受け入れ側の開口端側の張出
部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の幅ΔD0
より大きくなり、前記嵌合を確実に阻止できることが明
らかである。
ば、一つの容器1に他の容器1が嵌合されようとすると
きに、受け入れ側の開口端側の張出部5aと嵌入側の容
器1の底面部2側の張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
が、従来の容器Aにおける受け入れ側の開口端側の張出
部hと嵌入側の容器Aの底面部との当接部分の幅ΔD0
より大きくなり、前記嵌合を確実に阻止できることが明
らかである。
【0036】前記実施例では、頂部6bが容器1の底面
部2に垂直になっているが、頂部6bの容器1の側壁部
3に対する傾斜角βは、頂部6aの容器1の側壁部3に
対する傾斜角α以上であればよく、頂部6bの底面部2
に対する傾斜角が90°未満であってもよい。
部2に垂直になっているが、頂部6bの容器1の側壁部
3に対する傾斜角βは、頂部6aの容器1の側壁部3に
対する傾斜角α以上であればよく、頂部6bの底面部2
に対する傾斜角が90°未満であってもよい。
【0037】傾斜角βが傾斜角α以上であって頂部6b
の底面部2に対する傾斜角が90°未満であるときに
は、容器1における開口端側の張出部5aと張出部5b
との当接部分の幅は、頂部6a,6bの傾きが等しいと
きの容器1における開口端側の張出部5aと張出部5b
との当接部分の幅ΔD0 と、頂部6bが容器1の底面部
2に対して垂直になっているときの容器1における開口
端側の張出部5aと張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
との中間にあり、ΔD0 と等しいか、またはそれより大
きくなる。
の底面部2に対する傾斜角が90°未満であるときに
は、容器1における開口端側の張出部5aと張出部5b
との当接部分の幅は、頂部6a,6bの傾きが等しいと
きの容器1における開口端側の張出部5aと張出部5b
との当接部分の幅ΔD0 と、頂部6bが容器1の底面部
2に対して垂直になっているときの容器1における開口
端側の張出部5aと張出部5bとの当接部分の幅ΔD1
との中間にあり、ΔD0 と等しいか、またはそれより大
きくなる。
【0038】前記張出部5aと張出部5bとの当接部分
の幅がΔD0 と等しいときには、容器1,1の嵌合を防
止する効果は図7示の容器Aと同等であるが、本発明で
は張出部が容器1の内面側に突出する張出部5aと外面
側に突出する張出部5bとに別れているので、図7示の
容器Aに比較して容器1の内容積の低減を抑制すること
ができる。
の幅がΔD0 と等しいときには、容器1,1の嵌合を防
止する効果は図7示の容器Aと同等であるが、本発明で
は張出部が容器1の内面側に突出する張出部5aと外面
側に突出する張出部5bとに別れているので、図7示の
容器Aに比較して容器1の内容積の低減を抑制すること
ができる。
【0039】次に、図4及び図5を参照して、かかる容
器1を成形するための金型について説明する。
器1を成形するための金型について説明する。
【0040】容器1を成形するための金型は、図4に示
すような下型7及び上型8により構成され、下型7の上
面部には容器1の内面部を成形するための四角錐台形状
の凸形成形部9が設けられ、上型8の下面部には容器1
の外面部を成形するための逆四角錐台形状の凹形成形部
10が形成されている。そして、凸形成形部9の四つの
外側面部11は、図1示の容器1の側壁部3の傾斜に対
応して、該凸形成形部9がその基端側から先端部12側
に向かって徐々に縮幅するように傾斜されている。これ
と同様に、凹形成形部10の四つの内側面部13も、該
凹形成形部10がその開口端側から底面部14側に向か
って徐々に縮幅するように傾斜されている。また、上型
8の凹形成形部10の開口端周縁部には、図1示の容器
1のフランジ部4を成形するためのフランジ成形部15
が形成されている。これらの凸形成形部9及び凹形成形
部10は下型7及び上型8を互いに接近させることで、
図5に示すように嵌合する。
すような下型7及び上型8により構成され、下型7の上
面部には容器1の内面部を成形するための四角錐台形状
の凸形成形部9が設けられ、上型8の下面部には容器1
の外面部を成形するための逆四角錐台形状の凹形成形部
10が形成されている。そして、凸形成形部9の四つの
外側面部11は、図1示の容器1の側壁部3の傾斜に対
応して、該凸形成形部9がその基端側から先端部12側
に向かって徐々に縮幅するように傾斜されている。これ
と同様に、凹形成形部10の四つの内側面部13も、該
凹形成形部10がその開口端側から底面部14側に向か
って徐々に縮幅するように傾斜されている。また、上型
8の凹形成形部10の開口端周縁部には、図1示の容器
1のフランジ部4を成形するためのフランジ成形部15
が形成されている。これらの凸形成形部9及び凹形成形
部10は下型7及び上型8を互いに接近させることで、
図5に示すように嵌合する。
【0041】凸形成形部9の四つの外側面部11のう
ち、前記容器1の側壁部3a,3aを成形するための互
いに対向した一組の外側面部11a,11aの基端寄り
の箇所には、それぞれ、前記張出部5aを成形するため
の張出部成形用凹状溝16a,16aが、該凸形成形部
9の高さ方向に延在して形成されている。また、前記一
組の外側面部11a,11aの先端部12寄りの箇所に
は、それぞれ、前記張出部5bを成形するための張出部
成形用凸状部18a,18aが、該凸形成形部9の高さ
方向に延在すると共に、張出部成形用凹状溝16aの長
手方向に直列的に配設して形成されている。
ち、前記容器1の側壁部3a,3aを成形するための互
いに対向した一組の外側面部11a,11aの基端寄り
の箇所には、それぞれ、前記張出部5aを成形するため
の張出部成形用凹状溝16a,16aが、該凸形成形部
9の高さ方向に延在して形成されている。また、前記一
組の外側面部11a,11aの先端部12寄りの箇所に
は、それぞれ、前記張出部5bを成形するための張出部
成形用凸状部18a,18aが、該凸形成形部9の高さ
方向に延在すると共に、張出部成形用凹状溝16aの長
手方向に直列的に配設して形成されている。
【0042】前記張出部成形用凹状溝16aの谷部17
a及び前記張出部成形用凸状部18aの頂部19aは、
外側面部11aの高さ方向の中間位置に向かって接近す
るように、該外側面部11aに対して傾斜して形成され
ている。前記頂部19aの外側面部11aに対する傾斜
角は、前記谷部17aの外側面部11aに対する傾斜角
より大きく、前記容器1の底面部2に垂直になるように
形成されている。
a及び前記張出部成形用凸状部18aの頂部19aは、
外側面部11aの高さ方向の中間位置に向かって接近す
るように、該外側面部11aに対して傾斜して形成され
ている。前記頂部19aの外側面部11aに対する傾斜
角は、前記谷部17aの外側面部11aに対する傾斜角
より大きく、前記容器1の底面部2に垂直になるように
形成されている。
【0043】前記凸形成形部9と同様に、凹形成形部1
0の四つの内側面部13のうち、前記容器1の側壁部3
a,3aを成形するための互いに対向した一組の外側面
部13a,13aの開口端寄りの箇所には、それぞれ、
前記張出部5aを成形するための張出部成形用凸状部1
8b,18bが、該凸形成形部9の高さ方向に延在して
形成されている。また、前記一組の内側面部13a,1
3aの底面部14寄りの箇所には、それぞれ、前記張出
部5bを成形するための張出部成形用凹状溝16b,1
6bが、該凹形成形部10の高さ方向に延在すると共
に、張出部成形用凸状部18bの長手方向に直列的に配
設して形成されている。
0の四つの内側面部13のうち、前記容器1の側壁部3
a,3aを成形するための互いに対向した一組の外側面
部13a,13aの開口端寄りの箇所には、それぞれ、
前記張出部5aを成形するための張出部成形用凸状部1
8b,18bが、該凸形成形部9の高さ方向に延在して
形成されている。また、前記一組の内側面部13a,1
3aの底面部14寄りの箇所には、それぞれ、前記張出
部5bを成形するための張出部成形用凹状溝16b,1
6bが、該凹形成形部10の高さ方向に延在すると共
に、張出部成形用凸状部18bの長手方向に直列的に配
設して形成されている。
【0044】前記張出部成形用凸状部18bの頂部19
b及び前記張出部成形用凹状溝16bの谷部17bは、
内側面部13aの高さ方向の中間位置に向かって接近す
るように、該内側面部13aに対して傾斜して形成され
ている。前記谷部17bの内側面部13aに対する傾斜
角は、前記頂部19bの内側面部13aに対する傾斜角
より大きく、前記容器1の底面部2に垂直になるように
形成されている。
b及び前記張出部成形用凹状溝16bの谷部17bは、
内側面部13aの高さ方向の中間位置に向かって接近す
るように、該内側面部13aに対して傾斜して形成され
ている。前記谷部17bの内側面部13aに対する傾斜
角は、前記頂部19bの内側面部13aに対する傾斜角
より大きく、前記容器1の底面部2に垂直になるように
形成されている。
【0045】このような金型を用いて、前記容器1は次
のように成形される。
のように成形される。
【0046】すなわち、まず、下型7及び上型8を型開
きした状態で、パルプ繊維を分散させた懸濁液(以下、
パルプ液という)を下型7の凸形成形部9に塗布する。
このようなパルプ液の塗布は、例えば該パルプ液を貯蔵
した槽(図示しない)内に下型7を浸漬させることで行
われる。
きした状態で、パルプ繊維を分散させた懸濁液(以下、
パルプ液という)を下型7の凸形成形部9に塗布する。
このようなパルプ液の塗布は、例えば該パルプ液を貯蔵
した槽(図示しない)内に下型7を浸漬させることで行
われる。
【0047】次いで、図5に示すように、凸形成形部9
及び凹形成形部10を互いに嵌合させて下型7及び上型
8を型締めし、これにより、凸形成形部9に付着してい
るパルプ液P中のパルプ繊維を凸形成形部9及び凹形成
形部10の間で加圧する。さらに、この状態で、下型7
及び上型8に設けた図示しないヒータにより加熱すると
共に、凸形成形部9の外面部や凹形成形部10の内面部
に連通して設けられた図示しない吸引孔を介してパルプ
液P中の水分を吸引・除去する。これにより凸形成形部
9及び凹形成形部10の間で、図1示の容器1がプレス
成形される。
及び凹形成形部10を互いに嵌合させて下型7及び上型
8を型締めし、これにより、凸形成形部9に付着してい
るパルプ液P中のパルプ繊維を凸形成形部9及び凹形成
形部10の間で加圧する。さらに、この状態で、下型7
及び上型8に設けた図示しないヒータにより加熱すると
共に、凸形成形部9の外面部や凹形成形部10の内面部
に連通して設けられた図示しない吸引孔を介してパルプ
液P中の水分を吸引・除去する。これにより凸形成形部
9及び凹形成形部10の間で、図1示の容器1がプレス
成形される。
【0048】このとき、凸形成形部9の張出部成形用凹
状溝16aとこれに対向する凹形成形部10の張出部成
形用凸状部18bとの間で、前記容器1の張出部5aが
プレス成形される。
状溝16aとこれに対向する凹形成形部10の張出部成
形用凸状部18bとの間で、前記容器1の張出部5aが
プレス成形される。
【0049】一方、凸形成形部9の張出部成形用凸状部
18a及びこれに対向する凹形成形部10の張出部成形
用凹状溝16bにおいては、張出部成形用凸状部18a
の頂部19a及び張出部成形用凹状溝16bの谷部17
bが前述したように前記容器1の底面部2に垂直になっ
ているが、頂部19a及び谷部17bは前記容器1の底
面部2の近傍に位置するので底面部2に垂直(型締め方
向に対して平行)であっても必要なプレス圧が確保さ
れ、頂部19aと谷部17bとの間で前記容器1の張出
部5bがプレス成形される。
18a及びこれに対向する凹形成形部10の張出部成形
用凹状溝16bにおいては、張出部成形用凸状部18a
の頂部19a及び張出部成形用凹状溝16bの谷部17
bが前述したように前記容器1の底面部2に垂直になっ
ているが、頂部19a及び谷部17bは前記容器1の底
面部2の近傍に位置するので底面部2に垂直(型締め方
向に対して平行)であっても必要なプレス圧が確保さ
れ、頂部19aと谷部17bとの間で前記容器1の張出
部5bがプレス成形される。
【0050】前記容器1の成形に際しては、前記凸形成
形部9へのパルプ液の塗布とプレス成形とを複数回にわ
たって繰り返して一つの容器1を成形するようにしても
よい。このようにすることにより、容器1を肉厚のもの
にすることができる。
形部9へのパルプ液の塗布とプレス成形とを複数回にわ
たって繰り返して一つの容器1を成形するようにしても
よい。このようにすることにより、容器1を肉厚のもの
にすることができる。
【0051】前記実施例では、張出部成形用凹状溝16
bの谷部17b及び張出部成形用凸状部18aの頂部1
9aが前記容器1の底面部2に垂直になるように形成さ
れているが、谷部17bは凹形成形部10の内側面部1
3aに対する傾斜が張出部成形用凸状部18bの頂部1
9bの内側面部13aに対する傾斜以上であれば底面部
2に対する傾斜角が90°未満であってもよく、頂部1
9aは凸形成形部9の外側面部11aに対する傾斜が張
出部成形用凹状溝16aの谷部17aの外側面部11a
に対する傾斜以上であれば底面部2に対する傾斜角が9
0°未満であってもよい。
bの谷部17b及び張出部成形用凸状部18aの頂部1
9aが前記容器1の底面部2に垂直になるように形成さ
れているが、谷部17bは凹形成形部10の内側面部1
3aに対する傾斜が張出部成形用凸状部18bの頂部1
9bの内側面部13aに対する傾斜以上であれば底面部
2に対する傾斜角が90°未満であってもよく、頂部1
9aは凸形成形部9の外側面部11aに対する傾斜が張
出部成形用凹状溝16aの谷部17aの外側面部11a
に対する傾斜以上であれば底面部2に対する傾斜角が9
0°未満であってもよい。
【0052】尚、本実施例においては、互いに対向する
一組の側壁部3a,3aのそれぞれ1箇所に設けられた
張出部5a,5bを、それぞれの側壁部3a,3aに設
けられた張出部5a,5bが相対向している場合につい
て説明しているが、張出部5a,5bは、それぞれの側
壁部3a,3aの複数箇所に設けられていてもよく、そ
れぞれの側壁部3a,3aに設けられた張出部5a,5
bは必ずしも相対向していなくてもよい。また、互いに
対向する一組の側壁部3a,3aだけでなく、それらに
挟まれる側壁部3にも、張出部5a,5bを設けるよう
にしてもよい。
一組の側壁部3a,3aのそれぞれ1箇所に設けられた
張出部5a,5bを、それぞれの側壁部3a,3aに設
けられた張出部5a,5bが相対向している場合につい
て説明しているが、張出部5a,5bは、それぞれの側
壁部3a,3aの複数箇所に設けられていてもよく、そ
れぞれの側壁部3a,3aに設けられた張出部5a,5
bは必ずしも相対向していなくてもよい。また、互いに
対向する一組の側壁部3a,3aだけでなく、それらに
挟まれる側壁部3にも、張出部5a,5bを設けるよう
にしてもよい。
【0053】また、本実施例においては、逆四角錐台形
状の容器1について説明したが、逆四角錐台形状等の他
の形状の容器についても、本発明を適用することができ
ることはもちろんである。また、凸形成形部9及び凹形
成形部10を互いに嵌合させ、あるいは離型させる際に
支障がないものであれば、付属物を備えた容器を形成す
ることも可能である。例えば、前記付属物として容器1
の開口端に柄を形成し、容器1をスプーン形状としても
よい。
状の容器1について説明したが、逆四角錐台形状等の他
の形状の容器についても、本発明を適用することができ
ることはもちろんである。また、凸形成形部9及び凹形
成形部10を互いに嵌合させ、あるいは離型させる際に
支障がないものであれば、付属物を備えた容器を形成す
ることも可能である。例えば、前記付属物として容器1
の開口端に柄を形成し、容器1をスプーン形状としても
よい。
【0054】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の繊維材料からなる容器によれば、張出部の形成による
容器の内容積の低減を抑制できると共に、一つの容器に
他の容器が重なったときに、受け入れ側の容器の第1張
出部に嵌入側の容器の第2張出部が当接されるので、両
者の嵌合を防止することができる。また、第2張出部の
頂部の傾斜を第1張出部の頂部の傾斜より大きくし、さ
らに第2張出部の頂部の傾斜を容器の底面部に垂直にす
ることにより、一つの容器に他の容器が重なったとき
に、前記第1張出部と第2張出部との当接部分の幅を大
きくすることができ、さらに前記両容器の嵌合を防止す
る効果を向上することができる。また、前記第1張出部
の開口端側の端部が該開口端位置まで延設されると共
に、前記第2張出部の底面部側の端部が該底面部の位置
まで延設されて形成されていることにより、前記両容器
の嵌合をその開口端で確実に防止することができる。
の繊維材料からなる容器によれば、張出部の形成による
容器の内容積の低減を抑制できると共に、一つの容器に
他の容器が重なったときに、受け入れ側の容器の第1張
出部に嵌入側の容器の第2張出部が当接されるので、両
者の嵌合を防止することができる。また、第2張出部の
頂部の傾斜を第1張出部の頂部の傾斜より大きくし、さ
らに第2張出部の頂部の傾斜を容器の底面部に垂直にす
ることにより、一つの容器に他の容器が重なったとき
に、前記第1張出部と第2張出部との当接部分の幅を大
きくすることができ、さらに前記両容器の嵌合を防止す
る効果を向上することができる。また、前記第1張出部
の開口端側の端部が該開口端位置まで延設されると共
に、前記第2張出部の底面部側の端部が該底面部の位置
まで延設されて形成されていることにより、前記両容器
の嵌合をその開口端で確実に防止することができる。
【0055】本発明の繊維材料からなる容器の製造方法
によれば、前記第1及び第2張出部を有する容器を有利
に製造することができる。また、本発明の製造方法で
は、前記第1の張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2
の張出部成形用凹状溝の谷部の傾斜が、前記第1の張出
部成形用凹状溝の谷部及び前記第2の張出部成形用凸状
部の頂部の傾斜より大きくなるように形成されているこ
とにより、第2張出部の頂部の傾斜が、第1張出部の頂
部の傾斜より大きくなっている容器を形成することがで
きる。
によれば、前記第1及び第2張出部を有する容器を有利
に製造することができる。また、本発明の製造方法で
は、前記第1の張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2
の張出部成形用凹状溝の谷部の傾斜が、前記第1の張出
部成形用凹状溝の谷部及び前記第2の張出部成形用凸状
部の頂部の傾斜より大きくなるように形成されているこ
とにより、第2張出部の頂部の傾斜が、第1張出部の頂
部の傾斜より大きくなっている容器を形成することがで
きる。
【0056】また、本発明の製造方法では、前記第1の
張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部成形用
凹状溝の谷部が容器の底面部に垂直になるように形成さ
れていることにより、第2張出部の頂部の傾斜を底面部
に垂直になっている容器を形成することができる。
張出部成形用凸状部の頂部及び前記第2の張出部成形用
凹状溝の谷部が容器の底面部に垂直になるように形成さ
れていることにより、第2張出部の頂部の傾斜を底面部
に垂直になっている容器を形成することができる。
【図1】本発明に係わる容器の一実施例を示す斜視図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】図1示の容器を成形するための金型の斜視図。
【図5】容器成型時における図3の金型の断面図。
【図6】図6(a)は従来の容器の一例を示す斜視図、
図6(b)は図6(a)示の容器の成型に用いる金型の
容器成型時における断面図。
図6(b)は図6(a)示の容器の成型に用いる金型の
容器成型時における断面図。
【図7】図7(a)は従来の容器の他の例を示す斜視
図、図7(b)は図7(a)示の容器の成型に用いる金
型の容器成型時における断面図。
図、図7(b)は図7(a)示の容器の成型に用いる金
型の容器成型時における断面図。
【図8】図7(a)のVIII−VIII線断面図。
【図9】図8の要部拡大図。
【図10】課題を解決するために理想的な容器を示す断
面図。
面図。
1…容器、 2…底面部、 3…側壁部、 5a…第1
の張出部、 5b…第2の張出部、 6a…第1の張出
部の頂部、 6b…第2の張出部の頂部、 7,8…金
型、 9…凸形成形部、 10…凹形成形部、 11…
凸形成形部の外側面部、 12…凸形成形部の先端部、
13…凹形成形部の内側面部、 14…凹形成形部の
底面部、 16a…第1の張出部成形用凹状溝、 16
b…第2の張出部成形用凹状溝、 17a…第1の張出
部成形用凹状溝の谷部、 17b…第2の張出部成形用
凹状溝の谷部、 18a…第1の張出部成形用凸状部、
18b…第2の張出部成形用凸状部、 19a…第1の
張出部成形用凸状部の頂部、 19b…第2の張出部成
形用凸状部の頂部。
の張出部、 5b…第2の張出部、 6a…第1の張出
部の頂部、 6b…第2の張出部の頂部、 7,8…金
型、 9…凸形成形部、 10…凹形成形部、 11…
凸形成形部の外側面部、 12…凸形成形部の先端部、
13…凹形成形部の内側面部、 14…凹形成形部の
底面部、 16a…第1の張出部成形用凹状溝、 16
b…第2の張出部成形用凹状溝、 17a…第1の張出
部成形用凹状溝の谷部、 17b…第2の張出部成形用
凹状溝の谷部、 18a…第1の張出部成形用凸状部、
18b…第2の張出部成形用凸状部、 19a…第1の
張出部成形用凸状部の頂部、 19b…第2の張出部成
形用凸状部の頂部。
Claims (7)
- 【請求項1】繊維材料を分散させた懸濁液を一対の金型
間で加圧・加熱しつつ水分を除去することによりプレス
成形され、底面部と、傾斜して形成されて該底面部を嵌
合自在な大きさの開口端を形成する側壁部とを備え、該
側壁部に一方から押入されて他方に突出した形状の張出
部が高さ方向に延在して形成されていて、該張出部の開
口端側の端部における内寸幅が、該張出部を設けた箇所
に対応する該底面部の外寸幅以下になるように形成され
た容器において、 前記張出部は、前記側壁部の開口端寄りの箇所に外面側
から押入されて内面側に突出した形状の第1の張出部
と、底面部寄りの箇所に内面側から押入されて外面側に
突出した形状の第2の張出部とからなり、 前記両張出部はそれらの長手方向で直列的に設けられる
と共に、前記両張出部はその頂部が前記側壁部の高さ方
向の中間位置に向って接近するよう該側壁部に対して傾
斜して設けられていることを特徴とする繊維材料から成
る容器。 - 【請求項2】前記第2張出部はその頂部の前記容器の側
壁部に対する傾斜が前記第1張出部の頂部の前記側壁部
に対する傾斜より大きくなるように設けられていること
を特徴とする請求項1記載の繊維材料から成る容器。 - 【請求項3】前記第2張出部はその頂部が前記容器の底
面部に垂直になるように設けられていることを特徴とす
る請求項1または請求項2記載の繊維材料から成る容
器。 - 【請求項4】前記第1張出部の開口端側の端部が該開口
端位置まで延設されると共に、前記第2張出部の底面部
側の端部が該底面部の位置まで延設されて形成されてい
ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1
項記載の繊維材料から成る容器。 - 【請求項5】互いに嵌合する凸形成形部及び凹形成形部
がそれぞれ設けられると共に、該凸形成形部の外側面部
が略該凸形成形部の基端側から先端側に向かって徐々に
縮幅するよう傾斜し、且つこれに対応して該凹形成形部
の内側面部が略該凹形成形部の開口端側から底面部側に
向かって徐々に縮幅するよう傾斜して形成された一対の
金型を用い、両金型の前記凸形成形部及び凹形成形部の
間で繊維材料を分散させた懸濁液を加圧・加熱しつつ水
分を除去することにより、側壁部に高さ方向に延在する
と共に該側壁部の一方から押入されて他方に突出した形
状の張出部を備えた繊維材料から成る容器をプレス成形
により製造する方法において、 前記凸形成形部の基端寄りの外側面部に、該凸形成形部
の基端側から先端側に向かって延在する第1の張出部成
形用凹状溝と、該第1の張出部成形用凹状溝の長手方向
に直列的に配設され該凸形成形部の基端側から先端側に
向かって延在する第1の張出部成形用凸状部とを形成し
ておくと共に該第1の張出部成形用凹状溝の谷部及び該
第1の張出部成形用凸状部の頂部を凸形成形部の外側面
部の高さ方向の中間位置に向かって接近するよう該外側
面部に対して傾斜させて形成しておき、 これに対応して該凹形成形部の開口端寄りの内側面部
に、該凹形成形部の開口端側から底面部側に向かって延
在する第2の張出部成形用凸状部と、該第2の張出部成
形用凸状部の長手方向に直列的に配設され該凹形成形部
の開口端側から底面部側に向かって延在する第2の張出
部成形用凹状溝とを形成しておくと共に該第2の張出部
成形用凸状部の頂部及び該第2の張出部成形用凹状溝の
谷部を凹形成形部の内側面部の高さ方向の中間位置に向
かって接近するよう該内側面部に対して傾斜させて形成
しておき、 該第1及び第2の張出部成形用凹状溝の位置で、各凹状
溝と該第1及び第2の張出部成形用凸状部との間に前記
張出部を成形することを特徴とする繊維材料から成る容
器の製造方法。 - 【請求項6】前記第1の張出部成形用凸状部の頂部の前
記凸形成形部の外側面部に対する傾斜が、前記第1の張
出部成形用凹状溝の谷部の前記凸形成形部の外側面部に
対する傾斜より大きくなるように形成しておくと共に、
前記第2の張出部成形用凹状溝の谷部の前記凹形成形部
の内側面部に対する傾斜が、前記第2の張出部成形用凸
状部の頂部の前記凹形成形部の内側面部に対する傾斜よ
り大きくなるように形成しておくことを特徴とする請求
項5記載の繊維材料から成る容器の製造方法。 - 【請求項7】前記第1の張出部成形用凸状部の頂部及び
前記第2の張出部成形用凹状溝の谷部が前記容器の底面
部に垂直になるように形成されていることを特徴とする
請求項6記載の繊維材料から成る容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1187095A JPH08209599A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 繊維材料から成る容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1187095A JPH08209599A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 繊維材料から成る容器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08209599A true JPH08209599A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11789766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1187095A Pending JPH08209599A (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 繊維材料から成る容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08209599A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108505400A (zh) * | 2017-02-25 | 2018-09-07 | 郎旗 | 一种纤维湿法成型方法及一种空天飞机隔热瓦结构 |
-
1995
- 1995-01-27 JP JP1187095A patent/JPH08209599A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108505400A (zh) * | 2017-02-25 | 2018-09-07 | 郎旗 | 一种纤维湿法成型方法及一种空天飞机隔热瓦结构 |
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