JPH08209056A - 常乾型水性エマルジョン系塗料 - Google Patents

常乾型水性エマルジョン系塗料

Info

Publication number
JPH08209056A
JPH08209056A JP3757095A JP3757095A JPH08209056A JP H08209056 A JPH08209056 A JP H08209056A JP 3757095 A JP3757095 A JP 3757095A JP 3757095 A JP3757095 A JP 3757095A JP H08209056 A JPH08209056 A JP H08209056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating
water
aqueous emulsion
coating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3757095A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kubo
攻一 久保
Naokazu Yamamura
直和 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Corp
Toyota Motor Corp
Asahi Tsusho Co Ltd
Original Assignee
Asahi Corp
Toyota Motor Corp
Asahi Tsusho Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Corp, Toyota Motor Corp, Asahi Tsusho Co Ltd filed Critical Asahi Corp
Priority to JP3757095A priority Critical patent/JPH08209056A/ja
Publication of JPH08209056A publication Critical patent/JPH08209056A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 塗膜成分となる樹脂を水に分散してなる水性
エマルジョン系塗料において、樹脂成分として、(A)
トルエン不溶分が10〜90重量%のゲル分率である部
分架橋アクリル樹脂、(B)カルボキシル基変性スチレ
ン−ブタジエンゴム、(C)スチレン変性アクリル樹脂
を併用したことを特徴とする常乾型水性エマルジョン系
塗料を提供する。 【効果】 本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料は、
塗装後速やかな耐水性が発現すると共に、下地塗装との
密着性、制振性が良好で、常乾型のアンダーコート用塗
料に求められる要求を満足するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のタイヤハウ
ス、床裏、フロントエプロン等に塗布される常乾型の水
性エマルジョン系塗料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、自動車のタイヤハウス、床裏、フロントエプロン等
にはアンダーコート用塗料が厚く塗布されており、この
ような箇所に塗装されたアンダーコート用塗料は一般に
シーラー炉と呼ばれる仮焼炉を通して110℃、8〜1
2分の条件で乾燥される。その後、中塗り塗料を塗布、
乾燥し、更に上塗り塗料を塗布後、乾燥して塗装工程が
完了し、次いでガラス、内装材、タイヤなどを取り付け
る艤装行程に移るのが一般的である。
【0003】しかし、アンダーコート塗装は、塗装工程
が終了して艤装行程に移る前に再度行わなければならな
い場合や、艤装行程が終了した後行わなければならない
場合、更に車の修理時に行わなければならない場合があ
る。このため組み付けた部品に影響を与えずに塗装を行
う必要から、シーラー炉を使用せずに常温で乾燥した
り、速い乾燥が必要な場合は遠赤外線等で乾燥できる常
乾型の塗料が要望されている。
【0004】かかるアンダーコート用の常乾型塗料にお
いては、その塗装行程から次行程の間に本来的に耐水性
が良好であることが必要であり、しかも塗装後に完成車
のシャワー試験等が行われる。このため塗装して少なく
とも5分〜15分程度で指触乾燥程度の造膜形成が必要
で、更に72時間後には十分な耐水性を備えた塗膜が形
成されることが求められている。
【0005】また、常乾型のアンダーコート用塗料は、
ポリ塩化ビニル、水性エマルジョン系塗料等のアンダー
コートや通常の塗装の上に更に塗布される場合も多く、
例えば車が北欧、北米等に輸出された場合に、道路の凍
結防止の観点から岩塩がまかれたり、小石がたくさんま
かれたりするため、石はね音対策の補修用としてアンダ
ーコート塗装の上に追加して塗装したり、また、車の設
計上コスト面から車室内の制振材が削減されることがあ
り、応急的あるいは各ユーザーに応じてアンダーコート
塗装を追加的に行う必要が生じることがある。このた
め、常乾型のアンダーコート用塗料には、下地塗装との
密着性が良好であると共に、良好な制振性を有すること
も重要である。
【0006】更に、このようなアンダーコート用塗料
は、できるだけ軽量であることが望まれ、このためアン
ダーコート用塗料に樹脂バルーンを配合することも知ら
れているが、樹脂バルーンを配合した場合にも、耐水性
は勿論、密着性、制振性が優れた常乾型の水性エマルジ
ョン系塗料が望まれる。また、かかる塗料は、当然コス
ト的に安価であることが要求される。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、塗装後速やかな耐水性が発現すると共に、下地塗装
との密着性、制振性、耐チッピング性が良好でしかもコ
スト的に安価な常乾型水性エマルジョン系塗料を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、水性エマ
ルジョン系塗料の樹脂成分として、(A)トルエン不溶
分が10〜90重量%のゲル分率である部分架橋アクリ
ル樹脂、(B)カルボキシル基変性スチレン−ブタジエ
ンゴム、(C)スチレン変性アクリル樹脂の三者を併用
することが有効であることを知見した。
【0009】即ち、(A)成分の部分架橋型樹脂を配合
して造膜したフィルムは水に不溶となって耐水性が向上
し、(B)成分中のカルボキシル基が焼付硬化したPV
C等のボディシーラー、電着板、焼付上塗り塗装上への
密着性が極めて良好で、この密着性のために耐水性も向
上させることができること、(C)成分のスチレン変性
アクリル樹脂が制振性が非常に良好であると共に、上記
2成分と併用した場合に優れた制振性を発揮すること、
従ってこれら三者の併用によってその相乗的な作用で制
振性、密着性、耐水性のバランスのとれたしかもコスト
的に安価な常乾型エマルジョン系塗料を得ることがで
き、この効果は樹脂バルーンを配合したときでも有効に
発揮されることを見い出し、本発明をなすに至ったもの
である。
【0010】従って、本発明は、塗膜成分となる樹脂を
水に分散してなる水性エマルジョン系塗料において、樹
脂成分として、(A)トルエン不溶分が10〜90重量
%のゲル分率である部分架橋アクリル樹脂、(B)カル
ボキシル基変性スチレン−ブタジエンゴム、(C)スチ
レン変性アクリル樹脂を併用したことを特徴とする常乾
型水性エマルジョン系塗料を提供する。
【0011】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料は、(A)
部分架橋アクリル樹脂、(B)カルボキシル基変性スチ
レン−ブタジエンゴム、(C)スチレン変性アクリル樹
脂の三者を併用したことに特徴がある。
【0012】ここで、(A)成分の部分架橋アクリル樹
脂は、水揮散後高分子化して水に不溶となる成分であ
り、このためにはトルエン不溶分が10〜90重量%、
好ましくは40〜90重量%のゲル分率であることが必
要である。10重量%未満の場合は耐水性が低下する
上、耐チッピング性も劣り、また90重量%を超えると
耐水性、制振性、耐チッピング性がいずれも低下する。
なお、トルエン不溶分の測定方法は、エマルジョンから
室温乾燥でフィルムを作成し、400倍のトルエン中に
48時間浸漬放置後のトルエン不溶分の重量%を算出し
た数値である。このような部分架橋アクリル樹脂の分子
量は4×105〜4×106の範囲が好ましい。
【0013】部分架橋アクリル樹脂の配合量は、樹脂成
分全体の10〜60重量%、好ましくは10〜40重量
%の範囲とすることがよい。これより多すぎると、架橋
度が上がり過ぎて塗膜形成が困難となる場合があり、一
方少なすぎると、部分架橋による水揮散後の水に不溶の
効果が得られにくく、耐水性、耐候性の向上が図れなく
なる場合がある。
【0014】(B)成分のカルボキシル基変性スチレン
−ブタジエンゴムは、下地との密着成分であり、その分
子量は2×105〜2×106の範囲が好ましい。
【0015】カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン
ゴムの配合量は、樹脂成分全体の10〜70重量%、好
ましくは20〜50重量%の範囲とすることがよい。こ
れより多すぎると、他の2成分の配合量が少なくなり、
耐水性や制振性が悪くなる場合があり、逆に少なすぎる
と下地との密着性が悪くなり、アンダーコートの機能を
発揮しない場合がある。
【0016】(C)成分のスチレン変性アクリル樹脂と
しては、公知のものを使用することができるが、分子量
が4×105〜4×106の範囲、ガラス転移温度が−1
0℃〜50℃の範囲のものが好適であり、具体的には大
日本インキ化学工業(株)製のVOCOAT−5410
(ソリッド51%)を用いることができる。
【0017】スチレン変性アクリル樹脂の配合量は、樹
脂成分全体の10〜80重量%、好ましくは20〜60
重量%の範囲とすることがよい。これより多すぎると、
耐水性、密着性の低下を生じる場合があり、逆に少なす
ぎると制振性が悪くなる場合がある。
【0018】本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料に
は、上記樹脂成分以外の樹脂成分を本発明の効果を妨げ
ない範囲で適宜配合してもよく、例えばウレタン樹脂、
分子量が1×106以上の超高分子量樹脂、ブタジエン
樹脂、アクリロニトリルブタジエン樹脂等を配合するこ
とができる。
【0019】また、造膜後の架橋を促進させ、耐水性を
向上させる目的に、例えばポリアミン、具体的にはジエ
チレントリアミン、エチレンジアミン、テトラエチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテト
ラミン等の一分子中にアミノ基を2個以上有する化合物
を配合することができる。
【0020】更に、カルボキシル基と反応架橋するユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、グリコール類
等の水酸基(メチロール基)を有する化合物、エポキシ
樹脂などのエポキシ基を有する化合物、イミン基を有す
る化合物等を挙げることができるが、メチル化メラミン
樹脂、水分散性ブロックイソシアネート等の熱硬化性樹
脂が好ましく、これにより一液としてのポットライフを
確保することができる。なお、ブロックイソシアネート
の市販品としては、例えば日本カーバイド工業(株)製
のFX−977を挙げることができる。
【0021】本発明の水系エマルジョン系塗料には、必
要に応じ、感熱ゲル化剤と表面調整剤とを併用して配合
することができる。
【0022】感熱ゲル化剤を配合したエマルジョン系塗
料は、塗装後、塗膜を乾燥、焼付する際、加熱により感
熱ゲル化剤の曇点以上になると樹脂が急速にゲル化を開
始し、樹脂粒子同士が融着し、粒子間の水を吐き出して
短時間に皮膜化を完結する。皮膜化により表面に吐き出
された水は、速やかに蒸発するため、非常に乾燥が速く
なるもので、かかる感熱ゲル化剤の配合は、常温乾燥に
加えて遠赤外線による乾燥を行う場合には有効であり、
遠赤外線による熱が加わり、また造膜過程の塗膜内部か
らの水揮散を促進し、常乾時の長期間の完全除水を早め
て優れた膜物性を得ることができる。
【0023】このような観点から、常乾型における感熱
ゲル化剤は、曇点が40℃〜90℃、好ましくは60℃
〜90℃程度であるものが好ましく、具体的には有機系
と無機系とがある。
【0024】有機感熱ゲル化剤として、例えばでんぷん
及びその誘導体、ノニオン活性剤系のオルガノポリシロ
キサンのアルキレンオキシド付加物、オルガノポリシロ
キサンのアルキルフェノールホルマリン縮合物、アルキ
ルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキサイ
ド付加物、ポリビニルメチルエーテル、オルガノポリシ
ロキサンポリエーテル共重合体などを挙げることがで
き、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して用い
ることができる。
【0025】一方、無機感熱ゲル化剤として、例えばヘ
キサメタリン酸ソーダ、硝酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸マグネシウム、亜鉛アンモニウム錯塩、硝酸ナトリ
ウム、硝酸鉛、酢酸ソーダ等が挙げられ、これらの1種
を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でもヘキサメタリン酸ソーダは、他の無機感
熱ゲル化剤に比べてエマルジョンの電荷を不安定にする
能力が緩やかであるため、取り扱い易いこと、乾燥硬化
後のフィルムに残存した場合に、他の金属塩よりも耐水
性の劣化現象が少ないことから、好ましい例として挙げ
ることができる。
【0026】感熱ゲル化剤は、上記有機系と無機系を併
用してもよく、その配合量は、塗膜成分となる樹脂10
0部(重量部、以下同様)に対して0.2〜4部、好ま
しくは0.4〜2部の範囲とすることがよい。0.2部
より配合量が少ないと、感熱ゲル化効果が生じない場合
があり、4部より多いと著しく増粘したり、保存安定性
が悪くなる場合がある。
【0027】また、本発明の塗料には表面調整剤を配合
することができる。この表面調整剤は、厚膜形成時に塗
料の水の蒸発を調整するもので、初期の蒸発段階では表
面調整剤の影響を受けずに水が蒸発していくが、塗膜表
面に表皮を形成する段階の蒸発では表面調整剤が表皮部
分に残存しており、この表面調整剤は親水性のため表皮
内側の水分を取り込み、水濡れ現象を長く保って皮張り
速度を遅らせることにより、水の蒸発を促進できると共
に、亀裂や膨れの発生を防止できるもので、上記感熱ゲ
ル化剤と相まって水を速やかに揮散させることができ
る。
【0028】表面調整剤としては、エチレングリコール
又はプロピレングリコールが好ましく、その他のグリコ
ール類、即ち炭素数が4以上のグリコール類、例えばト
リエチレングリコールは、塗装後7日後においても得ら
れる塗膜の耐チッピング性が悪い。これは、水の揮散度
合いが低く、7日後においても含水分率が高く、造膜が
不十分であるためと考えられる。
【0029】表面調整剤の配合量は、塗膜成分となる樹
脂100部に対して2〜25部、特に7〜20部とする
ことが好ましい。配合量が2部より低いと表面調整剤効
果が得られにくく、25部より高いと乾燥後の塗膜内部
に残存し、塗膜物性の低下及び耐水性の劣化を招く場合
がある。
【0030】なお、エチルアルコールやイソプロピルア
ルコール等の低沸点の親水性溶剤の配合も初期の短時間
の水揮散には効果的であり、これらを塗膜成分となる樹
脂固形分100部に対して0〜30部、好ましくは7〜
15部の範囲で配合することができる。但し、これら溶
剤は、乾燥工程で大気に放出することになるので、環境
面からは配合しないか、配合しても少量とすることが望
ましい。
【0031】本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料に
は、樹脂バルーンを配合することが好ましい。この樹脂
バルーンは、一般に耐熱性が低く、しかも樹脂バルーン
自体の吸湿による焼付時の発泡が生じやすい欠点があ
り、このため焼付塗料では、ほとんど使用できないもの
であるが、本発明にかかる常乾型の塗料においては、か
かる問題は生じず、樹脂バルーンを好適に使用すること
ができる。
【0032】上記樹脂バルーンとしては、塩化ビニリデ
ン樹脂、アクリロニトリル樹脂等の樹脂バルーンを使用
することができ、また、樹脂バルーンの粒径としては、
40〜70μmの範囲がよく、比重は0.02〜0.0
5の範囲がよい。
【0033】樹脂バルーンの配合量は、樹脂成分100
部に対して0.1〜15部、好ましくは0.2〜10部
の範囲がよい。15部より配合量が多いと塗膜の強度が
低下する場合があり、一方0.2部より少ないと、比重
低下の効果が生じなくなる場合がある。
【0034】なお、本発明においては、上記樹脂バルー
ンに加えて、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラス
バルーン等を本発明の効果を損なわない範囲で使用する
ことは差し支えない。
【0035】本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料に
は、上記成分以外に充填剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、
湿潤剤などを配合することができる。
【0036】充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、
タルク、クレー、シリカ、珪藻土、ゼオライト、炭酸マ
グネシウム、マイカなどが挙げられ、これらの1種を単
独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、焼付型塗料においては、充填剤の粒子の形状が平
面的であると、水分の蒸発を妨げる傾向があるので、粒
子の形状が平面的でないものが好ましいが、常乾型にお
いてはこのような平面型のものも使用可能であり、むし
ろ性能面から平面型のタルク、クレー、マイカなども有
効である。これらの1種を単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。なお、充填剤の平均粒径は
1〜20μmが良い。
【0037】また、充填剤の配合量は樹脂成分100部
に対して、50〜300部、特に150〜250部の範
囲が好ましい。50部より配合量が少ないと、適度のチ
クソ性確保が増粘剤との組み合わせによっても得られな
くなると共に、膨れ易くなる場合がある。一方、300
部を超えると樹脂が充填剤を十分に潤すことが困難にな
り、性能の低下で塗膜性能を満足できなくなると共に、
亀裂が発生し易くなる場合がある。
【0038】消泡剤は、低粘度のエマルジョンやエマル
ジョン混合物が攪拌によって泡が生じ易いので、泡の発
生を少なくすると共に、いったんできた泡を消し易くす
る目的で配合されるもので、例えばサンノプコ(株)社
製のNOPCO8034等が用いられる。
【0039】増粘剤は、充填剤の分散を助けて沈降を防
ぎ、塗料の安定を良くすると共に、適度の粘度調製に仕
上げ、スプレー性とチクソ性の両者のバランスを得るた
めのもので、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、たんぱく
質、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム
などの1種を単独で又は2種以上を併用して常用量で用
いることができる。
【0040】分散剤は、充填剤が水中に分散されるのを
助けるためのもので、各種のポリリン酸ソーダ類や界面
活性剤などを例示することができ、常用量で用いること
ができる。
【0041】本発明の水性エマルジョン系塗料は、上記
成分を混合することによって調製することができる。例
えば樹脂成分(ラテックス)、充填剤、分散剤、湿潤
剤、表面調整剤、その他を粗練した後、増粘剤などを加
えて分散させ、次いで更に消泡剤などを加えて脱泡し、
最後にろ過して本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料
を調製することができる。この場合、感熱ゲル化剤は、
混合時の温度が上がると反応を起こし易いので、できる
だけ最後に添加し、また添加する前の混合物の温度を4
0℃以下に冷却しておくことが望ましい。なお、分散機
としては、高速ディスパーが好適であり、粗練り、後の
粘度調整も同時にできるため他の機械より生産効率を高
くすることができる。
【0042】本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料
は、自動車のタイヤハウス、床裏、フロントエプロンな
どの部分へのアンダーコート用塗料として利用可能であ
る。
【0043】この場合、一般的な高圧ポンプを使用し
て、スプレーガン塗布方法などにより塗装することがで
き、その塗布量は、乾燥後の塗布物厚みで150〜40
00μm程度とすることができる。
【0044】また、乾燥は、室温で行うことができる
が、場合によっては60℃程度まで加熱してもよく、あ
るいは必要に応じ遠赤外線等で乾燥することも可能であ
り、この場合120℃以下、より好ましくは110℃以
下で乾燥することが望ましい。なお、室温での乾燥時間
は通常5分〜15分である。
【0045】
【発明の効果】本発明の常乾型水性エマルジョン系塗料
は、塗装後速やかな耐水性が発現すると共に、下地塗装
との密着性、制振性が良好で、常乾型のアンダーコート
用塗料に求められる要求を満足するものである。
【0046】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、以下の例において配合量は重量部を示
す。
【0047】[実施例]表1に示す配合で水性エマルジ
ョン系塗料を調製し、下記方法により密着性、耐水性、
制振性(損失係数)、耐チッピング性を測定した。結果
を表1に併記する。 <密着性>下記に示した3種の下地に対して水性エマル
ジョン系塗料を塗布し、室温で72時間乾燥後、爪剥離
にて密着性を確認した。 *PVC系ボディシーラー:電着板上に塩ビ系ボディシ
ーラーを帯状に塗布後、140℃で30分焼付した。 *カチオン電着板:市販品をそのまま用いた。 *焼付上塗り塗装:電着板上に中塗り塗料を塗布後、1
40℃で30分焼付、更にメラミンアルキッド系の上塗
り塗料を塗布後140℃で30分焼付した。
【0048】<耐水性>電着塗装を施したスチール板上
に試料を乾燥後の膜厚が500μmとなるように塗布
し、室温で72時間乾燥した。上記試料を塗装面を上に
して水平から60°の角度にセットし、この塗膜面に垂
直に立てた内径20mmで長さ2mの塩化ビニルパイプ
の下端を当て、このパイプの上端からパイプ内を通して
JISに定められたM−4ナットを落下させ、素地が露
出するまでのナットの総重量を測定し、初期の耐チッピ
ング性を求めた。
【0049】次に、40℃の温水で焼付試料を10日間
処理した後、室温で2時間放置した試料について上記試
験を行い、耐水後の耐チッピング性を求め、初期に対す
る低下率で評価した。
【0050】<損失係数>0.8mmのスチール板に試
料を塗布し、これを室温にて168時間乾燥し、塗布厚
み2mmに調製した。この試料を一端固定法により、周
波数200Hz、温度20℃において測定した。
【0051】<耐チッピング性>電着塗装を施したスチ
ール板上に試料を乾燥後の膜厚が500μmとなるよう
に塗布し、室温で7日間乾燥した。上記試料を塗装面を
上にして水平から60°の角度にセットし、この塗膜面
に垂直に立てた内径20mmで長さ2mの塩化ビニルパ
イプの下端を当て、このパイプの上端からパイプ内を通
してJISに定められたM−4ナットを落下させ、素地
が露出するまでのナットの総重量を測定した。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果より、ゲル分率10〜90重量
%の部分架橋アクリル樹脂とカルボキシル基変性SBR
とスチレン変性アクリル樹脂との3者を併用した場合、
密着性、耐水性、損失係数(制振性)、耐チッピング
性、コストの点でいずれも満足すべきレベルの常乾型水
性エマルジョン系塗料が得られることが認められる。こ
れに対し、ゲル分率10重量%未満の部分架橋アクリル
樹脂やゲル分率が90重量%を超える部分架橋アクリル
樹脂を用いた場合、或いは上記3者のうちの2者を併用
したり、1者を単独で用いた場合、上記性能のいずれか
に劣るものであった。また、ポリウレタン樹脂を用いた
場合は、制振性に劣る上、もともとポリウレタン樹脂は
コスト的に高価なものであるので経済性の面が実用的で
ないものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜成分となる樹脂を水に分散してなる
    水性エマルジョン系塗料において、樹脂成分として、
    (A)トルエン不溶分が10〜90重量%のゲル分率で
    ある部分架橋アクリル樹脂、(B)カルボキシル基変性
    スチレン−ブタジエンゴム、(C)スチレン変性アクリ
    ル樹脂を併用したことを特徴とする常乾型水性エマルジ
    ョン系塗料。
JP3757095A 1995-02-02 1995-02-02 常乾型水性エマルジョン系塗料 Pending JPH08209056A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3757095A JPH08209056A (ja) 1995-02-02 1995-02-02 常乾型水性エマルジョン系塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3757095A JPH08209056A (ja) 1995-02-02 1995-02-02 常乾型水性エマルジョン系塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08209056A true JPH08209056A (ja) 1996-08-13

Family

ID=12501194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3757095A Pending JPH08209056A (ja) 1995-02-02 1995-02-02 常乾型水性エマルジョン系塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08209056A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100461575B1 (ko) * 1996-12-30 2005-06-27 고려화학 주식회사 아크릴에멀젼수지를이용한수계방청도료조성물
KR100583808B1 (ko) * 1998-12-31 2006-12-05 주식회사 케이씨씨 비오염성 수성도료조성물
JP2008133357A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Dic Corp 制振材用重合体水性分散液、制振材用塗料及び制振材
US7795338B2 (en) 2002-02-04 2010-09-14 Aisin Kako Kabushiki Kaisha Baking-drying water damping paint composition
CN112266672A (zh) * 2020-11-02 2021-01-26 扬州一诺新材料有限公司 一种通用型水性降噪减震涂料及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100461575B1 (ko) * 1996-12-30 2005-06-27 고려화학 주식회사 아크릴에멀젼수지를이용한수계방청도료조성물
KR100583808B1 (ko) * 1998-12-31 2006-12-05 주식회사 케이씨씨 비오염성 수성도료조성물
US7795338B2 (en) 2002-02-04 2010-09-14 Aisin Kako Kabushiki Kaisha Baking-drying water damping paint composition
JP2008133357A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Dic Corp 制振材用重合体水性分散液、制振材用塗料及び制振材
CN112266672A (zh) * 2020-11-02 2021-01-26 扬州一诺新材料有限公司 一种通用型水性降噪减震涂料及其制备方法
CN112266672B (zh) * 2020-11-02 2021-12-17 扬州一诺新材料有限公司 一种通用型水性降噪减震涂料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2544672C2 (ru) По существу бездефектное покрытие, демпфирующее звуки и вибрацию
US4537926A (en) Aqueous chip resistant coating composition
US4456507A (en) Method of applying aqueous chip resistant coating compositions
JP3694032B2 (ja) 耐チッピング塗料
JPH08209056A (ja) 常乾型水性エマルジョン系塗料
JP7191741B2 (ja) 塩化ビニル系プラスチゾル組成物
JP6308957B2 (ja) 耐チッピング用水性塗料組成物
JPH08209060A (ja) 常乾型水性エマルジョン系塗料
JPH0841381A (ja) 水系アンダーコート組成物
JP4632467B2 (ja) ビチューメン含有組成物の製造方法及び該方法により製造されるビチューメン含有組成物
JP3408853B2 (ja) 水性エマルジョン系塗料
JPH08209044A (ja) 常乾型水性エマルジョン系塗料
JP3504378B2 (ja) 騒音防止用アンダーコート構造
JPH11334653A (ja) 自動車ボデー用制振材料及び自動車ボデー構造
WO1999058597A1 (en) Acoustic dampening compositions containing recycled paint polymer
JPH10337531A (ja) 耐チッピング塗装方法及びその組成物
JPH10212455A (ja) 塗料組成物
JPH07166101A (ja) 水性エマルジョン系塗料
JP2001059067A (ja) 発泡性アクリル樹脂塗料組成物
JPH07166096A (ja) 自動車用耐チッピング塗料
JP3100976B2 (ja) 高膜厚型一液ウレタン塗料の調合方法
JPH07166098A (ja) 水性エマルジョン系塗料
JP5588647B2 (ja) 骨材入りエマルション塗料
JPH11323242A (ja) 自動車外板上塗り塗料組成物及び塗装方法
JPH0550029A (ja) 耐チツピング塗膜を有する自動車の塗装方法