JPH08208634A - 複数段階によるプロピレンオキシドの乾燥および精製法 - Google Patents

複数段階によるプロピレンオキシドの乾燥および精製法

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JPH08208634A
JPH08208634A JP6227955A JP22795594A JPH08208634A JP H08208634 A JPH08208634 A JP H08208634A JP 6227955 A JP6227955 A JP 6227955A JP 22795594 A JP22795594 A JP 22795594A JP H08208634 A JPH08208634 A JP H08208634A
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extractive distillation
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water
fraction
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JP6227955A
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Mark Elliott Taylor
マーク・エリオット・テーラー
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Texaco Chemical Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/34Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping with one or more auxiliary substances
    • B01D3/40Extractive distillation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D3/00Distillation or related exchange processes in which liquids are contacted with gaseous media, e.g. stripping
    • B01D3/14Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column
    • B01D3/143Fractional distillation or use of a fractionation or rectification column by two or more of a fractionation, separation or rectification step
    • B01D3/146Multiple effect distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D301/00Preparation of oxiranes
    • C07D301/32Separation; Purification

Abstract

(57)【要約】 【構成】 粗プロピレンオキシドを、第一の抽出蒸留帯
域において、C2 〜C6アルキレングリコール抽出蒸留
剤の存在下で、プロピレンオキシド、水、炭化水素およ
び酸素含有不純物を軽質留分として得る条件で抽出蒸留
を行い、ついで複数の直列の蒸留塔で、プロピレンオキ
シドおよび少量の水から基本的になる留分を得て、終端
蒸留塔で、上記の抽出蒸留剤を用いる抽出蒸留により、
脱水された純プロピレンオキシドを得る方法。 【効果】 プロピレンオキシドの損失なく、高収率で、
乾燥した精製プロピレンオキシドが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数段階によるプロピ
レンオキシドの乾燥および精製に関する。より詳しく
は、本発明は、水をはじめとする汚染量の不純物をプロ
ピレンオキシドから除去するための、複数段階による蒸
留法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水、プロピ
レン、プロパン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、プロ
ピオンアルデヒド、ヘキセン類、アセトン、ヘキサン
類、メタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタン、
イソペンタン、ペンテン類、イソプロピルアルコールお
よびギ酸tert−ブチルのような不純物で汚染された不純
プロピレンオキシドの精製のための、複数段階による蒸
留法に関する。C2 〜C6 アルキレングリコールである
抽出蒸留剤を第一の乾燥段階および終端乾燥段階に、ま
たC7 〜C10アルカン炭化水素である抽出蒸留剤を中間
精製段階にそれぞれ用いる複数段階による方法によっ
て、未精製プロピレンオキシドを蒸留する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンオキシドの精製において、6
〜18個の炭素原子を有するアルカン炭化水素を抽出蒸
留剤として用いることが公知である。たとえば、Binnin
g らの米国特許第3,338,800 号明細書、Jubin の米国特
許第3,464,897 号明細書、Jubin の米国特許第3,607,66
9 号明細書およびSchmidt の米国特許第3,843,488 号明
細書を参照されたい。Jubin の米国特許第3,464,897 号
明細書は、オクタンのようなアルカンが、2−メチルペ
ンタン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−
ペンテンおよび2−メチル−2−ペンテンのような炭素
原子数6のアルカン不純物の除去に効果的であることを
示している。Schmidt の米国特許第3,843,488 号明細書
は、8〜20個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有
するアルカン、たとえばn−オクタンが、5〜7個の炭
素原子を有する炭化水素不純物をプロピレンオキシドか
ら除去するのに効果的であることを示している。
【0003】プロピレンオキシドの精製において、2〜
6個の炭素原子を有するアルキレングリコールを抽出蒸
留剤として用いることも公知である。たとえば、Washal
l の米国特許第3,578,568 号明細書、Kageyamaらの米国
特許第3,838,020 号明細書、Shihらの米国特許第5,000,
825 号明細書、Marquis らの米国特許第5,139,622 号明
細書およびMarquis らの米国特許第5,160,587 号明細書
を参照されたい。すなわち、Washall の米国特許第3,57
8,568 号明細書は、プロピレンオキシドの精製のための
抽出剤としてのエチレングリコールおよびプロピレング
リコールの使用を開示している。Kageyamaらの米国特許
第3,838,020 号明細書は、この目的にブチレングリコー
ルを用いることを開示している。Shihらの米国特許第5,
000,825号明細書は、2〜4個の炭素原子を有するグリ
コール、たとえばエチレングリコール、プロパンジオー
ル、ブタンジオールなどの使用を開示している。Marqui
sらの米国特許第5,139,622 号明細書は、抽出蒸留剤と
してのトリエチレングリコールの使用を開示し、Marqui
s らの米国特許第5,160,587 号明細書は、抽出蒸留剤と
してのジプロピレングリコールの使用を開示している。
【0004】プロピレンオキシドの精製のための複数段
階による蒸留法の使用も提案されている。
【0005】Schmidt の米国特許第3,881,996 号明細書
は、プロピレンオキシド精製のための複数段階による方
法であって、アセトアルデヒドのような軽質不純物を塔
頂から除く第一の分留と、それに続く、プロピオンアル
デヒドのような重質不純物を除去して第二の留出留分を
与える第二の蒸留段階とを含み、そうして該留出留分を
第三の蒸留帯域においてオクタンの存在下で抽出蒸留し
て、純粋なプロピレンオキシドを与え、そしてC6 不純
物のようなアルカン炭化水素不純物をプロピレンオキシ
ドから除去する方法を開示している。Schmidt らは、蒸
留段階の適正な順序を用いることが重要であり、たとえ
ば、アセトアルデヒドのような軽質不純物の除去より前
にプロピオンアルデヒドのような重質不純物を除去する
ことは、不都合な結果を招くであろうと教示している。
【0006】Shihの米国特許第5,133,839 号明細書は、
プロピレンオキシド精製のための複数段階による方法で
あって、Schmidt の米国特許第3,881,996 号明細書にお
けるような、好ましくは2基の蒸留塔を含む従来からの
蒸留帯域を用い、続いて、プロピレンオキシドの精製さ
れた部分を、2基の連続する抽出蒸留塔において、イソ
オクタンまたは低級アルキレングリコールのいずれかを
抽出蒸留剤として用いて抽出蒸留し、第一の抽出蒸留塔
では軽質不純物を、第二の抽出蒸留塔からは重質不純物
をそれぞれ除去する方法を開示している。
【0007】Meyer らの米国特許第4,971,661 号明細書
は、プロピレンオキシド精製のための複数段階による方
法を開示しているが、水およびアセトンのような、異な
る抽出蒸留剤を用いている。
【0008】今まさに論述した従来の技術が示すとお
り、プロピレンオキシドの精製のために複数段階による
蒸留法を用い、低級アルキレングリコールおよび高級ア
ルカンを抽出蒸留剤として用いることは、本発明以前に
も公知であった。すなわち、炭素原子数8〜10のアル
カンを抽出蒸留剤として用いることが、6〜7個の炭素
原子を有する炭化水素のような、汚染量の炭化水素をプ
ロピレンオキシドから除去するのに特に効果的であるこ
とは公知であった。極性溶媒である低級アルキレングリ
コールを抽出蒸留に用いて、水および酸素化された不純
物を除去することも公知であった。
【0009】上述のように、低級アルキレングリコール
のような抽出蒸留剤を用いて、プロピレンオキシドを実
質的に完全に脱水することは公知である。この手法を用
いると、プロピレンオキシドを実質的に完全に脱水する
のに必要な蒸留条件は、抽出蒸留剤と水の両方が、とも
すればプロピレンオキシドと反応してプロピレンオキシ
ドと抽出蒸留剤の両方の損失を増大させるような条件で
あるため、相対的に解決困難な問題に遭遇する。
【0010】さらに、粗プロピレンオキシド中には、ペ
ンタン類およびペンテン類が、少量の不純物として存在
する。ペンタン類およびペンテン類の除去は、困難な問
題を提起する。
【0011】したがって、汚染量の、ペンタン類、ペン
テン類、ヘキサン類、ヘキセン類、ヘプタン類およびヘ
プテン類のような炭素原子数5〜7の炭化水素を含有す
る部分的に精製されたプロピレンオキシドを、オクタン
のようなC8 〜C10アルカン炭化水素である抽出蒸留剤
を用いて抽出蒸留に付すときは、ペンタン類およびペン
テン類のかなりの部分は、塔頂の精製プロピレンオキシ
ドから除去されて抽出蒸留剤および他の不純物とともに
塔底から回収されるのではなく、該精製プロピレンオキ
シドとともに残留することになる。
【0012】ペンタン類、イソペンタンおよびペンテン
類は、抽出蒸留の際にC8 〜C10アルカンを用いること
によって、他の炭化水素不純物と同様に除去し得る。C
8 〜C10アルカンである溶媒は、これらの炭化水素の揮
発性をプロピレンオキシドに対して相対的に低下させ
る。しかし、相対的揮発性の変化の程度は、存在する溶
媒の量に比例する。より経済的で効率的なペンタン類お
よびペンテン類の除去手段は、C8 〜C10アルカンによ
る抽出蒸留の上流における蒸留による。C5 ストリッパ
ー塔は、C8 〜C10抽出蒸留の下流に位置させてはなら
ない。そのようにするならば、最終的なプロピレンオキ
シド生成物がストリッパーからの塔底生成物となるから
である。高純度の生成物を塔頂から回収することは、塔
底から回収するよりも有利である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少量
の水、炭化水素および酸素含有不純物で汚染された粗プ
ロピレンオキシドから、反応による粗プロピレンオキシ
ドの損失なく、乾燥した高純度のプロピレンオキシドを
高収率で回収する方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前述の
副反応の問題は、2段階の乾燥法を用いることによって
大きく解決できることが見出された。複数段階による乾
燥および精製法の第一の段階においては、粗または未精
製プロピレンオキシドを、C2 〜C6 アルキレングリコ
ールである抽出蒸留剤を用いる第一の乾燥段階で部分的
に脱水し、C8〜C10アルカン炭化水素である抽出蒸留
剤を用いる中間段階で、その他の不純物を除去し、そし
て最終的な脱水乾燥を、C2 〜C6 アルキレングリコー
ル抽出蒸留剤を再び用いる終端乾燥段階で達成する。こ
の手法を用いると、第一の乾燥段階および最後の乾燥段
階に用いる蒸留条件の激しさを、プロピレンオキシドの
完全な脱水に通常必要とされるそれより、著しく少なく
することができる。
【0015】したがって、たとえばSchmidt の米国特許
第3,881,996 号明細書によって指摘されたのと同様に、
効果的な精製には、プロピレンオキシドの複数段階によ
る精製に用いられる蒸留段階の順序が、決定的に重要で
ある。段階の順序を逆転し、または別の方式に変更する
ことは、不都合な結果を招くおそれがある。
【0016】本発明によれば、プロピレンオキシドの部
分的乾燥、およびC5 炭化水素の実質的に完全な除去
は、C2 〜C6 アルキレングリコールである抽出蒸留剤
を用いる複数の蒸留工程の第一段階で達成される。
【0017】本発明によれば、連続抽出蒸留法を用い
て、粗プロピレンオキシドを、汚染量の水、ヘキサン
類、ヘキセン類、ペンタン類、ペンテン類および酸素含
有不純物から分別する。その方法では、最初に、低級ア
ルキレングリコールである抽出蒸留剤を用いて未精製プ
ロピレンオキシドを抽出蒸留して、プロピレンオキシ
ド、水、ヘキサン類、ヘキセン類、ペンタン類およびペ
ンテン類、ならびにプロピレンオキシドより上に沸騰す
る酸素含有不純物を含む第一の部分的に脱水された塔頂
留分を形成し;第二の蒸留塔において、第一の塔頂留分
を分別して、ほとんどのペンタン類、ペンテン類、プロ
ピレンオキシドより上に沸騰する酸素含有不純物および
残留量のプロピレンオキシドを含む第二の塔頂留分と、
プロピレンオキシド、水、ヘキセン類、ヘキサン類、な
らびに残留量にすぎないペンテン類およびペンタン類を
含む第二の部分的に精製されたプロピレンオキシド塔底
留分とを得て;第三の蒸留塔において、部分的に精製さ
れた第二の塔底留分を、C8 〜C10アルカン炭化水素で
ある抽出蒸留剤を用いて抽出蒸留して、第三の蒸留塔に
供給されたプロピレンオキシド、ヘキセン類、ヘキサン
類およびペンテン類の実質的な全量を含有する第三のさ
らに精製された塔底留分を与え;第四の抽出蒸留塔にお
いて、第三のさらに精製されたプロピレンオキシドであ
る塔底留分を、C8〜C10アルカン炭化水素抽出蒸留剤
を用いてさらに精製して、プロピレンオキシドおよび水
から基本的になる第四のプロピレンオキシド塔頂留分を
与える。プロピレンオキシドおよび水から基本的になる
プロピレンオキシド塔頂留分を終端蒸留段階に供給し、
ここで、C2 〜C6 アルキレングリコール抽出蒸留剤か
ら基本的になる抽出蒸留剤を用いてそれを脱水して、無
水の精製プロピレンオキシドから基本的になる最終塔頂
留分を与える。
【0018】本発明の好ましい実施態様によれば、連続
抽出蒸留法によって、水、ペンタン類、ペンテン類、ヘ
キセン類、ヘキサン類および酸素含有不純物で汚染され
た不純プロピレンオキシドを精製する。この方法では、
(a)第一のC2 〜C6 アルキレングリコール抽出蒸留
剤を用いて未精製プロピレンオキシドを抽出蒸留して、
すべてのプロピレンオキシド、50重量%未満の水、ヘ
キセン類、ヘキサン類、ペンテン類およびペンタン類、
ならびにプロピレンオキシドより上に沸騰する酸素含有
不純物を含有する第一の軽質留分と、50重量%を越え
る水、プロピレンオキシドより上に沸騰する、アセト
ン、tert−ブチルアルコール、メタノールおよびイソプ
ロピルアルコールをはじめとする酸素含有不純物、なら
びに第一抽出蒸留剤の全量を含む第一の重質留分とを形
成し;(b)第二の蒸留塔において、第一の軽質留分を
分別して、ペンタン類、ペンテン類、プロピレンオキシ
ドより上に沸騰する、アセトアルデヒドをはじめとする
酸素含有不純物、および残留量のプロピレンオキシドを
含有する第二の軽質留分と、第二の蒸留塔に供給された
プロピレンオキシド、水、ヘキセン類、ヘキサン類の実
質的な全量を含有する第二の部分的に精製された重質留
分とを得て;(c)第三の蒸留塔において、第二の部分
的に精製された重質留分を、C8 〜C10アルカン炭化水
素抽出蒸留剤を用いて抽出蒸留して、ギ酸メチル、アセ
トアルデヒドおよびメタノールをはじめとする残留量の
酸素含有不純物、ならびに第三の蒸留塔に供給された水
の半分を越える量を含有する第三の軽質留分と、第三の
蒸留塔に供給されたプロピレンオキシド、ヘキセン類、
ヘキサン類の実質的な全量、および水の半分未満の量を
含有する第三のさらに精製された重質留分とを与え;
(d)第三のさらに精製された留出留分を、C8 〜C10
アルカン抽出蒸留剤を用いて抽出蒸留して、水およびプ
ロピレンオキシドから基本的になる第四の軽質留分と、
すべての抽出蒸留剤、すべてのヘキセン類、ヘキサン
類、およびやはり残留量のプロピレンオキシドを含有す
る第四の重質留分とを与え;(e)第四の軽質留分を第
五の終端蒸留塔に供給し、ここで、C2 〜C6 アルキレ
ングリコール抽出蒸留剤を用いて抽出蒸留して、第五の
蒸留塔に供給されたプロピレンオキシドの実質的な全量
を含有する第五の実質的に無水である軽質留分と、抽出
蒸留剤、水、および残留プロピレンオキシドを含む第五
の塔底留分とを形成する。
【0019】本発明の好ましい実施態様によれば、水、
プロピレン、プロパン、アセトアルデヒド、ギ酸メチ
ル、プロピオンアルデヒド、ヘキセン類、アセトン、ヘ
キサン類、メタノール、tert−ブチルアルコール、ペン
タン、イソペンタン、ペンテン類、イソプロピルアルコ
ールおよびギ酸tert−ブチルで汚染された粗プロピレン
オキシドの精製のための蒸留法であって、 (a)該粗プロピレンオキシドを第一の抽出蒸留塔に供
給し; (b)低級アルキレングリコール抽出蒸留剤を、未精製
プロピレンオキシドの導入点より上の供給点で該第一の
抽出蒸留塔に供給し; (c)該第一の抽出蒸留塔において、該粗プロピレンオ
キシドを、プロピレンオキシド、プロピレン、プロパ
ン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、ヘキセン類、ヘキ
サン類、ペンテン類およびペンタン類の実質的な全量、
ならびにメタノールおよび水の一部を含有する第一の軽
質留分と、プロピオンアルデヒド、アセトン、tert−ブ
チルアルコール、ギ酸tert−ブチル、イソプロピルアル
コール、および残余のメタノールおよび水の実質的な全
量、ならびに抽出蒸留剤の全量を含む第一の重質留分と
をも与えるように選んだ蒸留条件下で分留し; (d)該第一の軽質留分を含む第二の供給原料を第二の
蒸留塔に供給し; (e)該第二の蒸留塔において、該第二の供給原料を、
プロピレン、プロパン、アセトアルデヒド、ペンタン
類、ペンテン類の実質的な全量、および残留量のプロピ
レンオキシドを含有する第二の軽質留分と、プロピレン
オキシド、水、ヘキセン類およびヘキサン類の実質的な
全量を含有する第二の部分的に精製された重質留分とを
与えるように選んだ蒸留条件下で分留し; (f)該第二の重質留分を含む第三の供給原料を第三の
抽出蒸留塔に供給し; (g)C8 〜C10アルカン炭化水素抽出蒸留剤を、該第
三の供給原料の導入点より上の供給点で該第三の抽出蒸
留塔に供給し; (h)該第三の抽出蒸留塔において、該第三の供給原料
を、水、アセトアルデヒドの実質的な全量、ギ酸メチ
ル、メタノール、および残留量のプロピレンオキシド、
ならびに抽出蒸留剤を含有する第三の軽質留分と、該第
三の蒸留塔に供給されたプロピレンオキシド、水および
ヘキセン類の実質的な全量を含有する第三のさらに精製
された重質留分とを与えるように選んだ蒸留条件下で分
留し; (i)該第三の重質留分を含む第四の供給原料を第四の
抽出蒸留塔に供給し; (j)C8 〜C10アルカン炭化水素抽出蒸留剤を、該第
四の供給原料の導入点より上の供給点で第四の抽出蒸留
塔に供給し; (k)該第四の抽出蒸留塔において、該第四の供給原料
を、水およびプロピレンオキシドから基本的になる第四
のさらに精製された中間軽質留分と、抽出蒸留剤、ヘキ
セン類およびヘキサン類の実質的な全量、ならびに残留
量のプロピレンオキシドをも含有する第四の重質留分と
を与えるように選んだ蒸留条件下で分留し; (l)該第四の軽質留分を含む第五の供給原料を第五の
終端抽出蒸留塔に供給し; (m)低級アルキレングリコール抽出蒸留剤を、該第五
の供給原料の導入点より上の供給点で該第五の抽出蒸留
塔に供給し;そして (n)該第五の抽出蒸留塔において、該第五の供給原料
を、プロピレンオキシドから基本的になる第五の軽質留
分と、残留量のプロピレンオキシド、および該第五の蒸
留塔に供給された水および抽出蒸留剤の実質的な全量を
含む第五の重質留分とを与えるように選んだ蒸留条件下
で分留する各段階を含む方法が提供される。
【0020】図面は、本発明に従ってプロピレンオキシ
ドを精製するために用いられる全体的な回収順序を示
す、従来からの部品を省略した模式的フローチャートで
ある。
【0021】ここで、本発明の方法を実施するための好
ましい方法を図示する模式的フローチャートが示されて
いる図面によって説明する。図面では、弁、ポンプ、温
度センサー、圧力センサー、ヒーター、冷却器、流量制
御調節装置、リボイラーおよび還流凝縮器のような従来
からの部品は省略されている。
【0022】本発明に従って精製しようとする粗または
未精製プロピレンオキシドは、代表的には、モリブデン
触媒の存在下でtert−ブチルヒドロペルオキシドとプロ
ピレンとを反応させて、未反応プロピレン、未反応tert
−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルアルコー
ル、プロピレンオキシドおよび不純物を含む反応混合物
を与えることによって製造されるプロピレンオキシドで
ある。この反応生成物を蒸留帯域(図示せず)で分別し
て、プロピレン再循環留分、粗プロピレンオキシド留
分、tert−ブチルアルコール留分および残渣留分をはじ
めとする複数の留分を得る。
【0023】このようにして得られた粗プロピレンオキ
シドは、本発明のための供給原料として用いるのに適し
ていて、通常は、水、プロピレン、プロパン、アセトア
ルデヒド、ギ酸メチル、プロピオンアルデヒド、ヘキセ
ン類、アセトン、ヘキサン類、メタノール、tert−ブチ
ルアルコール、ペンタン、イソペンタン、ペンテン類、
イソプロピルアルコールおよびギ酸tert−ブチルをはじ
めとする不純物で汚染されている。
【0024】この未精製プロピレンオキシドは、通常、
約97〜約99重量%のプロピレンオキシドを含有し、
その残余が、上記に列挙したような不純物である。列挙
した不純物のいくつかは、未精製プロピレンオキシド中
に必ずしも存在せず、列挙されていない他の不純物が少
量で存在し得ることは理解されるであろう。広義には、
不純物は、水;プロピレン、プロパン、ヘキセン類、ヘ
キサン類、ペンタン、イソペンタンおよびペンテン類の
ような炭化水素;ならびにアルデヒド類、アルコール類
およびエステル類をはじめとする酸素化された不純物を
含む。炭化水素不純物は、通常、2〜6個の炭素原子を
有し、酸素化不純物は、通常、1〜6個の炭素原子を有
するものである。
【0025】本発明によれば、記載したタイプの粗プロ
ピレンオキシドを供給ライン12を通して第一の抽出蒸
留塔10に供給する。この分別蒸留塔10は、適切に
は、理論段数40〜80を含んでいてよく、未精製プロ
ピレンオキシドのための供給ライン12は、通常、この
蒸留塔の塔底から少なくとも10〜30段の位置にあ
る。
【0026】たとえば、適切には約98.5重量%のプ
ロピレンオキシドを含み、残余は上述のとおりの不純物
であるような未精製プロピレンオキシドを、38〜71
℃(100〜160°F )の温度で供給することができ
る。
【0027】アルキレングリコール抽出蒸留剤もまた、
ライン56によってライン10に供給する。アルキレン
グリコール抽出蒸留剤は、適切には、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコールのような2〜6個
の炭素原子を有するアルキレングリコールであることが
できる。好ましい抽出蒸留剤としては、トリエチレング
リコールおよびジプロピレングリコールがある。
【0028】アルキレングリコール抽出剤56は、アル
キレングリコール抽出蒸留剤1部あたり粗プロピレンオ
キシド2〜7部の比率で、抽出蒸留塔10に供給するの
が適切であろう。
【0029】抽出蒸留塔10における抽出蒸留条件は、
抽出蒸留塔10に供給されたプロピレンオキシドの実質
的な全量の、塔頂留分または留出分としての回収を与え
るように調整する。
【0030】抽出蒸留塔10の塔底における温度は、適
切には150〜200℃であり、圧力は140〜345
kPa であろう。抽出蒸留塔10の塔頂における温度は、
たとえば26〜50℃であってよく、圧力は、適切には
105〜175kPa であろう。未精製プロピレンオキシ
ドを含む第一の軽質留分は、ライン16を通して塔10
から除去し、そして、適切には99重量%を越えるプロ
ピレンオキシドを含み、残余は、アセトアルデヒド、ギ
酸メチル、ヘキセン類、ヘキサン類、メタノール、水、
ペンタン類、イソペンタン類およびペンテン類をはじめ
とする不純物であってよい。抽出蒸留塔10の塔底付近
で排出される重質留分18は、アルキレングリコール抽
出蒸留剤、ならびに水、プロピオンアルデヒド、アセト
ン、メタノール、tert−ブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコールおよびギ酸tert−ブチルをはじめとする不
純物を含むであろう。
【0031】第一の軽質留分16を含む第二の供給原料
は、適切には理論段数20〜40を有していてよい第二
の蒸留塔20に供給し、塔底から8〜16理論段に供給
するのが適切である。蒸留塔20における蒸留条件は、
ライン22を通して排出される第二の軽質留分、および
ライン24を用いて排出される第二の部分的に精製され
た重質留分を与えるように調整する。蒸留塔20におけ
る蒸留条件を適切に調整する結果、プロピレンオキシド
の実質的な全量が第二の重質留分24中に存在するよう
になる。代表的には、軽質留分22は、プロピレン、プ
ロパン、アセトアルデヒド、ならびに、重要なことに、
蒸留塔20に供給されたペンタン類およびペンテン類の
実質的な全量をはじめとする不純物を含むことになる。
第二の重質留分24は、代表的には、重質の酸素含有不
純物、水、プロピレンオキシドの実質的な全量、ヘキセ
ン類およびヘキサン類を含有することになる。
【0032】第二の重質留分24を含む第三の供給原料
は、ライン32から供給されるC8〜C10アルカン炭化
水素抽出蒸留剤とともに、第三の蒸留塔30に供給す
る。
【0033】このアルカン抽出蒸留剤は、適切には、第
三の供給原料24の1部あたり抽出蒸留剤5〜7部の比
率で第三の蒸留塔30に供給してよい。蒸留塔30にお
ける抽出蒸留条件は、水、ならびにプロピレンオキシ
ド、ヘキセン類およびヘキサン類の実質的な全量を含有
する第三の重質留分33と、代表的にはギ酸メチル、ア
セトアルデヒド、水およびメタノールのような不純物を
含む軽質留分34とを与えるように調整する。残留量の
プロピレンオキシドおよびヘキサンも存在し得る。
【0034】抽出蒸留塔30に供給される抽出蒸留剤
は、適切には、n−オクタンまたはイソオクタンのよう
な炭素原子数8〜10のアルカンでよい。第三の抽出蒸
留塔30に供給される第三の供給原料24は、適切には
54〜82℃の温度で供給してよい。抽出蒸留塔30の
塔底における温度は、適切には82〜105℃であって
よく、圧力は、適切には200〜345kPa であってよ
い。抽出蒸留塔30の塔頂付近の温度は、適切には55
〜71℃であってよく、圧力は、適切には140〜27
5kPa であってよい。
【0035】第三の重質留分33を含む第四の供給原料
は、ライン42を通じて供給されるC8 〜C10アルカン
のようなアルカン抽出蒸留剤とともに、第四の抽出蒸留
塔40に供給する。この抽出蒸留剤42は、第四の供給
原料33の1部あたり0.4〜0.8部の抽出蒸留剤の
比率で、抽出蒸留塔40に供給し得る。
【0036】抽出蒸留塔40における蒸留条件は、水お
よびプロピレンオキシドから基本的になる軽質留分44
と、ヘキセン類、ヘキサン類および抽出蒸留剤を含む重
質留分46とを与えるように調整する。
【0037】適切には、抽出蒸留塔40の塔頂での温度
は38〜55℃であってよく、圧力は70〜200kPa
であってよい。蒸留塔40の塔底付近の温度は、適切に
は120〜144℃であってよく、圧力は、適切には1
75〜310kPa であってよい。
【0038】第四の軽質留分44を含む第五の供給原料
は、ライン62を用いて供給されるC2 〜C6 アルキレ
ングリコール抽出蒸留剤とともに、第五の(終端)抽出
蒸留塔50に供給する。
【0039】アルキレングリコール抽出蒸留剤62は、
アルキレングリコール抽出蒸留剤の1部あたり4〜6部
の第五の供給原料44という比率で抽出蒸留塔50に供
給するのが適切であろう。
【0040】抽出塔50における抽出蒸留条件は、プロ
ピレンオキシドから基本的になり、水を実質的に完全に
含まない軽質留分52の回収を与えるように調整する。
【0041】抽出蒸留塔50の塔底における温度は、適
切には82〜105℃であってよく、圧力は140〜3
45kPa であってよい。抽出蒸留塔50の塔頂における
温度は、たとえば30〜50℃の範囲内であってよく、
圧力は、適切には105〜175kPa であってよい。抽
出蒸留塔50の塔底付近から排出される重質留分56
は、水、アルキレングリコール抽出蒸留剤、およびプロ
ピレンオキシドを含むことになる。第五の蒸留塔50
は、適切には、理論段数10〜40を含んでいてよく、
供給ライン44は、適切には、蒸留塔50の塔底から少
なくとも5〜20段に存在することになる。
【0042】約5〜約20重量%のプロピレンオキシド
が重質留分56中に存在するような蒸留条件下で第五の
蒸留塔を操作することによって、ライン52を用いて排
出されるプロピレンオキシドの、プロピレンオキシドと
水および抽出蒸留剤との反応を実質的に阻害するのに十
分な、穏やかな蒸留条件下での完全な脱水を達成するこ
とが可能である。
【0043】本発明の好ましい実施態様によれば、アル
キレングリコールである抽出蒸留剤およびプロピレンオ
キシドを含む重質留分56を、その中で必要とされる抽
出蒸留剤を与え、かつその中に含まれるプロピレンオキ
シドを塔頂ライン16を用いて回収し得るように、第一
の蒸留塔10に供給する。
【0044】第一の蒸留塔10から得た第一の重質留分
18を含む第六の供給原料は、理論段数20〜60を有
する第六の蒸留塔60に供給してよく、ここで、ライン
62を用いて蒸留塔60から排出された重質留分として
のアルキレングリコール抽出蒸留剤の実質的な全量と、
蒸留塔60から排出された、プロピレンオキシド、水、
アセトン、tert−ブチルアルコール、メタノール、およ
び系からパージするのが好ましいイソプロピルアルコー
ルを含有する軽質留分64との回収を与えるように調整
した蒸留条件下で、第六の供給原料を分別してもよい。
【0045】第六の蒸留塔60の塔頂における圧力は、
適切には0.7〜7kPa であってよく、温度は、適切に
は32〜55℃であってよい。蒸留塔60の塔底におけ
る圧力は、適切には0.7〜8kPa であってよく、温度
は、適切には150〜205℃であってよい。
【0046】本発明の好ましい実施態様によれば、アル
キレングリコール抽出蒸留剤を含む重質留分62を第五
の蒸留塔50に、そこで必要とされる抽出蒸留剤を与え
るように供給する。望ましいならば、ライン62内のア
ルキレングリコール抽出蒸留剤の一部を、弁63によっ
て制御される分枝ライン61を用いて、第一の抽出蒸留
塔10に向かう抽出蒸留供給ライン56へと導いてもよ
い。汚染物が重質留分62中に蓄積したならば、弁68
によって制御される分枝パージライン66を用いて、留
分62の一部を系からパージしてもよい。パージライン
66の下流に位置させた弁69によって制御される供給
ライン67を用い、必要に応じて、未使用のアルキレン
グリコール抽出蒸留剤を系に加えてもよい。
【0047】第三の軽質留分34および第四の重質留分
46を含む第七の供給原料は、適切には、たとえば理論
段数30〜50を有していてよく、塔底から少なくとも
20理論段で第七の供給原料が導入される第七の蒸留塔
70に、ライン72を通して供給してもよい。蒸留塔7
0内での蒸留条件は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、
プロピレンオキシド、ヘキセン類、メタノールおよび少
量のC8 〜C10アルカンを含む第七の軽質留分74と、
ライン72を用いて蒸留塔70に供給されるC8 〜C10
アルカン抽出蒸留剤の実質的な全量を含む第七の重質留
分76との回収ができるように調整する。たとえば、第
六の蒸留塔60内に確立された蒸留条件は、105〜2
00kPa の塔頂における圧力および38〜60℃の温
度、ならびに140〜275kPa の塔底における圧力お
よび90〜150℃の温度を包含してよい。ライン76
内のC8 〜C10抽出蒸留剤は、それぞれ抽出蒸留塔30
および40へと向かう抽出蒸留供給ライン32および4
2に再循環させてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によって、少量の水、炭化水素お
よび酸素含有不純物で汚染された粗プロピレンオキシド
から、抽出蒸留剤を用いて、プロピレンオキシドと水お
よび該抽出蒸留剤との反応によるプロピレンオキシドの
損失がなく、乾燥した高純度のプロピレンオキシドを高
収率で回収することが可能である。
【0049】
【実施例】例示のためにであって、本発明の範囲に対す
る限定としてではなく与えられる下記の特定の実施例に
よって、本発明をさらに説明する。部が言及されると
き、それらは重量部である。
【0050】98.5重量%のプロピレンオキシドを含
有し、水、プロピレン、プロパン、アセトアルデヒド、
ギ酸メチル、プロピオンアルデヒド、ヘキセン類、アセ
トン、ヘキサン類、メタノール、tert−ブチルアルコー
ル、n−ペンタン、イソペンタン(すなわち2−メチル
ブタン)、ペンテン、イソプロピルアルコールおよびギ
酸tert−ブチルをはじめとする不純物で汚染された未精
製プロピレンオキシドである1,000部の供給原料1
2を、蒸留塔10において、トリエチレングリコールで
ある抽出蒸留剤の存在下に、抽出蒸留条件のもとで分別
して、99重量%のプロピレンオキシド、および水、プ
ロピレン、プロパン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、
ヘキセン類、ヘキサン類、ペンテン類、ペンタン類およ
びメタノールをはじめとする1重量%の汚染物を含有す
る第一の軽質留分16(986部)と、水、プロピオン
アルデヒド、アセトン、tert−ブチルアルコール、ギ酸
tert−ブチル、イソプロピルアルコール、メタノール、
およびトリエチレングリコール抽出蒸留剤を含有する第
一の重質留分18とを得た。第一の重質留分18を第六
の蒸留塔60で分別して、抽出蒸留塔50に供給される
トリエチレングリコール抽出蒸留剤を含む重質留分62
と、プロピレンオキシド、水、アセトン、tert−ブチル
アルコール、メタノールおよびイソプロピルアルコール
を含み、系から排出される軽質塔頂留分64とを得た。
【0051】第二の蒸留塔20において、軽質留分16
を含む第二の供給原料を分別して、1,005部の重質
留分24と、ライン12を用いて抽出蒸留塔10に供給
される、プロピレン、プロパン、アセトアルデヒド、ペ
ンテン類およびペンタン類を含有する1部の軽質留分2
2とを得た。
【0052】蒸留塔20から排出された第二の重質留分
24は、プロピレンオキシドの実質的な全量、水、ヘキ
セン類およびヘキサン類、ならびに重質酸素含有不純物
を含むことになる。この留分を、ライン32を用いて蒸
留塔30に供給される5,620部のオクタンととも
に、第三の蒸留塔30に、ライン24を通して供給し
た。蒸留塔30は、上記のように操作して、軽質留分3
4(1部)および重質留分33(6,624部)を得
た。留分34は、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、メタ
ノール、水および残留量のプロピレンオキシドとオクタ
ンを含むことになる。第三の重質留分33は、プロピレ
ンオキシド、水、および第三の蒸留塔30に供給された
オクタンの実質的な全量を含むことになる。
【0053】第三の重質留分33を含む第四の供給原料
を第四の抽出蒸留塔40に供給し、ここで、オクタン
3,690部とともに上記のようにして分別して、プロ
ピレンオキシドおよび水から基本的になる塔頂留分1,
005部を得た。抽出蒸留塔40から排出される重質留
分46は、約9,309部のオクタン、ヘキセン類、ヘ
キサン類および残留量のプロピレンオキシドを含むこと
になる。
【0054】第四の軽質留分44(約1,005部)を
含む第五の供給原料を、180部のトリエチレングリコ
ールとともに、ライン56を用いて蒸留塔50に供給し
た。第五の蒸留塔50において、第五の供給原料を分別
して、プロピレンオキシド(965部)から基本的にな
る第五の軽質塔頂留分と、トリエチレングリコール18
0部、プロピレンオキシド20部および水を含む第五の
重質留分54を得た。第五の重質留分54を第一の蒸留
塔10に供給して、その中で必要とされる抽出蒸留に付
し、その中に含有されるプロピレンオキシドの回収を行
った。
【0055】ライン34を用いて抽出蒸留塔30から排
出された残留C8 〜C10アルカン炭化水素抽出蒸留剤、
およびライン46を用いて抽出蒸留塔40から排出され
たC8 〜C10アルカン炭化水素は、ライン72を用いて
第七の蒸留塔70に供給し、ここで、それを不純物を含
む軽質留分74と、C8 〜C10アルカン蒸留剤を含む重
質留分76とに分離して、後者を、それぞれ抽出蒸留の
供給ライン32および42を用いて、蒸留塔30および
40内に再循環させた。
【0056】もう一つの実施例として、0.005重量
%の水で汚染されたプロピレンオキシドから基本的にな
る供給原料を用いて、蒸留塔50を用いる蒸留を実施し
た。プロピレンオキシドである供給物を、45℃の温度
および650kPa の圧力で、約10,000リットル/h
の流量により、ライン44を通じて蒸留塔50に供給し
た。トリエチレングリコールは、45℃の温度および6
50kPa の圧力で、2,000リットル/hの流量によ
り、ライン62を通して供給した。蒸留塔50は、17
5kPa の圧力、95℃の塔底温度、38℃の塔頂温度お
よび1:1の供給原料比で操作した。
【0057】約9,825リットル/hのプロピレンオキ
シドを、わずか約0.5リットル/hの水とともに、蒸留
塔50の塔頂付近から、ライン52を用いて回収した。
高沸点留分は、蒸留塔50の塔底付近のライン54を用
いて、トリエチレングリコール2,000リットル/h、
プロピレンオキシド174リットル/hおよび水0.22
kg/hの流量で回収した。こうして、留出プロピレンオキ
シド生成物52は、わずか0.0005重量%の水で汚
染されていて、合算して実質的に定量的な量となるプロ
ピレンオキシドの回収があり、プロピレンオキシドの認
め得る分解を伴わない、実質的に完全なプロピレンオキ
シドの回収が立証された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従ってプロピレンオキシドを精製する
ために用いられる全体的な回収順序を示す模式的フロー
チャートである。
【符号の説明】
10 第一の抽出蒸留塔 12 第一の供給原料(粗プロピレンオキシド) 16 第一の軽質留分 18 第一の重質留分 20 第二の蒸留塔 22 第二の軽質留分 24 第二の重質留分 30 第三の抽出蒸留塔 32 C8 〜C10アルカン抽出蒸留剤 33 第三の重質留分 34 第三の軽質留分 40 第四の抽出蒸留塔 42 C8 〜C10アルカン抽出蒸留剤 44 第四の軽質留分 46 第四の重質留分 50 第五の抽出蒸留塔 52 第五の軽質留分(純プロピレンオキシド) 54 第五の重質留分 56 アルキレングリコール抽出蒸留剤 60 第六の蒸留塔 61 第六の重質留分の分枝ライン 62 第六の重質留分 63 弁 68 弁 69 弁 64 第六の塔頂留分 66 分枝パージライン 67 アルキレングリコール抽出蒸留剤 70 第七の蒸留塔 72 第七の供給原料 74 第七の軽質留分 76 第七の重質留分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少量の水、C5 〜C6 炭化水素および酸
    素含有不純物で汚染された粗プロピレンオキシドの精製
    法であって、 第一の抽出蒸留帯域において、C2 〜C6 アルキレング
    リコールである抽出蒸留剤の存在下で、プロピレンオキ
    シド、水、ならびに該炭化水素および酸素含有不純物を
    含む最初の軽質留分と、該抽出蒸留剤、および粗プロピ
    レンオキシド中に存在する水の一部を含む重質留分とを
    与えるように選ばれた抽出蒸留条件下で該粗プロピレン
    オキシドを抽出蒸留し;直列に相互に連結された複数の
    蒸留塔において、上記の最初の軽質留分を蒸留して、上
    記の炭化水素および酸素含有不純物を除去し、プロピレ
    ンオキシドおよび少量の水から基本的になる中間留分を
    与え;そして終端蒸留塔において、脱水されたプロピレ
    ンオキシドから基本的になる最終軽質留分と、上記の抽
    出蒸留剤、水および少量のプロピレンオキシドを含む最
    終重質留分とを与えるように選ばれた蒸留条件下で該中
    間留分を抽出蒸留する各段階を含むことを特徴とする方
    法。
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