JPH08208535A - アルキルベンゼンの製造方法 - Google Patents

アルキルベンゼンの製造方法

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JPH08208535A
JPH08208535A JP7017068A JP1706895A JPH08208535A JP H08208535 A JPH08208535 A JP H08208535A JP 7017068 A JP7017068 A JP 7017068A JP 1706895 A JP1706895 A JP 1706895A JP H08208535 A JPH08208535 A JP H08208535A
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JP
Japan
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mordenite
catalyst
benzene
treatment
reaction
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JP7017068A
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English (en)
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Tadamitsu Kiyoura
忠光 清浦
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベンゼンをアルキル化剤でアルキル化し、エ
チルベンゼンまたはキュメン等のモノアルキルベンゼン
を製造するに際し、モノアルキル化体の選択率を増加さ
せ、ジアルキル化体の生成を抑制し、ジフェニルアルキ
ル体等の副生を低減する方法を提供する。 【構成】 ベンゼンをアルキル化剤でアルキル化しアル
キルベンゼン類を製造するに際し、モルデナイト結晶の
c軸方向の長さとa軸もしくはb軸方向の長さの比、c
/aまたはc/bが2以上であるモルデナイトを触媒と
して使用することを特徴とするアルキルベンゼン類の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキルベンゼンの製造
方法、より詳細にはベンゼンをエチレンもしくはプロピ
レン等の低級オレフイン、またはジエチルベンゼン、ト
リエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等のアルキ
ル化剤でアルキル化しエチルベンゼンまたはキュメン等
のアルキルベンゼン類を製造する改良された方法に関す
るものである。 本発明の方法で得られるエチルベンゼ
ンはスチレンモノマーの原料または溶剤として、キュメ
ンはフエノール、アセトン、またはアルフアーメチルス
チレン等の製造原料として大量に使用される有用な化合
物である。
【0002】
【従来の技術】従来アルキルベンゼン類を製造するには
ベンゼンとオレフイン類等のアルキル化剤を塩化アルミ
ニウム−HCl、BF3−HF、等のフリーデルクラフ
ト触媒、または、固体燐酸触媒等の存在下に反応させて
製造してきた。上記した触媒は何れも腐食性の化合物で
あり、反応装置の腐食の問題または腐食性のスラツジ等
の廃棄物が発生する等の難点があり、これらの難点の無
いアルキル化触媒として固体酸触媒を使用する方法が多
数提案されるに至った。
【0003】例えば、US−3,367,884(19
68)にはH型モルデナイトを触媒としてベンゼンとプ
ロピレンからクメンを製造する方法が開示されている。
特公昭49−003976、特公昭50−02783
4、US−3,562,345にはアルキル芳香族とベ
ンゼンのトランスアルキル化反応にモルデナイトに第7
族、または8族の金属を組み合わせたものを触媒に使用
する方法が提案されている。
【0004】特開昭46−003714にはシリカ/ア
ルミナ比が40以下のモルデナイトを触媒に使用するア
ルキル化、トランスアルキル化が記載されている。US
−3,716,597(1970)には、γ−アルミナ
等の広表面積を持つアルミナにモルデナイトを分散させ
て調製した触媒を使用するアルキル化が記載されてい
る。
【0005】特開昭53−050084、US−4,1
51,120にはシリカ/アルミナ比10〜100、ナ
トリウム含有量<0.5%、コバルト、ニツケル、銀、
またはパラジウムを含有するモルデナイトを触媒としア
ルキル芳香族のトランスアルキル化、不均化を行う方法
が開示されている。特開昭53−060318には銀ま
たは銅を付けたY型ゼオライトとモルデナイトの混合物
触媒を使用するエチルベンゼンの製造法が記載されてい
る。
【0006】特開昭58−216128にはハメツトの
酸度関数Hoが−8.2より弱い酸点を持つH型モルデ
ナイトを触媒に使用するモノアルキルベンゼン類の製造
法が記載されている。特開平01−165531、US
−4,891,448にはシリカ/アルミナ比が15以
上、対称性指数SIが1以上、全細孔容積が0.8〜
0.45ml/gのモルデナイトを触媒に使用し、ビフ
ェニル類を低級オレフインでアルキル化し4,4′にア
ルキル基を持つビフェニル類を得る方法が開示されてい
る。
【0007】特開平02−174731、EP−366
517にはシリカ/アルミナ比が30〜80、エレメン
タリーセル容積2.745〜2.735nm3であるモ
ルデナイト触媒を使用してモノアルキルベンゼンの取得
量を増加させる方法が開示されている。
【0008】特開平06−239771、US−5,2
43,116にはベンゼンを2〜18のオレフィンでア
ルキル化する際にシリカ/アルミナ比>30、SI>1
のモルデナイトを使用し、キシレン類の副生を低減する
方法が開示されている。
【0009】また、US−5,198,595にはベン
ゼンとオレフィンの反応工程にシリカ/アルミナ比>1
60のモルデナイト触媒を使用し、副生したジ、および
トリアルキルベンゼンのトランスアルキル化工程にシリ
カ/アルミナ比>50のモルデナイトを使用するデュア
ル・ベッド(dual−bed)方式が提案されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように腐食性化
合物を触媒に使用することによる装置腐食、腐食性を示
すスラツジ排出等の問題は固体酸触媒、例えば、ゼオラ
イト等の使用で解決できる。然しながら、固体酸触媒に
はまた別な問題点がある。すなわち、固体酸触媒による
アルキル化には、(1)アルキル化剤であるオレフィン
のオリゴマー化による重質オレフインの生成、(2)重
質オレフィンと芳香族との反応による高沸点化合物の生
成、(3)上記(1)、(2)に起因する触媒上へのタ
ール質の析出と、それに続く炭素質の析出に伴う触媒活
性の低下が一般的な問題である。また、キュメンを製造
する際にはn−プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン等の副生が問題となる。エチル
ベンゼン製造の際には、キシレン類、ブチルベンゼン、
ジフェニルエタン類の副生が問題となる。更にモノアル
キル置換体選択率の向上が望ましい。本発明の目的とす
るところは、上記した様な問題点を軽減したアルキルベ
ンゼンの製造法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した様な
問題点のないアルキルベンゼンの製造法に関し種々研究
した。その結果、ベンゼンをアルキル化剤でアルキル化
しアルキルベンゼン類を製造するに際し、モルデナイト
結晶のc軸方向の長さとa軸もしくはb軸方向の長さの
比、c/aまたはc/bが2以上であるモルデナイトを
アルキル化の触媒として使用すれば効率よくアルキルベ
ンゼンが得られ、上記した様な問題点も軽減されること
を見いだし本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、ベンゼンをアルキル
化剤でアルキル化しアルキルベンゼン類を製造するに際
し、モルデナイト結晶のc軸方向の長さとa軸もしくは
b軸方向の長さの比、c/aまたはc/bが2以上であ
るモルデナイトを触媒として使用することを特徴とする
アルキルベンゼン類の製造方法である。
【0013】而して、芳香族をアルキル化剤によりアル
キル化する際に使用するモルデナイトは、Na8(Al8
Si4096)・24H2Oで表される結晶状のアルミノ
シリケートである。通常のモルデナイトは天然品または
合成品を問わず、そのSi/Al比は5の近傍、シリカ
/アルミナ比(SiO2/Al23)で示すと10の近
傍であって、シリカ/アルミナ比で11を大きく越える
ものは特殊な合成品、または酸処理、スチーム処理等に
よる脱アルミニウムを施したもの以外は知られていな
い。
【0014】然るに、本発明の方法で使用するモルデナ
イトはシリカ/アルミナ比が10の近傍または11以上
のものである。シリカ/アルミナ比が高いものは炭素質
の析出が少なくそれに起因する触媒活性の低下が少ない
利点があるが、あまりシリカ/アルミナ比が高いと触媒
活性点である酸点が減少するため触媒活性が低くなるの
で、通常は10〜100の範囲が多用される。
【0015】シリカ/アルミナ比が10前後のものであ
れば通常の合成または天然のモルデナイトを使用する。
シリカ/アルミナ比が11以上のものは、通常のモルデ
ナイトに酸処理、スチーム処理等の常法を施すことで得
ることもできるし、水熱合成法、例えばAm.Mine
ral.65巻、1012(1972)等に記載の方法
で調製したものを使用する。
【0016】X線結晶構造解析によるモルデナイトの構
造は、図1に示すように、広い12員環細孔(最大口径
細孔、6.5×7.0オングストローム)と縦に細長い
8員環細孔とがc軸方向に平行に並び、これらの細孔が
b軸方向の8員環細孔によりつながっている。a軸方向
には細孔は無く、a軸に垂直な面には細孔が開いていな
い。また、a軸、b軸方向には、正面図の波線のところ
が最も結合が少なく、へきかいし易い。側面図より見
て、c軸方向には特にへきかいし易い面は無い。本発明
の方法に於いては触媒として使用するモルデナイト、特
に天然産モルデナイトの中で、上に説明したモルデナイ
ト結晶の形態がc軸方向の長さとa軸もしくはb軸方向
の長さの比、c/aまたはc/bが2以上、より好まし
くは3以上であるものを触媒、または触媒の出発原料と
して使用する。c/aまたはc/bの値は、通常、モル
デナイトの試料を電子顕微鏡で20万〜200万倍に拡
大した拡大像を観察することで、容易にその値を知るこ
とができる。電子顕微鏡で観察している結晶のどの部分
がc軸に対応するかは、同時(in situ)に電子
線回折パターンを観測することで明確に知ることができ
る。c/aまたはc/bの値は、また、走査型電子顕微
鏡(SEM)により400〜2000倍程度に拡大した
拡大像からも容易に判定できる。特にSEMによる観察
の場合、長い繊維状の結晶が観察される(c/aまたは
c/bの値が極めて大きい)天然産モルデナイトが触媒
の出発原料として好ましい。
【0017】c/aまたはc/bが2以下のモルデナイ
ト結晶の形態は、球状〜楕円状、直方体状、軸の短い円
筒状、等の場合が多い。この様な結晶形態のモルデナイ
トを触媒出発原料に使用した場合には好ましい触媒を製
造するのは困難である。
【0018】観察によって得られる結晶の形態は全ての
ものが上記したc/aまたはc/bが2以上であること
は必要ではない。その比が2以上、好ましくは3以上の
ものを含有するモルデナイトを出発原料に使用して調製
した触媒の存在下にベンゼンのアルキル化反応を行えば
好ましい結果を得ることができる。
【0019】通常、本発明の方法に於いて使用するモル
デナイト結晶のa軸もしくはb軸の長さは20〜100
0nm程度であり、c軸の長さは40〜100000n
m程度のものが多用される。
【0020】使用するモルデナイトは、通常、水素イオ
ン型のものが高活性を示すために多用されるが、レニウ
ム、またはランタン等の希土類型のものも使用できる。
合成、または天然のモルデナイトは、アルカリ金属イオ
ン型、アルカリ土類金属イオン型として得られるため、
アンモニウムイオンでイオン交換後アンモニウムイオン
を熱分解することで水素イオン型とする。または、塩
酸、硫酸、または硝酸の0.5〜2規定水溶液で直接水
素イオン型にイオン交換することもできる。上記のイオ
ン交換処理を1〜3回行うことによりモルデナイトのア
ルカリ金属イオンはほぼ完全に水素イオンに交換され
る。ナトリウムイオンの残存量は0.1〜0.2%程度
であるが、カリウム、カルシウム、またはマグネシウム
イオン等が若干量が残存する場合があるが、これらの残
存量が変動しても触媒性能には殆ど影響しない。また、
不純物として含まれる石英、または長石類、無定型の粘
土等も最終的に得られた触媒の性能には殆ど影響しな
い。天然産モルデナイトのモルデナイト含有量は50〜
80%程度の範囲のものが多用され、最終的に得られる
触媒は満足な性能を示す。
【0021】上記の水素イオン型に交換したモルデナイ
トは、そのままでベンゼンのアルキル化に充分使用でき
る活性と選択性を示すが、更にスチーム処理、またはス
チーム処理に酸洗浄処理、または外表面のシリル化処
理、またはこれらの処理を組み合わせた処理を施すこと
で分子量の大きい高沸点生成物の副生を更に抑制でき
る。 スチーム処理はモルデナイトを350〜650
℃、大気圧〜30kg/cm 2G.で1〜30時間スチ
ームと接触させることにより実施する。
【0022】酸処理はモルデナイトを1〜6規定の塩
酸、硫酸、硝酸等に懸濁させて室温〜100℃で1〜1
0時間処理する。または上記の酸処理を2〜3回繰り返
すことにより行う。
【0023】モルデナイトの外表面のシリル化処理は適
当なシリル化剤を使用し気相中でのCVD( Chemical
Vapor Deposition )による方法、またはシリル化剤を
溶媒中に溶かした液相中での処理法等がある。気相での
CVD法に関しては特開平3−262540、日化誌、
410、(1989)等に詳細に記載されている。大量
の触媒を処理するには液相中でのシリル化法が多用され
る。
【0024】シリル化剤はテトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、等の珪素のアルコキサイド、四塩化
珪素等が多用される。これらのシリル化剤を溶かす溶媒
にはヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族も
しくは脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、等の芳香族類、等が多用される。また、使用する溶
媒中の水分が多いとシリル化剤が分解されて無駄に消費
されるので、溶媒中の水分は少ないほうが好ましい。
【0025】シリル化剤の使用量はシリル化剤中の酸化
珪素換算で、使用するモルデナイトに対し1〜5%の範
囲が多用される。また、溶媒中のシリル化剤の濃度は3
〜30%の範囲が多用される。
【0026】上記したシリル化剤の溶液にモルデナイト
を懸濁させモルデナイトのシリル化処理を実施する。処
理の温度は室温〜溶液の沸点であり、通常20〜200
℃の範囲が多用される。処理に要する時間は処理温度に
依存するが、室温近傍では3〜30時間の範囲が選ばれ
る。
【0027】シリル化処理を終了したモルデナイトは、
濾過、または遠心分離等の常法により処理溶液から分離
し窒素等の不活性ガス雰囲気に加熱するか、減圧下に加
熱し付着または吸着している有機溶媒等を除去する。次
いで、空気または酸素雰囲気下に400〜700℃に加
熱処理し触媒とする。
【0028】液相でのシリル化処理の際のモルデナイト
の好ましい前処理法の一例は以下の如くである。液相で
のシリル化処理に先立ち、モルデナイト中の水分含有量
を所定の範囲に調節する。モルデナイト中の水分調整は
種々な方法で実施できるが、例えば、水素イオン型に
し、水洗、濾別、乾燥、焼成したモルデナイトに0〜4
0℃程度の水の蒸気圧に相当する水蒸気を吸着させるこ
とにより、3〜30%の水分をモルデナイトに付与す
る。実研室規模であればデシケーターの下部に水を入れ
た容器を置き、上部にモルデナイトを入れ室温で10〜
50時間放置すれば5〜15%の水分が付与できる。モ
ルデナイトに所定量の水分を付与する他の方法として
は、イオン交換処理したモルデナイトを風乾後、110
〜160℃で乾燥処理することで3〜20%の水分を付
与できる。この方法によれば水分と供に微量のプロトン
酸がモルデナイト細孔中に吸蔵され、シリル化処理中に
吸蔵水分と供に小量ずつモルデナイト外表面に拡散しシ
リル化とシリル化剤分子のアルコキシル基の加水分解反
応の触媒として作用し、シリル化処理を円滑に進行させ
るので好都合である。
【0029】本発明の方法で反応原料として使用するベ
ンゼンは純度の高いものが好ましいが、特に分子量の大
きなオレフインを不純物として含有するものは触媒上に
タール状物質〜炭素質の析出に起因する触媒活性の低下
をもたらすので好ましくない。この様な不純物を含有す
るベンゼンを使用する際には、オレフィンを選択的に水
添する触媒の存在下に水素化してから反応の原料として
使用することが好ましい。 本発明の方法で使用するア
ルキル化剤は低級オレフイン等があり、エチレン、プロ
ピレン、ブテン類、ペンテン類またはヘキセン類等の炭
素数2〜6程度のオレフインが多用される。その他のア
ルキル化剤はジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼ
ン、トリエチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン等
のポリアルキルベンゼン類である。
【0030】ベンゼンに対するアルキル化剤の比率はア
ルキル化剤の種類、反応形式等により変化する。例え
ば、アルキル化剤がエチレンまたはプロピレンの場合ベ
ンゼン対オレフインのモル比は連続式反応の場合には、
15対1〜3対1の範囲が多用される。ジエチルベンゼ
ン、トリイソプロピルベンゼン等がアルキル化剤の場合
には、ベンゼン対ポリアルキルベンゼンのモル比は20
対1〜5対1の範囲が多用される。ベンゼンに対する触
媒の使用量は回分式反応の場合を例示すれば、ベンゼン
対触媒の重量比で10対1〜200対1の範囲が多用さ
れる。
【0031】反応温度は、例えば、エチレンまたはジ、
トリエチルベンゼンがアルキル化剤の場合150〜30
0℃、プロピレンまたはジイソプロピルベンゼンがアル
キル化剤の場合には100〜250℃の範囲が多用され
る。反応時の圧力は大気圧〜100kg/cm2G、通
常5〜50kg/cm2Gの範囲が多用される。触媒と
反応混合物との接触時間は回分式反応では0.1〜20
時間、連続式反応ではWHSV(weight hourly space
velocity)で表すと0.1〜5kg/Hr.kg.ca
t.の範囲が多用される。
【0032】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。 実施例1 電子顕微鏡で拡大し観察した結果c軸方向の長さが90
0〜2000nm、a軸もしくはb軸方向の長さが20
0〜300nmで、c/aまたはc/bの比が3〜10
である天然モルデナイト(宮城県、仙台近郊産;モルデ
ナイト含有量70%)を触媒の出発原料に使用した。上
記の天然モルデナイトを破砕し粒径2〜3mmにふるい
分けたもの100gを1規定塩酸1.5l中に投入し室
温で20時間緩やかに振とうした。モルデナイトを濾別
し、乾燥、500℃焼成後、大気圧下に500℃に加熱
したスチームと6時間接触させた。モルデナイトを冷却
後6規定硫酸1l中に投入し80〜85℃で2時間緩や
かに震とうしながら加熱した。次いで、モルデナイトを
濾別、水洗、乾燥後、600℃で4時間焼成し触媒を調
製した。内径20mmのSUS−306製反応器に上記
触媒20gを充填し、外部より砂流動浴で加熱した。室
温で水を飽和させたベンゼンを使用し、ベンゼン対エチ
レンのモル比10対1の混合物を予熱器を経て触媒層に
圧入し、240℃、37kg/cm2G、WHSV=
0.8g/hr.g.cat.で反応させた。反応開始
100時間後の反応器出口生成物を分析した結果を表1
に示した。
【0033】比較例1 電子顕微鏡で観察した結果c軸方向の長さが400〜6
00nm、aまたはb軸方向の長さが400〜500n
mでc/aまたはc/bの比が<2である天然モルデナ
イト(宮城県、白石近郊産;モルデナイト含有量73
%)を触媒の出発原料に使用した。上記天然モルデナイ
トを破砕後粒径2〜3mmにふるい分けたもの100g
を採り実施例1と全く同様の処理を行い触媒を調製し、
実施例1と同様の装置と反応条件でベンゼンとエチレン
の反応を実施した。得られた結果を表1に併記した。
【0034】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 ──────────────────────────────────── エチレン転化率 (%) 99.9 99.9 モノエチルベンゼン選択率 (%) 85.5 81.3 ポリエチルベンゼン選択率* (%) 13.2 16.7 ブチルベンゼン選択率 (%) 0.3 0.6 キシレン類選択率 (%) 0.1 0.1 ジフエニルエタン選択率 (%) 0.6 0.9 その他 (%) 0.3 0.4 ──────────────────────────────────── 注 * ジ、トリ、テトラエチルベンゼンの合計を示す。 選択率はエチレン基準のmol%を示す。
【0035】実施例2 天然産モルデナイトをSEMで600倍に拡大して観察
した結果、長い繊維状の結晶形態を持つモルデナイト
(秋田県、男鹿産;モルデナイト含有量62%)を触媒
の出発原料に使用した。モルデナイト結晶のc/aまた
はc/bの値は30〜200の範囲に主に分布してい
た。これを破砕し粒径2〜3mmの部分を100g採り
2規定硫酸1.5l中に投入し室温で8時間緩やかに攪
はん、濾別、水洗、乾燥、600℃で焼成し水素イオン
型のモルデナイトとした。テトラエトキシシラン9gを
溶解したトルエン溶液200gに上記H型モルデナイト
を全量投入し室温で10時間緩やかに震とうした。モル
デナイトを濾別、減圧下に180℃で乾燥、空気雰囲気
下に600℃で焼成し外表面をシリル化した触媒を調製
した。内径20mmのSUS−306製反応器に上記触
媒20gを充填し砂流動浴で外部より加熱した。室温で
水を飽和したベンゼンを使用し、ベンゼン対エチレンの
モル比10対1の混合物を予熱器を経て触媒層に圧入
し、250℃、38kg/cm2G、WHSV=0.8
g/hr.g.cat.で反応させた。反応開始100
時間後の反応器出口生成物を分析した結果を表2に示し
た。
【0036】比較例2 天然産モルデナイトをSEMで2000倍に拡大して観
察した結果、球状〜楕円状結晶形態を持つモルデナイト
(秋田県、皆瀬 minase;モルデナイト含有量61%)を
触媒の出発原料に使用した。モルデナイト結晶のc/a
またはc/bの値は<2であった。これを破砕し粒径2
〜3mmの部分を100g採り2規定硫酸でイオン交換
し、水洗、乾燥、焼成してH型のモルデナイトとした。
テトラエトキシシラン9gを溶解したトルエン溶液20
0gに上記H型モルデナイトを全量投入し、室温で10
時間緩やかに攪はんした。モルデナイトを濾別、減圧下
に乾燥、空気雰囲気下に600℃で焼成し外表面をシリ
ル化した触媒を調製した。
【0037】内径20mmのSUS−306製反応器に
上記触媒20gを充填し砂流動浴で反応温度に加熱し
た。室温で水を飽和したベンゼンを使用し、ベンゼン対
エチレンのモル比10対1から成る混合物を予熱器を経
て触媒層に圧入し、250℃、38kg/cm2G、W
HSV=0.8g/hr.g.cat.で反応させた。
反応開始100時間後の反応器出口成分を分析した結果
を表2に併記した。
【0038】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 実施例2 比較例2 ──────────────────────────────────── エチレン転化率 (%) 99.9 99.9 モノエチルベンゼン選択率 (%) 92.4 84.9 ポリエチルベンゼン選択率* (%) 6.9 13.9 ブチルベンゼン選択率 (%) 0.1 0.3 キシレン類選択率 (%) 0.1 0.1 ジフエニルエタン選択率 (%) 0.2 0.4 その他 (%) 0.3 0.4 ──────────────────────────────────── 注 * ジ、トリ、テトラエチルベンゼンの合計を表す。 選択率はエチレン基準のモル%を表す。
【0039】実施例3 実施例2で使用したものと同じ外表面をシリル化したモ
ルデナイトを触媒に使用し、同様の反応装置を使用して
ベンゼンとプロピレンからキュメンを合成する反応を試
験した。触媒20gを充填し、室温で水を飽和させたベ
ンゼンを使用し、ベンゼン対プロピレンのモル比10対
1から成る混合物を予熱器を経て触媒層に圧入した。反
応原料の供給速度WHSV=0.95g/hr.g.c
at.、触媒層温度210℃、圧力23kg/cm2
で反応させた。反応開始100時間後の反応器出口成分
を分析した結果、プロピレンの転化率99.9%、モノ
イソプロピルベンゼンの選択率93.8%、ジ、および
トリイソプロピルベンゼンの選択率5.7%であった。
エチルベンゼン類、ジフエニルプロパン類の副生は痕跡
量であった。
【0040】実施例4 実施例1で使用したものと同一の触媒を使用し、同様の
反応装置を使用しジエチルベンゼンとベンゼンからモノ
エチルベンゼンを製造する反応を試験した。ベンゼン対
ジエチルベンゼンのモル比12対1の混合物をWHSV
=0.95g/hr.g.cat.で触媒層に圧入し、
圧力30kg/cm2G で触媒層温度235℃で反応さ
せた。反応器出口成分を分析した結果、ジエチルベンゼ
ンの転化率93%、モノエチルベンゼンへの選択率99
%で、重質芳香族およびトルエン等の生成は痕跡量であ
った。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、モノアルキル置
換体の選択率が向上し、アルキル化剤であるオレフィン
のオリゴマー化が抑制され、それに伴うオリゴマーとベ
ンゼンとの反応に依り生じる高沸点化合物の生成が低減
されるために、触媒上へのタール質、炭素質の析出が軽
減され、それに伴う触媒活性の低下を防止できる。ま
た、キュメン製造に際してはn−プロピルベンゼン、エ
チルベンゼン、およびブチルベンゼン等の副生が抑制さ
れ、エチルベンゼン製造の際には、ブチルベンゼン、キ
シレン類、およびジフエニルエタン類の副生が抑制でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】モルデナイトの結晶構造を模式的に示したもの
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼンをアルキル化剤でアルキル化し
    アルキルベンゼン類を製造するに際し、モルデナイト結
    晶のc軸方向の長さとa軸もしくはb軸方向の長さの
    比、c/aまたはc/bが2以上であるモルデナイトを
    触媒として使用することを特徴とするアルキルベンゼン
    類の製造方法。
  2. 【請求項2】 モルデナイト結晶のc/aまたはc/b
    が3以上である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 モルデナイト触媒の外表面が、シリル化
    剤によりシリル化処理されたものである請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 モルデナイト触媒の外表面のシリル化処
    理を液相で行う請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 モルデナイトのシリカ/アルミナ比が1
    00以下である請求項1、2、3または4記載の方法。
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