JPH08207871A

JPH08207871A - 双方向作動多段変速中車軸装置

Info

Publication number: JPH08207871A
Application number: JP7299649A
Authority: JP
Inventors: Dianlin Chang; ティアンリン・チャン
Original assignee: TSUAO WEI LIN; TSUAOUEI RIN
Current assignee: TSUAO WEI LIN; TSUAOUEI RIN
Priority date: 1994-11-23
Filing date: 1995-11-17
Publication date: 1996-08-13
Also published as: NL1001727A1; KR960018106U; CA2162656A1; CN1123751A; US5647817A; GB2295427B; DE29517733U1; KR200246082Y1; BR7502640U; NL1001727C2; GB9523851D0; FR2727080A1; FR2727080B1; TW305337U; GB2295427A

Abstract

(57)【要約】【課題】従来の変速中車軸を改良して構造を合理化
し、双方向作動多段変速ができる中車軸装置を提供する
こと。【解決手段】一対のペダルで夫々駆動される一対のク
ランク（Ａ）を支える一本の中車軸（１０）と、前記中
車軸と一体的に回転可能な中心ギヤ（５）に外接係合し
て回転し得る少なくとも二個の遊星歯車（８）と、前記
少なくとも二個の遊星歯車のスピンドル（９）を夫々支
持して前記中心ギヤと同軸状に配設され、内爪（４）及
び外爪（７）の選択的な係合により前記中車軸の回転方
向に応じて回転状態または静止状態を取り得るようにし
たベアリング・カラー（２）と、前記遊星歯車の外周の
歯と係合する歯が内周に設けられているアウターリング
（１）と、前記アウターリングに同軸状に取りつけられ
たチェーン・ホイール（Ｂ）とを配設し、前記中車軸の
回転方向を変更することにより前記遊星歯車を介して前
記チエーン・ホイールの回転速度を変更し得るようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種自転車に用い
られる変速機構に関し、特に、中車軸に設けて双方向
（時計方向及び反時計方向）に選択的に回転させること
により多段変速を可能にする中車軸装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常の自転車は、前輪を支える第一の軸
及び後輪を支える第二の軸の他に、両者の中間にあっ
て、ペダルを踏む人間の足で回転駆動される第三の軸を
有する。この第三の軸を以下の説明では中車軸（ミドル
・アクスル）と呼ぶことにする。通常の自転車の中車軸
は、一対のペダルで発生せしめた回転動力をチェーン・
ホイール及びチェーンを介して後輪へ伝えるだけのもの
であって、変速することが出来なかった。自転車の変速
を可能にするためには、変速用の機構、すなわち変速段
数に対応した複数（２〜５枚）の直径の異なるチェーン
・ホイールを、中車軸又は後輪の軸に対して同軸状にセ
ットしたものを用いなければならなかった。それは、構
造が複雑で、高価格であり、かつ伝達パワーが小さく、
摩耗し易く、寿命が比較的に短かかった。

【０００３】本発明者は、以前双方向作動・二段変速ギ
ヤ（中国特許新案第８５２０５７５号）と双方向作動・
三段変速ギヤ（中国発明第９０１０５１７１・３号）を
設計したことがある。それらの変速ギヤは後輪の軸に取
りつけるものであって、通常の変速ギヤのように動力伝
達機能のほかに、変速機能も有するものであった。それ
らのような変速装置は、それら以前の変速装置に比し、
構造が単純で、動作に確実性があり、通常の自転車に容
易に取り付けることができた。しかし重大な欠点は、内
爪群が、ロック動作を行う時に受ける大きな応力によっ
て破損し易いことであり、使用上、ある種の制限を受け
ることである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の中車
軸（ペダルを支える軸）用の変速装置の欠点を解決する
と共に、構造を更に合理化し改良した双方向作動多段変
速中車軸装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的を果たすた
め、本発明者が既に提案した双方向作動・二段変速ギア
の構造に対してかなり大きい改良を行い、双方向作動多
段変速中車軸装置を提供しようとする。

【０００６】本発明は、従来の双方向作動・二段変速ギ
ヤの構造のような装置を自転車の後輪軸ではなく中車軸
に配設するように改良したために、変速ギヤを後輪に取
り付けるよりも取り付けが容易になるだけでなく、変速
装置のサイズも大きくすることが可能となるので、破損
し易い内爪群と内爪用のスピンドルの機械強度が高くな
り、その部品の破損が避けられるようになった。それば
かりか、本発明の変速装置の外爪は自転車の中車軸ブラ
ケット・ケースに配設されるので、上述と同じ理由で、
良い結果を得ることができる。

【０００７】

【実施例】以下に図面を参照しつつ、本発明の構造を詳
しく説明する。（第一実施例）図１及び図２に示すように、本発明の多
段変速中車軸装置は、アウターリング（１）（内周には
このベアリングのボールの転動軌道と内歯が設けられて
おり、外周にはチェーン・ホイール（Ｂ）の組みネジも
しくは螺子孔が設けられている）、ベアリング・カラー
（２）（内外周には一つずつベアリングのボールの転動
軌道が設けられており、外側面にはラチェット溝が設け
られており、内側面には偶数の遊星歯車（８）と内爪
（４）用のスピンドル（９）が設けられている）、ねじ
込み式コーン（３）（外周には一つずつベアリングの転
動軌道が設けられており、内周には止めネジが付けられ
ている）、内爪（４）、中心ギヤ（５）（止めネジ付
き）、コーン（６）（内周には止めネジが付けられてお
り、外周にはベアリングのボールの転動軌道が設けられ
ている）、外爪（７）、遊星歯車（８）、偶数個のスピ
ンドル（９）、中車軸（１０）からなる。

【０００８】この中車軸（１０）の図２の向って上端に
はペダルを支える中車軸のクランク（Ａ）が取付けられ
ている。その反対側には中車軸ブラケット・ケースＣが
設けられており、そこに外爪（７）用のスピンドル（１
１）及びチェーンの伝動されるチェーン・ホイール
（Ｂ）が取付けられている。

【０００９】上述した多段変速中車軸装置の一側面には
ベアリング・カラー（２）及びねじ込み式コーン（３）
があり、他の側面にはコーン（６）がある。その二つの
コーンによって側面からアウターリング（１）が支えら
れている。アウターリング（１）と中心ギヤ（５）との
間には、二つ以上の遊星歯車（８）と内爪（４）がそれ
ぞれ配設されている。均一の応力を受けるため、遊星歯
車（８）と内爪（４）の個数は三個以上が望ましく、ス
ピンドル（９）を介して力学的にバランスのよい配置で
ベアリング・カラー（２）の内側面に設けられる。中心
ギヤ（５）、コーン（６）及びねじ込み式コーン（３）
がそれぞれ止めネジを介し中車軸（１０）に固定されて
いる。自転車の中車軸ブラケット・ケース（Ｃ）にスピ
ンドル（１１）を介し外爪（７）が配設されている。ア
ウターリング（１）の外周にネジもしくは螺子孔を介し
チェーン・ホイール（Ｂ）が固定されている。本発明の
その他の機構は、従来の双方向作動・二段変速ギヤの機
構と同様である。

【００１０】本発明の変速メカニズムは、下記の通りで
ある。１．正転時：足踏みで通常走行この走行においては、中車軸（１０）に取りつけたクラ
ンク（Ａ）を介してペダルを踏んで中車軸（１０）を時
計方向に回転させると、中車軸（１０）に固定された中
心ギヤ（５）も時計方向（正方向）に回転する。中心ギ
ャ（５）に係合している遊星歯車（８）は、反時計方向
に自転しながら中心ギャ（５）の回りを時計方向に公転
しようとする。しかし、遊星歯車（８）をスピンドル
（１１）で支えているベアリング・カラー（２）には内
爪（４）が設けられている。そして内爪（４）がアウタ
ーリング（１）の内歯に係合してこれをロックしている
ので、アウターリングも同方向に同じ速度で回転するこ
とになる。なお、この状態においては、外爪（７）はベ
アリング・カラー（２）の外側に設けたラチェット溝に
係合しないで滑るので、ベアリング・カラー（２）はロ
ックされない。このため、ベアリング・カラー（２）も
時計方向に回転できるのである。チェーン・ホイール
（Ｂ）はアウターリング（１）に固定されたもので、ア
ウターリングと同じ回転をする。チェーン・ホイール
（Ｂ）が時計方向に回転すると、それに掛け渡したチエ
ーンのループも時計方向に回転し、後輪のスプロケット
・ホイールを介して後輪を時計方向に回転させる。即ち
本発明の中車軸（１０）は通常の自転車の中車軸と同じ
ように正転し足踏みで通常走行が実現する。

【００１１】２．逆転時：足踏みで低速走行ペダルを逆方向に踏んで、中車軸（１０）を反時計方向
に回転させると、外爪（７）はベアリング・カラー
（２）の外側に設けたラチェット溝と係合することにな
るので、ベアリング・カラー（２）がロックされること
になり、ベアリング・カラー（２）は逆時計方向に回転
できなくなる。遊星歯車（８）は、スピンドル（９）を
介してベアリング・カラーに固定されている。その結果
として遊星歯車（８）は仲介輪作用になる。中心ギヤは
中車軸（１０）と同じ逆時計方向に回転すると、内爪
（４）はアウターリング（１）の内歯を順方向に介しア
ウターリング（１）がロックされない。又遊星歯車
（８）の仲介輪作用により、アウターリング（１）は中
心ギヤ（５）と逆方向に回転する。即ち中車軸（１０）
が反時計方向に回転しても、チェーン・ホイール（Ｂ）
は依然として時計方向に回転する。ここで中心ギヤ
（５）の外径はアウターリング（１）の内径より小さい
ので、アウターリング（１）は中心ギヤ（５）より回転
数が少なくなって、逆・足踏みで自転車の低速走行が実
現されるのである。

【００１２】３．惰性走行自転車が惰性で走行している時にはペダルを踏まないの
で中車軸（１０）は静止して回転しない。しかし、アウ
ターリング（１）はチェーンを介し自転車の後輪に固定
されたスプロケット・ホイールによって駆動されて、正
時計方向に回転するので、遊星歯車（８）も同じ方向に
回転する。この状態では内爪（４）及び外爪（７）は何
れもロック作用がなくなる。従って、静止された中心ギ
ヤ（５）に対して、アウターリング（１）とベアリング
・カラー（２）は回転可能なので、自転車は惰性走行が
実現できる。

【００１３】（第二実施例）若しも、本発明の変速装置
のアウターリング（１）に対して、二つ又はそれ以上の
チェーン・ホイールを組み合せるならば、本来の二段変
速作用が倍又はそれ以上になる。これらの多段変速機能
は、本発明の技術的思想に基づけば、通常の技術で容易
に実現可能となるのである。

【００１４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明は正、逆方向
への足踏み方向を変更するだけで、二段変速が実現でき
る。又、本発明はチェーン・ホイール（Ｂ）が中車軸
（１）に対して相対的に回転できるので、自転車の後輪
用のギヤは構造が簡単なチェーン・ホイールで代替可能
であるので、コストを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の双方向作動多段変速中車軸装置（第１
実施例）の構造を例示する図。

【図２】図１に示した変速中車軸装置のＮ−Ｎ面の断面
図。

【符号の説明】

１アウターリング２ベアリング・カラー３ねじ込み式コーン４内爪５中心ギヤ６コーン７外爪８遊星歯車９スピンドル１０中車軸１１外爪用のスピンドルＡ中車軸のクランクＢチェーン・ホイールＣ自転車の中車軸ブラケット・ケース

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ペダルで足踏み駆動される一対のクラン
ク（Ａ）を支える一本の中車軸（１０）と、前記中車軸と一体的に回転可能な中心ギヤ（５）に外接
係合して回転し得る少なくとも二個の遊星歯車（８）
と、前記遊星歯車の歯と係合する歯を内周に有し、前記中車
軸と同軸状に且つ前記遊星歯車よりも外側に位置するア
ウターリング（１）と、前記遊星歯車及び内爪（４）を支持して前記中心ギヤの
一側面に且つ同軸状に配設され、前記中車軸を第一の方
向に回転させたとき前記内爪が前記アウターリングの内
周の歯と係合して自己及び前記アウターリングを前記中
車軸と同一回転方向及び同一速度で回転させるように働
くベアリング・カラー（２）と、前記中車軸を前記第一の方向とは反対の第二の方向に回
転させたとき係合して前記ベアリング・カラーの回転を
止め、前記遊星歯車の機能により前記アウターリングを
前記第二の方向とは反対の方向即ち第一の方向及び異な
った速度で回転させるように働く外爪（７）と、前記アウターリングに同軸状に取りつけられており、チ
ェーンを介して後車輪を回転駆動するためのチェーン・
ホイール（Ｂ）とよりなり、前記中車軸の回転方向を変更すると、前記チエーン・ホ
イールの回転方向を変更することなく回転速度が変更さ
れることを特徴とする双方向作動多段変速中車軸装置。
【請求項２】前記アウターリング（１）の外周に二以
上のチェーン・ホイール（Ｂ）を付加しチエーンを選択
的に掛替えるようにしたことにより、多段変速を可能に
したことを特徴とする請求項１記載の双方向作動多段変
速中車軸装置。