JPH0820765A - 研磨・研削液 - Google Patents

研磨・研削液

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Publication number
JPH0820765A
JPH0820765A JP15504994A JP15504994A JPH0820765A JP H0820765 A JPH0820765 A JP H0820765A JP 15504994 A JP15504994 A JP 15504994A JP 15504994 A JP15504994 A JP 15504994A JP H0820765 A JPH0820765 A JP H0820765A
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JP
Japan
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polishing
grinding
phosphoric acid
acidic phosphoric
acid ester
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Application number
JP15504994A
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English (en)
Inventor
Yoshiji Ikeda
誉司 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ipposha Oil Industries Co Ltd
Original Assignee
Ipposha Oil Industries Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ipposha Oil Industries Co Ltd filed Critical Ipposha Oil Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン系消泡剤を添加せずに泡立ちの発生
を防止でき、さらに研削速度および防錆性にも優れた磁
気ディスク用アルミニウム基板研磨・研削液を提供する
ことである。 【構成】 酸性燐酸エステル化合物および/またはその
アルカリ塩を含有することを特徴とする研磨・研削液で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は研磨・研削液に関し、
詳しくは、低泡性であり、研削速度および防錆性にも優
れた研磨・研削液に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】金属等の
研削の際に使用される研削液には、研削速度や表面精度
といった研削性に関する性能と、防錆性、耐腐食性、消
泡性といった作業性に関する性能を有することが要求さ
れる。上記の性能の内、研削速度に劣ると、すなわち研
削速度が遅いと、作業性や生産性に劣ることになり、加
工を連続して行なう場合には特に顕著に作業性や生産性
の悪化という問題を生じる。消泡性に劣ると、作業を継
続して行なうことにより研磨液槽や研磨機から研削液が
溢れだしたり、廃水口から泡が吹き出したり、また活性
汚泥法等の排水処理に悪影響を及ぼすなどの問題を生じ
る。また、防錆性に劣ると、発錆による被切削物の品質
の低下や、発錆による研磨機の劣化といった問題を生じ
る。
【0003】従来の水溶性研削液には、上記性能を付与
するべく様々な成分が配合されている。例えば、適度な
研削速度を確保し、目的とする表面粗さを実現すること
を目的として油脂や脂肪酸が配合され、砥石の目詰まり
を防止することを目的として、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテルに代表されるノニオン系界面活性
剤やアルキルアリールスルホン酸塩に代表されるアニオ
ン系界面活性剤が配合されている。また、必要に応じ
て、極圧添加剤、防腐剤、酸化防止剤、金属防食剤、消
泡剤等が適宜に組み合わされて配合されている。
【0004】このような各種の成分を配合することによ
って、研削速度や表面精度といった研削性に関する性能
と、防錆性、耐腐食性、消泡性といった作業性に関する
性能をある程度満たす研削剤が得られている。
【0005】しかしながら、研削の対象によっては通常
の研削剤を適用できない場合がある。例えば、磁気ディ
スクの基板である。磁気ディスクは、通常アルミニウム
合金製の板である非磁性基板上に磁性層や保護層などが
積層されてなり、その製造に際しては、非磁性基板の表
面を所要の表面粗さに効率よく仕上げることが重要であ
る。表面粗さを目的の範囲内になるように加工するに
は、一般的に#800〜#3000程度の砥石による両
面研削盤で粗研削から仕上研削へと加工が繰り返され
る。
【0006】このような磁気ディスク用のアルミニウム
合金製の非磁性基板には、ブランク材の研磨または仕上
げ研磨の後にメッキが施されるのであるが、研削液中に
通常使用されているシリコン系消泡剤を配合すると、メ
ッキ不良が生じるという問題があった。
【0007】したがって、シリコン系消泡剤を配合せず
に、泡立ちを防止することができる研削液、すなわち磁
気ディスク用アルミニウム合金基板等の研削にも用いる
ことができる研削液であって、研削速度や防錆性といっ
た他の性能も備えた研削液の開発が望まれていた。
【0008】この発明は前記事情に基づいて完成された
ものである。
【0009】この発明の目的は、シリコン系消泡剤を配
合せずに、泡立ちを防止することができ、かつ研削速度
および防錆性に優れる研磨・研削液を提供することにあ
る。この発明の目的は、磁気ディスク用アルミニウム合
金基板の研削ないし研磨に最適な研磨・研削液を提供す
ることにある。
【0010】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ためのこの発明の構成は、酸性燐酸エステル化合物およ
び/または、そのアルカリ塩を含有することを特徴とす
る研磨・研削液である。
【0011】以下、この発明について詳細に説明する。
【0012】この発明においては、酸性燐酸エステルと
して、下記一般式(1)で示される酸性燐酸エステルを
より一層好適に使用することができる。
【0013】
【化1】
【0014】(但し、式中、Rは炭素数5〜50の炭化
水素基を表し、EOは−CH2 CH2O−を表し、PO
は−CH2 CH(−CH3 )O−を表わす。a、bおよ
びcの合計は0〜30であり、aまたはbが0であるこ
ともある。xは1または2であり、xが1であるときに
はyは2であり、xが2であるときにはyは1である。
xが2であるときに分子中に含まれる2個のRは同一で
あっても相違していても良い。) このような構造を有する酸性燐酸エステル化合物を採用
すると、発泡の抑制効果、研削速度、および防錆性に特
に優れる研磨・研削液を得ることができる。
【0015】前記一般式(1)で示される酸性燐酸エス
テルとしては、酸性燐酸モノエステルおよび酸性燐酸ジ
エステルが挙げられる。
【0016】この発明における酸性燐酸エステル化合物
としては、特に制限はないが、例えば、イソプロピル燐
酸モノエステル、イソデシル燐酸モノエステル、ラウリ
ル燐酸モノエステル、オレイル燐酸モノエステル、ステ
アリル燐酸モノエステル等のアルキル燐酸モノエステ
ル;フェニル燐酸モノエステル等のアリール燐酸モノエ
ステル;ノニルフェニル燐酸モノエステル、ジノニルフ
ェニル燐酸モノエステル等のアルキルアリール燐酸モノ
エステル;イソプロピル燐酸ジエステル、ブチル燐酸ジ
エステル、オクチル燐酸ジエステル、イソデシル燐酸ジ
エステル、ラウリル燐酸ジエステル、オレイル燐酸ジエ
ステル、ステアリル燐酸ジエステル等のアルキル燐酸ジ
エステル;フェニル燐酸ジエステル等のアリール燐酸ジ
エステル;ノニルフェニル燐酸ジエステル、ジノニルフ
ェニル燐酸ジエステル等のアルキルフェニル燐酸ジエス
テル等を挙げることができる。以上に例示したのは、前
記一般式(1)においてEOおよびPOを含有しない酸
性燐酸エステルである。
【0017】この発明においては、前記一般式(1)に
おいてa、bおよびcの合計が0である前記酸性燐酸エ
ステルの外に、前記一般式(1)においてa、bおよび
cの合計が1〜30、好ましくは4〜15である酸性燐
酸エステルもまた好適に採用される。
【0018】前記一般式(1)においてa、bおよびc
の合計が1〜30である酸性燐酸エステルとして、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酸性燐酸モノ
エステル、ポリオキシエチレンアリールエーテル酸性燐
酸モノエステル(ただし、化合物中のアリール基には置
換基が結合していも良い。)、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル酸性燐酸ジエステル、ポリオキシエチレン
アリールエーテル酸性燐酸ジエステル(ただし、化合物
中のアリール基には置換基が結合していも良い。)、ポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル酸性燐酸モノエス
テル、ポリオキシプロピレンアリールエーテル酸性燐酸
モノエステル(ただし、化合物中のアリール基には置換
基が結合していも良い。)、ポリオキシプロピレンアル
キルエーテル酸性燐酸ジエステル、ポリオキシプロピレ
ンアリールエーテル酸性燐酸ジエステル(ただし、化合
物中のアリール基には置換基が結合していも良い。)等
を挙げることができる。
【0019】また上記の外に、分子中のポリオキシアル
キレン基がオキシエチレン基とオキシプロピレン基とが
交互に、あるいはブロック状に、あるいはランダムに結
合してなる酸性燐酸モノエステルおよび酸性燐酸ジエス
テルが好適例として挙げられる。
【0020】この一般式(1)で示され、一般式(1)
中のa、bおよびcの合計が1〜30の範囲内にある酸
性燐酸エステルにつき、Rとしては、イソプロピル、ブ
チル、オクチル、イソデシル、ラウリル、オレイル、ス
テアリルなどのアルキル基、フェニル、ノニルフェニ
ル、ジノニルフェニル等のアルキル基を置換することの
あるアリール基が挙げられる。好適なRとしては、炭素
数が5〜50であり、特に5〜20であるアルキル基お
よび一般式(2)で示されるアリール基が挙げられる。
【0021】
【化2】
【0022】(但し、式中、R1 、R2 、R3 、R4
よびR5 は、それぞれ水素または炭化水素基を表わし、
合計の炭素数が0〜44である。) 一般式(2)で示されるアリール基の中でも、炭素数0
〜44、好ましくは炭素数0〜18であるアルキル基を
置換するフェニル基が好ましい。
【0023】この発明において、上述した各種の酸性燐
酸エステルは、その一種単独を使用することができる
が、二種以上を併用する方が好ましい。
【0024】二種以上の酸性燐酸エステルを組み合わせ
て用いる場合、一般式(1)におけるRの炭素数が5〜
50であるアルキル酸性燐酸モノエステルおよび前記炭
素数を有するアルキル酸性燐酸ジエステルとの組み合わ
せ、一般式(1)におけるRの炭素数が5〜50、好ま
しくは12〜18であるアルキル基を有し、かつオキシ
エチレン基の付加モル数が0〜30、好ましくは4〜1
5であるポリオキシエチレンアルキルエーテル酸性燐酸
モノエステルと、同様のアルキル基およびオキシエチレ
ン基の同様の付加モル数を有するポリオキシエチレンア
ルキルエーテル酸性燐酸ジエステルとの組み合わせ、一
般式(2)に示すR1 〜R5 の合計炭素数が0〜44、
好ましくは0〜18であるアルキル基を置換したフェニ
ル基を有し、オキシエチレン基の付加モル数が1〜3
0、好ましくは4〜15であるポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル酸性燐酸モノエステルと、同様の
アルキル基を置換したフェニル基を有し、オキシエチレ
ン基の付加モル数が同様であるポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル酸性燐酸ジエステルとの組み合わ
せが、好適例として挙げられる。
【0025】上述した好適例の酸性燐酸エステルを使用
すると、他の要素と相俟って、起泡性、防錆性、潤滑
性、研削性等がいずれもバランス良く優れた研磨・研削
液が得られる。
【0026】前記酸性燐酸エステルの研磨・研削液中の
濃度は、0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜
2重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
酸性燐酸エステルを前記濃度範囲で使用すると、この発
明の目的をより一層良く達成することができる。
【0027】この発明における酸性燐酸エステル化合物
のアルカリ塩としては、上記各種の酸性燐酸エステル化
合物のアルカリ塩を好適に採用することができる。
【0028】このようなアルカリ塩を形成するアルカリ
成分としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロ
パノールアミン、モノラウリルジエタノールアミン、モ
ノエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアル
カリ性無機化合物、あるいはアンモニア、モルホリン等
を挙げることができる。この発明における酸性燐酸エス
テル化合物のアルカリ塩は、一種を単独で用いても良い
し、二種以上を併用しても良い。
【0029】この発明においては、前記酸性燐酸エステ
ルおよび酸性燐酸エステルのアルカリ塩のいずれかを使
用することができるが、酸性燐酸エステルと酸性燐酸エ
ステルのアルカリ塩とを併用しても良い。
【0030】併用するにせよ、単独で使用するにせよ、
この酸性燐酸エステルのアルカリ塩の研磨・研削液中の
濃度は、0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜
2重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
酸性燐酸エステルのアルカリ塩を前記範囲の濃度で使用
すると、この発明の目的をより一層良く達成することが
できる。なお、上記の濃度は、この研磨・研削液の使用
時における濃度を意味する。
【0031】この発明の研磨・研削液は、酸性燐酸エス
テルおよび/またはそのアルカリ塩に加えて、さらに非
イオン界面活性剤を含有するのが好ましい。非イオン界
面活性剤を含有すると、前述した酸性燐酸エステルおよ
び/またはそのアルカリ塩の存在と相俟て砥石の目詰ま
り防止効果を向上させ、生産性を向上させ、なおかつ低
起泡性を維持することができるという利点があるので好
ましい。
【0032】前記非イオン界面活性剤としては、非イオ
ン界面活性剤であれば特に制限はないが、下記一般式
(3)で示される化合物が好ましい。
【0033】
【化3】
【0034】(但し、式中、R6 は炭素数1〜30の炭
化水素基を、EOは−CH2 CH2 O−を、POは−C
2 CH(CH3 )O−をそれぞれ表す。d、eおよび
fの合計数は1〜50である。) このような非イオン界面活性剤としては、例えば、アル
コールまたはアルキルフェノール等にエチレンオキサイ
ド(以下、EOxdと称することがある。)および/また
はプロピレンオキサイド(以下、POxdと称することが
ある。)を付加重合してなる化合物を挙げることができ
る。
【0035】前記一般式(3)で示される非イオン界面
活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレ
ンラウリルエーテル等を挙げることができる。
【0036】これらの中でも、EOおよびPOの両方を
付加してなる化合物が好ましく、非イオン界面活性剤自
体の起泡性および水への溶解性を考慮すると、PO/
(EO+PO)で示される重量比が20〜90%である
のが好ましく、40〜70%であるのがより一層好まし
い。
【0037】非イオン界面活性剤における、付加した前
記EOおよびPOは、ランダムであっても、ブロックで
あっても、あるいは交互であっても良い。もっとも、好
ましい非イオン界面活性剤は、前記EOおよびPOがラ
ンダムに付加してなる。
【0038】また、前記一般式(3)中のd、eおよび
fの合計数が1〜50、好ましくは5〜30、更に好ま
しくは10〜25である非イオン界面活性剤が、乳化・
分散力、浸透性および洗浄性に優れるという利点がある
ので好ましい。
【0039】この非イオン界面活性剤の研磨・研削液中
の含有量としては、酸性燐酸エステルの研磨・研削液中
の含有量に対して、通常1/50〜20倍、好ましくは
1/10〜5倍である。非イオン界面活性剤を前記範囲
の濃度で使用すると、この発明の目的をより一層良く達
成することができる。
【0040】この発明の研磨・研削液は、通常の場合、
前記酸性燐酸エステルおよび/またはそのアルカリ塩と
要すれば非イオン界面活性剤とを、水に溶解して使用さ
れる。換言すると、この発明の研磨・研削液は、水をベ
ースとし、この水に前記酸性燐酸エステルおよび/また
はそのアルカリ塩と要すれば非イオン界面活性剤とを溶
解して使用される。なお、貯蔵の利便性により、濃縮さ
れた研磨・研削原液があってその研磨・研削原液を使用
の都度水で希釈して研磨・研削液に調製されることが多
い。
【0041】なお、この発明の研磨・研削液は、前記酸
性燐酸エステル化合物および/またはそのアルカリ塩と
要すれば非イオン界面活性剤との外に、この発明の目的
を阻害しない範囲で他の添加剤等を含有していても良
い。
【0042】前記添加剤としては、従来の切削油剤およ
び研削油剤に用いられている公知の添加剤を使用するこ
とができる。具体的には、各種の鉱油、油脂、極圧添加
剤、界面活性剤、消泡剤、金属防食剤、酸化防止剤など
を挙げることができる。これらは、適宜に選択して、ま
たは適宜に組み合わせて採用することができる。
【0043】前記鉱油としては、マシン油、軽油、ポリ
オレフィン油、ジエステル系あるいはヒンダードエステ
ル系の合成油等を挙げることができる。
【0044】前記油脂としては、ステアリン酸、パルミ
チン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸などの
高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸、前記脂肪酸のメ
チル、エチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキルエ
ステルである脂肪酸エステル、ダイマー酸等を挙げるこ
とができる。
【0045】前記極圧添加剤としては、硫化脂肪油等の
硫黄系極圧添加剤、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エ
ステルなどの塩素系極圧添加剤、ジアルキルジチオ燐酸
亜鉛のような燐系添加剤等を挙げることができる。
【0046】前記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤を挙げ
ることができる。
【0047】前記陰イオン界面活性剤としては、3−ア
ルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩等
のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩等のスルホン酸
塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸
エステル塩等を挙げることができる。前記陽イオン界面
活性としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウ
ム塩等を挙げることができる。前記両性界面活性剤とし
ては、ベタイン型両性界面活性剤、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリニウムベタイン等を挙げることができ
る。
【0048】前記消泡剤としては、高級アルコール、炭
化水素系溶剤、鉱物油等を挙げることができる。
【0049】前記金属防食剤としては、ベンゾトリアゾ
ール、イミダゾリン、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウ
ム、アルキルジチオベンゾイミダゾール等を挙げること
ができる。
【0050】前記酸化防止剤としては、BHT、Irgano
x 1010、Irganox 1076、BBM、BHA、Cyanox 1790
、Irganox 259 、DLTDP、DSTDP、Santonox
R、Irganox 1035、TPP等を挙げることができる。
【0051】この発明に係る研磨・研削液は、旋削加
工、フライス加工、ブローチ加工、歯切加工、ドリル加
工、リーマ加工、タップと螺子切り加工等の一般的な機
械加工における研磨・研削あるいは切削に使用されるこ
とができるのであるが、磁気ディスク用のアルミニウム
合金基板の表面を研磨・研削加工するのに特に好適であ
る。
【0052】従来技術の欄において説明したように、磁
気ディスクは非磁性基板上に磁性層や保護層などを積層
してなる層構造を有する。この非磁性基板としては、多
くの場合アルミニウム基板が採用される。このアルミニ
ウム基板の表面は所要の表面粗さに効率良くし上げられ
ねばならないのであるが、この発明の研磨・研削液を使
用してアルミニウム基板を研磨・研削すると、短時間の
内に効率良く所定の表面粗さに仕上げることができる。
しかもこの発明の研磨・研削液を使用して研磨・研削を
行うと、泡立ちが少なく、アルミニウムに対する防錆性
に優れ、潤滑性も従来の研磨・研削油に対して遜色がな
い。更に何よりも、この発明の研磨・研削液を使用して
研磨・研削されたアルミニウム基板は、その後のメッキ
工程においてメッキ不良を起こすこともない。このよう
に、この発明の研磨・研削液は、通常の機械加工におけ
る研磨液、研削液、切削液として使用される外に、磁気
ディスク用アルミニウム基板の研磨・研削用として殊に
優れた特性を発揮する。
【0053】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。なお、この実施例により、この発明は何ら限定さ
れることはない。
【0054】(実施例1〜6、および比較例1、2)表
1および表2に示す成分を配合して研磨・研削原液を調
製した。それぞれの研磨・研削原液について下記に示す
性能評価試験を行い、結果を表3に示した。
【0055】(1)起泡性試験 各研磨・研削原液を水道水でそれぞれ100倍に希釈す
ることにより、研磨・研削液を調製した。この研磨・研
削液を用いて、25℃、ロスマイルス法により評価し
た。泡立ちは滴下終了直後およびその5分後における泡
立ちの高さを測定して判定した。
【0056】(2)防錆性試験 上記と同様に研磨・研削原液を100倍に希釈すること
により得られた研磨・研削液に、アルミニウム板(50
×50×1mm)および鋼板(50×75×1mm)の
半面のみを96時間漬した。浸漬は、研磨・研削液を恒
温槽で60℃に維持して行なった。96時間浸漬後、試
験板を取り出して目視により、その外観を観察した。
【0057】(3)潤滑性試験 (1)と同様にして研磨・研削原液を100倍に希釈す
ることにより得られた研磨・研削液の潤滑性を、曽田式
振子型油性摩擦試験機にて測定した。
【0058】表1中における各成分名を下記に示す 燐酸エステル(1);ラウリル酸性燐酸モノエステルと
ラウリル酸性燐酸ジエステルとの混合物 燐酸エステル(2);ポリオキシエチレンアルキル酸性
燐酸モノエステルとポリオキシエチレンアルキル酸性燐
酸ジエステルとの混合物(アルキル基の炭素数は12〜
18であり、EO付加モル数は4である。) 燐酸エステル(3);ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル酸性燐酸モノエステルと、ポリオキシエチ
レンノニルフェノールエーテル酸性燐酸ジエステルとの
混合物(EO付加モル数が4〜15の混合物である。) 非イオン界面活性剤(1);ポリオキシアルキレンアル
キルエーテル(アルキル基の炭素数12〜18、EO付
加モル数は10〜12であり、PO付加モル数は8〜1
0のランダムタイプの混合物である。) 非イオン界面活性剤(2);ポリオキシアルキレンノニ
ルフェニルエーテル(EO付加モル数が8〜12であ
り、PO付加モル数が2〜4である。)
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】表3に示される結果から明らかなように、
実施例1〜6においては、従来から使用されている脂肪
酸アルカリ塩を主成分とする比較例1および2に比べ
て、起泡性は半量以下に低下しているし、また、金属の
発錆および変色もない。
【0063】(実施例3および6ならびに比較例1)前
記起泡性試験の結果、起泡性が低かった実施例3、6の
研磨・研削液について、下記に示す研削性試験を行なっ
た。比較例1の研磨・研削液についても同様に試験し
た。この試験の結果を表4に示した。
【0064】(研削性試験)実施例3、6および比較例
1における研磨・研削原液を水道水で100倍に希釈し
て研磨・研削液を得た。この研磨・研削液をクーラント
として用いて、両面研削盤で、鐘紡(株)製の#300
0のPVA砥石を用いて、面圧100g/cm2 、回転
数60rpm、研削時間270秒でアルミニウム板の仕
上研削加工を行なった。このような加工を10回連続し
て行ない、加工回数に対する研削加工量(基板両面)と
表面粗さとを表4に示した。
【0065】
【表4】
【0066】研削性試験の結果、実施例3および6の研
磨・研削液を使用した場合の加工量は、比較例の研磨・
研削液を使用した場合に比べて約2倍にも達することが
分かった。加工量の増大は生産性に大きく寄与するので
あるから、この発明の研磨・研削液は非常に効率の良い
ことが理解される。ただし、実施例6は、加工回数6〜
7回目で砥石が目詰まりを起こし、比較例1に比べると
加工量は大きいが、実施例3に比べると徐々に加工量が
低下している。実施例3は、連続10回の加工を経ても
加工量は減少することなく、砥石の目詰まり等の不都合
も発生しなかった。
【0067】泡立ちに関しては、比較例1の研磨・研削
液を使用した場合には、加工後の基板、および廃水口に
泡が多量に発生したのに対して、実施例3および6の研
磨・研削液を使用した場合には、研磨液槽、研磨機から
の研磨・研削液のこぼれや、廃水口からの泡の吹き出し
は全く発生しなかった。
【0068】
【発明の効果】この発明によると、通常の機械加工にも
使用されることができ、殊に磁気ディスク用アルミニウ
ム合金基板の研削にも好適に使用されることができ、泡
立ちが少なく、研削速度および防錆性に優れる。磁気デ
ィスク用アルミニウム合金基板の研磨・研削にこの発明
の研磨・研削液を使用すると、研磨・研削処理後のメッ
キ処理に悪影響を与えることもない。
【0069】この発明によると、シリコン系消泡剤を添
加せずに泡立ちの発生を防止でき、さらに研削速度およ
び防錆性にも優れた研磨・研削液を提供することができ
る。
【0070】この発明によると、研削速度、表面精度と
いった一次性能、特に研削速度に優れ、更に泡立ちが少
なく、防錆性にも優れる等、二次性能も良好なクーラン
トとしての研磨・研削液を提供することができる。
【0071】酸性燐酸エステル化合物および/または、
そのアルカリ塩を用いることにより、水溶性の磁気ディ
スク用アルミニウム合金の研削に適した磁気ディスク用
アルミニウム合金研磨・研削液を得ることができる。こ
の研磨・研削液を用いることにより研削速度は、従来使
用されている水溶性研磨・研削液に比べて50%〜10
0%も向上させることができる。さらに、研磨時にクー
ラントに接触したアルミニウム基板表面に燐酸エステル
および/または、そのアルカリ塩が吸着あるいは沈着し
て膜を形成し、その膜が適度な潤滑効果を示すと共に、
被加工物およびクーラントと接触する金属を保護するの
で優れた防錆効果を示す。
【0072】酸性燐酸エステル化合物および/またはそ
のアルカリ塩は、脂肪酸塩と比較して泡立ちが少なく、
特に炭化水素基中にベンゼン核を含有する場合、特に効
果が大きい。さらに、非イオン界面活性剤、特に低泡性
の非イオン界面活性剤とを組み合わせることによって、
両者の相乗効果による低泡性の磁気ディスク用アルミニ
ウム合金研磨・研削液を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性燐酸エステル化合物および/また
    は、そのアルカリ塩を含有することを特徴とする研磨・
    研削液。
  2. 【請求項2】 前記酸性燐酸エステル化合物が、下記一
    般式(1) 【化1】 (但し、式中、Rは炭素数5〜50の炭化水素基を表
    し、EOは−CH2 CH2O−を表し、POは−CH2
    CH(−CH3 )O−を表わす。a、bおよびcの合計
    は0〜30であり、aまたはbが0であることもある。
    xは1または2であり、xが1であるときにはyは2で
    あり、xが2であるときにはyは1である。xが2であ
    るときに分子中に含まれる2個のRは同一であっても相
    違していても良い。)で表される化合物である請求項1
    に記載の研磨・研削液。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)におけるRが下記一般
    式(2) 【化2】 (但し、式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は、
    それぞれ水素または炭素数1〜44の炭化水素基を表
    し、R1 〜R5 における合計炭素数が0〜44である。
    また、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は互いに同一
    であっても相違していても良い。)で示される構造であ
    る前記請求項2に記載の研磨・研削液。
  4. 【請求項4】 前記酸性燐酸エステル化合物および/ま
    たは、そのアルカリ塩を、研磨・研削加工液の濃度とし
    て0.001〜3重量%で含有する前記請求項1〜3の
    いずれかに記載の研磨・研削液。
  5. 【請求項5】 下記一般式(3) 【化3】 (但し、式中、R6 は炭素数1〜30の炭化水素基を、
    EOは−CH2 CH2 O−を、POは−CH2 CH(C
    3 )O−をそれぞれ表す。d、eおよびfの合計数は
    1〜50である。)で表される非イオン界面活性剤を含
    有する前記請求項1〜4のいずれかに記載の研磨・研削
    液。
  6. 【請求項6】 磁気ディスク用アルミニウム合金基板用
    である前記請求項1〜5のいずれかに記載の研磨・研削
    液。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001155332A (ja) * 1999-09-27 2001-06-08 Fujimi America Inc 研磨用組成物およびそれを用いたメモリーハードディスクの製造方法
JP2012524167A (ja) * 2009-04-15 2012-10-11 ドルフ ケタール ケミカルズ(I) プライベート リミテッド 高温ナフテン酸腐食防止のための非ポリマー性かつ非汚損性添加剤及びその使用方法
US8629208B2 (en) 2010-05-12 2014-01-14 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Water-soluble fluid for use in machining of rare earth magnet
WO2017169808A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物

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