JPH0820728B2 - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

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JPH0820728B2
JPH0820728B2 JP63187994A JP18799488A JPH0820728B2 JP H0820728 B2 JPH0820728 B2 JP H0820728B2 JP 63187994 A JP63187994 A JP 63187994A JP 18799488 A JP18799488 A JP 18799488A JP H0820728 B2 JPH0820728 B2 JP H0820728B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、印刷版の製造に適した新規な感光性組成物
に関するものである。さらに詳しくいえば本発明は、機
械的強度およびアルカリ現像性において優れるととも
に、特に感脂性の向上した画像部を形成することができ
る感光性組成物に関するものである。
従来の技術 従来、ネガ型印刷版の製版において、感光材料の感光
剤としてジアゾニウム化合物が多く使用されており、特
にp−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの
縮合物に代表されるジアゾ系樹脂が実用上好ましいもの
として用いられている。
そしてその製版方法としては、上記したようなジアゾ
系樹脂を支持体上に塗布して感光層を形成し、次いでこ
の感光層にネガフィルムを通して紫外線照射による画像
形成露光を施したのち、未露光部を水性現像液で溶解除
去して、光硬化した画像部を形成させる方法が行われて
いる。
しかしながら、前記ジアゾ系樹脂を単独で用いた感光
性材料で感光層を形成した場合、露光により形成される
光硬化画像部の機械的強度が低く、耐刷性に劣るものと
なるため、一般にジアゾ系樹脂中に耐摩耗性の良好な樹
脂を配合することが行われている。
ところで、これらジアゾ系感光剤を含有して成る感光
性材料を用いた印刷版には、耐刷性、感脂性、アルカリ
現像性などに優れることが要求され、これらの要求に応
じた種々の感光材料が提案されている。即ち感光層にジ
アゾ系樹脂を単独で用いる場合、前記したように露光に
より形成される光硬化画像部は機械的強度が低く、耐刷
性に劣るものとなるため、ジアゾ系樹脂中に耐摩耗性の
良好な樹脂を配合することが行われ、例えば2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピルアクリレート又は、2−
ヒドロキシ−3−メチルフェノキシプロピルアクリレー
トなどの単量体単位を含有する高分子重合体とジアゾ系
感光剤とから成る感光性材料が知られている(特公昭57
−51656号公報)。たしかにこのものは、該単位中にベ
ンゼン環を有するため、機械的強度が高く、耐刷性の優
れた印刷版を与えることができるが、アルカリ現像性が
極めて低く、また感脂性も実用上十分なものではないと
いう欠点を有している。
また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート単独重量
体、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルなどの共
重合体及びジアゾニウム化合物から成る感光性組成物
(特開昭50−118802号公報)も知られているが、このも
のは、耐刷性、現像性に優れているが、現像液により画
像部が膨潤しやすいため感脂性が低いなどの欠点を有し
ている。
このように、従来のジアゾ系感光剤を含有した感光性
材料は、印刷版に要求される基本特性である耐刷性、現
像性、及び感脂性を十分に満足するものといえない。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、前記した従来技術の欠点を解消し、印
刷版の製造に適した感光性組成物を開発するために鋭意
研究を重ねた結果、ロジン化合物と無水マレイン酸との
付加反応生成物を、アルコール性水酸基を有する化合物
とエステル化反応させて得られるアルコール可溶性ロジ
ン変性樹脂を配合させた感光性組成物により、その目的
が達成できることを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
本発明は、耐刷性及び現像性に優れ、特に感脂性の向
上した印刷版を与えうる感光性組成物を提供することを
目的としてなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明を概説すれば、本発明は、ジアゾ系感光剤を含
有する感光性材料にアルコール可溶性ロジン変性樹脂を
配合してなる感光性組成物において、該アルコール可溶
性ロジン変性樹脂が、ロジン化合物と無水マレイン酸と
の付加反応生成物を、アルコール性水酸基を有する化合
物とエステル化反応させて得られるエステル化物である
ことを特徴とする感光性組成物に関するものである。
以下、本発明の構成を詳細に説明する。
(感光性材料) 本発明の感光性組成物において、ジアゾ系感光剤を含
有する感光性材料は特に制限はなく、感光剤としてジア
ゾニウム化合物が使用されているものであれば、すべて
有効に使用することができる。具体的にいえば、ジアゾ
系感光剤とバインダーとから構成される感光性材料が好
ましく使用できる。
前記したジアゾ系感光剤としては、従来、ジアゾ系感
光剤として慣用されているジアゾニウム化合物の中から
任意のものを選択して使用することができる。
このようなジアゾニウム化合物としては、例えば4−
ジアゾフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェ
ニルアミン、4−ジアゾ−4′−メトキシジフェニルア
ミン、4−ジアゾ−3−メチル−4′−エトキシジフェ
ニルアミンなどとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒ
ドとの縮合物などを挙げることができるが、特にこれら
のジアゾニウム化合物と有機スルホン酸、例えばベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸などと
の塩が好適に用いられる。
また、前記したバインダーとしては、以下に示される
ようなバインダー構成成分から調製される。
すなわち、バインダー構成成分として、 アクリル酸、 メタクリル酸、 アクリル酸アルキル、 メタクリル酸アルキル、 アクリロニトリル、 メタクリロニトリル、 ヒドロキシアルキルアクリレート、 ヒドロキシアルキルメタクリレート、 ヒドロキシアルコキシアクリレート、 ヒドロキシアルコキシメタクリレート、 ジヒドロキシアルキルアクリレート、 ジヒドロキシアルキルメタクリレート、 ヒドロキシアルコキシプロピルアクリレート、 ヒドロキシアルコキシプロピルメタクリレート、 ε−カプロラクタム変性のβ−ヒドロキシアルキルアク
リレート、 ε−カプロラクタム変性のβ−ヒドロキシアルキルメタ
クリレート などの重合性不飽和化合物を挙げることができる。
また、これらの重合性不飽和化合物のほかに マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボ
ン酸類、 アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和脂肪酸
アミド類、 メチルビニルエーテル類、 スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類、 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類 なども構成成分として使用することができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
バインダーの製造方法としては特に制限はなく、例え
ば前記したバインダー構成成分を適当な溶媒に溶解し、
従来慣用されているラジカル重合開始剤、例えばアゾビ
スイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどを添加
し、必要に応じて加熱して重合を行うことにより得るこ
とができる。このようにして得られたバインダーは、分
子量が1万ないし50万、好ましくは3万ないし10万の範
囲にあるものが用いられる。そして、バインダーにアル
カリ現像性を持たせるために、その酸価を10ないし150
に調整するのが好ましい。
また、本発明においては、前記のようにして調製され
たバインダーのほかに、印刷版に要求される各種特性の
向上を目的として、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ウレ
タン樹脂、酸価を有しないアクリル樹脂、ロジン樹脂な
どを添加してもよい。この場合の添加量は、前記バイン
ダーに対して30重量%以下が好ましい。
本発明の感光性組成物に使用されるジアゾ系感光剤を
含有する感光性材料を調製するには、前記したジアゾ系
感光剤を前記したバインダーに対して、通常は5ないし
40重量%、好ましくは10ないし20重量%の範囲で含有さ
せる。この含有量が5重量%未満では画像部の機械的強
度が低くなるおそれがあるし、40重量%を超えると現像
性が低下する傾向があるので、どちらも好ましくない。
また、調製された感光性材料には、前記したジアゾ系
感光剤及びバインダー以外に、所望に応じ、従来の感光
材料に慣用されている添加成分、例えば染料、顔料、可
塑剤、充てん剤、安定剤などを配合することができる。
(樹脂成分) 次に、本発明で使用されるアルコール可溶性ロジン変
性樹脂成分について説明する。
前記アルコール可溶性ロジン変性樹脂成分としては、
具体的にはロジン化合物と無水マレイン酸との付加反応
生成物およびアルコール性水酸基を有する化合物を混合
し、加熱し、エステル化反応させて得られるエステル化
物である。以下、このエステル化物を得る方法について
説明するが、本発明で使用されるアルコール可溶性ロジ
ン変性樹脂は、このエステル化物に限定されるものでは
ない。
ロジン化合物とは、ロジンを構成するものであり、例
えばアビエチン酸、ネオ−アビエチン酸、ピマル酸、イ
ソ−α−ピマル酸、レボ−ピマル酸などを挙げることが
できる。これらは単独で用いても、2種以上混合して用
いてもよい。
ロジン化合物は、無水マレイン酸と加熱反応させるこ
とによって容易に付加反応生成物を得ることができる。
この付加反応生成物は、無溶剤、無触媒(必要であれば
PdO2、P2O5などを触媒として使用してもよい。)で、ロ
ジン化合物と無水マレイン酸との混合物を100ないし250
℃で加熱反応することによって得ることができる。
ロジン化合物に対する無水マレイン酸の付加率には特
に限定はないが、ロジン化合物に対して無水マレイン酸
が5ないし50重量%の割合で付加したものが好ましく、
この割合が5重量%未満になると、その付加物を多価ア
ルコールでエステル化してもアルコール可溶になりにく
くなるため好ましくなく、逆に、50重量%を超えると酸
価が高くなりすぎ、実用的な現像性や感脂性が得られな
くなるため好ましくない。
次いで、得られた付加反応生成物をアルコール性水酸
基を有する化合物と混合し、加熱してエステル化物を調
製する。
前記した付加反応生成物とエステル化反応させるアル
コール性水酸基を有する化合物としては、例えば、 エチレングリコール、 ジエチレングリコール、 トリエチレングリコール、 テトラエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジプロピレングリコール、 トリメチレングリコール、 ブタンジオール、 1,5−ペンタンジオール、 ヘキシレングリコール、 オクチレングリコール、 グリセリン、 グリセリルモノアセテート、 グリセリルモノブチレート、 トリメチロールプロパン、 1,2,6−ヘキサントリオール などの2価以上の多価アルコールを挙げることができ
る。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよいが、特にこれらの中でも3価のアルコール類
が実用的な現像性及び感脂性を供することができるから
好ましい。
上記のようにしてアルコール可溶性ロジン変性樹脂の
一つであるエステル化物が調製されるが、前記したよう
に本発明で使用されるアルコール可溶性ロジン変性樹脂
はこれに限定されない。しかし、他のアルコール可溶性
ロジン変性樹脂を使用するにしても、アルコール可溶性
ロジン変性樹脂中に前記エステル化物は80重量%以上含
有されていることが好ましく、80重量%未満であると感
脂性の優れたものが得られないため好ましくない。
本発明において、前記したエステル化物のほかに、ア
ルコール可溶性ロジン変性樹脂として市販されているハ
リエスターMSR−4、ハリエスターMT、ハリマックT−8
0、ハリマックFX−25、ハリマック 2723、マリマックA
S−5、ハリマックAS−9(いずれも、播磨化成工業社
製)も使用することができる。
本発明において、アルコール可溶性ロジン変性樹脂
は、酸価が5ないし200の範囲であるものが好ましく、
この範囲をはずれると、実用的なアルカリ現像性及び感
脂性を両立することができなくなるため好ましくない。
(感光性組成物の製造方法) 本発明の感光性組成物は、前記したジアゾ系感光剤を
含有する感光性材料に、前記したアルコール可溶性ロジ
ン変性樹脂を配合することによって得ることができる。
そして、その配合量としては、ジアゾ系感光剤を含有す
る感光材料に対して、アルコール可溶性ロジン変性樹脂
1ないし35重量%、特に5ないし20重量%が好ましい。
この配合量が1重量%未満であると感脂性を向上させる
効果が低くなるため好ましくなく、逆に35重量%を超え
ると耐刷性を著しく低下させるため好ましくない。
(印刷版の製造方法) 本発明の感光性組成物を用いて、印刷版を製造するに
は、まず前記したジアゾ系感光剤を含有する感光性材料
と、アルコール可溶性ロジン変性樹脂を溶媒に溶解し、
これを、基板上に塗布、乾燥して感光層を形成したの
ち、この感光層にネガフィルムを介して紫外線照射し
(すなわち画像形成露光を施し)、次いでアルカリ現像
液を用い現像処理を行って、未露光部分を溶解除去する
ことによって、露光により光硬化した画像部が形成され
印刷版を得ることができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルなどを使用することができ、基板
としては例えばポリエチレンフィルム、亜鉛板、銅板、
アルミニウム板、ガラス板などを使用することができ
る。
実施例 実施例1 ロジン化合物であるアビエチン酸302gと、無水マレイ
ン酸19.6gとを還流管付きフラスコ中で混合したのち、1
80ないし200℃で45分間加熱反応させることによって、
アビエチン酸の無水マレイン酸付加物(付加率20%)の
320gを得た。次いでこれにトリメチロールプロパン42g
を加え、200℃で3時間エステル化反応させることによ
って、アビエチン酸の無水マレイン酸付加物とトリメチ
ロールプロパンとのエステル化物から成るアルコール可
溶性ロジン変性マレイン酸樹脂(I)330gを得た。この
樹脂の酸価は40、重量平均分子量は1,000であり、メチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール及びエチレング
リコールモノメチルエーテルのすべてに対して50重量%
以上の溶解性を有していた。
次いで、このアルコール可溶性ロジン変性マレイ酸樹
脂(I)を用いて、以下に示す感光性組成物を調製し
た。
(1)2,3−ジヒドロキシプロピルモノメタクリート/
メタクリル酸/メタクリル酸イソブチル/アクリロニト
リル=15/7.5/45/32.5重量部から合成されたアクリル系
共重合体(酸価50、重量平均分子量9万) …2g (2)アルコール可溶性ロジン変性マレイン酸樹脂
(I) …0.3g (3)p−ジアゾニウムジフェニルアミンとパラホルム
アルデヒドとの縮合物の2−メトキシ−4−ヒドロキシ
−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸塩 …0.5g (4)ビクトリアピュアーブルーBOH[保土ヶ谷化学工
業社製] …0.04g (5)プルロニックL−64[旭電化社製] …0.02g (6)エチレングリコールモノメチルエーテル …30g 次いで0.24mm厚のアルミニウム板上に、上記(1)な
いし(6)を混合して得られた感光性溶液を乾燥後の重
量が1.8g/m2になるように塗布し、乾燥することによっ
て、アルミニウム板上に感光層を形成した。前記のアル
ミニウム板は、あらかじめナイロンブラシで機械的に砂
目立てしたのち、硫酸で陽極酸化し、ケイ酸塩処理を施
したものであった。
次いで、感光層にネガフィルムを密着させ、2kWメタ
ルハライドランプで70cmの距離から30秒間露光した。こ
の際、黄色蛍光灯下において露光焼き出しが明確に識別
された。露光後、以下に示す組成の現像液に室温で40秒
間浸漬したのち、水洗いすることによってアルミニウム
板上に画像パターンを形成させ、平板印刷版を得た。
〔現像液組成〕
ベンジルアルコール 1.5g 40重量%ケイ酸ナトリウム水溶液 0.5g 亜硫酸ナトリウム 0.5g イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム 0.5g 水 97g 次いで、得られた平板印刷版の表面全体に、非画像部
保護用ガム液「D−48」(東京アルメタル工業社製)を
スポンジで付着後、60℃で2分間乾燥した。
このようにして得られた平板印刷版を用い、5重量%
イソプロピルアルコール水溶液を湿し水とし、オフセッ
ト用油性インキNオフリンLM−FK墨No.5(諸星インキ社
製)を使用し、枝葉オフセットハマダスターCDX900(浜
田製作所社製)で上質紙に印刷したところ、初期着肉不
良による損紙数は10部であり、それ以降はインキの着肉
不良、汚れ、カスレなどの発生のない印刷物を10万部以
上得ることができた。
その後、この平板印刷版をガム引き保存し、7日間経
過後に、同様の方法で印刷したが、損紙数及び耐刷性は
変化していなかった。さらに露光処理前の平板印刷版を
湿度80%、温度40℃の条件下に7日間処置したが、感度
の低下、現像性の低下、感脂性の低下などは見られず、
保存安定性も優れていることが確認された。
比較例1 実施例1で使用されたアルコール可溶性ロジン変性マ
レイン酸樹脂(I)を除いた以外は全て実施例1と同様
にして得られた平板印刷版は、初期着肉不良による損紙
が60部発生した。また7日間ガム引き保存したものは10
0部以上印刷しても、完全にインキが乗らない状態であ
った。
実施例2 実施例1で合成したアルコール可溶性ロジン変性マレ
イン酸樹脂(I)を用いて、実施例1と同様にして、以
下に示す感光性組成物を調製した。
(1)2−ヒドロキシエチルメタクリート/アクリロニ
トリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸=50/20/
25/5重量部から合成されたアクリル系共重合体(酸価3
5、重量平均分子量12万) …1.5g (2)アルコール可溶性ロジン変性マレイン酸樹脂
(I) …0.3g (3)p−ジアゾニウムジフェニルアミンとパラホルム
アルデヒドとの縮合物のp−トルエンスルホン酸…0.25
g (4)オイルブルー#603[オリエント化学工業社製]
…0.08g (5)エチレングリコールモノメチルエーテル …25g (6)メタノール …5g 次いで、実施例1で用いたアルミニウム板上に、上記
(1)ないし(6)を混合して得られた感光性溶液を、
乾燥後の重量が2.48g/m2になるように塗布し、乾燥する
ことによってアルミニウム板上に感光層を形成し、平板
印刷版を得た。
この平板印刷版を実施例1と同様に露光したのち、ア
ルカリ現像液DN−3C(富士写真フィルム社製)と水とを
1:2(重量比)で希釈した現像液1に室温で40秒間浸
漬する現像処理を連続して施した結果、未露光の平板印
刷版を10m2/lまで処理した現像液を用いても、印刷時に
汚れのない印刷物を10万部以上得ることができた。
実施例3 実施例1で使用したアルコール可溶性ロジン変性マレ
イン酸樹脂(I)の代わりに、市販のアルコール可溶性
ロジン変性マレイン酸樹脂であるハリエスターMSR−4
(播磨化成工業社製)[酸価は120ないし140、重量平均
分子量は1,000]を用い、以下に示す感光性組成物を調
製した。
(1)メタクリル酸エチル/アクリロニトリル/メタク
リル酸=50/35/15重量部から合成されたアクリル系共重
合体(酸価80、重量平均分子量6万) …2.3g (2)ハリエスターMSR−4 …0.2g (3)p−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデ
ヒドとの縮合物のヘキサフルオロリン酸塩 …0.25g (4)クリスタルバイオレットパウダー[保土ヶ谷化学
工業社製] …0.02g (5)エチレングリコールモノメチルエーテル …15g (6)ジエチレングリコールモノメチルエーテル …15g 上記(1)ないし(6)を混合して得られた感光性溶
液を、実施例1で用いたアルミニウム板上に、乾燥後の
重量が1.5g/m2になるように塗布し、乾燥することによ
って、アルミニウム板上に感光層を形成し、平板印刷版
を得た。
次いで実施例1と同様に露光を施したのち、以下に示
す組成の現像液に室温で20秒間浸漬したのち、水洗いし
画像の形成された平板印刷版を得た。
〔現像液組成〕
エチレングリコールモノフェニルエーテル …0.6g メタケイ酸ナトリウム …1g ラウリル硫酸ナトリウム …4g 水 …94g 次いで、この平板印刷版を用い、DICH500エッチ液
(大日本インキ化学工業社製)を湿し水として、オフセ
ット用油性インキ(大日本インキ化学工業社製)を用い
て、ハイデルGTO印刷機にかけて、上質紙に印刷したと
ころ、初期着肉不良および汚れのない印刷物を10万部以
上得ることができた。
実施例4 ロジン化合物であるイソ−α−ピマル酸302gと無水マ
レイン酸39gとを還元管付フラスコ中で混合したのち、1
80ないし200℃で45分間加熱反応させることによって、
イソ−α−ピマル酸の無水マレイン酸付加物(付加率40
%)330gを得た。次いでこれにグリセリン50gを加え、2
00℃で3時間エステル化反応させることによって、イソ
−α−ピマル酸の無水マレイン酸付加物とグリセリンと
のエステル化物から成るアルコール可溶性ロジン変性マ
レイン酸樹脂(II)320gを得た。この樹脂の酸価は12
0、重量平均分子量は1,200であり、メチルアルコール、
イソプロピルアルコール及びエチレングリコールモノメ
チルエーテルのすべてに対して50重量%以上の溶解性を
有していた。
次いで、実施例3で用いたハリエスターMSR−4の代
わりに上記したアルコール可溶性ロジン変性マレイン酸
樹脂(II)0.7gを用いた以外は全て実施例3と同様にし
て、感光性溶液を調製し、平板印刷版を得た。この平板
印刷版を用いて実施例3と同様にして印刷したところ、
初期着肉不良および汚れのない印刷物を10万部以上得る
ことができた。
発明の効果 本発明の感光性組成物は、耐刷性、現像性に優れると
ともに、特に従来の印刷版と比べて、感脂性の極めて優
れた実用的な印刷版を与えることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアゾ系感光剤を含有する感光性材料にア
    ルコール可溶性ロジン変性樹脂を配合してなる感光性組
    成物において、該アルコール可溶性ロジン変性樹脂が、
    ロジン化合物と無水マレイン酸との付加反応生成物を、
    アルコール性水酸基を有する化合物とエステル化反応さ
    せて得られるエステル化物であることを特徴とする感光
    性組成物。
  2. 【請求項2】アルコール性水酸基を有する化合物が、多
    価アルコールである請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】アルコール可溶性ロジン変性樹脂が、酸価
    5ないし200のものである請求項1に記載の感光性組成
    物。
  4. 【請求項4】アルコール可溶性ロジン変性樹脂が、ジア
    ゾ系感光剤を含有する感光性材料に対して1〜35重量%
    の割合で配合される請求項1に記載の感光性組成物。
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