JPH082065Y2

JPH082065Y2 - 傘取り付け装置

Info

Publication number: JPH082065Y2
Application number: JP6533489U
Authority: JP
Inventors: 紀久岩田
Original assignee: 紀久岩田
Priority date: 1989-06-06
Filing date: 1989-06-06
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2004-06-06
Also published as: JPH035587U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、自転車等に傘を自立的に傾動自在にして
取り付け保持させ、自転車等の運転を両手で安全に行な
えるようにした傘取り付け装置に関する。

（従来の技術）従来、雨降り時の自転車の運転に際し、自転車に乗っ
たままで走行するには運転者自身が雨水によって濡れな
いように片手で傘をさし、片手で自転車ハンドルをしっ
かりと持って行なうか、片手操作の危険性を回避すべ
く、自転車を降りて押しながら歩行するかしているもの
である。ただ、自転車を押しながら走行するとすれば、
自転車自体が嵩張るものであるから極めて面倒であり、
そのため、運転者は可能であれば雨中でもそのままの走
行運転を希望するものである。ところが、上述のよう
に、本来ならば両手でハンドルを握持してバランスを取
りながら走行すべきこととされているのが、片手操作に
よる自転車の運転ではバランスを取るのが極めて困難と
なるものである。また、傘の保持と自転車の操作との両
方に注意力が分散し、雨に濡れることによる重量の増加
と相俟ち手による傘の支持が不安定となって傘がゆれ、
前方視界を妨げるばかりでなく、停止時におけるブレー
キの利きが偏よる等によって転倒したり、前方物と衝突
したりする等の非常に危険なものであった。そのうえ、
雨等によって道路面が悪くなっていることを鑑みると、
それらが重なり合って一層危険なものであった。

かかる点を解消すべく、従来から自転車のハンドル等
に傘を取り付けることで手による傘の支持を不要とし、
両手でハンドルを持つことができるようにする傘取り付
け具が種々に提案されており、例えば実開昭59-16282号
公報に係る車用傘取付装置のものがある。この車用傘取
付装置は、自転車ハンドルに取り付けられる基台部に、
上部に設けた嵌脱部によって傘を支持する支柱を、この
支柱の下端に形成した球体を嵌め入れて連結し、ねじ送
りで進退されるカムの上面によって上下方向にスライド
する押圧子を介して球体を下方から押し付けることで支
柱を保持するものとしてあるものである。

（考案が解決しようとする課題）ところが、この従来の実開昭59-16282号公報に係る車
用傘取付装置によると、傘を支持する支柱自体の下部で
あるハンドル直上の基台部において屈曲傾動するため
に、ハンドル後方のサドルに腰掛ける運転者の直上に傘
が位置せず、運転者の身体が十分に覆われずに濡れてし
まうのものである。また、支柱上部に設けた正面から見
てほぼ矩形状の嵌脱部によって傘の柄部分を挟み込むも
のとしているから、この嵌脱部自体が前方視界を大きく
妨げ、自転車運転の邪魔になるものである。そればかり
でなく、傘を使用しないときには基台部、支柱自体は簡
単に取り外すことができない構造となっているために邪
魔になり、ハンドル上方におおきく出張るこれらの部材
は運転する上でかえって危険になるものであった。

そこで、考案者は、この種の自転車用の傘取付器具と
して必要とされる諸条件を考察したところ、使用時にお
ける形態、非使用時における格納形態等を考慮すると次
のような条件が必要であることが判明し、また、これら
の条件を使用者が必要としていることに着目し、この考
案を案出するに至ったものである。まず、基本的に、運
転者の両手で自転車のハンドルを握りながら傘を使用で
きるように自転車ハンドルの一部と傘とを連結できるこ
とであり、雨が降り懸かる方向に対して傘の支持角度の
傾き加減を調整できること、自転車ハンドルと一体化す
る支持部材によってハンドル上方で傘を支持しても前方
視界を妨げないこと、自転車運転者の身長等に対応して
傘の支持高さの調整が可能であること、傘を必要としな
い非使用時では運転に差し障りがないように簡単に邪魔
でない位置に退避格納可能であること、等である。

すなわち、この考案は、叙上のような従来存した諸事
情に鑑み案出されたもので、降雨時等に使用する傘を自
転車に取り付け保持することで降雨時の自転車の運転に
際し誰でも安全に両手で自転車を操作でき、しかも、差
し掛ける傘は降雨方向、運転者の身長その他に対応して
傾き角度、支持高さ等を自在に調整できるばかりでな
く、非使用時では邪魔にならない位置に退避保持させて
おくことができる傘取り付け装置を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段）上述した目的を達成するため、この考案にあっては、
自転車の如き被取付車体のパイプ部材、例えばハンドル
Ｈに対してハンドルＨを中心軸として回転自在に取り付
けられる取付グリップ１と、この取付グリップ１に連繋
され、先端に球体状の柄連結部４が形成されている所定
長さの中継ぎシャフト３と、柄連結部４が嵌め込まれる
空洞状の受け座５が底面に形成されている傘Ｕの柄体６
と、柄体６を柄連結部４に着脱自在に固定するよう柄体
６に捩じ込まれる固定ネジ７とを備えていることを特徴
とする。

そして、柄体６は、傘Ｕのグリップを兼用しているも
のとして、中継ぎシャフト３は、ハンドルＨに対してハ
ンドルＨを中心として回転自在に取り付けられるホルダ
ー部材９にスライド自在に貫挿して夫々構成することが
できる。

（作用）この考案に係る傘取り付け装置にあって、取付グリッ
プ１あるいはホルダー部材９は、これに連繋されている
中継ぎシャフト３を自転車のハンドルＨを中心軸として
回転させ、上方へ向けてハンドルＨに対して直立させた
状態で使用させ、あるいは下方に向けて退避させた状態
で格納させる。また、直立使用時では、自転車の運転者
に対し近付けあるいは遠ざけさせ、傘Ｕの前後位置を設
定させる。

所定長さの中継ぎシャフト３は、ハンドルＨからの所
定高さ位置で先端の柄連結部４によって傘Ｕを保持させ
る。また、ハンドルＨから離れた上方位置に設定された
球体状の柄連結部４は、その球面に対する方向の自在性
によって前後、左右の任意位置で傘Ｕの傾き角度を自在
に調整させ、設定された傾き角度は固定ネジ７によって
固定保持される。

傘Ｕを保持している中継ぎシャフト３及び柄体６は、
柄連結部４が嵌め込まれる傘Ｕの柄体６によって傘Ｕ自
体を連結させていることと相俟ち、自転車の運転者の前
方においてほぼ直線的なものとさせ、その前方視界を閉
塞せず、前方物を確認するに際し視界を妨げさせない。

不使用時の傘Ｕは、固定ネジ７の解除によって中継ぎ
シャフト３から柄体６と共に取り外させ、グリップを兼
用する柄体６によって傘Ｕとしてそのまま使用させる一
方、使用されない中継ぎシャフト３は、ハンドルＨに取
り付けたままで下方退避させられ、邪魔にならない。

中継ぎシャフト３をスライド自在に貫挿しているホル
ダー部材９は、ハンドルＨへの取り付け使用時におい
て、先端の傘Ｕ取り付け位置である柄連結部４を上下に
スライドさせ、例えば自転車の運転者の身長に対応させ
た高さに調整設定させる。

（実施例）以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明する
に、図において示される符号１は自転車の如き被取付車
体のパイプ部材、例えばハンドルＨにおけるヘッドパイ
プ近傍部分に、その取付部分にスライドされることなく
直接に取り付けられるようにしたほぼリング状の取付グ
リップであり、ハンドルＨに対してハンドルＨを中心軸
として回転自在となるようにしてある。図示例における
取付グリップ１は、側面から見て半円形状の一対の挟持
体を互いに対向状態でハンドルＨへの取付部位に直接に
装着してネジ止めすると共に、挟持体のいずれか一方の
外側から挟持体に捩じ込まれた取付ネジ２の先端をハン
ドルＨに圧止することでハンドルＨに固定されるものと
してある（第２図参照）。そして、取付ネジ２の捩じ込
みの解除によって取付グリップ１自体を回転でき、回転
後の適位置での再度の捩じ込みによって取付グリップ１
自体をハンドルＨに対して固定できるようにしてある
（第４図参照）。

この取付グリップ１には、所定長さの中継ぎシャフト
３がハンドルＨに対してほぼ直交するような形態で連繋
されており、先端には球体状の柄連結部４が形成されて
いる。中継ぎシャフト３自体の長さは、ハンドルＨ上に
立脚されたときにおいて、柄連結部４を介して連結され
る傘Ｕが自転車の運転者の身体を覆う高さ位置となるよ
うに傘Ｕ自体のシャフト長さを考慮して設定されている
（第１図参照）。

一方、中継ぎシャフト３に連結される雨傘、日傘等の
傘Ｕは、前記の球体状の柄連結部４が嵌まり込み、固定
される空洞状の受け座５を底面に形成してある柄体６を
備えたものとされている。この柄体６自体は、折り畳み
式の携帯用の傘Ｕにおける規格化されているメネジ構造
を有する通常の傘柄と交換可能なものとして、また、傘
Ｕ自体のグリップを兼用するものとして形成され、柄体
６を取り付けた状態でも折り畳み式携帯用の傘Ｕとして
そのまま使用できるようにしてある。図示例における柄
体６の受け座５は、柄連結部４がやや強制的に嵌め入れ
られる伸縮自在な連結口と、柄連結部４の球面形状に対
応する球面窪み状の収納部とを備えており、また、柄体
６の外側から柄体６側壁に捩じ込まれる固定ネジ７によ
って連結口を収縮することで収納部内に柄連結部４がし
っかりと嵌め込み固定されるようにしてある（第３図参
照）。もとより、柄連結部４と受け座５との嵌め込み固
定は、例えば固定ネジ７先端を柄連結部４表面に圧止す
るようにすることでも可能である。

更に、第５図においては別の実施例が示されており、
この実施例においては中継ぎシャフト３を昇降自在にし
たものである。すなわち、ハンドルＨに取付バンド８を
介して回転自在に取り付けられる中空なホルダー部材９
に中継ぎシャフト３をスライド自在に貫挿すると共に、
ホルダー部材９の外側からホルダー部材９自体に捩じ込
んだ締付けネジ10先端を、ホルダー部材９に対して適当
にスライド調整された中継ぎシャフト３面に圧止するこ
とで中継ぎシャフト３を固定保持できるようにしてあ
る。また、取付バンド８は、例えば図示のように、ハン
ドルＨの取付部分に嵌め合わせられる湾曲部の両端に、
ホルダー部材９面に当接ネジ止めされる取付片を対状に
連設することで側面ほぼΩ字形を呈するように形成され
たものであり、ホルダー部材９と共にハンドルＨを囲ん
だ状態でハンドルＨを中心に回転されるようになってい
る。

この考案は以上のように構成されており、次にこれの
使用の一例を説明すると、第１図に示すように、ハンド
ルＨを囲繞して取り付けられる取付グリップ１を介して
中継ぎシャフト３をハンドルＨに対して直立させる一
方、傘Ｕにおける柄体６の受け座５を中継ぎシャフト３
先端の柄連結部４に嵌め込ませて固定する。このとき、
取付グリップ１におけるハンドルＨに対する回転角度の
調整による自転車の運転者に対する前後の位置決めを行
なって取付ネジ２によって取付グリップ１を固定し、ま
た、ハンドルＨの上方位置においての中継ぎシャフト３
先端の柄連結部４の球面を利用して中継ぎシャフト３に
対する傘Ｕの前後、左右方向に対する傾き角度を位置決
めして固定ネジ７によって柄体６を中継ぎシャフト３に
固定連結するのである。更には、ホルダー部材９による
中継ぎシャフト３のスライド調整が可能であれば、中継
ぎシャフト３の上下高さを位置決めして締付けネジ10に
よって固定するのである。

なお、傘Ｕを使用しない場合には、固定ネジ７による
捩じ込みを解除して柄体６を中継ぎシャフト３から取り
外すことでグリップを兼用する柄体６によって傘Ｕ全体
を独立のものとして使用できる一方、第４図に示すよう
に、取付ネジ２による捩じ込みを緩めることでハンドル
Ｈに取り付けたままで取付グリップ１をハンドルＨを中
心として回転させることにより中継ぎシャフト３を下方
に向けるものである。

（考案の効果）この考案は以上のように構成されており、これがた
め、降雨時等に使用する傘Ｕを自転車に取り付け保持で
き、自転車の運転者自身で傘Ｕを持つ必要がなくなるか
ら降雨時の自転車の運転に際し濡れることなく、誰でも
安全に両手で自転車を確実に操作できるものである。し
かも、差し掛ける傘Ｕは降雨方向、運転者の身長その他
に対応して傾き角度をハンドルＨ上方位置で自在に調整
できるばかりでなく、非使用時では邪魔にならないよう
に下方に向けた位置に退避格納させておくことができる
ものである。

すなわち、これは、この考案において、連繋された所
定長さの中継ぎシャフト３をハンドルＨに対して回転自
在に取り付ける取付グリップ１、中継ぎシャフト３の先
端に形成された球体状の柄連結部４に着脱自在に固定さ
れる傘Ｕの柄体６を備えたものとしたからであり、これ
によって自転車に傘Ｕを自立的に傾動自在にして取り付
け保持させ、自転車の運転を両手で安全に行なえるので
ある。

また、取付グリップ１は、ハンドルＨに回転自在に取
り付けられるから、取付グリップ１自体に連繋された中
継ぎシャフト３を、傘Ｕを支持すべくハンドルＨに対し
て直立状態に、あるいは非使用時ではハンドルＨに取り
付けたままで邪魔にならない下方に向けた退避格納状態
にできるのである。しかも、使用時では、その回転角度
の変更によって傘Ｕを直立状態に維持したままでも自転
車の運転者に対して近付けたり、遠ざけたりの位置決め
を自在に調整でき、また、所定長さの中継ぎシャフト３
の先端にある柄連結部４、これに嵌まり込む受け座５、
両者4,5の傾け角度を固定する固定ネジ７によって、ハ
ンドルＨの上方位置における傾け角度の自在性と共に適
確な傘Ｕの位置を保持設定できるのである。

そればかりでなく、傘Ｕを傾けて使用する場合、特に
左右方向に傾ける場合には、傘Ｕ自体のシャフト長さの
みに対応した分で左右方向に僅かに出張るにすぎないか
ら、他の往来者との接触も少くなり、安全に使用できる
利点もある。

傘Ｕを保持した使用中では、ハンドルＨの上には中継
ぎシャフト３と、これに直接に連結される傘Ｕの柄体６
とがあるのみで、傘Ｕを支持するために従来のものにあ
るような左右に大きく出張る支持部材は全くないから、
自転車の運転者の前方視界を妨げることはなく、交通安
全に大きく寄与するのである。

一方、傘Ｕを使用しないときには、固定ネジ７の解除
によって中継ぎシャフト３から傘Ｕ自体を柄体６と共に
取り外すことができ、取り外した傘Ｕは、グリップを兼
用する柄体６によってそのまま握って使用できると共
に、逆に、降雨時等における自転車の運転時では簡単に
傘Ｕを自転車にセットできるから極めて便利である。

また、ハンドルＨに対して回転自在に取り付けられた
ホルダー部材９は、これに中継ぎシャフト３をスライド
自在に貫挿しているから、ハンドルＨに取り付け使用時
において、中継ぎシャフト３先端の傘Ｕ取り付け位置で
ある柄連結部４を上下にスライドでき、例えば自転車の
運転者の身長に対応させた高さに調整設定することがで
き、汎用性に優れるものである。

なお、この考案傘取り付け装置は、自転車のみなら
ず、例えば車椅子、乳母車、買物手押車その他にも同様
に使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は使用
状態の斜視図、第２図は自転車のハンドルへの取付部分
を表わす一部省略分解斜視図、第３図は柄体と中継ぎシ
ャフトとの連繋を表わす分解斜視図、第４図は非使用時
における収納状態の側面図、第５図は他の実施例におけ
る要部斜視図である。Ｈ……ハンドル、Ｕ……傘、１……取付グリップ、２…
…取付ネジ、３……中継ぎシャフト、４……柄連結部、
５……受け座、６……柄体、７……固定ネジ、８……取
付バンド、９……ホルダー部材、10……締付けネジ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被取付車体のパイプ部材に対してパイプ部
材を中心軸として回転自在に取り付けられる取付グリッ
プと、この取付グリップに連繋され、先端に球体状の柄
連結部が形成されている所定長さの中継ぎシャフトと、
柄連結部が嵌め込まれる空洞状の受け座が底面に形成さ
れている傘の柄体と、柄体を柄連結部に着脱自在に固定
するよう柄体に捩じ込まれる固定ネジとを備えているこ
とを特徴とする傘取り付け装置。
【請求項２】柄体は、傘のグリップを兼用している請求
項１項記載の傘取り付け装置。
【請求項３】中継ぎシャフトは、パイプ部材に対してパ
イプ部材を中心として回転自在に取り付けられるホルダ
ー部材にスライド自在に貫挿してある請求項１または２
記載の傘取り付け装置。