JPH08205890A - ビール酵母の凝集性評価方法 - Google Patents
ビール酵母の凝集性評価方法Info
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- JPH08205890A JPH08205890A JP1544895A JP1544895A JPH08205890A JP H08205890 A JPH08205890 A JP H08205890A JP 1544895 A JP1544895 A JP 1544895A JP 1544895 A JP1544895 A JP 1544895A JP H08205890 A JPH08205890 A JP H08205890A
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- JP
- Japan
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- yeast
- beer yeast
- absorbance
- flocculating properties
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 評価対象のビール酵母を全窒素量を低濃度、
好ましくは40mg/100ml以下に調整した培地で前培養した
後に、Caイオンとの共存下でビール酵母の凝集性を評価
することを特徴とするビール酵母の凝集性評価方法。 【効果】 本発明によれば、従来小規模発酵試験をおこ
なって初めて検出されたビール酵母の凝集性の違いを簡
便な方法で調べることが可能となる。
好ましくは40mg/100ml以下に調整した培地で前培養した
後に、Caイオンとの共存下でビール酵母の凝集性を評価
することを特徴とするビール酵母の凝集性評価方法。 【効果】 本発明によれば、従来小規模発酵試験をおこ
なって初めて検出されたビール酵母の凝集性の違いを簡
便な方法で調べることが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール製造の際に使用
する酵母の重要な特性のひとつである凝集性を正確に評
価する方法に関するものである。
する酵母の重要な特性のひとつである凝集性を正確に評
価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドイツを中心に日本、その他の各国でラ
ガータイプのビールが広く製造されているが、これに使
用される酵母は、発酵が終了に近づくと酵母が凝集して
発酵液の底に沈降する特性を持ち、特に下面酵母と呼ば
れている。ビール醸造では、発酵が終了して沈降した酵
母を回収して、さらに次回の発酵へ繰り返して使用する
という製造上の特徴があるために、下面酵母のこの発酵
後期に沈降する性質は、ビール醸造にとって大きな意味
を持つ。一方、凝集性は遺伝解析などの実験用途で使用
される酵母(以後、実験室酵母と呼ぶ)でも観察される
が、この様な株の凝集性は非常に強く、増殖中常に観察
されることが多い。従って、培養初期の段階でも培養液
から容易に沈降して分離する現象が観察される。
ガータイプのビールが広く製造されているが、これに使
用される酵母は、発酵が終了に近づくと酵母が凝集して
発酵液の底に沈降する特性を持ち、特に下面酵母と呼ば
れている。ビール醸造では、発酵が終了して沈降した酵
母を回収して、さらに次回の発酵へ繰り返して使用する
という製造上の特徴があるために、下面酵母のこの発酵
後期に沈降する性質は、ビール醸造にとって大きな意味
を持つ。一方、凝集性は遺伝解析などの実験用途で使用
される酵母(以後、実験室酵母と呼ぶ)でも観察される
が、この様な株の凝集性は非常に強く、増殖中常に観察
されることが多い。従って、培養初期の段階でも培養液
から容易に沈降して分離する現象が観察される。
【0003】ビール酵母は製品ビールの香味等を決定す
る大きな要因の一つであるため、優秀な酵母を選抜、あ
るいは育種することはビール生産者の課題となっている
が、下面酵母の優劣の判定の際に、凝集性の評価は重要
な意味がある。なぜならば、凝集性が無い株は発酵後期
になっても浮遊したままで、酵母をビールから取り除く
ために遠心分離などの操作が必要になる。従って、適当
な強さ、あるいは微弱な強さの凝集性を持つ株を選択す
る必要があるからである。
る大きな要因の一つであるため、優秀な酵母を選抜、あ
るいは育種することはビール生産者の課題となっている
が、下面酵母の優劣の判定の際に、凝集性の評価は重要
な意味がある。なぜならば、凝集性が無い株は発酵後期
になっても浮遊したままで、酵母をビールから取り除く
ために遠心分離などの操作が必要になる。従って、適当
な強さ、あるいは微弱な強さの凝集性を持つ株を選択す
る必要があるからである。
【0004】しかし、実際の製造現場を模して凝集性を
判定するには手間もかかるし、また、凝集性の微妙な違
いを評価することも困難であった。従って、古くから多
くの研究者によって凝集性の簡易評価方法が提案されて
きた。その多くは凝集促進物質であるCaイオンを酵母と
共存させることによって短期に凝集を起こさせてその度
合いを測定するものである。
判定するには手間もかかるし、また、凝集性の微妙な違
いを評価することも困難であった。従って、古くから多
くの研究者によって凝集性の簡易評価方法が提案されて
きた。その多くは凝集促進物質であるCaイオンを酵母と
共存させることによって短期に凝集を起こさせてその度
合いを測定するものである。
【0005】例えば、リプケらは以下の方法を提案して
いる [J.Bacteriol., 159, 797-799(1984)]。まず、対
象となる酵母をYPD 培地(組成グルコース2%、ペプトン
2%、酵母エキス1%) で培養した後に、塩化カルシウムを
含むトリスバッファ−で洗浄、希釈して、その後、4秒
間強く撹拌して5分間放置して濁度(OD660nm)を測定す
ることで、凝集性を評価する。この方法を追試してみる
と、非常に強い凝集性を有する実験室酵母であれば評価
可能であるが、ビール製造に実際使用する酵母における
弱い凝集性を判定する際には沈降は見られず、評価方法
としての機能を果たさなかった。
いる [J.Bacteriol., 159, 797-799(1984)]。まず、対
象となる酵母をYPD 培地(組成グルコース2%、ペプトン
2%、酵母エキス1%) で培養した後に、塩化カルシウムを
含むトリスバッファ−で洗浄、希釈して、その後、4秒
間強く撹拌して5分間放置して濁度(OD660nm)を測定す
ることで、凝集性を評価する。この方法を追試してみる
と、非常に強い凝集性を有する実験室酵母であれば評価
可能であるが、ビール製造に実際使用する酵母における
弱い凝集性を判定する際には沈降は見られず、評価方法
としての機能を果たさなかった。
【0006】この他に提案されている方法においても、
YPD 培地で培養した後に塩化カルシウムを含む緩衝液中
で長時間撹拌することによってエール製造用酵母の微弱
な凝集性を測定できるようにするというストラトフォー
ドらの方法 [Yeast, 4, 107-115 (1988)] があったが、
下面酵母の凝集性を評価する上では満足できるものでは
なかった。
YPD 培地で培養した後に塩化カルシウムを含む緩衝液中
で長時間撹拌することによってエール製造用酵母の微弱
な凝集性を測定できるようにするというストラトフォー
ドらの方法 [Yeast, 4, 107-115 (1988)] があったが、
下面酵母の凝集性を評価する上では満足できるものでは
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、実際
のビール製造に使用する酵母の微弱な凝集性を評価でき
る方法を提供するにある。
のビール製造に使用する酵母の微弱な凝集性を評価でき
る方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母を前培養する際
の培地組成、特に全窒素濃度に着目し、その濃度範囲を
調整することによって、ビール酵母の凝集性を強く誘導
できることを見いだし、引き続きおこなうCaイオン共存
下での凝集性評価の際に凝集性の違いを評価できること
を見い出して本発明を完成した。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母を前培養する際
の培地組成、特に全窒素濃度に着目し、その濃度範囲を
調整することによって、ビール酵母の凝集性を強く誘導
できることを見いだし、引き続きおこなうCaイオン共存
下での凝集性評価の際に凝集性の違いを評価できること
を見い出して本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明の酵母凝集性の評価方法
は、Caイオン共存下でのビール酵母の凝集性試験におい
て、評価対象のビール酵母を全窒素量を低濃度に調整し
た培地で前培養することを特徴としている。
は、Caイオン共存下でのビール酵母の凝集性試験におい
て、評価対象のビール酵母を全窒素量を低濃度に調整し
た培地で前培養することを特徴としている。
【0010】以下に、本発明の方法を具体的に示すが、
この方法に限定されることはない。まず、評価しようと
するビール酵母を炭素源と窒素源を含む培地で前培養し
て菌体を増殖させる。この際、培地に含まれる全窒素量
を低濃度、好ましくは40mg/100ml以下、さらに適当な菌
体増殖速度を得るために最も好ましくは20〜30mg/100ml
にすることが必要である。窒素源としては、酵母エキ
ス、ペプトン、硫酸アンモニウムなどが使用可能であ
る。また、炭素源としてはグルコース、マルトースなど
が使用可能である。
この方法に限定されることはない。まず、評価しようと
するビール酵母を炭素源と窒素源を含む培地で前培養し
て菌体を増殖させる。この際、培地に含まれる全窒素量
を低濃度、好ましくは40mg/100ml以下、さらに適当な菌
体増殖速度を得るために最も好ましくは20〜30mg/100ml
にすることが必要である。窒素源としては、酵母エキ
ス、ペプトン、硫酸アンモニウムなどが使用可能であ
る。また、炭素源としてはグルコース、マルトースなど
が使用可能である。
【0011】培養方法は通常の静置培養で行えば良い
が、撹拌培養でも可能である。これを通常20℃で4〜7
日間培養する。
が、撹拌培養でも可能である。これを通常20℃で4〜7
日間培養する。
【0012】培養終了後、酵母菌体を回収し、Caイオン
共存下での評価方法に供する。評価方法は過去報告され
た方法を参考にしておこなえばよい。以下に具体例を示
す。
共存下での評価方法に供する。評価方法は過去報告され
た方法を参考にしておこなえばよい。以下に具体例を示
す。
【0013】菌体の回収方法は遠心分離等の通常知られ
た方法でよい。回収後、蒸留水で洗浄する。洗浄後、菌
体数を調整して緩衝液、たとえばEDTA溶液を添加した0.
1M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.6) に懸濁する。こ
のとき、菌体濃度は最終的に約4 〜10×107 細胞個/ml
となるように調整するのが好ましいが、これに限らず、
酵母が凝集塊を形成するのに必要な菌体濃度より濃けれ
ば使用可能であるさらに試験には塩化カルシウム水溶液
を添加する。対照には蒸留水を添加する。
た方法でよい。回収後、蒸留水で洗浄する。洗浄後、菌
体数を調整して緩衝液、たとえばEDTA溶液を添加した0.
1M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.6) に懸濁する。こ
のとき、菌体濃度は最終的に約4 〜10×107 細胞個/ml
となるように調整するのが好ましいが、これに限らず、
酵母が凝集塊を形成するのに必要な菌体濃度より濃けれ
ば使用可能であるさらに試験には塩化カルシウム水溶液
を添加する。対照には蒸留水を添加する。
【0014】菌体を接触させ、凝集塊を形成させるため
に、この混合液を30分間〜1時間程度、激しく撹拌す
る。撹拌方法については例えば、MIX-TOWER (TAITEC 社
製)を用いて、最大強度で振盪すれば良い。停止後、約
15〜30分後に吸光度OD(660nm)を測定する。試験区のOD
を対照区のODと比較することによりその凝集性の目安に
する。つまり、試験区の濁度が大きければ大きいほど凝
集性が低いことになる。
に、この混合液を30分間〜1時間程度、激しく撹拌す
る。撹拌方法については例えば、MIX-TOWER (TAITEC 社
製)を用いて、最大強度で振盪すれば良い。停止後、約
15〜30分後に吸光度OD(660nm)を測定する。試験区のOD
を対照区のODと比較することによりその凝集性の目安に
する。つまり、試験区の濁度が大きければ大きいほど凝
集性が低いことになる。
【0015】
【実施例】次に実施例を示して本発明を詳しく説明する
が、これらに限定されるものではない。 〔実施例1〕微弱な凝集性を有する下面酵母と凝集性が
無く発酵後期でも浮遊している酵母を供試酵母として用
いた。使用する培地として、グルコース5%は固定して、
酵母エキス(ディフコ社)を(1) 0.1、(2) 0.2 、(3)
0.3 % それぞれ加えた3種類作製した。それぞれの培地
の全窒素量は、10.1、20.4および33.2mg/100mlであっ
た。全窒素はケルダール法で求めた。シリコ栓で蓋をし
た300ml 容三角フラスコを滅菌し、上記培地を滅菌後15
0mlずつ分注した。その培地へ1白金耳の菌体を接種
し、20℃で静置培養した。4日間培養後、あらかじめ氷
冷した蒸留水で4回集菌洗浄(3000rpm 、10分間)し
た。洗浄後、回収した菌体を蒸留水で8 ×108 細胞個/m
l になるように希釈した。この菌体希釈液を試験管(外
径18mm×長さ105 mm) に0.3ml 取り、0.1M酢酸−酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH4.6)5.1mlと40mM EDTA (pH8.0) 0.3m
l を添加した。その試験管へ対照には蒸留水0.3 ml、試
験試料には200mM 塩化カルシウム水溶液0.3ml を添加し
て、MIX-TOWER の最大強度で振盪した。60分間後に振盪
を止めて、さらに30分間経過後の吸光度OD(660nm) を測
定した。吸光度計はMILTON ROY社製のSPECTRONIC 21 を
使用した。試験試料の吸光度をA、対照試料の吸光度を
Bとした際の (1-A/B)×100 の値を凝集性の大小を示す
指標FLO%とした。結果を表1に示す。
が、これらに限定されるものではない。 〔実施例1〕微弱な凝集性を有する下面酵母と凝集性が
無く発酵後期でも浮遊している酵母を供試酵母として用
いた。使用する培地として、グルコース5%は固定して、
酵母エキス(ディフコ社)を(1) 0.1、(2) 0.2 、(3)
0.3 % それぞれ加えた3種類作製した。それぞれの培地
の全窒素量は、10.1、20.4および33.2mg/100mlであっ
た。全窒素はケルダール法で求めた。シリコ栓で蓋をし
た300ml 容三角フラスコを滅菌し、上記培地を滅菌後15
0mlずつ分注した。その培地へ1白金耳の菌体を接種
し、20℃で静置培養した。4日間培養後、あらかじめ氷
冷した蒸留水で4回集菌洗浄(3000rpm 、10分間)し
た。洗浄後、回収した菌体を蒸留水で8 ×108 細胞個/m
l になるように希釈した。この菌体希釈液を試験管(外
径18mm×長さ105 mm) に0.3ml 取り、0.1M酢酸−酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH4.6)5.1mlと40mM EDTA (pH8.0) 0.3m
l を添加した。その試験管へ対照には蒸留水0.3 ml、試
験試料には200mM 塩化カルシウム水溶液0.3ml を添加し
て、MIX-TOWER の最大強度で振盪した。60分間後に振盪
を止めて、さらに30分間経過後の吸光度OD(660nm) を測
定した。吸光度計はMILTON ROY社製のSPECTRONIC 21 を
使用した。試験試料の吸光度をA、対照試料の吸光度を
Bとした際の (1-A/B)×100 の値を凝集性の大小を示す
指標FLO%とした。結果を表1に示す。
【表1】 以上のように凝集性がある酵母ではFLO%の値が大きいこ
とがわかる。
とがわかる。
【0016】〔比較例1〕実施例1で用いた凝集性のあ
る酵母を使用して、培地の組成を (4)グルコース5%、酵
母エキス0.5%(全窒素量56.1mg/100ml)、(5) YPD 培地
[組成グルコース2%、ペプトン(ディフコ社)2%、酵母
エキス(ディフコ社)1%、全窒素量377mg/100ml]に変え
ただけでほかは全く同様におこなった。結果を表2に示
す。
る酵母を使用して、培地の組成を (4)グルコース5%、酵
母エキス0.5%(全窒素量56.1mg/100ml)、(5) YPD 培地
[組成グルコース2%、ペプトン(ディフコ社)2%、酵母
エキス(ディフコ社)1%、全窒素量377mg/100ml]に変え
ただけでほかは全く同様におこなった。結果を表2に示
す。
【0017】
【表2】 凝集性がある酵母でも、酵母エキス(全窒素含量)を多
くしたもの、ならびにYPD 培地では凝集性を示さない。
くしたもの、ならびにYPD 培地では凝集性を示さない。
【0018】〔実施例2〕200ml 容三角フラスコに100m
l 培地(グルコース5%、酵母エキス0.2%) を分注して滅
菌後、試料とする酵母(〜)を一白金耳接種し20℃
で4日間培養した。この菌体を回収して2回蒸留水で集
菌洗浄した後、OD (800nm)が40〜50になるように(日立
製作所製、U2000 型使用)菌体濃度を調整した。この菌
体希釈液を試験管(外径18mm×長さ105mm)に0.3ml 取
り、0.1M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.6) 5.1ml と
40mM EDTA (pH8.0) 0.3ml を添加した。その試験管へ対
照には蒸留水0.3ml 、試験試料には200mM 塩化カルシウ
ム水溶液0.3ml を添加して、MIX-TOWER の最大強度で振
盪した。60分間後に振盪を止めて、さらに30分間経過後
のOD (660nm)を測定した。吸光度計はMILTON ROY社製の
SPECTRONIC 21 を使用した。試験試料の吸光度をA、対
照試料の吸光度をBとした際の(1-A/B)×100 の値を凝
集性の大小を示す指標FLO%とした。
l 培地(グルコース5%、酵母エキス0.2%) を分注して滅
菌後、試料とする酵母(〜)を一白金耳接種し20℃
で4日間培養した。この菌体を回収して2回蒸留水で集
菌洗浄した後、OD (800nm)が40〜50になるように(日立
製作所製、U2000 型使用)菌体濃度を調整した。この菌
体希釈液を試験管(外径18mm×長さ105mm)に0.3ml 取
り、0.1M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.6) 5.1ml と
40mM EDTA (pH8.0) 0.3ml を添加した。その試験管へ対
照には蒸留水0.3ml 、試験試料には200mM 塩化カルシウ
ム水溶液0.3ml を添加して、MIX-TOWER の最大強度で振
盪した。60分間後に振盪を止めて、さらに30分間経過後
のOD (660nm)を測定した。吸光度計はMILTON ROY社製の
SPECTRONIC 21 を使用した。試験試料の吸光度をA、対
照試料の吸光度をBとした際の(1-A/B)×100 の値を凝
集性の大小を示す指標FLO%とした。
【0019】試験に供した酵母については、実際に常法
にしたがってビールの500ml 容の小規模発酵試験を行
い、発酵終了時に沈降した菌体量で凝集性を確認した。
小規模発酵試験は500ml の麦汁に0.5 重量%となるよう
に酵母を懸濁し、撹拌して空気を飽和させた後、高さ12
0 cmの発酵試験管に分注して、8℃、7日間静置して行
った。FLO%と凝集性の比較を表3にまとめた。
にしたがってビールの500ml 容の小規模発酵試験を行
い、発酵終了時に沈降した菌体量で凝集性を確認した。
小規模発酵試験は500ml の麦汁に0.5 重量%となるよう
に酵母を懸濁し、撹拌して空気を飽和させた後、高さ12
0 cmの発酵試験管に分注して、8℃、7日間静置して行
った。FLO%と凝集性の比較を表3にまとめた。
【0020】
【表3】 以上のようにFLO%の値は実際の発酵における凝集性を正
確に反映しており、この値は凝集性の指標になり得るこ
とは明らかである。
確に反映しており、この値は凝集性の指標になり得るこ
とは明らかである。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、従来小規模発酵試験を
おこなって初めて検出されたビール酵母の凝集性の違い
を簡便な方法で調べることが可能となる。
おこなって初めて検出されたビール酵母の凝集性の違い
を簡便な方法で調べることが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 評価対象のビール酵母を全窒素量を低濃
度に調整した培地で前培養した後に、Caイオンとの共存
下でビール酵母の凝集性を評価することを特徴とするビ
ール酵母の凝集性評価方法。 - 【請求項2】 培地中の全窒素量が40mg/100ml以下に調
整することを特徴とする請求項1記載のビール酵母の凝
集性評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1544895A JPH08205890A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ビール酵母の凝集性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1544895A JPH08205890A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ビール酵母の凝集性評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08205890A true JPH08205890A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11889095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1544895A Pending JPH08205890A (ja) | 1995-02-01 | 1995-02-01 | ビール酵母の凝集性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08205890A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029564A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Kirin Brewery Co., Ltd. | Procede d'evaluation des risques de flocculation prematuree |
WO2007097113A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-08-30 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099694A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099722A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099695A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
CN109929707A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-06-25 | 燕京啤酒(玉林)有限公司 | 一种啤酒活酵母回收和添加方法及装置 |
-
1995
- 1995-02-01 JP JP1544895A patent/JPH08205890A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998029564A1 (fr) * | 1996-12-27 | 1998-07-09 | Kirin Brewery Co., Ltd. | Procede d'evaluation des risques de flocculation prematuree |
WO2007097113A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-08-30 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099694A1 (en) | 2006-02-24 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099722A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
WO2007099695A1 (en) | 2006-02-28 | 2007-09-07 | Suntory Limited | Gene encoding protein responsible for flocculation property of yeast and use thereof |
CN109929707A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-06-25 | 燕京啤酒(玉林)有限公司 | 一种啤酒活酵母回收和添加方法及装置 |
CN109929707B (zh) * | 2019-04-25 | 2023-09-29 | 燕京啤酒(玉林)有限公司 | 一种啤酒活酵母回收和添加方法及装置 |
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