JPH08205762A - 生鮮動物蛋白質の保存用抗菌機能シート - Google Patents

生鮮動物蛋白質の保存用抗菌機能シート

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Publication number
JPH08205762A
JPH08205762A JP7039150A JP3915095A JPH08205762A JP H08205762 A JPH08205762 A JP H08205762A JP 7039150 A JP7039150 A JP 7039150A JP 3915095 A JP3915095 A JP 3915095A JP H08205762 A JPH08205762 A JP H08205762A
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JP
Japan
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film
nonwoven fabric
antibacterial
woven fabric
plastic
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Application number
JP7039150A
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English (en)
Inventor
Koji Sugiura
晃治 杉浦
Hideki Kato
秀樹 加藤
Hiroki Yamada
大機 山田
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NIDAIKI KK
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
NIDAIKI KK
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細菌の混在するドリップを吸収減菌し、過蒸
散を防止して鮮肉鮮魚の必要な含水油分を保持し、日持
ちと味の下落を防止する抗菌機能シートを得る。 【構成】 銀をリン酸ジルコニウムに担持させた銀系抗
菌剤の分散溶液に、ポリオレフィン系不織布を含浸乾燥
させて抗菌性と吸水吸油性を保有させて成るプラスチッ
ク不織布2と、ポリエチレンフイルム1とを接面させ、
フイルム1側から、熱ローラーの外周に突設した熱針を
挿入し抜くことにより、熱針の跡に微孔10が無数に透
設された有孔フイルム1とすると同時に熱針周囲だけが
相互溶着して多数の架橋点接着として有孔フイルム1と
不織布2が接着され、不織布2の外面側には、塩化ビニ
リデン樹脂製の外装フイルム3が接着剤によって貼着し
てある。微孔10は直径0.4mmであって100万個/m2
透設してあり、不織布2の目付け量は50g/m2で吸
水能力100cc/m2であり、抗菌剤の付着量は4g/m2
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮動物蛋白質の抗菌
機能シートに関するものであり、生鮮動物蛋白質の包装
資材、ドリップ吸収シートとして、或いは包装袋として
使可能なものである。
【0002】
【従来の技術】屠殺した家畜は皮剥ぎ前に水洗い処理
し、採肉して真空包装後、冷凍又はチルド保存され、魚
類は、ほとんどが捕獲後、海水又は汽水域の水にて洗浄
されるのみで冷凍又はチルド保存されている。しかしな
がら、屠殺環境や体内細菌等における鮮肉の完全殺菌、
或いは魚類への付着細菌の除去が困難であり、腐敗劣化
変色の要因となっている。細菌は主に表層部に生息する
好気性細菌群と内部に存在する嫌気性細菌群にわけられ
るが、好気性細菌群の活動を抑制できれば嫌気性細菌群
を押さえることができるのである。
【0003】冷凍又はチルド保存によってもその間の細
菌活動は抑制されるが、冷凍までの処理の間や消費者に
よる開袋使用状態となれば好気性細菌群の活動が活発化
するのである。また、チルド保存では各種のドリップ
(水分、溶脂肪分及び血液からなる液体)による細菌の
増殖の問題点があった。そこで、従来では各種袋やドリ
ップ吸収シートが使用されているが、吸収シート内での
ドリップによって細菌が増殖し、腐敗に導く原因となっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、細菌
の混在するドリップを吸収減菌して好気性細菌群の繁殖
を防止し、また過吸水油分を防止すると同時に過蒸散を
防止することで生鮮動物蛋白質の必要とする含水油分を
保持して適切な冷蔵保存することにより生鮮動物蛋白質
の日持ちと味の下落を防止する抗菌機能シートを提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、生鮮
動物蛋白質の包装材、包装袋或いは敷材等として用いる
ことができるもので、下記一般式〔1〕で示される抗菌
剤を担持させて得られる抗菌性と吸水吸油性を有する不
織布の一面に、多数の微孔を透設したプラスチック有孔
フイルムを、また前記不織布の他面に、空気の流通を遮
断するプラスチック外装フイルムを夫々積層密着した構
成としている。なお、外装フイルムを、塩化ビニリデン
樹脂フイルム又は塩化ビニリデン樹脂をコーティングし
たプラスチックフイルムとしてもよい。また、抗菌性と
吸水吸油性を有する不織布一面に、多数の微孔を透設し
たプラスチック有孔フイルムを、さらに前記不織布の他
面に、塩化ビニリデン樹脂をコーティングして空気の流
通を遮断する外装フイルム層を形成した構成、或いは前
記不織布の他面に塩化ビニリデン樹脂を練り込んで空気
の流通遮断機能を保有させた構成としている。なお、抗
菌性と吸水吸油性を有する不織布を、前記の抗菌剤の分
散溶液で、ポリオレフィン系不織布を含浸させてなる不
織布としてもよい。また、微孔の大きさを0.1〜0.6mmと
して微孔を30〜150万個/m2透設した有孔フイル
ムとしてもよい。ここで吸水吸油性とは、水や油を不織
布自体に吸着することの他、不織布の空隙に水や油を吸
い揚げて保持することも含むものとする。
【0006】 一般式〔1〕 Aga1 b2 2(PO43・nH2O (M1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
ン、アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる
少なくとも1種のイオンであり、M2はTi、Zr、Sn等
の4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、a
及びbはa+b=1を満たす正数である。)
【0007】この化合物は空間群R3Cに属する結晶性化
合物であり、各構成イオンが3次元網目状構造を形成す
るものである。前記一般式〔1〕のリン酸ジルコニウム
塩の具体例として以下のものがある。 Ag0.005Li0.995Zr2(PO43 Ag0.01(NH40.99Zr2(PO43 Ag0.05Na0.95Zr2(PO43 Ag0.20.8Ti2(PO43 Ag0.10.9Zr2(PO43 Ag0.050.05Na0.90Zr2(PO43 Ag0.050.55Na0.40Zr2(PO43
【0008】前記一般式〔1〕の抗菌剤を含有する繊維
は、種々の処理液と接触させても、変色の程度が少ない
点で特に優れている。この抗菌剤を合成する方法には、
焼成法、湿式法、水熱法等があり、例えば、湿式法によ
り合成する場合、次のようにして容易に得ることができ
る。オキシ硝酸ジルコニウム及び硝酸ナトリウムの水溶
液を撹拌しながら、この中にシュウ酸を加え、さらにリ
ン酸を加える。苛性ソーダ水溶液にて反応液のpHを
3.5に調整し、78時間加熱還流後、沈殿物を濾過、
水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウム[Na
Zr2(PO43]を得る。これを適当な濃度で銀イオ
ンを含有する水溶液中に浸漬することにより、一般式
〔1〕で示される化合物を得る。
【0009】防かび、抗菌性及び防藻性を発揮させるに
は、一般式〔1〕におけるaの値は大きい方がよいが、
aの値0.001以上であれば充分に防かび、抗菌性及び防
藻性を発揮させることができる。aの値が0.001未満で
あると、防かび、抗菌性及び防藻性を長時間発揮させる
ことが困難となるおそれがあることと、経済性を考慮す
ると、aの値を0.01以上で0.5以下の値とすることが好
ましい。
【0010】抗菌剤を不織布に保持させる方法には特に
制限はなく、例えば、不織布の原料繊維を紡糸する段階
で常法により予め練り込んだり、抗菌剤を配合したバイ
ンダーを用いて原料繊維を接着することにより不織布に
加工したり、またできあがった不織布の繊維の表面にバ
インダーを用いて抗菌剤を付着させる後加工による方法
がある。これらの方法の中では保持のしやすさ及び少量
の抗菌剤で効果を発揮させること等により後加工が最も
好ましい加工方法である。また、好ましいバインダーと
しては、水溶性接着剤、溶剤可溶性接着剤、ビスコース
液、水性エマルジョン及び合成樹脂粉末等があるが、こ
れらの中で抗菌性を効果的に発揮させるためには親水性
の高いものを用いることが望ましい。
【0011】不織布に対する抗菌剤の添加量は、不織布
の材質、多孔率及び繊度等の種類や加工法、使用条件等
により適宜調整すればよく、例えば、原料繊維の紡糸段
階で添加する場合は、繊維に対して0.1〜10wt%
の配合が適当であり、後加工によりバインダー等を用い
て抗菌剤を付着させる場合にはバインダーの固形分に対
し10〜60wt%を混合し、布状の比較的薄い不織布
に対しては0.1g/m2程度、厚めの不織布に対しては1
g/m2程度を付着させれば十分な抗菌効果が得られる。但
し、抗菌効果の持続性、即効性またはより強力な効果が
得たいときは適宜添加量を増やすこともできる。
【0012】
【作用】有孔フイルムを生鮮動物蛋白質に面する側とし
て、本発明のシートを袋や敷材等として生鮮動物蛋白質
に接触させることにより、そのドリップが有孔フイルム
の多数の微孔から侵入して不織布に吸収され不織布内で
拡散する。吸収されたドリップは不織布内で減菌されて
残留し、空気の流通を遮断する外装フイルム、塩化ビニ
リデン樹脂をコーティングした外装フイルム層或いは塩
化ビニリデン樹脂を練り込んだ不織布から外に蒸散され
ないのである。そこで、ドリップが多くて不織布が飽和
状態となった場合、微孔を介して連通していることから
ドリップが平衡状態となるため、それ以上の内部からの
ドリップの流出がなく不流動状態となる。不流動状態と
なったドリップは抗菌シートに連通しているため抗菌さ
れる。したがって内部の嫌気性細菌群の活動が妨げられ
て腐敗を防止できるのである。
【0013】ここで、用いることのできる不織布は、ド
リップを均一に吸収拡散できるのに適したものであり、
適宜に抗菌性と吸水吸油性を保有させ得るものである。
不織布の種類としては、ドリップによっても溶解されな
いプラスチック製が適切であり、特に吸油性が良好で保
水性に優れるポリオレフィン系の不織布が最適である。
吸水量としては、生鮮動物蛋白質の種類や大きさによっ
ても異なるが、生鮮動物蛋白質の含水率の1〜5%の吸
水量が妥当である。
【0014】また、不織布に吸水吸油性を保有させる手
段及び抗菌性を保有させる手段も問わず、前記一般式
〔1〕で示される抗菌剤の分散溶液に不織布を含浸さ
せ、或いは抗菌剤を不織布にコーティングし、抗菌剤を
不織布素材に練り込んでもよい。
【0015】不織布の一面にプラスチック有孔フイルム
を積層密着するのは、不織布へのドリップの吸収を徐々
にさせると共に、生鮮動物蛋白質の表面に抗菌性の不織
布が直接当たるのを防止するためである。この有孔フイ
ルムはプラスチックであればよく、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ナイロンもしくはそれらの複合材等が広く
使用できるのである。プラスチック有孔フイルムは、プ
ラスチック不織布の素材と同一としてヒートシール性が
あれば最適である。なお、有孔フイルムの厚みは20〜
70μmが微孔透設の点から適当である。
【0016】微孔の透設手段としては種々あるが、熱針
による穿孔がよく、微孔の大きさは、0.1〜0.6mmが適当
であり、0.1mm以下では孔開け加工が困難であって現実
的でなく、0.6mm以上ではドリップの吸収速度が速くて
生鮮動物蛋白質の水分の取りむらが生じ部分的に取り過
ぎるため好ましくないのである。また、微孔の数として
は、30〜150万個/m2が妥当であり、30万個/
2以下では孔間のフイルム平坦面においてドリップの
輪形化が生じてドリップが断続され菌の繁殖を充分に抑
止できない状態が起ると共に、ドリップの吸収低下とな
って生鮮動物蛋白質の表面に菌の繁殖を抑止されない残
液が発生して不良となり、150万個/m2以上では孔
開け装置の限界があるためである。
【0017】また、有孔フイルムと不織布との密着手段
も適宜であり、ヒートシールによる熱着、食品衛生法に
適合した接着剤による微孔部を除いた接着の他、同一素
材のプラスチック不織布に接面させた状態で熱針を挿入
することで熱針周囲だけを相互に溶着させ、熱針による
微孔透設と同時に多数の架橋点接着として接着させても
よい。有孔フイルムと不織布とが異なる材質の場合は、
押し出しラミネーションでフイルム化されたものに穿孔
を施してもよい。
【0018】不織布の生鮮動物蛋白質に面しない側にプ
ラスチック外装フイルムを積層密着させるのは、空気、
特に酸素の流通を遮断して水分の蒸散を防止するためで
ある。その材質としては、空気の流通遮断性を保有する
プラスチックフイルムであればよく、その効果が大きく
て冷凍のための耐寒性を有し酸素遮断性の極めて優れた
塩化ビニリデン樹脂フイルム、或いは塩化ビニリデン樹
脂をコーティングしたナイロン等のプラスチックフイル
ムが長期保存用として最適であり、その他には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ナイロン及びそれらの複合材
等が使用できるのである。外装フイルムと不織布との密
着については、接着剤の他、サーマルラミネーション、
ヒートシールによる熱着、押し出しラミネーション等の
サンドラミネーション等で行えばよい。
【0019】また、プラスチック外装フイルムに替え、
抗菌性と吸水吸油性を有する不織布の生鮮動物蛋白質に
面しない側において、塩化ビニリデン水溶性エマルジョ
ンに増粘剤を混合してコーティングし、硬化させて酸素
の流通遮断層を形成してもよい。
【0020】さらに、プラスチック外装フイルムに替
え、生鮮動物蛋白質に面しない側において、不織布に塩
化ビニリデン樹脂を増粘剤と混合して使用して不織布形
成時に練り込んで不織布自体に空気の流通遮断性を保有
させてもよい。
【0021】
【実施例】
参考例1〔抗菌剤の調製〕 硫酸ジルコニウムの水溶液及び燐酸二水素ナトリウムの
水溶液をジルコニウムと燐の比が2:3になるように混
合することにより沈殿物を生成させ、水酸化ナトリウム
の水溶液を用いてpHを2に調整したのち、水熱状態下
で150゜C、24時間加熱することにより結晶質燐酸
ジルコニウムを得た。これにより得た燐酸四価金属塩化
合物を硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間撹拌した
後、十分に水洗し、乾燥した。これにより得られた粉末
を、800゜Cで4時間焼成した後、軽く粉砕すること
により抗菌剤を得た。得られた抗菌剤は、下式で示され
る平均粒径が0.47μmである白色粉末である。 Ag0.15Na0.50.35Zr2(PO43 上記のようにして得た抗菌剤を用いて、以下の実施例に
おいて抗菌機能シートを作成した。
【0022】
【実施例1】フイルム1を厚み50μmのポリエチレン
フイルムとし、不織布を、ポリエチレンとポリエステル
から成るポリオレフィン系のスパンボンドで形成し、抗
菌剤の分散溶液に含浸・しごき・100゜Cで2時間乾
燥させて、抗菌性と吸水吸油性を保有させた厚み410
μmのプラスチック不織布2と成す。そして、該不織布
2の内面にフイルム1を接面させた状態でフイルム1側
から、熱ローラーの外周に無数に突設した熱針を挿入し
抜くことにより、図1のように、熱針の跡に微孔10が
無数に透設された有孔フイルム1とすると共に、熱針周
囲だけが溶着するため多数の架橋点接着として有孔フイ
ルム1と不織布2が接着されるのである。その微孔の大
きさは直径0.4mmであって60万個/m2透設してある。
【0023】また、不織布2の目付け量は70g/m2
で吸水能力200cc/m2であり、抗菌剤の付着量は4g/
2である。さらに、不織布2の外面側には、厚み40
μmの塩化ビニリデン樹脂の外装フイルム3が接着剤3
0を用いたドライラミネーションによって貼着されて本
例の抗菌機能シートが形成されるのである。
【0024】本例の作用を説明すると、抗菌機能シート
の有孔フイルム1を内面側として生鮮動物蛋白質4を包
装することにより、図2のように、鮮肉鮮魚等の生鮮動
物蛋白質4からのドリップが有孔フイルム1の無数の微
孔10から侵入して導通している不織布2に吸収され不
織布2内で拡散する。吸収されたドリップに含まれた細
菌は不織布2内の抗菌剤に接着して減菌される。
【0025】不織布2に吸収されたドリップは微孔10
から再び内部に逆流することはなく不織布2に留まり、
流通を遮断する外装フイルム3によってドリップの外へ
の蒸散が阻止されるのである。不織布2への吸収量は、
予め生鮮動物蛋白質4に合った不織布の目付け量を使用
することで飽和状態とならないようにできるが、不織布
が飽和状態となった場合でも、微孔10を介して不織布
2と連通させ表層部へ流出した全てのドリップが抗菌状
態となることから腐敗を防止できるのである。
【0026】また、外部からの空気や細菌の侵入を外装
フイルム3が阻止して外部環境からの内部の細菌汚染を
防止し、このため耐寒性に優れ、且つ酸素遮断性に優れ
る塩化ビニリデン素材と相俟って真空包装袋としての使
用が好適である。
【0027】本例による抗菌性の実験を表1に示す。ま
た変色等の実験を表2に示す。抗菌性の実験は、和牛も
も肉の表層部から深部までの肉を混合して生産地にて真
空包装された鮮肉を開袋し、その直後の細菌の数と、開
袋直後の肉を本例シートで包装して84時間経過後に細
菌の数を検査したものである。また、変色等の実験は、
その鮮肉を本例シートと市販のラップ材とに包装し、保
存温度+5゜C(±2゜C)で84時間経過後に取りだ
して比較したものである。これによると、本例シートを
用いた場合は、抗菌作用が良好で、腐敗に対して異常が
なく日持ちできる結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例2】図3のように、フイルム1を厚み30μm
のポリエチレンフイルムとし、不織布を、ポリオレフィ
ン系で形成し、抗菌剤の分散溶液に含浸・しごき・10
0゜Cで2時間乾燥させて、抗菌性と吸水吸油性を保有
させた厚み410μmのプラスチック不織布2と成し、
該不織布2の内面にフイルム1を接面させた状態でフイ
ルム1側から、熱ローラーの外周に無数に突設した熱針
を挿入し抜くことにより、熱針の跡に微孔10が無数に
透設されると共に、熱針周囲だけが溶着するため多数の
架橋点接着として有孔フイルム1と不織布2が接着され
るのである。その微孔の大きさは直径0.3mmであって5
0万個/m2透設してある。
【0031】また、不織布2の目付け量は60g/m2
で吸水能力150cc/m2であり、抗菌剤の付着量は4g/
2である。さらに、不織布2の外面部に、塩化ビニリ
デン樹脂をコーティングして酸素の流通を遮断する外装
フイルム層31を形成したものである。この実施例2で
も、前例と同様に抗菌性が優れ、腐敗に対して異常がな
く日持ちできる結果が得られた。
【0032】
【実施例3】厚み300μmのポリオレフィン系不織布
を、抗菌剤及び塩化ビニリデン樹脂を増粘剤と共に、混
練りして厚み60μmの不織布を形成し、厚み40μm
のポリプロピレンのフイルムと接面させ、前例と同様に
熱針の挿着によって無数の微孔の透設と同時に多数の架
橋点接着として有孔フイルムと不織布が接着されるので
ある。その微孔の大きさは直径0.5mmであって150万
個/m2透設してある。これにより、不織布自体に酸素
の流通を遮断する機能が保有されている。なお、不織布
2の目付け量は50g/m2で吸水能力100cc/m2であ
り、抗菌剤の付着量は4g/m2である。この実施例3
でも、前例と同様に抗菌性が優れ、腐敗に対して異常が
なく日持ちできる結果が得られた。
【0033】各実施例は前記のように構成したが、本発
明においてはこれに限定されない。また、本発明抗菌機
能シートは、各種生鮮動物蛋白質の包装袋、包装材シー
ト或いは敷材等として用いることができるのである。
【0034】
【発明の効果】本発明によると、生鮮動物蛋白質からの
ドリップが有孔フイルムの無数の微孔から侵入して導通
している不織布に吸収され拡散し、吸収されたドリップ
に含まれた細菌は不織布内の抗菌剤に接して減菌され、
微孔から生鮮動物蛋白質側に逆流することはなく不織布
内に留まると共に、空気の流通を遮断する外装フイルム
によってドリップの外への蒸散が阻止され、生鮮動物蛋
白質の日持ちが良好となるのである。さらに、ドリップ
が多くて不織布が飽和状態となった場合でも、微孔を介
して連通していることからドリップが平衡状態となるた
め、それ以上の生鮮動物蛋白質側からのドリップの流出
がなく、生鮮動物蛋白質側における嫌気性細菌群の活動
が妨げられて腐敗を防止できるのである。
【0035】また、請求項2では、耐寒性の要求される
冷凍袋に好適である。請求項3では、ドリップを良好に
不織布で吸収して含まれる細菌を減菌し、不織布の外面
部に、塩化ビニリデン樹脂をコーティングして空気の流
通を遮断する外装フイルム層を形成することでドリップ
の外への蒸散を阻止できて生鮮動物蛋白質の日持ちが良
好となるのである。請求項4では、ドリップを良好に不
織布で吸収して含まれる細菌を減菌し、不織布の保有し
た空気の流通遮断性によってドリップの外への蒸散を阻
止できて生鮮動物蛋白質の日持ちを良好にできるのであ
る。請求項5では、抗菌性と吸水吸油性に優れるのであ
る。請求項6では、不織布への導通状態が最適となって
ドリップの吸収が適切になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部拡大縦断面図である。
【図2】包装袋として生鮮動物蛋白質を包んだ状態にお
ける要部拡大縦断面図である。
【図3】別例の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 有孔フイルム 10 微孔 2 不織布 3 外装フイルム 30 接着剤 31 外装フイルム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 25/34 A 59/26 A23B 4/14 B32B 3/26 A 27/12 27/18 F (72)発明者 山田 大機 愛知県小牧市外堀3丁目263番地の2 ニ ダイキ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕で示される抗菌剤を担
    持させた吸水吸油性を有する不織布の一面に、多数の微
    孔を透設したプラスチック有孔フイルムを、また前記不
    織布の他面に、空気の流通を遮断するプラスチック外装
    フイルムを夫々積層密着して成ることを特徴とする生鮮
    動物蛋白質の保存用抗菌機能シート。 一般式〔1〕 Aga1 b2 2(PO43・nH2O (M1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
    ン、アンモニウムイオンまたは水素イオンから選ばれる
    少なくとも1種のイオンであり、M2はTi、Zr、Sn等
    の4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、a
    及びbはa+b=1を満たす正数である。)
  2. 【請求項2】 プラスチック外装フイルムが、塩化ビニ
    リデン樹脂フイルム又は塩化ビニリデン樹脂をコーティ
    ングしたプラスチックフイルムであることを特徴とする
    請求項1記載の抗菌機能シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の抗菌剤を担持させた吸水
    吸油性を有する不織布の一面に、多数の微孔を透設した
    プラスチック有孔フイルムを、また前記不織布の他面
    に、塩化ビニリデン樹脂をコーティングして空気の流通
    を遮断す外装フイルム層を形成して成ることを特徴とす
    る生鮮動物蛋白質の保存用抗菌機能シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の抗菌剤を担持させた吸水
    吸油性を有する不織布の一面に、多数の微孔を透設した
    プラスチック有孔フイルムを積層密着して成り、前記不
    織布の他面に塩化ビニリデン樹脂を練り込んで空気の流
    通遮断機能を保有させたことを特徴とする生鮮動物蛋白
    質の保存用抗菌機能シート。
  5. 【請求項5】 抗菌性と吸水吸油性を有する不織布が、
    請求項1記載の抗菌剤の分散溶液で、ポリオレフィン系
    不織布を含浸させてなる不織布であることを特徴とする
    請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4記載の抗菌
    機能シート。
  6. 【請求項6】 プラスチック有孔フイルムが、その微孔
    の大きさを0.1〜0.6mmとして、微孔を30〜150万個
    /m2透設したフイルムである請求項1又は請求項2又
    は請求項3又は請求項4又は請求項5記載の抗菌機能シ
    ート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274770A (ja) * 2004-08-25 2009-11-26 Graphic Packaging Internatl Inc 吸収性のマイクロ波相互作用パッケージ体
EP2145756A1 (en) 2008-07-15 2010-01-20 Amcor Flexibles Transpac N.V. Functional laminate
KR102300000B1 (ko) * 2020-05-06 2021-09-10 주식회사 신세계푸드 포장 필름 및 이를 포함하는 밀키트

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EP2145756A1 (en) 2008-07-15 2010-01-20 Amcor Flexibles Transpac N.V. Functional laminate
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