JPH08205486A - ワーク加熱装置およびモータの製造方法 - Google Patents

ワーク加熱装置およびモータの製造方法

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JPH08205486A
JPH08205486A JP1300195A JP1300195A JPH08205486A JP H08205486 A JPH08205486 A JP H08205486A JP 1300195 A JP1300195 A JP 1300195A JP 1300195 A JP1300195 A JP 1300195A JP H08205486 A JPH08205486 A JP H08205486A
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JP
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rotor
work
annular
core
motor
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JP1300195A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Futami
俊彦 二見
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】モータに用いるロータなどのワークの破損を防
止して、ワークを短時間で加熱でき、ワーク(モータ)
の信頼性および生産性の向上化を図れるワーク加熱装置
およびモータの製造方法を提供する。 【構成】一部にワーク(ロータ)1が挿脱自在に嵌め込
まれる空隙部11を有する環状鉄心10と、この環状鉄
心に装着される励磁コイル12と、この励磁コイルと電
気的に接続され、励磁コイルに印加する高周波可変電源
部13とを具備し、環状鉄心に交番磁界を通してうず電
流を生じさせ、この鉄損によってロータを均一に急速加
熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばロータリ式圧
縮機の電動機部であるDCブラシレスモータを構成する
ロータなどのワークを加熱するワーク加熱装置および、
このロータを使用したモータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、ガス圧縮動作を行うロータリ
式圧縮機は、シリンダやローラなどを備えた圧縮機構部
に回転軸を介して電動機部が連結されてなる。上記シリ
ンダ内にガスを吸込んでローラを偏心回転駆動し、シリ
ンダ内の圧縮空間容量を徐々に減少させて圧縮作用が行
われる。
【0003】上記電動機部は、普通、ACモータが採用
されており、これは回転軸に外嵌される円筒状のロータ
と、このロータ外周面と狭小の間隙を存して配置され、
電動機部や圧縮機構部を収容する密閉ケース内周壁に固
定されるステータとから構成される。
【0004】このようなモータを製造するのに、回転軸
にロータを外嵌する必要がある。このロータを外嵌する
手段としては、いわゆる焼き嵌め方法が広く採用されて
いる。すなわち、従来、ロータの外周面側にバーナ等の
加熱装置や高周波電源装置に接続する空心コイルを配置
してロータ外径部を加熱し、この加熱されたロータの内
径部を上記回転軸に嵌めた後、冷却するようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記モータ
の高効率化の要請にともない、ロータリ式圧縮機に用い
るロータとして、DCブラシレスモータを採用する研究
が進められている。このようなDCブラシレスモータの
場合は、ロータの外径部近くに磁性材料であるフェライ
トを埋設する構造がとられているので、フェライトの外
周側がより高温に加熱されてしまう。
【0006】上記ロータ内径部に対する加熱作用は、直
接的に加熱される外径部からの熱がフェライトを介し
て、あるいはこのフェライトの設けられていない狭い部
分を介して伝導することによる。
【0007】しかし、フェライトの熱伝導率が小さく、
また、フェライトが設けられていない部分は極めて狭い
ので、ロータ内径部の加熱昇温程度は、この外径部と比
較して極めて低い。
【0008】そのため、ロータ内径部が充分に昇温しな
いうちに外径部が極度に加熱されることになり、両者間
に急激な温度差が生じ、熱衝撃応力によりフェライトあ
るいはロータ本体に亀裂が入る虞れがある。
【0009】そこで、直接、ロータの内周面側から加熱
昇温させることが考慮される。この場合、今度は外径部
が加熱され難いという不具合が生じて、内外径部の大き
な温度差の発生が避けられない。
【0010】このような不具合を除去する一つの手段と
して、ロータ内周面側から加熱し、その熱が完全に外径
部に伝導したことを確認し、この状態から、ある程度加
熱温度を上げてさらに内径部を加熱する。
【0011】そして、熱が完全に外径部に伝導したこと
を確認し、さらに、ある程度加熱温度を上げて内周面側
から加熱する。以下、この作用を繰り返えし、段階的に
加熱すると、内外径部の温度がほとんど均一化して、ロ
ータの焼き嵌めに支障がなくなる。
【0012】しかしながら、このような手段を採用する
と、工程終了までに時間がかかって、生産性が劣るとい
う欠点が生じてしまう。本発明は上記事情に着目してな
されたものであり、その目的とするところは、モータに
用いるロータなどのワークの破損を防止して、ワークを
短時間で加熱でき、ワーク(モータ)の信頼性および生
産性の向上化を図れるワーク加熱装置およびモータの製
造方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明のワーク加熱装置は、請求項1において、
一部にワークが挿脱自在に嵌め込まれる空隙部を有する
環状鉄心と、この環状鉄心に装着される励磁コイルと、
この励磁コイルと電気的に接続され、励磁コイルに印加
する高周波可変電源部とを具備したことを特徴とする。
【0014】請求項2において、請求項1記載の上記環
状鉄心は、2分割化され、その分割体の一端部相互間に
上記空隙部が形成されることを特徴とする。請求項3に
おいて、請求項2記載の上記ワークは、その両端部に掛
合部を有しており、上記環状鉄心の分割体における空隙
部を形成する端部に、上記ワーク掛合部に掛止する掛止
部を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項4において、請求項2および請求項
3のいずれかに記載の上記環状鉄心の空隙部を形成する
端部に、焼結電気鉄心を装着したことを特徴とする。請
求項5において、請求項1ないし請求項4のいずれかに
記載の上記環状鉄心の空隙部を形成する端部に、環状鉄
心の磁束密度調整用の凹部を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項6において、請求項1ないし請求項
5のいずれかに記載の上記高周波可変電源部は、ワーク
加熱終了間際に、高周波可変電源の出力周波数もしくは
出力電圧を小さくすることを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するために第2の発明のモ
ータの製造方法は、請求項7として、円筒状のロータを
加熱した後、このロータを回転軸に焼き嵌めすることに
よりモータを製造するモータの製造方法において、環状
鉄心に形成される空隙部に上記ロータを挿脱自在に嵌め
込み、環状鉄心に装着される励磁コイルに高周波可変電
源を印加することによりロータを加熱する工程と、この
ロータ加熱工程の終了間際に、高周波可変電源の出力周
波数もしくは出力電圧を小さくする工程とを具備したこ
とを特徴とする。
【0018】
【作用】このような構成によれば、ワークの破損を防止
して、このワークを短時間で均一に加熱することがで
き、モータを製造できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて
説明する。図6に、本発明で製造するロータ1(ワー
ク)の構成を示す。このロータ1は同図(A)で示すよ
うに、複数枚の円形プレート2…を同方向に積層してな
るロータ本体3と、このロータ本体3内に挿入されたフ
ェライト4とを有する。上記プレート2は円板状のもの
で、中央部には円形の貫通孔2aが設けられ、外縁部に
は周方向に沿って円弧状の4つのスリット2b…が設け
られる。
【0020】ロータ1を組み立てるには、複数枚のプレ
ート2…を貫通孔2aおよびスリット2bを互いに一致
させた状態で積層してロータ本体3を構成した後、プレ
ート2…の積層方向に連通するスリット2b内に、この
スリットと略同形状の横断面を有するフェライト4を嵌
挿する。
【0021】そして、このロータ本体3の積層方向に沿
う両端面に、中央部に貫通孔5aを有する一対の押え板
5,5を設け、これら押え板と積層されたプレート2…
を貫通する位置決めピン6の両端部を固着することで、
プレート2…およびフェライト4が固定される。
【0022】このようにして成形されたロータ1は、同
図(B)に示すように、内径部1aと外径部1bとを有
する円筒形のワークを構成する。そして、このワークの
内径部1aに回転軸7を焼き嵌めすることによって取付
けられる。
【0023】つぎに、上記ロータ1の焼き嵌めを行うた
めに、このロータ1を加熱する加熱装置を図1を参照し
て説明する。図中10は、環状鉄心である。この環状鉄
心10は、電磁鋼帯を巻いたもの(いわゆる、巻き鉄心
と呼ばれる)をカットして成形する。もしくは、電磁鋼
板を打抜いて、この切断片を積層して成形する。
【0024】上記環状鉄心10は、正面視でほぼ矩形状
をなし、側面視で所定の肉厚寸法を有する。一側辺は欠
落形成されていて、この欠落部分を空隙部11と呼ぶ。
上記空隙部11の長手方向を形成する環状鉄心10の端
面(以下、抜板面と呼ぶ)10a,10a相互間隔寸法
は、加熱すべきロータ1の全長寸法とほぼ一致する。す
なわち、ロータ1は空隙部11である抜板面10a,1
0a間に挿脱自在に嵌挿できるようになっている。
【0025】環状鉄心10における空隙部11と対向す
る側辺部には、励磁コイル12が巻装される。この励磁
コイル12は、高周波可変電源部13に電気的に接続さ
れる。上記高周波可変電源部13は、商用周波数よりも
高い周波数の電流を出力するものである。
【0026】このように加熱装置として、空隙部11を
備えた環状鉄心10と、この環状鉄心に装着される励磁
コイル12およびこの励磁コイルに電気的に接続される
高周波可変電源部13を備えればよく、簡素な構成です
む。
【0027】ロータ1を加熱するにあたって、環状鉄心
10に形成される空隙部11にロータを嵌挿し、適宜な
手段を用いて位置決め固定する。高周波可変電源部13
は、励磁コイル12に商用周波数よりも高い周波数の電
流を流す。その影響を受けて環状鉄心10は磁化され、
この形状に沿う環状方向(矢印方向)に交番磁界が形成
され、磁束が導かれる。
【0028】上記空隙部11を形成する抜板面10aの
面方向は、環状鉄心10に導かれる磁束の流れる方向
(矢印方向)に対して垂直である。この抜板面10aに
平行な方向に磁束が通る場合には鉄損が小さいが、抜板
面に垂直な方向に磁束が通る場合には、大きなうず電流
が生じて鉄損が非常に大きくなることは周知である。
【0029】空隙部11に配置される上記ロータ1は、
抜板面10aと垂直な方向に配置されるところから、環
状鉄心10に交番磁界を形成するとロータに大きなうず
電流が生じ、それにともなう大きな鉄損によってロータ
は急速に加熱される。
【0030】この鉄損は、磁束密度および交番周波数に
比例して大きくなるため、高周波数可変電源部13を用
いて、必ず商用周波数よりも大きな周波数にて励磁する
ことが必要である。
【0031】上記ロータ1は、全体的に、かつ急速に加
熱され、温度上昇する。先に説明した内径部1aと外径
部1bとに温度差が生じないばかりか、プレート2部分
とフェライト4部分にも温度差がない。
【0032】所定温度に上昇したことを確認したら、空
隙部11からロータ1を取り外して、この内径部1aに
回転軸7を嵌挿する。すなわち、ロータ1の焼き嵌め工
程が完了し、このロータを用いたモータが形成されるこ
とになる。
【0033】このようにして、ロータ加熱装置として、
環状鉄心10と、励磁コイル12および高周波可変電源
部13との簡素な構成ですみ、小形化を得られる。そし
て、高い加熱効率が得られる一方、温度上昇速度の調整
が容易であり、ロータ1に対して温度ムラのない加熱が
得られる。
【0034】なお上記高周波可変電源部13は、商用周
波数よりも高い周波数を励磁コイル12に供給するので
あるが、必ずしも、ロータ1に対する加熱時に一定値を
保持することはない。
【0035】すなわち、加熱開始時から終了時までの間
に、出力周波数または出力電圧、もしくはその両方を適
宜変化させて調整するようにしてもよい。その結果、時
間的にロータ1の温度上昇速度を変えることができる。
【0036】たとえば、加熱終了近くで温度上昇速度が
小さくなるように出力周波数または出力電圧、もしくは
その両方を制御することにより、予め設定した加熱温度
を正確に得られる。
【0037】図2に示すような、環状鉄心10Aを採用
してもよい。この場合、成形された環状鉄心10Aの全
体的な形状構造は変わりがないが、2分割されることが
特徴である。
【0038】それぞれの分割体100a,100bの分
割位置として、上部側の抜板面10aと、空隙部11と
対向する側辺部で、かつ上部側の抜板面10aと同位置
が設定される。
【0039】このように、環状鉄心10Aを分割化する
と、ロータ1を空隙部11に装着する作業および加熱後
にここから取り外しする作業が容易化し、作業性の向上
を図れる。
【0040】そして、空隙部11と対向する側辺部にお
いては、ロータ1を装着した後、適宜な手段を用いて確
実な連結固定が必要であること、ロータ加熱後には上記
連結手段を容易に取り外しできるようにすることは、言
う迄もない。
【0041】図3に示すような、環状鉄心10Bを採用
してもよい。この場合、先に説明した2分割化した環状
鉄心を前提とする。そして、空隙部11を形成する抜板
面10a,10aそれぞれに、凹部状の掛合部(上部側
のみ図示する)15を形成する。この掛合部15は、ロ
ータ1の上下端面に設けられる、バランサ用の突部であ
る掛止部16が掛止可能な寸法形状をなす。
【0042】空隙部11にロータ1を装着する際には、
掛合部15にロータ掛止部16を掛止する。したがっ
て、ロータ1を空隙部11に位置決め固定でき、加熱作
用中における位置変動や脱落などの事故を確実に阻止す
る。
【0043】さらに、掛合部15に掛止部16を掛止す
ることによって、環状鉄心10とロータ1とが密着し、
磁気抵抗が減少して、ロータに対する加熱効率の向上に
つなげられる。
【0044】図4に示すような、環状鉄心10Cを採用
してもよい。この場合、空隙部11を形成する端部に焼
結電気鉄心20が装着される。焼結電気鉄心20の抜板
面10aには、先に説明したような掛合部15を設け
て、ロータ1の掛止部16を掛止させ、確実な位置決め
をなすことは変わりがない。
【0045】環状鉄心10Cに焼結電気鉄心20を設け
ることにより、抜板面10aに形成する掛合部15であ
る凹部加工が容易になり、加工性の向上を図れる。そし
て、焼結電気鉄心20は環状鉄心10Cと比較して鉄損
が小さく、この部分における温度上昇を小さくでき、ロ
ータ1の交換作業が容易となる。
【0046】図5に示すような、環状鉄心10Dを採用
してもよい。この場合、同図(A)に示すように、プレ
ート2Aに中心部から周辺部に曲成される逆円弧状にス
リット2dが形成され、この形状に沿うようにしてフェ
ライト4Aが設けられるタイプのロータ1Aを対象とす
る。
【0047】そして、フェライト4Aから外周側を鉄心
A部22、フェライト4Aから内周側を鉄心B部23と
したとき、鉄心A部22と対向する環状鉄心10Dの板
抜面部位に磁束密度調整用としての凹部25が設けられ
る。
【0048】このような構成で空隙部11にロータ1A
を装着して磁束を通すと、上記凹部25を設けたことに
より、これと対向するフエライト4Aから外周側の鉄心
A部22における磁束密度が、フエアライト4Aから内
周側の鉄心B部23における磁束密度よりも小さくな
る。
【0049】すなわち、鉄心A部22に対する加熱温度
を、鉄心B部23に対する加熱温度よりも低くすること
ができる。これらの温度差は、上記磁束密度調整用の凹
部25の位置および空間容量を調整することにより、任
意に設定できる。
【0050】つぎに、このようにして焼き嵌めされたロ
ータ1と回転軸7とを用いたロータリ式圧縮機の構成
と、その組み立てについて説明する。図7に示すよう
に、ロータリ式圧縮機は密閉ケース30を有する。この
密閉ケース30内の下部には圧縮機構部31が設けら
れ、上部には電動機部であるDCブラシレスモータ32
が設けられる。
【0051】このDCブラシレスモータ32は、密閉ケ
ース30の内面に固定されたステータ33と、このステ
ータの内側に配置された上記ロータ1とから構成され
る。ロータ1は、回転軸7に焼き嵌めされることは、先
に説明した通りである。
【0052】上記圧縮機構部31は、回転軸7の下部
に、仕切り板34を介して上下に配設された2つのシリ
ンダ35,35の内部を貫通し、略180°の位相差を
もって形成される2つの偏心部36,36を上記シリン
ダ内に位置させている。
【0053】上記回転軸7は、各シリンダ35,35を
閉塞し、固定する軸受部材37,38で回転自在に枢支
される。また、この軸受部材37,38によって固定さ
れた上記シリンダ35,35は、板金フレーム39によ
って密閉ケース30に固定される。
【0054】上記各偏心部36,36には、ローラ4
0,40が嵌合される。シリンダ35,35は、上記仕
切り板34および軸受部材37,38で上下を区画さ
れ、その内周面とローラとで三日月状の圧縮空間41,
41が形成される。
【0055】また、各シリンダ35,35内には、圧縮
空間41,41を高圧側と低圧側に仕切る図示しないブ
レードが設けられている。このブレードは、ばね部材な
どによってローラ40側へ弾性的に付勢されており、シ
リンダ35に設けられたブレード溝を出入りして、その
先端部をローラに常に接触させている。
【0056】両シリンダ35,35にはそれぞれ吸込み
管42,42が形成され、その一端側は密閉ケース30
の外側に設けられる気液分離器43に接続されている。
一方、密閉ケース30の上端部には導出管44が接続さ
れる。
【0057】しかして、DCブラシレスモータ32に通
電すると回転軸7が回転駆動され、それによってローラ
40はシリンダ35内で偏心回転を行う。このことで、
気液分離器43を介して各吸込管42,42から,それ
ぞれのシリンダ35,35内の圧縮空間41,41にガ
スが吸込まれ、ローラ40,40の偏心回転にともなっ
て圧縮される。
【0058】つぎに、このロータリ式圧縮機の組み立て
について説明する。上記回転軸7にロータ1を焼き嵌め
する前に、回転軸7の下端部にシリンダ35や軸受部材
37,38等からなる圧縮機構部31を組み付ける。そ
して、この後、回転軸7の上端部に、上述の手段をもっ
て加熱されたロータ1を焼き嵌め、冷却することによっ
て、ロータの取付け固定がなされる。
【0059】ついで、ロータ1に埋設されたフェライト
4を着磁し、組み立てられた圧縮機構部31、回転軸7
およびロータ1を密閉ケース30内に挿入し、板金フレ
ーム39にてケース30内に取付け固定する。
【0060】ついで、上記ステータ33を密閉ケース3
0内周壁に固定し、その他の部品を組み付けることで、
DCブラシレスモータ32を内蔵したロータリ式圧縮機
を成形できる。
【0061】なお、上記実施例においては、ワークとし
て、DCブラシレスモータ32を構成するロータ1を適
用して説明したが、これに限定されるものではなく、焼
き嵌めを施すような円筒形のワークであれば全て適用で
きる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、空隙部を
有する環状鉄心と、この環状鉄心に装着される励磁コイ
ルと、この励磁コイルと電気的に接続され、励磁コイル
に印加する高周波可変電源部とでワーク加熱装置を構成
したから、従来の装置と比較して、簡素な構成となり、
廉価に提供できてコストの低減に寄与するとともに装置
の小形化を図ることができ、据え付けスペースの大幅低
減となる。
【0063】そして、ワークに対する加熱効率の向上が
得られ、温度上昇速度の調整が容易で、温度ムラの少な
い理想の加熱作用をなす。ワークとしてロータを適用す
ることにより、モータの信頼性の向上を得るとともに生
産性の向上に繋げられるなどの効果を奏する。
【0064】なお、上記環状鉄心を2分割化して、その
分割体の一端部相互間に空隙部を形成するようにしたか
ら、ワークの空隙部に対する挿脱作業が容易になり、作
業性の向上を図れる。
【0065】環状鉄心の分割体における空隙部を形成す
る端部に、ワーク掛合部に掛止する掛止部を備えたか
ら、環状鉄心とワークが完全密着して磁気抵抗の低減を
図ることができ、加熱効率が向上するとともにワークの
確実な位置決め固定をなす。
【0066】環状鉄心の空隙部を形成する端部に、焼結
電気鉄心を装着したから、空隙部の加工が容易となり、
しかも鉄損が少なくなって環状鉄心自体の温度上昇が小
さくなり耐久性が向上し、ワークの交換作業が容易にな
る。
【0067】環状鉄心の空隙部を形成する端部に、環状
鉄心の磁束密度調整用の凹部を備えたから、ワークに対
して部分的に温度上昇を調整することができ、加熱効率
がより向上する。
【0068】高周波可変電源部は、ワーク加熱終了間際
に、高周波可変電源の出力周波数もしくは出力電圧を小
さくするようにしたから、ワークに対する加熱終了近く
での温度上昇を押えて、必要な加熱温度の正確な制御を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、ワーク(ロータ)加
熱装置の概略の斜視図。
【図2】他の実施例の、環状鉄心の正面図。
【図3】図2の一部を拡大するとともに縦断面にした
図。
【図4】他の実施例の、環状鉄心とワーク(ロータ)の
一部縦断面図。
【図5】(A)は他の実施例の、ロータの平面図。
(B)は環状鉄心とワーク(ロータ)の一部縦断面図。
【図6】(A)はワークであるロータの分解した斜視
図。(B)はロータに対する回転軸の焼き嵌め工程を説
明する図。
【図7】ロータリ式圧縮機の縦断面図。
【符号の説明】
1…ワーク(ロータ)、11…空隙部、10…環状鉄
心、12…励磁コイル、13…高周波可変電源部、10
0a,100b…分割体、15…掛合部、16…掛止
部、20…焼結電気鉄心、25…(磁束密度調整用の)
凹部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一部にワークが挿脱自在に嵌め込まれる空
    隙部を有する環状鉄心と、 この環状鉄心に装着される励磁コイルと、 この励磁コイルと電気的に接続され、励磁コイルに印加
    する高周波可変電源部とを具備したことを特徴とするワ
    ーク加熱装置。
  2. 【請求項2】上記環状鉄心は、2分割化され、その分割
    体の一端部相互間に上記空隙部が形成されることを特徴
    とする請求項1記載のワーク加熱装置。
  3. 【請求項3】上記ワークは、その両端部に掛合部を有し
    ており、 上記環状鉄心の分割体における空隙部を形成する端部
    に、上記ワーク掛合部に掛止する掛止部を備えたことを
    特徴とする請求項2記載のワーク加熱装置。
  4. 【請求項4】上記環状鉄心の空隙部を形成する端部に、
    焼結電気鉄心を装着したことを特徴とする請求項2およ
    び請求項3のいずれかに記載のワーク加熱装置。
  5. 【請求項5】上記環状鉄心の空隙部を形成する端部に、
    環状鉄心の磁束密度調整用の凹部を備えたことを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のワーク
    加熱装置。
  6. 【請求項6】上記高周波可変電源部は、ワーク加熱終了
    間際に、高周波可変電源の出力周波数もしくは出力電圧
    を小さくすることを特徴とする請求項1ないし請求項5
    のいずれかに記載のワーク加熱装置。
  7. 【請求項7】円筒状のロータを加熱した後、このロータ
    を回転軸に焼き嵌めすることによりモータを製造するモ
    ータの製造方法において、 環状鉄心に形成される空隙部にロータを挿脱自在に嵌め
    込み、上記環状鉄心に装着される励磁コイルに高周波可
    変電源を印加することによりロータを加熱する工程と、 このロータ加熱工程の終了間際に、高周波可変電源の出
    力周波数もしくは出力電圧を小さくする工程とを具備し
    たことを特徴とするモータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008091197A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Sansha Electric Mfg Co Ltd 誘導加熱コイル及び誘導加熱コイルの製造方法

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