JPH0820186B2 - 熱処理用具およびその製造方法 - Google Patents

熱処理用具およびその製造方法

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JPH0820186B2
JPH0820186B2 JP63307601A JP30760188A JPH0820186B2 JP H0820186 B2 JPH0820186 B2 JP H0820186B2 JP 63307601 A JP63307601 A JP 63307601A JP 30760188 A JP30760188 A JP 30760188A JP H0820186 B2 JPH0820186 B2 JP H0820186B2
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雅司 藤本
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東芝セラミックス株式会社
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/06Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by burning-out added substances by burning natural expanding materials or by sublimating or melting out added substances
    • C04B38/063Preparing or treating the raw materials individually or as batches
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、熱処理用具およびその製造方法に関し、特
に可燃性の熱収縮性有機物からなる空孔形成材料を9〜
40重量%添加したアルミナ質あるいはアルミナジルコニ
ア質のセラミックス配合原料を焼結することによって作
成された30〜70容量%の空孔を含有するアルミナ質ある
いはアルミナジルコニア質の磁器質焼結体で形成されて
なる熱処理用具およびその製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来この種の熱処理用具およびその製造方法として
は、(i)予め発泡せしめたウレタン等のスポンジ状プ
ラスチック発泡体に対してセラミックス配合原料のスラ
リーを含浸せしめて成形し、そのスポンジ状プラスチッ
ク発泡体を燃焼して成形体から除去し、そののち成形体
を焼成して空孔をもつ熱処理用具を形成するもの(たと
えば特開昭62−27344参照)が提案されており、あるい
は(ii)有機系の発泡性プラスチック材料とスラリー状
のセラミックス粉末とを互いに混合し、成形型内に収容
したのち、その発泡性プラスチック材料を発泡せしめ、
更に成形体を焼成することにより、空孔をもつ熱処理用
具を形成してなるもの(たとえば特願昭62−290674(特
開平1−133989号)参照)が提案されていた。
[解決すべき問題点] しかしながら従来の熱処理用具およびその製造方法で
は、(i)スポンジ状プラスチック発泡体に対してセラ
ミックス粉末を含浸せしめる場合、空孔が貫通孔のみで
密閉孔とできない欠点があり、併せて空孔径を精密に制
御できない欠点、および原料コストが高い欠点、ならび
に複雑な形状に成形できない欠点もあり、これに対し
(ii)有機系の発泡性プラスチック材料とスラリー状の
セラミックス粉末とを混合し成形型内で発泡せしめる場
合、空孔径を精密に制御できず均一とできない欠点があ
った。
そこで本発明は、これらの欠点を除去すべく、後続の
焼成工程の初期段落において燃焼により除去される一定
形状の空孔形成材料をセラミックス配合原料に対して添
加することにより一定形状の空孔を有した磁器質焼結体
で形成されてなる熱処理用具およびその製造方法を提供
せんとするものである。
(2)発明の構成 [問題点の解決手段] 本発明の熱処理用具は、熱処理部材を収容して熱処理
するための熱処理用具であって、アルミナ原料粒子:ジ
ルコニア原料粒子の平均粒径比が1:10〜40であり、30〜
70容量%の空孔を有したアルミナジルコニア質の磁器質
焼結体で形成されてなることを特徴とするものである。
本発明の熱処理用具の製造方法は、アルミナジルコニ
ア質のセラミックス配合原料を焼結することにより、被
熱処理部材を収容して熱処理するための熱処理用具を製
造する方法において、アルミナ原料粒子:ジルコニア原
料粒子の平均粒径比が1:10〜40であるアルミナジルコニ
ア質のセラミックス配合原料に対し、可燃性の熱収縮性
有機物からなる空孔形成材料を9〜40重量%添加し、成
形、乾燥した後、室温〜250℃の温度範囲において50℃
/時の割合で昇温し、250〜450℃の温度範囲において20
℃/時の割合で昇温し、450〜600℃の温度範囲において
50℃/時の割合で昇温し、600〜1000℃の温度範囲にお
いて100℃/時の割合で昇温し、1000〜1600℃の温度範
囲において200℃/時の割合で昇温し、最終的な焼成温
度において2時間以上保持することにより、空孔形成材
料を燃焼により除去するとともにセラミックス配合原料
を焼結して、30〜70容量%の空孔を磁器質焼結体に生成
せしめることを特徴とするものである。
[作用] 本発明にかかる熱処理用具は、被熱処理部材を収容し
て熱処理するための熱処理用具において、30〜70容量%
の空孔を含有したアルミナ質あるいはアルミナジルコニ
ア質の磁器質焼結体で形成されてなることを特徴とする
ので、(i)空孔によって亀裂を低下せしめることによ
りワレの発生を抑制する作用をなし、また(ii)密閉孔
が増加せしめられており熱伝導を確保しかつ通気量を大
幅に削減する作用をなし、ひいては(iii)熱容量を大
幅に削減する作用をなし、併せて(iv)内面と外面との
間の温度勾配を削減してスポーリングによるワレの発生
を抑制する作用をなし、加えて(v)被熱処理部材の加
熱に伴なうエネルギコストを削減する作用をなし、更に
(vi)表面積を拡大して熱放射特性を改善し均一化する
作用をなす。
また、本発明にかかる熱処理用具の製造方法は、アル
ミナ質あるいはアルミナジルコニア質のセラミックス配
合原料を焼結することにより被熱処理部材を収容して熱
処理するための熱処理用具を製造する熱処理用具の製造
方法において、アルミナ質あるいはアルミナジルコニア
質のセラミックス配合原料に対し可燃性の熱収縮性有機
物からなる空孔形成材料を9〜40重量%だけ添加してな
り、空孔形成材料を焼結に際して燃焼により除去し30〜
70容量%の空孔を磁器質焼結体に生成せしめてなること
を特徴とするので、(i)空孔形成材料の粒径を制御す
ることにより空孔径を精密に制御し均一化する作用をな
し、また(ii)原料コストを削減する作用をなし、併せ
て(iii)複雑な形状の成形体の形成も確保する作用を
なす。
[実施例] 次に本発明にかかる熱処理用具およびその製造方法に
ついて、好ましい実施例を挙げ具体的に説明する。しか
しながら以下に説明する実施例は、本発明の理解を容易
化ないし促進化するために記載されるものであって、本
発明を限定するために記載されるものではない。換言す
れば、以下に説明される実施例において開示される各部
材は、本発明の精神ならびに技術的範囲に属する全ての
設計変更ならびに均等物置換を含むものである。
第1図は、本発明にかかる熱処理用具の一実施例を示
す部分断面斜視図であって、被熱処理部材20を収容した
筒状の本体11に対し蓋体12が取付けられた熱処理用具10
を示している。
第2図は、本発明にかかる熱処理用具の製造方法の第
1実施例を示す工程図であって、空孔形成材料を発泡せ
しめない場合を示している。
第3図は、第2図実施例で使用される空孔形成材料を
説明するための説明図である。
第4図は、本発明にかかる熱処理用具の製造方法の第
2実施例を示す工程図であって、成形工程に先立って空
孔形成材料を発泡せしめる場合を示している。
第5図は、第4図実施例で使用される空孔形成材料を
説明するための説明図である。
第6図(a)(b)は、アルミナ質の場合における第
1図実施例の熱特性を示すための拡大断面組織図であっ
て、それぞれ被熱処理部材20の熱処理に使用される前後
の状態を示している。
第7図(a)(b)は、アルミナ質の場合における比
較例の熱特性を示すための拡大断面組織図であって、そ
れぞれ被熱処理部材20の熱処理に使用される前後の状態
を示している。
第8図(a)(b)は、アルミナジルコニア質の場合
における第1図実施例の熱特性を示すための拡大断面組
織図であって、それぞれ被熱処理部材20の熱処理に使用
される前後の状態を示している。
第9図(a)(b)は、アルミナジルコニア質の場合
における比較例の熱特性を示すための拡大断面組織図で
あって、それぞれ被熱処理部材20の熱処理に使用される
前後の状態を示している。
まず第1図を参照しつつ、本発明にかかる熱処理用具
の一実施例について、その構成および作用を詳細に説明
する。
10は、本発明にかかる熱処理用具であって、30〜70容
量%の空孔を有したアルミナ質あるいはアルミナジルコ
ニア質の磁器質焼結体で全体が形成されており、一定形
状(ここでは筒状:以下同様)の本体11と、本体11の開
口部に対して取付けられており本体11の内部空間を熱処
理炉(図示せず)内の環境などから適宜に隔離するため
の蓋体12とを包有している。
本発明にかかる熱処理用具10は、たとえばアルミナ質
の磁器質焼結体で形成されている場合、第6図(a)
(b)に示すごとき組織を有している。すなわち本体11
および蓋体12は、ともにアルミナ領域13中に適宜の径の
空孔14とが分散されている。
また本発明にかかる熱処理用具10は、たとえばアルミ
ナジルコニア質の磁器質焼結体で形成されている場合、
第8図(a)(b)に示すごとき組織を有している。す
なわち本体11および蓋体12は、ともにアルミナ領域13中
に適宜の径の空孔14とジルコニア粒子15とが分散されて
いる。
20は、本発明にかかる熱処理用具10に収容され熱処理
炉内で熱処理される被熱処理部材であって、たとえばセ
ラミックス成形体などである。
しかして第1図に示した本発明にかかる熱処理用具10
は、以下のごとく作用する。
すなわち熱処理用具10は、被熱処理部材20を本体11内
に収容したのち、蓋体12を本体11の開口部に取付けた状
態で、適宜の温度に調整された熱処理炉(図示せず)の
内部に挿入され、被熱処理部材20の熱処理に供される。
熱処理が終了すると、熱処理用具10は、通常、熱処理
炉から取出され、適宜に冷却される。
所望の温度まで冷却されると、熱処理用具10の本体11
から蓋体12が取外され、熱処理済の被熱処理部材20が取
出される。
このとき熱処理用具10では、たとえばアルミナ質の磁
器質焼結体で形成されている場合、熱処理に供される前
後の状態をそれぞれ示す第6図(a)(b)を比較する
ことにより明らかなごとく、この熱処理に伴なってスポ
ーリングすなわち亀裂16がアルミナ領域13中に延び空孔
14で停止されている。
また熱処理用具10では、たとえばアルミナジルコニア
質の磁器質焼結体で形成されている場合、熱処理に供さ
れる前後の状態をそれぞれ示す第8図(a)(b)を比
較することにより明らかなごとく、この熱処理に伴なっ
てスポーリングすなわち亀裂16がジルコニア粒子15から
アルミナ領域13中を延び空孔14で停止されている。
更に第2図および第3図を参照しつつ、本発明にかか
る熱処理用具の製造方法の第1実施例について、その構
成および作用を詳細に説明する。
本発明にかかる熱処理用具の製造方法の第1実施例
は、第2図に示すごとく、混合工程と、成形工程と、乾
燥工程と、焼成工程との4工程によって構成されてい
る。
混合工程は、(i)平均粒径が0.1〜10μmのアルミ
ナAl2O3および平均粒径が0.1〜40μmのジルコニアZrO2
を重量比で60〜95:40〜5の割合で配合したアルミナジ
ルコニア配合物あるいは平均粒径が0.1〜10μmのアル
ミナAl2O3によって作成されたセラミックス配合原料に
対し、水を18〜30重量%となるよう添加し、かつ成形助
剤(たとえばポリビニルアルコール),分散剤(たとえ
ばポリカルボン酸アンモニウム塩)および消泡剤(たと
えば金属石鹸,ポリエーテルなど)を適宜に添加し、所
定時間(たとえば18時間)にわたり湿式混合を行なうこ
とにより、適度の粘度(たとえば0.5〜30ポアズ)を有
するスリップを作成するスリップ作成工程と、(ii)成
品の肉厚に応じて粒径が適宜(たとえば0.5〜4mmの範囲
の値)に設定されている無機質を含まない可燃性の熱収
縮性有機物(たとえばポリスチレンボール)を空孔形成
材料としてスリップに対して所定量(たとえば9〜40重
量%)だけ添加し、適宜の時間(たとえば1時間以上)
にわたる撹拌混合によって均一に分散せしめることによ
り、セラミックス混合物とする混合物作成工程とを包有
する。アルミナAl2O3の平均粒径が0.1〜10μmとされる
根拠は、(i)0.1μm未満の場合、磁器質焼結体の破
壊強度を増加することができて好ましいが、コスト高と
なり、また(ii)10μmを超える場合、磁器質焼結体の
破壊強度などが減少してしまうことにある。
ジルコニアZrO2の平均粒径が0.1〜40μmとされる根
拠は、(i)0.1μm未満の場合、磁器質焼結体の破壊
強度を増加することができて好ましいが、コスト高とな
り、また(ii)40μmを超える場合、磁器質焼結体の破
壊強度などが減少してしまうことにある。
セラミックス配合原料がアルミナジルコニア配合物に
よって作成される場合、平均粒径比すなわちアルミナAl
2O3の平均粒径に対するジルコニアZrO2の平均粒径の比
は、10〜40であることが好ましい。その根拠は、(i)
10未満の場合、磁器質焼結体中の微細な亀裂(いわゆる
“マイクロクラック”)が減少して熱衝撃に対する強度
が低下し、また(ii)40を超える場合、磁器質焼結体の
焼結性が悪化し曲げ強さが劣化することにある。
ここでポリスチレンボールは、第3図に示すごとき構
造を有しており、軟化点、酸化開始温度および酸化終了
温度がそれぞれ70℃,270℃および400℃であり、残存ス
チレンモノマが200ppmでかつ粒径が成品肉厚に応じて適
宜(たとえば4mm以下)に設定されている。
成形工程は、混合工程において作成されたセラミック
ス混合物を、石膏などで作成された適宜の成形型に対
し、適宜の注入圧力(たとえば1〜4Kgf/cm2)によって
注入して脱水を行なうことにより、セラミックス成形体
を作成する工程を包有する。
乾燥工程は、成形工程で作成したセラミックス成形体
を所定温度(たとえば50℃以下)の雰囲気に所定時間
(たとえば12時間以上)保持することにより乾燥成形体
を作成する工程を包有する。
焼成工程は、1500〜1700℃の温度で乾燥成形体を所定
時間にわたって加熱し、球状の空孔が均一に分散されて
おり熱伝導を確保しかつ通気量を大幅に削減して零に接
近せしめるために磁器質焼結体からなる成品すなわち熱
処理用具10を作成する工程を包有する。したがって焼成
工程は、たとえば、室温から約250℃までの温度範囲に
おいて約50℃/時の割合で乾燥成形体を加熱し昇温する
第1の工程と、第1の工程で加熱された乾燥成形体を約
250〜約450℃の温度範囲において約20℃/時の割合で加
熱し昇温する第2の工程と、第2の工程で乾燥加熱され
た乾燥成形体を約450〜約600℃の温度範囲において約50
℃/時の割合で加熱し昇温する第3の工程と、第3の工
程で加熱された乾燥成形体を約600〜約1000℃の温度範
囲において約100℃/時の割合で加熱し昇温する第4の
工程と、第4の工程で加熱された乾燥成形体を約1000〜
約1600℃の温度範囲において約200℃/時の割合で加熱
し昇温する第5の工程と、第5の工程で加熱された乾燥
成形体を約1600℃の温度において所定時間(たとえば2
時間以上)にわたり保持する第6の工程とを包有してい
る。空孔形成材料としてポリスチレンボールが使用され
る場合、ポリスチレンボールが第1の工程で軟化された
のち、第2の工程で酸化(すなわち燃焼)されて除去さ
れ、乾燥成形体に所定形状の空孔をほぼ均一に分散する
よう形成する。
しかして第2図に示した本発明にかかる熱処理用具の
製造方法の第1の実施例は、以下のごとく作用する。
すなわち混合工程でアルミナ質あるいはアルミナジル
コニア質のセラミックス配合原料から作成したスリップ
に対し無機質を含まない可燃性の熱収縮有機物を空孔形
成材料としてほぼ均一に分散せしめたセラミックス混合
物を作成し、そのセラミックス混合物を成形工程で所望
に応じて成形してセラミックス成形体を作成する。セラ
ミックス成形体は、乾燥工程で適宜に乾燥されたのち、
焼成工程で空孔形成材料としての熱収縮性有機物が燃焼
により除去され、30〜70容量%の空孔を有したアルミナ
質あるいはアルミナジルコニア質の磁器質燃焼体(すな
わち熱処理用具10)に焼成される。
更に第4図および第5図を参照しつつ、本発明にかか
る熱処理用具の製造方法の第2実施例について、その構
成および作用を詳細に説明する。
本発明にかかる熱処理用具の製造方法の第2実施例
は、第4図に示すごとく、スリップ作成工程と、発泡工
程と、充填工程と、成形工程と、乾燥工程と、焼成工程
との6工程によって構成されている。
スリップ作成工程は、第2図に示した第1実施例の混
合工程に包有されているスリップ作成工程と同一である
ので、ここではその説明を省略する。
発泡工程は、無機質を含まない可燃性の熱収縮性有機
物(たとえば発泡性ポリスチレンボール)を空孔形成材
料として発泡温度まで加熱(発泡性ポリスチレンボール
の場合、たとえば約100℃の沸騰水に投入することによ
り加熱)して発泡せしめ所望の粒径の空孔を形成する工
程を包有する。
ここで発泡性ポリスチレンボールは、第5図に示すご
とき構造を有したのスチレンモノマーに対しフロン液体
が分散された構成を有しており、発泡温度(約100℃)
まで加熱されるとそのフロン液体がフロンガスとなって
約40倍に発泡する。
充填工程は、発泡された空孔形成材料(たとえば発泡
された発泡性ポリスチレンボール)を成形型内にバイブ
レータ等を用いて充填する工程を包有する。
成形工程は、空孔形成材料の充填された成形型の残余
空間に対し、スリップ作成工程で作成されたスリップを
注入してセラミックス成形体を作成する工程を包有す
る。
乾燥工程は、セラミックス成形体を所定温度(たとえ
ば50℃以下の温度)に所定時間(たとえば12時間)以上
維持して乾燥し乾燥成形体とする工程を包有する。
焼成工程は、第2図に示した第1実施例と同一である
ので、ここではその説明を省略する。空孔形成材料とし
て発泡性ポリスチレンボールが使用される場合、発泡性
ポリスチレンボールが、第1の工程で軟化されたのち、
第2の工程で酸化(すなわち燃焼)されて除去され、乾
燥成形体に所定形状の空孔をほぼ均一に分散するよう形
成する。
しかして第3図に示した本発明にかかる熱処理用具の
製造方法の第2実施例は、以下のごとく作用する。
すなわち発泡工程で適宜に発泡され所望の粒径の空孔
を有する空孔形成材料を充填工程で成形型内に充填して
おき、別途のスリップ作成工程でアルミナ質あるいはア
ルミナジルコニア質のセラミックス配合原料から作成し
たスリップを成形工程でその成形型の残余空間に対し注
入してセラミックス成形体を作成する。セラミックス成
形体は、乾燥工程で適宜に乾燥されたのち、焼成工程で
空孔形成材料が燃焼により除去され、30〜70容量%の空
孔を有したアルミナ質あるいはアルミナジルコニア質の
磁器質焼結体(すなわち熱処理用具10)に焼成される。
上述した本発明にかかる熱処理用具およびその製造方
法の実施例について、一層理解を深めるために具体的な
数値などを挙げて詳細に説明する。
(実施例1〜4) セラミックス配合原料としてアルミナAl2O3が使用さ
れ、かつ空孔形成材料としてポリスチレンボールが使用
された。
セラミックス配合原料としてのアルミナと空孔形成材
料としてのポリスチレンボールとを第1表に示す割合で
それぞれ混合し、第2図に示した本発明にかかる製造方
法によって磁器質焼結体からなる熱処理用具10を作成し
た。
作成された熱処理用具10は、測定に供され、気孔率,
嵩比重,曲げ強さ,内面と外面との間の温度勾配ΔTc,
スポーリングに伴なって初期ワレが発生するまでの通炉
回数(以下、単に“通炉回数”という)および空孔量に
ついてそれぞれ測定された。その結果は、第1表に示す
とおりであった。
また熱処理用具10は、被熱処理部材20の熱処理に供さ
れる前後の組織について観測したところ、第6図(a)
(b)に示すとおりであった。すなわち熱処理用具10
は、被熱処理部材20の熱処理に供されるに際し、スポー
リングすなわち亀裂16が生じて空孔14によってその成長
が阻止されており、ワレの発生が抑制されている。
(比較例1) 空孔形成材料が除去されたことを除き、実施例1〜4
が反復された。
作成された熱処理用具は、測定に供され、気孔率,嵩
比重,曲げ強さ,内面と外面との間の温度勾配ΔTc,通
炉回数および空孔量についてそれぞれ測定された。その
結果は、第1表に示すとおりであった。
また熱処理用具は、被熱処理部材20の熱処理に供され
る前後の組織について観測したところ、第7図(a)
(b)に示すとおりであった。すなわち熱処理用具は、
被熱処理部材20の熱処理に供されるに際し、スポーリン
グすなわち亀裂が生じ成長しておりワレが発生されよう
としている。
(実施例5〜8) セラミックス配合原料としてアルミナAl2O3およびジ
ルコニアZrO2が使用され、かつ空孔形成材料としてポリ
スチレンボールが使用された。
セラミックス配合原料としてのアルミナおよびジルコ
ニアと空孔形成材料としてのポリスチレンボールとは、
第2表に示す割合で混合されたのち、第4図に示した本
発明にかかる製造方法によって磁器質焼結体からなる熱
処理用具を作成した。このときアルミナAl2O3とジルコ
ニアZrO2との平均粒径比は、40であった。
作成された熱処理用具は、測定に供され、気孔率,嵩
比重,曲げ強さ,内面と外面との間の温度勾配ΔTc,通
炉回数および空孔量についてそれぞれ測定された。その
結果は、第2表に示すとおりであった。
また熱処理用具10は、被熱処理部材20の熱処理に供さ
れる前後の組織について観測したところ、第8図(a)
(b)に示すとおりであった。すなわち熱処理用具10
は、被熱処理部材20の熱処理に供されるに際し、スポー
リングすなわち亀裂16が生じて空孔14によってその成長
が阻止されており、ワレの発生が抑制されている。
(比較例2) セラミックス配合原料としてアルミナおよびジルコニ
アが第2表に示す割合で使用され、かつ空孔形成材料が
除去されたことを除き、実施例5〜8が反復された。
作成された熱処理用具は、測定に供され、気孔率,嵩
比重,曲げ強さ,内面と外面との間の温度勾配ΔTc,通
炉回数および空孔量について測定された。その結果は、
第2表に示すとおりであった。
また熱処理用具は、被熱処理部材20の熱処理に供され
る前後の組織について観測したところ、第9図(a)
(b)に示すとおりであった。すなわち熱処 理用具は、被熱処理部材20の熱処理に供されるに際し、
スポーリングすなわち亀裂が生じ成長しておりワレが発
生されようとしている。
実施例1〜4と比較例1とを比較し、また実施例5〜
8と比較例2とを比較すれば明らかなごとく、本発明に
よれば、空孔量を30〜70容量%とすることにより、通炉
回数を増加せしめることができる。
(3)発明の効果 上述より明らかなように、本発明にかかる熱処理用具
は、被熱処理部材を収容して熱処理するための熱処理用
具において、 30〜70容量%の空孔を含有したアルミナ質あるいはア
ルミナジルコニア質の磁器質焼結体で形成され てなることを特徴とするので、 (i)空孔によって亀裂を低下せしめることによりワレ
の発生を抑制できる効果 を有し、また (ii)密閉孔が増加せしめられており熱伝導を確保でき
かつ通気量を大幅に削減できる効果 を有し、ひいては (iii)熱容量を大幅に削減できる効果 を有し、併せて (iv)内面と外面との間の温度勾配を削減でき、スポー
リングによるワレの発生を削減できる効果 を有し、加えて (v)被熱処理部材の加熱に伴なうエネルギコストを削
減できる効果 を有し、更に (vi)表面積を拡大して熱放射特性を改善し均一化でき
る効果 を有する。
また本発明にかかる熱処理用具の製造方法は、アルミ
ナ質あるいはアルミナジルコニア質のセラミックス配合
原料を焼結することにより被熱処理部材を収容して熱処
理するための熱処理用具を製造する熱処理用具の製造方
法において、 アルミナ質あるいはアルミナジルコニア質のセラミッ
クス配合原料に対し、可燃性の熱収縮性有機物からなる
空孔形成材料を9〜40重量%添加してなり、空孔形成材
料を焼結に際して燃焼により除去し30〜70容量%の空孔
を磁器質焼結体に生成せしめ てなることを特徴とするので、 (i)空孔形成材料の粒径を制御することにより、空孔
径を精密に制御し均一化できる効果 を有し、また (ii)原料コストを削減できる効果 を有し、併せて (iii)複雑な形状の成形体の作成も確保できる効果 を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる熱処理用具の一実施例を示す部
分断面斜視図、第2図は本発明にかかる熱処理用具の製
造方法の第1実施例を示す工程図、第3図は第2図実施
例で使用される空孔形成材料を説明するための説明図、
第4図は本発明にかかる熱処理用具の製造方法の第2実
施例を示す工程図、第5図は第4図実施例で使用される
空孔形成材料を説明するための説明図、第6図(a)
(b)はアルミナ質の場合における第1図実施例の熱特
性を示すための拡大断面組織図、第7図(a)(b)は
アルミナ質の場合における比較例の熱特性を示すための
拡大断面組織図。第8図(a)(b)はアルミナジルコ
ニア質の場合における第1図実施例の熱特性を示すため
の拡大断面組織図、第9図((a)(b)はアルミナジ
ルコニア質の場合における比較例の熱特性を示すための
拡大断面組織図である。10 ……熱処理用具 11……本体 12……蓋体 13……アルミナ領域 14……空孔 15……ジルコニア粒子 16……亀裂20 ……被熱処理部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−76804(JP,A) 特開 昭54−109006(JP,A) 特開 昭49−76908(JP,A) 実開 昭60−28399(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱処理部材を収容して熱処理するための熱
    処理用具であって、アルミナ原料粒子:ジルコニア原料
    粒子の平均粒径比が1:10〜40であり、30〜70容量%の空
    孔を有したアルミナジルコニア質の磁器質焼結体で形成
    されてなることを特徴とする熱処理用具。
  2. 【請求項2】アルミナジルコニア質のセラミックス配合
    原料を焼結することにより被熱処理部材を収容して熱処
    理するための熱処理用具を製造する方法において、アル
    ミナ原料粒子:ジルコニア原料粒子の平均粒径比が1:10
    〜40であるアルミナジルコニア質のセラミックス配合原
    料に対し、可燃性の熱収縮性有機物からなる空孔形成材
    料を9〜40重量%添加し、成形、乾燥した後、 室温〜250℃の温度範囲において50℃/時の割合で昇温
    し、 250〜450℃の温度範囲において20℃/時の割合で昇温
    し、 450〜600℃の温度範囲において50℃/時の割合で昇温
    し、 600〜1000℃の温度範囲において100℃/時の割合で昇温
    し、 1000〜1600℃の温度範囲において200℃/時の割合で昇
    温し、 最終的な焼成温度において2時間以上保持することによ
    り、 空孔形成材料を燃焼により除去するとともにセラミック
    ス配合原料を焼結して、30〜70容量%の空孔を磁器質焼
    結体に生成せしめることを特徴とする熱処理用具の製造
    方法。
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