JPH08201337A - 限界電流式ガスセンサ - Google Patents

限界電流式ガスセンサ

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JPH08201337A
JPH08201337A JP7012106A JP1210695A JPH08201337A JP H08201337 A JPH08201337 A JP H08201337A JP 7012106 A JP7012106 A JP 7012106A JP 1210695 A JP1210695 A JP 1210695A JP H08201337 A JPH08201337 A JP H08201337A
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heater element
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秀明 八木
Katsuhiko Horii
克彦 堀井
Takashi Usami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサ素子を含むセンサ本体30が、結露水
の影響によって、割れ等の破損を招かない限界電流式ガ
スセンサ10の提供。 【構成】 限界電流式ガスセンサ10は、プローブ20
の端にセンサ素子とヒータ素子を接合したセンサ本体3
0を固定し、その周囲をプロテクタ40と多孔質の収容
フィルタ50で覆って設けられる。プロテクタ40は、
プローブ20側の周囲にガスを内部に導く通気孔41a
を備える筒体41と、先端に固着された多孔質の端部フ
ィルタ42とからなる。プローブ20に対してセンサ本
体30が水平方向、あるいは上側に配置される場合は、
プロテクタ40内の結露水は通気孔41aから外部へ排
出される。また、センサ本体30が下側に配置される場
合は、結露水は多孔質の端部フィルタ42から外部へ排
出される。このため、水没状態からヒータ素子が作動し
てセンサ本体30が破損することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素濃度や湿度等のガ
ス濃度を検出するヒータ付きの限界電流式ガスセンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、特開平5−9
3706号公報に開示された技術が知られている。この
技術には、プローブの先端にヒータ付きのセンサ素子を
取り付け、その周囲をステンレス製プロテクタで覆うと
ともに、さらにその周囲を多孔質性フィルタで覆う限界
電流式ガスセンサが開示されている。なお、プロテクタ
には、周囲にガスの流入、流出を行う通気孔を備え、フ
ィルタ内に流入したガスがプロテクタ内に導入されるよ
うに設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる限界電流式ガス
センサの作動中、ヒータの働き等で、センサ素子などプ
ロテクタ内が高温状態となる。そして、限界電流式ガス
センサの作動が停止され、ヒータがOFF されると、プロ
テクタ内の温度が徐々に下がり、測定雰囲気ガス温度が
露点温度より下がると、ガス中の水蒸気がプロテクタ内
に異常に結露する場合がある。
【0004】プロテクタは、通気孔を備えるが、ガスの
流速が測定結果に影響を与えないように、通気孔は通
常、センサ素子の検出部より離れた位置に設けられる。
このため、プロテクタ内に生じた結露は、限界電流式ガ
スセンサの設置方向によっては、プロテクタ内から流出
せずに、プロテクタ内に溜まってしまい、センサ素子が
結露水に水没する場合がある。具体的には、上述の公報
に開示された技術では、通気孔がプローブ側に4つ設け
られた単純構造であるため、プローブに対してセンサ素
子が下向きに設置されると、プロテクタ内で発生した結
露水はプロテクタ内から流出せずに、プロテクタ内に溜
まって、センサ素子が結露水に水没する。
【0005】限界電流式ガスセンサを作動させると、ヒ
ータの働きで、センサ素子が短時間で高温(500〜6
00℃)に昇温する。そして、センサ素子が結露水に水
没した状態で、限界電流式ガスセンサを作動させると、
センサ素子に付着した水により、熱衝撃がセンサ素子に
加わり、センサ素子が割れるなど、破損する事故が発生
する可能性がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、センサ素子が結露水の影響によっ
て破損することのない限界電流式ガスセンサの提供にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の限界電流式ガス
センサは、次の技術的手段を採用した。 〔請求項1の手段〕限界電流式ガスセンサは、ガス濃度
を検出するセンサ素子と、通電を受けて発熱し、前記セ
ンサ素子をセンサ使用温度に加熱するヒータ素子と、前
記センサ素子および前記ヒータ素子を被測定ガス中に設
置するためのプローブベースと、前記センサ素子および
前記ヒータ素子を覆った状態で前記ベースに取り付けら
れるとともに、前記ベース側で且つ周囲に通気孔を備え
た有底容器状のプロテクタとを備える。そして、前記プ
ロテクタは、前記プローブベースの近傍側に前記通気孔
を備え、前記センサ素子および前記ヒータ素子を覆う筒
状で気密性の材料で形成された筒体と、この筒体の端部
に取り付けられ、前記筒体内の水が透過可能な多孔質の
端部フィルタとからなる。
【0008】〔請求項2の手段〕限界電流式ガスセンサ
は、ガス濃度を検出するセンサ素子と、通電を受けて発
熱し、前記センサ素子をセンサ使用温度に加熱するヒー
タ素子と、前記センサ素子および前記ヒータ素子を被測
定ガス中に設置するためのプローブベースと、前記セン
サ素子および前記ヒータ素子を覆った状態で前記ベース
に取り付けられるとともに、周囲に通気孔を備えた有底
容器状のプロテクタとを備える。そして、前記ヒータ素
子は、このヒータ素子に電圧を印加するヒータ通電回路
を備え、このヒータ通電回路は、通電開始時に、前記セ
ンサ使用温度よりも低い温度で所定時間発熱するよう、
前記ヒータ素子に所定時間、低電圧を印加し、その後、
前記ヒータ素子が前記センサ使用温度で発熱するよう、
前記ヒータ素子に高電圧を印加する。
【0009】
【発明の作用および効果】
〔請求項1の作用および効果〕限界電流式ガスセンサ
は、ベースに対してセンサ素子が上側に設置された場
合、プロテクタ内で結露した結露水は、下側に位置する
通気孔からプロテクタの外部へ流出する。また、ベース
に対してセンサ素子が水平方向に設置された場合、プロ
テクタ内で結露した結露水は、プロテクタの周囲に設け
られた通気孔からプロテクタの外部へ流出する。さら
に、ベースに対してセンサ素子が下側に設置された場
合、プロテクタ内で結露した結露水は、下側に位置する
多孔質の端部フィルタからプロテクタの外部へ流出す
る。
【0010】このように、プロテクタ内で発生した結露
水は、限界電流式ガスセンサの設置方向にかかわらず、
プロテクタの外部へ流出するため、センサ素子は従来の
ように結露水によって水没する不具合が防がれる。この
ため、限界電流式ガスセンサを作動させた際、ヒータの
働きで、センサ素子が高温(センサ使用温度)に昇温し
ても、熱衝撃によってセンサ素子が破損する不具合を防
ぐことができる。
【0011】〔請求項2の作用および効果〕限界電流式
ガスセンサを作動させた際、ヒータ通電回路によって、
ヒータ素子は所定時間低電圧が印加され、低い温度で所
定時間発熱する。このように、所定時間、低い温度で加
熱されることにより、ヒータ素子に付着していた水が蒸
発する。なお、ヒータ素子に水が付着した状態で通電が
開始されるが、低い温度での加熱であるため、センサ素
子に与えられる熱衝撃は小さく、センサ素子が破損する
不具合は発生しない。そして、所定時間経過後に、ヒー
タ通電回路によってヒータ素子に高電圧を印加し、ヒー
タ素子の温度をセンサ使用温度に昇温させる。
【0012】このように、限界電流式ガスセンサの作動
時に、センサ素子に付着した水を蒸発させてから、セン
サ素子の温度が高温(センサ使用温度)に昇温されるた
め、熱衝撃によってセンサ素子が破損する不具合を防ぐ
ことができる。勿論、請求項1の発明と合わせて用いれ
ば、水蒸気の結露によってもたらされる種々の不具合
は、より完全に一掃できる。
【0013】
【実施例】次に、請求項1および請求項2を採用した限
界電流式ガスセンサの実施例を、図1ないし図8を用い
て説明する。 〔実施例の構成〕限界電流式ガスセンサ10は、図1お
よび図2に示すように、丸棒状のプローブ20(プロー
ブベースの一例)と、このプローブ20の先端面に突出
した状態で固定されるセンサ本体30と、このセンサ本
体30を収容するプロテクタ40と、このプロテクタ4
0を収容する多孔質の収容フィルタ50とから構成され
る。
【0014】(プローブ20の説明)プローブ20は、
センサ本体30を測定雰囲気中に配置するための手段
で、ステンレスなど、耐熱性金属よりなる中空の丸棒体
を呈する。このプローブ20の先端には、センサ本体3
0を固定する穴(図示しない)を備え、その周囲にプロ
テクタ40および収容フィルタ50を嵌め合わせるため
の嵌合部21、22が形成されている。
【0015】(センサ本体30の説明)センサ本体30
は、図3に示すように、板状のセンサ素子60と、板状
のヒータ素子70とを、ガラスによって接合したもので
ある。
【0016】(センサ素子60の説明)センサ素子60
は、ガス濃度(酸素濃度や湿度等)を検出するためのも
ので、安定化ジルコニア板61内に、陽電極62と陰電
極63とを埋設して設けられている。このジルコニア板
61は、酸化ジルコニウムに安定化剤として酸化イット
リウムを添加したものを焼成して設けられた酸素イオン
良導電性の固体電解質である。本実施例におけるジルコ
ニア板61は、外形寸法が例えば縦23mm、幅5m
m、厚み0.3mmのセラミック板で、内部に矩形の開
口部64が形成されている。
【0017】また、ジルコニア板61には、陽電極62
から取り出されるガスを、ジルコニア板61の外部へ放
出させるためのガス出口穴65が形成されている。この
ガス出口穴65は、陽電極62の検出電極を外部に露出
する穴で、本実施例では丸穴を示すが、陽電極62の検
出電極を外部に露出する穴であればどのような形状や大
きさであっても良い。
【0018】陽電極62および陰電極63は、ともに厚
みが数十μm(例えば20μm)の多孔質性白金電極
で、ジルコニア板61内で対向した状態で設けられてい
る。具体的には、プローブ20に固着される側とは異な
った側(図3の上側)より、幅2mmの検出電極62
a、63aと、幅の狭い延長電極62b、63bと、白
金線66、67が接合されるセンサ接続電極62c、6
3cとからなる。
【0019】また、陰電極63は、陰電極63の延長電
極63bから枝分かれして、ジルコニア板61の側面か
ら外部に露出するガス導入部63dを備える。このガス
導入部63dは、他の陰電極63と同様、多孔質性白金
電極で、陰電極63の延長電極63bとともに、導入さ
れたガスの拡散を制限するガス拡散制限手段63eとし
て作用する。
【0020】(ヒータ素子70の説明)ヒータ素子70
は、センサ素子60の検出部A(検出電極62a、63
a側)をセンサ使用温度(例えば500〜600℃)に
局部加熱するためのもので、図4に示すように、アルミ
ナ板71内に、ヒータ電極72を埋設して設けられてい
る。このアルミナ板71は、センサ素子60のジルコニ
ア板61と同様、外形寸法が縦23mm、幅5mm、厚
み0.3mmに設けられ、内部に矩形の開口部73が形
成されている。
【0021】ヒータ電極72は、白金によって形成され
た電極で、センサ素子60の検出部Aを局部加熱するた
めに、線幅が狭く略M字形に設けられた発熱部72a
と、この発熱部72aを通電するため線幅がやや広めに
設けられたリード電極72bと、白金線74、75が接
合されるヒータ接続電極72c、72dとからなる。
【0022】(センサ本体30の製造方法)ここで、セ
ンサ本体30の製造方法を説明する。先ず、センサ素子
60の製造方法を説明する。酸化イットリウムが添加さ
れた酸化ジルコニウムを主成分とした材料によって、焼
成後に開口部64となる穴、およびガス出口穴65とな
る穴を開けた板状の固体電解質グリーンシートを形成す
る(第1工程)。次に、形成されたグリーンシートの表
面に、焼成後に陽電極62と陰電極63となる白金ペー
ストを印刷する(第2工程)。次に、グリーンシートの
端部に白金線66、67を乗せ、焼成後にセンサ接続電
極62c、63cとなる白金ペーストと、白金線66、
67とを接触させる(第3工程)。
【0023】次に、白金ペーストが印刷されたグリーン
シートの表面に、第1工程と同様に形成された固体電解
質のグリーンシートを積層する(第4工程)。なお、こ
の第4工程で使用されるグリーンシートがヒータ素子7
0と接合される側である場合は、陽電極62と陰電極6
3を密封でき、焼成できるものであれば他の材料を用い
て形成しても良い。また、第4工程で使用されるグリー
ンシートがヒータ素子70と接合される側である場合
は、ガス出口穴65となる穴を設けなくとも良い。そし
て、積層されたグリーンシートを約1500℃で一体焼
成する(第5工程)。以上の工程によって、センサ素子
60が完成する。
【0024】次に、ヒータ素子70の製造方法を説明す
る。アルミナ粉末を主成分とする材料によって、焼成後
に開口部73となる穴を開けた板状のグリーンシートを
形成する(第6工程)。次に、形成されたグリーンシー
トの表面に、焼成後にヒータ電極72となる白金ペース
トを印刷する(第7工程)。次に、グリーンシートの端
部に白金線74、75を乗せ、焼成後にヒータ接続電極
72c、72dとなる白金ペーストと、白金線74、7
5とを接触させる(第8工程)。次に、白金ペーストが
印刷されたグリーンシートの表面に、第6工程と同様に
形成されたグリーンシートを積層する(第9工程)。そ
して、積層されたグリーンシートを約1500℃で一体
焼成する(第10工程)。以上の工程によって、ヒータ
素子70が完成する。
【0025】そして、上記によって製造されたセンサ素
子60とヒータ素子70の間に封止ガラス等を付与し、
約800℃に加熱する(第11工程)。この第11工程
によって、センサ素子60とヒータ素子70とが接合さ
れ、センサ本体30が完成する。
【0026】(プロテクタ40の説明)プロテクタ40
は、請求項1を採用するもので、図1および図2に示す
ように、筒体41と、その先端に固着された端部フィル
タ42とから構成された有底筒状容器で、一端がプロー
ブ20に設けられた嵌合部21に嵌め合わされ、無機質
径接着剤によってプローブ20に固着される。
【0027】筒体41は、ステンレスなど、耐熱性で気
密性に優れた金属よりなり、センサ本体30の周囲を覆
う筒状のもので、プローブ20の嵌合部21に嵌め合わ
される側の周囲に、通気孔41aを備える。この通気孔
41aは、収容フィルタ50内のガスをプロテクタ40
内に導くとともに、プロテクタ40内のガスを外部に排
出するためのもので、本実施例ではプローブ20のベー
ス端面近傍の周囲に直径約1mmの穴が90°間隔に4
つ形成されている。
【0028】端部フィルタ42は、筒体41内の水が透
過可能な濡れ性に優れた多孔質部材(ポアー径約70μ
m)で、ステンレスなど、耐熱性に優れた金属焼結体を
使用するのが望ましい。この端部フィルタ42は、円盤
状を呈し、筒体41の先端内に装着された後、カシメに
よって筒体41の先端に固着される。
【0029】(収容フィルタ50の説明)収容フィルタ
50は、内部に進入するガスの流速を大幅に低減させ、
ゴミ等を除いて周囲のガスを収容フィルタ50内に導く
とともに、収容フィルタ50内のガスを外部に排出する
ことのできる多孔質部材(ポアー径約70μm)で、上
述の端部フィルターと同質のステンレスなど、耐熱性に
優れた金属焼結体よりなる。この収容フィルタ50は、
有底円筒状を呈し、開口端がプローブ20に設けられた
嵌合部22に嵌め合わされ、無機質径接着剤によってプ
ローブ20に固着される。
【0030】(電気回路80の説明)上記のように設け
られた限界電流式ガスセンサ10には、図5に示すよう
に、電気回路80が接続される。この電気回路80は、
ヒータ素子70を通電してヒータ素子70を発熱させる
ためのヒータ通電回路81と、ガス濃度(酸素濃度や湿
度等)を測定するための測定回路82とを備える。
【0031】(ヒータ通電回路81の説明)ヒータ通電
回路81は、上述のようにヒータ素子70を通電する回
路で、定常作動時にヒータ素子70に高電圧(後述する
低電圧より高い電圧を示す)を印加してヒータ素子70
の発熱部72aを発熱させ、センサ素子60の検出部A
をセンサ使用温度(500〜600℃)に加熱させる回
路である。
【0032】このヒータ通電回路81は、請求項2を採
用するもので、ヒータ素子70の通電を開始する際、図
6に示すように、低電圧を所定時間(例えば約60秒)
印加し、センサ本体30を低温(例えば約80〜250
℃)で所定時間加熱することによって、センサ本体30
に付着した水(結露水)を蒸発させる低電圧印加手段8
1aが設けられている。そして、ヒータ通電回路81
は、通電開始後の所定時間が経過すると、ヒータ素子7
0に所定の高電圧を印加し、センサ素子60の検出部A
をセンサ使用温度(500〜600℃)に保つ。
【0033】(測定回路82の説明)測定回路82は、
センサ素子60に所定電圧を印加する定電圧回路82a
と、センサ素子60を流れる電流値を測定する電流計8
2bとを備えるもので、電流計82bで測定される電流
値からガス濃度(酸素濃度や湿度等)を検出するもので
ある。なお、定電圧回路82aは印加電圧を、後述する
V1 〜V2 と、V3 〜V4 とで切替可能に設けても良
い。
【0034】(作動原理の説明)ここで、限界電流式ガ
スセンサ10の作動原理を図7を用いて説明する。セン
サ素子60を一定のガス雰囲気中に配置し、センサ素子
60の検出部Aをセンサ使用温度に加熱した状態で、セ
ンサ素子60に電圧を印加すると、陽電極62と陰電極
63の検出電極62a、63a付近の酸素がイオン化さ
れ、陰電極63の検出電極63aから陽電極62の検出
電極62aへ酸素のポンピングが行われ、結果的にセン
サ素子60に電流が流れる。
【0035】センサ素子60に印加する電圧を0〜V1
に増加させると、陰電極63の検出電極63aから陽電
極62の検出電極62aへの酸素のポンピング量が増大
する。すると、酸素イオン導電性を示すほど充分に加熱
されていないガス導入部63dから測定雰囲気中の酸素
が陰電極63内に拡散導入される。この時、導入される
酸素量は比較的少ないため、印加電圧の増加に伴い、導
入される酸素量が増え、センサ素子60に流れる電流値
が増加する。
【0036】センサ素子60に印加する電圧をV1 〜V
2 に増加させた場合では、ガス導入部63dから陰電極
63内に拡散導入される酸素量はガス拡散制限手段63
eによって導入量が制限される。このため、ガス導入部
63dから導入される酸素量が一定となり、センサ素子
60に流れる電流値も一定電流値I1 となる。つまり、
センサ素子60に印加する電圧をV1 〜V2 に増加させ
た場合では、酸素の導入量が制限されて一定電流値I1
のフラットF1 となる。
【0037】センサ素子60に印加する電圧をV2 (V
2 =1.2V)以上に増加すると、導入されたガス中の
水蒸気が電気分解され、その電気分解で生じた酸素イオ
ンが陽電極62にポンピングされる。このため、印加電
圧をV2 〜V3 に増加させると、導入されたガス中の水
蒸気の電気分解量が増え、陰電極63の検出電極63a
から陽電極62の検出電極62aへの酸素のポンピング
量が増大し、センサ素子60に流れる電流値が再び増加
する。
【0038】センサ素子60に印加する電圧をV3 〜V
4 に増加させた場合では、ガス導入部63dから陰電極
63内に拡散導入される水蒸気量はガス拡散制限手段6
3eによって導入量が制限される。このため、ガス導入
部63dから拡散導入される水蒸気量が一定となり、セ
ンサ素子60に流れる電流値も一定電流値I2 となる。
つまり、センサ素子60に印加する電圧をV3 〜V4 に
増加させた場合では、水蒸気の導入量が制限されて一定
電流値I2 のフラットF2 となる。
【0039】〔実施例の作動〕次に、限界電流式ガスセ
ンサ10を大気中において湿度検出に用いた場合の作動
を説明する。なお、この作動説明では、プローブ20に
対してセンサ本体30を下向きの状態で設置した限界電
流式ガスセンサ10を例を示す。
【0040】(作動開始)限界電流式ガスセンサ10を
作動させると、まずヒータ通電回路81の低電圧印加手
段81aが作動し、図6に示すように、ヒータ素子70
に所定の低電圧を所定時間(例えば約60秒)印加す
る。すると、センサ本体30が所定時間、低温(例えば
約80〜250℃)で加熱され、センサ本体30に付着
していた水が蒸発する。そして、所定時間(例えば約6
0秒)が経過すると、ヒータ通電回路81は、図6に示
すように、ヒータ素子70に所定の高電圧(上述の低電
圧より高い電圧)を印加し、センサ素子60の検出部A
をセンサ使用温度(500〜600℃)に加熱する。
【0041】一方、測定回路82は、定電圧回路82a
によって、センサ素子60に所定電圧(例えばV3 〜V
4 の間の電圧)を印加する。すると、作動原理でも説明
したように、印加電圧がV3 〜V4 では、ガス導入部6
3dから陰電極63内に拡散導入される酸素量、および
ガス導入部63dから陰電極63内に拡散導入される水
蒸気量が、ガス拡散制限手段63eによって制限される
ため、測定雰囲気の湿度に応じて、図8の実線に示すよ
うに、センサ素子60を流れる電流値が変化する。そし
て、この電流値は測定回路82の電流計82bによって
読み取られる。つまり、電流計82bの数値から測定雰
囲気の湿度を読み取ることができる。
【0042】なお、定電圧回路82aによって、センサ
素子60にV1 〜V2 の間の所定電圧を印加する場合で
は、測定雰囲気の湿度に応じて、図8の破線に示すよう
に、センサ素子60を流れる電流値が変化するため、こ
の電流計82bの数値から測定雰囲気の湿度を読み取っ
ても良い。
【0043】(作動停止)限界電流式ガスセンサ10の
作動を停止すると、プロテクタ40内の温度が徐々に下
がり、測定雰囲気ガスの温度が露点温度より下がると、
プロテクタ40内に進入した測定雰囲気中の水蒸気が、
プロテクタ40内に結露する場合がある。
【0044】結露が発生した場合、プロテクタ40の筒
体41の内面で結露した水は、下側に位置する多孔質の
端部フィルタ42の上面に導かれた後、端部フィルタ4
2を通過して下方に排出される。そして、端部フィルタ
42から排出された水は、収容フィルタ50内に落下し
た後、収容フィルタ50を通過して下方に排出される。
つまり、プロテクタ40の筒体41の内面で結露した水
は、端部フィルタ42と収容フィルタ50とを通過し
て、限界電流式ガスセンサ10の外部に排出される。
【0045】なお、この作動説明では、プローブ20に
対してセンサ本体30を下向きの状態で設置した例を示
したが、ベースに対してセンサ素子60を上側に設置し
た場合では、プロテクタ40内で結露した結露水は、下
側に位置する通気孔41aかプロテクタ40の外部へ排
出された後、収容フィルタ50を通過して限界電流式ガ
スセンサ10の外部に排出される。また、ベースに対し
てセンサ素子60が水平方向に設置された場合では、プ
ロテクタ40内で結露した結露水は、プロテクタ40の
周囲に90°間隔に4つ設けられた通気孔41aの何れ
かからプロテクタ40の外部へ排出された後、収容フィ
ルタ50を通過して限界電流式ガスセンサ10の外部に
排出される。つまり、限界電流式ガスセンサ10がどの
方向に設置されても、プロテクタ40内で結露した結露
水は、限界電流式ガスセンサ10の外部に排出される。
【0046】〔実施例の効果〕本実施例の限界電流式ガ
スセンサ10は、上記の作用で示したように、プロテク
タ40内で発生した結露水は、限界電流式ガスセンサ1
0の設置方向にかかわらず、限界電流式ガスセンサ10
の外部へ流出されるため、センサ本体30は従来のよう
に結露水によって水没しない。また、限界電流式ガスセ
ンサ10を作動させる際、センサ本体30を低い温度で
所定の短い時間加熱しても、センサ本体30に付着して
いた少量の水は確実に蒸発する。
【0047】このように、本実施例では、センサ本体3
0の水没を防ぎ、且つセンサ本体30に付着していた水
を確実に短時間で蒸発させた後に、センサ素子60をセ
ンサ使用温度(高温)に加熱することができるので、セ
ンサ素子60を含むセンサ本体30に与えられる熱衝撃
が小さく抑えられ、センサ本体30が割れる等の破損す
る不具合を無くすことができる。
【0048】〔変形例〕上記の実施例では、陽電極62
と陰電極63を、ジルコニア板61の同一面に設けたセ
ンサ素子60を示したが、図9および図10に示すよう
に、ジルコニア板61の両面に陽電極62と陰電極63
を設けたセンサ素子60を用いても良い。なお、図9の
センサ素子60は、陰電極63の周囲を箱体91で覆っ
て空隙92を設け、箱体91に設けた微小孔91aによ
って、測定雰囲気と空隙92とを連通した構造のもので
ある。また、図10のセンサ素子60は、図9の箱体9
2を多孔質部材で形成し、微小孔91aを無くしたもの
である。
【0049】上記の実施例では、ヒータ素子70をセン
サ素子60とほぼ同形に設けて、センサ素子60に接合
した例を示したが、センサ素子60の一部にヒータ素子
70を接合したり、逆にヒータ素子70の一部にセンサ
素子60を接合しても良い。上記の実施例では、端部フ
ィルタ42として、ステンレスなど耐熱性に優れ、且つ
濡れ性に優れた多孔質の金属焼結体を用いた例を示した
が、ガスの流速を抑え、耐熱性に優れ、さらに水が透過
可能な濡れ性に優れるものとしてセラミックが挙げられ
る。上記の実施例では、限界電流式ガスセンサ10によ
って、測定雰囲気中の湿度を検出する例を示したが、セ
ンサ素子60に与えられる電圧をV1 〜V2 の所定電圧
として、電流値の変化から酸度濃度を検出する場合にも
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】限界電流式ガスセンサの分解斜視図である(実
施例)。
【図2】限界電流式ガスセンサの断面図である(実施
例)。
【図3】センサ素子の構造を示すセンサ本体の斜視図で
ある(実施例)。
【図4】ヒータ素子の構造を示す斜視図である(実施
例)。
【図5】限界電流式ガスセンサの電気回路図である(実
施例)。
【図6】ヒータ通電回路における低電圧印加手段の作動
を説明するための時間と温度との関係を示すグラフであ
る(実施例)。
【図7】限界電流式ガスセンサの作動原理を示す印加電
圧値と検出電流値との関係を示すグラフである(実施
例)。
【図8】湿度と検出電流値との関係を示すグラフである
(実施例)。
【図9】センサ素子の断面図である(変形例)。
【図10】センサ素子の断面図である(変形例)。
【符号の説明】
10 限界電流式ガスセンサ 20 プローブ(プローブベース) 30 センサ本体 40 プロテクタ 41 筒体 41a 通気孔 42 端部フィルタ 50 収容フィルタ 60 センサ素子 70 ヒータ素子 81 ヒータ通電回路 81a 低電圧印加手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス濃度を検出するセンサ素子と、 通電を受けて発熱し、前記センサ素子をセンサ使用温度
    に加熱するヒータ素子と、 前記センサ素子および前記ヒータ素子を被測定ガス中に
    設置するためのプローブベースと、 前記センサ素子および前記ヒータ素子を覆った状態で前
    記ベースに取り付けられるとともに、前記ベース側で且
    つ周囲に通気孔を備えた有底容器状のプロテクタとを備
    える限界電流式ガスセンサにおいて、 前記プロテクタは、 前記プローブベースの近傍側に前記通気孔を備え、前記
    センサ素子および前記ヒータ素子を覆う筒状で気密性の
    材料で形成された筒体と、 この筒体の端部に取り付けられ、前記筒体内の水が透過
    可能な多孔質の端部フィルタとからなることを特徴とす
    る限界電流式ガスセンサ。
  2. 【請求項2】ガス濃度を検出するセンサ素子と、 通電を受けて発熱し、前記センサ素子をセンサ使用温度
    に加熱するヒータ素子と、 前記センサ素子および前記ヒータ素子を被測定ガス中に
    設置するためのプローブベースと、 前記センサ素子および前記ヒータ素子を覆った状態で前
    記ベースに取り付けられるとともに、周囲に通気孔を備
    えた有底容器状のプロテクタとを備える限界電流式ガス
    センサにおいて、 前記ヒータ素子は、このヒータ素子に電圧を印加するヒ
    ータ通電回路を備え、 このヒータ通電回路は、通電開始時に、前記センサ使用
    温度よりも低い温度で所定時間発熱するよう、前記ヒー
    タ素子に所定時間、低電圧を印加し、 その後、前記ヒータ素子が前記センサ使用温度で発熱す
    るよう、前記ヒータ素子に高電圧を印加することを特徴
    とする限界電流式ガスセンサ。
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