JPH08201253A

JPH08201253A - 高温試験装置

Info

Publication number: JPH08201253A
Application number: JP814795A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Yokoi; 正顕横井
Original assignee: Toshin Kogyo Co Ltd
Current assignee: Toshin Kogyo Co Ltd
Priority date: 1995-01-23
Filing date: 1995-01-23
Publication date: 1996-08-09
Anticipated expiration: 2019-12-02
Also published as: JP3596925B2

Abstract

(57)【要約】【目的】試験雰囲気が酸化性であってもその種類に拘
わりなく１０００℃以上の超高温においても従来の発熱
体を用いて試験をすることができる高温試験装置を提供
する。【構成】高温試験装置は、試験体（２）を内部に含む
ための内部雰囲気容器（５１）と、試験体（２）を高温
にするために内部雰囲気容器（５１）の外側に配される
発熱体（６）と、内部雰囲気容器（５１）と発熱体
（６）とを内部に含むための外部雰囲気容器（５２）と
を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属材料・複合材料・
セラミックス等を高温において大気、水蒸気、活性・不
活性ガス等の種々の雰囲気中で引張り・圧縮・曲げ・疲
労・クリープ・腐食等の試験を行うことのできる高温試
験装置に関する。

【０００２】

【従来技術】最近、超高温で長時間使用できる材料の開
発のために、ファインセラミックス複合材料、超合金等
の超高温用新素材の開発研究が進められており、約１０
００〜２０００℃の超高温において強度試験や腐食試験
が行われている。

【０００３】図１に雰囲気中の高温引張り試験機の従来
例を示す。引張り試験機のベース１０と移動クロスヘッ
ド１１との間に設けられた雰囲気容器１の中には、試験
体２が取り付けられる。試験体２はその上部が負荷ロッ
ド４と負荷される荷重の測定のためのロードセル５とを
介して移動クロスヘッド１１に接続され、その下部が下
部固定ロッド３を介してベース１０に接続されている。
引張り試験を行うために電動又は油圧ポンプ（図示省
略）等により移動クロスヘッド１１を上方に移動させる
ことにより試験体２に引張り荷重が加えられる。

【０００４】雰囲気容器１内には、試験体２を高温とす
るために試験体２を取り囲むように発熱体６が配置さ
れ、更にこの発熱体６を取り囲むように断熱板７が配置
されている。雰囲気容器１の外側には冷却ジャケット８
が設けられ、この冷却ジャケットに図示のように冷却水
が流される。これにより、雰囲気容器１は通常のステン
ンレス鋼等の耐熱金属材料で構成することができる。雰
囲気容器１の上部には負荷ロッド４の移動とともに伸縮
するベローズ９が設けられている。

【０００５】発熱体６に通電することにより試験体２を
所定の高温にする一方、雰囲気容器１内と図示のように
接続された真空ポンプにより雰囲気容器１内を減圧した
後同じく雰囲気容器１に接続されたパイプにより所定の
ガスが導入される。このようにして試験体２を高温にし
所定のガス雰囲気にしてから、移動クロスヘッド１１を
移動させて試験体１に引張り荷重を加えて所定ガス雰囲
気下で高温引張り試験を行なう。

【０００６】発熱体６は試験温度に応じて、通常、次の
ような発熱抵抗材料により構成されている。（１）温度が室温〜１２００℃の範囲で雰囲気が大気の
場合、ニクロム線（NiCr合金）、カンタル線（FeCrAl合
金）などが使用される。（２）温度が１２００〜１５００℃の範囲で雰囲気が大
気の場合、MoSi₂、SiC、白金（Pt）などが使用される。（３）温度が１５００℃以上では、モリブデン（Mo）、
タングステン（W ）、カーボン（C ）などが使用され
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】試験温度が約１５００
℃以上の場合、試験雰囲気を真空又は不活性ガス等の無
酸化性の雰囲気としているが、これは大気中や酸化性雰
囲気で試験を行うと発熱体の酸化が激しく長時間の試験
を行うことができないためである。従来はこのため１５
００℃以上の試験は無酸化性の雰囲気で行うことが余儀
なくされていた。また、１５００℃以下の温度でも酸化
が顕著に起こるような雰囲気での試験は同様に行うこと
はできなかった。このようにかかる高温試験において
は、試験雰囲気はきわめて制限されていたため、材料が
用いられる実際の雰囲気を模擬した状態で高温試験を行
うことは困難な場合が多かった。

【０００８】本願発明の目的は、試験雰囲気が酸化性で
あってもその種類に拘わりなく高温において従来の発熱
体を用いて試験をすることができる高温試験装置を提供
することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本願発明による高温試験
装置は、試験体（２）を内部に含むための第１の容器
（５１）と、前記試験体を高温にするために前記第１の
容器の外側に配される加熱手段（６）と、前記第１の容
器と前記加熱手段とを内部に含むための第２の容器（５
２）とをそれぞれ具備する。

【００１０】前記第１の容器の圧力を前記第２の容器の
圧力と等しくまたは近似させるように構成すると、大気
圧以上又は以下で試験を行う場合に好ましい。また、前
記第１の容器の圧力と前記第２の容器の圧力とを等しく
又は近似させるように構成された圧力平衡手段（６１）
を具備するのが好ましい。

【００１１】また、前記第１の容器内の雰囲気を前記第
２の容器内の雰囲気と異なるように構成できる。また、
第２の容器内の雰囲気を不活性ガスとすれば、加熱手段
に対して高温酸化等による劣化の影響がなくなる。不活
性ガスは、化学的に不活性であるような気体であって、
ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスのみならず、窒
素のような気体であってもよい。更に、前記試験体に荷
重を加えるように構成すれば、引張り試験、圧縮試験、
クリープ試験、曲げ試験、疲労試験等が可能となる。

【００１２】

【作用】請求項１に係わる発明によれば、高温試験を行
う高温雰囲気容器の構造を第１の容器と第２の容器との
二重構造とすることにより、加熱手段の雰囲気と試験雰
囲気とを異なるものとすることができる。従って、加熱
手段の雰囲気を無酸化性にして、試験雰囲気を任意にす
ることが可能となる。

【００１３】請求項２及び３に係わる発明によれば、前
記第１の容器の内側及び外側において加わる圧力が等し
いか又は近似するため、大気圧以上又は以下で試験を行
う場合に、第１の容器に余分な圧力がかからず、第１の
容器を例えば超高温における耐熱材料である石英ガラス
やセラミックスのような脆性材料で構成することが可能
となり、また第１の容器の耐圧部分の肉厚を薄くでき
る。

【００１４】

【実施例】図２に本願発明による一実施例である、高温
高圧雰囲気試験のできる引張り圧縮試験装置の主要部の
構成を示す。図２において図１に示すものと同一の部分
には同じ符号を付しその説明は省略する。

【００１５】外部雰囲気容器５２内には、所定の発熱材
料からなる発熱体６及び内部雰囲気容器５１が配置され
ている。内部雰囲気容器５１内に試験体２が取り付けら
れ、試験体２の下部は、内部雰囲気容器５１の底面に接
続されたロッド３ａに固定され、内部雰囲気容器５１の
下部は下部固定ロッド３に接続されている。そして、内
部雰囲気容器５１内に延在する負荷ロッド４を介して試
験体２に引張り圧縮荷重が加えられるように構成されて
いる。荷重の負荷は例えば図１に示した移動クロスヘッ
ドを電動又は油圧ポンプで駆動させる方式等により行う
ことができる。

【００１６】内部雰囲気容器５１は、例えば石英ガラ
ス、セラミックス、あるいは試験温度が比較的低い場合
は超合金等により構成することができる。この内部雰囲
気容器５１には、内部雰囲気容器５１内を試験雰囲気と
するため及び外部雰囲気容器５２との圧力平衡のため第
１の管７１及び第２の管７２が接続されている。この第
１の管７１は、活性ガス供給源６３、不活性ガス供給源
６４、真空ポンプ６５、送液ポンプ６６及び空気コンプ
レッサ６７にバルブ６３ａ〜６７ａをそれぞれ介して接
続されている。第２の管７２は圧力平衡調整器６１に接
続されている。外部雰囲気容器５２には、内部雰囲気容
器５１との圧力平衡のため第３の管７３が接続され、こ
の第３の管７３は圧力平衡調整器６１に接続されてい
る。更に、管７３にはバルブ６８ａを介して真空ポンプ
６８に接続されている。

【００１７】活性ガス供給源６３からは、試験の目的に
応じて、所定の圧力を有する酸素ガス、水素ガス、硫化
水素ガス、可燃性ガス等の任意のガスを供給できるよう
に構成される。同じく、不活性ガス供給源６４から所定
の圧力を有するヘリウム・アルゴン・ネオン・窒素等の
化学的に不活性なガスを供給できる。また、送液ポンプ
６６はタンク６６ｂ内の所定の液体を送り出す。また、
送液ポンプ６６及び空気コンプレッサ６７はそれぞれ液
体及び空気を所定の圧力に上昇させることができる。こ
れにより、内部雰囲気容器５１内を任意のガス・液体、
大気、水蒸気とし又所定の圧力にすることができる。

【００１８】外部雰囲気容器５２内の発熱体６は、内部
雰囲気容器５１を取り囲むように配置され、内部雰囲気
容器５１内の試験体２を所定の試験温度に調整するた
め、温度調整器６０に接続されている。ベローズ９は内
部雰囲気容器５１の上部に取り付けられ、試験体２の引
張り圧縮による変位に応じて伸縮する。このベローズ９
の上部で負荷ロッド４と接する部分９ａはシールされて
おり、内部雰囲気容器５１は全体として気密状態に保た
れる。

【００１９】図３により内部雰囲気容器５１と外部雰囲
気容器５２との圧力平衡のための圧力平衡調整器６１に
ついて説明する。この圧力平衡調整器６１は、例えば本
願の発明者が先に発明したもの（特公平６−１７８８８
号公報）から構成することができ、第１の圧力室８１、
第２の圧力室８２及びこれらの間に設けられ両者の圧力
差に応じて移動するピストン部材８３を備える。第２の
圧力室８２は第２の管７２により上述の内部雰囲気容器
５１と連通し、第１の圧力室８１は第３の管７３により
上述の外部雰囲気容器５２と連通しているから、第２の
圧力室８２には内部雰囲気容器５１内の圧力ｐが加わ
り、第１の圧力室８１には外部雰囲気容器５２内の圧力
ｐ′が加わる。

【００２０】圧力調整器６１は、更に第１の弁８５、コ
イルばね８６、第２の弁８７、コイルばね８８等からな
る圧力調整機構を備えている。また、第１の圧力室８１
はこの圧力調整機構、管７４、バルブ６２ａを介して所
定の圧力を有するヘリウム・アルゴン・ネオン・窒素等
の化学的に不活性なガス等の不活性ガス供給源６２に接
続されている。

【００２１】この高圧高温雰囲気試験装置の動作につい
て説明する。まず、内部雰囲気容器５１内を所定の試験
雰囲気とするために、バルブ６３ａ〜６７ａを操作して
活性ガス供給源６３、不活性ガス供給源６４、送液ポン
プ６６又は空気コンプレッサ６７のいずれかを選択し、
管７１を介して内部雰囲気容器５１と連通させる。これ
により、内部雰囲気容器５１を所定の試験雰囲気とす
る。このように本実施例においては、所定の活性ガス・
不活性ガス・大気等の気体、蒸気、所定の液体の雰囲気
において高圧下で試験することが可能である。

【００２２】これと同時に外部雰囲気容器５２内にもバ
ルブ６２ａを操作して不活性ガス雰囲気供給源６２から
管７４、圧力平衡調整器６１及び管７３を介して不活性
ガスが供給される。このように外部雰囲気容器５２内の
雰囲気を不活性ガスとすることにより発熱体６が高温と
なっても酸化の進行はきわめて遅くなるから、発熱体６
の寿命は大気中の場合に比べてかなり長くなり、長時間
の高温試験が可能となる。従って、発熱体の材料は従来
のものを使用でき、高温における酸化等による劣化の影
響を受けることがなくなるから、発熱体の材料の選択範
囲が広くなる。

【００２３】試験を高圧で行う場合に、内部雰囲気容器
５１と外部雰囲気容器５２との圧力平衡は次のようにし
て自動的に調整される。外部雰囲気容器５２内の圧力
ｐ′が内部雰囲気容器５１の圧力ｐよりも低い場合、ピ
ストン部材８３は図３の上方に移動するから、圧力平衡
機構の第２の弁８７が第１の弁８５を介してコイルばね
８８に抗して持ち上げられて不活性ガス供給源６２から
所定の圧力を有する不活性ガスが第１の圧力室８１に供
給される。これにより、第１の圧力室８１内の圧力ｐ′
が上昇して所定圧力に達するとピストン部材８３が図３
の下方に移動するとコイルばね８８の押下げ力により第
２の弁８７が不活性ガス供給源６２からの不活性ガスの
供給を断つ。これにより外部雰囲気容器５２内の圧力
ｐ′は内部雰囲気容器５１内の圧力ｐと平衡する。

【００２４】また、外部雰囲気容器５２内の圧力ｐ′が
内部雰囲気容器５１の圧力ｐよりも高い場合、ピストン
部材８３は図３の下方に移動するから、圧力平衡機構の
第１の弁８５の先端がピストン部材８３と離れて第１の
圧力室８１から不活性ガスが通路９０を通り外部に放出
される。これにより、第１の圧力室８１内の圧力ｐ′が
下降して所定圧力に達するとピストン部材８３が図３の
上方に移動することにより第１の弁８５の先端が通路９
０を閉じ第１の圧力室８１からの不活性ガスの放出を断
つ。これにより外部雰囲気容器５２内の圧力ｐ′は内部
雰囲気容器５１内の圧力ｐと平衡する。

【００２５】このようにして外部雰囲気容器５２内の圧
力と内部雰囲気容器５１の圧力とは自動的に調整されて
平衡し、両容器５１、５２間の圧力差（ｐ−ｐ′）は無
視できる程度になるから、内部雰囲気容器５１には試験
のために高圧としてもその圧力の影響はない。従って、
内部雰囲気容器５１は超高温耐熱材料であるセラミック
スや石英ガラス等の脆性材料を使用でき、またその肉厚
を薄く構成できる。

【００２６】上述のように内部雰囲気容器５１内を試験
雰囲気とし、外部雰囲気容器５２内を不活性ガス雰囲気
として、所定の高圧に調整して、発熱体６を温度調節器
６０により制御して試験体２を試験温度としてから、試
験体２に引張り・圧縮荷重を加えて高温高圧下において
引張り・圧縮試験を行う。

【００２７】また、上述の試験において内部雰囲気容器
５１内を所定のガス雰囲気とするために、まず容器内部
を真空としてから所定のガスに置換する場合は、内部雰
囲気容器５１をバルブ６８ａを開いて真空ポンプ６８に
より減圧すると同時に、外部雰囲気容器５２内もバルブ
６５ａを開いて真空ポンプ６５により同程度に減圧す
る。その後、内部雰囲気容器５１内を所定のガスに置換
するとともに外部雰囲気容器５２内も不活性ガスに置換
する。このようにして、真空にした後所定のガスに置換
する場合に両容器５１、５２間のの圧力差による内部雰
囲気容器５１に対する悪影響を避ける。

【００２８】なお、圧力平衡調整器６１は、上述の構成
に限定されることなく、例えば両容器５１、５２間の圧
力差を検出してこれを電気信号に変換してこの差がゼロ
になるように両容器５１、５２の圧力を調整するように
構成される電気的制御によるサーボ弁等も利用できる。

【００２９】また、本発明による高温試験装置による試
験は、本実施例の引張り・圧縮試験に限定されず、試験
体の取り付け治具等を適宜変えることにより曲げ試験、
腐食試験等も行うことができることは言うまでもなく、
高温で所定の雰囲気において種々の試験を行うことがで
きる。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に係わる発明の高温試験装置に
よれば、試験雰囲気である第１の容器内の雰囲気を試験
の目的に応じて任意にできる一方、加熱手段が配置され
る第２の容器内の雰囲気を不活性ガス等の無酸化性にす
ることができる。このため、試験を酸化性雰囲気も含め
て所望の雰囲気において実施することが可能となるとと
もに、試験による加熱手段に対する酸化等の悪影響を防
止することができるから、任意の試験雰囲気において、
長時間にわたり約１０００℃以上での超高温試験を行う
ことが可能となる。従って、従来のような超高温試験に
おける試験雰囲気の制限を撤廃することができ、材料が
用いられる実際の雰囲気を模擬した状態で高温試験を行
うことが可能となる。また加熱手段の材料の選択の幅も
広くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の雰囲気高温引張り試験機の構成を示す図
である。

【図２】本発明による実施例の雰囲気高温試験装置の主
要部の構成を示す図である。

【図３】図２の圧力平衡調整器の詳細を示す図である。

【符号の説明】

２試験体６発熱体（加熱手段）５１内部雰囲気容器（第１の容器）５２外部雰囲気容器（第２の容器）６１圧力平衡調整器（圧力平衡手段）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】試験体を内部に含むための第１の容器
と、前記試験体を高温にするために前記第１の容器の外側に
配される加熱手段と、前記第１の容器と前記加熱手段とを内部に含むための第
２の容器とをそれぞれ具備する高温試験装置。
【請求項２】前記第１の容器の圧力を前記第２の容器
の圧力と等しくまたは近似させるように構成した請求項
１記載の高温試験装置。
【請求項３】前記第１の容器の圧力と前記第２の容器
の圧力とを等しくまたは近似させるための圧力平衡手段
を更に具備する請求項１記載の高温試験装置。
【請求項４】前記第１の容器の圧力と前記第２の容器
の圧力とが大気圧以上又は大気圧以下の圧力であるよう
に構成した請求項２または３記載の高温試験装置。
【請求項５】前記第１の容器内の雰囲気を前記第２の
容器内の雰囲気と異なるように構成した請求項１、２、
３または４記載の高温試験装置。
【請求項６】前記第２の容器内の雰囲気は不活性ガス
であるように構成した請求項１、２、３、４または５記
載の高温試験装置。
【請求項７】前記試験体に荷重を加えるように構成し
た請求項１、２、３、４、５または６記載の高温試験装
置。